たまりば

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2022年04月29日

浅間山公園にムサシノキスゲが咲き始めました。2022年4月。


2022年4月28日(木)、府中市の浅間山公園に行ってきました。
自転車で、武蔵境通りを南下、東八道路を右折。
そのまま、どこまでも走っていき、府中の運転免許試験場の少し先、霊園の周囲をぐるっと反時計回りに回っていった先、浅間山通りを左折します。
先に横断歩道で道の向こう側に渡っておき、歩道を少し進んですぐに右折しました。
住宅街の入り組んだ道を、こんもりした緑の山を目指して曲がって曲がって曲がっていった先、無事に浅間山通りの駐輪場に到着しました。
浅間山通りもそのまま直進した先に大通りを左折しても、同じ場所に到着します。
私は自動車の通る道があまり好きではないので、私道を選びました。

さて、駐輪場に自転車を止めて、わくわくして出発。
駐輪場からすでに、ムサシノキスゲの黄色い花は見えていました。
今年も、花の季節にやってくることができました。

入口のデッキの階段を数段上がったところに、フォトジェニックな1輪。
上の画像がそれです。
去年も同じ場所で撮影した記憶があります。
同じところに、同じ花が咲く。
いいですね。

階段を数段上がると、そこからは右手に水平な道が続いています。
しばらく水平の道を歩き、V字に曲がるようにして、登り道が始まります。
木段が整備された、歩きやすい道です。
疑似木ではなく、本物の木が使われている木段です。
この辺りは、キンランとギンランが今は花盛り。
他の公園と違い、柵の際に咲いているので、写真をアップで撮影できます。
夢のような場所です。

撮影しながらとことこ登っていくと、すぐに山頂。
ゴミ拾いのボランティアの方々がいらっしゃいました。
花の時期は、こういう人たちが巡視もしてくれていると知ると安心します。
ベンチでは早くもお弁当を開いている人たち。
その人たちの足元に鳥が2羽。
鳩かと思って、よく見たら、カモでした。
池もないのに、どこから飛んできたのでしょう。
野川かな?
お弁当を分けてもらおうとしているのでしょうか。
カモが?

人も花も鳥も、みんなのんびり。
浅間山公園、最高です。

1つの山を下り、ちょっとした広場に出て、そこから登り返すと、また別のピークに至ります。
そこからさらに下り、また別のピークへ。
空も晴れてきて、新緑が風に揺れキラキラと光っていました。
木漏れ日が優しい。
山歩き気分を楽しめます。
山の中でも特にこの道はいいなと思う道が、この公園には凝縮されています。

そのピークへの木段の道が、キンランが雑草のように咲いている凄い場所でした。
ギンランも柵の際に沢山咲いています。
ムサシノキスゲも咲いています。
写真ばかり撮って、全く先に進めません。

それでも、ようやく浅間山の最高点に到達。
眺めも何もありませんが、ベンチはいくつか並んでいます。
空いているベンチがあり、座って休憩しました。


名残惜しいですが、そろそろ場所を移動しよう。
駐輪場に戻り、再び自転車で、都立野川公園に戻りました。
この季節、野川公園の自然観察園も目が離せません。
自然観察園のゲートをくぐり、木道を歩いていきます。
おお、濃いピンク色のクリンソウが今週もきれい。
そして、木道の修復が終わり、全部通れるようになっていました。
新しい木道は、茶色に塗られています。
ギシギシ言わないので、安心して歩いていけます。
その先は、キンランの咲くエリア。
去年よりも柵の近くに咲いていました。
でも、浅間山公園の凄さを見た後では、ここのキンランは遠い。
写真には取らず、ただ眺めました。
ゲート近くの今咲いている花の紹介コーナーでは、池のほとりにウラシマソウやシュンランが咲いているそうなのですが、解析能力が高くないと、見つけられないようです。
双眼鏡が必要なのかも。
オドリコソウは、ピンクの花をつけてわさわさと華やかに咲いていました。

自然観察園から少し東に歩き、木陰のベンチで休憩。
良い風が通っていきます。
撮影した画像をにこにこと眺めているうちに、もう午後2時。
いけない、今日は4時40分から授業です。
さあ、帰ろう。
満足の1日でした。

  


  • Posted by セギ at 13:36Comments(0)

    2022年04月26日

    高校数Ⅰ「データの分析」。仮説検定の考え方。


    2022年度からの新課程の高校数学で新たに加わった内容の2つ目です。
    数Ⅰ「データの分析」という従来の単元の中に「仮説検定」というものが加わりました。
    まさに、データをどう分析するべきかの話です。

    例えば、あなたは食堂の店主だとします。
    最近、気がつくとカレーの売り上げが伸びています。
    あの店のカレーはおいしいと、ちょっと評判になってきているようです。
    それならばとカレーに力を入れ、研究し工夫した結果、もっとおいしいカレーを作ることに成功しました。
    常連のお客様20人に、無料で食べてもらったところ、20人中15人が、その新しいカレーを「前よりおいしい」と言ってくれました。
    さあ、お客様に出すカレーは、新しい味に変えるべきか?
    それとも、従来のままでいくべきか?

    20人中15人といえば、3/4です。
    3/4の人が、おいしいと言ってくれている。
    それならば、当然リニューアルすべきだ!

    ・・・本当にそうでしょうか?
    20人中15人が「前よりおいしい」と言った。
    でも、それは、今回たまたまそういうアンケート結果だっただけではないのでしょうか?
    別の20人に食べてもらったら、半数以上が「前よりまずくなった」と言うことも、可能性としては考えられませんか?
    20人なんて、データとしては少なすぎるのですし。

    だからといって、小さい店のことですから、例えば2000人に無料でカレーを食べてもらうというわけにもいきません。
    人数を増やせばデータの確実性を増すといっても、それは経営的に無理です。
    ここで登場するのが、仮説検定の考え方です。

    20人中15人というのは、実際のところ、どのくらいの頻度で出てくることなのか?
    どの程度信用していい数値なのか?
    そうしたことを考えるのが仮説検定です。

    本当は、ここで確率分布を使用するのですが、確率分布は新課程でも相変わらず数Bの単元なので、数Ⅰでは、確率の分布を示した表を使用します。
    それは、その都度、問題に添付されています。


    では、上の内容を問題の形にしてみましょう。

    問題 ある店が、メニューの1つであるカレーを作り直し、20人に試食してもらったところ、15人が「前よりおいしくなった」と回答した。この結果から、カレーは前よりおいしくなったと判断してよいか。仮説検定の考え方を用い、基準となる確率を0.05として考察せよ。ただし、公正なコインを20枚投げて表が出た枚数を記録する実験を200回行ったところ、次の表のようになったとし、この結果を用いよ。

    表の枚数 14 15 16 17
    度数    8  3  0  1


    実際の問題では、上の表は全部記されていますが、ネットでは見にくくなるだけなので、今回は不要な部分は省略しました。


    仮説検定では、考察したい仮説H1に対し、それに反する仮説H0を立てます。
    その仮説H0が否定されるならば、仮説H1は正しいと判断します。

    今回の仮説H1は、
    「新しいカレーは前よりおいしくなった」
    それに反する仮説H0は、
    「新しいカレーは前よりおいしくなったとは言えず、『おいしくなった』と回答する場合とそうではない場合がまったくの偶然で起こる」
    というものになります。

    コイン投げの実験から、コインを20枚投げて表が15枚以上出る確率は、上の表より、
    (3+0+1)/200=4/200
    となります。
    相対度数で表すと、これは、0.02。
    2%の確率でしか起こらないこと、と言えばむしろわかりやすいでしょうか。

    この問題では、基準となる確率を0.05として考察せよ、とありました。
    この数字が唐突なため「仮説検定、よくわからない」と思う人もいらっしゃるかもしれませんが、これは本当に単なる基準です。
    5%の確率で起こることというのは「そんなに起こらないこと」と判断していいんじゃないの?という基準です。

    コインを20枚投げたときに表が15枚以上出る確率は2%しかない。
    5%よりももっと低い、2%。
    こんなことは、偶然では、なかなか起こらないと判断していい。
    だから、
    仮説H0「新しいカレーは前よりおいしくなったとは言えず、『おいしくなった』と回答する場合とそうではない場合がまったくの偶然で起こる」
    は、正しくなかったと判断される。
    よって、仮説H1は正しいと判断してよい。
    したがって、新しいカレーは前よりおいしくなったと判断してよい。

    これが、解答です。

    基準となる確率は0.05のこともあれば、0.01のこともあります。
    0.01、すなわち1%の確率で起こることを基準とすれば、より厳密に、その偶然性を否定できます。

    なお、仮説H0を否定できなかったとからといって、「新しいカレーは前よりおいしくなった」という仮説H1が否定されるというものではありません。
    おいしくなったのかどうかは、わからない、となるだけです。
    そのアンケート結果は、偶然そうなったのかもしれないが、実際にその結果なのかもしれない。
    それは、現時点では、わからない。
    それが仮説検定の考え方です。

    この仮説検定の考え方は、上の食堂のカレーのアンケートのように、費用その他の面でそんなに大量のアンケートや実験を行うわけにはいかない場合に実際に行われているものです。
    数学が実社会とダイレクトにつながっている1例ですね。

      


  • Posted by セギ at 14:06Comments(0)算数・数学

    2022年04月23日

    英語が得意な高校生には「ニュースで学ぶ現代英語」が良いです。


    (この記事は2024年3月に加筆修正しました)
    NHKラジオ講座で2021年度で終わってしまって残念だったのが、「高校生から始める現代英語」という番組でした。
    週に2回しか放送がないので、聴く負担も少なく、難度も内容も大学受験にちょうどいい。
    英語が比較的得意な生徒にお勧めの番組でしたが、終わってしまいました。
    英語があまり得意ではない高校生は「ラジオ英会話」がお薦めです。
    でも、英語が得意な高校生には内容的に少し物足りない。
    「高校生から始める現代英語」が良い番組でした。
    その番組が、昨年度で終わってしまったのです。

    気落ちしながらも、新番組「ニュースで学ぶ『現代英語』」はタイトルが似ているので、もしかしたらと思って聴いてみました。
    「ニュースで学ぶ『現代英語』」。
    NHK第2放送で、午前9:30~9:45。
    午前11:45~12:00。
    20:45~21:00。
    NHK Fエムで深夜0:30~0:45。
    週5回分まとめて再放送は、
    日曜日午後10:00~11:15。

    週の前半、月・火は、2021年度まで「高校生から始める現代英語」を担当していた伊藤サムさんが講師です。
    だから、名物の反訳トレーニングが番組内にあります!

    反訳トレーニング。
    日本語訳を見て、反対に英文を復元するトレーニングです。
    NHKラジオ講座を聴くことを意味のあるものにするために不可欠なトレーニングです。

    ラジオ講座は、漫然と聞いているだけでは効果は薄いのです。
    まず放送をしっかり聴く。
    声に出して練習する箇所はしっかり声に出して練習する。
    シャドーイングしろと言われたら、シャドーイング。
    日本語から英文を作ってみろと言われたら、頑張って口に出して言ってみる。
    そのように放送中は積極果敢に取り組みます。

    しかし、それだけで終わらせてしまうのは勿体ない。
    放送後は、日本語訳を見て、英文を復元する練習。
    これも勿論声に出して練習します。
    ひと通り暗唱できたと思ったら、日本語訳を見て、ノートに書いてみます。
    その後、本文を見て、自分の書いた英文を採点。
    スペルミスなどがあったら、その練習。

    さらに時間的に余裕があれば、その回の重要表現や文法事項を用いた文を自分で作ってみる練習。
    本文の内容についての自分の意見や感想を英語で言ってみる練習。
    さらに書いてみる練習。

    ここまでやれば、本当に力がつきます。

    「ニュースで学ぶ『現代英語』」には、番組テキストが販売されていません。
    できるだけ新しいニュースを扱うために、テキストを作成して印刷する時間を省いたのでしょう。
    しかし、これでは放送後の練習ができない。
    そう思いましたが、番組サイトがあるというので確認したところ、素晴らしいサイトでした。
    以下にリングを貼りますが、上手く飛べないようでしたら、「NHKニュースで学ぶ現代英語」で検索すればすぐ出てきます。

    https://www2.nhk.or.jp/gogaku/gendaieigo/


    実際にサイトを見れば一目瞭然ですが、番組で扱われた英文を読むことができ、しかも1文ずつ音声も確認できます。
    日本語訳も見ることができます。
    重要文の解説も読むことができます。
    さらに、自分で反訳トレーニングをできるようにもなっています。
    わあ、テキストを購入せずこんなに練習できるなんて、親切だなあ・・・。

    しかし、やはり放送を聴くことが重要です。
    ポータブルラジオレコーダーで録音するのが保存もできてベストですが、「NHKらじるらじる」というアプリを使うこともできます。
    「基礎英語」などでもそうですが、番組テキストとCDだけで勉強する、という人は長続きしないことが多いのです。
    やはり、何か違うんです。
    何か無味乾燥なんですよね。
    オープニング曲と講師の挨拶、その回その回の口調、ほんのちょっとした余談。
    そういうものが、英語学習の継続のためのアクセントになっていると思います。

      


  • Posted by セギ at 12:40Comments(0)英語

    2022年04月21日

    井の頭公園に春の花咲く。2022年4月。


    2022年4月19日(火)、前日の雨も上がったので、散歩に行きました。
    今週は、しばらく行っていなかった、井の頭公園へ。
    三鷹駅から、まずは玉川上水沿いに歩きました。
    玉川上水緑道の大半は舗装されていない歩きやすい道なのに、三鷹駅から井の頭公園まではがっちり舗装されています。
    上水の片側だけでも舗装しないでおくことはできなかったものなのか。
    ニリンソウの群落などもあって、植物的はとてもいい場所なのですが。

    さて、井の頭公園の入り口からは、舗装されていない道に入ります。
    植物が鬱蒼と茂り、入口はいつもほの暗い。
    雨あがりには水たまりもできている場合があるので、目が慣れるまでは用心が必要な道です。
    右岸をとことこ歩いていき、道路を渡るところからは左岸に移動。
    ここからは、左岸のみ、舗装されていない道が続きます。
    八重桜ももう花吹雪となり、道がピンク色に染まっていました。
    あっという間に季節が過ぎていきます。
    ムラサキケマンは今年も去年と同じ場所に咲いていました。
    少し離れた場所に別の株も発見。

    今頃気がついたのかと言われそうですが、花を撮影して、その画像を開いて「レンズ」のボタンを押すと、花の名前を教えてもらえるのですね。
    今年の初めにスマホを機種変更して、その機能に気づきました。
    あてにならない面もありますが。
    山の花については、間違った名前が出てくることもあります。
    データ不足なのでしょう。
    似ている栽培種の名前と画像が出てきてしまうのです。

    目をひく黄色い花を撮影し、「ヤマブキ」と出てきて、驚きました。
    そうか、八重のヤマブキってあるんだ。
    上水の柵の内側に咲く紫色の花は、「ツルニチニチソウ」。
    栽培種が庭から逃げてきたのでしょうか。
    去年は見かけなかった花です。

    舗装されていない道が続く限りとことこ歩き、舗装が始まる大通りの手前でUターン。
    来た道をまたとことこ歩くのが、井の頭公園周辺を散歩するときの定番コースです。
    帰路はずっと左岸を歩き、途中から井の頭公園へ。
    山野草のスペースでは、イカリソウが花盛りでした。
    ナルコユリも、これから勢いを増してきそうです。

    池のほとりは桜が終わり、そぞろ歩く人の姿もほどほどの人数で、気持ちよく歩けました。
    ツツジが鮮やかに咲いています。
    山に咲く、アカヤシオやシロヤシオも、もう何年も見ていないなあ。
    街のツツジよりもずっと素朴なツツジですが、見ると嬉しい花です。
    ちょっとややこしい岩場によく咲く花なので、その分の価値もあるのかもしれません。

    そう言えば、数年前、中3男子に理科を教えたとき、被子植物合弁花類の代表としてツツジの花を説明したのですが、
    「そんな花は見たことがない」
    の一点張りで困ってしまったことがありました。
    合弁花のあれほどわかりやすい例はありません。
    見たことがないわけがない。
    ツツジは街のどこにでも咲いています。
    しかし、花に興味がないということは、そういうことなのでしょう。
    画像を見せたら、
    「何だ、それか」
    と、不機嫌になってしまいました。
    自分が間違っていたことを認めない「中学生あるある」でした。

    でも、そういう中学生はわかりやすく、授業をしていて楽なのです。
    近年の中学生は、そういう点では、むしろ、ほとんど手応えのない子が多くなった気がします。
    何を説明しても、
    「わかりました」
    とにこにこして言うのですが、実際に問題を解くと、わかっていない。
    わかっていないのに「わかりました」と言うのです。

    自分ではわかったつもりだったのか?
    説明を理解できないことを認めたくないからなのか?
    それとも、相手の説明がわからなかったと口にすることは、相手を否定しているようで遠慮してしまうのか?
    軋轢や摩擦を避けようとしてしまうのでしょうか。
    否定されたくない。
    批判されたくない。
    批評されたくない。
    自分のことも、否定も批判も批評もしてほしくない・・・。
    そういう子が増えているということでしょうか。

    とことこ歩いていくと、草原の中央に、黄色いつぼみをつけてすっと立っている花がありました。
    キンランです。
    今年も咲き始めました。
    スマホを向けていると、
    「わあ凄い」
    と声を出して、私のすぐ隣りに来た人がいました。
    キンランが当たり前のように咲いていることが嬉しかったのでしょう。
    しかし、私が一歩脇によけると、その人はすぐに察して、私の向こう側に二歩ほども退いてくれました。
    私が撮影して黙礼すると、その人も黙礼。
    「ありがとう」も「すみません」も、声に出して発すれば、むしろ相手を不快にさせることもある時代です。
    声を出せば、飛沫が飛びますから。
    そういうことに気づくセンシティブな感覚を持っている方でした。

    さらに歩いていくと、女の人の二人連れが向こうからやってきました。
    話に夢中の一人の人は大声で何か話していました。
    ちょっと嫌だなと思いながらすれ違う瞬間、もう一人の人が、それとわかるほどはっきりと声を低めました。

    野外で簡単に感染するとも思っていないけれど、with コロナの時代の配慮をしてくれる人の存在はいつもありがたいです。

    だから、私もさらに細かく配慮するべきなんでしょう。
    生徒に対しても、もっとセンシティブにならないと。
    でも、わからないときは、わからないと言ってくれたほうがありがたいなあ・・・。

      


  • Posted by セギ at 14:09Comments(0)

    2022年04月18日

    数学A「場合の数と確率」期待値。有利・不利の判断。


    今年度から、数学Aで再び学ぶことになった「期待値」。
    今回は、ゲームなどの有利・不利と期待値の問題です。

    問題 Aのゲームは、5枚の100円硬貨を同時に投げて、表の出た硬貨をもらうことができる。
    Bのゲームは、1つのサイコロを投げて、3以上の目が出るとその目の枚数だけ100円硬貨をもらうことができ、2以下の目が出るとその目の枚数だけの100円硬貨を支払わなければならない。
    A、B、どちらのゲームに参加するほうが有利か。

    ところで、数学から離れた生活実感としては、このゲームはAに参加したいという人が多いのではないかと思います。
    Aのゲームは、参加しても、とりあえずマイナスはない。
    Bのゲームは、下手をすると、200円払わされる。
    こんなゲームには参加したくない。

    こういうのは本人の性格に由来する判断でしょう。

    だから、「最高賞金」にこだわる人もいると思います。

    Aのゲームは、最高賞金は500円。
    Bのゲームは、最高賞金は600円。
    Bのゲームのほうが、夢がある。
    当たれば大きい。

    宝くじを購入する心理に近いですね。

    外れる確率だけにこだわる人もいるかもしれません。
    Aのゲームは、5枚とも裏が出て賞金0円になる確率は、(1/2)5=1/32
    Bのゲームは、外れてお金を支払わされる確率は、2/6=1/3
    はずれる確率が高いから、Bは嫌だ、Aにしよう。

    それぞれ、感情的な根拠はあるのですが、では、数学的にはどうでしょうか。
    どちらのゲームが、平均でいくらの賞金を期待できるのか?
    まさに、期待値です。


    Aは、まず、何枚表が出るかの確率を求めましょう。
    表が1枚出る確率は?
    1/5ですか?
    違います。
    そういう誤解をしないように、気をつけたいですね。

    これは、反復試行の確率です。
    1枚の硬貨を投げたときに、表が出る確率は1/2。
    裏が出る確率も1/2。
    ところで、5枚の硬貨を同時に投げることは、1枚の硬貨を連続して5回投げることと、数学的には同じです。
    1回目が表で、残る4回が裏の確率は、1/2・(1/2)^4
    しかし、求めたい確率は、この場合だけではありません。
    その1回の表は、何回目に出てきてもいいわけです。
    2回目に表が出て、他の4回は裏の確率は、1/2・(1/2)^4
    これは、先ほどの場合とは重なりませんから、単純に確率を足していっていいことになります。
    さらに他の場合も考えられますね。
    3回目に表が出る場合、4回目に表が出る場合、5回目に表が出る場合。
    結局、表が1回、裏が4回である場合の数は、「表」1個「裏」4個の並べ方と同じです。
    すなわち、「同じものを含む順列」となりますから、表がどこで1回出るかの場合の数は、5C1となります。
    5個のうちの1個を「表」のために選ぶという考え方です。
    そうなると、5枚のうち1枚が表である確率は、
    5C1(1/2)・(1/2)4

    上の式の意味がわからない場合は「反復試行の確率」のページを見てください。

    では、表が2枚出る確率は?
    上と同様に、5回のうち何回目で表が出るか、その場合の数を考えます。
    5個のうちから2個を選ぶ組み合わせと同じですから、5C2となります。
    すなわち、5枚のうち2枚が表である確率は、
    5C2(1/2)2・(1/2)3

    このあたりで、規則性に気づくと思います。
    5回のうち、表がk回出るとすると、その確率は、
    5Ck(1/2)5
    です。

    では、仕組みがわかったので、もう一気に期待値を求める式を立てましょう。
    100×5C1(1/2)5+200×5C2(1/2)5+300×5C3(1/2)5+400×5C4(1/2)5+500×5C5(1/2)5
    計算しやすいように共通因数でくくりましょう。
    =100・(1/2)5・(5C1+2・5C2+3・5C3+4・5C4+5・5C5)
    =100・1/32・(5+2・10+3・10+4・5+5・1)
    =100・1/32・(5+20+30+20+5)
    =100・1/32・80
    =250

    Aの期待値は250円とわかりました。


    では、Bの期待値は?
    サイコロの目は、どの目の出る確率も1/6ですから、
    -100×1/6+-200×1/6+300×1/6+400×1/6+500×1/6+600×1/6
    =100・1/6(-1-2+3+4+5+6)
    =100・1/6・15
    =250

    Bの期待値も250円とわかりました。

    したがって、A・Bどちらのゲームに参加しても同じ。

    が答となります。

    期待値と実感とは随分異なるものだなあという感想もあるかもしれません。

    それでは、そういう「期待値と実感は随分異なるものだなあ」という感覚は数学的には愚かなことで役に立たないことなのか?

    そうとは限らないのかもしれません。
    サイコロの目を1回投げたときに、6の目が出る確率は、常に1/6なのか?
    6回投げれば、必ず1回は6の目が出るのか?
    現実はそうとは限りません。
    6回投げて6回とも6の目が出ることも、現実には有り得ます。
    そうした現実を、私たちはどう見ていくべきなのか?
    ここから、確率分布という考え方に進んでいくのが、旧課程の数Bでした。

    新課程数Aでは、確率分布は学習しませんが、そこのところだけ独立させて、「仮説検定の考え方」というものを数Ⅰ「データの分析」の中で学びます。
    高校1年生が新過程で学ぶ数学で、新たに追加された事項の2つ目が、この「仮説検定」です。
    そのお話は、いずれ、また。

      


  • Posted by セギ at 12:35Comments(0)算数・数学

    2022年04月15日

    大西泰斗の英会話定番レシピが今年は熱いです。


    新学期になり、NHKの語学講座も新年度を迎えました。
    今年のイチ押しは、ラジオではなく、テレビの英語講座です。
    「大西泰斗の英会話定番レシピ」です。
    放送は月曜日から木曜日まで、週4回。
    午前11:10~11:20。
    午後23:20~23:30の、1日2回放送しているテレビ英会話番組です。

    去年もこの番組は放送されていたのですが、学習目標が明確でなく散漫な印象があり、私は数回見て離脱していました。
    しかし、今年リニューアルされたこの番組は、面白いです。
    学習目標は、「話すための英文法」。
    日本人が英語を話せないのは、英文法をわかっていないから。
    単語をどの順番で口に出していいか、わからない。
    だから、いざとなると絶句する。
    あくまでも話すための英文法なので、文法用語を用いたガチガチの文法講義ではなく、非常に大雑把なのがこの番組の特徴です。

    この大西先生の「英文法」には、感心しない部分もあります。
    「指定ルール」、すなわち指定は前に置く。
    「説明ルール」、すなわち説明は後ろに置く。
    そうは言いますが、「指定」と「説明」は何がどう違うのか、明確な定義がありません。
    たとえば「赤いリンゴ」という言葉。
    リンゴの中でも「赤い」リンゴだと指定する。
    リンゴの中でも「赤い」リンゴだと説明する。
    それは、どう違うんでしょうか?
    同じじゃないですか?
    だから、ご都合主義の印象は否定できません。
    ただ、文法用語をできるだけ使わずに文法を理解させるには、このほうがいいのは理解できます。

    生徒の中には、形容詞とか副詞と聞くだけでもうわからなくなる文法アレルギーの強い子や、そういうのは自分は理解しなくていいと思い込んでいる頑固ちゃんたちが沢山います。
    自分は日本語の文法はわからないが日本語を話せる、という誤解にもとづく信念が彼らをそうさせてしまうのかもしれません。
    いえ、日本語のネイティブである私たちは、日本語の文法を体得していて、だから話すことができるのです。
    ただ、その実感がないだけなのです。
    文法がわからないと、その言語は話せないのです。
    しかし、文法の価値だけは絶対に認めない頑固さで英語をとらえている子たちは多いです。
    だから、不定詞も分詞も関係代名詞も使えない。
    英文の中で出てきても理解できない。
    そういう難しいものは、テスト範囲のときだけは勉強するけれど、ずっと使うものではないと思っているようにも見えます。

    それは、小学生が、算数で「分数」を勉強する際に、分数を使うのは「分数」の単元のときだけだと思っているのとも似ています。
    他の単元のときは、相変わらず小数を使うと思い込んでいて、分数を使うと知ると嫌な顔をします。
    単元が変わると、話は変わると思っている・・・。
    それは英語でもそうで、関係代名詞の学習が終われば、もう忘れてしまいます。
    だから、英語コミュケーションの教科書本文に関係代名詞が使われていると嫌な顔をします。
    そんなのは不当だと思うようなのです。
    関係代名詞は、日常会話ですら普通に使うものなのですが。

    そこらへんは、もう、「関係代名詞」という言葉を使わずに関係代名詞を理解させるしか突破口がありません。
    「関係代名詞」という言葉で定義されることによって、その内容を深く理解できる子たちもいるのですが、それではダメな子たちもいます。


    今年、高校1年生は新課程に入りました。
    英語の科目名も変わりました。
    従来の「コミュニケーション英語」は、「英語コミュニケーション」になりました。
    「英語表現」は、「論理表現」に。

    しかし、科目の名前が変わろうとも、進学校であればあるほど、実質は「リーディング&リスニング」と「グラマー&ライティング」です。
    そうでなければ、大学入試に対応できません。
    文法がわかるから、英文の内容を大づかみに把握していくことができるのです。
    読むための文法、書くための文法が必要です。
    うかうかと「論理表現」の検定教科書を使うわけにはいかないのが現場の論理です。
    あんな散漫な教科書を使っていたら、学習目標が生徒に伝わりません。
    理屈を理解できる子たちには、理屈を教えるのが早道です。
    何を学ぶべきなのかをストレートに伝えることによって、学習は合理的かつスムーズに進みます。

    今年も、「論理表現」という散漫な教科書は教科書として、副読本としてがっつりと文法テキストとワークと参考書のセットを生徒の持ち物から発見し、私はガッツポーズをとりました。
    よし。
    これなら大学に行ける。
    授業で実際に使うのは、副読本のほう。
    教科書は使わないでしょう。

    その一方で、文法学習が肌に合わない子たちが多いことも実感しています。
    学校で英文法を学んでも、理屈が頭を素通りしていく様子の子たちです。
    理屈の価値を認めないのです。
    しかし、生徒がどれだけ拒否しても、英文法を理解してもらわなければ、英語力は伸びません。
    突破口は、文法ではないふりをして、文法を教えることです。


    番組に話を戻します。
    番組構成は、まず、ネイティブ2人による会話劇があります。
    英語テロップは出ていますが、画期的なことに、その会話の日本語訳はありません。
    おそらく、テキストには書いてあるのだろうと思いますが。
    そういえば、ラジオ講座も、日本語訳をしない番組が増えてきました。

    その会話劇を見た日本人出演者が、大体こういう会話だろうと、聴き取ったことをまとめます。
    台本なのか実力なのかはわかりませんが、合っています。
    そして、会話の中の重要文をピックアップし、大西先生の解説が始まります。
    「説明ルール。説明は後ろに置く」
    など、とても簡単な解説です。

    そのルールに沿って、練習問題。
    1週目は乱文整序問題でした。
    2週目は質問されたことを否定で答える練習もあり、乱文整序もありました。
    テレビで見る乱文整序問題は、活字で見るよりちょっとわくわくします。
    出演者も、今のところ全問正解です。

    番組の最後は、ラジオ英会話のほうの出演者と一緒にワンポイント解説するコーナー。
    1週目は前置詞 at のイメージ把握。
    2週目は前置詞 about のイメージ。
    わかりやすいです。

    あっという間の10分。
    これなら、ラジオ語学講座が続かない人も続けられそうです。
    1日10分。1週間まとめても40分。
    ラジオよりもテレビのほうが手軽に録画でき、自分の都合のよいときに見ることができるかもしれませんし。

    現在完了や不定詞などは普通に出てきますので、対象は新中3以上と思われます。
    高校生は、英語が苦手な子ほど見る価値があります。
    文法にアレルギーがあり、文法を避け、「文法なんかわからなくても英語はできるようになる」という世迷言に騙され、英語の成績が思わしくない高校生の救世主です。
    言語の骨組みを理解していないのに、その言語を理解できるわけがない。
    でも、過度に複雑な文法用語を理解する必要もないのです。


      


  • Posted by セギ at 14:05Comments(0)英語

    2022年04月13日

    都立野川公園、春爛漫。2022年4月。


    2022年4月12日(火)、夏日の予報の中、自転車で都立神代植物公園多様性センターに向かいました。
    正門前の自転車置き場に駐輪し、さて、中へ。
    ここは、花の季節でも、平日は空いています。
    桜は終わり、ツツジが華やかに咲き始めていました。
    のんびりと1周。
    ナシの白い花がきれいでした。
    野イチゴの一種も白い花が咲き始めています。

    何年か前、珍しくゴールデンウィークに相模湖駅から奥高尾を歩いたときにも、白いイチゴの花が登山道に咲き乱れていましたっけ。
    今、高尾山は桜が満開。
    山の桜のシーズンにも、とうとう間に合いませんでした。
    コロナの感染者数、下がらないですね。
    下がらないまま、慣れてしまって脇が甘くなっている人が多いのかな。
    私も、手洗いが少し雑になってきているかもしれません。
    気をつけます。

    気持ちよく1周し、再び自転車に乗って、都立野川公園へ移動しました。
    トイレ脇に自転車を置いて、さて、自然観察園へ。
    木道から、濃いピンク色のクリンソウを撮影。
    去年と同じ位置に今年も咲いていました。
    さらにとことこ歩いていくと、ヤマブキとラショウモンカズラとニリンソウが咲き競っているお花畑が見えてきました。
    ラショウモンカズラなんて山でも滅多に見ない花なのに、ここではワサワサ咲いています。
    上の画像がラショウモンカズラです。

    春は、1週間で盛りの花が変わっていくので、目が離せません。
    でも、都立小金井公園にも行きたいし、井の頭公園にも行きたいし。
    花の季節は行きたい場所が多くて、悩ましい。

    さて、まだ歩き足りないので、野川沿いに歩いていくことにしました。
    自然観察園から、そのまま川の左岸をさらに東へ。
    野原や沢を過ぎたところで橋を渡りました。
    その先の橋の下も歩いていけないことはないんですが、ちょっとややこしいので、ここは右岸に渡り、トンネルを通過します。
    その先、再び野川のほとりに降りました。

    野川のほとりの鳥たちは人間に慣れているのか、のんびりしています。
    スズメですら、足元から横の壁にちょっと逃げる程度。
    本気になればつかまえられるぞー。
    いや、本気でスズメをつかまえる気はないですけれども。
    陸に上がったカモは、余程人が近づいてから、面倒くさそうに川に入ります。
    まるで鳩のように態度に余裕があります。
    そりゃ、つかまえないですけれども。
    もうちょっと野鳥の緊張感がほしい気もしますが、それくらい野川はのどかです。

    対岸では、鯉のぼりが1つのロープで横並びに沢山泳いでいました。
    去年も見た光景です。
    菜の花の向こうの鯉のぼり。
    季節が巡っていきます。
    木橋のかかっていない沢の前で道路に登ると、そこは大沢の水車。
    ゆっくりと動いています。
    遅れて咲く桜がきれいでした。
    白というより薄緑色の花が咲く桜。
    これは何という桜だろう?

    そこからは、しばらく野川沿いの舗装された道を歩きました。
    去年は工事中でここは通行止めになっていました。
    新しい道が整備されて、その先、野川大沢調節池が完成されていました。
    大雨等で野川の水位が上がったときに水を逃がすための調節池です。
    普段は、テニスコート・サッカー場・野球場として利用するとのことですが、まだその整備まではされていないようで、がらんとしています。

    小さな公園に、ハナミズキの白い花と赤い花。
    その先、ピンク色の八重桜が華やかに咲くところから、緩いスロープで再び野川のほとりに降りていくことができました。
    釣り人が並んでいます。
    何が釣れるのかなあ。
    枝垂れ桜はもう葉桜。
    花の盛りに歩いたら、きれいだったろうなあ。

    どこまでも歩いていけそうなのですが、この暑さです。
    帰り道のことも考えて、そろそろUターンしたほうが良さそうです。
    涼しい季節に、この道を行けるところまで行ってみるのもいいなあ。
    そんなことを考えながら、来た道を戻りました。

      


  • Posted by セギ at 11:39Comments(0)

    2022年04月09日

    高校数学A「場合の数と確率」。最大数の期待値。


    さて、期待値の学習を続けましょう。
    例えば、こんな問題。

    問題 1から9までの整数が1つずつ書かれたカードが9枚ある。この中から7枚のカードを取り出して得られる7つの整数のうちの最大のものをXとする。Xの期待値E(X)を求めよ。

    ・・・え?

    こういう問題になると呆然として、何をどう考えていいのかわからない人もいるかと思います。
    場合の数や確率の問題を解くコツは、できるだけ具体的に考えることです。
    具体的に考えることができるから、抽象化もできるのです。
    最初から抽象的に考えてしまう人は、むしろ問題を正確に把握できていないことが多く、正答に至りません。

    9枚のカードから7枚のカードを取り出す。
    最大の整数は、どんな数が考えられるでしょうか。
    1から9まで9通りある?
    本当に?
    まず、それに気づくことが第一歩です。

    7枚も選ぶのですから、最大のものが1であるわけがありません。
    2であるわけもないでしょう。
    最大の整数の可能性は?
    7と8と9。
    この3通りしかありません。

    ・・・え?え?え?
    と混乱してしまうでしょうか。

    「場合の数と確率」が苦手な人は、まずこの第一段階をクリアできないことがあります。
    自力で発想できないだけでなく、説明されても理解できないことがあるのです。
    目の前に、問題の通りの9枚のカードを用意して、では、この中の7枚を選んで、最大が6になる場合を具体的に示してくださいと言えば、ああでもない、こうでもないとカードを選んで、それでようやく、どうやら、どうしても最大の数は7以上の数になると気づくのです。
    実際にやってみれば、問題の条件の意味に気づくことができます。
    できるだけ小さいカードを順番に選んでいっても、1から7までとなる。
    当然、最大の数は7。
    それより小さくはなりません。

    そのことに気づき、「わあっ」と驚きを感じ、それに自分が気づかなったことも含めて何か「感動」のようなものがあれば、数学は少し面白くなると思います。
    そして、それを頭の中でできるようになれば、「場合の数と確率」の問題を解けるようになっていきます。
    頭の中にクリアに9枚のカードと問題の条件をイメージできればよいのです。
    繰り返します。
    「場合の数と確率」は、どこまで具体的にイメージできるかが重要なのです。


    さて、期待値を求めるのですから、それぞれの確率が必要です。
    最大のカードが7になる確率。
    最大のカードが8になる確率。
    最大のカードが9になる確率。
    それをそれぞれ求めましょう。

    まず、起こりうるすべての場合の数は?
    9枚のカードから7枚を選ぶすべての場合の数です。
    これは、9枚から7枚を選ぶ組み合わせです。
    9C7=9C2=(9・8) / (2・1)=36(通り)

    このうち、最大が7になる場合の数は、1から7までの7枚を選んだ1通りだけです。
    よって、最大のカードが7になる確率は、1/36。

    続いて、最大が8になる場合は?
    これも、明確なイメージをもつことが大切です。
    7枚のうち1枚は、8のカード。
    残りの6枚は、1から7までの7枚のカードのうちから6枚選びます。
    9を選んではいけません。
    それを選んだら、最大の数は9になってしまいます。
    よって、場合の数は、7枚から6枚を選ぶ組み合わせとなります。
    7C6=7C1=7
    最大のカードが8になる確率は、7/36。

    最大が9になる場合は?
    7枚のうち1枚は、9のカード。
    残りの6枚は、1から8までの8枚カードのうちから6枚選ぶ。
    場合の数は、8枚から6を選ぶ組み合わせとなります。
    8C6=8C2=(8・7) / (2・1)=28
    よって、最大のカードが9になる確率は、28/36

    これは、余事象の確率でも求められます。
    7、8、9しか可能性がないのですから、そのどれかになる確率は、全体1。
    そこから、7になる確率と8になる確率を引くと、
    1-1/36-7/36=28/36

    よって、求める期待値は、
    E(X)
    =7×1/36+8×7/36+9×28/36
    =1/36(7+56+252)
    =315/36
    =35/4

    です。


      


  • Posted by セギ at 12:21Comments(0)算数・数学

    2022年04月07日

    都立小金公園、桜満開です。2022年4月。


    2022年4月6日(水)、都立小金井公園にお花見に行ってきました。
    朝から夜まで忙しく働いた春期講習が終わっても、日曜・月曜は雨。
    火曜日は、さすがに冷蔵庫が空になり、買い物へ。
    そして、水曜日、ようやく散歩に出かけました。
    外は青空。風は爽やか。
    三鷹から、いつものように徒歩で出発です。

    玉川上水沿いの桜もきれいでした。
    満開あるいは桜吹雪。
    上水沿いには小さな公園があります。
    おや、この公園は桜がない。
    この公園は桜が多い。
    そんなことに改めて気づきます。

    境浄水場脇。
    ここも、土の道を歩いていくことができます。
    舗装されていない土の道に、桜の花びらが散って、道はピンク色の水玉模様でした。

    桜橋交差点を右折し、井の頭通りを左折。
    ここも土の道をとことこ歩き、大きな交差点を渡ると、狭山・境緑道です。
    多摩湖自転車歩行者道と一体化されている道です。
    舗装されているのがやや難点ですが、自動車は入ってこないので、その意味では歩きやすいです。
    この道も、ずっとずーっと、狭山公園まで桜並木が続きます。
    毎年、自転車で狭山公園まで行き、八国山にも足を伸ばすのがお花見の定番コースですが、今年は場所を変えてみることにしました。

    狭山・境緑道は、平日なので歩行者も自転車も少ないですが、今日は向こうから、親子3人連れがやたらと歩いてきました。
    明らかに、小学校の入学式帰りのパパとママと子どもです。
    そうか。
    今の時代は、子どもの入学式は両親揃って出席するのが普通なのですね。
    そういう新しい時代に入っているものの、ママたちの服装は判で押したように、昔ながらのクリーム色か淡いピンク色の襟のないツーピース。
    その服、入学式以外のどこで着るんだろう?
    親戚の結婚式に使いまわせるかな?

    もう本当にどうでもいいことを考えながら土手まで歩き、銀色の道しるべの通りに左折。
    畑の中の道を行き、鈴木街道を押しボタン式信号で渡ると、もう都立小金井公園です。

    青空の下、晴れやかな公園には、桜の木の下でビニールシートを敷いてお花見中の人々が見られました。
    人のいない桜の木を見つけ、スマホを取り出しました。
    ソメイヨシノよりも濃い、ピンク色の桜。
    何という名前の桜なのかなあと思いながら撮影していると、いきなり至近距離にきて話しかけてくる人が。
    うわっと飛びのきました。

    いつもいつもこれなのですが、他人に向かって声を発するときは、2mの距離を開けるということを、できない人は本当にできないです。
    用があってもなくても、マスクをしていても、2mの距離は、開けてほしい。
    ワクチンを打ったからって、感染しないわけじゃないんですから。
    あれは、重症化しないために打っているだけのものですから。

    とびのいてもその人が近づいてくるので、さらに距離を開け、バツ印を両手で出しました。

    ところでその人の要件は、
    「この桜が大島桜ですか?」
    というものでした。

    ・・・オオシマザクラ?
    いや、違う。
    私は桜の種類に詳しいわけじゃないけれど、これは違う。

    さらに距離を開けながら、
    「オオシマザクラは、白い花で、緑の葉が出るのと同時に花が咲きます。この公園のどこに咲いているかは知りませんが、多分どこかに咲いていまーす」
    と答えました。

    川の向こう岸で言うことちゃうやろみたいな会話だなと思い、我ながら首を傾げてその場を離れました。

    こども広場も家族連れが多く、桜の木の下はなかなかのにぎわいでした。
    とことこ歩き、公園の北西方向に。
    江戸東京たてもの園の横の草地をどんどん歩きました。

    満開のソメイヨシノが並んでいます。
    もう散り始めている木も多く、少しの風で桜吹雪が舞います。
    ひらひらと花びら。
    きらきらと陽の光を受けて、雪のように舞っています。
    散り際のこんな時期に平地でお花見をしたことがなかったけれど、これはいいですね。

    その先に、お目当ての場所がありました。
    ここまでくると、シートを敷く家族連れはほぼいませんでした。
    そぞろ歩く人たちやカメラを構えた人たちはいますが、人口密度は低いです。
    ここはソメイヨシノ以外のエリア。
    桜の木々は、名前の立て札が立てられ、解説もつけられ、1本1本、珍しい種類の桜が植えられていました。

    小金井薄紅桜。
    上の画像の中央のピンク色の桜がそれです。
    その右手は、サトザクラの一種、白雪。
    白い桜もきれいですね。
    何だかもう呆然と立ち尽くして飽きず眺めました。
    1時間でもそこにいたいくらいの眺めでした。

    大島桜も咲いていました。
    あの人、ここまで来られたかなあ。
    珍しい白い八重の桜も咲いています。
    さすが、桜の名所、都立小金井公園。
    ここは、凄い。
    本当に良い時期に来合せました。
    今年はお花見できないかなと思ったのですが、例年以上に桜を堪能した1日でした。

      


  • Posted by セギ at 12:25Comments(0)

    2022年04月01日

    元気ですかを英語で。


    朝ドラ「カムカムエヴリバディ」が面白かった頃。
    三代目ヒロインひなたがまだ子どもで、ラジオ英会話を1週間だけ聴いたことがありました。その際、父親ジョーが、ラジオ講座の、
    How are you, everyone?
    という問いかけに、
    I'm good.
    と答えた場面がありました。

    え?
    How are you?
    と問われたら、
    I am fine, thank you.
    じゃないの、と思った人は多かったのではないかと思います。

    あれは、ジョーが戦災孤児で、本人が言うとおり「ギブ・ミー・チョコレート」の世代で、さらにジャズ・ミュージシャンだったということも考えれば、ブロークンな英語を話せるのだろうし、それで通じるというのを短いやりとりで示したということなのだろうと思います。
    あえてブロークンな英語にしたと。

    ドラマの中では1980年代でした。
    あの時代でしたら、I'm good. はブロークンな英語でしょう。

    ところが、現代のアメリカでは、I'm good. で良いのだそうです。
    NHK出版「杉田敏の現代ビジネス英語」2022年冬号の冒頭エッセイで、杉田敏さんがそのように書いています。
    2021年3月まで、NHKラジオ英語講座「実践ビジネス英語」講師を長く務めていらっしゃった方で、私も長年のファンの1人です。

    そもそも、
    How are you?
    Fine, thank you.
    なんてやりとりは実際にはしないよと、学校の英語教科書を批判する声は昔からありました。
    日本人でも、
    「元気ですか」
    なんて挨拶をするのは、アントニオ猪木くらいのものですし。

    ところが、後年、アメリカの若者たちが、
    How are you?
    I'm good.
    と会話するようになりました。
    最初は違和感のあった若者言葉が、今は定着したということです。
    ただ、イギリスでは今もなお、その言い方には違和感があり、「そんなことは言わない」と言われているそうです。

    別れの挨拶も、
    Have a nice day.
    は、最近はあまり使われなくなったとのこと。
    今では、これはかなり陳腐な表現なのだそうです。
    ウィッキーさんもびっくりな話です。
    いや、ウィッキーさんを知らない人も今は多くなりましたが。

    じゃあ、何というのか?
    Take care.
    または、Enjoy your day.
    こういうのは、知っているとちょっと嬉しいですね。
    ちゃんと英会話できているつもりで、Have a nice day. と言ったら、ネイティブの人には、
    「それでは、ごめんつかまつる」
    と言っているように聞こえていたということなのかもしれませんから。

    でも、日本語を一所懸命勉強してきた外国人が、別れ際に、
    「それでは、ごめんつかまつる」
    と言ったら、すごく楽しい。
    面白くて印象的です。
    だから、日本人は英語に関してそんなに必死にアップデートしなくてもいいような気もします。
    英語圏の人にとっては、おお、日本人が英語で挨拶してくれた、学校でそう習うのだろう、好ましい、で済む話でしょう。

    何が正しいかよりも、とにかく何かを話すこと。
    こちらが発信する限り、必ず受け取ろうとしてもらえますから。
    コミュニケーションの基本ですよね。

      


  • Posted by セギ at 15:52Comments(0)英語