たまりば

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2020年09月12日

高校英語。複合関係代名詞 whoever。


さて、今回は、複合関係代名詞。
名前からして難しそうで、モヤモヤの残ってしまう人が多いところです。
まずは、例文から見てみましょう。

Whoever leaves the classroom last should turn off the light.
教室を最後に出る人なら誰でも、明かりを消すべきだ。

この whoever は、「~は誰でも」と訳します。
Whoever leaves the classroom last が、
「教室を最後に出る人は誰でも」という意味です。
この意味のまとまりが、従属節(関係代名詞節)で、主節の主語となっています。

複合関係代名詞は、先行詞を必要としません。
複合関係代名詞から始まる節がこの文の主語となり、それが should turn off the light.である。
すなわち、「明かりを消すべきだ」と続いていきます。

もう1つ例文を見てみましょう。

The club admits whoever pays the entry fee.
そのクラブは、入会金を払う人なら誰でも入会を認める。

club が主語。
admits(認める)が、動詞。
whoever pays the entry feeは「入会金を払う人なら誰でも」という意味の従属節(関係代名詞節)で、主節の中で目的語の働きをします。

文法的に分析すると、英文の構造がよくわかり、意味を理解しやすくなりますね。
こういう文になってくると、SVOCMの分析は理解を助けるものであって、決して敵視してはならないのです。

こうした whoever は、anyone who で書き換えることができます。

Whoever leaves the classroom last should turn off the light.
=Anyone who leaves the classroom last should turn off the light.
です。
The club admits whoever pays the entry fee.
=The club admits anyone who pays the entry fee.
です。

中1の最初に some と any を学習したところから知識のバージョンアップがされず、
「any は疑問文と否定文で使うものなのに、変な使い方がされていてモヤモヤする・・・」
という人がいるかもしれません。
肯定文で any を用いたときは、「何でも」という意味があります。
肯定文の anyone は、「誰でも」という意味です。
こういう細かい知識は、大きな文法事項とは異なるため、何となく頭から脱落しがちでなかなか定着しないのですが、結局、そうした小さな知識の欠落からモヤモヤすることが多くなります。
「そんなの習ったことない」
という感覚に陥りやすいところでもあります。

しかし、これは中学で学習しています。
大きな文法事項ではないので、例えば「過去形は中1の終わりに学習した」というほどの印象は残りません。
教科書の本文にさらっと出てきていて、
「この any は・・・」
とさらっと説明され、特に違和感はないのでどうでもいいやと聞き流したことが、後になってモヤモヤとして残るのです。

いや、そもそも someone とか something とか、そういうことを学習した記憶がないんだけど・・・。
何だか、いつの間にが出てきていて、謎なんだけど?
そんな疑問を抱く人もいるかもしれません。
これらは中2で学習する内容なんですが、やはり、あまり定着しないし、記憶にも残らないようです。
学習事項としては「代名詞」にあたります。
その中でも「不定代名詞」と呼ばれる、モヤモヤする文法事項です。
高校生ならば、文法参考書を読んで、モヤモヤをすっきりさせることをお勧めします。

先日も、中2の生徒と「不定詞」の学習をしていて、この不定代名詞と不定詞の語順を解説しました。
I want something to eat.
などの語順が定着し、うん、良かったと思った直後のことです。
不定詞の形容詞的用法全体の演習に入ると、
「今日はやるべきことがたくさんある」
を英語に直す問題で、
I have a lot of something to do.
という文をその子は作りました。

うーん、なるほど、そういうミスにつながるのか。

I have a lot of things to do.
が正解ですよ、と説明しましたが、不服そうでした。

something を使うとき、それはまだ不定の「何か」です。
I have something to do.
という文がもしあるなら、それは、やるべきことがあるとして、それが何であるかは不定な状態です。
「今日はやるべきことがたくさんある」という文を言っている、あるいは書いている「私」は、やるべきことがわかっているはずです。
そこに不定の「何か」という意味の something を使うことはありません、と説明すると、わかりにくかったのか、頭を抱えてしまいました。
うーん・・・。

そこで、
「I want something to eat. は、どう訳すの?」
と質問すると、
「食べるものがほしい」
と訳すので、
「いいえ。『何か食べるものがほしい』と訳すようにしましょう。まだ不定の『何か』であることをちゃんと訳しましょう。『何か』がついているところで something を使いましょう」
と説明すると、
「『何か』がついていれば、必ず something なんですか?」
と、また微妙なことを訊いてくるので、私は腕組をして、
「絶対にそうだとは限りませんけれど、『何か』がついているのに、 things を使うことはないでしょう」
と裏側から答えると、しぶしぶ了解してくれた形でした。

もつべき疑問が、中2にしては複雑な内容なのでした。
そこはすっと流して、まあそんなものなのだと思い、先送りにしたほうが、言語習得は楽な場合もあります。
高校生、あるいはそれ以上になれば、文法的に明晰な分析があり、それを理解できるようになります。
まだそういう年齢ではないのに、明晰な文法的分析が必要なことについて疑問を抱き、そこでつまずいたりしてしまう・・・。
今の自分が理解できる範囲を越えたことに疑問を抱くので、疑問が解決しないのです。
そこでモヤモヤし、それで英語が嫌いになってしまうのは、勿体ないです。
語学学習は長いスパンでやっていくもの。
短気を起こさず、地道に気長に努力していくと、振り返るとびっくりするような実力がついています。


話を複合関係代名詞に戻します。

上の例だけなら、whoever は、そんなに難しいものではない気もするのですが、ここで大問題が生じます。
whoever には、別の用法があり、書き換え方も異なるのです。
例文を見てみましょう。

Whoever calls me, I don't want to answer the phone.
誰が電話をしてこようとも、私は電話に出たくない。

これは「譲歩」を意味する複合関係代名詞、と呼ばれるものです。
これの書き換えは、
Whoever calls me, I don't want to answer the phone.
=No matter who calls me, I don't want to answer the phone.

whoever=no matter who です。

これが出てくると、どちらの書き換えをすればよいかわからず、モヤモヤが一気に上がる人もいるかと思います。
「どうせ意味から判断するんでしょう?」
と決めつけている人もいますが、まあそれも1方法ではあるものの、文法的に正確に分析できます。
この譲歩の用法のときの関係詞節は、必ず副詞節です。
一方、冒頭の用法の関係詞節は、名詞節なのです。
主節の主語や目的語の働きをします。
主語や目的語になるのは、名詞です。
節ならば、名詞節です。

一方、副詞節というのは、SVOCのどれにもなりません。
M(修飾語)です。
ですから、whoever を含む文が、どちらの用法なのかわからない場合は、主節のSVOCMを分析すればよいのです。
Whoever calls me, I don't want to answer the phone.
は、主節の主語は、I。
主節の動詞は don't want。
主節の目的語は、to answer the phone という、不定詞による名詞句。
この文は、SVOの文であり、Whoever calls me は、主節の主な要素であるSVOCのどれでもありません。
「誰が電話をかけてきても」という節は、動詞を修飾する副詞節です。
こうした用法のときは、「譲歩」の用法となります。

Whoever calls me, I don't want to answer the phone.
のように、先頭に whoever がきていて、間にカンマ( , ) があれば、譲歩の用法ですか?

と、賢い質問をする人がいます。
確かに、それはそうです。
しかし、それ以外は絶対に譲歩の用法ではない、とは限りません。
I don't want to answer the phone whoever calls me.
という位置関係の場合もあり、これも「譲歩」の用法だからです。

やはり、主節のSVOCMを分析するのが、正確に解くコツです。
そうすることを苦手と言わず、できるようになると楽ですよ。
1文の長い英文を読むために、それは必要なことですから。
全ての英文でそんなことをする必要はありませんが、必要なときはあります。

繰り返します。
SVOCMの分析は理解を助けるものであって、決して敵視してはならないのです。
文法的に分析すると、英文の構造がよくわかり、意味を理解しやすくなります。
それが習慣になっていれば、普段、特に意識しないで英文を読んでいるときにも、自然に、意味のまとまりごとに文意を把握できるようになっていきます。
英文を前から読む、英文を英文のまま読むというのは、そういうことです。

  


  • Posted by セギ at 12:10Comments(0)英語

    2020年09月06日

    英検を受験しますか?


    先日、中学生から、「秋に英検を受検することにした」と報告され、困惑しました。
    いえ、受けることは別に構わないのですが、過去問を解いてみたら、ほとんど正解できないというのです。
    申し込む前に相談してくれれば、
    「1回分過去問を解いて合格するものなのかどうか試してから申し込んだらよいですよ」
    とアドバイスできたのですが。
    私が暗い顔をしていたせいでしょう、その子は、言いました。
    「受験で有利になるから、英検を受けろって、学校の先生が言うから」
    「・・・有利になる?どんなふうに?」
    「・・・」
    そこをしっかり確かめないと、将来、詐欺の被害にあいますよー。
    有利にならないとは言いませんが、ケース・バイ・ケースですよー。

    私が暗い顔になったのは、これで英検に落ちたら、そのショックで塾をやめるのやめないのという問題が発生するかもしれないと、過去の記憶がよぎったからでした。
    大人は気楽に検定受検を子どもに勧めます。
    入試まではまだ時間があるから、学習の目標をもってもらいたい、と思うようです。
    一方、生徒の多くは、試験ではっきり不合格と判定され、否定され排除された経験を持っていません。
    子どもにとっては、それは想像以上にきつい経験になります。

    保護者の方にとっても、想像以上にきつい経験になる場合もあります。
    子どもに受検を勧めるとき、合格することしか想定していないのかもしれません。
    不合格という結果に、保護者の方も動揺します。
    何が原因なのか?
    英語力は順調に伸びているんじゃなかったのか?
    うちの子の英語は、ダメなのか?
    学習上の課題について子どもと冷静に話しあうつもりが、結局最後は言い争いになってしまうことがあります。
    「これからしっかり頑張るから」という子どもの返答を期待して「もう塾なんかやめてしまいなさいっ」と言ってしまう。
    すると、子どもは、「じゃあ、やめる」と、応じる・・・。

    ・・・ああ、いやだ、いやだ。

    そういう子の場合、英語学習が、定期テストをやり過ごすだけのよくない状態に陥っていると、生徒自身と私は、気がついているのです。
    しかし、生徒は、その状態が楽なので、変えるつもりがありません。
    受験学年になったら、そのときはもう少しちゃんとやるから、今はまだ・・・という気持ちでいるのでしょう。
    そういう状態の子に、受験に向けての英語学習を提案しても、実行できません。
    単語暗記を宿題に出しても、やってきません。
    長文読解問題を宿題に出しても、「わからなかったー」と白紙のまま持ってきます。
    あるいは、適当に解いてきます。
    本人の中で、それをする動機がないのです。
    それでも、学校の定期テストはそこそこの点数でやり過ごすことができます。
    平均点以下ではない。
    だから、まあいいじゃない。
    本人はそう思っています。

    そうした状態で、例えば、校外模試で英語の偏差値が低かった。
    あるいは、英検に落ちた。
    それは、これからの学習の起爆剤になります。
    さすがに、本人も反省するはず。
    ようやく学習習慣を改めるチャンスが巡ってきた。
    それなのに、結論は一気に「退会」となってしまいます。

    新しい塾で、その反省を生かして、それまでとは違う学習習慣が作られたのなら良いのです。
    しかし、そういう話は風の噂でも聞こえてこないことが多いのです。
    聞こえてくるのは、浪人し、とうとう大学には入れなかった、という話。
    塾を変えても、本人が変わらなければ、何も変わらないのです。


    苦い経験を幾度か経て、「英検受検」→「不合格」→「退会」という図式が心の中でしっかり出来上がっているものですから、必ず合格する場合や、進学に必要な場合以外は、英検受検を私から勧めることはありません。

    ただ、英検不合格からの退会、というのは、今までの例では、高校生の場合ばかりでした。
    受けても合格するわけがない状態で、英検2級を突然受検し、予想通り不合格となり、退会、という流れでした。
    中学生なら、違うかもしれません。
    というよりも、なぜその子は、英検の過去問の筆記試験がそんなにも出来ないの?
    出題形式に慣れていないだけなのでは?
    直前に少し指導すれば、合格できるのでは?


    長い目でみれば、英検3級までは誰でもいつかは合格します。
    英検準2級も、高校生になり真面目に英語を勉強していればいずれ合格します。
    しかし、そのままの学習では、英検2級のレベルには決して到達しない子たちが存在します。

    何年英語を学習しても中学英語のレベルにとどまり、高校英語レベルに進歩しない子は、想像以上に多いです。
    その最大の原因は、単語力です。
    中学で学習した単語はそこそこ覚えているのですが、高校で新出の単語が、覚えられないのです。
    それがまさに英検準2級の英語力です。

    英検準2級は、高校1~2年生程度の英語力となっていますが、満点を取らないと合格できないわけではありません。
    中学英語が身についていれば7割程度は正答できますから、それで合格します。
    つまり、英検準2級合格は、「中学英語はそこそこ身についている」という証明に過ぎません。
    高校英語の語彙を一切知らなくても何とか合格できます。

    しかし、英検2級となると、文法・語法の問題も、長文問題も、高校で学習する単語が多く含まれます。
    そのレベルの英文をほとんど読めない高校生たちが存在します。
    それも、ある程度の学力を期待されている高校に在籍していながら。
    問題の英文の意味が全くわからないのですから、正答できません。

    そういう子の英語学習には、共通の特徴があります。
    学校で毎週行われている単語テストは一夜漬け、あるいはテスト直前だけの即席漬けで切り抜けています。
    覚えてもすぐ忘れるので、単語力の蓄積がなく、中学生の単語力のまま、高2になり、高3になります。
    高1の頃は、教科書に出てくる知らない単語は新出単語の場合がほとんどです。
    しかし、高1の新出単語を覚えないまま高2・高3と進級してしまうので、教科書の中で、新出単語ではないのに意味のわからない単語が増えていきます。
    その意味調べが必要になり、英語学習は教科書の単語の意味調べだけでほとんどの時間を使いきることになります。
    しかも、調べるだけで覚えませんから、わからない単語は増える一方です。

    定期テストは、教科書の本文からの出題はそこそこ得点できても、それは教科書本文の内容を覚えているからであって、単語を1つ取り出して意味を問われたら答えられません。
    初見の長文問題はほとんど読めず、「こんなの無理」「知らない単語が多すぎる」とテストの度に不平不満をもらすことになります。
    あるいは、勉強不足で問題を解くスピードが遅いため、時間が足りず、テストの最後の長文にはそもそも目を通していないということもあります。

    親に勧められ、個別指導塾に来ても、
    「教科書をしっかりやりたい」
    という、ある意味まっとうな言い訳で、英語学習を自ら限定的にしてしまいます。
    個別指導で学校の教科書の予習をすれば、自分で辞書を引く手間が省けます。
    学校の文法テキストの練習問題を塾で解く、というより講師に答を教えてもらえば、学校の宿題も自分でやらずに済みます。
    要するに、自力で英語の勉強をしなくて済むので、塾のことは嫌いではないようです。
    学校の英語の授業が何だか前よりわかるような気もするので、英語力がついたと勘違いをしてしまう人もいます。
    自力で英語を勉強する時間がむしろ減っているということに気がついていないのです。

    そうした誤解の中、突然、
    「英検2級を受ける」
    と言い出すのも、そうした子たちの特徴です。
    申し込みのときに言ってくれれば止めることができるのですが、全て事後承諾であり、すでに試験はひと月後という場合すらあります。
    いやいや・・・・。
    そんな英語力じゃないでしょう?
    そんな勉強をしていないでしょう?
    単語力が全く足りないでしょう?
    親や学校の先生が勧めても、断らないとダメでしょう?

    受かるような気が、自分でもしてしまうのでしょうか。
    英語が得意で努力も怠らない友達と同じように、自分も英検2級に合格できると漠然と思いこんでしまうのかもしれません。
    友達が合格すれば、自分もできそうな気がしますよね。
    でも、同じ人であり、根本の学力は同じくらいかもしれないけれど、一番大切なところが違うのです。

    英語に対して、努力を惜しまないのか、どうか。

    単語は、漫然と勉強していればそのうち覚えられるというものではありません。
    集中してガッと覚える時期が必要です。

    高校から配布された、大学受験用の単語集を1冊丸ごと覚えれば、英検2級くらいはどうにでもなります。
    しかし、学校の単語テストにあわせて、その範囲を覚えてすぐ忘れているようでは、単語集は手付かずと同じ状態です。
    幾度も自分で反復することが必要です。
    大人なら、そんなの当たり前だとわかっているのですが、記憶というものについて、高校生は案外わかっていない子がいます。
    「1回覚えたのに、何ですぐ忘れてしまうの?こんなの、覚えても無駄じゃん」
    と、訳のわからないことを平気で言ったりします。

    人間は忘れるものです。
    脳は不要な記憶を消去することに一所懸命なんですから。
    脳に「このことは大事だから覚えておけ」と指令を出さなければなりません。
    それには反復・反復・反復。
    幾度も反復すると、脳は「あれ?これ、消去する記憶じゃないの?」と気づいて、長期記憶に組み替えてくれます。

    とにかく反復することが大切。
    しかし、これができない子が多いのです。
    一度で覚えられないことが納得できないという、幼稚な子もいます。
    あるいは、一度では覚えられないことは理解していても、反復するのがとにかく面倒くさくて嫌いな子もいます。

    簡単な覚え方があるはずなのに、自分はそれを知らないだけだ、学校の先生も塾の先生も後れているからそれがわかっていないだけだと謎の思い込みをしている子もいます。
    そんなに凄い単語暗記法がもしあるなら、文科省が推奨し、たちまち全国の学校で実施されています。
    英語教育改革に躍起になっていても、日本人の英語力が世界ランキングでじりじり下がっている絶望的な状況を知らないのですか。
    凄い単語暗記法は、その救世主となるはずです。
    しかし、そんなものは、存在しないのです。
    個人や企業が宣伝している凄い英語学習法というのは、あれは商売でやっているので、鵜呑みにしてはいけません。
    夢みたいなことを、安易に信じて、だまされる。
    高校生は、精神的にとても成長している子もいるのですが、精神年齢はマイナス5歳すればちょうどいい子も多いのです。
    見た目は高校生、心は小学生。
    コナンの逆バージョンみたいな子も多いです。

    単語は、音声で覚えると良いと勧めても、英語のCDなんてそんなに面白いものではありませんから、1度聴いたらもう2度と聴きません。
    反復しないと意味ないのですが。

    文章の中で単語が出てくるタイプの単語集のほうが覚えやすいと勧めても、1度読んで、知らない単語をマーカーで塗って、勉強した気になっておしまいです。
    「えー?1度読んだら良くない?何でー?」
    と、幼稚な疑問を返してきたりします。

    ゲームが好きなようなので、英単語ゲームならやるだろうと保護者が与えても、タブレットはちゃっかりゲットしますが、英単語ゲームなんか1度やったらおしまいという子もいます。
    単語の覚え方として、単語集で覚えるよりはゲームのほうが面白いという比較を大人はしますが、子どもは、単語ゲームよりも他のゲームのほうが面白いという比較をします。

    心が小学生なのです。

    そうして、結局、英単語は覚えられない。
    単語が覚えられないと、英検2級の問題文が読めない。
    受かりません。

    学校の英語の教科書だけで勉強していると、この流れからは逃れられません。
    だから、現在、うちの塾では、高校生に学校の教科書での指導は行っていません。
    単語集も、文法テキストも、読解テキストも、塾で指定したものを使用します。
    大学受験のための英語学習であって、学校の授業の予習復習ではありません。
    英検2級がどうのこうのではなく、英検準1級に楽に合格できる英語力をつけることが目標です。
    そうでなければ、大学受験の英語入試問題に対応できません。
    高校生には、学校の定期テスト前は、塾は休んでテスト勉強をするよう指示しています。
    テスト対策を塾で行っていないので、定期テスト結果にカウントしていませんが、校外模試では英語の偏差値は70を越える子が多いです。

    中学生は、教科書の学習も重視していますが。

    突然英検2級を受けて、予想通り不合格となり、それで突然塾をやめてしまう子は、今はもううちの塾にはいないのです。
    過去の苦い記憶は、もう封印してもよいのかもしれません。

    英語は才能の問題もありますが、努力でカバーできる部分が大きいです。
    スマホを眺めている毎日の1時間を、英語を勉強する1時間に変えるだけで、英語力は変わります。
    一度で覚えられないのは当たり前だと理解し、反復することを苦にしなければ、単語は覚えられます。
    1つの目安として、英語は、1,000時間学習すれば、そこそこ使えるようになると言われています。
    10,000時間学習すれば、英語に堪能だと言えるようになります。
    楽な方法なんてないと悟ること。
    そうして、努力すること。
    そうすれば、目標は射程圏内に入ります。


      


  • Posted by セギ at 14:22Comments(0)英語

    2020年08月30日

    高校英語。関係副詞の非制限用法。


    関係副詞。
    今回は、非制限用法です。
    非制限用法は、関係代名詞のときも学習しました。
    先行詞を修飾するのではない用法です。
    接続詞を補って、前から順番に意味をとっていけば大丈夫でした。
    この非制限用法をもつ関係副詞は、where と when です。
    まず、where の用法。

    We got to the park, where we rested for a while.
    私たちはその公園に着いて、そこでしばらく休憩した。

    これは、
    We got to the park, and there we rested for a while.
    と同じ意味です。

    Stratford-on-Avon, where Shakespeare was born, is visited by a great number of tourists every year.
    ストラットフォード・オン・エイボンは、シェイクスピアの生誕地で、毎年多数の観光客が訪れる。

    このように、途中で挿入することも可能です。

    次に、when の用法。

    I was taking a shower at seven, when the lights went out.
    私は7時にシャワーを浴びていて、そのとき、明かりが消えた。

    The summer of 1945, when the Pacific War ended, is still vivid in my memory.
    1945年の夏は、太平洋戦争が終わったときで、いまだに私の記憶の中で生々しい。


    うん。簡単ですね。


    ところで、ここから少しややこしい話をします。
    先行詞が省略されて、when だけが残ると、接続詞 when の用法との見分けがほとんどつかない、という話です。

    まずは普通の用例。
    I finished talking with him at ten o'clock, when he wanted me to stay a little longer.
    彼との話は10時に終わったが、彼は私にもう少しいてほしがった。

    これは、when = and then ととらえればよい、普通の用法です。
    時間的な前後関係が明確です。
    しかし、主節の動詞が、was/were about to ~、was/were going to ~、または過去進行形のときには、このカンマを省略することがあります。
    主節がこれらの時制の場合、主節と従属節の時系列は、ほぼ同時となります。

    I was about to reply when he cut in.
    私が答えようとすると、彼は口をはさんだ。

    このように訳します。
    この文の見た目は、接続詞の when を利用している場合と区別がつきません。
    接続詞ととらえると、この文の意味は「彼が口をはさんだとき、私は答えようとしていた」となります。
    状況は同じです。
    伝達情報としては同じなので、言語として困ることはありません。

    困惑するのは英語を学習している生徒の側です。
    模試や読解問題集の全訳を見たとき、模範の訳は「私が答えようとすると、彼は口をはさんだ」となっています。
    この訳に混乱する人がいます。
    ・・・何で when の後ろから訳さないの?
    when の後ろから訳すって、中学生のときに教わったのに・・・。

    そうなのです。
    私も、中2の生徒に接続詞 when を教えていて、強調するのはそのことです。
    そこのところを間違ってしまう人が多いからです。

    When I saw him, he was playing baseball in the park.
    という文ならば、
    「私が彼と会ったとき、彼は公園で野球をしていた」
    と正しく訳せるのですが、
    He was playing baseball in the park when I saw him.
    という形で書かれていると、
    「彼が公園で野球をしていたとき、私は彼に会った」
    と訳してしまう人がいます。

    解説を聞いているとき、when 節とか、主節とか、そういう言葉が、気に入らなかったのかもしれません。
    それぞれ、定義を説明しても、それがまたわずらわしい。
    そんな難しい説明は要らない。
    簡単じゃないか。
    文と文との間を、when でつなぐ。
    それだけのことだろう?
    内心で、そう思ってしまうのかもしれません。

    ・・・これ以上簡単に説明できないから、この説明をしているんですよ。
    気に入らない説明がもしあったら、こういう理解でいいかと、質問してね。
    繰り返しそう話しても、後日、生徒が誤解をしていて、天を仰ぎ、最初から説明のし直し、ということはしばしばです。

    そうした子たちは、
    He was playing baseball in the park when I saw him.
    という文を、
    「彼が公園で野球をしていたとき、私は彼に会った」
    と訳してしまいます。
    「私が彼に会ったとき、彼は公園で野球をしていた」という日本語を英語に直す問題は、
    I saw him when was playing baseball in the park.
    と誤答してしまいます。

    when I saw him が、1つのまとまり。
    これが、when 節。
    そのまとまりごと、主節よりも前にドンと移動できる。
    後ろにドンと下がることもできる。
    文と文との間に when があるとういうことではないのです。
    when は、従属節の先頭の語です。
    when から始まる、1つの意味のまとまりです。
    when の後ろから訳すんですよ。
    こうしたことを繰り返し繰り返し説明して、練習して、when 節を代表とする従属節と従属接続詞の用法を何とか身につけるのが中2です。

    そうやって、しっかり従属節を学習したというのに、高校生になったら、
    He was playing baseball in the park when I saw him.
    の when は、関係副詞とみるなら、
    「彼が公園で野球をしていたとき、私は彼に会った」
    という解釈でも、別に構わなくなるなんて・・・。

    なんてこった!

    ただし、こういう関係副詞 when の用法は、難しい英文でたまに見る程度ですので、自ら使う必要はありません。
    読解問題の全訳を読んでいて、この when の訳し方がどう見ても逆に思えてストレスを感じたら、このことを思い出してください。
    文法的にどうしても割り切れない表現が、入試問題、すなわち、実際の随筆や評論にはあるかもれしません。
    そのとき、文法が間違っているのではなく、それを正しく解釈する文法も存在すると理解しておくと、英語を読み進めていく推進力になると思います。


      


  • Posted by セギ at 16:15Comments(0)英語

    2020年08月23日

    高校英語。関係副詞の how。




    今回は、関係副詞の how の用法です。
    まずは、2文を1文にするところから考えてみましょう。

    We can get a discount in this way. Could you tell me the way?

    これを、「割引を受けられる方法を私に教えてくださいませんか」という意味の1文にしましょう。
    関係代名詞を用いると以下のようになります。

    Could you tell me the way in which we can get a discount?

    堅苦しい文語表現ですが、正しい英文です。
    この in which が、先行詞が the way 「方法」のときは、how になります。
    したがって、

    Could you tell me the way how we can get a discount?

    ・・・いいえ。
    この文は間違いなんです。
    なぜなら、関係副詞 how は、先行詞 the way とは同時に用いないという摩訶不思議なルールがあるからなんです。
    片方を省略してもよい、というのならわかります。
    今まで、関係副詞、where , when , why は、全部そうでしたね。
    関係副詞のほうを省略してもよいし、先行詞のほうを省略してもよいのでした。
    ところが、how に限っては、関係副詞と先行詞と、どちらかを必ず省略しなければなりません。

    Could you tell me the way we can get a discount?
    または、
    Could you tell me how we can get a discount?
    とするのが、正解です。

    言語には、ときどき、こういう変則があります。
    興味がある人は、大学で英語学を学んでください。
    英語は、日本語とは違って、母体となる言語が何で、それが何語の影響でどう変わって、そしてどうなったということが明らかになっている言語です。

    英語は、それでも変則が少ないほうで、だから、国際語になっています。
    変則的なことが少ないほうが学びやすいですから。

    でも、変則は変則でしょう?
    そういう例外が多いから、英語は嫌い。
    勉強しても無駄。

    ・・・英語の小さな欠点をあげて、「だから英語はダメだ。英語なんか覚えない」と思わないでください。
    このくらいの例外的なルールは、ましなほうです。

    本人はかなり非効率な生活をしているのに、英語学習に関してだけは異様に効率を求める人がいます。
    以前も書きましたが、学校の廊下で友達と、
    「単語テストの範囲が100語もあっても、テストに出るのは10問だけなんだから、覚えるのは無駄だよね」
    と話していて、通りかかった英語の先生に注意された、というエピソードを当の生徒から聞いたことがあります。
    本人は笑い話のつもりだったのでしょうが、全く笑えませんでした。
    英語学習だけ、なぜ、そのように「無駄」だと切り捨てるのでしょう。
    無駄という観点で言えば、SNSにかけている時間は、あれは無駄ではないのですか?
    どうでもいい YouTube を見ている時間は、無駄ではないですか?
    英単語100語を覚えたほうが、はるかに将来の役にたちますよ。

    でも、そういうことでもないと、私は思っているのです。
    SNSだって、意味はあるでしょう。
    無駄と思えることにも意味はあります。
    自分が何か極端なことを考えているときは、本当にそうかな?と立ち止まったほうがいいのです。
    SNSにも英語学習にも、意味はあります。

    特に今は、コロナ禍で思うような気分転換もできないし、ものすごく暑いし、また新学期が始まるしで、頭の中が何だか煮詰まったようになっていて、誤った決断をする人が多くなる時期です。
    私自身も、自分のことをなかなか客観視できないながらも、おそらく、普段の夏とはメンタルが違っているでしょう。
    今は、何か大きな決断はしないほうがいいと思います。
    何かを、特に他人を、ジャッジするようなことはしないほうがいいです。
    最善を尽くしながら、この暑さが去り、コロナ禍が去っていくのを待ち、それから冷静に考えましょう。

    英語の話に戻りましょう。
    英語の覚えにくさに腹を立てて、文句を言うのは、中学生でも同じです。
    例えば、三単現のときに動詞に s をつけるのなら、全部ただの s をつければいいのに、例外が多い。
    過去形の ed のつけ方も例外がある。
    不規則動詞なんて、もっと気にいらない。
    覚えることが多すぎる・・・。

    しかし、日本語の動詞を振り返ってみれば、動詞の種類が五段活用動詞から始まって何種類もあって、どの動詞がどの活用をするのか、覚えなければなりません。
    しかも、五段活用だけでも、未然形だ連用形だと活用語尾が何種類もあって、後ろに続く語にあわせて変えなければなりません。
    何なの、この言語?
    動詞だけで、何でそんなに複雑なの?
    全部五段活用でよくない?
    いや、そもそも、活用しなくてよくない?

    私が外国人なら、日本語は覚えられないです。
    日本語のネイティブなのに、国語の文法の学習で悪戦苦闘している中学生は多いと思います。


    中学生・高校生の中には、日本語は簡単だし、文法学習は必要ないと思っている人がいます。
    なぜなら、自分は、日本語の文法は知らないけれど、日本語を話せるから。

    ・・・しかし、本当に、日本語の文法を知らないのでしょうか?
    日本語の文法を学問的に分析したり解説したりする能力がないだけで、文法はわかっているのではないでしょうか。
    耳にした日本語が、正しい日本語か間違った日本語かを判断する能力があるのは、文法をわかっているからです。
    そこのところを誤解し、自分は文法はわからないけれど日本語は話せると思っている人は多いです。

    この誤解が、英語学習の妨げにもなっています。
    文法がわからなくても、英語がわかるようになると思ってしまうのです。

    人間は、生後数年、言語を習得する能力がきわめて高い時期があります。
    それは、単語を習得する能力の大きさよりも、文法を理解する力、その言語の体系を理解する力が突出して高いということです。
    周囲の大人の使う、文法的に間違った表現も含めて取捨選択し、それを総合して、その言語の文法を把握します。
    学問的に説明する能力などはありませんが、子どもは文法体系を把握しています。
    周囲の大人の話している用例だけで、文法を把握するのです。
    恐ろしい能力です。
    文法を把握するから、日本語を話せるようになります。

    しかし、その能力は、生後数年で急速に衰え、十代の前半でほぼ消えると言われています。

    それ以降は、用例を耳にし目にしただけでは、その言語を話せるようにはなりません。
    その言語のネイティブでないというのはそういうことです。
    全く同じ文を同じ場面で使うことはできるでしょうが、応用は効きません。
    少ない用例で体系的に理解できるようになる年齢ではないのです。
    だから、文法を学び、単語を学ぶことで、外国語を習得するのです。


    文法というのは、ルールを分析し、統合して把握していくことです。

    I am a boy.
    You are a girl.
    He is a teacher.
    This is Tom.
    My sister is a high school student.
    1つ1つの文に共通する、大きなルールが見えてきます。
    am , are , is は、同じ働きをする語なのではないか?

    また、
    Am I a good boy?
    Are you a good boy?
    Is he a good boy?
    こうしたことから、疑問文の作り方の大きなルールが見えてきます。
    Am , is , are を文の先頭にもってくれば、疑問文になるのでは?

    am , is , are は同じ働きをします。
    これらをまとめて be 動詞と呼びます。
    be 動詞の文の疑問文は、be 動詞を文頭に置きます。
    こうした共通点が、文法です。

    ところが、am , is , are は、同じ働きをする語だという説明を受けても、聞き流す人たちがいます。
    このきわめてシンプルなルールを覚えないし、理解しないようなのです。
    だから、
    (  ) your father an English teacher?
    という問題の( )を埋めることができません。

    間違って、Are を入れてしまった、というのなら、まだわかるのです。
    Do を入れた、という場合も、百歩譲って、その意図はわかります。
    問題なのは、何を入れていいのか、見当もつかない、という子。
    文法的な把握をしないから、初めてみる英文には全く対応できず、正解を知ると、またその文を覚えるしかないのです。

    共通点は何か。
    相違点は何か。

    そうした方向に思考が全く働かず、与えられた例文を覚えるだけで、文が変われば反応できない、という子がいます。

    こんな初歩の英語なら、大丈夫な人は多いでしょう。
    しかし、似たようなことは、英文法がより複雑になってくると誰でも起こり得るのです。
    文法を把握しようとしないということは、そういうことです。
    文法がわかっていれば、分析すればすぐに答が出るのに、文法を使わないで、何となく自分の知っている英語はこんなふう、という感覚で答を出そうとするのです。
    根本の理屈がわかっていれば、簡単なのに。
    文法問題なのですから、理屈がわかっているかどうかを問われているのに。
    違うアプローチをして、解くのに苦労し、誤答しています。
    本当に勿体ない。
    文法を理解し、使うだけで、簡単に解ける問題は沢山あります。

    大筋のルールを覚え、利用する。
    同時に、例外を覚える。
    文法学習で行うのは、それだけです。

    さて、関係副詞の話に戻って。
    ちょっとした例外に腹を立てずに、それを覚えましょう。
    the way と how は同時に使わない。
    片方だけ使う。
    何でもないことですよね?


      


  • Posted by セギ at 11:57Comments(0)英語

    2020年08月16日

    高校英語。関係副詞の why。


    今回は、関係副詞の why です。

    まずは2文を1文にするところから考えてみましょう。

    I don't know the reason. He was late for school for the reason.

    これを、「私は彼が学校に遅れた理由を知らない」という文にしましょう。
    関係代名詞を用いるなら、

    I don't know the reason for which he was late for school.

    となります。
    この for which を関係副詞にすることができます。
    先行詞が the reason「理由」の場合に用いる関係副詞が why です。

    I don't know the reason why he was late for school.

    関係副詞 where のときの先行詞 the place 、関係副詞 when のときの先行詞 the time のときもそうでしたが、the reason という先行詞も省略可能です。
    また、先行詞を残す代わりに関係副詞のほうを省略することも可能です。

    I don't know why he was late for school.

    先行詞を省略すると、上のようになりますが、この文は、間接疑問文と解釈することも可能です。

    Why was he late for school ?
    I don't know that.

    この2文を1文にしたのが、

    I don't know why he was late for school.

    know という動詞の目的語が疑問文になっている、間接疑問文です。
    見た目が同じになります。
    見た目だけでなく、意味も同じなので、どちらの解釈でも大丈夫です。


    さて問題です。
    以下の文がほぼ同じ意味になるように、次の空所を埋めよ。
    I don't like him. That is because he is always saying bad things about other people.
    He is always saying bad things about other people. That (  ) (  ) I don't like him.

    正解は、
    I don't like him. That is because he is always saying bad things about other people.
    He is always saying bad things about other people. That (is) (why) I don't like him.


    That is why I don't like him.
    この直訳は、「それが、私が彼を好きではない理由です」となります。
    しかし、そんな固い訳はせず、「そういうわけで、私は彼は好きではありません」と訳すのが普通です。

    That is why~.は、「そういうわけで~」。
    This is why~.は、「こういうわけで~」。
    このルールを知っておくと、楽ですね。

    そんなに難しくないようでいて、
    I don't like him. That is because he is always saying bad things about other people.
    He is always saying bad things about other people. That (is) (because) I don't like him.
    という誤答をした人もいるかもしれません。

    上の2文は、1文目が結果で、2文目が原因。
    下の2文は、1文目が原因で、2文目が結果。
    そうした関係が読み取れれば問題ないのです。
    しかし、文と文との関係、語句と語句との関係を読み取る練習を小学生の頃から放棄して現在に至る、という人もいます。
    そういう人にとっては苦しいと思います。
    何でそんなことを放棄したのだろう?
    そこが大切なところじゃないの?

    そう思うのですが、そのことの大切さに気づかなかったのでしょう。
    早く気づいて、気づいたら、そこから練習しましょう。
    数学の計算問題だけはやたらとできるけれど国語の成績が悪いというような人には、その可能性があります。
    国語の成績が悪くても英語の成績をよくしたいというのは、かなり無理があります。
    今の英語教育は、長文読解ができないと、テストで高得点を取れないんです。
    英単語の意味がわかっても、英文と英文との関係が読み取れなかったら、読解はできないです。

    国語でも、精読できず、単語を適当にピックアップして、自分の妄想で内容を作り上げてしまう人がいます。
    書いていないことを想像で補ってしまう人です。
    英語になると、わからない単語が多いこともあって、そこを想像で補うため、本文とは似ても似つかない内容を勝手に読解する人はさらに多くなります。
    筆者の主張と真逆の内容を読み取っているのはまだましなほうで、何の関係もないことを読み取っていることもあります。
    そこを補うために、文と文とのつながりを理解する力が必要になります。
    どの文が原因で、どの文が結果か。
    どの文が筆者の主張で、どの文がその根拠か。
    それを把握するためにも、必要なのが文法です。



      


  • Posted by セギ at 14:15Comments(0)英語

    2020年08月05日

    高校英語。関係副詞の when。



    今回は、関係副詞の when。
    まずは、こんな問題を考えてみましょう。

    問題 次の2文を、関係副詞を用いて1文で表せ。
    The time will soon come. The cruel war will end at that time.

    the time がこの2文で共通の語句。
    これが先行詞になると判断できます。
    「その残酷な戦争が終わるときが間もなくくるだろう」
    という文を作りましょう。

    先行詞がきたら、すぐ関係詞。
    関係代名詞を使う文ならば、
    The time at which the cruel war will end will soon come.
    この at which のところが、関係副詞になります。
    2個目の文は、
    the cruel war will end then.
    と書き換えることもできますね。
    この then が副詞です。

    よって、
    The time when the cruel war will end will soon come.

    できたっ。

    うーん・・・。
    絶対に間違っているとは言い切れないのですが、この語順の英文はあまり見かけないのです。
    「~なときがくる」が主節の文のときは、以下の語順が普通です。

    The time will soon come when the cruel war will end.

    先行詞と関係詞が離れている・・・。
    こんなの原則と違う。
    そのように思う気持ちもわかるのですが、上の文と比べると、この文のほうが意味をとりやすいです。
    だからでしょう。
    この語順が普通に用いられています。

    2文を1文にする問題でこのような文が使われることは、しかし、そんなにないので、心配はいりません。
    以下のような問題で使用されることが多いです。


    問題 次の空所に適切な語を補え。
    The time will soon come (  ) the cruel war will end.

    こういう問題のときに、
    「直前の語がcomeだ。え?え?何を補うの?」
    と慌てなければ大丈夫です。


    では、このような問題はどうでしょうか?

    問題 次の文を正しい語順に並び変えよ。
    その本を読んだら、もとの場所へ返しておきなさい。
    Put the book back ( was / when / where / to / you / are / it ) through with it.

    where も when もある。
    どっちを使うんだろう?
    え。両方使うの?
    なんで?

    そんなとき、よくある誤答。
    Put the book back to it where you are through with it.

    このような誤答をした生徒と、こんな会話を交わしたことがあります。
    「使っていない語がありますね」
    「使い道が分かりませんでした」
    「it は代名詞なので、where の先行詞にはなりませんよ」
    「・・・え?言っている意味がわかりません」
    「うーん・・・」

    その本を読んだら、もとの場所へ返しておきなさい。

    与えられた語句にこだわらず、この日本語を英語にするとしたら、どうなるでしょう。
    Put the book back to the place where ・・・・。
    とりあえず、そういう語句が浮かぶと思います。
    しかし、the place という単語はこの問題の中にありません。
    だから、it を入れてみた。
    そういうことだったと思います。
    しかし、it のような代名詞は、関係詞の先行詞にはなりません。
    先行詞は、名詞がなるものです。

    「え?the place って、代名詞じゃないんですか?」
    と問われたことがあります。
    「え?」
    「the place って、場所でしょう?図書館とか、店とか、具体的なことを言わずに、ただ場所というのは、代名詞じゃないんですか?」
    「違います・・・。place は、普通の名詞です」

    そうか。
    代名詞という言葉の定義がブレていたのか、と目が開かれる思いがしました。
    代名詞は、そういうものではありません。
    代名詞は、大きく分けて3種類。
    人称代名詞・指示代名詞・不定代名詞。
    それ以外は、代名詞ではありません。

    人称代名詞は、英語学習の最初の頃に暗記した、I my me mine というあれです。
    4番目の mine の形のものは、特に所有代名詞と呼ばれます。
    さらに、myself の形のものは、再帰代名詞と呼ばれます。
    そこまで含んで人称代名詞という総称です。
    it も人称代名詞です。

    人ではないのに人称?
    はい。
    人称は、人といういう意味ではないのです。
    一人称・二人称・三人称。
    一人称は、語り手・書き手のこと。「私」「私たち」。
    二人称は、聞き手・読み手のこと。「あなた」「あなたがた」。
    三人称は、それ以外の第三者。人でも物でも構わないのです。
    だから、it は、三人称単数の人称代名詞です。

    指示代名詞は、this , that , these , those など。
    不定代名詞は、one , other , another など。

    代名詞という用語は、いつの間にか使われ始めて、でも、いつまでも曖昧で。
    そういうこともあって、苦手としている人が多いです。
    高校で配布された英文法の参考書の「代名詞」の章を一度熟読すれば、霧が晴れると思います。
    曖昧でよくわからないと思っていたことが全部書いてあるので、びっくりした。
    高校3年になって受験勉強をするようになり、初めて文法の参考書を読んで驚愕した、という生徒の言葉を複数名から聞いています。
    あれは、実はとても役に立つ本なんです。
    高校で配布されていなかったら、書店で購入しましょう。
    読みやすさ重視の本を買ってしまう誘惑にかられると思いますが、お勧めできません。
    こういう場合に購入する文法参考書は、目次は「名詞」「代名詞」などの固いものが列挙されていること。
    巻末に索引がついていること。
    これらが必須です。
    それとは別に、読みやすそうな、中学英語が1時間でわかる本、みたいなものもあわせて買うのは、それは自由です。


    place は、「場所」という意味の名詞です。

    とはいえ、「場所」という言葉は、ちょっと漠然としているのは事実。
    具体性に欠けます。
    こんな言葉は、省略しても通じます。

    そういうわけで、where の前のthe place や、when の前の the time など、漠然とした意味合いの先行詞は省略できます。
    さらに言えば、先行詞のほうをしっかり書く代わりに、where や when を省略することも許されています。

    問題に戻りましょう。

    問題 次の文を正しい語順に並び変えよ。
    その本を読んだら、もとの場所へ返しておきなさい。
    Put the book back ( was / when / where / to / you / are / it ) through with it.

    Put the book back to the place where ・・・・
    これの、the place を省略して、
    Put the book back to where ・・・・
    ここまで、わかってきました。

    「え?関係副詞は、前置詞を含みこんでいるんじゃないんですか?なら to は要らないんでしょう?」
    「いや・・・、これはもともとあった the place のための to なので、普通に残します」
    Put the book back to the place at which ・・・・
    の、at which が、 where になったんです。

    さて、ここまで作れました。
    使った語句には斜線を入れて、消しましょう。
    でも、残りの語句をどう並べるのか、何だかよくわからない。
    そういうことも多いと思います。
    そんなときに、イライラしがちな人は、「もういいや」と残りは適当に並べてしまうことがありますが、ここまで来たのですから、もう少し粘って考えましょう。
    行き詰まったら、今度は後ろから考えてみるのが良いと思います。

    日本語を見ると、「その本を読み終わったら」と書いてあります。
    ( ) の後ろの語句は、through with it
    何だかよくわからないが、「終わる」とかそういう意味の熟語なんじゃないか?
    そういう判断で、大丈夫です。
    でも、through は、動詞じゃない。
    前置詞とか副詞とか、そういうものだろうと想像がつきます。
    動詞らしいものを( ) の残りの単語から探しましょう。
    was と are があります。
    いずれにせよ、be 動詞です。
    ここの部分の主語は?
    読み終わるのは、誰?
    それでわかりました。
    「その本を読み終わったら」の部分の英語は、
    when you are through with it です。
    このwhen は、接続詞の when だったんですね。


    あとは、何が残っているでしょうか?
    was と it 。
    わかった。
    正解は、
    Put the book back to where it was when you are through with it.
    です。

    繰り返しますが、語数の多い乱文整序問題になると、途中で面倒くさくなって、感覚で適当に並べて済ますのは、得策ではありません。
    これはパズルです。
    理屈で考えれば、必ず正解にたどりつきます。
    そのときに使う理屈が、文法です。


      


  • Posted by セギ at 14:41Comments(0)英語

    2020年07月26日

    高校英語。関係副詞の where。



    今回は、関係副詞 where です。
    まずは、こんな問題を解いてみましょう。

    問題 以下の空所に適語を補充せよ。
    (1) The road (  ) we traveled was beautiful.
    (2) Do you know the town (  ) he visited last month?

    関係副詞は4種類しかなく、その4種類の中での使い分けなら比較的簡単なのですが、上のような問題になった途端に正答率が下がります。
    正解は、
    (1) The road (where) we traveled was beautiful.
    (2) Do you know the town (which) he visited last month?

    この使い分けをクリアできない人は案外多いです。
    そのときは、ああそうなのかと思っても、時間が経つと何度でも同じように間違ってしまう人もいます。

    (1)を2文に分解して考えてみましょう。
    The road was beautiful. We traveled on the road.
    と分解することができます。
    the road が共通の語句、すなわち先行詞となり、「私たちが進んだ道路は美しかった」という文を作ることができます。

    関係代名詞を用いて表すならば、
    The road on which we traveled was beautiful.
    です。
    これはこれで正しい英文です。

    この on which のように「前置詞+関係代名詞」となっているものを、1語で表すことができるのが、関係副詞です。
    関係副詞には、where , when , why , how の4種類があり、それらは先行詞によって使い分けます。
    今回、先行詞は場所を表す名詞なので、where を用います。

    前置詞から始まっている意味のまとまりを「前置詞句」と言います。
    前置詞句は、名詞を修飾するものは形容詞句。
    名詞以外のものを修飾するものは副詞句と呼ばれます。
    後ろの文の中で、この on which は、動詞 traveled を修飾していますから、副詞句です。
    それを1語で言い換えた where も同様に、動詞 traveled を修飾している副詞です。
    だから、関係副詞と呼ばれます。

    副詞について、もう少し上の2文で説明しましょう。
    The road was beautiful. We traveled on the road.
    は、あえて同じ語句を用いていますが、2個目の文は、以下のように言い換えが可能です。
    The road was beautiful. We traveled there.
    この there が副詞です。
    on the road = there なのです。

    そして、there を where に言い換えたのが関係副詞を用いた文です。
    The road where we traveled was beautiful.

    The road (which) we traveled was beautiful.
    としてしまうと、勝手に on を省略したことになってしまいます。
    前置詞は、基本的には省略できません。

    英語を学習した初期の頃から前置詞を忘れがちな人は、ここのところが苦手なことが多いです。
    We traveled on the road.
    = We traveled there.
    「何で there のときは前置詞が不要なんですか?」
    と疑問に思う人は、まだ前置詞について気がついているほうです。
    副詞は、前置詞を含みこんでいる語なので、前置詞は不要です。
    この単語は副詞なのだと意識することで、だからこれは前置詞が不要と判断することができます。
    there の他、英語学習の初期の頃から目にしている副詞としては、 here や home があります。
    これらは、前置詞が不要です。

    しかし、there は前置詞が不要ということに気づいていない人は案外多いのです。
    そのあたりの知識が一切身につかず、前置詞はすべて無視する人もいます。
    例えば英作文の問題で、
    「『道路を』を訳し忘れていますよ」
    と声をかけると、
    「あ。road だ」
    と、名詞を思い出すことばかりに必死になってしまいます。
    「うん。road の前に何か単語が必要だと思いますけど?」
    と問いかけても、何も思いつかない様子です。そこで、
    「on the road ですよ」
    と説明すると、つまらなそうな顔をします。
    大事なことを間違えた、失敗した、という顔ではないのが心配です。

    前置詞と名詞と副詞との関係が曖昧で、いつもそこのところでしくじります。
    前置詞+名詞=副詞句または形容詞句
    という単純な図式だけでも理解しておくと、かなり違ってくると思います。
    あわせて、名詞の前には冠詞がつくのではないかと常に意識しておくことが重要です。


    さて、(2)を分解してみましょう。
    Do you know the town? He visited the town last month.
    となります。
    visit の後ろは前置詞は不要です。
    ですから、関係代名詞を用いて、
    (2) Do you know the town (which) he visited last month?
    とします。
    これを、
    Do you know the town where he visited last month?
    としてしまったら、不要な前置詞を加えたことになり、誤りなのです。


    では、なぜ visit の後ろは前置詞は不要なのか?
    visit は目的語をとる動詞、すなわち他動詞だからです。
    目的語というのは、動詞の直後の名詞のことです。
    「誰々に」とか「何々を」といった意味の名詞です。
    間に前置詞が入ることがないのです。
    だから、前置詞を含みこんでいる where の出番ではないのです。

    つまり、where と which の使い分けの基準は、関係詞節の動詞が、後ろに前置詞をとるかどうか、ということです。
    その動詞が、自動詞か他動詞か、ということです。
    これは知識です。
    visit は、すぐ後ろに名詞がくる。
    travel は、前置詞が必要。
    そうした知識を問う問題だということです。

    自動詞でも他動詞でもある動詞も多いですが、必ず自動詞、必ず他動詞の動詞というものもあり、問われるのはそうした動詞に関する知識です。
    重箱の隅をつつかれたらきついところではありますが、visit を使った問題はどんな問題集にも載っている典型題なので、こんな問題は得点しましょう。

    実は英語学習の最初から、自動詞と他動詞は区別されています。
    visit の訳は、「~を訪れる」と、教科書準拠ワークなどにも書いてあったはずです。
    この「~を」がついていたのが他動詞です。
    動詞の後ろにすぐに名詞を書いていい動詞です。
    しかし、中学生はそういうところが雑で、「~を」は無視します。
    下手をすると、visit が動詞であることすら無視して、「訪問」と覚えてしまう子もいます。
    いや、名詞としての用法もありますが、そんな高度なレベルで理解しているわけではないでしょう。
    「れる」とか「する」をつけて覚えることすら無駄だと思っている雑な感覚で単語の意味を覚えているだけでしょう。
    名詞と動詞を区別しないで覚えているのですから、自動詞と他動詞を区別して覚えているわけがありません。
    そうした初期学習の粗雑さに復讐されているのです。

    安心してください。
    私もそうでした。
    いや、さすがに名詞と動詞とは区別していましたが、自動詞と他動詞を区別する覚え方はしていませんでした。
    これは、後からでも間にあいます。
    気がついたら、そこから、神経を払う。
    ああ、この動詞は目的語がつくんだなあ。
    この動詞は、前置詞が必要なんだ。
    そして、前置詞は必ずこれを使うんだな。
    そうしたことを丁寧に学習していく。
    それでどうにかなります。
    頑張りましょう。

      


  • Posted by セギ at 17:46Comments(0)英語

    2020年07月11日

    高校英語。関係代名詞。関係代名詞としての but。


    さて、疑似関係代名詞の最後は、but についてです。

    まずは有名な例文を。
    そのまま設問となることも多いです。

    There is no rule but has exceptions.
    例外のないルールはない。

    疑似関係代名詞 but は、否定語を伴った語句を先行詞とし、また、but 自身も否定の意味を持っています。
    but =that~not です。
    すなわち、二重否定です。
    上の文は、以下のように書き換えられます。

    There is no rule that doesn't have any exceptions.

    もう少し例文を。
    There is scarcely a man but has his weak side.
    弱点のない人はほとんどいない。
    =There is scarcely a man who doesn't have weak side.

    scarcely は準否定語なので、やはり、but を使用できます。

    No one came to her but were fed.
    彼女のところに来て食べ物を与えられなかったものはいなかった。
    =No one came to her that weren't fed.


    but には、接続詞の用法もあります。

    It never rains but it pours.
    降れば必ずどしゃ降り。

    これは、ことわざですね。
    =It never rains without pouring.

    「どしゃ降りでなしに、雨が降ることは決してない」。
    こういう but は、「~以外に」と訳すと上手く意味をとることができる場合が多いです。
    上の例文で言えば、「どしゃ降り以外に雨が降ることはない」すなわち「降れば必ずどしゃ降り」となります。


    but は古風な表現で、現代、特にアメリカ英語ではほとんど使われないとされています。
    but に否定の意味がこもっていることを知っていて、意味が取れること。
    あとは( )に but を補充する穴埋め問題が解けること。
    その程度で大丈夫と思います。
    自ら進んで使う必要はなさそうです。

      


  • Posted by セギ at 11:09Comments(0)英語

    2020年07月03日

    数は音声では聞き取りにくいのです。


    ある年、中3の生徒の英語の1学期の期末テストの得点が普段より10点ほど下がったことがありました。
    見ると、リスニングでかなり失点していました。
    しかし、普段はリスニングが苦手な子ではなかったのです。
    英検3級のリスニング過去問は、毎回ほぼ満点を取ることができていました。
    話を聞くと、内容に特徴があったことがわかりました。

    場面は空港。
    飛行機の出発時刻とゲート番号が列挙されたアナウンスを聴き取るものだったそうです。
    中学生向けですから、英文はゆっくり読まれたと思います。
    それでも、時刻や番号が列挙されると混乱し、数字を聴き取り間違えてしまったのです。

    数字は、視覚での情報伝達力は極めて高いのですが、音声で伝えられると把握しにくい傾向があります。
    日本語での口頭の場合も、数字は他の単語よりも聴き取りにくいです。
    まして英語で数字を聴き取るのは、難しくて当然です。

    私個人は、小学生の頃に珠算教室に通い、「読み上げ算」を練習していますので、日本語による数字の聴き取りは比較的得意なほうだとは思っています。
    今も塾での算数・数学の宿題の答えあわせは、生徒が口頭で数字や式を読み上げ、正解かどうか私が判断することが多いです。
    これが逆に、私が正解を口頭で述べ、生徒が自分で丸付けをすることにしたら、正しく聞き取れず、間違っているのに丸をつけてしまう子がいるだろうと予想されます。
    とはいえ、生徒の読み上げる数字はスピードが速すぎるうえに語尾が不明瞭なことがあります。
    もしもそのスピードと不明瞭さで私が数字を読み上げたら、あなたは聴き取れないでしょう、と思うこともあります。
    数字を読み上げるときは、ゆっくりはっきり言わないと正確に伝わらないということが、年齢的にまだ理解できないから仕方ないのです。
    速く読み上げることが頭の良さの証明だという誤解もあるかもしれません。
    ただ、こういうことは、注意しても、「別にいいじゃん。聴き取れないのは、そっちの責任じゃん」という反発心を起こさせる小言の類に聞こえそうで、私も余程速い場合以外は注意しないのですが。
    同じ生徒が、私が正しい式をゆっくり読み上げても、上手く聴き取れないことがあります。
    そんなときが良い機会です。
    私がホワイトボードに式を書いていくと、その子は、当然理解できます。
    そうした経験を重ねることで、数字は、音声で早口に読み上げても伝わらないということを実感してくれるようです。
    ゆっくりはっきり読み上げることを徐々に学んでいくのです。
    それは客観性や社会性の獲得ということでもあると思います。

    例えば電話番号を早口でペラペラペラっと伝えられたら、誰でも「はあ?」と思いますよね。
    相手の社会性を、むしろ疑う事態です。
    数字は、はっきり、ゆっくり読む。
    そして、互いに確認しあう必要があります。


    日本語でも難しいのですから、英語のリスニングで数字にまつわる問題が出題されると、非常に難度が上がります。
    社会人向けの英語検定なら、そうした出題は当然でしょう。
    ビジネスに数字はつきものですから。
    しかし、英語を学び始めたばかりの子にとって、数字の聴き取りはハードルが高いです。

    何年か前、都立高校の英語リスニング問題で、電話番号の問題が出題されたときも、その問題だけ正答率が低かったのです。
    男女の会話で、間違い電話の受け答えを聴いて、問いに答える問題でした。
    間違い電話をするくらいですから、番号は部分的に数字が入れ替わっているものでした。
    間違った番号と正しい番号と両方を英語で言われ、正しい電話番号を以下から選べ、と言われても、それは混乱しますよね。

    男「もしもし、〇〇さんのお宅ですか」
    女「いいえ、違います。何番におかけですか」
    男「そちらは、いちさんはちよんのごさんはちいちではありませんか」
    女「いいえ、うちは、いちさんはちよんのごはちさんいちです」
    男「ああ、間違いました。すみません」
    女「どういたしまして」
    聴き取りにくさをあえて日本語で表記すれば、こんな感じでしょうか。


    中1の最初の定期テストの場合、そもそもリスニング問題に上手く対応できない可能性もあります。
    これも何年か前、英語のリスニング問題を塾の授業中に最初に行ったときのこと。
    CDには日本語でくどいほどの説明があるし、例題とその解説もあるから大丈夫だと思っていたら、いざ第1問が始まると、
    「え?何をするんですか?」
    と声を上げた子がいて、慌ててCDを止めたことがあります。
    最初に説明したつもりだったのですが、その子にとっては、十分な説明ではなかったのでしょう。
    CDの説明をよく聴いてその通りにしなさい、という指示を出さなかったのがまずかったのだと思います。
    いや、そもそもリスニングテストというものが英語にはあるのだという話から始めるべきだったのかもしれません。
    初めてのことに対する抵抗感と不器用さに関して、現代の子は突出していることがありますから、中1の最初の定期テストのリスニングは白紙答案になってしまわないかと心配です。
    何をどうすれば良いのか、全くわからなかった。
    白紙答案を見せて屈託なくそう言う子が現れる可能性は毎年あります。

    「学校で、定期テストにリスニング問題が出るという話はありましたか」
    中1の生徒にそう問いかけても、首をかしげています。
    「・・・いや、たぶん出題されるので、そのつもりでいてね?」
    リスニングは色々な出題形式があるから、日本語の説明をよく聴いてね。
    選択肢があるとは限らないですよ。
    聴き取った英文を書くのかもしれません。
    とにかく、その場でパニックを起こさないでね。
    色々とくどいほど話すのですが、それでも心配は尽きません。

    そんな状況なのに、英語で数字を読み上げて書き取る問題が出題されたらどうしましょう。
    日本語で出題しても難しい問題を英語で出されても・・・。
    そういうのは、英語力以外の何かが付加された課題です。
    でも、やっぱりそれは、英語力かなあ。
    上手く対応できますように。
    そう願うこの頃です。


      


  • Posted by セギ at 14:33Comments(0)英語

    2020年06月24日

    高校英語。関係代名詞。関係代名詞としての than。


    今回は、関係代名詞の than の話。

    しかし、これは as とは違い、空所補充問題ではそんなに悩まない人もいるかもしれません。
    例題で確認しましょう。

    問題 次の空所を埋めよ。
    (1) The next war will be more cruel (  ) can be imagined.
    次の戦争は想像もできないほど残酷なものだろう。

    (2) There is more space (  ) is needed.
    必要以上のスペースがある。

    正解は、
    (1) The next war will be more cruel (than) can be imagined.
    (2) There is more space (than) is needed.
    です。

    空所の前に比較級があるので、答は than だろうと推測し、それで正解できる人も多いと思います。
    むしろ、(  )の後ろをいちいち見ない雑な解き方をする人のほうが、簡単に正解するということもありそうです。
    文法的な見方をある程度する人のほうが、案外こうした問題で悩んでしまうでしょう。
    何だ、いつもの than じゃないか、と埋めようとして、手が止まります。
    いつもの than は接続詞です。
    接続詞は、SやOにはなりません。
    (  )の後に、主語がない・・・。
    これは、than ではないのでは?

    あれこれ悩んで、
    (1) The next war will be more cruel (that) can be imagined.
    (2) There is more space (that) is needed.
    としてしまう人もいます。
    先行詞を最上級の形容詞が修飾するときは that だから、比較級でも that かな?
    そんなふうに誤解してしまうのでしょう。

    than という関係代名詞があることを知っていれば、そんな誤答をせずに済みます。
    関係代名詞は、従属節の主語の働きをしますから。

    細かい文法分析はどうでもいい、正解できればいいという考え方もあると思いますが、空所補充問題ならそれで良くても、乱文整序問題では、 than が関係代名詞のときもあることを知らないと、上手く並べられないかもしれません。
    まして、以下のような問題の場合、かなり困惑すると思います。

    問題 次の英文に文法的に誤りがあれば指摘して改めよ。誤りがない場合は解答欄に〇をつけよ。
    (1) The next war will be more cruel than can be imagined.
    (2) There is more space than is needed.

    空所を補充しろと言われたら深く考えずに than を入れる人も、この英文を改めて読むと違和感があるかもしれません。
    あれ?
    何かおかしくない?
    than の周辺に何か単語が足りなくない?
    そうだ。主語が足りないんだ。

    わかった。
    (1)は、(誤) than  (正) than we
    (2)は、(誤) than  (正) than it

    そう思う気持ちもわかります。
    (1) The next war will be more cruel than we can be imagined.
    (2) There is more space than it is needed.

    は、これはこれで正しい文です。
    これらの than は接続詞の than です。

    しかし、than には関係代名詞の than があります。
    関係代名詞節の中で、主語の働きをします。
    だから、主語を補わなくても良いのです。
    したがって、上の問題の正解は、(1)〇 (2)〇 です。

    もっとも、こんなひどいひっかけ問題は通常作られません。
    こういう問題こそ、ひっかけ問題というのです。

    ただ、than が関係代名詞として使われることを知らないと、長文を読む際にも、このあたりのことでモヤモヤして、文意が上手く取れない人もいるかと思います。
    やはり、知識を身を助けます。

    なお、さらに面倒くさいことを述べるなら、
    (1) The next war will be more cruel than can be imagined.
    (2) There is more space than is needed.
    の than も、接続詞と見ることが可能です。
    従属節では、代名詞の主語は省略できるのです。
    だから、この文の than は接続詞で、その後の we や it が省略されているだけとみなすこともできます。
    その見方でも、上の問題の正解は、(1)〇 (2)〇 です。


    上の2つは、than が関係代名詞の中で主語の働きをしていましたが、than は目的語の働きもします。

    He didn't accept more money than he really needed.
    彼は、本当に必要なお金以上は受け取らなかった。

    この than は、目的格の関係代名詞と見ることもできますし、接続詞と見ることもできます。
    どちらにしても文意は同じですので、こんな場合は、接続詞と関係代名詞の区別をしなくてもよいのです。


    ここからは余談ですが、上の説明の途中で、than とthat とが同じに見えて、「うん?」となった人はいるでしょうか。
    実は私も書いていて、うっかり書き間違い、慌てて直しました。
    than と that はスペルが似ているので、四択問題で目が迷う、という人もいるようです。

    than と then とを見間違う中学生にも多く出会います。
    then とthem とを見間違う子もいます。

    英語は似ている単語が多いから嫌だと言う子がいます。
    アルファベットは26文字しかないので、その順列で考えたら似ているものが多数あって当然です。
    一瞬見間違っても、すぐに気がつくのなら特に問題はありません。
    たいていは、文脈上こういう単語が出てくるだろうと推測しながら読むので、正しい単語に見える場合が多いです。
    difficult と different。
    invite と invent。
    これらも見た目が少し似ているので混同しやすいですが、文脈判断で読み分けることがおおむね可能です。
    むしろ、こうした単語は、意味を取り違えて覚えてしまい、以後ずっと誤用し続けることのほうに注意が必要です。

    また、見た目は全く似ていないのに、中学生が混同しがちなのが、famous と popular。
    popular を訳すときに「有名な」としてしまう子は多いです。
    popular は「人気がある」で、famous が「有名な」です。

    「それ、同じじゃね?」
    と生徒に言われたことがあります。
    いや、人気は全くないけど有名な人はいますよ。
    大きな事件の犯人とか。
    そう説明すると、こちらが逆にびっくりするほど覚醒した表情になり、納得していました。
    本当は、大きな事件の犯人に famous という形容はしないと思いますが、「有名人」イコール「人気者」ではないので、そこらへんの混同は避けたいところです。
    英語と日本語と、その単語の語義の範囲が完全に一致することはまれなので、popular を「有名な」と訳すのは本当にダメなのかというところから考えを深めてくれたら、それはむしろ嬉しいことですが。

    似通ったスペルの単語や、似通った意味の単語は沢山あります。
    混乱しやすいのはわかります。
    しかし、それも程度問題で、以前、father と family の識別のできない子に出会ったことがあります。
    fa しか同じじゃない・・・。
    ここまでくると、英単語を識別する意思の問題なのか能力の問題なのかと、教えていて悩むところです。
    house を「ホーム」と読む子もいました。
    house というスペルのどこに「ム」と読む要素があるの?
    そう問いかけ続けても、あまり効果がありませんでした。
    一度混同してしまうと、本人の意思とは関係なく、混乱は続くのです。
    最初に正しく覚えることが、きわめて重要です。

    スペルをよく見なさい、というのもまた誤解のもととなることがあります。
    should を「ショウルド」、could「コウルド」、would を「ウオウルド」と読む子もいました。
    それは、スペルに沿いすぎる・・・。
    そのエルは読まないエルなんですよと説明しても、なかなか治りませんでした。

    英検などの面接試験で、あるいは今後実施される予定の都立高校入試の英語スピーキング試験で、発音のことを苦にして悩んでいる子もいるかもしれません。
    面接試験があるから英検は受けない、と断言する子もいます。
    子どもだけでなく、日本人はおおむね英語の発音に自信がない・・・。
    しかし、スピーキングテストで問われるのは、発音だけではないのです。
    発音は、採点対象のほんの一部分です。
    採点基準が発音だけになったら、大半の子は得点できません。
    ギリギリ通じる音であればよいのです。
    問われるのは、should を「ショウルド」とは読まない英語力。
    house を「ホーム」とは読まない英語力。
    father と family を読み分けることのできる英語力。
    そして、発音よりも、問われたことに正確に返答できる英語力。
    自分の伝えたいことをある程度の内容のある英語で説明できる英語力。
    スピーキングテストは、内容を重視すれば大丈夫なのです。
    しかし、発音を気にする子は、一刻も早くテストの場から逃れたいと思うのか、本来の能力よりも数段劣る「痩せた英語」でその場をごまかしてしまうことがあります。
    得点が低いのは、発音のせいではなく、内容のせいなのです。

      


  • Posted by セギ at 12:24Comments(0)英語

    2020年06月18日

    高校英語。関係代名詞。関係代名詞としての as。


    今回もマイナーな内容。
    そんな関係代名詞あったっけ?と思う人もいるかもしれません。
    本来は接続詞である単語が、関係代名詞として用いられることがあります。
    これを疑似関係代名詞といいます。
    as, than, but がそうです。

    今回は、as を見ていきましょう。

    ◎the same A as ~ 「~と同じA」
    これが一番メジャーですので、これだけでも覚えてください。

    This is the same watch as my father gave me.
    これは、父が私にくれたのと同じ時計だ。

    as は、関係代名詞節の中で、主語・目的語・補語の働きをします。
    また、as は that で言い換えることが可能です。
    自分で英文を作る場合は that でもいいですが、四択問題の選択肢の中に that がない場合、何を入れてよいかわからなくなる人は多いと思います。
    the same A as ~ で覚えましょう。

    ◎such A as ~ 「~のようなA」
    I want to paint such a beautiful picture as I saw in the museum.
    私はその美術館で見たような絵を描きたい。

    これは、so を使って言い換えることも可能です。
    I want to paint so beautiful a picture as I saw in the museum.

    「such a 形容詞+名詞」=「so 形容詞 a 名詞」の語順は、今回の文法事項と直接関係はないのですが、乱文整序問題になると繰り返し間違う人が多く、メインの文法事項とは関係ないところで失点してしまいます。
    such は、名詞を修飾していますが、so は形容詞を修飾する副詞なので、直後に形容詞を伴うのです。
    そのような細かい理屈はさておき、正しい語順を幾度も口慣らしして、覚えてしまうのが良いと思います。
    自分の作った間違った語順の英文の記憶のほうが強くなる前に正しく覚えてしまうのがコツです。


    such は名詞を修飾するので、形容詞が使われていない用法もあります。

    Choose such friends as will listen to you quietly.
    あなたの言うことを静かに聞いてくれるような友人を選びなさい。

    いずれの場合も、関係代名詞 as は that に書き換えが可能です。


    ◎前の節の一部または全部を受ける as
    He was in the hospital for two weeks, as was expected.
    予測されたことだったが、彼は2週間入院した。

    これは、
    He was in the hospital for two weeks, which was expected.
    と書き換え可能です。
    前の節全体を受ける which です。
    which を用いたときは、このように必ず主節の後ろに置きますが、as を用いた場合は、主節よりも前に置くことが可能です。
    むしろ、主節よりも前にくるほうが多いと思って大丈夫です。

    As everyone knows, it is harder to write interestingly about a good person than about a bad person.
    誰もが知っていることだが、悪人についてよりも善人について興味深く書くのは難しい。

    こうなると、この as は接続詞の as と何が違うんだろう、と思いますね。
    上の文を「誰もが知っているように」と訳しても、文脈上も特に違和感は起こりません。


    ◎ as is often the case with A 「Aにはよくあることだが」
    これはテストによく出ます。
    慣用表現として覚えるべき重要表現ですが、この as も関係代名詞です。
    上で説明した、主節の一部または全部を受ける as です。

    As is often the case with Tom , he was late for school today .
    トムにはよくあることだが、彼は今日学校に遅刻した。

    これは、as is usual with A という慣用表現もあります。
    同じ意味です。
    あわせて覚えてください。


    ◎as A as B 「Bと同じくAである」
    He is as wise a man as ever lived.
    彼はとびぬけて賢い男だ。

    ・・・うん?
    どこかで見たような?

    そうです。
    「比較」のところで学習した as ~as ever です。
    この後ろのほうの as は、文法的には関係代名詞だったのです。
    では、前のほうの as は何か?
    副詞です。
    so と同じ働きをする as です。


    関係代名詞の as は、このように他の文法事項で出てくることもあります。
    また、文法学習として「関係代名詞」の章ではそんなにスペースを割いて説明されないため、記憶に残りにくいかもしれません。
    しかし、高校2年や3年になって、入試演習的な学習に入ると、解けなかった問題の答がたいてい as で、正体がよくわからず困惑することがあるようです。
    そういう as があるとしっかり認識し、あとは慣用表現的に覚えてしまえば大丈夫と思います。



    as が苦手な人を見ると、学習者としての視野、ということを考えます。
    「こんなのテストに出ない」
    「どうせこれが答だろう」
    といった決めつけで問題を解くので、繰り返し間違っているにも関わらず記憶に残らない。
    学習する際の視野が狭いのだと思うのです。
    答えは as の可能性もあると思って問題を解いている人と、関係代名詞 as が念頭にない状態で解いている人とでは、正答率が違って当然です。


    こうしたことは、英語を学習したばかりの頃から起こります。
    中学英語で確認してみましょう。

    問題 次の空所に適切な語句を補充しなさい。
    (1) (  ) you playing tennis with your friend at that time?
    (2) (  ) you visit the town yesterday?
    (3) (  ) you reading a book now?

    英語が得意な人にとっては、何でもない問題です。
    正解は、
    (1) (Were) you playing tennis with your friend at that time?
    (2) (Did) you visit the town yesterday?
    (3) (Are) you reading a book now?
    です。

    ところが、過去進行形を学習したばかりの中学生がこの問題を解くと、
    (1) (Were) you playing tennis with your friend at that time?
    (2) (Were) you visit the town yesterday?
    (3) (Were) you reading a book now?

    と、全部 were を入れてしまいがちです。
    今は過去進行形の勉強をしているんだから、全部過去進行形だろう、と決めつけて問題を解いているのです。
    本人の中で、問題に対するそうした決めつけがあるのだと思います。
    解答を考える際の視野が狭いのです。
    どうせ were だと思って解いているので、did や are が視野に入っていないのです。

    小学校で学習する問題はどの教科も何の癖もなく平易であるため、中1や中2では、まだそこから脱却できていないのかもしれません。
    中学校から配布される教科書準拠ワークも、何でも were を入れれば正解になるような単純な問題が並んでいるものもあります。
    せいぜいで、were と was の使い分け問題。
    どのような学力の子でも解答集を見れば意味がわかる教材というと、そういうレベルになってしまうのも否定できません。
    簡単過ぎて練習にならない・・・。
    そんな問題ばかり解いていると、勉強しているときに頭を使わなくなる子がいます。
    勉強しているときに頭を使わない。
    単純作業としてただ空所を埋める。
    そんな学習姿勢になってしまう子がいます。

    後に都立自校作成校に合格した子で、中2の段階ではまだ上のように何でも were を入れている子がかつていました。
    小学生のような心の在り方からなかなか脱皮できず、ハキハキと間違い続け、正解を聞くと、
    「ひっかけだ・・・」
    とぼやくことを繰り返していました。
    まだ、ゆとり教育の気配が濃厚な頃でした。
    ひっかけだ。
    騙された。
    こういう問題は、問題が悪い・・・。

    そのような認識をしている間は、何度でも「新手の詐欺」にあいます。
    答は全部 were かもしれないけれど、そうではないかもしれない。
    そのように意識を変え、視野を広げて問題に取り組めば、were ばかりが答とは限らないことに気づくのです。
    時制を学習しているのですから、新しい時制を学んだら、それまで学習した時制との使い分け問題も出題されます。

    精神的成長とともに、どうにかそうしたことを理解できるようになり、高校入試に間にあいました。

    学力的に、全部 were を入れるので精一杯なのではないか?
    そのように思われる子でも、問題を解く前に、
    「これは、いろいろな時制の使い分け問題ですね。答は過去進行形とは限りません」
    とヒントを出すと、全問正解できます。
    そのヒントを出されなくても、自力でその判断ができれば良いだけなのです。
    それは、本人の意識の問題、視野の問題です。
    それこそが学力ということでもあるのですが。

    勉強しているときは、頭を使いましょう。
    単純作業で問題を解かず、あらゆる可能性を考えましょう。

    関係代名詞には、as もあります。
    そのように視野を広げて問題を解けば、正答が増えていくと思います。
      


  • Posted by セギ at 11:29Comments(0)英語

    2020年06月10日

    高校英語。関係代名詞。注意すべき which 非制限用法。


    関係代名詞の学習の中でも、今回は超マイナーで、定着しないことが多い内容です。
    非制限用法の which の話。

    勿論、which は、普通の非制限用法があります。

    My father gave me some books, which were not so interesting.
    私の父は私に何冊かの本をくれたが、それらはあまり面白くなかった。

    しかし、これとは別の用法があるのです。


    ◎前の節の一部または全体を先行詞とする which の非制限用法

    今回の中で、これが最も重要です。
    これだけでも覚えてください。

    Some school children take no breakfast, which is not good for the health.
    朝食を食べない生徒がいるが、それは健康に良くない。

    この which は、前の節全体、すなわち、「朝食を食べない生徒がいる」という内容全体を受けて、そしてそのことは健康によくないと言っています。

    この which 節は、主節の中に挿入することもできます。

    They had, which was important to them, a heroic past to boast of.
    彼らにとっては重要なことだったが、彼らは自慢するべき勇敢な過去を持っていた。

    この which は、主節全体、すなわち「彼らは自慢するべき勇敢な過去を持っていた」を指します。

    これらの which は、読解にはあまり影響しないと思います。
    意味を読み取ることは難しくありません。
    しかし、文法問題になると、苦戦する人が多いのです。
    空所補充問題で、which を入れることを発想できないのです。
    it や that を入れてしまいます。
    関係代名詞の問題である、という枠組みがないと特にそうなります。
    知識としてしっかり身につけておきたいところです。



    ◎関係形容詞の which

    名詞を修飾するのが形容詞。
    名詞を修飾しつつ関係詞の働きをするのが、関係形容詞。
    そんな面倒くさいものは、日常会話ではそんなに使わないですが、書き言葉では目にします。

    She was appointed ambassader to the country, which post she filled with honor.
    彼女はその国の大使に任命され、その職を立派に務めた。

    which post の post は名詞で、which はそれを修飾していますから、関係形容詞です。
    まあ、特にそんなことを難しく分析しなくても意味は取れますが、これも文法問題だと苦労する人がいます。
    上の日本語を関係詞を用いて英語に直しなさいという問題だった場合。
    She was appointed ambassader to the country, which she filled post with honor.
    と、which と post を引き離してしまう人は多いです。
    このレベルの単語を使用する能力があるのなら、そんな些細な語順ミスは実に勿体ない。


    これは、疑問詞でもよく起こる現象です。
    中学1年生で、How many ~? の文を学習した際、
    「あなたは何冊の本を持っていますか」という日本語を英語に直すと、
    How many do you have books ?
    という間違った語順の英文を書く人は多いです。
    How many books do you have ?
    ですよ、と何度解説しても、直らないのです。

    中学3年生で、「疑問詞+不定詞」を学習する場合も同じです。
    「どのバスに乗ればよいか、私はわからない」という日本語を英語に直す際に、
    I don't know which to take bus.
    という間違った語順の英文を書いてしまいます。
    正しくは、
    I don't know which bus to take.
    です。
    疑問詞には疑問形容詞の働きをするものがあり、後ろに名詞を伴うことがあるんですよと、ごつい文法用語で中学生に説明するのも無理があるのですが、柔らかく説明しても、定着しない・・・。

    一度本人が思い込んでしまった間違った英語の語順は、恐ろしいほどの定着をみせ、その人を一生縛りかねません。
    英語は、間違った練習をすると、間違った語順が定着しがちです。
    間違った英文を書くと、その記憶のほうが深く脳に残り、それが本人の「英語の語順」として強化され、永遠に再生され続けるのです。
    文法的な分析があまり好きではなく、「英語は大体こういう語順のもの」という感覚に頼る人ほどそうなりがちです。
    日本に住む日本人は、そもそもそんなに英語に触れていないです。
    それなのに、本人の中の英語の語順の感覚に頼ろうとする。
    その感覚の源の大部分は、本人の書いた間違った英文だというのに・・・。
    本人の英語の語順の感覚が、間違った自分の英語を書いたり見たりした記憶で拡大再生産され、強化され続けるのです。

    感覚に頼るのはやめましょう。
    知識で正しい英文を作りましょう。

    これは、学習習慣が確立していない早い時期に間違った英語の練習をたくさんやってしまうこととも関係があるのかもしれません。
    小学校で学習する内容は、どの教科もおおむね単純で、学校の授業をちゃんと受けて、授業中にちゃんと演習もしていれば、覚えようと意識しなくても覚えられることが多いのです。
    すると、家に帰って復習する習慣のある子でも、授業ノートや教科書を読み返すといったことはせず、いきなりワークやドリルを解いてしまう子が大半だと思います。
    別にそれで間違うわけでもないので、勉強とはそういうものという形が出来上がってしまいます。
    中学生になっても、それをそのままやり続ける子が多いのですが、中学で学ぶ内容は、小学校ほど量が少ないわけでもないし内容が単純なわけでもありません。
    覚えきれないこともあります。
    それなのに、自分が覚えきれていないことに対してまだ無自覚なので、ノートを見直すことも教科書を読みなおすこともせず、いきなり問題練習をする子が多いです。
    そして、間違った練習をたくさんやってしまいます。

    自分の間違いに敏感な子は、そこで気づきます。
    ああ、ここは訂正するべきだ、ここが重要だ、と。
    しかし、勉強が下手な子は、自分の間違った答が正答と違っていることに気づかず、全部マルをつけてしまうことがあります。
    違っていることに気づいても、鉛筆で書き直して赤丸をつけ、間違ったことを記憶ごと封印してしまう子もいます。
    そして、大事なテストでしくじる。
    間違った語順が高校生になっても記憶に残り、しくじり続ける・・・。


    高校生は、自分の間違いに、そろそろ耐性があってもよい頃。
    自分の間違いを正視し、直せるはずです。
    そして、ちゃんと学習事項を復習してから演習をするという手順を踏めるはずです。
    疑問詞や関係詞は名詞を伴うものがある、という知識を定着させましょう。


    上の文に戻ります。
    She was appointed ambassader to the country, which post she filled with honor.
    これは、
    She was appointed ambassader to the country, and she filled the post with honor.
    と書き換えられます。
    which post のところは、関係代名詞節では目的語の働きをしていたのですが、節の一番前にきていました。
    一方、先行詞は ambasadder です。
    先行詞がきたら、すぐに関係詞。
    原則はそうなのですが、今回は、ambassader to the country という語句のつながりが強いので、そこには割って入り込めなかったのです。
    そこに無理に挿入すると意味がとりにくくなる場合、先行詞と関係詞との間に少し距離が開くこともあります。


    ◎ in which case
    これも関係形容詞 which の用法ですが、もうこれで熟語として覚えてしまって構わないと思います。
    「そしてその場合は」という意味です。

    The plain may be several hours late, in which case there is no point in our waiting.
    その飛行機は数時間遅れるかもしれず、そしてその場合は、待っていても無駄です。

    この文は、
    The plain may be several hours late, and in that case there is no point in our waiting.
    と書き換え可能です。


    以上、マイナーながら、たまにテストに出ると、必ず失点原因となる which の非制限用法でした。


      


  • Posted by セギ at 14:44Comments(0)英語

    2020年06月03日

    高校英語。関係代名詞。関係代名詞の非制限用法(継続用法)。


    関係代名詞の非制限用法。

    その前に、では、それとは違う「制限用法」とは何なのかから、確認しましょう。
    これは、中学から学習している、先行詞である名詞を修飾する、普通の関係代名詞のことです。
    「制限用法」という呼び方の他に「限定用法」という呼び方もあります。
    どちらも、修飾される名詞の意味を制限する、意味を限定する、ということからつけられた呼称です。

    意味を制限する・限定するのは、関係代名詞に限らず、修飾語の働きです。
    「男の子」といっただけでは、人によって色々なイメージがあると思います。
    「金髪の」と言われると、イメージがかなり限定されます。
    「10歳くらいの」と言われると、さらにイメージが限定されます。
    このように、修飾語には、修飾される語の意味を制限し、限定する働きがあるのです。
    それで、修飾する用法のことを「制限用法」または「限定用法」と呼ぶのです。

    どちらの呼び方を使ってもいいのですが、私は「制限用法」を好みます。
    なぜなら、「制限用法」の反対は「非制限用法」で、覚えやすいからです。
    一方、「限定用法」の反対は通常、「継続用法」と呼ばれます。
    ・・・覚えにくい。

    覚えられるのなら、どちらの用語でも大丈夫です。

    さて、それでは、制限用法と非制限用法の両方の例文を見てみましょう。

    (1) She has two sons who are doctors.
    (2) She has two sons , who are doctors.

    違いは1か所だけ。
    関係詞の前に、カンマ(,)があるかないか、だけです。

    (1)の日本語訳は、簡単ですね。
    「彼女には、医者である息子が2人いる」
    これが制限用法です。

    では、(2)の日本語訳は?
    「彼女には息子が2人いて、彼らは医者だ」
    これが、非制限用法です。

    え?
    そんなに違わない気がする?
    言っていることは、結局同じだと思う?

    実質が同じである場合も勿論あります。
    しかし、そうではない場合も考えられます。
    上の2つ文のうち、どちらかは、3人目の息子が存在する可能性があるのです。

    どちらでしょうか?

    正解は、(1)です。
    医者をやっている息子が2人いることは、文から明らかです。
    しかし、他の職業の息子が、他にもまだいるのかもしれないのです。

    一方、(2)は、She has two sons と、言い切っていますから、息子は2人だけです。
    息子は絶対に2人だけで、その2人ともが医者なのです。

    つまり、(2)のカンマ(,)以降は、sons を修飾しているわけではないのです。
    文が普通に続いているのです。
    (2)の文は、
    She has two sons , and they are doctors.
    と言い換えることができます。


    ここで余談ですが、son を「ソン」と発音する中学生・高校生が多く、少し気になります。
    携帯会社の社長さんじゃないんです。
    son の発音は「サン」です。
    太陽という意味の sun と全く同じ発音の「サン」です。
    日本人の耳には同じ音に聞こえてしまうというレベルのことではなく、発音記号上も全く同じ発音です。
    発音記号では、vが逆さになっている、あの「ア」の音です。

    でも、スペルに引きずられるのか、「ソン」と読んでしまう人は多いです。
    CDや外国人講師の範読を聴いたときに、「あれ?これはサンと読むのか」と気づいても良さそうなのですが、例によって認知にバイアスがかかるのか、自分が読み間違えていることには全く気づかず、「ソン」と発音し続けてしまうようです。

    さすがにちょっと気になるので、
    「それは、ソンではなくて、サンです。太陽と全く同じ発音のサンですよ」
    と一度は注意するのですが、直る場合は少ないです。
    たまたまうまく直ってほっとすると、ノートを見たら san とスペルしていて、天を仰いだこともあります。
    わかった、私が悪かった。
    san と書くくらいなら「ソン」と読んでいてもいいです。
    もう、しょうがない。
    orange を「オランゲ」と読んで覚えるようなものですよね。

    そんなふうに、結局、日本人の英語能力は、音声英語に関しては、昭和の頃から進歩していないのではないかと感じることがあります。
    ローマ字読みが直りません。

    しかし、小学校から英語教育が始まっていることは、やはりある種の変化をもたらしています。
    耳から英語が入っているために、逆に発音を間違えている子に出会うことがあるのです。
    例えば、have を「ハバ」と読む子に、これまでに数人出会いました。
    これは、小学生の頃に、
    Have a nice trip !
    だの、
    I have a pen.
    だのを、文字を使わず、耳だけで学習するために起こっている現象だと想像されます。
    have a が、リエゾンで「ハバ」と聞こえることは、否定しません。
    そのように発音したほうが英語らしいかもしれません。

    しかし、have の後ろに常に a があるとは限りません。
    生徒に文法問題の宿題の答を音読してもらうと、
    I have a two books.
    というので、「え?」と思い、ノートを見ると、
    I have two books.
    と、正答していることがあります。

    ああ、have を「ハバ」と読んでいるんだなあと、気づきます。

    What do you have a in your hand ?

    うん?
    その a は何?
    私は a を聴き取りましたが、それは何ですか?

    しかし、生徒のノートを見ると、そんな a は存在しないのです。
    今後、この問題に長く苦しむことになりそうな予感があります。
    あまりにこなれた発音を学習すると、むしろ妙な誤解をすることがあるのでしょう。
    ・・・というより、小学校も、音声英語と同時に文字英語をしっかり教えたらいいのではないかと思います。
    音だけで学習しているために、変な誤解をしてしまうことがあるのですから。
    今後、小学校の英語学習の改革に期待します。

    さて、話を戻しましょう。


    非制限用法の関係代名詞は、接続詞+代名詞 の働きをしています。
    She has two sons , who are doctors.
    =She has two sons , and they are doctors.

    この文では、who=and they です。

    復元される接続詞は、常に and というわけではありません。
    他に but や because が考えられ、それは文脈で判断します。

    He complained loudly to the storekeeper, who answered him mildly.
    前半は「彼は大声で店主に文句を言った」。
    後半は「店主は彼に穏やかに返答した」。

    これは、and ではなく、but でつなげたほうがいいですね。
    He complained loudly to the storekeeper, but she answered him mildly.

    店主の性別がわからなかったので、今は she にしておきました。


    I called him, who had called while I was out.
    前半は「私は彼に電話をした」。
    後半は「私が外出中に彼は電話をくれた」。

    これは、and でも but でも、ありません。
    これは、because を使いましょう。
    I called him because he had called while I was out.

    少し文法的な話をするなら、and, but は等位接続詞。
    文と文とを対等につなぐ接続詞です。
    しかし、because は、従属接続詞。
    主節と従属節の区別があります。
    種類の異なる接続詞を補うことは、何かちょっとモヤモヤします。
    厳密にいえば、ここで書き換えるべき接続詞は、and や but と同じ等位接続詞 for であるべきでしょう。
    for は、「というのは」と訳す、その後に理由を説明する等位接続詞です。

    とはいえ、for の存在を知らない高校生は多いと思います。
    for って、前置詞でしょう?
    接続詞の for なんて知らない・・・。
    そういう把握の人が大半と思います。
    for を用いての書き換えはレベルが高い。
    文法的な厳密さよりも、わかりやすさが大切。
    だから、文法テキストでも、because での書き換えを示していることが多いです。
    私も、ここは because を使って構わないと思います。


    非制限用法でも、関係詞と同じ意味を表す名詞のことは先行詞と呼びます。
    非制限用法の場合、先行詞は固有名詞や代名詞でも大丈夫です。
    このブログの関係代名詞の最初の回で、
    The man is Mr.Tanaka who is talking to my sister.
    は間違いだけれど、
    The man is Mr.Tanaka , who is talking to my sister.
    は、正しい英語だという話をしました。
    「その男性は、私の姉に話しかけている田中さんです」はおかしいけれど、
    「その男性は田中さんで、私の姉に話しかけています」は大丈夫。

    まずは、非制限用法の基本のお話でした。


      


  • Posted by セギ at 13:47Comments(0)英語

    2020年05月27日

    高校英語。関係代名詞。関係代名詞 what の慣用表現。




    関係代名詞 what は、慣用表現が多いことも特徴です。
    慣用表現は、覚えるしかありません。
    1つずつ見ていきましょう。

    ◎what is called または、what we call
    「いわゆる」という意味です。

    This music is what is called rap.
    この音楽は、いわゆるラップです。

    what we call は、文脈により、what you call や what they call という形でも使用されます。
    「いわゆる」というと、so to speak などの熟語もあります。
    言い換えは色々ある、ということも含めて、記憶しておきたい熟語です。


    ◎what S is
    「現在のS」という意味です。
    これは慣用表現というよりも what の普通の用法なのですが、最初にこの用法の文を見たときに意味をとれない高校生は多いので、一応ここで解説します。

    His mother has made him what he is.
    彼の母が、彼を今日の彼にした。

    時制を過去にすれば、「過去のS」という意味になります。

    This town is a diffrent place from what it was ten years ago.
    この町は、10年前とは違う場所だ。

    This town is a diffrent place from what it used to be ten years ago.

    この文も同じ意味です。
    過去の状態を表す熟語の助動詞 used to を用いた文です。


    ◎what is more 「さらに、そのうえ」
     what is worse 「さらに悪いことには」
     what is more surprising 「さらに驚くことに」
    what is more important 「さらに重要なことに」 など。 

    His power is absolute, and what is more, hereditary.
    彼の権力は絶対的なものであり、そのうえ、世襲によるものである。

    We got lost in the dark and, what was worse, it began to rain.
    私たちは暗闇で道に迷い、さらに悪いことには、雨が降り出した。

    上の2文を見て気づくかと思いますが、カンマ(,)と and の位置関係は、どちらでも大丈夫です。
    基本、文の途中にカンマ・カンマでこの慣用表現を挿入します。
    1文目をいったん終わらせて、2文目の冒頭に置くことも可能です。


    このあたりまでは何とか覚えている人も多いのですが、この先になると、
    「そんなのありましたか?」
    と秀才まで言い出すことがあるので、がっかりするところです。
    この先こそ、理解していないと、全く対応できなくなるので気合を入れて覚えましょう。


    ◎what little +名詞 「少ないながらもあるだけの~」

    He gave her what little money he has.
    彼は、少ないながらもあるだけのお金を彼女にあげた。

    これも、慣用表現とすることには異論があると思います。
    正しくは、この what は、関係形容詞と呼ばれるものです。
    名詞を修飾するのが、形容詞。
    だから、名詞を修飾しつつ関係詞の働きをしているものは、関係形容詞です。
    でも、そうした文法分析が面白い人はそれでいいですが、もう勘弁して・・・という人は、これも慣用表現として覚えてしまって構わないと思います。

    little のない用法もあります。

    He gave me what help he could give.
    彼は、できる限りの援助を私に与えてくれた。

    「what+名詞」=「all the+名詞+that」と把握できます。

    後ろに名詞のつかない用法もあります。
    その場合は関係形容詞ではなく、関係代名詞です。
    これの基本は、what =anything that です。

    What I have is yours.
    私の持っているものは全てあなたのものです。

    この例文の what は、後に学習する whatever に置き換えることができます。
    とりあえず、これらの what には、「すべての」という意味がこもっているという把握で乗り切りましょう。


    さて、以下の2つは、これまで以上にガチの慣用表現です。
    覚えていないと文の構造を把握できません。

    ◎what with A and (what with) B 「AやらBやらで」

    What with the wind and the rain, our walk was spoiled.
    風やら雨やらで、私たちの散歩は台無しだった。

    そもそも日本語の「AやらBやらで」の意味がわからない、聞いたことがない・・・という高校生は多いですが、こういうのは死語ではなく、文語表現です。
    自分は知らなくてもこの世に存在する正しい日本語なのだという意識をもって覚えてください。
    「AやBのせいで」という意味です。


    ◎A is to B what C is to D 
    「AとBとの関係は、CとDとの関係と同じだ」
    「BにとってのAは、DにとってのCと同じだ」

    Reading to the mind what food is to the body.
    精神にとっての読書は、肉体にとっての食べ物と同じだ。

    これを学習すると、
    「何かそういうのを前に勉強した気がする・・・」
    と言う高校生がいます。
    え?
    言い換え表現がありましたっけ?
    私はピンとこないので授業が停滞するのですが、よくよく聞くとその生徒の頭の中にあるのは、「クジラ公式」のことだったりします。
    それは、全然違うので、結びつけないでください。
    クジラ公式は、
    「クジラが哺乳類なのは、馬が哺乳類なのと同じだ」
    というのが有名な例文です。
    「哺乳類にとってのクジラは、哺乳類にとっての馬と同じだ」
    ではありません。

    関係ないことが頭の中で結びついてしまうのは脳の働きの1つで、脳としてはそれで知識を安定させたいらしいのです。
    そういう錯誤にも気をつけましょう。

    慣用表現は、覚えているかいないかの問題。
    学校の文法テキストでは、最後のほうに列挙してあるので、まあこれはいいや・・・と捨ててしまい、テストにがっつり出て後悔した人は多いと思います。
    あるいは、テストに出ていても、それが文法のテスト範囲の慣用表現だと気づかず、熟語集などの他のテスト範囲から出題された問題なんだろうと誤解して済ませてしまうために、テスト対策の姿勢が改められない、という人もいると思います。

    学校からは、文法テキストとセットで、似たような表紙のぶ厚い文法の参考書が配布されていると思います。
    そうした参考書のボリュームと比べれば、文法テキストは薄いのです。
    もともと薄いのに、見開きの左側は解説ページ、右側は問題ページという構成になっているものが多く、解説は厳選され絞り込まれています。
    そこに載っているのは、文法のエッセンスです。
    どんなに小さな字で書かれていても、全て重要事項です。
    捨てて良い箇所は1つもありません。

    しかし、参考書の存在を忘れ、文法テキストだけを見る人は、その中でも重要な箇所とそうでない箇所とを選別しようとします。
    そして、そのような判断をする人は、重要箇所と、中学の文法の復習箇所とを混同しがちです。
    自分が知っていることだから重要な気がする・・・という錯誤を起こしてしまうようです。
    中学の文法の復習は、それは基本ですから、重要です。
    しかし、そこから一歩も先に進まず、中学の復習以外は全て些末なことで、覚えなくてもいいや、テストにはたぶん出ないよ・・・という判断で大丈夫でしょうか?
    絶対ダメですよね。
    でも、テスト前になると、そんな錯誤をしてしまうのです。

    学校の文法テキストに載っていることで、自分の知らないこと、初耳のことが全てテストに出る。
    そこが重要。
    そのように意識を変えて勉強してください。

    what の慣用表現は、テストに出て当たり前のことばかりです。

      


  • Posted by セギ at 14:25Comments(2)英語

    2020年05月22日

    高校英語。関係代名詞。関係代名詞 what の用法。


    今回は、関係代名詞 what の用法です。
    まずは、こんな2文から。

    They couldn't believe the things. They saw the things.

    この2文を、「彼らは、自分たちの見たものを信じられなかった」という文にしたいとき。
    1文目と2文目の the things が同一のものですから、これを先行詞とすることができます。

    They couldn't believe the things which they saw.
    彼らは、自分たちの見たものを信じることができなかった。

    これはこれで正しい英語です。

    これを言い換えることができるのが、関係代名詞 what です。
    what は、「ものごと」という意味の先行詞を含みこんでいる関係代名詞。
    だから、先行詞なしで使います。

    They couldn't believe what they saw.
    彼らは、自分たちの見たものを信じられなかった。

    what は、文にあわせて「もの」や「こと」と訳すと自然な日本語になります。

    what = the thing(s) which
    この把握で基本は理解できると思います。


    もう1つ例文を見ましょう。

    What he says is different from what he does.
    彼の言うことは、彼の行うこととは異なる。

    言うこととやることが違う。
    彼は言動不一致の人なのですね。
    冒頭の what he says という関係代名詞節全体が主節の主語の働きをしています。
    後半の what he does は from という前置詞の目的語の働きをしています。


    関係代名詞の what は、疑問詞と区別がつかず混乱する人がいます。
    もともと、関係詞と疑問詞はどれも同じ見た目です。
    同じ単語の使いまわし感が強い。
    それでも、先行詞がある場合はそんなに疑問文っぽくなかったので混乱しなかった人も、what があまりにも疑問詞の印象が強いので混乱するようです。
    その混乱は理由のある混乱です。

    what を用いた文は、間接疑問文との区別がつかないことがあるのです。

    Tell me what you want.

    この文をどうとらえるか?
    今回学習した、関係代名詞ととらえるなら、この文の意味は、
    「あなたの欲しいものを私に教えて」
    となります。

    中3で学習した間接疑問文ととらえるなら、
    「あなたが何が欲しいのか、私に教えて」
    となります。

    ・・・あれ?
    それは、同じ意味ですね。
    だったら、別にどちらでもいいでしょう。
    そんなわけで、関係代名詞でも間接疑問文でも、どちらにとってもいいよ、という場合が大半です。


    しかし、それでは困る場合もあります。

    He asked me what I expected.

    これを関係代名詞ととらえるなら、
    「彼は、私が予期したことを尋ねた」
    という意味になります。
    こういう質問をしてくるだろうなあと予期していた通りのことを尋ねてきた、という意味です。

    これを間接疑問文ととらえるなら、
    「彼は、私が何を期待しているのかを尋ねた」
    という意味になります。
    おまえは何を期待しているんだね?と彼に尋ねられた、という意味です。

    これは意味が違います。
    見た目が同じなのに、意味が違う。
    どうしたらいいのでしょう?
    文章ならば、文脈判断です。
    前後から判断して、どちらの意味なのかをとらえます。
    会話ならば、疑問詞の what は強く発音され、関係代名詞の what は弱く発音されます。


    what という関係代名詞がわかりにくいのは、このように間接疑問文との混同が起こりやすいことが第一です。
    しかし、再三述べているように、高校で新出の文法事項をそもそも覚えていないので、
    「関係代名詞に what なんてあったっけ?」
    という人もかなりいると思います。
    what は、長文読解問題の中で普通に使われますから、知らないと困るのです。
    そのように話しても、浮かない顔をするばかり。
    「脳のメモリーはもうパンパンで、新しいことなんて入らない」
    という愚痴も聞こえてきます。

    ・・・そんなわけ、ないんですよ。
    まず、その認識を改めてほしいのです。
    脳のメモリーは、安物のガジェットのそれとは違います。
    脳の記憶容量は無限といって構わないほど大きいのです。
    英文法や英単語はもう頭に入らない、覚えられない、と言っている人も、新しいアニメのタイトルや登場人物はすぐに覚えるじゃないですか。
    新しいバンドや歌手の名も曲名も正確に覚えるじゃないですか。
    そして、
    「最近のバンドは、どっちがバンドの名前でどっちが曲名かわからない」
    と、もしも私が言ったら、「おばさん・・・」と揶揄するじゃないですか。

    私は、新しいアニメのタイトルも登場人物も、覚えないです。
    新しいバンドの名も、もう覚えないかもしれません。
    それは、興味がないからです。
    脳のメモリーがパンパンだから、ではありません。

    だから、英文法や英単語を覚えない人も、脳のメモリーがパンパンだから、ではないのです。
    興味がないのでしょう?

    気持ちはわからなくはありません。
    でも、そこは理性で乗り越えましょう。
    英語ができないままで、どうするんですか?

    本当に英語が必要ないのなら、それでいいと思います。
    大学に行く気はない。
    将来的にも、英語が必要な職業につくことはない。
    だから、自分には英語は必要ない。

    そのようにスパッと割り切れているのなら、それでいいのです。
    でも、現実はそうではない。
    大学には行きたいと思っている。
    英語の成績が上がったらいいなあと思っている。
    英語が聞き取れたり、読めたり、話せたりしたらいいなあと思っている。
    将来、英語を使う予感がする。
    でも、興味がもてない。

    それならば、とりあえず、それを脳の容量にせいにするのは、やめましょう。
    興味をもてば、覚えられるのです。

    しかし、どうしたら興味をもてるようになるのかは、難しいことです。
    例えば私が、どうしたら今さらテレビアニメに興味がもてるようになるかと、しばらく考えてみました。
    そして、どう考えても興味がもてるようにはならないだろう、という結論に達しました。
    私はアニメ第一世代ですから、アニメーションについて、何も知らないというわけではないのです。
    今も『未来少年コナン』の再放送を見ています。
    ひー、懐かしい、やめてくれー、とつぶやきながら。
    家庭にビデオデッキもなかった時代で、一度しか見ていないアニメを、なぜこれほど覚えているのだろう。
    十代の記憶力というのは本当に薄気味悪いくらいに凄いな、と感じながら。

    私が『未来少年コナン』に対してそうであったように、今作られている新作のテレビアニメを、一度で何もかも目に焼き付けるほどに集中して見ている若い子たちは多いと思います。
    その人たちにとって、それがどれほど大切なものであるかは、自分の十代の頃を思えば、よくわかるのです。
    だから、アニメというジャンルを否定する気持ちは全くない。
    でも、私は、今のテレビアニメには、もう興味はもてないのです。

    ただし、もしも仕事上それが必要なことになれば、話は別です。
    仕事で必要なら、アニメを見るし、覚えるべきことは覚えると思います。


    えー?
    ・・・そういうことじゃないじゃん、アニメは。
    それなら見てもらいたくないよ。

    そんなふうに言わないで。

    私は、もしも中学生や高校生が、
    「英語なんか好きじゃないけど必要だから勉強するし、覚える」
    と言ったときに、そういうことじゃないじゃん、とは思いません。
    それでいいよ、と思います。
    そこから始まる何かが必ずありますから。
    英語は、面白いですから。
    ほれぼれするような簡便さと合理性。
    それでもじわじわとにじんでくる歴史性。

    必要なことは、やりましょう。
    必要なんですから。
    英語を覚えることは、必要なことです。
    そのように認識したとき、きっと、前よりは覚えやすくなると思います。

      


  • Posted by セギ at 20:51Comments(0)英語

    2020年05月18日

    高校英語。前置詞と関係代名詞。


    まずは、以下の2文を1文にしてみましょう。

    This is the office. I work in the office.

    「これが私が働く職場です」という文を作りましょう。
    1文目の the office と、2文目の the office が同じものですから、これが先行詞となります。
    先行詞が人以外なので、which を使いましょう。

    This is the office which I work in.

    2文目の the office が、関係代名詞 which になり、先行詞の直後にきました。
    その後は、2文目の残りを普通の順番で続けます。
    関係代名詞を使った文を作るときの、基本ルールですね。
    which をthat に置き換えることもできます。

    This is the office that I work in.

    前置詞のことを無視しがちで、何かと前置詞を書き忘れる人は、この最後の in を忘れがちですが、これは省略できません。
    繰り返します。
    前置詞は、省略できません。
    まず、ここまで、大丈夫でしょうか?
    ここから、さらにこれのバリエーションの解説を始めます。

    この関係代名詞 that や which は、「前置詞の目的語」です。
    目的格の関係代名詞は省略可能。
    だから、これらの関係代名詞も省略できます。

    This is the office I work in.

    これも、正しい英語です。


    ところが、別の語順も考えられます。
    意味のまとまり(句)は、in the office です。
    句としてのまとまりを大事にするなら、in the office は、 in which となり、そのまとまりごと先行詞の直後に置くことも可能です。

    This is the office in which I work.

    これも正しい英文です。
    こちらのほうが、文法的にガチガチに正しい書き言葉です。

    なお、 in which は、in that に書き換えることはできません。
    これは、重要です。
    in that は、「~の点において」という意味の接続詞の用法ならばあります。
    それは、関係代名詞ではありません。
    他の前置詞の場合も、前置詞+関係代名詞という形で that を使うことはできません。
    that は万能ではない。
    使ってはいけない場合もあるのです。

    ここまで、4つの文が全て同じ意味であり、英文として正しいことを説明しました。
    まとめます。
    This is the office I work in.
    =This is the office that I work in.
    =This is the office which I work in.
    =This is the office in which I work.

    この4つの文は、上の文ほど口語的(話し言葉)で、下へ行くほど文語的(書き言葉)になります。


    さて、では、これから書く文は、正しい英語なのか、そうではないのか。
    どうでしょうか?

    I found the key for which my mother had been looking.
    母が探していた鍵を私は見つけた。

    この文は、間違いです。
    正しくは、
    I found the key which my mother had been looking for.

    なお、which は省略しても構いません。

    ルール通りに英文を作ったはずなのに、前のほうの文はなぜ間違いなのか?
    これは、前置詞が、どの単語と緊密に結びついているかによるのです。

    一番上の文では、in the office が意味のまとまりです。
    前置詞から始まるので、前置詞句と呼ばれます。
    しかし、今回の for は、for the key という前置詞句を作っているわけではありません。
    この for は、動詞 look との結びつきが強いのです。
    look for で、「探す」という意味の熟語です。
    動詞+前置詞などの形で、その動詞本来の意味とは別の意味を作っているものを「群動詞」と呼びます。
    look for は、群動詞です。
    群動詞の一部である前置詞の場合、関係詞につられてふわふわと前に行ったりはしないのです。
    動詞の側にいないと意味が壊れて、伝わらなくなってしまうからです。

    群動詞かそうじゃないかは、どうやって見分けるの?

    そんな質問があるかと思いますが、究極のところ、それは知識です。
    look for が、look(見る)とは異なる意味の熟語、すなわち群動詞であると判断できるのは、その知識があるからです。
    その群動詞を覚えているかどうかです。
    熟語として覚えているから、その熟語を引き離してはいけないと理解できます。

    何だ、結局覚えないとダメなのかあ・・・。

    ため息をついた方もいらっしゃると思いますが、単語も熟語も、覚えないとダメなものはダメです。
    look for は中学で学習する熟語ですが、それでも覚えていない子は、覚えていません。
    テスト範囲だったときは何とか覚えて、テストが終わればすぐに忘れてしまうのです。

    英語でそのような学習習慣だと、学年が上がるにつれて本当にひどいことになります。
    定期テストは、跳びぬけて良いわけではないにせよ、そこそこの点は取っている。
    そういう場合、保護者の方は、子どもがそのような学習習慣に陥っていると気がついていないことがあります。
    中学生の間は、目に見える形では、危機が露呈しません。
    ひどいことになっていると気がつくのは、多くの場合、高校2年。
    校外模試や学力テストで、英語の偏差値が極端に低いことを初めて目にし、愕然とする保護者の方が多いです。
    あるいは、当然受かるだろうと思って受検を勧めた英検準2級や英検2級に筆記試験で不合格という事実に直面したとき。

    ただし、生徒自身はそのずっと前から状況にうすうす気づいています。
    自分が、中学生から全く英語力が伸びていないこと。
    単語も熟語も覚えていない。
    文法も、細かいところはよくわからない。
    それは本人には自覚があるのですが、定期テストの点数がそこそこなので、保護者は気がつかないのです。

    単語も熟語も、反復がものを言います。
    文法練習をたくさんやっている子は、その中で単語・熟語にも多く触れているので、少なくとも中学で学習した熟語は身についています。
    ただ、高校英語になると、覚えるべき熟語が大量なので、文法練習をやりながら身につけるということでは間にあわなくなっていきます。
    熟語は熟語で、整理して覚えていかなければなりません。
    暗記しましょう。
    英語は、ある程度時間を割いて勉強しなければ身につかない教科です。
    教科書だけとか、定期テストの範囲だけとか、視野の狭い学習にならないように気をつけて、反復してください。

    それを知り、実践してきた高校生と、実践しなかった高校生とでは、高校3年生では英語力に大差がつきます。
    大学入試問題に全く歯がたたない人と、普通に対応できる人と。
    高3になっても、英検2級の問題文の単語がほとんどわからない人と、英検準1級でも普通に正答でき、リスニングなら英検1級問題にも対応できる人と。
    私の実感では、中間層は少ないのです。
    できるか、できないか。
    その二択になってしまうのが英語です。
    その差は、才能よりも努力の差です。
    努力できることも才能だという見方をすれば、それも才能の差ではあるのですが。


      


  • Posted by セギ at 12:21Comments(0)英語

    2020年05月12日

    高校英語。関係代名詞。関係代名詞 that の用法。


    関係代名詞 that は、中学でも学習します。
    ただ、中学では、who や which の代用ができる、ということしか教わらなかった人が多いかもしれません。

    確かに、that は who の代わりも which の代わりもできます。
    主格でも目的格でも使えます。
    万能感が強い。
    いちいち判断しなくて済むので、口語では多用されます。
    だから、もう何でも that を使おうと決めてしまった人もいたと思います。
    しかし、そのつもりでいたら、中学の定期テストの4択問題で選択肢に that が存在せず、絶望の淵に立たされた、という人もいたと思います。
    自分が that で済ますのは自由だけれど、他人は who も which も使います。
    使い分けは理解しておいたほうが良いのです。


    さらに、高校英語になると、that は、最優先で使うべき場合と、使ってはいけない場合を学びます。
    中学では学ばなかった細かいルールを高校では学んでいきます。

    今回は、that を最優先で使うべき場合について学習します。
    場合ごとに列挙していきます。
    以下の場合は、関係代名詞は、that を用います。


    ①先行詞が「唯一の」など特定の1つのものを表す修飾語を伴うとき
    This is the only suit that he has.
    これは、彼が持っている唯一のスーツです。

    先行詞(関係詞節に修飾されている名詞)の前に、特定の1つのものを表す修飾語があるときです。
    この文では、the only です。
    「唯一の」という意味です。
    こうした修飾語を伴う先行詞のとき、関係代名詞は that を用います。
    the only の他に、the first , the second , the last(最後の) , the very(まさにその) , the same(同じ) 、最上級の形容詞、などがあります。

    This is the hottest summer that we have had in seventy years.
    今年は70年間で最も暑い夏です。

    The first and the simplest emotion that we discover in the human mind is curiosity.
    人間の心の中で最初に見いだされ、そして最も単純な情動は、好奇心である。


    ②先行詞が「全」または「無」の意味をもつ修飾語を伴うとき
    Don't believe all the gossip that you hear.
    耳にする全てのうわさ話を信じてはいけない。

    先行詞の前に、all , every , any , little , no およびその合成語があるときです。
    上の文では、gossip が先行詞で、その前に all があります。
    そのため、関係代名詞は that が使われています。

    There was little that interested him at the exhibition.
    その展示会で、彼の興味をひくものはほとんどなかった。

    この文は、little の後ろに漠然とした「ものごとや情報」を表す先行詞があるはずですが、それが省略されているとみなすことができます。
    little がその先行詞を修飾しているので、その後ろの関係代名詞は that です。


    ③先行詞が人+人以外のものの場合。
    Look at that boy and the dog that are running over there.
    向こうを走っているあの男の子と犬を見て。

    この用法は、中学でも学習している人が多いと思います。
    上の文では先行詞が「男の子と犬」なので、who を用いても which を用いても不自然です。
    こういう場合は、that を用います。

    The men and manners that he describes will be unfamiliar to most of his readers.
    彼が述べる人間と風習は、大部分の読書にはなじみがないだろう。


    ④疑問詞が先行詞の場合
    Who that understands music could say his playing was good ?
    音楽のわかる人の誰が、彼の演奏を良かったと言えるだろうか。

    この文の主節は、
    Who could say his playing was good ?
    です。
    では、どんな who なのかというと、「音楽を理解している人」なのです。
    このように、疑問詞を修飾する関係代名詞節のときは、that を用います。
    先行詞は明らかに人間なのだから who を用いてもいいのではないかと思う人もいると思いますが、
    Who who understands music could say his playing was good ?
    は、さすがに口調が悪いと判断され、避けられます。


    ⑤先行詞が人の地位・職業・性格を表し、関係代名詞節の中で補語の働きをしている場合
    He is not the man that he was ten years ago.
    彼は10年前の彼ではない。

    これを2文に分けるならば、
    He is not the man. He was the man ten years ago.
    となります。
    1文目の the man と2文目の the man が同一人物ですから、それが先行詞と関係詞になります。
    2文目の the man は、2文目の中でC(補語)の働きをしています。
    なお、この that は which への言い換えは可能です。
    「え?人なのに?」
    と驚くかもしれませんが、who や whom での代用はできません。


    以上、that が優先的に使われる場合をまとめました。
    こういう細則は、学校の文法テキストでは小さい字で書かれていたり、別枠のコラムなどでまとめられています。
    「じゃあ、そんなに重要じゃないんだな」
    と思ってしまい、覚えないでいると、定期テストで後悔します。
    基本の理解を重視するタイプのテスト問題を作る先生でも、上の①~③は、テストに出します。
    少し難しい問題を作る先生ならば、④も⑤もテストに出します。
    テストに出ないという判断そのものがまず誤りだと自覚してください。
    テストは、むしろこういうところが出るのです。

    また、英語表現Ⅱの演習テキストを勘で解いたら間違いだらけで、でもなぜ違うのかわからない・・・という人は、こういうところを覚えていないために間違ってしまう場合が多いのです。
    4択問題なのだから確率的には25%は正答できるはずなのに、10%も正解にならない・・・という人は、細則を重視した文法の総復習をすると疑問が晴れてスッキリします。

    「こんなのどうせテストに出ないよ」
    というのは、バイアスのかかった認知です。
    テストに出ないと思ったほうが覚えなくて済むので楽だ、という気持ちが根底にありませんか?
    高校生になれば、そうしたことも客観視できるはずです。

    これは、テストによく出ます。
    そのつもりで覚えましょう。

      


  • Posted by セギ at 12:32Comments(0)英語

    2020年05月04日

    高校英語。関係代名詞。所有格の関係代名詞 whose。


    今回は、所有格の関係代名詞 whose の話です。

    まずは、2文を1文にするところから確認しましょう。

    I found a notebook. Its cover was red.
    私はノートを見つけた。その表紙は赤だった。

    この2文を、「私は表紙の赤いノートを見つけた」という1文にします。
    1文目と2文目で共通のものを表す単語は、1文目の notebook と2文目の its です。
    2文目が、1文目の notebook を修飾するようにしたいですが、関係代名詞は、いつも通りの which で良いでしょうか?
    関係代名詞は、2文目の中でどんな働きをしているかで使い分けます。
    人以外のもの、すなわち物や動物が先行詞(修飾される名詞)のときは、主格でも目的格でも which でしたが、今回は、主格でも目的格でもありません。
    its は、所有格です。
    こうした場合に用いるのが、所有格の関係代名詞 whose です。

    I found a notebook whose cover was red.
    私は、表紙の赤いノートを見つけた。


    日本語に訳すときは、上の文のように、whose を訳さないようにすると、むしろスムーズです。

    I have a friend whose father is an actor.
    私は、お父さんが俳優の友達がいる。

    The man whose old rusty bike had been stolen was reluctant to report the theft to the police.
    古い錆びた自転車を盗まれたその男は、いやいや警察に届けを出した。

    This grammar book is specially intended for people whose native tongue is not English.
    この文法書は、特に英語を母国語としない人たちに向けて書かれたものである。

    だんだん難しくなっていますが、基本構造がわかれば、意味は取れると思います。

    関係代名詞 whose は、先行詞が人でも、人以外でも使います。
    そこを誤解し、人以外のときには which を使ってしまう人がいますが、そういうことはありません。
    所有格のときは、全て whose が使えます。

    上のような誤解をする人がいる一因は、whose の言い換え表現にあるのでしょう。
    whose を of which で言い換えることができるのです。

    We mended the chairs whose legs were broken.
    = We mended the chairs the legs of which were broken.
    私たちは、脚の壊れた椅子を修理した。

    「whose +名詞」を「the 名詞+ of which 」に言い換えることができるのです。
    この場合は、さすがに先行詞は人以外のもののときとなります。


    whose は、中学では学習しない関係代名詞ということもあり、そういう関係代名詞があることすら忘れてしまう高校生は多いです。
    中学で習った文法以外は一切身につかない様子なのは、高校の学習内容は量が多く覚えきれないことが一因だろうと思います。
    高校1年の「英語表現Ⅰ」で高校文法を全て学習し、高校2年の「英語表現Ⅱ」では、それを踏まえた演習を行う高校は多いです。
    高1で学んだ文法が全部頭から抜け落ちていると、高2の演習で苦労します。
    何の文法単元の、どんな文法事項の問題を解いているのか、全くわからないまま、ただ問題を解いてしまうのです。
    全部、熟語や語法の問題だと勘違いして解いてしまう人もいます。
    何の文法単元なのかを意識し、文法のテキストや参考書を読み直してから解くと、かなり演習しやすくなります。
    定期テストのために一度は覚えても、また忘れてしまっていることが大半です。
    繰り返し復習することで、身についてきます。


    ところで、『ルーム』という映画をご存じでしょうか。
    新型コロナウィルスによる閉塞感の強い今、あの映画は、メンタルの弱い人は見ないほうが良いのかもしれませんが、5歳の男の子の視点で描かれていることもあって、英語は非常に易しく、聞き取りやすいです。
    メンタルの強い人は、リスニング学習のつもりで、字幕なしで見てみると良いでしょう。
    映画の後半、登場人物の一人が叫びます。

    Do you think you're the only one whose life was destroyed?
    人生を破壊されたのは、あなただけだと思っているの?

    非常にクリアに聞き取れるはずですし、完璧な形で whose が使われています。
    今の時代でこそ、共感できることも、励まされることも多い映画です。






      


  • Posted by セギ at 15:40Comments(0)英語

    2020年04月29日

    高校英語。関係代名詞。目的格の関係代名詞 whom。


    さて、関係代名詞。今回は目的格です。

    前回説明したのは、主格の関係代名詞でした。

    I have an aunt. She lives in New York.
    この文を関係代名詞で1文にすると、
    I have an aunt who lives in New York.

    この関係代名詞 who は、2つ目の文の中で、主語の働きをしています。
    こういう関係代名詞を主格の関係代名詞といいます。
    2つ目の文、すなわち関係代名詞節の中でどんな働きをしているか、で分類します。
    主節の中の何を修飾しているか、ということと混乱する人がいるので要注意です。

    I will show you the pen which was given to me by my uncle.

    この文もそうですね。
    この関係代名詞 which は、2つ目の文の中で、主語の働きをしています。
    繰り返しますが、1つ目の文、すなわち主節の中でどんな働きをしているかは関係ないのです。
    主節の中で先行詞が主語だろうと補語だろうと目的語だろうとどうでもよいのです。
    関係代名詞節の中で主語の働きをしている関係代名詞が主格。
    関係代名詞節の中で目的語の働きをしている関係代名詞が目的格の関係代名詞です。

    今回は、その、目的格の関係代名詞について説明します。

    She is the girl. Tom invited her to the party.

    この2文を1文にして、「彼女は、トムがパーティーに招待した女の子です」という文を作りたい場合。
    1つ目の文の the girl と、2つ目の文の her が同一人物です。
    関係代名詞に変化する単語 her は2つ目の文の先頭ではないので、文をつなげにくいです。
    でも原則は主格のときと同じです。
    修飾される名詞である先行詞がきたら、すぐに関係代名詞です。
    だから、2つ目の文の her を、whom という関係代名詞にして、先行詞の直後に置きます。
    その後、2つ目の文を主語から普通に続けていきます。
    her はもう whom に形を変えて先頭にいったので、飛ばします。

    She is the girl whom Tom invited to the party.

    できました。


    ところで、whom って何?

    今までの関係代名詞は、疑問詞と同じ形をしていたのに、何か、whom って見慣れない・・・。
    そういう感想を抱く人がいるかと思いますが、実は whom も疑問詞の1つで、書き言葉としては今も使われることがあります。
    By whom was this book written ?
    「この本は、誰によって書かれたのですか」
    直訳がやや固くなりましたが、英語的にもやや固い表現です。
    しかし、「誰によって?」という疑問が文頭から明確に伝わるという点で、論理的な文章としては有効です。
    語句の関係が明瞭だということは、読みとりやすいということです。
    who was this book written by ?
    も正しい文ですが、最後の by を聞くまで、疑問の中身が何であるか不明瞭です。

    勿論、こんなことを受動態で質問するからややこしいので、話し言葉ならば、
    who wrote this book ?
    と能動態で質問するでしょう。
    けれど、もっと込み入った内容の論説文の場合、by whom 、 for whom 、with whom などは、有効な表現です。
    そして、勿論、関係代名詞 whom も書き言葉として現役です。


    ところが、ゆとり教育の時代に、中学の英語教科書から関係代名詞 whom が消えました。
    新課程になった後も、復活していません。

    理由は色々考えられますが、最も大きい理由は、目的格の関係代名詞は省略可能だということ。
    She is the girl Tom invited to the party.
    と、whom を省略することが可能なのです。
    話し言葉では、むしろ省略される場合がほとんどです。
    girl と Tom の間に少しポーズをとって区切れば、十分意味が伝わります。
    アメリカの口語英語を基準としている中学英語教科書は、そういうわけで whom の存在を消してしまったようです。

    日常で省略されることが多くなると、何が起こるか?
    ネイティブでも、who と whom の使い分けができない人が増えてきています。
    たまに使うときに、whom と言うべきところを誤って who と言ってしまうのです。
    間違う人が多くなると、それも正しい表現として認められていくのが言語です。
    現在では、目的格でも who を用いることが許容されています。
    高校の「英語表現」の教科書では、目的格の関係代名詞は、whom の他に who が明記されています。


    こうした情報をどう読み取るか?
    「じゃあ、何でも who でいいんだ!who しか覚えない」
    と決めてかかって良いのでしょうか?
    いいえ。
    whom も身につけておいたほうが良いでしょう。
    なぜなら、書き言葉として、whom は現役の関係代名詞だからです。
    また、「前置詞+関係代名詞」という内容をこの先に学習しますが、それはさすがに who での代用を認められていません。
    前置詞の後ろに主格の who をもってくる感覚は、ネイティブにはないのです。
    ですから、結局、whom は学習しなければならない関係代名詞です。
    どうせ学習しなければならないのなら、基本の用法から正確に身につけておくに越したことはありません。
    現実問題として、何でも who でいいと覚えていたのに、高校の英語表現のテストの四択問題で、選択肢に who がない、ということはあり得ることです。

    「どちらでもいいのなら、片方しか覚えない」という学習姿勢は、英語には不向きです。
    覚えていないもう片方を相手が使う可能性があるからです。

    関係代名詞に限らず話を広ければ、英語は同じ表現の繰り返しを嫌いますから、1つの文章の中で同じことを常に言い換えていきます。
    1つの表現しか覚えないという姿勢では、英文を読めないのです。
    英語長文を読んでいて、
    「何でいちいち言い換えるの?だから途中で意味がわからなくなるんだよ」
    と愚痴を言う子もいますが、1つのことを1通りの表現でしか表せない言語は、文化的に痩せた言語です。
    類義語・類語表現の多さは、言語的な豊かさの証です。
    自分1人の学びやすさのために英語が存在するわけではない。
    つくづくとそれを悟るのも、外国語を学ぶ意味の1つであるように思います。


    さて、whom の基本的な用法に話を戻しましょう。
    The boy could speak Japanese a little. I met him in the park.
    この2文を「私が公園で会った少年は、少し日本語を話すことができた」という文にするには、どうすればよいでしょう。

    2つの文で同一人物なのは、The boy と him です。
    これが先行詞と関係代名詞になります。
    先行詞と関係代名詞になる語との距離がさらに開きました。
    これも、先行詞がきたら関係代名詞、という基本ルールでつなげば大丈夫です。
    したがって、主節は途中で分断されます。

    The boy whom I met in the park could speak Japanese a little.

    The boy という先行詞がきたら、すぐに whom。
    その後、2つ目の文、すなわち関係代名詞節を先頭から書いていきます。
    ここで変な倒置を考える人がいるのですが、必要ありません。
    主語から普通に述べていき、ただし、whom に変わった him は省略し、さらにその後ろを普通に述べていきます。
    関係代名詞節が全部終わったら、主節に戻り、これも普通に順番通りに述べていきます。
    ルールは極めてシンプルです。
    勿論、この whom も目的格ですから省略可能です。


    上のように2つの英文が与えられて、関係代名詞を使って1文にしなさい、という問題なら正答できる人が、日本文を英文に直す問題では難渋することがあります。
    「私が公園で会った少年は、少し日本語を話すことができた」
    この日本語を英語に直す問題のとき。
    多くの場合、まず、
    I met a boy in the park
    と書いてしまい、その後に何も続けられなくなってしまうのです。

    前回の主格の関係代名詞のときも書きましたが、日本語を英語に直すときは、日本語の主語・述語を把握しましょう。
    「私が公園で会った少年は、少し日本語を話すことができた」
    この文の主語と述語は何でしょうか?
    国語の文法の学習でも主語と述語を見つけることが苦手な人がいますが、そういう人は、まず主語を探してしまうようです。
    しかも、主語は必ず文頭にあるという間違った思い込みをしています。

    日本語で主語と述語を探すときは、まず述語を探します。
    倒置法などの特殊な場合を除き、述語は、文末にあります。
    一方、主語は、文頭にあるとは限らないのです。
    上の文の述語は、1文節で正確に答えるなら「できた」ですが、今は英文を作るための主・述の確認なので、意味がとれるよう「話すことができた」とざっくり把握しましょう。
    話すことができたのは誰なのか?
    その「誰」にあたるのが、この文の主語です。
    話すことができたのは、「私」ではなく、「少年」です。
    英語は、主語から書き出します。
    だから、英文の書き出しは、The boy です。
    The boy
    どんな少年なのか?
    私が公園で会った少年。
    この修飾関係が見えたら、もう大丈夫。
    名詞を修飾する2語以上の語句は、名詞の直後に置かれます。
    修飾語句の中にも主語と述語が存在するのが感じ取れますから、これは関係代名詞節で修飾するのだと予想が立ちます。
    The boy I met in the park
    そのように分析すると、ここまで英文を作ることができます。
    これで、文の主語とその修飾語句が作れました。
    で、そのボーイがどうしたのか?
    「少し日本語を話した」
    なるほど、では、その部分を作ってみましょう。
    The boy I met in the park could speak Japanese a little.
    で、問題を読み直し、「関係代名詞を用いて」と、もし書いてあれば、これは先行詞が人間で目的格の関係代名詞 whom だなと判断し、
    The boy whom I met in the park could speak Japanese a little.
    これで正解です。
    ヽ(^。^)ノ

    そんな手間はかけられない、と言う子もいます。
    しかし、最初はこうやってしっかり分析して書くようにすると、そのうち、パッと読んだときに日本語の構造が見えてくるようになります。
    そうなれば、こんな手順を踏まなくても、スラスラと正しい英文を書けるようになります。
    日本語の構造を正しく把握できるようにもなります。
    良いことづくめです。




      


  • Posted by セギ at 11:56Comments(0)英語

    2020年04月23日

    高校英語。関係代名詞。まずは中学の復習から。


    さて、今回は関係代名詞。
    まずは、中学の復習をしてみましょう。

    問題 以下の英文の空所を補充せよ。
    (1) I have an uncle (  ) lives in New York.
    (2) My brother has a car (  ) runs very fast.

    これは易しいですね。
    (1) I have an uncle (who) lives in New York.
    (2) My brother has a car (which) runs very fast.

    です。
    この who や which を関係代名詞といいます。
    高校生なら、この問題はおそらく正解できたと思います。
    一応、基本の構造を確認しましょう。

    I have an uncle. He lives in New York.
    私には叔父がいます。彼はニューヨークに住んでいます。

    この2文を、後ろの文が前の文を修飾するようにして1文にしたのが、関係代名詞を用いた文です。
    「私には、ニューヨークに住む叔父がいます」という文を作ったのです。
    このときに使うのが、関係代名詞です。

    I have an uncle who lives in New York.

    修飾される「叔父」という名詞を書いたらすぐに2個目の文を続けます。
    しかし、そのまま続けてもつながりませんから、he を who という関係代名詞に変えます。
    関係代名詞は、he という代名詞の働きもしますし、前の名詞を修飾するという働きを示しながら2文をつなぐ働きもできるのです。

    My brother has a car. It runs very fast.
    私の兄は車をもっています。それはとても速く走ります。
    これも同じ構造ですね。
    2つ目の文が、1つ目の文の a car を修飾する文、すなわち「私の兄はとても速く走る車を持っている」という文を作りたいときに、関係代名詞を使います。

    My brother has a car which runs very fast.


    修飾される名詞を「先行詞」。関係代名詞から始まるS・Vのある意味のまとまりを「関係代名詞節」と言います。


    しかし、ここから少しレベルが上がると、「なぜ?」と逆に問いたいほどに関係代名詞がわからなくなる子は多いです。
    例えば、こんな問題。

    問題 以下の日本語を関係代名詞を用いて英語に直せ。
    「私の姉に話しかけている男性は田中さんです」

    よくある誤答。

    My sister is talking to a man who is Mr.Tanaka.

    一応、意味は通じる英語ですが、これは、指定された日本語の英訳ではありません。
    この英文を日本語に訳すなら、
    「私の姉は、田中さんという男性に話しかけています」
    となります。

    どっちだっていいじゃない、大体同じ意味なんだから。
    そう思う気持ちもわかるのですが、この誤答は、誤答の中でも特に、
    「ああ、この子は、思ったよりも英語がわかっていないんだなあ」
    と採点する先生を少しがっかりさせてしまうものです。
    日本語の順番通りに英語に直しているだけ。
    「私の姉」と文頭に書いてあると、「My sister」と書いてしまうのをやめられないのかなあ。
    そのような意味で、がっかりさせてしまうのです。

    「私の姉に話しかけている男性は田中さんです」
    この日本語を分析しましょう。
    主語は「私の姉」ではありません。
    この文の主語は、「男性は」です。
    日本語は、「何がどうする」「何がどんなだ」「何が何だ」という主に3つの文型に分類できます。
    上の文は、そのうちの「何が何だ」にあたる文です。
    主語は、「男性は」。
    述語は、「田中さんです」。
    そして、「私の姉に話しかけている」は、「男性は」を修飾する修飾語です。
    ですから、この文の骨組みの部分だけを作れば、
    The man is Mr.Tanaka.
    となります。
    その主語の man がどんな man であるかを説明しているのが「私の姉に話しかけている」の部分です。

    ですから、正解は、

    The man who is talking to my sister is Mr.Tanaka.

    英語的に分析しましょう。
    「私の姉に話しかけている」という修飾語は、「男性」にかかります。
    修飾語が2語以上の意味のまとまりであるとき、修飾される名詞の直後に修飾語を置くのは英語の原則。
    だから、上のように、man の直後に who is talking to my sister がきます。

    英語の原則通りの、普通の文です。
    しかし、この英文を作れない。
    あるいは、この英文の意味を取れない。
    関係代名詞が苦手な子の第一関門がここです。

    先行詞が来たら、すぐに関係代名詞。
    主節を一旦停止して、関係代名詞節。
    授業で繰り返し繰り返しその話をして、補助しながら英文を作って、練習して練習して、これで大丈夫と私は思っていても、翌週、その子の解いてきた宿題の答えは、
    The man is Mr.Tanaka who is talking to my sister.
    と、また別の誤答していて、天を仰ぐこともあります。

    なぜ、これほどに定着しないのだろう?
    どんな誤解があるのだろう?

    英語が苦手な子は、本来の文法事項をさらに簡略化した独自のルールを作ってしまうのではないか?
    そう勘繰りたくなるほど、雑なことをやってしまう子がいます。
    全部1つのパターンで問題を解いてしまうのです。
    説明したルールの複雑なところを省略して、勝手に簡略化したルールで解いてしまいます。
    上の例で言えば、「先行詞の直後に関係代名詞節」という正しいルールを教えても、それは忘れてしまい、1文を全部書いたら続けて第2文、というような、単純なルールにすりかえてしまうのです。

    小学生の頃には勉強ができたのに、学年が上がるにつれてどんどん出来なくなっていく子の多くはこういう子です。
    中学生になっても、高校生になっても、小学生のような解き方をしていないでしょうか。
    頭を使わない、とても単純な、ぱっと見て判断する解き方です。
    他の解き方ができない。
    他の解き方を知らない。
    「考えて取り組む」ということが実感としてよくわかっていないのではないかと思うのです。

    難しいことを理解することができず、本当に苦労している・・・。
    それなら仕方ないのですが、そんなふうには見えない子が、じっくりとものを考えたり判断したりということができず、凡庸な成績で低迷してしまうことがあります。
    関係代名詞のルールなんてそんなに難しいものではないのですが、そういう子にとっては、それですら複雑過ぎて不愉快らしいのです。
    でも、スポーツでもゲームでも、もっと複雑なルールのものは沢山あります。
    スポーツやゲームの複雑なルールは受け入れるのに、勉強の難しさ、英語の難しさは受け入れない・・・。

    サッカーをするのに「手を使わなきゃ何でもいいんだろ?」なんて把握をしたらバカにされます。
    同じことを勉強でやってしまっていないでしょうか。
    勉強は、自分が思うよりもずっと複雑なものだ、と認識を改めれば成績の上がる子は多いと思います。


    関係代名詞に話を戻しましょう。

    先行詞がきたら、関係代名詞。
    これがルールです。
    そのため、主語を修飾する関係代名詞節が挿入されれば、主節をいったん分断することになります。

    The man is Mr.Tanaka. He is talking to my sister.

    この2文を、関係代名詞でつないで1文にするなら、
    The man who is talking to my sister is Mr.Tanaka.
    とするのが基本です。
    先行詞は、the man ですから、それを書いたら直後に関係代名詞節を書いていきます。
    関係代名詞節を全部書き終わったら、主節に戻ります。

    「え?先行詞って何?」
    「・・・だから、修飾される名詞のことですよ」
    「え?修飾って何?」
    「・・・」

    修飾というのは、その名詞をより詳しく説明することです。
    「男」とは、どんな男なのか?
    「男」だけでは漠然としています。
    向こうを歩いている男ではなく、あそこに立っている男でもなく、私の姉に話しかけている男のことですよ。
    これでより詳しくなり、誰のことか限定されました。
    この働きを修飾、といいます。

    こういう説明がなぜか頭に残らない子も多いです。
    不定詞の学習のときも、分詞の学習のときも、同じ説明をしたのに、また同じ質問をするなあ・・・と不可解に感じることがあります。

    一体何がこんなにわからないのだろう?

    しかし、本人が、日本語でも修飾語を使うことがないようでは、無理もないのかもしれません。
    文は、主語と述語だけ。
    いや、主語すらないことも多い。
    修飾節を含む文など、口にしたことも書いたこともない。
    それなのに、母国語でもない英語で、こんなにきちんとした修飾節を含む文を作らなければならない。
    これは厄介かもしれません。
    本人の日本語能力を越える英文は作れない。
    そういう根本の原因もあると思います。

    しかし、それで諦めるわけにはいきません。
    英語で複文を作ることにより、日本語で複文を作れるようになるといいと思います。
    こういう文の構造を知ることにより、日本語の能力も高まる。
    外国語を学ぶのには、そういう効果もあるはずです。


    ところで、先ほどの2つ目の誤答、
    The man is Mr.Tanaka who is talking to my sister.
    では、なぜダメなのか?

    Mr.Tanaka のような人名や地名などを「固有名詞」といいます。
    英語では文中でも大文字で始める名詞です。
    固有名詞には、修飾節はつきません。
    日本語に訳してみるとわかります。
    「その男性は、私の姉に話しかけている田中さんです」
    違和感があります。
    別の田中さんも存在するような気がします。
    作りたかったのは、「私の姉に話しかけている男性は田中さんです」という文だったはずです。
    これでは、意味が違ってきます。

    実は、
    The man is Mr.Tanaka , who is talking to my sister.
    という英文は、存在します。
    間にカンマ (,) が入っています。
    これは、非制限用法と呼ばれるもので、高校で学習する内容です。
    「その男性は田中さんで、私の姉に話しかけています」という意味です。
    それもまた、別の意味の文ですね。


    The man who is talking to my sister is Mr.Tanaka.

    自分で作るのではなく、この英文がポンと出てきたときに、意味がわからない、構造が読み取れない、と悩む子もいます。
    どこで切れるのかわからない、というのです。
    「英語は意味のまとまりごとに把握しろ」
    と言われても、その「意味のまとまり」がわからない・・・。
    そういう場合、慣れるまでは、動詞に注目し、構造がよくわからない文のときには、2つ目の動詞の前で切るのが1つの作戦です。
    2つの文が1つの文になっているのですから、動詞は2個あります。
    上の文は、2つとも is ですね。
    2個目の is の前で文をいったん切って、意味を考えてみます。

    The man who is talking to my sister
    私の姉に話しかけている男性

    それがどうしたのかな?

    is Mr.Tanaka.
    は、田中さんです。

    というように区切ると、意味が見えてきます。

    一般動詞の文の場合は、動詞の前に頻度の副詞が入っていることなどもありますが、それは自分で微調整しましょう。
    基本は2個目の動詞の前で区切って考えてみる。
    それで随分スッキリすると思います。

    なお、意味を理解するだけなら、
    The man who is talking to my sister
    まで読んで、あるいは聞いて、
    「男性が私の姉に話しかけているんだな」
    次に、
    is Mr.Tanaka.
    を読んで、あるいは聞いて、
    「その人が、田中さんなんだな」
    という把握で大丈夫です。
    文頭から意味を取る、英語を英語のまま理解する、意味のまとまりごとに英語を理解する、というのはそういうことです。


    関係代名詞は、文法でちょろっと出てくるだけのものではありません。
    高校のコミュニケーション英語では、関係代名詞が1語も出てこないページを探すのが逆に難しいくらい頻繁に使われます。
    ここを理解しておかないと、ちょっとやばいぞ。
    そのような緊張感で取り組みたいところです。
      


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