たまりば

地域と私・始めの一歩塾 地域と私・始めの一歩塾三鷹市 三鷹市

2021年07月31日

期末テストの結果が出ました。2021年1学期。


1学期期末テストの結果が出ました。

数学 90点台 1人 80点台 1人 70点台 1人 60点台 1人 50点台 2人 30点台 1人
英語 80点台 1人 70点台 1人 60点台 1人 50点台 1人 40点台 2人

高校生は、数学2科目・英語2科目の平均点を用いています。
新規の生徒が加わりましたので、下が重いですが、さあこれからです。
やりがいがあります。

ゆとり教育の頃と比べると、公立中学も高校も、テストの問題数がとにかく多い学校が増えました。
最後まで解き切るだけで大変で、見直しする時間のない子が多い話は、前回もしました。
数学の配点が計算問題で1問1点、文章題で2点から3点。
いかに全体の問題数が多いかわかると思います。
大学入試共通テストの数学や英語も、70分で余裕を持って解ける問題数とは思えないので、中学の頃からとにかく速く解くことが要求されているという流れは、わからなくはありません。
過酷なほどに、処理能力の高さが問われています。

しかし、数学の問題を解くのがとにかく遅い子は、今も多いです。
1つには、計算能力の差があげられます。

計算というのは、ある程度暗記です。
かけ算の九九が代表ですが、たし算・ひき算も、現実には暗記で処理します。
6+8=14
という計算を、実際に、
「6はあと4をたすと10になるから、1上がって、8から4をひいて4だから、答は14」
とやっているのは、小学校の低学年まで。
6+8=14であることは、今までさんざん計算してきてわかっていること。
だから、もうそれを見た瞬間に、6+8=14 と処理するのが、計算の速い人のやり方です。

しかし、計算が遅い人は、中学生になっても高校生になっても、
6+8=14
を上のような作業をして計算しているようなのです。

上のような作業をやれと言われれば、いつでもできる。
意味はわかっている。
しかし、もう何千回と計算してきた6+8の答は暗記している。
だから、直接答を書く。
計算が速い人は、そのように処理しています。

計算時間が大差となって表れるのは、分数の計算です。
分数の約分や通分は、小学校だけで終わる作業ではなく、中学生になっても高校生になっても、大きく影響します。
高校1年になって、数A「場合の数と確率」の学習をした際に。
考え方が理解できないわけではないけれど、約分が下手過ぎて、時間がかかるうえに正解が出ない。
高校2年になって、数Ⅱ「積分法」を学習した際に。
理解できないわけではないけれど、通分が下手過ぎて、異様に時間がかかるうえに、正解が出ない。
そういう人もいます。

48/96=1/2 を一度で処理できない。
約分しろと言われると、2で割って、2で割って、2で割って、を繰り返してしまう・・・。
13/27-5/9+2/3
といった計算に、本当に時間がかかり、しかも、しばしば間違える・・・。

訓練によって獲得するにしろ、生来のセンスであるにしろ、計算力がないと問題を解くのに時間がかかります。
これは、なかなか解消できません。
もともと計算が遅いうえに、数学がとにかく嫌いなので、学校でも塾でも宿題でも、のろのろのろのろ問題を解く子もいます。
速く解くと、たくさん数学の問題を解くことになって損だと思っているのだろうか?
そういう疑念をいだきたくなるほど、のろのろと数学の問題を解くのです。
普段はのろのろ解いているのに、テスト中だけ急ごうとしても、無理です。
テストのときはあせって、ケアレスミスを繰り返す・・・。

一所懸命頑張っているけれど、どうしても遅い。
どうやらそれが現状の全力だろうと思われる子もいます。
それは、見ていればわかります。
全力で頑張っている子に「急げ」と命じ、焦らせたところで、ミスが増えるだけです。
しかし、どうも、全力を出しているように見えない子もいます。
普段、スピードを上げる努力をしていないのに、テストのときだけ速く解こうと焦ることになります。

そうなると「劇薬」に手を出す子が表れます。
中学3年生の男子に、毎年、旋風のように巻き起こる、1つのブームがあるのです。
と、大げさに書きましたが、実は何ということもない、平凡な計算の工夫です。
平方根と乗法公式のところで、例えば、
(√2+√3)2
=5+2√6
と一度で処理する程度のことです。

乗法公式通りに解くならば、
(√2+√3)2
=2+2√6+3
=5+2√6
その整数部分を一度で暗算するやり方です。

こんなことの何がそれほど魅力的なのか、私は理解に苦しむのですが、毎年、中学3年生の男子は、どこかからこのやり方を教わり、塾の宿題をそれで解き、誤答し、私の逆鱗に触れるのが毎年のお決まりです。
「男子」と特定するのは、この計算の工夫をして誤答する女子生徒を私は見たことがないからです。
そんな工夫をしたらかえって間違えそうだから、私は丁寧に計算する、と考えるのが女子。
実は使っていても、正解するのが女子。
下手に手を出して、誤答するのが男子。
そういう違いがあるかもしれません。

実際、この工夫を使う子の多くは、
(2-√3)2
=1-2√3
といった誤答をしてしまいがちです。
(2-√3)2
=4-4√3+3
=7-4√3
ですが、片方が整数で片方が平方根であることに気を取られて、符号ミスを起こしてしまうのでしょう。

(2+√3)2
=7
という場合もあります。
(2+√3)2
=4+4√3+3
=7+4√3
ですが、整数部分の和に意識を奪われ、4√3の存在を忘れてしまったのでしょう。

「都立入試では、後ろのほうの応用問題も、こんな計算問題も、同じ5点なんですよ?こんなところで、そんなくだらないことで計算ミスをして、その5点をどこで取り返すつもりなんですか?」

・・・そこまで怒らなくてもよいのでは?
こういう解き方がかっこいいと勝手に思って、勝手にしくじっていくのは、本人の問題なのだから・・・。
・・・いやいやいや、そんな冷たい考え方をしている場合ではありません。
一見優しいようで、実は冷たい。
そういうのは、よくない。

こんなつまらない工夫をすぐ使うわりに、「関数」の問題で、求めたい点の x 座標を t とおいて方程式を立てることは、何回教えてもその発想すら身につかないのは、どういうこと?
空間図形と点の移動に関する問題で、「x秒後とする」という最初の1行を、何回教えても発想できないのは、どういうこと?
覚えるなら、そっちを覚えなさいよー!


・・・自分の怒りを冷静に分析して、気がつくことがあります。
計算力は大切です。
計算が速いにこしたことはありません。
基礎的な計算力はほしい。
けれど、計算だけ上手な生徒を、私はそれほど高く評価しません。
そんなのは、ただの人間電卓だからです。

現在の学力はかなり怪しく、約分通分すらもたもたもたもたしていても、どの子にも応用問題を教え続けます。
中学で「関数」を学習するのなら、座標平面と図形の問題を自力で解けなかったら意味がない。
求めたい点のx座標をとりあえず t とおいて、さあ、それからどうする?
そういうことを考えられなかったら、「関数」なんて、つまらない。
そういう問題を自力で解けるようになると、数学に自信がもてます。
数学という科目に対する意識が変わります。
問題を自力でたくさん解くようになるので、計算もたくさんするようになり、もたつきも減っていきます。
計算だけをやらされているよりも、本人も楽しく勉強でき、効果もあります。

(√2+√3)2
=5+2√6
と一度で計算するよりも、「関数」の応用問題を正答するほうが、かっこいいのです。
立方体や直方体をさまざまな角度で切断した後の立体を正確にイメージできるほうがかっこいいです。
その体積を求めろといわれたら、ちょっと考えた後、すらすらと断面図を描きだしたら、最高にクールだと思うんです。

大学入試の数学の記述式問題は、どのように解こうとしているか、その過程が明瞭であれば、途中で計算ミスをしていても、大幅な加点があります。
学生に人間電卓であることを求めているわけではないからです。
計算は、コンピュータがやります。
では、人間は何をやるのか?
数学と向き合うということは、そういうことを考えることでもあると思うのです。

  


  • Posted by セギ at 13:19Comments(0)講師日記

    2021年07月25日

    高校英語・名詞構文。動詞と名詞の組み合わせ。


    さて今回は、動詞+動詞の名詞形の形の表現です。

    例えば、
    Let me look at the photo.
    その写真を見せてください。

    というように、普通に動詞を用いればよいところで、

    Let me have a look at the photo.

    と表現することがあります。
    have a look は、普通の look と比べてニュアンスが少し違うとされていますが、全体として大差ない。
    これもまた、英語を学習中の高校生をうんざりさせてしまうところかもしれません。

    「look だけでいいじゃん。何でわざわざ have a look とかいうの?」
    「よそ様の言語に対して、そういう文句を言っても・・・。そのように言うんだから、仕方ないですよ」
    「これ、覚えるんでしょう?」
    「・・・できれば」
    「ほんと、迷惑」
    「・・・こういうのは、覚えられればでいいんです。言われたとき、読んだときに意味がわかれば大丈夫です。自分でも使いたいなと思ったら、覚えてください」

    have a look のように、本来の動詞を名詞化し、それを目的語とする動詞を前につけて、熟語とする表現があります。
    前につけられる動詞は、have , take , make , get など。
    それぞれ、どの動詞がどの名詞と結びつくかは決まっています。

    have a look  見る
    have a wait 待つ
    have a wash 洗う
    have a stretch 伸ばす
    have a chat おしゃべりをする
    have a talk 話す
    have a jog ジョギングをする
    have a drink 一杯やる
    have a walk 散歩する

    take a slide 滑る
    take a breath 呼吸する
    take a hold 握る

    make a bow おじぎをする
    make a wish 願う
    make a turn 曲がる
    make a visit 訪れる
    make a choice 選択する

    give a call 電話する
    give a cry 叫ぶ
    give a push 押す
    give a brush ブラシをかける
    give a kiss キスをする

    これですべてではありません。
    このうち、実は他の動詞でもいい場合も多いです。
    4つの基本動詞の使い分けがもっと明瞭ならばいいのですが、この4つの基本動詞の持つ意味は広く、互いに重なり合っています。


    しかし、こういう単なる暗記事項を問う「重箱の隅」のような問題は大学入試では激減しています。

    問題 次の( )に入れるのに最も適切な語を次から選べ。
    She (  ) a look at me then.
    1.had 2.took 3.made 4.gave

    そもそもこの問題は、別解が多すぎる。
    have a look でも、 take a look でも、 give a look でも、大丈夫です。
    そんな問題に意味はありません。

    「この動詞しか入らない」という熟語の問題だとしても、こんなことに正解できることが英語力ではない、という考え方が今は大学入試のスタンダードです。
    入試問題の大部分は長文問題で、文法問題の比率は年々低くなっています。
    標準的な難度の、しかしかなり長い英文を速読できること。
    複数の英文を比較しながら情報を読み取れること。
    内容を正確に理解すること。
    そして、ある程度まとまった内容を英語で記述できること。
    国立も私立も、そうした問題が主流となってきています。
    文法は、英文を読解するためのもの。
    自分の考えを、読み手に伝わる正しい英語で表現するためのものです。
    文法・語法問題の重箱の隅をつついて、それで受験生の学力を判断するなど、むしろ愚かなことです。
    重箱の隅が嫌いな私にとっては、いい世の中になったと感じます。

    高校の英語表現の定期テストが、今も、文法の四択問題が多いのは、学習した文法事項の定着を確認するには、その出題形式が便利だからです。
    減ってきたとはいえ、私大ではそうした出題形式がまだ確実に存在するのも大きな理由でしょう。
    基本的な文法事項がわかっていれば解ける問題が大半で、重箱の隅のような問題は、高校の定期テストではほとんど見かけません。
    それを「重箱の隅」と感じるのは判断基準の目が粗いからで、もう少しきめ細かく学習すれば、何を問われている何の問題なのかわかるようになります。


    とはいえ、なお、いまだに発音問題やアクセント問題を定期テストに出題する学校もあり、それには閉口します。
    リスニング問題があるのに、それは必要ないのでは?
    コミュニケーション英語の定期テスト問題に本文の和訳ばかり並んでいて、鬱陶しいテストだなあと思うこともあります。
    問題を作る先生が、大学入試の今の傾向を把握せず、アップデートしていないのか?
    今までの英語のテストの作り方を漫然と継承しているだけか?
    いや、これこそが英語力だという信念があるのか?

    問題形式をアップデートしてくれないかなあと思う一方、生徒の側に課題がないわけでもありません。
    普段から英語を聴いていれば、発音問題・アクセント問題で全問不正解ということはないはずです。
    日本人の耳には同じ音にしか聞こえない音の発音問題(オウかオーかといったレベル)で誤答するのはわかるけれど、まるで違う音や、ましてアクセント問題で間違ってしまうのは、いかに英語音声に触れていないかの証拠です。
    スペルを暗記すること中心で、patient を「パティエント」と覚えているような、古くさい高校生は今もいます。
    音声教材のある単語集で学習すると良いのになあと思います。

    また、和訳問題に関しては、英文の構造と単語の意味を把握できていれば、和訳しろと言われれば訳せるんです。
    文句を言いたい気持ちもわかるけれど、これはこれで英語力を測れるのも事実です。

    まあ仕方ない。
    縁があって入った高校です。
    頑張りましょう。
     
      


  • Posted by セギ at 15:19Comments(0)英語

    2021年07月17日

    高校英語。名詞構文。名詞構文とは何か。


    さて、今回は名詞構文です。
    こういう単元になると、
    「今、学校で何をやっているの?」
    と質問しても、
    「よくわからない」
    という答が返ってくることがあります。
    不定詞、分詞、関係代名詞などの学習なら、単元名をスパンと答えられる子でも、
    「今は名詞構文をやっています」
    とスパンと答えることができないのです。
    単元の名前を覚えていない。
    教科書も持ってきていない。
    何を学習しているのか、当人もよく理解していない。
    塾の授業としては八方ふさがりとなりかねません。

    非常に困ってしまうのではありますが、状況としては理解できます。
    名詞構文というものが、何なのか、わかりづらい。
    例文を見ても、何を学習しているのか、ピンとこない。
    ピンとこないので、単元名も覚えられない。
    そういうことのようです。

    名詞構文とは、
    「動詞または形容詞が名詞化されて文に組み込まれた構文」
    というのが定義です。


    まずは名詞構文ではない話から。
    英語というのは、わりと気楽に名詞を動詞化して使う言語です。
    S・V・Oといった文の成分の位置が確定している言語ですから、Vの位置におけば動詞っぽく見えるので、意味が伝わります。

    例えば、
    I will water the plants.
    私はその植物に水をやるつもりだ。

    water は通常「水」という名詞ですが、この位置に置けば、どう考えても動詞なので、これは「水をやる」という意味なのだなと理解できます。

    I will friend him.
    私は彼と(SNSで)友達になるつもりだ。

    friend は、ここでは「ネット上の友達になる」という意味。
    日本の学校英語・受験英語に慣れた身には違和感がありますが、この言い回しが定着してきているそうです。

    どんな名詞でもそのまま動詞として使っていいかというと、そうではありません。
    言語は生き物です。
    その使い方に何だか魅力があり、使う人が多くなると、それが正しい表現になります。
    1つの言い回しが流行し、定着していきます。

    日本語の場合は、熟語や外来語の名詞に「する」をつければ名詞化するという便利なルールがあります。
    「運転」は名詞。
    「運転する」は動詞。
    「ツイート」は名詞。
    「ツイートする」は動詞。
    英語のことをとやかくいえない。
    これもかなり安易なルールかもしれません。


    英語の話に戻ります。
    このように、名詞は、そのままの形で動詞になることがあります。
    では、その逆、動詞を名詞化したいときは、どうするのでしょうか。

    動詞を名詞化したいときは?

    ・・・別にそんなに難しいことではないのです。
    中学で学習しています。
    to 不定詞にする。
    動名詞にする。
    この2つのやり方で、簡単に動詞は名詞化されます。
    このやり方にはパワーがありますので、動詞を動詞の原形のまま主語の位置や目的語の位置に置くことで動詞を名詞化するということは、普通行われません。
    主語の位置に動詞の原形を置いたら、命令文だと思われかねません。
    動詞の原形は、どこに置いても動詞としての意味が強い。
    相手に自分の意図がうまく伝わりません。
    to 不定詞や動名詞にすれば簡単に伝わります。


    ところで、「名詞構文」というのは、そういう話でもないのです。
    実は、動詞や形容詞には、名詞形があるものが多いのです。
    それを用いているのが、今回学習する名詞構文です。

    例えば、まずは名詞構文ではない文から。

    I hope that you will recover quickly.
    あなたが早くよくなりますように。

    これはこれで、正しい英語ですが、これを名詞構文で表現することが可能です。
    名詞に変えるのは、従属節の動詞 recover です。
    recover の名詞形は、recovery。
    それを使うと、

    I hope for your quick recovery.

    となります。
    意味は上の文と同じです。
    これが、名詞構文です。

    元の文と比較とするとわかると思いますが、名詞構文は、動詞の名詞形さえ使えばよいというものではありません。
    もともとは従属節だった内容を名詞句に変えています。
    だから、名詞化された動詞には、もともとは主語だったものや修飾語だったものが、修飾語として付随しています。
    you will recover quickly は、your quick recovery に転換されます。

    えー?
    つまり、動詞の名詞形をいちいち覚えなければならないということ?
    面倒くさっ。
    動詞なんだから、to 不定詞や動名詞にすればいいのに。
    I hope for you to recover quickly.
    じゃダメなんですか?

    それはそれで、正しい英語だと思います。

    えー?
    じゃあ、それでいいじゃないですか。

    表現は何通りあってもいいんです。
    ネイティブがそれをやり、その表現が魅力的なら、広く使われるようになり定着します。
    ネイティブではない人が使った英語がチャーミングで、広がっていくこともあります。
    日本のスポーツ選手が、「緊張して口から心臓が飛び出しそう」と英語でインタビューに応え、その表現が面白くて広がった例があります。
    その表現が魅力的かどうか、ですね。
    あとは、文法的に間違っていても、それを使う人が多くなれば、それが正しい表現になります。
    言語は生き物です。

    例えば頻度の副詞、often , sometimes などや、それと同じ位置に置く already など。
    頻度の副詞は一般動詞の前、助動詞・be動詞の後ろ。
    日本の学校で、それをくどいほど正確に丁寧に学習し、それを含んだ乱文整序問題の3番目と6番目の語句を正しく選ぶ問題などを頑張って正解してきても。
    実際の英語では、ネイティブは、頻度の副詞も already も平気で文末に置きます。
    そんなものです。
    分詞による修飾は、単独の分詞ならば名詞の前に。分詞句ならば、名詞の後に。
    それを一所懸命学習してきたというのに、ネイティブは、全部後置修飾。
    ネイティブって、バカなの?
    正しい英語を使えないの?
    ・・・そんなものです。
    日本人も、そんなに正しい日本語を使っていませんし。
    言語はそれを母国語とする人たちによって変わっていくものなのだから、それでいいんだと思います。
    そうは言っても、わざわざ間違った英語を学ぶ必要はないので、まずは正しい英語を学ぶことにも意味はありますし。


    もう1つ名詞構文の例文を。
    まずは普通の文から。
    I noticed that he was absent from the meeting.
    私は、彼がそのミーティングに出ていないことに気づいた。

    これを名詞構文にすると、
    I noticed his absence from the meeting.
    となります。

    形容詞 absent の名詞形は、absence。
    このように、形容詞も名詞化し、主語や修飾語だったものをそれに付随させて、従属節を名詞句に置き換えることができます。
    これが名詞構文です。

      


  • Posted by セギ at 12:39Comments(0)英語

    2021年07月14日

    ヤブミョウガの咲く井の頭公園を歩きました。2021年7月。


    梅雨らしい長雨が続いていましたが、2021年7月6日(火)、朝のうちに雨が止んだので、散歩をしてきました。
    今日は、井の頭公園の方向へ。
    三鷹駅南口から、玉川上水の左岸を歩きました。
    紫陽花が終わって、夏草がますます繁茂し、歩道を狭くしています。
    そんな中、フヨウの白い花を見つけました。
    大体、3週間に1度のペースで同じ道を歩きますが、その度、咲いている花が大きく変わっています。
    予想も期待もしていない道で、思いがけない花を見ます。

    むらさき橋からは玉川上水の右岸に回り、舗装された道をとことこ歩いて、万助橋。
    交差点を渡ると、玉川上水緑道は未舗装の土の道が始まります。
    鬱蒼とした緑に囲まれた道の入り口は、夜のように暗い。
    中に入っていくと、目が慣れて、道の様子がわかってきます。
    玉川上水緑道は未舗装でも水はけの良い道が大半ですが、さすがに長雨が続いたので、泥の道になっていました。
    それでも、そんなに歩きにくいほどの泥道ではありません。

    山の泥道のありえない歩きにくさを思い出します。
    奥高尾の、春先の泥道。
    陣馬山近くの坂道は、泥が登山靴の底について高下駄のようになります。
    奥多摩の鷹ノ巣山から奥多摩駅への石尾根の麓付近のえぐれた登山道に泥が堆積しているところも凄いです。
    あそこは、歩けません。

    そういうのに比べると、玉川上水緑道は水はけがやはりよいので、泥が表層のみで、転ぶ心配は少なく、泥はねも大したことはなく、歩きやすいです。
    右手の視界が開け、運動場が見えてきました。
    何も変化なし。
    静かな運動場のままでした。
    ここが、オリンピックのパブリックビューイング予定地だったんだなあ。
    少し前まで、人を集めて、酒類も売る気でいたんだなあ。
    信じられない。

    国破れて山河あり。

    いやここは整備された公園だし、国は破れてはいないが、何だかふとそんな言葉を思い出しました。


    そういえば『ボヘミアンラプソディー』という映画で、クイーンのマネージャーが、

    100,000 people at Wembley, 100,00 people at JFK Stadium in Philadelphia, a global TV audience around the world of 150 countries, 13 satellites.
    The Olympics only had three.
    ウエンブリー・スタジアムに10万人、フィラデルフィアのJFKスタジアムに10万人、世界150か国、13機の衛星のテレビ視聴者。
    オリンピックはたった3機だった。

    と言っていました。
    The Olympics とは、どのオリンピックのことだろう?
    このセリフで語られているのは、1985年のライブ・エイドのことだから、オリンピックは、その前年のロサンゼルス・オリンピックのことでしょうか。
    ・・・イギリス人が、ロス五輪のことを、 The Olympics と言うのかなあ。
    いきなり the をつけて通じるかなあ?
    このセリフ、ハリウッド目線じゃないの?
    いや、でも、前年のことなら、通じるのかな。

    と、相変わらずどうでもいいことを考えながら、玉川上水緑道をとことこ歩きました。
    緑道にはノカンゾウが点々と咲いていました。
    雨上がり、水分たっぷりでつやつやと輝いています。

    いつものように「むれ橋」まで歩いて、Uターン。
    来た道をとことこ戻り、井の頭公園へ。
    雨上がりの林床は、どこかの深山の麓のような雰囲気でした。
    カニコウモリの花が咲いていそう。
    標高からいって、咲いているはずがないけれど。

    カニコウモリではないけれど、わさわさ生えている草が、雰囲気を出しています。
    ・・・というか、井の頭公園は、どこもかしこも、この草でした。
    これは、ヤブミョウガでしょうか。
    上の画像がそれです。
    井の頭公園も、3週間で、雰囲気が全く変わる。
    植物は、面白いですね。

    いつものように、山野草スペースから、時計回りに池を一周し、帰路につきました。

      


  • Posted by セギ at 12:44Comments(0)

    2021年07月11日

    高校数Ⅱ「三角関数」。対称式の利用とその応用。


    画像はムクゲの花。
    さて、三角関数の学習。
    今回は、こんな問題です。

    問題 sinθ+cosθ=1/2 とする。次の式の値を求めよ。
    (1) sin^3 θ+cos^3 θ 
    (2) 3/2 π<θ<2πのとき、sinθ-cosθ

    ここで、sin^3 θ とは、「サイン3乗シータ」という意味です。
    これは典型題なので、それほど難しくはないと思います。
    高校生になって以降、何か学べばそれに関する対称式の問題は必ず出てきます。
    対称式とは、a+bや、abのように、文字の値を入れ替えても文字式全体の値が変わらない式のことをいいます。

    まずは、対称式の復習から。
    a+bの値と、abの値がわかれば、a^2+b^2 の値を求めることができます。
    (a+b)2-2ab をすればよいのでした。

    このブログでも繰り返し触れていることですが、これの意味がよくわからない人は、乗法公式の学習が終わると公式を忘れてしまい、
    (a+b)2=a^2+b^2
    と誤解していて、それで混乱してしまうことが多いようです。
    (a+b)2=a^2+2ab+b^2 です。
    ですから、
    (a+b)2-2ab 
    =a^2+2ab+b^2 -2ab
    =a^2+b^2
    となります。

    同じように、「3乗+3乗」の値を求めることもできます。
    それには、2つの公式のうちのどちらかを使えばよいのでした。
    a^3+b^3=(a+b)(a^2-ab+b^2)
    あるいは、
    a^3+b^3=(a+b)3-3ab(a+b)

    え?え?と思う人は、右辺を実際に展開してみてください。
    左辺と等しくなります。
    これは公式なので、どちらも暗記しておいたほうがよいです。

    さて、どちらを利用するにしろ、a+bの値とabの値が必要です。
    今、sinθ+cosθの値はわかっていますので、sinθcosθの値を求めましょう。
    ここで利用するのが、三角関数の相互関係の公式です。
    これは、数Ⅰ「三角比」で学習しました。
    数Ⅰのときは、第2象限まででしたが、同じ公式が第3象限でも第4象限でも利用できます。
    相互関係の公式とは、まず、
    sin^2 θ+cos^2 θ=1
    これが、一番利用価値が高い公式です。
    次に、
    sinθ / cosθ=tanθ
    さらに、
    1+tan^2 θ=1/cos^2 θ

    この3番目の公式は覚えにくいと思います。
    もしも忘れてしまったら、これは、1番目の sin^2 θ+cos^2 θ=1 という式の両辺を cos^2 θ で割ることで導くことができます。
    sin^2 θ+cos^2 θ=1 
    の両辺を cos^2 θ で割ると、
    sin^2 θ / cos^2 θ+cos^2 θ / cos^2 θ=1/ cos^2 θ
    tan^2 θ+1=1/ cos^2 θ
    となります。

    とはいえ、今回使うのは、sin^2 θ+cos^2 θ=1 ですね。
    問題によれば、
    sinθ+cosθ=1/2
    この両辺を2乗すると、
    (sinθ+cosθ)2=1/4
    sin^2 θ+2sinθcosθ+cos^2 θ=1/4
    ここで、sin^2 θ+cos^2 θ=1ですから、
    1+2sinθcosθ=1/4
    2sinθcosθ=-3/4
    sinθcosθ=-3/8
    となります。

    これで、sinθ+cosθ=1/2、sinθcosθ=-3/8 と、和と積の値がそろいました。
    もう何でも解けます。

    (1) sin^3 θ+cos^3 θ 
    =(sinθ+cosθ)(sin^2 θ-sinθcosθ+cos^2 θ)
    =1/2(1+3/8)
    =1/2・11/8
    =11/16

    これで正解です。

    (2) 3/2 π<θ<2πのとき、sinθ-cosθ

    これは、sinθ-cosθを2乗した値を求めて、それを平方根にすれば解けるでしょう。
    え?
    平方根だと、答が2つ出てきてしまうからダメなんじゃないか?
    大丈夫です。
    そのために、θの範囲が問題に明示されているのでしょう。

    思いついた解き方があっても、それでは解けないような気がして、立ち止まってしまう・・・。
    数学では、そういう人が多いです。
    解けるか解けないかは、実際にやってみないとわかりません。
    果敢に挑戦する人に、その先の地平が見えてきます。

    (sinθ-cosθ)2
    =sin^2 θ-2sinθcosθ+cos^2 θ
    =1-2・(-3/8)
    =1+3/4
    =7/4
    よって、
    sinθ-cosθ=±√7 /2

    さて、この両方が答でいいのでしょうか?
    問題によれば、3/2 π<θ<2π。
    θ は、第4象限に動径があります。
    このとき、sinθ<0、cosθ>0 ですから、
    sinθ-cosθ は、負の数-正の数となり、必ず負の数です。
    sinθ-cosθ <0より、
    sinθ-cosθ=-√7 /2

    これで正解です。


    では、ここから応用問題。
    大学入試レベルです。

    問題 sinθ+cosθ=√2 /2のとき、
    5( sin^5 θ+cos^5 θ)/ (sin^3 θ+cos^3 θ)-2( sin^4 θ+cos^4 θ)
    の値を求めよ。 

    sin^3 θ+cos^3 θ の求め方はもうわかっています。
    sin^4 θ+cos^4 θ の求め方。
    sin^5 θ+cos^5 θ の求め方。
    この2つがわかれば、この問題は解けますね。

    サイン・コサインがうざいので、まず a と b で考えましょう。
    a^4+b^4
    =(a^2+b^2)2-2(ab)2
    で求めることができます。

    では、a^5+b^5 は?
    今のところ、a^2+b^2 と a^3+b^3 の値は求めることができるのだから、それの積を考えてみたらどうでしょうか。
    (a^2+b^2)(a^3+b^3)
    =a^5 +a^2b^3+a^3b^2+b^5
    =a^5+b^5+a^2b^2(a+b)

    おお、思ったよりもずっときれいに整理できました。
    これなら、
    a^5+b^5
    =(a^2+b^2)(a^3+b^3)-(ab)2(a+b)
    をすればよいのだとわかります。

    このようにやっていけば、6乗でも7乗でも8乗でも、何でも大丈夫です。

    対称式の問題を宿題に出すと、2乗の問題や3乗の問題は解いてくるのですが、4乗や5乗の問題になると、
    「わかりませんでした」
    と白紙にしてくる子は多いです。
    「こういう問題、初めて見ます。公式があるんですか?」
    何か試しにやってみるとよいのだが・・・と少し残念な気持ちになることがあります。
    初めて見る問題に対して、試しに何かやってみる。
    数学の力をつけるには、それが必要です。
    力技で解くようなので良いから、何とか解いた経験は、大きな自信となります。
    典型題の解き方をインプットするのは大切なことですが、それだけでなく、インプットしたその武器を、初見の問題を解くことに活用してください。

    「えー、でも何も思いつかない」
    と言われてしまうことがあります。
    2乗と3乗をかけたら5乗になります。
    5乗の公式があるわけではないのです。
    そんなのがあっても、覚えきれません。
    こういうのは、自分で発想してその場で式を作っていく問題です。

    「いや、2乗と3乗をかけるのかなってちょっと思ったんだけど、それをやっても多分無理だろうと思って」
    「・・・なぜ無理だと思ったの?」
    「何か余計な項も出てきそうだから、それが邪魔になると思って」
    「余計な項が出てきたら、出てきたときに、それをどうするか考えましょう」
    試しに何かをやってみましょう。
    試しに何かをやる前に、諦めるのではなく。

    実はそう解くのじゃないかと思った。
    でも、そんなの大変そうだ。
    もっとスマートな解き方があるはずだ。
    そう思って解かない人は、結構多いのではないかと思います。
    高校数学の応用問題なんて、どんな解き方をしても大変です。
    そんなにスッキリ爽やかに解けるものではありません。
    泥くさい計算や地道な場合分けをすることが多いです。
    だから、思いついた方法で解いてみてください。
    解法をよりブラッシュアップするのだって、泥臭く解いた経験があるからこそ、その先に進めるのです。

    問題に戻りましょう。
    もう一度問題を見てみましょう。

    問題 sinθ+cosθ=√2 /2のとき、
    5( sin^5 θ+cos^5 θ)/ (sin^3 θ+cos^3 θ)-2( sin^4 θ+cos^4 θ)
    の値を求めよ。 

    まずは、sinθcosθの値を求めましょう。
    (sinθ+cosθ)2=2/4=1/2
    よって、
    1+2sinθcosθ=1/2
    2sinθcosθ=-1/2
    sinθcosθ=-1/4

    sin^3 θ+cos^3 θ
    =(sinθ+cosθ)(sin^2 θ-sinθcosθ+cos^2 θ)
    =√2 /2(1+1/4)
    =√2 / 2・5/4
    =5√2 / 8

    sin^4 θ+cos^4 θ
    =(sin^2 θ+cos^2 θ)2-2(sinθcosθ)2
    =1-2・(-1/4)2
    =1-1/8
    =7/8

    sin^5 θ+cos^5 θ
    =(sin^2 θ+cos^2 θ)(sin^3 θ+cos^3 θ)-(sinθcosθ)2(sinθ+cosθ)
    =1・5√2 / 8-(-1/4)2・√2 /2
    =5√2 / 8-√2 / 32
    =20√2 / 32-√2 / 32
    =19√2 / 32

    よって、
    5( sin^5 θ+cos^5 θ)/ (sin^3 θ+cos^3 θ)-2( sin^4 θ+cos^4 θ)
    =5・ 19√2 /32 / 5√2 /8-2・ 7/8
    =5・ 19√2 /32 ・ 8/5√2-14/8
    =19/4-7/4
    =3

    これが正解です。


      


  • Posted by セギ at 17:49Comments(0)算数・数学

    2021年07月08日

    高校英語。話法。重文・複文の伝達。


    深大寺のソバの花です。
    さて、話法の転換も今回が最終回です。
    今回は、伝達内容が重文または複文の場合。
    そもそも、話法というのが複文であるのに、その中でさらに重文・複文を伝達する場合にどうするか?

    その前に、「重文」「複文」というのは何であるかから、確認しましょう。
    この用語は、国文法でも英文法でも共通の文法用語です。

    「重文」は、主語・述語のある意味のまとまり(英語でいえば節)が、対等な関係で並んでいる文です。
    接続詞 and , but などを使っている文が基本です。

    I did my homework and then I played video games.
    私は宿題をやり、それから、テレビゲームをした。

    前半と後半と、どちらかがメインということがなく、対等に並んでいます。
    こういうのが、重文です。

    それに対して、

    I think (that) you are doing your best.
    あなたは最善を尽くしていると私は思う。

    という文の場合、「あなたは最善を尽くしている」という内容は、主節の動詞 think の目的語です。
    think している内容が、主語・述語のある意味のまとまりになっているので、こういう構造になっています。

    これが複文の1種です。

    この that 節は、中学2年で学習しますが、ここら辺でつまずき始める中学生は多いです。
    そもそも本人の使う日本語が痩せているので、このように複雑な構造の文を日本語でも作ったことがないのが一因かもしれません。
    母国語で語れないものを英語で語ろうというのですから、難度は高めです。

    もう1つの原因は、英語に対する間違った思い込みでしょうか。
    小学校から学んでいる英語が「正しい英語」という感覚が本人の中にあるようなのです。
    まだ初級にも至らない、初歩英語しか知らないというのに「英語というのはこういうもの」という感覚が本人の中に育っています。
    当然、そういう英語は、主語は1つ、動詞も1つです。
    She is a pretty girl. とか、I like tennis very much. といったレベルの英語が正しい英語。
    英語はすべて、そういう語順。
    それ以外は正しくない英語。
    ・・・そんなバカな、と思うようなことが、子どもの頭の中では起こっているようなのです。
    そういう子にとっては、SVOCの文や、不定詞を用いた文などは、あり得ない語順の文なので、繰り返し繰り返し、本人は正しいと思っている間違った語順の英文を作り続けます。
    複文の英文を組み立てることも、できません。
    上の、
    I think (that) you are doing your best.
    という文の場合、
    I think doing your best.
    という英文を作ってしまいます。
    主語はもう言ったので、もう1度言うのはむしろ間違っているという感覚が優先されてしまうのだろうと想像されます。
    I think that is doing your best.
    という誤答もあります。
    主語を2つ入れることはぎりぎり許容したとしても、2つめの主語は that であると誤解してしまうようです。

    こういう間違いは、本人が自分の間違いを理解して訂正していけるようなら何でもないことです。
    しかし、英語学習では、自分の誤答が記憶に強く残り、それが頭の中に堆積されて「自分の中の英語の感覚」を補強していくという最悪の状態に陥ることがあります。
    文法に対して抵抗感が強く、繰り返し説得しても文法的に英語を把握することがなく、感覚で英文を作ろうとする子は多いです。
    そうした子にとっての「英語の語順はこんなふう」という感覚の大半は、本人の間違った英語の堆積で形成されてしまう場合があります。
    英語が得意になる可能性は、その先にはありません。


    最近、私はNHKラジオ講座「ラジオ英会話」を楽しく聞いているのですが、その番組の講師は、「音読100回」を推奨しています。

    音読100回?
    ・・・時間の無駄じゃないの?
    私が中学生・高校生なら、絶対にそんなことはしません。
    どんなに尊敬する先生に薦められても、私はやりません。
    私なら、日本語訳を見ながら英文を言ってみる練習と、さらに書いてみる練習をします。
    英文の構造をつかむには、それが最速最善だからです。
    使われている文法事項と重要表現、新出単語の把握を一度でできます。
    ベタに100回音読するだけの練習なんて、散漫です。
    もっと時間を節約し、ぎゅっと有効な学習を私はやりたい。
    発音練習という意味なら、自分の癖のついた音読を100回繰り返すよりも、正しい英語を聴きながらのシャドーイングのほうが効果的でしょう。
    それを100回やるのなら、まだわかります。
    単なる音読100回に、意味があるとは思えません。

    ただし、それは、私が文法が好きだからなのだと思います。
    文法的に英語を把握することで、英語は簡単に理解できます。
    あとは単語・熟語を覚えるだけで、どんなレベルの英文も読み取れるし、聴き取れます。
    最速の学習法はそれです。

    しかし、どんなに口をすっぱくして英文法の必要性を説いても、抵抗感が強くて、文法的把握をしない子もいます。
    文法的な説明に、わかったふりはしますが、それはそれとして、乱文整序問題も空所補充問題も英作文も、「自分の中の英語の感覚」で解いてしまうのです。
    当然のことながら、そうした子たちは、学年が上がるにつれて、英語が苦手になっていきます。
    本人の中の英語の感覚が、小学生のごく単純な英語と、本人が間違って解いた「誤答の堆積」なのですから、初歩の英語から脱皮できないのです。
    何度でも、同じ誤答を再生します。

    ・・・そうした子にとっては、「音読100回」は意味のある学習なのではないか?

    100回も読めば、本人の中の「英語の感覚」が少しは変わるかもしれません。
    誤答の記憶をかき消して、正しい英文の記憶が残るかもしれません。
    回り道なやり方で時間の無駄だと私は思うけれど、英語が身につかないよりはましです。

    ラジオ番組自体は、文法的な把握を前面に押し出している内容なのですが、それでは身につかない人が多いことも、講師の人は実感しているのかもしれません。
    文法を教わっても、それはそれとして、実際には自分の中の幼い英語感覚と誤答の堆積で英文を作ってしまう子たちは多い。
    音読100回は、そうした人たちにとっての、最後の希望です。

    いや。
    ・・・100回も音読しなくても、文法的に把握すれば、英語は、もっと楽に理解できるんですよー!
    常に、文法的に英語の構造を把握することで、英語はわかるようになるんです。
    日本に住む日本生まれの日本人が、「正しい英語の感覚」なんかもっているわけがないのです。
    そんなものは、何年経っても、生まれません。
    もし、日本語を学んでいる外国人が「自分の日本語感覚ではこうだ」などと言い出したら、どうかしていると思うでしょう?
    自分がそれをやってしまっているのです。


    話を戻します。
    that 節を含む文は、複文の1種です。
    メインである主節がまずあります。
    that 節は、主節の成分の一部をなす従属節です。

    あるいは間接疑問文が、主語・補語・目的語といった文の成分になっている場合も、全体は複文です。

    その他に、1つの文が、もう1つの文の修飾語になっている場合もあります。
    関係代名詞節などがその代表です。
    関係代名詞節は、what 節を除き、主節の主語・補語・目的語になることはありません。
    関係代名詞節は、基本的には、修飾語です。
    主節の中の語句(先行詞)を修飾します。
    だから、関係代名詞が使われている文も、複文です。

    また、when 節やif 節のように、主節の動詞や主節全体を修飾する副詞節になっているものもあります。
    これも、複文です。

    1つの節が、もう1つの節の成分になっているにしろ、修飾語になっているにしろ、主節というメインと、従属節というサブの違いが明瞭である。
    対等な関係ではない。
    こういう構造の文が複文です。

    それに対し、主語・動詞が1組しかない文が、単文です。


    今までの話法の転換は、伝達内容はすべて単文でした。
    重文を伝達する場合は、ではどうなるのでしょうか?
    まずは、直接話法から。

    The teacher said, " Time is up and you must stop writing."
    先生は言った。「時間です。書くのをやめなさい」

    伝達内容は、接続詞 and で対等に結ばれています。
    重文ですね。
    これを、間接話法にすると、

    The teacher said that time was up and that we must stop writing.

    何か単文のときとあまり変わらない・・・と思うかもしれませんが、これは、said の直後の that は省略可能だが、and の後ろの that は省略できないというルールがあります。
    そうしないと、どこまでが伝達内容なのかがわからず、異なる意味にとられることがあるのです。

    The teacher said that time was up and we must stop writing.
    のように、and の後ろの that が省略されていると、接続詞 and はその直前までと直後からを対等に結んでいるように見えます。
    そうすると、意味は、
    「先生が時間だと言ったので、私たちは書くのをやめなければならなかった」
    という意味に変わります。
    状況としては似たようなものですが、伝えたいことが変わってしまいます。
    and の後ろに that が入ると、接続詞 and は、that 節どうしを対等に結んでいるのだということが明瞭に伝わります。

    ちなみに、主節が過去時制なので、伝達内容も時制の一致で過去にすべきだから、must は had to にしたほうが良いのではないかという疑問を抱いた方もいらっしゃると思います。
    実は、助動詞 must は過去形も must なので、書き換えなくても大丈夫です。
    勿論、書き換えてもいいです。
    主節で用いる場合は、had to を使うほうが過去時制であることが伝わりやすいですが、今回は、時制は主節の動詞で伝わりますので、must で時制を判断する必要がありませんから、どちらでも大丈夫です。


    次に、複文を見ていきましょう。
    直接話法から。

    He said to me, " Do you know which is the cup you used ?"
    彼は私に言った。「君の使ったカップはどちらか、わかるかい」。

    伝達内容は、まず間接疑問文が動詞 know の目的語となっているという意味でも複文であり、しかも、その間接疑問文の中の cup を先行詞として、関係代名詞節 you used が続いています。
    ここでの関係代名詞 which は、目的格なので省略されています。
    これを間接話法にすると、

    He asked me if I knew which was the cup I had used.

    となります。
    伝達動詞を変えること。
    人称代名詞を変えること。
    時制を変えること。
    これまで学習した基本に忠実に転換していけば、大丈夫です。
      


  • Posted by セギ at 12:44Comments(0)英語

    2021年07月06日

    タイサンボクの花が咲く散歩道でした。2021年6月。


    2021年6月28日(火)、朝のうちに雨が上がったので、今日も歩いてきました。
    今日は、神代植物公園の水生植物園に行こうと思い立ち、自転車で出発。
    しかし、前回もらったパンフレットを家に置いてきてしまったのが、失敗でした。
    武蔵境通りをひたすら南下し、神代植物公園北口交差点で左折。
    神代植物公園通りをまっすぐ進み、次に交差する大きな通りを右折。
    この道路沿いに水生植物園があると、私は誤解していたのでした。
    探せども探せども、そのようなものはなく、晃華学園が見えてきました。
    これは、行き過ぎたと感じ、右折して、1つ目の角を右折。
    これで、今度こそは入り口が見えてくるのではないかと思ったのですが、やはりそれらしきものはありません。
    全体に緑の深い地域なので、外から「あ、ここだ」とわかるような雰囲気でもありません。
    道はやがて、非常に観光的な雰囲気になってきました。
    ガードレールを疑似木で作ってあり、道の両側には駐車場のある大きなお蕎麦屋さんが並んでいます。
    ここは、深大寺ですね。

    前回は結局訪れなかった深大寺。
    ちょうどいいので、自転車を置いて、散策することにしました。
    雨上がりで緑が匂いたち、マスクを通しても感じます。
    まだ湿っている参道。
    1本裏側の道を通ると、人通りもありません。
    夏草の茂る道に、並ぶ赤い旗が映えています。
    途中から、表通りに合流。
    山門が見えてきて、深大寺。
    お参りをすると、しかし、あとはすることがありません。

    観光というのは、何をするものだったろう。
    観光旅行というものをもうずっとしていないので、感覚がつかめません。
    蕎麦を食べたり、お土産を見たりするのかな。
    まあ、それは、ワクチンを打ってから。

    というわけで、さっき見たバス通りまで出てしまったので、Uターンしました。
    しかし、家に帰って、パンフレットを見たら、そのとき、私は水生植物園に限りなく接近していたのでした。
    気づかなかった・・・。

    再び自転車に乗って、もう1回あたりを回りましたが、交差点脇の小さな蕎麦畑を発見した他は収穫なし。
    やはり、思いつきで行動しても目的地には到達しない。
    準備が大切ですね。

    また出直すことにして、前回と同じく、多様性センターに入りました。
    ここは、無料開放されていて、植物に囲まれた中の未舗装の道を散歩できます。
    正門から入るとすぐに、大きな大きなヤマユリが咲いていました。
    それにしても大きい。
    ヤマユリとは別の種類なのかな。
    こんな大きな花を山で見たことがありません。
    さらに進んでいくと、キキョウが咲いていました。
    山で見るキキョウと、都立小金井公園で栽培されているキキョウの、ちょうど中間くらいの花の数です。
    キキョウはどこで見ても、さっぱりとして、きれい。

    小さな沼のある奥多摩ゾーンへ。
    カモがいました。
    ここに棲んでいるのではないでしょう。
    偶然見つけた水場でひと休みということでしょうか。
    その近くに、アキノタムラソウ。
    久しぶりに見る素朴な山の花です。
    しみじみと見入りました。

    園内を1周して、正門から、今度は隣りの自由広場へ。
    ここも無料開放区域です。
    木陰の道をとことこ歩いていくと、ムクゲの花が満開でした。
    庭木としてもよく見るけれど、これだけ大きいと壮観です。
    さらに歩いていくと、今度はタイサンボクが咲いていました。
    大きな白い花はよく目立ちます。
    この花、漬物にしたら食べられないかなとふと思ってしまうほど肉厚の花です。
    早春のコブシやハクモクレンに始まり、マグノリアの花期の最後を飾るタイサンボク。
    ああ、夏が来ますね。


    そう言えば、高校生の頃、古文の文語文法で、「夏はきぬ」と「夏はこぬ」を例にして、完了の助動詞と打消の助動詞との違いを学んだことを、思い出します。
    文語の歌詞の歌は、意味がわからなくてもとりあえず歌っておけば、高校生になったとき、文語文法を学習する助けになります。
    意味を誤解していた歌詞の正しい意味がわかって、ハッとすることで、記憶に残ります。

    「夏はきぬ」はその代表ですが、「仰げば尊し」の歌詞も渋いです。
    「今こそわかれめ、いざさらば」というところ。
    「わかれめ」は「別れ目」の意味だと中学の卒業式で歌ったときは思っていたのですが、あれは、直前に「こそ」があるので、「わかれむ」が已然形の「わかれめ」になっていると知ったときは、愕然としました。
    面白い。
    文語文法、面白い。
    歌っておいてよかった、「仰げば尊し」。
    当時、そんな歌を卒業式で歌う中学はもうかなり珍しかったみたいですが。

    自由広場を一周し、駐輪場まで戻り、今日は何だか歩き足りなかったけれど、自転車には長時間乗ったから、辻褄は合っているのかなと思いながら、岐路につきました。

      


  • Posted by セギ at 02:38Comments(0)