たまりば

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2019年12月04日

高校英語。比較表現。クジラの公式。


高校英語の「比較表現」。
今回は、いきなり難度の高いクジラ構文を見てみます。
クジラ構文、あるいは「クジラの公式」と呼ばれるもので、一番有名な例文にクジラが出てくることから、そう呼ばれています。

A whale is no more a fish than a horse is.
クジラが魚でないのは、馬が魚でないのと同じである。

「クジラ構文」と言われてもピンとこなくても、この例文を見ると、ああ、あれか、と思い出す人が多いと思います。
構造としては、
A is no more B than C is D.
AがBでないのは、CがDでないのと同じだ。
となります。
ただし、BとDが同一のものであるとき、Dは省略されます。
上の文も、省略しなかったら、
A whale is no more a fish than a horse is a fish.
となりますが、英語は同じ言葉の使用を嫌いますので、最後の a fish は省略されます。

構造の理解としては、否定語 no が一度使われていますので、これで否定文です。
主語である a whale が否定されますので、「クジラは魚ではない」という情報をまず正確に受け止めることが必要です。
とりあえず、クジラは魚ではない。
それも普通の否定の仕方ではなく、もう全く魚ではない、と強く否定したい。
どれくらい強く否定したいかというと、「馬が魚である」こと以上に。
馬が魚であるわけがないので、それ以上に、クジラは魚ではないのだ。
常識的に絶対違うこと以上に、それは違うのだ。
そういう強い否定になります。
だから直訳は、「CがDでない以上に、AはBではない」
です。
ニュアンスを正確に日本語に写し取るなら、
「AがBでないのは、CがDでないのと同じだ」
が最も妥当だということで、この訳し方が定着しています。

構造を理解したら、とにかく覚えましょう。
文の構造の「A is no more B than C is D.」か上のクジラの例文か、とにかくどちらかを暗記しましょう。
覚えなければどうにもならないことが英語にはあります。

問題 以下の空所に適語を入れよ。
The ability to write poetry made (  )(  ) money at that time (  ) it does now.
今日と同じように、当時も詩を書く能力はお金にはならなかった。

覚え方がbe動詞を使うものだったせいで、be動詞の文しかこの構文は作れないと思う人がいるのですが、実は一般動詞でも大丈夫なのです。
「クジラ構文」ではない、「クジラの公式」だ、と言われる理由はそれかもしれません。
ともかく、この問題は一般動詞の文ですが、クジラの公式が使えます。
正解は、
The ability to write poetry made (no)(more) money at that time (than) it does now.
です。

問題 以下の空所に適語を入れよ。
A whale is (  ) a fish (  )(  )(  ) a horse is.

クジラの公式で暗唱した文と同じ意味のようなのに、空所の位置が何だか違う・・・。
ここで生きてくる知識は、no more = not ~any more だということ。
したがって、正解は、
A whale is (not) a fish (any)(more) than a horse is.

このタイプの文もあわせて暗唱しておくと安全ではありますが、混同しやすいので、一番上の形だけしっかり覚えて、あとは他の文でも使える知識、no more = not ~any more で補うと、理屈で理解するのが好きな人には好評です。

勿論、not と any more を文の中のどこに置くのかよくわからないと、この文は作れません。
英語の基本の語順、どの単語がどの位置にくるかという文法の基礎を身につけておくと、こういうときに楽ができます。
何でも土台がしっかりしていれば、大丈夫。


さて、クジラの公式は、もう1つあります。
A whale is no less a mammal than a horse is.
クジラは馬と同様に哺乳類である。

A is no less B than C is D.
AがBであるのは、CがDであるのと同じだ。

これも、B=Dのときは、Dは省略されます。
省略せずに書けば、以下のようになります。
A whale is no less a mammal than a horse is a mammal.

less というのは little の比較級。
little は準否定表現で、否定語の仲間です。
当然、less も否定語の仲間となります。
したがって、no less は否定語を2つ使っていますから、結果的に強い肯定を意味します。
Aは絶対にBなのです。
クジラは、もう絶対に哺乳類なのです。
どれくらい哺乳類なのかというと、馬が哺乳類であるのと同じくらい確実に哺乳類なのです。

no less を、not ~any less に書き換えることは不可能ではありませんが、あまり見られない形です。


さて、no more とno less と2種類あるとなると、空所補充問題は、文意を読み取ってどちらであるかを判断する必要があります。

問題 以下の空所に適語を補充せよ。
Air pollution does (  )(  ) harm to birds and animals (  ) it does to human being.

高校生として、特に難しい単語はないはずなのですが、それでも、air pollution や、harm や、human being の意味がわからない、という人もいると思います。
どれも、中3か高1の教科書やサイドリーターで一度は目にしているはずの単語なのですが、英単語が頭の中を素通りしてすぐに忘れてしまい、覚えられない人もいます。
このあたりに1つ大きな壁があり、英語が苦手な人は、このレベルの単語を覚えていない場合が多いのです。
そして、このレベルの英単語を覚えていないとなると、高校のコミュニケーション英語の定期テストで出題される初見の英文は読解できないですし、上のように、文意がわからないと解けないタイプの文法問題も解けなくなります。

単語を覚えられない・・・・。
そのように悩んでいる人は、悩んでいるわりに、単語暗記に関して、実際には何もしていない場合が多いのです。
学校が毎週行ってくれる単語テストは、一夜漬け、あるいは当日の朝に覚える即席漬けを繰り返します。
計画的に学校からもらった単語集を1冊覚えようと努力している人はほとんどいません。

単語力は、簡単につくものではありません。
1年以上の長期スパンで考えましょう。

学校の単語集は自分で先取りし、できるだけ早く覚えて、何度も回転させると効果的です。
紙の単語集だけでなく、準拠のCDや音源のダウンロードを利用しましょう。
また、覚えた単語を定着させるという意味で、コミュニケーション英語の教科書本文を繰り返し音読するのも効果的です。
コミュニケーション英語の本文の和訳を見ながらそれを英文に戻す「反訳トレーニング」は、英語の筋トレのようなもので、さらに効果絶大です。
NHKのラジオ講座を聴くのも、とても良いことです。
学校の長文問題集があるならそれを、なければ別に購入して、初見の長文を読む経験を積むことも欠かせません。

そうしたことをこつこつ実践していると、1年後、信じられないような英語力がついています。
気がつくと、読めなかった初見の長文が読めるようになっている。
そのようにじわじわと効果が表れてきます。

一方、上のような、やるといいと言われたことは一切実行しないのですが、「覚えやすい英単語集」といった情報にはすぐに反応し、購入する人がいます。
購入しますが、持っているだけで安心するのか、使いません。
覚えやすいといっても限度があります。
持っているだけでその本の情報が脳に写し取られて、目が覚めたら単語力がついていた、ということにはならないのです。
私も興味があるので、覚えやすい英単語集という情報に触れれば書店で手に取ってみますが、感想は「他の単語集と大差ない」という場合が大半です。
やはり努力して暗記しなければ、この1冊は頭に入らない。
そうした感想しかわいてきません。
単語集は、学校から渡されているもので十分だと思います。
学校のテスト範囲でもありますし。

結局、反復と努力しかないのです。
それしかないのだという現実を受け入れる精神的成長を遂げた人から、英単語を覚えられるようになります。
いきなりパーフェクトを目指す必要はありません。
学校の単語集の5割でも7割でも覚えることができれば、ゼロよりはましになります。
努力が苦手な人は、完璧な結果を求めすぎるのかもしれません。
全てかゼロか、ではないのです。
半分覚えるだけで随分変わります。

問題に戻りましょう。

問題 以下の空所に適語を補充せよ。
Air pollution does (  )(  ) harm to birds and animals (  ) it does to human being.

air pollution は「大気汚染」、harm は「害する、傷つける」、human being は「人間」です。

そうすると、(  )を除いた前半の内容は、「大気汚染は鳥や動物に害を与える」という内容です。
後半は、「大気汚染は人間に害を与える」という内容。
これは、肯定される内容か、否定される内容か?
大気汚染は、鳥や動物に害を与えるでしょう。
だから、これは肯定文。
no less と二重に否定することで、強く肯定すれば良いとわかります。
正解は、
Air pollution does (no)(less) harm to birds and animals (than) it does to human being.


問題 以下の空所に適語を補充せよ。
A home without love is (  )(  ) a home (  ) a body without a soul is a person.

この問題文は、単語は比較的易しいですね。
前半は「愛のない家庭は家庭である」という内容。
後半は、「魂のない肉体は人間である」という内容。
今回は、B=Dではないので、Dにあたる内容も省略されず書かれています。

内容から判断して、これは否定文でしょう。
だから、正解は、
A home without love is (no)(more) a home (than) a body without a soul is a person.
となります。


クジラの公式は、理解し、整理して覚えれば、そんなに難しくありません。
比較表現の学習は、このように1つ1つの表現を正確に理解し、整理していきましょう。

  


  • Posted by セギ at 14:06Comments(0)英語

    2019年11月27日

    高校英語。比較表現。富士山は日本で一番高い山です。


    高校英語。今回は「比較表現」です。
    この単元は重要表現や構文、慣用表現が多いため、マスターすることを諦めてしまう人が出やすいです。
    しかし、入試はそこが出るので、1つでも多くの表現を身につけるべく前向きにやっていきましょう。

    今回は、その中では基本。
    中学でも少し学習している、原級・比較級・最上級の言い換え表現です。

    「富士山は日本で一番高い山である」
    これの伝え方には、何通りもの表現があります。

    一番最初にピンとくるのは最上級でしょう。
    最上級は、「最も~」「一番~」ということを意味するときに使うものです。

    Mt.Fuji is the highest mountain in Japan.

    最上級は、形容詞・副詞の原級に est を付けるのが基本の形です。
    また、形容詞の最上級の前には必ず the をつけます。
    副詞の最上級の場合は、the はつけてもつけなくても構いません。

    上の文の high は、mountain という名詞を修飾しているので、形容詞です。
    だから、必ず the がつきます。


    さて、この最上級の文だけで事足りる気もしないではありませんが、何しろ英語というのは言い換え表現が多用される言語です。
    何回も同じ表現を繰り返すのは、文章を書くのが下手な人。
    教養がないと思われます。

    読む側にとっては、同じことは何回でも同じ表現をしてもらわないと困る。
    同じことは、同じ表現がなされるべきだ。
    そのように思っている人は、言い換えを読み取れない場合が多いのです。
    だから、読解の四択問題で、本文と同じ表現を使っている選択肢に簡単に引っかかります。
    正解の選択肢は、本文と同じ内容を別の表現で説明していることが多いのです。
    むしろ、全く同じ表現が使われている選択肢は、フェイクの匂いがプンプンします。
    同じ表現を使わざるを得なかったからこの選択肢が正解だったのだということもありますが、同じ表現なのはひっかけの選択肢であることのほうが多いと理解しておくだけでも、正答率が上がります。

    同じことを別の言葉で表現されたら、わかるわけがないんですけど・・・。
    こうした課題を抱えている人は、まず単語力をつけること。
    類義語を沢山知っておくこと。
    そして、文法による言い換え表現を身につけることが効果的です。


    そんなわけで、「富士山は日本で一番高い山です」を最上級以外の表現で表す方法を確認しましょう。
    まずは、比較級で表現するには。

    Mt.Fuji is higher than any other mountain in Japan.
    富士山は、日本の他のどの山よりも高い。

    同じ意味になりました。
    「比較級+than+any other+単数名詞」という形で記憶しておきたい表現です。

    他にもあります。
    No other mountain in Japan is higher than Mt.Fuji.
    日本の他のどの山も、富士山ほど高くはない。

    主語に no がついていますので、実質的にこの文は否定文で、日本の他の山は高さにおいて否定されています。

    比較級のどちらの表現も、mountain は単数形であることは特に強調して覚えておきたいところです。
    基本、比較は1対1で比較するもの、というイメージで覚えておくと、覚えやすいでしょうか。


    原級による表現もあります。
    原級表現というのは、as ~ as を使うもののことです。

    He is as oldl as my brother.
    彼は私の弟と同じ年齢だ。

    と、主語と比較対象が同じであることを示すのがas ~asです。
    これの否定文は、主語を否定することになります。

    He is not as old as my brother.
    あえて直訳すると、「彼は私の弟ほど年をとっていない」です。
    つまり、「彼は私の弟より年下だ」となります。
    これを使えば、最上級の言い換え表現となります。

    as ~as と so ~ as は、ほぼ同じ意味としてとらえて大丈夫です。
    使い分けを質問されることがありますが、so のほうが強調の気持ちがこもっているという程度のことです。
    中学の頃はas ~ as しかなかったのに、高校になると so ~ as が加わってきます。
    しかも、そのことについて特に説明されないこともあります。
    それで混乱し、どう使い分けるのだろうとおろおろする人もいますが、心配無用です。
    一方、so ~ as が 使われている文を何回見ても、「え。こんなの初めて見た」と言い、説明は耳を素通りし、すぐに忘れる人も多いです。
    だから、今回はあえて so ~ as のほうを使いますよー。

    No other mountain in Japan is so high as Mt Fuji.
    日本の他のどの山も富士山ほど高くはない。
    最上級と同じ意味になりました。

    以上の4通りを覚え、問題ごとに適切な形のものを選んで答えていけば、この文法事項はクリアです。

    もう一度整理しましょう。
    Mt.Fuji is the highest mountain in Japan.
    =Mt.Fuji is higher than any other mountain in Japan.
    =No other mountain in Japan is higher than Mt.Fuji.
    =No other mountain in Japan is so high as Mt Fuji.
    です。


    では、具体的に問題を解いてみましょう。

    問題 次の各文を指示に従って書き換えよ。
    (1) John is the tallest boy in this class. (原級で)

    これは簡単です。
    上の富士山の文の形をそのまま使用できます。
    正解は、
    No other boy in this class is so tall as John.


    (2) Nothing is so precious as health. (比較級で)

    比較級による表現は2通りありますから、そのどちらでも正解です。
    Nothing is more precious than health.
    Health is more precious than anything else.

    この問題が (1) よりもやや難度が高いのは、まず、precious という単語の意味がわからず、だからこの問題は解けないと諦めてしまう人がいること。
    単語の意味はわからなくても、とにかくこれは形容詞だなと、文法事項として把握すれば正解に至るのですが、「意味がわからなければ解けない」という思い込みが強い人もいます。
    数学の問題は意味を考えずに解いているようだがなあと嫌味の1つも言いたくなることもあります。
    勉強が苦手な子は、何ごとも逆のこだわりを示しがちなのです。
    勉強が苦手ということは、究極、そのように考え方の方向が違う、見当が違うことの積み重ねなのかもしれません。
    ただ、precious の意味がわかるに越したことはありません。
    この機に覚えてくれるのなら何よりです。

    もう1つの問題は、形容詞 precious の比較級が more preciuos であることに気づかず、preciouser としてしまう人がいること。
    基本的に、3音節以上の形容詞・副詞は、比較級は more+原級の形をとります。

    また、もとの文が nothing から始まっているのですから、そのままnothing から始めれば楽に書き換えられるのですが、なぜか health から書き出し、
    Health is more precious than 
    まで書いて、続きがわからない・・・ということも起こりがちです。
    富士山の例文の場合は、比較対象は日本の他の山々でしたが、この文は比較対象がわからない。
    というより、全ての中で健康が一番貴重だと言っているのです。
    その場合、anything else 「他の何よりも」という表現を覚えていないと、文の後半が作れないのです。


    (3) He is not so young as he looks. (He looks から書き出して)

    「彼は見た目ほど若くない」という意味です。
    この文の表す意味内容は最上級表現ではないですね。
    だから、今までの問題とは少し性質が異なります。
    彼の実年齢と彼の見た目とを比較しているのです。
    だから、比較級で書き換えるのだろうと見当がつきます。
    He looks younger than he is.
    「見た目」が he looks で、年齢的な現実がhe is であることは、問題文にも使用されていることなのですが、書き換えろと言われると、案外それが使えない・・・。
    こういうことは練習により柔軟性が増してくることなので、やはり、練習あるのみだと思います。
    しかも、効果的な練習を。


    間違えた問題にはチェックを入れて必ず解き直すと、効果的・能率的な練習となります。
    「解き直し」というと、正解だった問題も不正解だった問題もべったりと解き直す人がいます。
    3か月くらいたって復習するのならそれも良いことですが、解いたばかりの問題を解き直すときには、正解だった問題は飛ばし、不正解だった問題だけを解き直しましょう。
    何回解き直しても同じところを同じように間違えるが、全体としては60%くらいの正答率なので、大体こんなもんでいいか、基本は身についた、という勉強では、残り40%の「穴」は永遠に埋まりません。
    解けなかった問題を解けるようにするのが勉強です。

    間違えた問題にはチェックを入れて解き直す。
    そんなことは、誰もが言う勉強の工夫で、目新しいものではありません。
    しかし、中学生・高校生は、これを出来ない人が多いのです。
    間違えた問題の番号にチェックを入れることすらできない子が大半です。
    間違えたときに、自分のノートにバツをつけることすらできない子もいます。
    書き直して丸をつけてしまうのです。
    「自分のマイナスを見つめる」作業をすると劣等感を刺激されて気持ちがつらくなるので、そういうことを無意識に避けてしまうのか?
    見栄っぱりなので、ノートはとりあえず全部正解の状態にしておきたいのか。
    そうして、本当はできていないことをできたかのように、記憶を塗り替える。
    あるいは、自分ができることを繰り返して、うん、自分はできる、という勉強だけをしてしまう。
    勉強が下手な人に多い傾向です。

    つまり、間違えた問題を解き直すという勉強法は、誰もが知っていても、実践できる人は少ない。
    実践しているのは、秀才たちだけです。
    最初のうちは多少心が傷ついたり、嫌な思いもするけれど、我慢してこの勉強法を取り入れることができれば、成績は上がります。
    実践できない人たちが、いつまでも同じところを同じように間違えている中で、自分は、同じ間違いをしないようになれるのですから。

    英語の勉強は、なかなか結果が出なかったり、苦労ばかり多くて報われない思いが強かったり。
    そんな中でも、諦めなかった人たちだけが、英語が得意になっていきます。
    ほんのちょっとの我慢の繰り返しで、苦手は苦手でなくなります。

      


  • Posted by セギ at 12:21Comments(0)英語

    2019年11月15日

    高校英語。付帯状況の with と分詞。


    なおも、分詞の学習です。
    今回は、with+名詞+分詞 の用法です。
    これは、「こういう語順のもの」と覚え込んでも別に構わないのですが、見方としては、with を冒頭につけた独立分詞構文として把握すると、理解しやすいかもしれません。
    まずは、分詞構文ではない、普通の文から。

    The little girl called out to her mother, and tears ran down her cheeks.
    その少女は母親に大声で呼びかけ、涙が彼女の頬を流れた。

    この後半部分を分詞構文とするなら、
    The little girl called out to her mother, tears running down her cheeks.
    となります。
    前の節と主語が異なりますので、主語 tears が残っている独立分詞構文ですね。

    これに、付帯状況であることをよりわかりやすく伝えるため、「付帯状況のwith」と呼ばれる前置詞 with をつけると、
    The little girl called out to her mother, with tears running down her cheeks.
    その少女は、頬に涙を流しながら、母親に大声で呼びかけた。
    となります。

    分詞構文は、接続詞を省略し、動詞を分詞に変えたもの。
    それによって、従属節はSVのある節ではなく、句(SVのない意味のまとまり)となります。
    句の前には前置詞がつくことが可能です。
    せっかく接続詞を省略したのに、前置詞がついちゃうの?何それ?
    というものになっているのが、付帯状況の with から始まる分詞構文です。
    何だか難しいな、よくわからないな、と思ったら、こんな説明はどうでもいいので、とにかく「with+名詞+分詞」で付帯状況を表す、と覚えても大丈夫です。

    The dog sat there with his tongue hanging out.
    その犬は、舌を垂らしてそこに座っていた。

    後半の with his tongue hanging out の部分。
    his tongue が名詞部分、hanging out が分詞部分です。
    もとの節に戻すなら、
    and his tongue hung out となります。
    もとの節は能動態です。

    こんな文はどうでしょうか。

    He sat there with his legs crossed.
    彼は足を組んでそこに座っていた。

    後半の with his legs crossed の部分がそうです。
    his legs が名詞部分、crossed が分詞です。
    もとの節に戻すなら、
    and his legs were crossed となります。
    もとの節は受動態です。

    いちいちもとの節に戻して、使うのは現在分詞か過去分詞か考えるのも面倒くさいので、「with+名詞+分詞」の際は、名詞と分詞との関係のみをとらえて、
    名詞がその動作をするなら、現在分詞。
    名詞がその動作をされるなら、過去分詞。
    と把握するのが簡単でしょう。
    舌は、舌が垂れ下がるものなので、現在分詞。
    足は、足は組まれるものなので、過去分詞。

    いや、舌も別に本人の意思ではなく、犬が垂れ下げているものなのでは・・・?
    と考え始めると、全て過去分詞になりかねないので注意しましょう。
    意思の有無ではなく、その名詞がその動作をしているか、されているか、だけです。

    これには、その動詞の本来の意味を正確に把握しているかどうかも影響します。
    自動詞か他動詞かを把握している、という言い方もできます。
    「~が垂れ下がる」なのか「~は、・・・を垂れ下げる」なのか、ということです。
    両方の意味がある動詞ならば、自動詞の意味優先で大丈夫です。

    本来、独立分詞構文の being が省略されて先頭に with がついたものなので、分詞部分は必ず分詞とは限らず、形容詞や副詞もきます。
    Don't talk with your mouth full.
    食べ物をほおばって話すな。
    この full は形容詞です。

    Did you intervew her with the tape recorder on?
    テープレコーダーのスイッチを入れて彼女にインタビューしましたか。
    この on は副詞です。
    現在分詞 being が省略された独立分詞構文ととらえれば、一貫したルールで文が作られていることがわかります。


    「with+名詞+分詞」は分詞の学習の中でも大きな文法事項で、これはテストに出ると思って学習を進めておくべき内容です。
    こういうのもまた、一度で理解して以後二度と忘れない子と、何回演習しても覚えない子とに大きく分かれます。
    少なくとも、個別指導をしていると、その中間というのがありません。

    英語を覚えない子は、既に中1の段階で、曜日や月の名称、数字のスペルなどの基本を覚えません。
    名詞を複数形にするルールを覚えません。
    人称代名詞を覚えません。
    3単現のルールを覚えません。
    一般動詞の疑問文の作り方を覚えず、何でも Are you ~?としてしまうことをやめられません。
    とにかく、覚えない、覚えない、覚えない。

    覚えれば済むのに、何でこうも覚えないのか?
    本人は「覚えたくても覚えられないんだ」と言う場合が多いです。
    しかし、それは正確ではないと私は感じます。

    小学生の頃、九九を覚えられなくて苦労した。
    そういう人の場合は、わかります。
    本当にものを覚えるのが苦手なのだと思うのです。
    でも、そうではない場合、「覚える」ということが何をどうすることなのか、あまりよくわかっていないのではないか?
    そういう疑問があるのです。

    小学生の頃は、身につけなければならない知識もそんなに多くはないので、小学校の授業で何度か練習しているうちに大抵覚えてしまいます。
    その経験があるので、「覚える」というのは、そういうふうに苦もなく自然に覚えることを指すと、思い込んでいるのではないか?
    「覚える」ための苦労というものが必要なものだと思っていないのではないか?
    覚えるためには、覚えるための作業と反復が必要なのです。
    それをしないで、「覚えられない」と口先だけで言っている人もいるのではないでしょうか。

    幾度も唱え、反復し、自分にテストを繰り返し、大脳に刻みつける作業。
    そういうことをしないで、自然に頭に入ることだけを期待していても、中学・高校と学年が進むにつれ、日々覚えることは増えていきます。
    自然に覚えるには、量が多いです。
    だから、人工的に、作為的に、覚えるのです。
    2~3度眺めるだけで覚えられるわけがないということを知ることから、まず始めましょう。
    強く意識し、大脳に刻み込むように、覚える、覚える、覚える。
    大脳に負荷がかかるように、覚える、覚える。
    そうやって暗記するのだということを知っておきましょう。

    好きなことなら楽しく覚えられます。
    ポケモンの名前。
    好きなアイドルグループ全員の名前とメンバーカラー。
    好きなアニメの全サブタイトル。
    そういうことなら、いくらでも覚えられる。
    それなら、暗記力はあるはずです。
    好きじゃないことも、覚える。
    必要なことだから、覚える。
    そういうふうに意識を変えましょう。
    英語を好きになってほしいけれど、ある程度できるようにならない限り、好きにはなれないと思います。
    まず、できるようになることが先です。
    それには、好きじゃないけれど暗記する、つまらないけれど暗記する、そういう意識が必要です。
    暗記したことが反映されて、英語がわかるようになれば、好きになります。
    基本、自分が上手くできることには良い感情を持ちますから。


    暗記はしないけれど、英語を完全に捨ててしまっているのかというとそうでもなく、今学校で学習していることにはそれなりに関心があって勉強する子は多いです。
    学校の教科書の英語の本文を読み、訳し、重要事項を解説することを塾の授業で行うと、そういうことには熱心に取り組むのです。
    けれど、文法事項を演習しましょうとなったとき、間違えるのは習いたての文法事項ではありません。
    時制ミスをしたり。
    以前に習っている単語のスペルを正しく書くことができなかったり。
    名詞を複数形にすることや、冠詞を書くことを忘れたり。
    そして、今回のテスト範囲の文法事項をクリアできていても、上に書いたようなところを間違えていたらテストでは逐一減点されますから、本人が達成感を味わえるような得点にはなりません。
    本人なりに頑張っているつもりでも成績に変化がないので嫌気がさし、ますます学習意欲が下がっていく・・・。
    英語という科目に起こりやすいことです。

    本人の脳の癖なのかもしれませんが、新しいことを学習する度、古いことを頭の中から一掃する人がいます。
    それでは、英語を得意にはなりません。
    仮定法を学習しても、分詞構文を学習しても、それと同時に、英語学習の初期に習った時制の使い分けや、曜日や月名のスペルは永久に必要な知識です。
    しかし、脳にそんな容量はないと思い込んでいることも手伝い、びっくりするほどあっさりと記憶を捨てていくタイプの人がいます。

    もともと脳は、不要な記憶をどんどん消していきます。
    それにストップをかけ、「あ、これは消去したらダメな記憶なんだ」と脳に悟らせるには、反復です。
    他人よりも消去の度合いが速いなと自覚したら、自分の脳にストップをかけましょう。
    本来、10代の記憶は、一生消えないものになるのです。
    ストップをかけていないのは、本人の意思も入っていると思います。
    テストが終わったら、後は要らない記憶と思い、忘れる方向に自分をもっていっていませんか?

    本来、10代で得た知識の多くは、一生消えないのです。
    そういう人は多いと思います。
    今では役に立たない記憶も、丸々残っています。
    私の場合は、例えば「ソ連のコンビナート名」。
    国際情勢も経済情勢も変わり、役に立たないこと甚だしいこの記憶が、今も消えません。
    「世界の山脈」「世界の気候区」「藤原四家」「徳川十五代」など、10代の頃に無理に暗記した地理・歴史の記憶の残り方はすさまじいです。
    国語の教科書に載っていた小説や詩や古典の一節を今でも暗唱できる人も多いと思います。
    消去するスイッチが壊れているようです。
    3日前の昼ご飯に何を食べたかはもう忘れているけれど、10代の頃に勉強したことは、消えない。
    記憶とは、そういうものです。

    脳は大容量。
    無制限に何でも記憶し、保存できます。
    それを信じ、全てため込みましょう。
    まず、自分の気持ちをそういう方向にもっていってください。
    脳が勝手に消すだけでなく、本人も消そうと思っていたら、どんな知識も頭に残りません。


      


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    2019年10月28日

    高校英語。分詞構文その3。慣用表現。


    分詞構文、今回は3回目。
    基本は理解できたかと思いますので、今回は、慣用表現についてまとめます。
    分詞構文から派生して、慣用表現として固定したものです。
    高校の英文法テキストで一覧としてまとめてある場合が多いです。

    代表的なものを例文とともに示します。
    ① strictly speaking 厳密に言うと
    Strictly speaking, this sentence is not grammatical.
    厳密に言うと、この文は文法的ではない。

    これと似ているものに、
    frankly speaking 率直に言って
    generally speaking 一般的に言って
    などがありますので、まとめて覚えてしまうと良いですね。

    ② speaking of ~ ~と言えば
    Speaking of traveling, have you ever been to Athens?
    旅行と言えば、アテネに行ったことがありますか。

    talking of ~ でも、同じ意味となります。

    ③ judging from ~ ~から判断すると
    Judging from her elegant dress, she must be going to the party.
    優雅な服から判断すると、彼女はパーティに行くに違いない。

    ④ weather permitting 天候が許せば
    Weather permitting, we are going on a picnic tomorrow.
    天気が良ければ、私たちは明日ピクニックに行く。

    ⑤ taking ~ into consideration  ~を考慮に入れると、
    Taking her age into concideration, she did it very well.
    年齢を考慮に入れれば、彼女はそれをとても上手くやった。


    もはや分詞1つしか残っていないため、分詞構文の慣用表現であることに気づきにくいものもあります。

    ⑥ assuming ~ ~だとしたら
    Assuming it rains tomorrow, what shall we do?
    明日雨が降るとしたら、どうしましょう。

    ⑦ granting that ~ ~だとしても
    Granting that he has enough money to buy the new car, it doesn't mean he is going to do so.
    彼にその新車を買う金があるとしても、彼がそれを買うということにはならない。


    また、もともとは分詞構文の慣用表現だったのですが、今や接続詞としてとらえられているものには、以下のものがあります。

    ⑧ providing (that)~ もし~ならば
    Providing that it rains tomorrow, what shall we do?
    もし明日雨が降るとすれば、どうしますか。

    この providing は、provided としても可能です。
    これは、分詞構文にする前のもとの形の従属節が能動態も受動態もありえるからです。
    If we provide that it rains tomorrow, what shall we do?
    を分詞構文にするならば、
    Providing that it rains tomorrow, what shall we do?
    ですし、
    If it is provided that it rains tomorrow, what shall we do?
    を分詞構文にするならば、
    Provided that it rains tomorrow, what shall we do?
    となります。

    ➈ seeing that ~ ~だから
    Seeing that he loved his mother, he called out her with tears.
    彼は母を愛していたから、涙を流して彼女に大声で呼びかけた。

    ⑩ supposing that ~  もし~ならば
    Supposing that your husband dies, you will get the insurance money.
    もしご主人が亡くなられたら、あなたは保険金を手に入れますよ。


    以前も書きましたが、こういう慣用表現はテストには必ず出ます。
    大学入試によく出るからです。
    単純な分詞構文を書き換える問題などは全員正解できますので、むしろ入試にはほとんど出題されません。
    出るのは慣用表現です。
    まず、そのことをしっかり理解しておくことが大切です。
    何がテストに出るかを理解していない高校生が多いのです。
    定期テストは、基本が身についているかを確認する問題も多少は出題されますが、大学入試につながる英語力ということを、進学校の先生は考えて定期テストを作ります。

    しかし、そのことを理解していない高校生もいます。
    文法の基本だけ理解すれば、それで大丈夫だと思ってしまうようです。
    「だって、学校のプリントで練習したのはそれだから」
    と思ってしまうのです。
    基本を身につける練習は、それは学校の授業でやりますよ。
    せめて基本くらいは身につけてほしいですから。
    それとテストはまた別です。

    基本だけ身につけておけば何とかなるのは、小学校までです。
    小学校のカラーテストは基本しか出ません。
    学習習慣としてそこから脱却できず、中学生になり高校生になってしまっている人が案外多いのかもしれません。
    小学校の頃は、基本だけわかっていれば良いので、余裕をもって学校の授業を受け、テストを受けます。
    勉強というのはそういうもの。
    テストはそういうもの。
    とても簡単なもの。
    私が余裕をもって取り組めるもの。
    そういう誤解をしたまま中学生になり、高校生になり、テストで思うように得点できなくなっていく中でも学習習慣を変えられず、基本しか身につけようとしない人がいます。
    学校のワークを解くのでも、自分は基本問題だけ解ければいいと思っていたりします。
    基本問題は解けるから大丈夫だと口に出して言う子もいます。

    本当はもうそうではないことにうすうす気づいているけれど、それを認めて難しい勉強をするのは、自分の負担が大きくなるから避けたい。
    そんな意識も働いているのかもしれません。
    自分は基本は身につけた。
    勉強はした。
    そうした「アリバイ」だけ作っておきたいというような勉強をしていては、中学・高校と難しくなっていくテストに対応できません。
    定期テストを1回受けたら、レベルはわかると思います。
    そのレベルにあわせて、次からは勉強のレベルを上げましょうよ。

    いや、テストのレベルなんてわからない?
    テストが終わればそれっきりで、解き直したり反省したりしていないからです。
    嫌なことは忘れたい。
    一刻も早く忘れたい。
    そんなふうに目を逸らして、毎回新鮮に失敗していませんか。

    塾の生徒で、自力でテストのレベルを判断できないならば、私が判断して、以降のテスト対策に生かしていきます。
    しかし、テスト問題を持ってくることができない子もなかにはいます。
    答案用紙が返却される頃には、問題用紙を失くしてしまっている子たちです。
    テストの点数だけを知りたいわけではないので、答案用紙だけ見せられても困るのです。
    私は出題レベルと出題形式を知りたい。
    それぞれの問題が出題範囲のどこから出たのかを知りたい。

    問題用紙を見たときに、この問題は出題範囲のどこから出たのか、私には全く見覚えがなくて困惑することもあります。
    「これは、どの範囲から出た問題?」
    「多分、朝学習プリントから・・・」
    「・・・何ですか、それは?」
    というように、私の知らないテスト範囲から多数出題されていて唖然とすることもあります。
    テスト範囲の正確な把握は、テスト対策の要です。
    そして、テスト範囲はまんべんなく取り組みましょう。
    捨てていい範囲はありません。

      


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    2019年10月17日

    高校英語。分詞構文その2。


    分詞構文の学習。
    前回は、分詞構文の作り方の基本を学習しましたので、今回は、否定文や各時制の分詞構文を見ていきましょう。

    ①否定語を含む従属節
    As I didn't know which way to go, I had to guess.
    どちらの道を行けばよいかわからなかったので、私は勘に頼らねばならなかった。

    さて、これを分詞構文にしましょう。
    簡単に復元できるものはどんどん省略するのがルールでした。
    理由を表す接続詞 as と、主節と同じ主語 I は省略します。
    主節も従属節も過去形で、時制のズレはないので、これも復元可能ですから気にしなくてよいです。
    問題は、否定語 not。
    これを省略したら、意味が真逆になってしまいます。
    だから、これは残します。
    分詞構文の冒頭に残します。

    Not knowing which way to go, I had to guess.

    これで、分詞構文にすることができました。
    否定語を先頭に立てて、その後、従属節の動詞を現在分詞に変える。
    これで分詞構文への書き換えはOKです。


    ②完了形の従属節
    Since I had lost the bet, I had to pay for dinner.
    私は賭けに負けたので、夕食代を払わなければならなかった。

    従属節は過去完了形で、主節は過去形です。
    この過去完了は、大過去を表します。
    大過去とは、過去よりもさらに古い過去のことです。
    掛けに負けたのは、夕食代を払うときより前です。
    また、この文の場合は、「賭けに負けてしまった」という完了の意味ととらえることも可能です。
    過去完了は、このようにどちらの用法なのか曖昧なものも多いのです。
    どちらに解釈しても文意が変わらない場合は、曖昧なままで良いのです。

    さて、接続詞 since と、主節と同じ主語 I が省略可能なのは、もう大丈夫でしょう。
    その後、動詞 lose を単純に現在分詞の losing にしていいかというと、これでは、従属節に復元しようとしたとき、主節と同じ過去形と同じ時制に戻すことになってしまいます。
    分詞構文をもとの従属節に戻す際のルールは、「主節と同じ時制に復元する」だからです。
    時制が1つ古いことを示したいとき、あるいは、完了形だったことを示したいときは、どうしたら良いでしょうか。
    動詞を「having +過去分詞」にします。

    Having lost the bet, I had to pay for dinner.

    分詞構文は、とにかく何かを~ing 形にする、と覚えておくと、印象に残ると思います。
    完了形を作る助動詞 have をhaving にするのです。
    印象的ですね。


    ③受動態の従属節
    Since this book is written in simple English, it is easy to read.
    この本は簡単な英語で書かれているので、読みやすい。

    接続詞 since は省略可能です。
    主語は、従属節の this book と主節の it は同じものを表していますから、主節のほうに this book を移動させれば、従属節の主語は省略可能です。
    さて、どこを現在分詞にするか?
    be 動詞を現在分詞にします。

    Being written in simple English, this book is easy to read.

    これはこれで正しい英語ですが、この being も要らないですね。
    being を省略しても、いきなり過去分詞から始まっていれば、「ああ、being を省略したんだな」とわかります。
    だから、
    Written in simple English, this book is easy to read.
    と書くのが普通です。
    これを「過去分詞による分詞構文」ととらえる文法書もありますが、面倒くさくなるだけですので、being が省略されていると考えたほうが、1つのルールで統一されている感があります。
    ルールは、シンプルなほうが良いのです。
    分詞構文は、とにかく現在分詞~ing を用いるものなのだと思っていたほうがスッキリします。
    先程の完了形の分詞構文 having+過去分詞という荒業も、統一されたルールから考えれば何となく腑に落ちてきますし。


    ④独立分詞構文
    急に文法用語が出てきて、え、何それ、と思うでしょうが、これは、主語が従属節と主節で異なる分詞構文という意味です。
    歴史的には、ラテン語の用法を英語が模倣して広まったとのことです。
    へえ・・・以外の感想も特にないだろう豆知識ですが、ともあれ、実際の用法を見てみましょう。

    Because it was Tuesday , the barber shop was closed.
    火曜日だったので、その理髪店は閉まっていた。

    接続詞 because は省略できます。
    従属節の主語は、時や曜日を表す主語の it 。
    主節の主語は、barber shop です。
    主語が異なるのに省略すると、復元できません。
    そこで、従属節の主語は先頭に残し、動詞は現在分詞にすることで、分詞構文を作ります。

    It being Tuesday , the barber shop was closed.

    これを独立分詞構文と呼びます。
    また別の例を。

    When the ceremony was over, the crowd dispersed.
    式が終わって、群衆は散った。

    これも、接続詞 when は省略可能です。
    従属節の主語は ceremony 、主節の主語は crowd ですから、省略できません。
    The ceremony being over, the crowd dispersed.
    となります。
    ここで、この being を省略しても意味がわかるので、これも省略してしまうことがあります。
    The ceremony over, the crowd dispersed.
    従属節がSVCで、Cが名詞のときは、 being は省略しにくいですが、この文のように、従属節がSVCでCが形容詞のとき、特に over のときは、省略してもいいかなという意識が働く様子です。
    よくわからないときは、省略しないでおくのが賢明でしょう。

    ところで、従属節と主節とで主語が異なるときは、主語を省略してはいけないといっても、言語というのは人間が日常生活で用いるものですから、省略してはいけないのに省略しちゃった、ということはありがちです。
    意味はわかるから、これはこれでいいじゃないという意識が働くのも、ネイティブならば自然なことです。

    Looking out of the window, the mountains were beatiful.
    窓から外を眺めると、山々が美しかった。

    するっと読めてしまう文ですが、よく見ると、分詞構文の主語は I で、主節の主語は mountains です。
    文法的正確さにこだわるならば、I は省略してはいけないのです。
    だから、英米の文法学者はこれは誤りであると言うのですが、一般人にとっては、そんなのどうでもいい・・・という、日本語でも「あるある」な状況が起きているそうです。
    言語は今を生きる人が使うもの。
    言語は生き物。
    そういうことが英語にも日本語にもいえるのだと気づくと、言語を学ぶことがまた少し楽しくなるかと思います。



      


  • Posted by セギ at 14:21Comments(0)英語

    2019年09月30日

    高校英語。分詞構文その1。


    今回は分詞構文の学習です。
    英語というのは、同じ語句の繰り返しを嫌う言語です。
    省略できるものはどんどん省略していきます。
    分詞構文は、従属節(SVのある意味のまとまり)から、必要ないところをできるだけ省略したものです。
    省略する前は副詞節だったのですから、主節を修飾している副詞句、ととらえることが可能です。

    では何を省略するか?
    まず、従属節の先頭におく接続詞を省略します。
    そして、省略された接続詞の意味によって、分詞構文は大きく5つに分かれます。
    ①時・・・・・・・・・when , as , after , before など
    ②理由・・・・・・・because , as , since など
    ③条件・・・・・・・if など
    ④譲歩・・・・・・・though , although など
    ⑤付帯状況・・・and など

    まずこの5通りを呪文のように覚えてしまうと、分詞構文は意味を把握しやすくなります。
    分詞構文を節に書き換えなさいという問題で呆然とすることがなくなります。
    この5通りの接続詞のどれかを補って英文を書き出せば良いということが明瞭ですから。

    では、具体的に、どのように省略していくのか、もとの従属節を含む文から見ていきましょう。

    ①時 
    When I drive to the office every morning, I listen to the radio.
    私は毎朝職場に車を運転していくとき、ラジオを聴く。
    この接続詞 when を省略します。
    省略しても、意味は理解でき、復元も可能だからです。
    さらに、従属節の主語も省略します。
    主節の主語と同じなので、意味は理解でき、復元可能だからです。
    従属節と主節の時制は同じ現在形なので、時制のことをあれこれ考える必要もなく、復元可能です。
    そこで、従属節の動詞 drive を現在分詞にすることで、分詞構文とします。

    Driving to the office every morning, I listen to the radio.

    これが分詞構文です。
    構造が理解できれば、簡単ですね。

    ②理由 
    Since I am a farmer, I have to get up early.
    私は農業をやっているので、早く起きなければならない。
    理由を表す接続詞 since と、主節と同じ主語 I を省略し、動詞 am を現在分詞に直します。

    Being a farmer, I have to get up early.

    ③条件
    If you go ahead for a mile, you will get to the station.
    1マイルまっすぐ行けば、駅に着くでしょう。
    条件を表す接続詞 if と、主節と同じ主語 you を省略し、動詞 go を現在分詞に変えます。

    Going ahead for a mile, you will get to the station.

    ④譲歩
    Though I admit you have a point, I still think I am right.
    あなたの言うことも一理あると認めるが、それでも私が正しいと思う。

    そもそも譲歩の接続詞をあまり記憶していない人もいると思います。
    譲歩というのは「~ではあるが」といったん相手に譲り、相手の言うことを認める表現です。
    しかし、完全に認めて折れてしまうのでは決してなく、本当に言いたいのはその後です。
    国語、特に論説文の読解でもそこは重要で、譲歩の文の前半は自分の公平性を示すための譲歩に過ぎず、後半が筆者が本当に言いたいことであると理解していないと、読解のポイントがズレてしまいます。
    「彼女は美人だが冷たい」
    「彼女は冷たいが美人だ」
    この2文、上の文は悪口で、下の文は褒め言葉です。
    書いてあることが全部筆者の言いたいことなのではなく、前半は読み手・聞き手の理解を得るために譲ってみせているだけで、本当に言いたいことは後にくるのです。
    しかし、現代の子どもの中には、「彼女」「美人」「冷たい」と単語を拾い読みして情報を得るため、全ての情報が対等に見えてしまい、文章の読解ができない子が存在します。
    上の2つの文の意味の違いが認識できないのです。
    特に説明文・論説文がうまく読めない子にこの傾向が強いです。
    単語の羅列を自分の想像でつなげているため、筆者の言いたいことと真逆のことを読み取ってしまうこともあります。
    英語の構造を理解することで、国語読解力も改善してください。

    「逆説とどう違うの?」
    と問われることがあるのですが、基本は同じです。
    表現の仕方が違うだけなので、上の英文は、
    I admit you have a point but I still think I am right.
    と書き換えることが可能です。
    接続詞の位置が異なることに気づくと思います。
    譲歩の接続詞 though は従属接続詞なので従属節の先頭におきますが、逆説の接続詞 but は等位接続詞で、節と節とを対等に結び、節と節との間におかれます。
    ・・・ああ、そういう文法用語が嫌い、ごちゃごちゃしてわからない・・・とイライラしないで、何度でも説明を読んで理解してください。
    そこを曖昧にしているから、違いが曖昧でよくわからないままなのです。
    接続詞には従属接続詞と等位接続詞があります。
    区別がつかない場合は、等位接続詞は具体的に、and , but , or , so , for(「というのは」という意味)で、それ以外は従属接続詞、と把握しておいても大丈夫です。

    ⑤付帯状況
    これも、まず言葉の意味が難しいと思います。
    付帯状況とは、具体的には、「同時動作」「連続動作」「1つの動作が他の動作の一部」の3通りで把握すると理解しやすいでしょう。
    例えば「歌いながら歩く」が同時動作。
    「ドアを開けて部屋の中に入る」が連続動作。
    「池に落ちてびしょぬれになった」が「1つの動作が他の動作の一部」の場合です。
    ただし、厳密に3通りに分類することに頭を悩ます必要はなく、これらをまとめて付帯状況と呼ぶのだと理解しておけば十分です。

    The typhoon hit the city and caused great damage.
    台風がその市を襲い、大きな被害を与えた。
    付帯状況の文は、主節・従属節の区別はなく、どちらも対等なので、等位接続詞が使われています。
    こうした付帯状況の文は、後ろの節を分詞構文にするのが普通です。

    The typhoon hit the city, causing great damage.

    以上の①から⑤のうち、①時 と②理由 は、非常によく分詞構文が用いられます。
    しかし、例えば①時 で、after , before , while など、復元しにくい接続詞は省略せず、残しておくことが可能です。
    また、分詞構文の多くは書き言葉です。
    日常会話では相手に復元を期待する分詞構文で伝えるよりも、従属節を使って話すほうが正確に伝わります。
    ③条件 ④譲歩 は、省略された接続詞を推理することが難しいという点で、接続詞を残すか、あるいはそもそも分詞構文にしないことも多いです。
    ⑤の付帯状況は、比較的意味が伝わりやすいということで、日常会話でもあり得ますし、書き言葉でも多用されます。
    コミュニケーション英語の教科書本文も、付帯状況の分詞構文が多用されています。
    主節の後にいきなり現在分詞から始まっているこの部分は何?と思ったら、付帯状況の分詞構文の可能性を考えてみると、読解が楽になると思います。

    以上、まずは分詞構文の基本的な意味でした。



      


  • Posted by セギ at 12:20Comments(0)英語

    2019年09月25日

    高校英語。分詞 その5。分詞の叙述用法。SVOC。


    さて、今回は、分詞の叙述用法のうち、SVOC の用法です。

    まずは普通のSVOCの文の確認から。
    SVOCという呼び方は高校で学習しますが、この文型は中3で最初に学習します。
    we called him Tom.
    私たちは彼をトムと呼ぶ。
    we がS(主語)、called がV(動詞)、him がO(目的語)、Tom がC(補語)です。
    「Sは、OがCなのをVする」
    といった構造をとらえておくと意味を把握しやすくなります。
    My mother made me happy.
    私の母は、私を幸せにした。

    中3で学習していても、この語順が絶望的に身につかない人もいるのが、SVOCです。
    we called him Tom.
    のように、最後のCが名詞ならば、感覚的に納得するものがあるようで、まだ正しい語順を守れます。
    しかし、
    My mother made me happy.
    のように、Cが形容詞の文は、「このような位置に形容詞がくるはずない」という間違った感覚が邪魔をするようなのです。
    My mother made happy me.
    といった誤った語順で英文を作る子が多くなります。
    中2で学習した不定詞のときもそうですが、それまで学習した中1レベルの英語の語順が「正しい英語」と思い込み、そこからバージョンアップできない人は、感覚で英文を作ろうとする人に多いのです。
    日本に住む日本育ちの日本人が、英語を感覚で並べて、正しい英文を作れるわけがない。
    その当たり前のことに、1日も早く気づいてください。
    英語に対しては、理屈でアプローチするのが、手っ取り早いのです。
    理屈で理解し、暗唱して口に馴らす。
    そうやって覚える英語が、覚えやすく忘れにくい英語となります。


    さて、そのように、そもそもSVOCという文型にいくらかの違和感のある人にとって、それに分詞が加わると、さらに難度を増すようです。
    SVOCで、Cになるのは、上の例文のように、名詞または形容詞です。
    このCの位置に、分詞もきます。
    それが、SVOCの分詞の叙述用法です。

    She kept me waiting for an hour.
    彼女は私を1時間待たせた。
    She がS、kept がV、me がO、waiting がCで、現在分詞です。

    She kept the door locked.
    彼女はそのドアに鍵をかけておいた。
    She がS、kept がV、door がO、locked がCで、過去分詞です。

    現在分詞と過去分詞は、どう使い分けるのでしょうか?
    上の2つの文では、主語はどちらもShe で変わりません。
    Sで使い分けるのではなさそうです。
    これは、Oとの関係で使いわけます。
    Oがその動作をするのならば、現在分詞。
    Oがその動作をされるのならば、過去分詞です。
    She kept me waiting for an hour.
    me が待つという動作をしていますので、現在分詞。
    She kept the door locked.
    door は鍵をかけられる側ですので、過去分詞です。


    ここまででも、十分に難しく、もうお腹いっぱいという人もいるかもしれませんが、ここで、分詞だけでなく他の文法事項が混ざってくるのが、SVOCの文の難しさです。
    他の文法事項とは、不定詞。
    すなわち、原形不定詞や to 不定詞も、このCになることがあるのでした。
    そして、Cに何がくるのかは、動詞によって違ってきます。
    この先は、VによってCがどうなるのかを整理してみましょう。


    SVOCは、Vが使役動詞や知覚動詞のとき、Cに原形不定詞を用います。
    しかし、いつもいつも原形不定詞なわけではなく、現在分詞や過去分詞を用いる文もあります。
    一度にまとめて学習する内容ではないせいもあって、そこがモヤモヤしやすい人もいるようですが、センター試験や英検などの四択の文法問題でもっとも出題されやすいところでもあります。

    まずは、使役動詞 make から。
    Our teacher made us speak English.
    私たちの先生は、私たちに英語を話させた。
    teacher がS、made がV、us がO、speak がCで、原形不定詞です。

    We were made to speak English by our teacher.
    私たちは、先生によって英語を話させられた。
    直訳するとちょっと不自然なので、この文も上の文と同じ訳で構わないのですが、それはともかく、構造を見ると、この文は、上の文の受動態です。
    受動態のとき、Cだった原形不定詞は、to 不定詞になります。

    I could make myself understood in English.
    私は英語で自分の意思を伝えることができた。
    I がS、could make がV、myself がO、understood がCで、過去分詞です。
    myself は、理解される側だから、Cは過去分詞なのです。
    これは、一種の慣用表現として例文を丸暗記しておいても良い文です。
    定期テストによく出ます。
    そして、「テストに出るよ」と念を押しているのに高校生が覚えない用法ワースト10に入るくらいに失点原因となる文です。

    四択の文法問題としては、原形不定詞、to 不定詞、現在分詞、過去分詞の四択があって、そこから正解を選ぶ形式が頻出です。
    動詞 make を用いたSVOCのCには、上のような3つの可能性があることを把握して、きちんと分析して正答を探せば、この文法問題は楽勝です。
    しかし、文法事項として把握せず、「こういう英文を見た気がする」という感覚で解こうとし、しょっちゅう誤答していると、誤答が記憶に残ってそれが正解のような感覚が濃厚になっていくばかりですので、いつまで経っても正答できるようになりません。
    それは、英語学習の中でも最もまずいやり方なのですが、こういう「感覚」に頼って文法問題を解き散らかしてしまう高校生は多いです。


    次に、使役動詞 have の用法。
    They had her go home.
    彼らは、彼女を家に帰らせた。
    They がS、had がVher がO、go がCで原形不定詞です。
    使役動詞make と have の基本的な意味の違いは、make は目下の相手に何かさせるときに使い、have は、対等または目上の相手に何かしてもらうときに使います。

    make の場合は受動態がありますが、have にはありません。
    だから、have の文で、to 不定詞を用いることはないのですが、have to ~という助動詞の用法の印象が強いせいか、それに引きずられて四択問題で to 不定詞の選択肢を選んでしまう高校生は多いです。
    全く関係ない文法事項の記憶が混ざりこんでくるのも、「感覚」に頼って問題を解き散らかす人に多い傾向です。
    知識を整理しましょう。

    I had my hair cut.
    私は髪を切ってもらった。
    I がS、had がV、hair がO、cut がCで過去分詞です。
    cut は、無変化の不規則動詞ですので、見た目ではわかりませんが、hair は切られる側なので、cut は過去分詞だとわかります。

    I had my bag stolen.
    私は、鞄を盗まれた。

    上の文と同じ構造なのに、訳し方が違うので混乱する人もいますが、訳し分けは意味から判断した日本語の都合です。
    和訳は、日本語として自然であることを優先するので、同じ構造の文も異なる訳となります。
    英語では、やってほしいことをしてもらった際も、被害にあった場合も、同じ構造の文となります。
    「受け身・被害のhave」と覚えておけば大丈夫です。
    have というと「持っている」の意味という印象しかなく、こういう用法で have を使うことが発想できず、意味もとれないという人もいます。
    have は、物を所有しているという意味に限らず、そういう状態を保有しているという意味なのだと把握しておくと、こうした用法にもさほど違和感はありません。

    have の場合、このように、正解は原形不定詞か過去分詞の二択が基本ですので、落ち着いて分析すれば大丈夫です。
    Cが現在分詞の用法も存在しますが、原形不定詞の用法とでは、1つの英文がポンと提示されるだけの文法問題では識別できないので、この二択に絞ってほぼ大丈夫です。


    次に、知覚動詞の場合。
    We saw him cross the street.
    私たちは彼が通りを横切るのを見た。
    We がS、saw がV、him がO、cross がCで原形不定詞です。

    We saw him crossing the street.
    私たちは、彼が通りを横切っているのを見た。
    We がS、saw がV、him がO、crossing がCで、現在分詞です。

    この2つの文の意味の違いは、上の文は、通りを渡り始めて渡り終わるまで、一部始終を見ていますが、下の文は、横切っているほんの一瞬を見たという意味です。
    しかし、文法問題でこの1文がぽんと出た場合、どちらでも意味が通ります。
    だから、文法問題で、この使い分けを問われる場合は、従属節などで状況が詳しく説明されています。
    あるいは、選択肢に、原形不定詞か現在分詞のどちらかしかありません。

    He was seen to cross the street.
    彼は、通りを横切るのを見られた。
    受動態のときは、使役動詞 make と同様に to 不定詞が用いられます。

    We saw him scolded by his father.
    私たちは彼がお父さんに叱られるのを見た。
    We がS、saw がV、him がO、scolded がCで過去分詞です。
    him は叱られる側なので、過去分詞です。

    このように見てくると、知覚動詞の場合は、Cは、原形不定詞・to 不定詞・現在分詞・過去分詞のどの場合もあります。


    以上、動詞ごとに、SVOCのCは何が使用されるかまとめてみました。
    参考にしてください。
    繰り返しますが、ここは、文法問題して一番出題される、ホットなところですよー。


      


  • Posted by セギ at 12:11Comments(0)英語

    2019年09月18日

    高校英語。分詞 その4。分詞の叙述用法。SVC。


    分詞の限定用法は、名詞を修飾する用法でした。
    では、分詞の叙述用法とは何でしょうか。

    ここで形容詞に戻って考えてみますと、形容詞には2つの働きがありました。
    1つは、名詞を修飾する。
    もう1つは、補語となる。

    分詞も同じです。
    名詞を修飾する用法が、限定用法。
    補語となる用法が、叙述用法です。
    つまり、分詞は、形容詞なのです。
    分詞は、動詞が形容詞化したものなのです。

    They walked laughing along the street.
    彼らは笑いながら通りを歩いた。
    They がS(主語)。walked がV(動詞)。laughing がC(補語)です。

    こうした説明になると、SVCとか苦手、わからない・・・という高校生は多いのですが、繰り返しますが、SVOCMと各品詞の働きを理解しておくと、残りの文法事項はスラスラと理解できると思います。
    SVCは、5文型の1つです。
    S(主語)とV(動詞)は、基本的にどんな文でもありますが、それだけでは完結しない文もあります。
    I am …
    で終わられたら、「え?どうした、続きは?」と思います。
    I am a student.
    と言われると、あ、そうなんだと納得できます。
    S=C の関係が成立してるのが、Cです。
    I =a student です。
    それは、状態としてイコールでも構いません。
    I am busy.
    I =busy です。
    ということは、基本的に、be 動詞の文の大半はこのSVCですが、be 動詞以外の動詞を用いた文でも、S=Cの関係が成り立っていれば、それはSVCの文です。
    She looks happy.
    この文は、
    She = happy ですから、やはりSVCの文です。
    Cになるのは、名詞または形容詞、ということも、理解の一助になるでしょう。
    形容詞は、Oにはなりません。
    あ、これは形容詞だなと気づいたら、それはSVOの文ではなく、SVCの文です。
    また、その動詞をbe 動詞に変えたときに、意味は変わるにしても文意は通るというとき、元の文はSVCです。
    She looks happy. は、
    She is happy.
    と置き換えても文意は通りますので、SVCの文です。
    一方、
    she plays the piano.
    という文は、動詞をbe 動詞に置き換えたときに文意が通りません。
    she is the piano.
    というのは、おかしいですね。
    she =the piano ではないから、おかしな文になります。
    この文は、SVOの文です。

    上の分詞の文をもう一度確認します。M(修飾語)は省略します。
    They walked laughing.
    この文は、
    They are laughing.
    と置き換えても、文意は通ります。
    だから、元の文は、SVCの文だと確認できます。

    ところで、こんな文はどうでしょう。

    You must keep repeating the formula until it is known by heart.
    暗記するまでその公式を繰り返さなければならない。
    これも、You がS(主語)。must keep がV(動詞)。repeating がC(補語)の文です。
    でも、意味がほとんど同じである、こんな文もあります。
    You must keep on repeating the formula until it is known by heart.

    keep on ~ing は、「繰り返し~する」「常に~する」という意味です。
    状態の継続や動作の繰り返しを強調する表現となります。
    このときは、repeating は、動名詞となります。
    前置詞の後ろにくるのは動名詞だからです。
    ただし、こういう些末な文法事項はどうでもいいので、こういうのに混乱して、「文法なんて嫌い」とならないことが大切です。
    keep ~ing の形の他に、keep on ~ing という用法がある、という表面的なことだけ覚えれば良いと思います。
    「Keep on smiling」と、ラジオ講座で遠山顕先生が昔から毎回叫んでいたので私個人は非常に覚えやすかったものの1つでした。
    いや、番組オープニングは録音だから仕方ないのですが、しかし、番組タイトルが変わっても30年以上、毎年叫んでいます。
    やはり繰り返し耳にするのは効きますね。
    脳に沁み込んでくる感じがします。


    ここまでの文は、SVCのCが現在分詞の文でしたが、過去分詞の文も勿論あります。
    His eyes remain closed.
    彼の目は閉じられたままだ。
    His eyes がS、remain がV、closed がCです。
    His eyes = closed
    状態としてイコールなので、SVCの文です。


    現在分詞も過去分詞も、SVCのCとなる用法がある。
    となると、問題なのは、現在分詞と過去分詞との使い分けです。
    これはSとの関係で見分けます。
    Sが動作をする側ならば現在分詞。
    Sが動作をされる側ならば過去分詞です。

    They walked laughing.
    これは、SであるThey が laugh しているので現在分詞。
    His eyes remain closed.
    これは、Sである His eyes が close されているので過去分詞です。

    限定用法のときの、修飾される名詞と同じ関係ですので、覚えやすいはずです。
    頑張って覚えましょう。
      


  • Posted by セギ at 14:37Comments(0)英語

    2019年09月11日

    高校英語。分詞 その3。感情を表す分詞。



    さて分詞の話も3回目。
    今回は、感情を表す分詞の使い分けです。
    それは、中学生の頃に受動態の学習の中で既に登場している事柄です。
    感情表現は、受動態で語られます。
    I am interested in the book.
    私はその本に興味がある。
    interested くらいに使用頻度が高いと、分詞というより形容詞として固定化されて認識されているものですが、もともとは分詞です。
    interest という動詞は「興味をもたせる」という意味の動詞。
    その過去分詞が、interested 。
    現在分詞は、interesting 。
    動詞原形の意味が「興味をもたせる」なので、人が主語のときは、「興味をもっている」=「興味をもたせられている」という意味となり、受動態が使用されます。
    The book is interesting.
    その本は面白い。
    物が主語のときは、「面白い」=「その物が興味を持たせている」という意味となり、現在分詞が使用されます。

    こういうことは、一度しっかり理解すれば何でもないことのような気がするのですが、何度説明を聞いても聞き流す、すぐ忘れる、混乱する、を繰り返す中学生・高校生も多いです。
    数学の解き方は丸暗記するのに、英語は暗記しない・・・。
    英語・数学の両方を教えていると、「やり方が逆だよ」と感じることは多いです。

    数学は、どうしてそれで解けるのか理解していないのに丸暗記だけしても仕方ありません。
    小学生からずっとそれをやっていると、高校数学はほとんどわからなくなります。
    内容を理解せず解き方だけ丸暗記していては高校数学は解き方の丸暗記もできない状態に追い込まれます。
    理解していないことの上に理解できないことが乗っかっていく。
    わかるわけがありません。
    解き方だけ暗記しようとしても、似たような公式、似たような見た目の典型題が多過ぎて、覚えきれません。
    本質を理解していれば、数学で覚えるべきことは限定され、それに基づいて多様な問題を解いていくことができます。

    一方、英語は、暗記するべきことは暗記しなかったらどうしようもありません。

    ついでに言えば、英語を理解するとは、その英文の意味を理解することではありません。
    自力で英文を読むことはできないのに、他人が英語を訳してくれると安心し納得して、英語がわかった気になる傾向がある人は、要注意です。
    それは英語を勉強したことにはなりません。
    塾でも、私に全文を訳してくれと頼んでくる子はいます。
    あるいは、全文を訳してくれないからわからない、と愚痴を言う子もかつていました。
    全文を訳してもらって、その英文の意味がわかると、英語がわかったような気がするのかもしれません。
    しかし、それは、その英文の意味がわかっただけで、英語がわかるようになったわけではないのです。

    一方で、同じ子が、負担の大きい単語暗記には消極的です。
    受け身で楽な「勉強のようなこと」が本当に好きなのだなと哀しくなります。

    また、
    「どうしたら、リスニングが得意になりますか?」
    と質問する子が、1週間で何時間英語を耳にしているかといったら、学校で英語に触れる時間以外は0分というのはよくある話です。
    ラジオ講座など、無料で英語聴き放題の手段を教えても、利用しないのです。

    その子たちの望んでいる英語学習と、本当の英語学習との乖離が大きい。
    英語が得意にならない根本理由は、そこにあると思います。


    というわけで、「かわいそうなゾウの話」のストーリーを覚えても、マララさんの演説の内容を覚えても、それは英語学習ではない。
    一方、感情表現の分詞の使い分けを理解し、暗記することは、英語学習です。

    ところが、ここはしっかり区別して使い分けを正確に覚えなければというところで、逐一、逆に逆に覚えてしまう子もいます。
    そうした子は、宿題などで間違った練習を沢山してくる傾向があります。
    間違った練習が間違った知識を定着させ、幾度修正しても直らない。
    どちらがどうだったか、一生混乱することになります。
    もう何度も書きましたが、そういうのは誰にでもあり、私も熊のアクセントが「く」にあるのか「ま」にあるのか、いまだに混乱します。
    テレビで熊が出てくる度に、1つの番組内でも2種類のアクセントで発音されるので、混乱はさらに助長されます。
    幾度修正しても、間違って使用していた時期が長いために、どちらが正しいのかすぐにわからなくなる。
    私に限らず、そういう人が「熊」のアクセントでは多いのだろうと思います。

    そのようになってしまったら、もう直らない。
    だから、そうならないように、学習した最初にしっかり区別し、宿題をやる前にもう一度復習して、正しい練習をして定着を図ることが大切です。
    授業を受けて1週間経って、次の授業の直前になって慌ててやっつけ仕事で宿題をし、曖昧な記憶で間違った練習をしてくる子は、英語がなかなか得意にはならないです。
    マイナスの練習を沢山してくるのですから。
    宿題をやる前に、一度軽く復習。
    それだけで、文法事項は定着が違ってきます。


    分詞に戻って、再度正確な知識を確認しましょう。
    人が主語のときは、使われる分詞は過去分詞。
    物が主語のとき、使われる分詞は現在分詞。
    どれか1つの分詞で、それをしっかり理解していると安全です。
    interested と interesting でもいいですし、excited と exciting でもいいですね。
    I was excited.
    The game is exciting.
    どちらかの記憶が深く、ゆるぎなくなっていれば、それで正しく識別できます。
    人が主語のときは過去分詞。
    物が主語のときは現在分詞。

    このように形容詞として固定化している分詞で使い分けを確認したら、分詞の限定用法でも同じルールで使い分けることを覚えておいてください。
    There were a lot of excited supporters.
    たくさんの興奮したサポーターがいた。
    It was an exciting game.
    それは、わくわくする試合だった。

    人を修飾するときは、過去分詞。
    物を修飾するとき、現在分詞。

    感情表現の分詞は、このように使い分けます。
      


  • Posted by セギ at 13:04Comments(0)英語

    2019年09月04日

    高校英語。分詞 その2。前置修飾と後置修飾。


    分詞の限定用法の話を続けます。
    現在分詞と過去分詞との使い分けは、前回お話しました。
    今回は、前置修飾と後置修飾の話です。

    限定用法とは名詞を修飾する用法です。
    名詞を修飾するには、前から修飾する場合と後ろから修飾する場合があります。
    それが前置修飾と後置修飾です。

    まずは、分詞以外の語句で確認してみます。

    Someone is in that old house.
    誰かが、あの古い家の中にいる。
    この old が形容詞で、house を修飾しています。

    Someone is in that burning house.
    誰かが、あの燃えている家の中にいる。
    この burning が現在分詞で、house を修飾しています。

    形容詞と分詞が全く同じ位置にあるのがわかると思います。
    これが、前置修飾です。

    次に後置修飾を確認します。

    The boy playing soccer is my brother.
    サッカーをしているその男の子は、私の弟です。
    playing soccer という語句が、boy を修飾しています。
    The boy in the park is my brother.
    公園にいるその男の子は、私の弟です。
    in the park という語句が、boy を修飾しています。

    形容詞句と分詞句が全く同じ位置にあるのがわかると思います。

    分詞だけが特別な位置にあるのではないのです。
    名詞を修飾する語句は、1語の単独で名詞を修飾するならば名詞の直前に置きます。
    2語以上の意味のまとまり(句と呼びます)となって名詞を修飾するときは、名詞の直後に置きます。
    それは、分詞でも他の形容詞句でも変わらないのですが、そもそも、他の形容詞句の正しい位置がわからないという人は、かなり苦労する様子です。
    The boy in the park is my brother.
    という上の文でも、乱文整序問題になるとこの語順にできず、
    The boy is my brother in the park .
    という文を作ってしまう人は多いと思います。
    英語を習い始めた最初の頃に何となく学び取った、「場所を表す語句は文の後ろのほうに」というルールにこだわり過ぎてバージョンアップできないと、そうなってしまいます。
    最初の頃に学習した英語で出てきていたのは形容詞句ではなく副詞句で、だから動詞や目的語など、SVOCを全部言い終えた後に述べていたものでした。
    副詞句というのは、名詞以外のものを修飾する語句です。
    具体的には、動詞、形容詞、副詞、文全体などを修飾するのが副詞。
    2語以上のまとまりならば、副詞句です。

    The boy is my brother in the park .
    という文だと、これは直前の brother を修飾している形容詞句となり、「その男の子は、公園にいる私の弟です」という意味になります。
    公園にいない別の弟がいるのか?
    いや、いつも公園にいるホームレス中学生なのか?
    と、さまざまな疑問が浮かぶ、不自然な文となります。

    英語がよくわからなくてモヤモヤしている人で、こういう説明が一度腑に落ちると、そこからグッと成績が向上していく人がいます。
    それまで、とにかく例文を丸暗記して、その英文の意味を覚えて、の繰り返しで、そうすることでそのうち何となく英語の仕組みがわかってくるだろうといった学習をさせられてきたけれど、それが肌に合わなかった人ほど、そうなります。
    英語が想像以上にロジカルで、全部理屈で成り立っているとわかったときに、今までの霧が晴れて、すっきりするらしいのです。
    全部理屈なら、その理屈を理解すれば、あとは単語・熟語を覚えるだけ。
    何をやれば良いか目標も明確になり、やればやるだけ成果も上がります。

    一方、丸暗記は苦手だが、理屈はもっと嫌いで、どんな説明も聞き流すタイプの子は、幾度説明を聞いても文法的説明は頭に残らない様子です。
    難しくて理解できないが理解したいというのであれば、いくらでも噛み砕いて何度でも説明するのですが、理解しても聞き流すというタイプの子のほうが多いように感じます。
    名詞・形容詞・副詞とはそれぞれ何なのか。
    それは根幹の理解につながることなのですが、そこに興味を抱けない。
    聞き流す。
    でも、英語は得意になりたいと漠然と思っている。
    そういう子にどのようなアプローチが有効なのか。
    難しい課題です。


    分詞の前置修飾と後置修飾に話を戻します。
    2語以上の意味のまとまりは、後ろから名詞を修飾。
    それはわかったけれど、どれが単独の分詞で、どれが2語以上の意味のまとまりなのか、わからない。
    そういう話もよく聞きます。
    わからないので、結局、全部後置修飾にする。
    英語が苦手な子の中には、そのようにして切り抜けている子も多いです。

    Look at that singing bird.
    これは、前置修飾。
    Look at the bird singing on the tree.
    これは、後置修飾。

    上の文は、bird という名詞を修飾している語は、that と singing の2つですが、それぞれ単独です。
    that bird ですし、 singing bird です。
    一方、下の文をそのように単語ごとにバラバラにすると、奇妙なことになります。
    siging bird で、 on bird で tree bird ?
    いや、そんなことはないでしょう。
    それじゃ意味がとれない。
    siging on the tree な bird 、です。
    意味のまとまりとは、バラバラにそれぞれで名詞を修飾しているわけではない、ということです。
    より詳しく説明するなら、on the tree は、まずsinging という分詞を修飾し、そこで分詞句となり、その丸ごとで bird を修飾しているのです。
    しかし、これを説明すると余計にわからなくなる人もいます。
    国語でも、修飾・被修飾が全く理解できず、ほとんどトラウマという人もいて、そういう人にこの説明を始めると途中で顔が曇るのでよくわかります。

    「木の上で歌っている鳥を見て」
    国語で、これを文節に分割すると、
    木の / 上で / 歌って / いる / 鳥を / 見て。
    となります。
    中1の初めに学ぶとき、文節は間に「~ね」をいれて区切ることができるところ、と曖昧な説明をするしかないのですが、厳密には、1つの文節には1つの自立語しか入らないというルールがあります。
    1つの文節は、1つの自立語のみか、1つの自立語+付属語で成り立っています。
    自立語・付属語、さらに品詞というものを学習するのが中2なので、中1ではこの説明をできないのがネックとなり、間に「~ね」を入れるという、わかるようなわからないような説明しかできず、「歌っている」を1文節とするか2文節とするか判断できないということも起こります。
    英語も日本語も、学習の初めは、説明してもわからないから説明できないことが多く、それが曖昧さを生むのです。
    ようやく説明できるようになったときに改めてきちんと説明されているはずですが、その時期にはもう文法に対して嫌悪や諦めが生じていて、まともに説明を聞いていない・・・。
    だから、ますます文法が理解できない。
    そういうことが起こりやすいです。

    それはともかく。
    木の / 上で / 歌って / いる / 鳥を / 見て。
    この修飾関係を見てみましょう。
    「木の」は「上で」にかかります。
    そして、「木の上で」という意味のまとまり(連文節または大文節)を作ります。
    「歌って」は「いる」にかかり、そして「歌っている」という意味のまとまりを作ります。
    さらに、「木の上で」は「歌っている」にかかります。
    そして、「木の上で歌っている」という意味のまとまりを作ります。
    その大きな意味のまとまりが「鳥を」という文節を修飾します。
    修飾語は、このようにどんどんまとまっていくのですが、そのことを理解し、その修飾関係を正確に図示できる子は、少ないです。
    国語の修飾・被修飾が上手く理解できないのだから、外国語の理解はさらに難しいかなあ・・・。
    しかし、英語の修飾関係のほうがルールがシンプルなので理解しやすく、その理解をもとに、国語の理解が深まっていくという見方もできます。
    比較することでわかりやすくなる、ということもありますし。
    日本語も、英語も、意味のまとまりになって修飾していくんだよー。
    というくらいの理解で次に進みましょうか。


    単独ならば、前置修飾。
    2語以上の意味のまとまりは、後置修飾。
    このわかりやすい文法ルールに対し、しかし、新たな波が到来しています。
    英語の本場、アメリカで、このルールが崩れ始めているというのです。

    例えば、
    My brother is that smoking man.
    という言い方はしない、というのです。
    「私の兄は、タバコを吸っているあの男性です」
    smoking は単独で man という名詞を修飾しているのだから、前置修飾で何が悪いの?
    文法的には正しいでしょう?
    そう思うのですが、なぜか、そのような表現だと「年柄年中タバコを吸っている人」という印象になるからダメだ、今、たまたまタバコを吸っているのだから、
    My brother is that man smoking.
    が正しい、という説が流布され始めました。

    うわー、黒船来航だ。
    whom は古い、もう使われていない、今は全部 who だ、という黒船。
    仮定法過去の be 動詞は、必ず were というのはもう古く、 was のほうが普通という黒船。
    英語を長年教えていますと、これまでにも度々黒船は来航してきましたが、今度のもかなり厄介な印象です。

    ネイティブの英語の使い方が変われば、それに応じて英語を学ぶ側も変えていかなければならないのは、それは仕方ないのです。
    しかし、whom のときにも感じたのですが、それは、日常会話としての英語が乱れてきている証拠では?
    言語感覚の雑な人が使う英語が過半数になったということだけなのでは?
    という印象もなくはないのです。

    私は、上のほうで、こう書きました。

    2語以上の意味のまとまりは、後ろから名詞を修飾。
    それはわかったけれど、どれが単独の分詞で、どれが2語以上の意味のまとまりなのか、わからない。
    そういう話もよく聞きます。
    わからないので、結局、全部後置修飾にする。
    英語が苦手な子の中には、そのようにして切り抜けている子も多いです。

    これは、日本人の中学生・高校生の話ですが、ネイティブも実はそうなのではないか?
    使い分けができないので、全部後置修飾にしているだけなのでは?

    これで連想するのは、日本語の「らぬき言葉」です。
    「見れる」「知れる」といったらぬき言葉を使う人が多くなったので、もうそれは許容範囲となりました。
    助動詞「れる」と「られる」の使い分けができない人が多くなり、そこから、「見られる」と「見れる」とでは意味が違うというニュアンスの後付けもされるようになり、やがて許容されていったという経緯がありました。
    英語も同じだと思います。

    言語は生き物。
    今、その言葉を使っている人の過半数がその用い方をするようになれば、それが正しい言葉です。
    だから、昔の用法にこだわることが正しいわけではありません。
    ただ、用心しなければならないのは、日本に伝わってくる、その「新しいアメリカ英語」が、本当に正しいのかどうかということ。
    らぬき言葉も許容されているというレベルの話ならば、「れる」と「られる」とは使い分けられたほうがいい。
    そこの見極めが難しいところです。

    先日、ぼんやりテレビを見ていましたら、こんな映像が流れました。
    「最近腹が立ったこと」といったエピソードを映像化したものでした。
    「出身、どこ?私、中野」
    「私、府中」
    「え?宇宙?」
    「違う。府中」
    「・・・何それ?どこにあるの?(笑)」

    ・・・いや、中野に住んでいて府中を知らないのは、本人が無知なだけです。
    それを勝ち誇ったように笑う。
    知識の幅の狭い人が、その狭い知見で上からものを言い、人をバカにしてかかる。
    そういうことが言語の世界でも起こることがあるので、用心が必要なのです。
    「アメリカじゃ、今はこれが正しいんだぜー」
    本当に?

    whom の件は、 who も許容範囲としつつ、やはり whom と who は正確に使い分ける英語教育が続いています。
    仮定法の件は、was も許容されていますが、were は、今も生きています。
    今回の件は、どんな結末になるでしょうか。



      


  • Posted by セギ at 13:18Comments(0)英語

    2019年08月29日

    高校英語。分詞 その1。現在分詞と過去分詞。


    分詞の学習。
    まずは中学の復習でもある、限定用法から。
    限定用法は、制限用法とも呼ばれ、中学時代は「分詞の形容詞的用法」と呼ばれていたものです。
    すなわち、名詞を修飾する用法です。

    ここで問題となるのは、用いる分詞は現在分詞か、過去分詞かという点。
    さらに、名詞の直前に置く前置修飾なのか、直後に置く後置修飾なのかという点。
    中学時代もそこがスッキリせず、結論として「分詞は嫌い」となってしまった人は多いのではないでしょうか。

    まずは基本を。
    分詞というのは、動詞が分詞化したものです。
    現在分詞は、動詞の原形に ing をつけたもの。
    見た目は動名詞と同じですが、使い方が違うので、現在分詞と動名詞は区別します。
    過去分詞は、中学時代から現在完了や受動態でおなじみの、あの過去分詞です。
    規則動詞は過去形と同じ形。
    不規則動詞は不規則に変化するので、1つずつ覚えます。
    中学時代に、不規則動詞を覚えなかった人は、今度こそちゃんと覚えましょう。
    毎日暗唱しているうちにだんだん慣れて、自然に使えるようになりますから。

    現在分詞と過去分詞との使い分けは。
    修飾される名詞がその分詞の示す動作を行う主体のときは現在分詞。
    動作される側のときは過去分詞を用います。

    問題、次の空所を埋めよ。
    (1) The girl (   ) a picture over ther is my sister.
    むこうで写真を撮っている女の子は、私の妹です。
    (2) The picture (   ) by my sister won the contest.
    私の妹が撮ったその写真が、コンテストで優勝した。

    (1)では、the girl が写真を撮っています。
    修飾される名詞がその動作をしているので、現在分詞を用います。
    The girl (taking) a picture over ther is my sister.

    (2)では、the picture は、撮られるもの、つまり動作される側です。
    修飾される名詞がその動作をされる場合、過去分詞を用います。
    The picture (taken) by my sister won the contest.

    文法的にとらえることをせず、日本語訳との1対1の対応にこだわる人は、これを、「~ている」のときは現在分詞、「~された」のときは過去分詞と覚えてしまいます。
    すると、以下のような問題で、正答できなくなります。

    The languages (  ) in Canada are English and French.
    カナダで話されている言語は、英語とフランス語です。

    あ、「話されている」は「~ている」だ。
    だから、現在分詞だ。
    The languages (speaking) in Canada are English and French.

    ・・・いいえ。これは間違いです。
    languages は、話されるもの。
    だから過去分詞を用います。
    The languages (spoken) in Canada are English and French.
    が正解です。

    和訳に頼って日本語と英語を無理に1対1対応にするのではなく、文法的に把握したほうが簡単で精度も高いのです。


    現在分詞と過去分詞の使い分け。
    中学生の間は、上の説明で全てですが、高校生になると、文法知識が少し増える分、さらに深い説明が可能です。
    上の話は、実は他動詞に限ってのことなのです。

    自動詞と他動詞。
    この区別がよくわからない人もいると思いますので、説明しましょう。

    自動詞と他動詞の話は、文法学習の最初のほうの「5文型」で学習していることなのですが、高校に入学した途端に文法ばかりゴリゴリ学習することの意味がよくわからないこともあって、気持ちの上で全く受け付けず、そこが曖昧に終わってしまう人は多いです。
    5文型と品詞の種類、そして自動詞・他動詞は、理解しておかないと、その後の文法学習に大きな禍根を残します。

    他動詞は、目的語をとる動詞。
    自動詞は、目的語をとらない動詞です。

    ですから、同じ動詞が、この文の中では自動詞、この文では他動詞、ということもあります。
    しかし、動詞によっては、常に自動詞であるもの、常に他動詞であるものもあります。
    例えば、discuss は常に他動詞です。
    後ろに目的語がきます。
    We discussed the poblem.  のように。
    こうした他動詞は、辞書を引いて日本語訳をよく見ると、「~を議論する」と、「~を」がついているのですが、そこまで細かく見ている人は少ないと思います。
    それどころか、「議論する」という覚え方すらせず、「議論」と、まるで名詞のように覚える人が多いのです。
    そうした人は英語が苦手な人の中に極めて多いのが実状です。
    「何で英文が読めるようにならないんだろう・・・」
    そういう相談をもちかけられることがありますが、そんな覚え方をしているのも一因でしょう。
    動詞なのに名詞のように覚える・・・。
    品詞に対する感覚が欠如しているのだと思いますが、その覚え方だと、discuss が動詞であるか名詞であるかすら記憶することができず、英文は全て名詞の羅列に見えて意味がとれず、自分で英文を作ることもできない、・・・と悪いことしか先に待っていません。
    必ず、動詞は動詞、名詞は名詞として覚える必要があります。
    さらに言えば、「~を議論する」のように「~を」つけて覚えておくと、それが他動詞の証拠となります。

    また、自動詞に「目的語のようなもの」をつけたいときには、間に前置詞が入ることを知っていると、それも自動詞と他動詞を明確に区別する基準となります。
    例えば「~に到着する」という言い方。
    I arrived at Tokyo yesterday.
    I got to Tokyo yesterday.
    I reached Tokyo yesterday.
    同じ「~に到着する」でも、arrive は、at または in が必要です。
    get は、to が必要。
    しかし、reach は、前置詞は必要ありません。
    前置詞がないほうが、他動詞です。

    自動詞ならば、後ろにつく前置詞こみで暗記しましょう。
    あるいは、幾度も幾度も音読や暗唱をすることで、自然にその前置詞が口をついて出るようにしておきましょう。
    教科書本文などの全文暗唱が、苦役のように見えて効果的なのは、こうした前置詞を繰り返し繰り返し暗唱する中で当たり前に使えるようになるからです。
    なお、こうした全文暗唱は、日本語訳を見ながらやるものです。
    歌詞やセリフを覚えるわけではありませんので、ただの丸暗記をする必要はありません。
    日本語を見て、文法・語法を考えながら正しい英語を復元する練習をすることが効果につながります。
    その話を幾度しても、単なる丸暗記、しかも前置詞を省略した丸暗記をしてくる子もいて、頭の痛いところではありますが。
    お経みたいな抑揚のある妙な丸暗記をしてくるが、前置詞や冠詞の大半が抜けている・・・。
    何のために何を覚えているのか、意味を考えたことがなく、言われたからやっているだけなのかもしれません。

    英語が苦手な人でも、
    I go to school at 8:00.
    のように、go の後には to がくることは覚えていると思います。
    なぜ、覚えているのでしょう?
    それは、その形の文を沢山練習したからです。
    沢山見たり聞いたり読んだり書いたりしたので、覚えているのです。
    discuss の後ろに前置詞がくるかどうかを覚えていないのは、その英文にまだあまり多く触れていないからです。
    沢山見たり聞いたり読んだり書いたりすれば、覚えます。
    あるいは、意識して、「discuss には、前置詞は不要」と覚えれば、覚えられます。
    覚え方は、そのように沢山練習して自然に覚えるか、意識して覚えるかの2択です。


    かなり話が逸れましたが、自動詞と他動詞の違いはご理解いただけたと思います。
    分詞の限定用法の話に戻りますと、上の文で扱った動詞は、実は全て他動詞でした。
    修飾される名詞と他動詞が分詞となったものとの関係で、現在分詞か過去分詞かを判断していました。
    自動詞となると、また別の観点が必要です。
    自動詞の場合、その動作が進行中であれば現在分詞、完了していれば過去分詞という使い分けとなります。

    (3) He picked up a (  ) leaf.
    彼は落ち葉を拾いあげた。
    (4) Some of the (  ) professors are still working as part-time teachers.
    退職した教授の中には、今も非常勤講師として働いている人もいる。

    leaf は落ちるものだから、現在分詞の falling でしょうか。
    ・・・いいえ、正解は、
    (3) He picked up a (fallen) leaf.
    落ちるという動作が既に完了しているのが落ち葉だからです。

    professors は退職しているのだから、retiring でしょうか。
    いいえ。
    (4) Some of the (retired) professors are still working as part-time teachers.
    が正解です。
    もう既に退職しているからです。

    こうした自動詞は、しかし数は少ないので、出てきたらその都度覚えるので大丈夫でしょう。

      


  • Posted by セギ at 10:48Comments(0)英語

    2019年08月22日

     高校英語。不定詞。too~to・・・構文など。


    不定詞を用いたさまざまな用法とその言い換え表現について今回は整理しましょう。

    問題 以下の文がほぼ同じ意味になるように空所を埋めよ。
    (1)This curry is so spicy that I can't eat it.
      This curry is (  ) spicy for me (  ) eat .
    (2)He was so kind that he carried my baggage.
    He was kind (  )(  ) carry my baggage.
    He was so kind (  )(  ) carry my baggage.
    He had the (  ) to carry my baggage.

    (1)は、so~that・・・構文とtoo~to・・・構文と呼ばれるもので、中学で学習する内容ですが、このあたりのことをあまり覚えていない人もいるかもしれません。
    教科書の1つのLessonまるごとで学習する文法事項として、独立した例文付きでしっかり解説されている場合は少なく、リーディング教材の中にサラッと出てくるので、あまり印象に残らないようなのです。
    現行の中学の教科書では、例えばサンシャインでは、『かわいそうなゾウ』の話が中3のリーディング教材になっていて、その中で出てきます。
    そのゾウはとても賢かったので、毒入りの餌を食べませんでした。
    といった文に用いられています。
    ・・・そこで、この構文を使う?
    ちょっと引いてしまいます。
    それはあまりにもセンシティブな内容なので、私は冷静に教えることができません。
    と、動揺のあまり少しふざけてしまいます。
    ちなみに、敗戦後、民主主義を学んだ子どもたちが、日本でもう一度ゾウを見たいと運動を起こした後日談のほうが私はさらに好きです。


    ともあれ、中学で学習した印象が薄いまま、高校の文法学習では、その2つの他にも似たような文がごちゃごちゃと出てくるので、何だか混乱して上手く空所を補充できない・・・。
    そんなことにならないよう、一度きちんと整理して理解すると、ここは容易に得点源になります。
    文法問題は、何を問われているのかわからないまま、何となく感覚や勘に頼って空所を埋めて勉強した気になってしまう人が多いです。
    英語が苦手な人にそういう人が本当に多いのです。
    それをやっている限りは文法問題はいつまでも得点源になりません。
    何の文法事項を問う、どういう問題であるか、出題意図を把握しながら解きましょう。

    もう一度問題を見直してみます。
    (1)This curry is so spicy that I can't eat it.
    so ~that ・・・は、「あまりに~なので、・・・・」と前から順番に意味を取っていけば良い文です。
    このカレーはあまりにも辛いので、私は食べることができない。
    やや硬い訳ですが、そういう意味です。
    正確な文法分析はまた別ですが、この that は、「だから」「なので」といった順接の働きをしているととらえると、わかりやすいです。
    それとほぼ同じ意味にするのですから、下の文は、
    This curry is (too) spicy for me (to) eat .
    となります。
    直訳は、「このカレーは私にとって食べるには辛すぎる」となります。
    その直訳でも別に構わないですが、この文もまた前から順番に意味をとって、「このカレーはあまりにも辛いので、私は食べることができない」と訳して良いのです。

    それがわかっていれば、この問題は簡単です。


    that は順接で「~だから」という意味と書いて、ふと思い出したのですが、先日、数学の授業中、ある高校生が、こんな話をしてくれました。
    中3のときに通っていた受験塾で、数学の証明問題の答案に「ゆえに」と書いたら、他の生徒にも講師の先生にも、何だそれと笑われたというのです。
    その子は、その受験塾に中3の1年間だけ通った子で、中3で入ってきていきなりトップクラスだったので、他の生徒にあまりよく思われていなかったのかもしれません。

    それにしても、証明問題に「ゆえに」を使っただけで古いと笑う高校受験塾・・・。
    無教養だなあ・・・。
    講師も本当に若い人か、学生アルバイトだったのかもしれません。
    若さというのは、とてつもないアドバンテージですが、そこに自信を持ち過ぎると、古いことを何でも否定してあざ笑う妙な言動になってしまいます。

    「ゆえに」という言い方を教えたのは私ではありません。
    その子は、数学に関する本や数学者の人生を描いた本を読むのが好きで、そこで覚えた言い回しのようです。
    つまり、受験のためだけに数学を勉強している子たちとは、数学的教養の質が違うのです。
    数学の口語とはかけ離れた言い回しをむしろ楽しんでいたのでしょう。
    それが、受験塾で笑われて、びっくりしてしまった・・・。
    高校に入って、数学的にちょっと不振が続いてうちの教室で数学を学習することになりましたが、基本を丁寧にやったらたちまち成績が上がりました。
    指導する側としては、ええと、私は何かしたかなあという印象で、むしろ手応えがありません。
    やはり、蓄積されていたもともとの素養が違うのでしょう。

    私も「ゆえに」は使うことがあります。
    え?
    「ゆえに」ってもう古いの?
    使わないの?
    とその話を聞いて驚き、現在発行されている数学の問題集の解答解説を色々とめくってみました。
    現在は、「よって」の使用頻度が最も高いですが、「ゆえに」も現役でした。
    「ゆえに」を笑った子たちは、高校進学後、学校の数学の問題集の解答解説に「ゆえに」を見つける度に、今も爆笑しているのでしょうか。
    おのれの不明を恥じるが良い。
    若さとは、そういう恥ずかしい側面もあります。
    それは可能性と表裏一体のものです。

    「よって」は良くて、「ゆえに」は古いという感覚は、私にはよくわかりません。
    どちらも書き言葉で、日常会話で使うことはまずありません。
    そもそも数学は、言葉遣いが古いとか新しいとか、そういう次元のことは問題にしていません。
    例えば、私立中学・高校では、古めかしい言葉遣いで教わったその学校の卒業生がまた次の数学の先生になって引き継いでいるからか、三角形の合同条件はいまだに「三辺相等」といった言い回しを用いることが多いです。
    さすがに古くないか?
    と私ですら思うこともありますが、内容が正しければ、古いとか新しいとかは、どうでも良いのです。
    その学校で学ぶ子たちの数学力が跳び抜けたものであるならば、その教え方で正解でしょう。

    21世紀のこの時代に、校内での挨拶が全て「ごきげんよう」である女子校も、まだいくつも存在します。
    自分の身の回りのことだけが常識だと思ってはいけない。
    全ての挨拶が「ごきげんよう」であることは、新しいとか古いとか、そういうことでないのです。
    そういうのは、上品というのですよ。

    数学の答案に使う言葉は、「よって」でも「ゆえに」でも、順接なら何でも良いです。
    「したがって」も多いですね。
    「だから」は、くだけた印象があるからか、模範答案で見ることはまだほとんどありませんが、使用しても大丈夫でしょう。
    「なので」を接続詞として単独で用いるのは、国語の答案ではアウトですが、数学なら、許容されるかもしれません。
    随分柔らかい言葉遣いの数学の答案だなあという印象はあるでしょうが。
    「~なので」と、付属語として使用するのは、もう普通のことですね。


    話が大幅に逸れました。
    (2)を解きましょう。

    (2)He was so kind that he carried my baggage.
    He was kind (  )(  ) carry my baggage.
    He was so kind (  )(  ) carry my baggage.
    He had the (  ) to carry my baggage.

    一番上の文は、so ~that ・・・構文ですが、that 節は、肯定文です。
    「あまりに~なので、・・・・」と、後半は肯定的な内容になっています。
    直訳は、「彼はあまりにも親切なので、私の鞄を運んでくれた」。
    ちょっと不自然ですね。
    「彼は、親切にも、私の鞄を運んでくれた」と訳したほうが自然でしょう。
    さて、that 節が肯定文の場合は、too ~to・・・構文に書き換えできません。
    too~to・・・構文は、否定語は一切使っていませんが、否定的な意味になっているからです。
    He was too kind to carry my baggage.
    としたら、「彼は、私の鞄を運ぶには親切過ぎる」という意味になってしまいます。
    じゃあ、結局、運んでくれなかったの?
    え?どういうこと?
    これでは、意味が通りませんね。
    so ~that・・・のthat節が肯定文のときは、enough to 構文に書き換えます。
    He was kind (enough)(to) carry my baggage.
    直訳は、「彼は私の鞄を運んでくれるほど十分に親切だった」となります。
    つまり、「彼は親切にも私の鞄を運んでくれた」のです。

    enough は副詞で、kind という形容詞を修飾しています。
    形容詞や副詞を修飾するとき、enough は、その形容詞や副詞の直後にきます。
    だから、kind enough という語順になります。
    これを覚えられない人も多いようです。
    enough は、形容詞として用いられることもあり、そのときは、enough money のように名詞の直前に置かれますから、それと混同しやすいのでしょう。
    名詞・形容詞・副詞といった文法用語に対して拒否感が強いと、こういう説明が一切頭に入らないので、ますます苦労するようです。
    文法用語を覚えることは苦役ではなく、自分の役に立つことなので、頭から否定しないで、ゆっくりでいいですから覚えましょう。

    so~that・・・構文から enough to 構文への書き換えは理解できたとして、その後の2つの文は何でしょう?
    こういうこまごまとした内容があるから、高校の英文法は厄介ですね。
    正解は、
    He was so kind (as)(to) carry my baggage.
    He had the (kindness) to carry my baggage.

    so as to ~は、in order to ~と同じく、「~するために」という意味で用いられます。
    しかし、これは、それと似ているけれどso~ as to ・・・という別の用法です。
    意味は「あまりに~なので・・・」。
    同じようなものばかりで、覚えきれない・・・。
    さすがに、このあたりになると、そうした愚痴にも耳を傾ける気持ちになりますが、何かこんなのがあったなあと記憶の隅に置いておけば、こうした穴埋め問題で、思いだして使うことができます。
    頑張りましょう。

      


  • Posted by セギ at 13:41Comments(0)英語

    2019年07月24日

    高校英語。不定詞の副詞的用法。


    不定詞には3用法があることは、中学2年で最初に不定詞を学習したときにまず習ったことと思います
    しかし、中学のときは、SVOCといった文の要素についての学習をあまりしないこともあって、急に3用法と言われても、文の構造からの把握よりも意味からの把握になりがちです。
    名詞的用法は、「~すること」と訳す不定詞。
    形容詞的用法は、「~する〇〇」「~するための〇〇」「~するべき〇〇」と訳して、名詞を修飾する不定詞。
    副詞的用法は、「~するために」と訳して、動作の目的を表す不定詞。

    意味に頼って判断する結果、「~するための〇〇」という形容詞的用法と、「~するために」という副詞的用法の区別がつかない子も出てきます。

    高校に入りますと、SVOCという文の要素からこれらの3用法を見直すので、もう少しわかりやすくなります。
    名詞は、文の中で、S、O、Cとなります。
    その役割を果たしているのが、名詞的用法の不定詞です。

    形容詞は、名詞を修飾します。
    文の中ではM(修飾語)です。
    文の中でCとなることもでき、不定詞についてもそのように分析している文法書もありますが、その話になると、では名詞的用法とどう識別するのかという難しい問題になります。
    それは大学入試にも高校の定期テストにも出題されるような問題ではないので、文法が好きで、そこを突き詰めたいという人以外は、あまり深追いしなくて良いと思います。
    名詞を修飾していれば、形容詞的用法。
    その把握で大丈夫です。

    副詞は、名詞以外を修飾します。
    具体的には、動詞、形容詞、副詞、そして文全体。
    文の中ではMです。
    それ以外にはなりません。
    名詞以外の語句を修飾するのが、副詞的用法の不定詞です。


    ところで、副詞的用法は、さらに6通りに分類されます。
    ①動作の目的。
    I went to the library to read books.
    私は本を読むために図書館に行った。
    中2で最初に学習する副詞的用法の不定詞です。
    to read books は、動詞 went を修飾しています。
    動詞を修飾するのは、副詞的用法です。
    副詞的用法は意味が多様なので、すぐにこの用法であるとわかるように、in order to ~、so as to ~という形を用いることもあります。

    ②感情の原因。
    I was surprised to hear the news.
    私はその知らせを聞いて驚いた。
    「驚いた」「喜んだ」「悲しんだ」といった感情が語られ、その後ろに不定詞がついている場合、それは感情の原因です。
    文の構造がそのように単純なので、これは比較的理解しやすいと思います。
    中3で学習している内容ですが、教科書のLesson丸ごとではなく、1ページ分だけ使われる文法事項として扱われることが多いので、あまり記憶に残らない人もいるようです。

    ③判断の根拠。
    He must be stupid to do such a thing.
    そんなことをするなんて、彼は愚かに違いない。
    「賢い」「親切だ」「無礼だ」「愚かだ」「頭がおかしい」といった人物評価を示す形容詞の後に続く不定詞は、そうした人物評価の根拠を示す不定詞です。
    これも文の構造は単純なので、覚えておきさえすれば大丈夫ですが、このあたりからは高校新出の文法事項ということもあり、何1つ覚えていない人もいます。
    一度にわっと色々な文法事項が出てきて覚えきれない。
    定期テスト前に一夜漬けで覚えただけなので、もう忘れてしまった。
    そういう人が多いのですが、高校1年で学習したことは、高校2年の英語表現では演習中に当たり前に使う知識ばかりです。
    いちいち学校の授業で復習したり整理してくれたりすることは、もうありません。
    一夜漬けをして覚えたらすぐ忘れていると、高校2年になって英語で行き詰まります。

    ④結果。
    He woke up to find that the window was broken.
    彼は目覚めて、窓が割れていることに気づいた。
    目覚めたその結果、窓が割れていることがわかった、という意味です。
    He lived to be eighty.
    彼は80歳まで生きた。
    彼は生きて、その結果、80歳になった、ということは、80歳まで生きたということです。

    She disappeared from the town , never to be seen again.
    彼女はその町から消えて、2度と姿を見られることはなかった。
    「never to ~」の用法として、結果の不定詞の中でも別に覚えておくと良いです。
    テストによく出ます。
    空所補充問題で、never のところが抜けている場合、この知識がなければ答えられません。
    「~してその結果2度と・・・なかった」という意味です。

    I run to the store only to find it closed.
    私はその店へと走ったが、閉まっているとわかっただけだった。
    「only to ~」の用法として、これも結果の不定詞の中でも別に覚えておきましょう。
    テストによく出ます。
    「~してその結果、ただ・・・しただけだった」という意味です。

    結果の不定詞は、前から順番に訳していくことになり、他の副詞的用法とは意味の順番が逆であることから強い違和感を抱き、毛嫌いして覚えない、という人もいます。
    このあたりをちゃんと身につけているかどうかで勉強しているかどうかを判断できるので、定期テストにはよく出ます。
    例によって、出るとわかりきっているのに勉強しない人が多いところです。

    ⑤形容詞を修飾する用法。
    This book is easy to read.
    この本は読みやすい。
    特に違和感のない用法だと思います。
    easy は形容詞で、形容詞を修飾するのは副詞なので、これは副詞的用法である、という程度のことです。

    ⑥仮定
    To hear him speak , you would take him for an American.
    彼が話すのを聞けば、あなたは彼をアメリカ人と思うだろう。

    高校で最初に「不定詞」を学習するときには、「仮定法」はまだ学習していないので、この用法は除外されていることも多いです。
    仮定法の中で、if 節を使わない仮定法として、この不定詞を学習します。

    副詞的用法には6つの意味がある。
    それを知っておき、整理しておくだけで、このあたりのことはかなりスッキリすると思います。

    分類し整理することは、知識を定着させるコツです。
    繰り返し見直して、頭に入れてください。

      


  • Posted by セギ at 23:44Comments(0)英語

    2019年07月14日

    高校英語。不定詞その4。原形不定詞。


    不定詞の学習。
    今回はこんな問題から。

    問題 (  )内の正しいものを選べ。
    (1) I heard you (1.play 2.to play 3.played) that song on the flute.
    (2) I saw her (1.to try 2.trying 3.tried) to remove a stain from the carpet.
    (3) I had him (1.translate 2.to translate 3.translating 4.translated) the letter.
    (4) He was made (1.do 2.to do 3.doing 4.done) it against his will.
    (5) He had his salary (1.raise 2.to raise 3.raising 4.raised) last month.

    この問題をざっと眺めて、「全て知覚動詞と使役動詞の文だ」とわかる人は、勉強している人です。
    そのことに気づくことができず、この問題がどういう問題なのかを把握できないまま勘で解いてしまうと、もうグチャグチャになってしまうのがこのあたりのところです。
    あるとき、生徒に、
    「この文の動詞は知覚動詞ですよね?」
    と問いかけたら、ポカンとしていたので、「知覚動詞」と板書すると、
    「ああ!」
    と声を上げたことがあります。
    「違うチカクをイメージしていました」
    と言うのです。
    その子は、「地殻動詞」だと思ったらしく、どういうことだろうと悩んでしまったらしいのです。

    その子はそのとき高3で、知覚動詞を初めて習ったわけでもなかったのですが、「チカクドウシ」と言われても正しく漢字変換できないほど、この動詞のことが意識にありませんでした。
    それでは、この問題がどういう文法問題であるかを把握するのは難しいと思います。

    文法用語は、別に覚えなくても大丈夫なものも多いですが、覚えておけば容易にカテゴライズできるのでむしろ楽なものも多いのです。
    知覚動詞と使役動詞は、その中でも、覚えておくととても楽になる知識です。
    そのグループはこう対処すれば良い、というしっかりとしたルールがあります。

    知覚動詞は、一般動詞の中で、五感を使った動詞を指します。
    see , hear , feel , notice , taste , smell などがそうです。
    これらを動詞として使った文の中で、SVCは特に問題ないと思います。
    You look happy.
    楽しそうだね。
    など、中学2年で学習する内容です。

    (1)は、SVOCで、Vが知覚動詞の文です。
    このとき、Cには原形不定詞を用いるというルールがあります。
    例えば、
    I heard someone shout in the distance.
    私は、誰かが遠くで叫ぶのを聞いた。
    この shout がC(補語)で、原形不定詞です。

    原形不定詞は、動詞の原形と同じ形をしています。
    to 不定詞の to のないものです。
    じゃあ、それは動詞なんじゃないの?
    そのような疑問を抱かれることもあるかと思いますが、動詞はC(補語)にはなりません。
    その文の中でV(述語動詞)の働きをしているものを動詞と呼びます。
    一方、Cになるのは、形容詞か名詞、またはその働きをする語句です。
    だから、この文の shout はVでないのです。
    Vでないものは、動詞ではありません。
    そのような文法的な分析から、このshout は原形不定詞とされます。

    こういうことを「意味がわからない。どうでもいい」と思うか「面白い。うふふ」と思うかが、文法好きかどうかの違いかもしれません。
    興味がなかったら、「原形不定詞というのは、要するに動詞の原形のことだな」と思っても、別に構いません。
    要は正しく使えるかどうかです。
    この観点から、上の問題の(1)を見てみましょう。

    (1) I heard you (1.play 2.to play 3.played) that song on the flute.

    知覚動詞を用いた、SVOCの文です。
    正解は、原形不定詞の 1.play です。

    ところで、この問題、4択ではなく3択問題になっています。
    なぜか、playing という選択肢が外されている。
    どうしてでしょう?

    実は、playing でも、正解となってしまうので、あえて除外してあるのです。
    I heard you play that song on the flute.
    I heard you playing that song on the flute.
    このどちらも正しい英語です。
    上の文は、「私はあなたがあの曲をフルートで演奏するのを聞いた」という意味。
    下の文は、「私はあなたがあの曲をフルートで演奏しているのを聞いた」という意味。
    え?どう違うの?

    Cに原形不定詞を用いた場合は、動作の一部始終を知覚したことを表します。
    上の文では、あなたがあの曲を演奏し始めてから演奏し終わるまで、一曲全部聞いたことを表します。
    Cに現在分詞を用いた場合は、一瞬だけ知覚したことを表します。
    上の文では、通りかかったときに、あなたがあの曲を演奏しているのをちょっと聞いたことを表します。

    この知識があると、(2)の問題も簡単ですね。

    (2) I saw her (1.to try 2.trying 3.tried) to remove a stain from the carpet.

    正解は、現在分詞の 2.trying です。
    I saw her trying to remove a stain from the carpet.
    私は、彼女がカーペットの染みを取ろうとしているのを見た。

    こういう文を見たときに、
    「あれ?trying to~という言い方はないんじゃないの?」
    という謎ルールを持ち出し、そんなルールはないですよと説明しても納得しない高校生もいます。
    try という動詞は、to 不定詞と動名詞の両方をとりますが、意味が異なります。
    try+to 不定詞は、「~しようとする」。
    try+動名詞は、「試しに~してみる」。
    不定詞と動名詞の使い分けのところでも説明しました。
    その知識と混線して、「trying to~という言い方はない」という謎ルールになってしまうようです。
    try という単語自体は、文の中の働きによって、to try にも trying にもなります。
    to try to~もあれば、trying to~もあります。
    to try~ing もあれば、trying ~ing もあります。
    try の後ろがどうなるかで意味が変わるという文法事項なのですが、その前後関係を混線してしまう様子です。
    「とうもろこし」が「トウモコロシ」になってしまう音韻転変と似たようなことが、その子の頭の中で起きているのだろうと想像されます。

    英語初学者が自らの頭の中で作りだす「謎ルール」は他にも色々あります。
    ~ing は連続して使ってはいけないとか。
    to は1つの文の中で2回使ってはいけないとか。
    そんなルールはありません。
    中2で不定詞を学習した最初の頃、「to+動詞の原形」ということがどうしても理解できず、「動詞+to」 を不定詞と思いこんでしまう子もいます。
    want to~、like to~、という覚え方も良くないのでしょうが、それだけでもないようです。
    副詞的用法や形容詞的用法になっても、語順の混乱がなくなりません。
    中1の頃によく見るgo to school などの動詞と to との位置関係から脱却できず、to は動詞の後ろにくるものという思い込みが強くて、不定詞を含む乱文整序問題ではほとんど正答できない子もいます。
    文法が嫌いなわりに「謎ルール」を自ら作り出す子は多いです。
    人はルールを見出さずにいられないのかもしれません。
    ならば、正しいルールを見出したいですね。


    (3) I had him (1.translate 2.to translate 3.translating 4.translated) the letter.

    この文の動詞 have は使役動詞です。
    使役動詞は3つしかないので、それを覚えるだけです。
    make は、主語が、目下の人を使役して「~させる」という意味です。
    have は、主語が、対等または目上の人に「~してもらう」という意味です。
    let は、主語が、目下の人がやりたがっていることを「~させてやる。~することを許す」という意味です。
    使い分けも明瞭ですね。

    使役動詞もSVOCの文のVになり、このときのCは原形不定詞となります。
    したがって、(3)の答えは、1.translate です。
    文の意味は、「私は彼にその手紙を翻訳してもらった」となります。
    使役動詞は、Cに現在分詞をとることはありません。


    (4) He was made (1.do 2.to do 3.doing 4.done) it against his will.

    あ、これも使役動詞だ。
    じゃあ、答えは原形不定詞かな?
    ところが、そうではないのです。
    上の文は、よく見ると受動態の文ですね。
    使役動詞 make は、上のように受動態を作ることができる動詞です。
    他の使役動詞には、このような受動態はありません。
    そして、使役動詞 make の受動態は、能動態で原形不定詞だったところがto 不定詞になるというルールがあります。
    したがって、正解は、2.to do です。
    He was made to do it against his will.
    「彼は、意志に反してそれをやらされた」という意味になります。

    使役動詞 make の他に、知覚動詞もこのような受動態を作ることができます。
    The man was seen to go into the house.
    「その男は、その家に入るのを見られた」という意味です。

    受動態のときは to 不定詞。
    例によって、些末な文法事項として無視する人が多いですが、テストに出やすいのはこういうところです。
    見るからにテストに出そう。
    テストに出るとわかりきっている。
    そういうところを無視せず、丁寧に学習しましょう。

    make の受動態の作り方はわかったけれど、他の使役動詞はどうやって受動態を作ったら良いのでしょうか?
    let の場合は、そのままでは受動態は作れませんので、同じ意味の別の動詞に変えます。
    使役動詞ではないけれど、意味は使役動詞に近い動詞があるのです。
    let に意味が近いのは、allow 。
    それを利用します。
    例えば、let を用いた能動態の文は、
    My mother let me go abroad.
    allow を用いると、
    My mother allowed me to go abroad.
    使役動詞ではないので、SVOCのCは to 不定詞をとります。
    これを受動態にすると、
    I was allowed to go abroad by my mother.

    使役動詞 have の場合はどうしましょうか?
    ここで(3)の文を振り返ってみましょう。
    (3) I had him translate the letter.

    この文の本来のOである him を主語に変えた受動態の文を作ることはできません。
    日本語でも、そのような意味あいの受け身の文を作ることはできないですね。
    「彼は私のためにその手紙を翻訳してくれた」
    それは、能動態の文です。
    しかし、Oを the letter に変えた文なら、作ることができます。
    I had the letter translated by him.
    私は彼にその手紙を翻訳してもらった。
    これも使役動詞 have を用いたSVOCの文ですが、Cは原形不定詞ではなく、過去分詞となります。
    OとCの関係から、Cが過去分詞になる例は、他の動詞でもありますね。
    we found the road blocked by heavy snow.
    [道路は大雪でふさがれていた」
    知覚動詞でも、この構造の文は作れます。
    She heard her name called from behind.
    「彼女は背後から自分の名前が呼ばれるのを聞いた」
    OがCされる関係のときは、Cは過去分詞を用います。
    これが、(5)の問題です。

    (5) He had his salary (1.raise 2.to raise 3.raising 4.raised) last month.

    答えは、4.raised です。
    給料は上げられるものだからです。
    「彼は、先月給料を上げてもらった」という意味です。

    このhave は、「受け身・被害のhave」と呼ばれるもので、意味内容によって、主語にとって良い意味のこともあれば被害のこともあります。
    I had my bag stolen.
    という文のときに「私はカバンを盗んでもらった」とは訳しません。
    これは被害だから「私はカバンを盗まれた」と訳します。
    しかし、(5)の文を「彼は給料を上げられた」とは訳しません。
    給料を上げられたことが不満であるかのようなニュアンスになってしまうからです。
    けれどそれは日本語の都合で、英語としては、OとCとの関係からCが過去分詞になっているだけです。

    さて、ここまでのところをまとめると。
    知覚動詞のSVOCの文のCは、原形不定詞・現在分詞・過去分詞のどれかになる。
    OとCとの関係から選択する。
    ただし、受動態の文の場合は、to 不定詞・現在分詞のどちらかになる。

    使役動詞のSVOCの文のCは、make , let の場合は原形不定詞。
    ただし、make の文の受動態は to 不定詞になる。
    have の場合は、原形不定詞・過去分詞のどちらかになる。
    OとCとの関係から選択する。

    多少複雑ですが、テストに非常に出やすいところですので、しっかり身につけておくと得点源になります。
    範囲は無限と感じられる熟語問題よりは、分析可能なこうした問題のほうがはるかに易しいです。
    センター試験にも、英検にも、TOEICにも、必ず出題されています。

      


  • Posted by セギ at 14:55Comments(0)英語

    2019年07月03日

    高校英語。不定詞その3。完了形の不定詞とseemなど。


    さて、今回は、こんな問題から。

    問題 以下の2文がほぼ同じ意味となるよう、空所を埋めよ。
    It seems that he was ill.
    He seems (  )(  )(  ) ill.

    こういう問題を目にしたとき、問題文には不定詞が全く出てこないこともあって、不定詞の文法問題であることすら気づかないということがあります。
    テスト範囲が限定されていない模試や入試では、不定詞という発想すら湧いてこないので解けない人がいます。

    学校の文法テキストの問題だけ繰り返し解いていても、何が典型題なのか気づかないということがあると思います。
    他の文法問題集もあわせて解くことで、
    「あれ、この問題、学校のテキストでも見た」
    「同じような問題を以前も解いた」
    という感覚が養われていきます。
    単語も何もかも同じ問題である場合、たまたまどこかの大学の過去問が別の問題集でも採用されているだけということもありますが、単語は違うものが使われ、文意は異なるのに、構造が同じ問題が他の問題集にも載っていることは多いです。
    結局、それが英文法の典型題です。
    典型題を把握すると、文法問題は何が出題されるのか大体わかるようになりますので、安心して解いていくことができるようになります。
    そのためにも、感覚で解くのをやめて、文法的にこれはどういう問題なのかを分析して解いていくことが大切です。

    さて、それでは上の問題は、文法的にはどういう問題なのでしょう。
    そもそも、空所がないほうの文は、どういう文なのでしょうか。

    これは、「It seems that ~.の文」として理解するのが一番簡単です。
    この it は、特に何かを意味するものではありません。
    seem の他、appear , look , happen などの動詞の主語として用いられます。
    It seems that ~.で「~のようだ。~らしい」という意味になります。

    It seems that he was ill.
    彼は病気だったようだ。
    過去に病気だったように現在見えるということです。
    病み上がりのように見えるのでしょう。
    顔色がまだ悪いとか、入院していたという話を聞いたとか、何かそういう情報があるのだと思います。
    とはいえ、現在病気であるように見えるということではなく、過去に病気だったように現在見えるのです。

    これを、he を主語に変えたのが、空所のあるほうの文です。
    まず、最も単純に書き換えてみると。
    He seems that he was ill.
    意味内容が伝わらないことはないと思いますが、he が2回も使われていて、何だか不自然ですね。
    he は一度でいいでしょう。

    He seems that was ill.
    これでいいでしょうか?
    いいえ、このように that 節の主語を省略することは、英語では認められていません。
    これは間違いです。
    that が接続詞なのか従属節の主語なのか見分けがつかないですし。
    えー、じゃあどうしよう?

    ここで登場するのが、to 不定詞です。
    to 不定詞は、that 節の代わりをすることができるのです。
    文の主語が不定詞の意味上の主語と一致する場合、主語を明示しなくても済むのも、この場合大変都合の良いことです。

    それでは、答えは、
    He seems (to)(be)(  ) ill.

    ・・・あれ?
    (  )が1つ余る・・・。
    何が違うのだろう?

    ここで時制について考えましょう。
    It seems that he was ill.
    という空所のないほうの文は、文全体の動詞 seems は現在形ですが、that 節の動詞 was は過去形です。
    時制がズレているのです。
    「時制の一致」という言葉を聞いたことがあると思いますが、それは主節が過去形のときに that 節もその時制にあわせていくことを指します。
    一方、主節の時制が現在で that 節の時制が過去なのはよくあることで、何も問題ありません。
    「~のように見える」のは現在だけれど、彼が病気だったのは過去のことです。
    だから、日本語では「彼は病気だったようだ」となります。

    しかし、上の答案では、
    He seems to be ill.
    不定詞の時制は、このままでは文全体の動詞の時制と一致してしまいます。
    彼は、現在病気であるように、現在見えるという意味になります。
    「彼は病気のようだ」と訳すことになってしまいます。

    不定詞の時制は、このままでは文全体の動詞の時制と一致してしまう・・・。
    では、時制をズラす方法はないのでしょうか?

    そこで登場するのが、完了形の不定詞です。
    形は、「to have +過去分詞」。
    助動詞のところでも出てきましたが、「have+過去分詞」という現在完了の形を使うことで時制を1つ古くするのは、英語の基本ルールです。
    またこのルールだと気づくことで、英語全体の構造も見えてきます。

    したがって正解は、
    He seems (to)(have)(been) ill.
    となります。

    「to have +過去分詞」の完了形の不定詞は、単に「不定詞の過去形」というわけではありません。
    絶対的に過去のことを表すわけではないのです。
    これは相対的なことで、文全体の動詞の時制よりも1つ古い時制になるのです。
    主節が現在形なら、「to have +過去分詞」は過去を表します。
    主節が過去形なら、「to have +過去分詞」は、過去よりもさらに過去の大過去を表します。

    整理しますと、主節と that の両方が現在ならば、
    It seems that he is ill.
    =He seems to be ill.
    彼は病気のようだ。
    現在病気であるように現在見えるのです。

    主節が現在で、that 節が過去ならば、
    It seems that he was ill.
    =He seems to have been ill.
    彼は病気だったようだ。
    過去に病気だったように現在見えるのです。

    主節が過去で that 節も過去なのは、時制の一致で、時間的なズレはありません。
    It seemed that he was ill.
    =He seemed to be ill.
    彼は病気のようだった。
    過去のそのときに彼は病気であるように、そのときに見えたのです。
    そのときに具合が悪そうに見えたのでしょう。
    あるいは、そういう話をそのときに聞いたのかもしれません。

    主節が過去で、that 節が過去完了の場合は、時がズレています。
    It seemed that he had been ill.
    =He seemed to have been ill.
    彼は病気だったようだった。
    「~のように見えた」のは過去で、彼が病気だったのは、さらにその前の大過去となります。
    見えたときの段階では彼は病み上がりで、もう回復していたのでしょう。
    大過去に病気だったように、過去のそのとき見えたのです。

    こういうことを「英語はスッキリしているなあ」ととらえる人は文法好きな人。
    「ごちゃごちゃしていてよくわからない」と思う人は、あまり文法が好きではない人。
    大雑把にはそのように言えるかもしれません。
    文法好きにとっては、どこがごちゃごちゃしているんだろう、こんなに機械的ならむしろありがたい、と感じるところです。
    それぞれの訳を見たらわかりますが、日本語だって同じ程度には機械的で、同じ程度にはごちゃごちゃしています。

    「訳し分けがわからない」
    という人もいますが、それは、むしろ日本語能力の問題が大きいと思います。
    「彼は病気だったようだった」
    と聞いて、そのように見えたのは過去で、病気だったのはそれより古い過去と把握できるかどうか。
    日本語のネイティブでもそれを瞬間で判断するのは難しいということはあると思います。
    ただ、訳しなさい、という問題は減少傾向にあり、今後はさらに減っていくと予想されますので、そんなに心配する必要はありません。
    英語として時がズレているか一致しているかを正確に把握することに集中しましょう。
    むしろ日本語よりも英語のほうが時制の把握は楽かもしれません。


    以前も書いたことがありますが、中学生で英語の過去形や未来の文が全くわからないという子を教えたことがありました。
    練習しても、確かに、使い分けの基準が全くわかっていない様子が見られました。
    「ほら、この文は、yesterday と書いてあるから過去形でしょう?」
    と説明しても、
    「yesterday と書いてあったら過去形なの?」
    と訊き返してくるのでした。
    うん?
    これは変だな、と感じました。
    「日本語でも、『行く』が『行った』になるじゃない?過去形という言い方はしないけれど、過去の助動詞を使うと、文は過去の意味になるよね」
    「え?何それ?」
    「・・・」

    そこで、日本語の過去・現在・未来の文を並べて板書しました。

    現在の文ならば、
    「私は毎週金曜日に塾に行く」
    過去の文ならば、
    「私は昨日塾に行った」
    未来の文ならば、
    「私は明日塾に行くだろう」

    日本語も文末が変っているでしょう?
    日本語にも過去形や現在形、未来形があるんですよ。
    そのように説明すると、その子は、驚愕していました。

    日本語に過去・現在・未来の区別があることに気づいていなかったのです。
    英語だけが、過去だ未来だとこだわるから変だ、英語は変だ、よくわからない、とずっと思っていたようなのです。

    日本語の文法なんて勉強する意味あるの?
    話せるから別に平気じゃん。

    そのように言う人がいますが、日本語に時制があることすら勉強しないと気づかない場合もあります。
    日本語があまりにも自明のものとなっていて、日本語にルールがあることすら気づいていない。
    特に、日本語の助動詞・助詞の学習は、今の子どもには必須のことと感じます。

    日本語にも時制があることに気づいてから、その子は英語への抵抗が少しずつなくなっていき、普通に英語の出来る子へと成長していきました。

      


  • Posted by セギ at 13:49Comments(0)英語

    2019年06月29日

    高校英語。不定詞その2。動名詞と不定詞の両方をとる動詞。


    不定詞と動名詞の使い分け。
    今回はこんな問題から。

    問題 ( )内の正しいものを選べ。
    (1) Don't forget (1. to post 2.posting ) this letter on yuor way to school.
    (2) I remember (1.to see 2.seeeing ) him when he was a little boy.
    (3) I tried (1.to talk 2.talking ) to her, but I couldn't.
    (4) My bike needs (1.to repair 2.repairing).

    これも、よく勉強している人なら中学生でも正答できると思います。
    不定詞のみを目的語にとる動詞と、動名詞のみを目的語にとる動詞があることを前回確認しました。
    それ以外は、不定詞と動名詞と両方を目的語にとる動詞です。
    とはいえ、動詞によって不定詞と動名詞とどちらかが好まれたりしますが、そういう曖昧なものは入試問題に出されることはほとんどありません。
    試験に出るのは、使い分けが明瞭な場合です。
    つまり、どちらを目的語にとるかによって意味が明確に変わるものがあるのです。

    それは、前回まとめた、不定詞と動名詞の基本的な意味の違いに由来します。
    不定詞は、時間的に未来を指向し、動名詞は、時間的に中立であるか過去を指向する。
    この観点で見分ければ、上の(1)~(3)は正解できます。

    (1)の forget は、「忘れる」という意味の動詞です。
    forget +to 不定詞で、「これから~することを忘れる」という意味になります。
    forget +動名詞は、「過去に~したことを忘れる」という意味です。
    だから、全体の文意を把握して、どちらが適切かを判断します。
    (1)は、「この手紙を学校に行く途中で、忘れずに投函して」という意味でしょう。
    投函するのは、未来のこと。
    だから、答えは 1.to post です。

    (2)のremember は「覚えている」という意味の動詞です。
    remember+to 不定詞 で、「これから~することを覚えている」。
    remember+動名詞 で、「過去に~したことを覚えている」。
    (2)の文は、「私は、彼が子どもだったときに会ったのを覚えている」という内容です。
    会ったのは過去のことですから、答えは 2.seeing です。

    (3) の try は、「挑戦する」という、何だか立派な訳で覚えている人もいるのですが、もう少し気軽な訳を知っておいたほうが使い回しが効きます。
    try+to 不定詞 で、「~しようとする」。
    try+動名詞で、「試しに~する」。
    未来と過去というよりも、実現されたのか、されなかったのか、としたほうがわかりやすいでしょうか。
    不定詞のほうは、~しようとするだけで、実現しない可能性があります。
    未来のことは不定なのです。
    いえ、だから不定詞というわけではないですが、それでこじつけると覚えやすいですね。
    動名詞のほうは、実際にやっています。
    過去は常に事実です。
    (3) の文は、「私は彼女に話しかけようとしたが、できなかった」という意味です。
    できなかったのですから、事実としては話しかけていません。
    しようとしただけです。
    だから、答えは、1. to talk です。

    ここまでは、1つの観点で判断できましたが、(4) はちょっと傾向が異なります。
    これは、前回述べた不定詞と動名詞の使い分けの原則の3つ目に由来します。
    すなわち、不定詞の意味上の主語は明記しない限りはその文の主語と一致するが、動名詞の意味上の主語は必ずしも文の主語と一致しないのです。
    この観点から、もう一度(4) の英文を見てみましょう。

    (4) My bike needs (1.to repair 2.repairing).

    主語は「私の自転車」です。
    私の自転車は、repair 「修理する」という動作を行うでしょうか?
    自転車が使われていない間に自らを修理する・・・。
    うーん、便利で未来的。
    ・・・しかし、そんな自転車はまだ開発されていません。
    自転車は、修理するのではなく、修理されるものです。
    ですから、この文の主語が自転車である限り、不定詞はこのままでは用いることができません。
    答えは、2. repairing となります。
    この文は、「この自転車は修理が必要だ」という意味です。
    もしも不定詞を用いるのならば、不定詞の受動態を使います。
    My bike needs to be repaired.
    私の自転車は、修理される必要がある。
    これなら意味が通ります。


    今回は、to不定詞と動名詞の使い分けにしぼっていますが、実際の問題は、4択問題が普通です。
    to 不定詞、動名詞(または現在分詞)、原形不定詞、過去分詞。
    この4択の使い分け問題が、センター試験の定番です。
    英検やTOEICでも必ず出題される問題です。

    出るとわかりきっているのに苦手とする人が多いのは、勘で解いてしまっているからです。
    使い分けの根拠は文法です。
    英語ネイティブではない日本人は、これを感覚で解くことはできません。
    「こんな英語は見た覚えがない」
    と、狭い知見で判断する人は、上の(4)は正答できないと思います。
    need to という言い方のほうをむしろ沢山見たことがあると感じるでしょう。
    しかし、それは、主語が人間のときです。
    need ~ing の用法をまだ学習していなかったから知らないだけなのです。
    自分はまだ英語を学び始めたところで、知らない用法が沢山あるから、感覚で英語を解くのは無理。
    そのことを自覚して、1つ1つ確実に知識を身につけていけば、このような文法問題は、むしろ得点源になります。
      


  • Posted by セギ at 12:53Comments(0)英語

    2019年06月20日

    高校英語。不定詞その1。動名詞との使い分け。


    今回は高校レベルの不定詞。
    まずはこんな問題から。

    問題 ( )内の正しい語句を選べ。
    (1) I have enjoyed (1.to talk  2.talking ) to you.
    (2) Have you finished (1.to write 2.writing) the letter ?
    (3) Would you mind (1.to shut 2.shutting) the door ?

    これは易しい。
    よく勉強している子なら、中学生でも正答できます。
    これは、動名詞と不定詞の使い分けに関する問題です。

    動名詞は、動詞に~ing をつけて動詞を名詞化したもの。
    「~すること」という意味です。
    不定詞にも、名詞的用法があります。
    「~すること」という意味です。

    意味が重なるので、用法も重なり、どちらを用いても良い場合も多いです。
    しかし、使い分けもあります。
    どのように使い分けるか?
    それにはまず、不定詞と動名詞が持つ本来の意味を把握しておくと区別しやすくなります。

    ①不定詞は時間的に未来を指向するが、動名詞は時間的に中立または過去を指向する。
    She promised to come to the party.
    彼女はそのパーティーに来ると約束した。
    時間的に未来とは、現在から見て未来という意味ではなく、その文の動詞の時制において未来であるということです。
    上の文で、promise すなわち約束したときよりも、パーティーに来ることは未来のこと。
    だから、不定詞が用いられます。
    一方、
    I have enjoyed talking to you.
    あなたと話して楽しかったです。
    enjoy したときと talk したときは同時です。
    あるいは、
    Most men enjoy watching soccer games.
    たいていの男性はサッカーの試合を見るのが好きだ。
    この場合は、watching するのは時間的に過去か未来かは問題ではなく、中立です。
    だから、動名詞が用いられます。
    Have you finished writing the letter ?
    finish したときから見て、write したのは過去のことです。
    だから、動名詞が用いられます。

    ②不定詞だけを目的語にとる動詞は、動作の実現に対して積極的な意味あいがあるが、動名詞のみを目的語にとる動詞には、動作の実現に対して消極的な意味合いがある。
    動作の実現に対して積極的な意味あいがある動詞とは、要求・希望・意図・決心・賛成・援助・約束などの意味をもつ動詞です。
    He claimed to be the owner of the land.
    彼は自分がその土地の持ち主であると主張した。
    「クレーム」なんて否定的だ、とは言わないでください。
    主張することは、自分が地主であることに対して積極的な行動です。
    一方、
    Let's avoid wasting time.
    時間の浪費は避けよう。
    何か文の意味が積極的なんだけど・・・、とは言わないでください。
    時間を浪費するということに対して、「避ける」のだから、消極的です。
    Would you mind shutting the door ?
    ドアを閉めていただけませんか。
    mind の本来の意味は、「気にする・気にさわる」です。
    上の英文の直訳は?
    「あなたは、ドアを閉めることが気にさわりますか」となります。
    動作の実現に対して消極的意味あいの動詞ですから、後ろは動名詞がきます。

    ➂不定詞の意味上の主語は、明示されていない場合は文の主語と一致するが、動名詞の意味上の主語は必ずしも文の主語とは一致しない。
    She began to smoke.
    この場合、喫煙するのは彼女です。
    She doesn't allow smoking in her room.
    彼女は、自分の部屋で喫煙するのを許さない。
    これは、彼女が吸うことだけでなく、他の人が吸うことも許していません。

    この3つを全て満たす必要はなく、どれか1つ当てはまればそれで使い分けます。
    しかし、そんなことをいちいち判断するのは面倒でもあります。
    そこで、動名詞のみを目的語にとる動詞を覚えてしまえば、上のような問題に対する対策は万全となります。

    動名詞のみを目的語にとる主な動詞は以下の通りです。
    admit , advise , appreciate , avoid , concider , delay , deny , enjoy , escape , finish , imagine , mind , miss , permit , postpone , practice , prohibit , quit , recall , recollect , recomend , resisit , risk , stop , understand , give up , leave of , put off

    ・・・多過ぎる・・・。
    これらの動詞の最初の1文字をつなげて、メガフェプスダイリキなどと覚えたりします。
    昔は、メガフェプスで終わっていたのですが、入試にそれ以外の動詞を狙って出題する大学もあり、以後それが加わり、どんどん長くなっています。
    なお、これらは、後ろに不定詞はこないというだけで、that 節はくるものが多いということも理解しておいてください。

      


  • Posted by セギ at 11:24Comments(0)英語

    2019年06月12日

    高校英語。助動詞 may と慣用表現。



    今回は、助動詞 may とその慣用表現を確認しましょう。
    may と言われて思いつくのは、
    May I help you ?

    「May I help you ? と、Can I help you ? はどう違うの?」
    といった質問をする子は、英語がそんなに得意ではない子に案外多いです。

    本気で訊いているのかな?
    そういう質問を受けた場合、こちらがまず考えるのはそういうことです。
    個別指導の場合、その場で思いついた質問を何でも口にする子がいます。
    本人が本当に疑問を抱き、その疑問が解けないことが英語学習の妨げになっているのならこちらも本気になりますが、どうもそんな印象ではないのです。
    何でも思いついたことを質問し、答えは全て聞き流す。
    そういう不可解な質問の仕方をする生徒もいます。
    「個別指導なんだから、どんどんセンセイに質問しなさいよ」
    と保護者の方に言われている可能性もあります。

    質問するのは良いことなのですが、それは、目の前にある解かねばならない問題に関連して、その問題を解く妨げとなっていることについて質問したほうが学習効果が上がります。
    違いを明瞭に意識しなれければならないことなら、学校でも説明されているはずですし、質問を受ける前に私から説明しています。
    誰からも説明されないことは、あまり気にしなくて良いこと。
    そういう把握ができると、初期の英語学習は楽だと思います。

    しかし、質問を拒絶されるのは結構傷つくことです。
    誰しも、
    「うん。いい質問ですね」
    と言われたい。
    「それは無意味な質問だな」
    と質問内容を否定されたくはないと思います。

    だから、私のわかる範囲で質問には答えます。
    may というのは、話者が与える許可で、can は周囲の事情が許す許可というのが、基本の意味です。
    だから、May I help you ? のほうは、相手の許可を問うという意味で、相手への敬意はより強いと考えられます。
    そういう意味で、多少堅苦しい表現でもあるので、口語では、Can I help you ? のほうが好まれます。
    とはいえ、May I help you ? という表現のほうを好む人はネイティブにもなおいるので、一概に言い切れるものでもありません。

    もともと英語がそんなに得意ではない中学生にそんな解説をすると、途中で目が曇り、眠りかけているのが見てとれます。
    だから、そんな質問はしなければいいのに・・・。
    テスト前で他にやらねばならないことが沢山あるときに、そんな質問をする子には、
    「うん。そういうことに興味があるのなら、大学の英語学科に進むといいよ。そういうことを沢山勉強できるよ」
    と言うこともあります。
    「いや、別にいい。興味ない」
    という反応が返ってくることがほとんどです。
    一種の質問封じです。

    問題演習を始めると、どうにも解けない。
    「どうした?何がわからない?どこがわからない?」
    と問いかけても、反応がない・・・。
    その子が、本当に質問しなければならないのは、そのタイミングです。
    保護者の方が「質問しなさい」と言っているのもそこです。
    でも、そういうときには、言葉が出てこない。
    なぜなら、何がどうわからないのか、自分で言葉にすることもできないから。
    本当に困っているときは、質問もできないのです。

    個別指導のパワーは、ここから発揮されます。
    何がわからないのか。
    どうわからないのか。
    生徒の反応を見ながら、さぐりさぐり説明を変えます。
    わかるまで説明します。
    そういう意味で、質問すること自体はそれほど大切ではありません。
    ただ、表情は正直であってほしい。
    わかっていないのにわかったふりをする子も、案外多いのです。
    「わからない」ということが恥ずかしいのかもしれません。

    伸びる子は、沢山質問をする子ではありません。
    わからないことにわかったふりをしない子です。


    さて、大幅に話がそれました。

    今回は、高校で学習する may の用法です。

    まず、「祈願の may 」と呼ばれるものがあります。
    この may は文頭に来るのが特徴です。
    文末はエクスクラメーションマーク(!)がきます。
    May you find hapiness !
    ご多幸をお祈りします。
    これは、かなり格式ばった言い方です。


    次に、may well の用法。
    「多分~だろう」という、may 単独の場合とあまり変わらない用法もありますが、そんなのはテストに出しにくいので、もう1つの意味のほうが頻出です。
    「~するのも当然だ、~するのはもっともだ」という用法です。
    この副詞 well には、助動詞のもつ可能性や容認の意味を補強する役目があります。
    They may well be proud of their daughter.
    彼らが娘の自慢をするのはもっともだ。

    続いて、may as well は、「~したほうがいい」という用法。
    訳だけですと、had better と同じようですが、may as well のほうが意味が弱く、「したくないならしなくてもいいけど、したほうがいいのでは」という助言の意味となります。
    覚え方としては、had better と同じ2語の may well のほうは全然意味が違っていて、語数の違う3語の may as well のほうが had better と意味が似ていると、そこを強く意識して覚えると混乱を避けられます。
    You may as well tell her the truth.
    彼女に本当のことを言ったほうがいい。

    may as well A as B。
    これは、「BするよりAするほうがいい」という用法です。
    you may as well do your homework now as do it later.
    宿題を後でするよりも今やったほうがいい。
    上の文は、Aのほうがお薦めな内容で、Bはダメな内容ですが、どちらもダメな内容ということもあります。
    そのニュアンスのときは、訳し方が少し変わってきます。
    「BするくらいならAしたほうがましだ」と訳した方がぴったりきます。
    You may as well throw away the money as lend it to him.
    彼に貸すくらいなら、金を捨てたほうがましだ。
    「お金を捨てる」というA内容と、「彼にお金を貸す」というB内容のどちらもお薦めではない場合です。
    なお、この文は、結局、彼に金を貸すことも金を捨てることもしないと思います。
    実現性が乏しい場合、may よりも might のほうが使われることが多いです。


    沢山あり過ぎて覚えられない・・・。
    そうやってこのような熟語や慣用表現をすぐ捨てる人がいるのですが、それは愚挙です。
    中学英語レベルの基本なんか、ほとんど出ないのです。
    テストに出るのは、ここです。
    テストに出るのがわかりきっている、こういうところを覚えましょう。
    英文法問題攻略の鉄則です。


    さて、ここでこんな問題を考えてみましょう。

    問題 ( )に適語を補充せよ。
    (1) She spoke loudly so that the people in the back (  ) hear.
    (2) She spoke loudly in order that the people in the back (  ) hear.

    どちらも「彼女は、後ろの人に聞こえるように大きな声で話した」という意味です。
    主節が spoke と過去形なので、従属節も時制の一致で過去形にしましょう。
    では、どちらも答えはcould かな?
    ・・・いいえ。
    (1)は、could 。
    (2)は、might です。

    ・・・何それ。( 一一)

    これが、私立大学入試レベルです。
    重箱の隅とはこういうことを言います。

    so that も in order that も、「~のために」と目的を表すthat 節を導く用法です。
    so that は口語的で、文意の通りの助動詞を入れればよいのですが、in order that は文語的で、may を入れます。
    ただ、so that にmay を用いることもあります。
    後半は堅苦しい文語表現になってしまいますが、間違っているわけではないので、(1)でmight は、別解としてはありえます。
    難関私立の問題で、どうも助動詞を入れる空所で何を入れたら良いかわからないときは、とりあえず might を入れましょう。
    時制ミスをクリアできる点でも、might はさらに正答率が上がります。
    時制の一致のときも、現在形だが文意を和らげるときも、どちらでも使えますから。
    might 最強。
    ヽ(^。^)ノ

    私は、こういう重箱の隅はあまり好きではありません。
    勿論、センター試験などの文法の基本問題は得点しなければなりません。
    文法知識は、英語の基本の構造を把握する意味でも重要です。
    でも、こんな難問は解けなくても、読解で多数正答できれば、どこの入試も資格試験も合格します。
    こんな問題に振り回されて、英語がわからない、英文法が苦手、などと思う必要はないと思っています。

    ただ、重箱の隅とはいえ、これは、高校生が学校から渡されている文法の参考書には載っています。
    学校の授業では使わないので、学校のロッカーの中や部屋の本棚の隅においやられている文法参考書。
    あれには、こういう「重箱の隅」が沢山載っています。
    索引から may で引いても、出てこないかもしれません。
    しかし、in order that で引けば、どの参考書にも載っているのです。
    細かいところが気になる。
    こういうレベルの問題を正答したい。
    そういう人は、なぜそれで正解なのかわからない問題を見つける度に参考書で索引を引いて調べることをお薦めします。

      


  • Posted by セギ at 13:25Comments(0)英語

    2019年06月03日

    高校英語。助動詞その3。助動詞+have +過去分詞。


    さて、まずはこんな問題から。

    問題 空所に適語を補充せよ。
    The game should (  ) started at noon.

    他の問題に混ざって、ぽこっとこんな問題が出ていると、これがどのような文法事項を問う問題なのかわからず、全く解けない人がいます。
    その結果、
    The game should (to) started at noon.
    など、あり得ない答えを書いてしまうのですが、なぜそれがあり得ないのかについての知識がないので、そうなってしまいます。
    文法知識がないと、文法問題は解けません。
    勘で解くのは不可能です。

    なぜ上の答えはあり得ないのか?
    should は、助動詞です。
    助動詞の後ろは動詞原形がきます。
    to は、何がどうなろうと決してきません。

    また、( ) の後ろは、started です。
    それが過去形であるか過去分詞であるかは見た目ではわかりませんが、少なくとも、to の直後にそんなものはきません。

    ところで、これは、過去形あるいは過去分詞のどちらなのでしょう?
    これが過去形では、「助動詞の後ろは動詞原形」というルールをどのようにしても緩和できません。
    この started は過去分詞と推測できます。
    それを知っているだけで、この問題は、直接この文法事項の知識がなくても答えることが可能です。
    空所に入るのは、動詞の原形であり、かつ、過去分詞の前にくる単語です。
    これは、be か have でしょう。
    さて、どちらでしょう。


    助動詞+have +過去分詞 は、高校で学習する助動詞の中でもよく出題される文法事項です。
    使われる助動詞は、「許可・禁止」系の意味と「推量」系の意味の2系統のうち、未定着な人の多い「推量」系の意味で使いますから、それをあわせて問うことができます。
    そんなの、テストに出るに決まっています。
    なぜそれをスルーする気になれるのか、むしろそれがわからない。
    それくらいによく出題される内容です。

    まず、基本を確認しましょう。
    He may read the book.
    彼は、その本を読むかもしれない。

    これは、現在形の用法です。
    助動詞の後ろは動詞原形しかきませんので、現在の動作に対して、現在の判断をしていることになります。
    でも、過去のことをついて判断したいときもあります。
    過去の出来事について、現在の判断をする。
    すなわち、「彼は、その本を読んだかもしれない」という文を作りたいとき、どうするか?
    「かもしれない」という判断をしているのは現在ですから、may は、そのままです。
    may を過去形 might にしたところで、過去の意味にはなりません。
    意味が和らいで、柔らかい表現になるだけです。
    日常会話では、よく使われます。

    そもそも、この文は、助動詞を過去形にして解決することではありません。
    判断しているのは現在です。
    過去の出来事について、現在の判断を下しているのです。

    でも、助動詞の後ろを過去形にすることはできない。
    それは、英語の根本ルールです。
    こんなときに使われるのが、have +過去分詞です。

    He may have read the book.
    彼は、その本を読んだかもしれない。

    これで、過去の出来事を現在判断する文を作ることができました。

    これらの用法を、
    must have+過去分詞    ~したに違いない。
    should have+過去分詞   ~したはずだ。
    should have+過去分詞   ~すべきだったのに。
    cannot have+過去分詞   ~したはずがない。
    need not have+過去分詞  ~する必要はなかったのに。

    と整理して丸暗記するのがわかりやすいというのなら止めませんが、個々の助動詞の推量系の意味をしっかりと覚え、かつ、have+過去分詞は、過去の出来事についてそれらの判断をしているのだという把握をしたほうが整理しやすいと思います。
    上の丸暗記をする人は、覚えにくいせいかすぐに忘れてしまうことが多いです。

    また、この種の問題を極端に恐れ、絶対に正解できないと思い込んでいる人もいます。
    そういう人の頭の中には、こんな問題があるようです。

    You (  ) have got up at seven.
    1 may  2.must  3.should  4.need not

    和訳がついていれば別ですが、そうでないなら、こんな問題は解けるわけがありません。
    全部、正解です。
    こんな問題はありえません。

    しかし、こういう問題が出された、こういう問題がテストに出る、という謎の主張をする子がかつていました。
    英語のテストに苦しめられ過ぎたのでしょう。
    何を解いてもバツになり、もうどう解いていいのかわからない。
    それを自分に原因があることにはしたくない。
    だから、問題のせいにしたい。
    しかも、問題のせいにして勉強を怠るというのではなく、問題がこんなふうなので、その対策をしてくれと言うのです。
    説得しても、応じません。
    こういう問題が出ると言い張るのでした。

    このような問題は、テストには出ません。
    テストは、必ず1つの選択肢に絞れるように、根拠をもって作成されています。
    1つの選択肢に絞れなかったのは、知識が足りなかったからです。
    判断の根拠のない問題は、テストには出ないのです。

    このような問題ならば出題されます。
    I (  ) attend the meeting yesterday.
    1.should 2.must 3.ought to 4.had to

    上の問題と同じようなもの?
    いいえ、全然違うのです。

    I (should) attend the meeting yesterday.
    とすると、助動詞の後ろに動詞の原形がきているだけなので、これは、現在の出来事を現在判断している文です。
    「私はその会議に出席すべきだ」
    と言っています。
    それなのに、文末に yesterday がくる。
    そんな文は、おかしいです。

    I (must) attend the meeting yesterday.
    も同様です。
    ギリギリ、must を過去形として使用しているのだととらえることは可能で、他に適切な選択肢がないのならこれを選びますが。

    I (ought to) attend the meeting yesterday.
    は、should の言い換えです。
    全く同じ意味で、過去形になっているわけではありません。
    ですから、この文もおかしいです。

    I (had to) attend the meeting yesterday.
    had to は、have to の過去形。
    過去に「~しなければならなかった」という意味です。
    この文は、「昨日、私はその会議に出席しなければならなかった」という意味になります。

    したがって、最適なのは、4.had to です。

    こうして、1つ1つ選択肢を吟味すれば、ただ1つの正答を導くことができます。
    解きようのない問題があったという過去の記憶は、細部まで注意深く観察しなかったからかもしれません。
    あるいは、1つの選択肢に絞るための知識がなかった。
    だから、問題のせいではないのです。

    繰り返しますが、根拠をもって論理的に解くことのできる問題しか出題されません。
    そこを強く意識し、間違えた問題の1問1問について、正解の根拠を意識した見直しをすることで、知識を確かめていくことができます。


    さて、冒頭の問題に戻りましょう。

    問題 空所に適語を補充せよ。
    The game should (  ) started at noon.

    答えは、have です。
    「その試合は、正午に始まったはずだ」という文です。
    The game should (be) started at noon.
    としてしまうと、「その試合は始められる」という受動態の意味になります。
    一見正しいような気がしますが、英語では、そのような受動態表現はありません。
    それでも、be と答えた子がもしいたら、それは頑張った、いいところまで問題を分析したねと褒めたいです。
    少なくとも、それは当てずっぽうの答案ではありません。
    考えて解いた問題です。
    考えて解いた蓄積は、知識の蓄積となり、今後に生かされると思います。

    四択問題を根拠もなく当てずっぽうでいくら解いても、勉強したことになりません。
    最初は時間がかかるかもしれませんが、1問1問、考えて解きましょう。
    類題が極めて多い分野ですので、知識が身につき、考え方に慣れていけば、短時間で解いていけるようになります。

      


  • Posted by セギ at 13:15Comments(0)英語

    2019年05月27日

    高校英語 助動詞その3 will の用法。



    まずはこんな問題から。

    問題 以下の空所に適切な語句を選べ。
    He (  ) often go fishing on Sundays.
    1. would   2. used to  3.had  4.has

    こうした四択問題になると、「そんな英語を見た覚えがある」という主観で英文法の問題を解く人がいます。
    勘で解いているので、正解でも不正解でも、学習したことになりません。
    まずその癖を自覚し、直すことが必要となります。
    中学生の頃から、英語の問題はそのように感覚や勘で解いてきたし、それ以外の解き方を知らない。
    こうした問題を「考えて」解くということが、どういうことなのかわからない。
    そういう人もいるかと思います。

    「考える」とは何をどうすることなのか。
    では、こんな問題はどうでしょうか。

    問題 以下の空所に適切な語句を選べ。
    With more than 60 books to his name , the norvelist was one of the most (  ) of the twentieth century.
    1.arcane  2.somber  3.erratic  4.prolific

    普通の英語力を持つ高校生なら、問題文はまあまあ意味が取れると思います。
    しかし、選択肢の単語は、ほとんど意味がわからないのではないでしょうか。
    そんなにスペルが長いわけではなく、一見ありふれた印象の単語なのに、見たことがない・・・。
    意味など想像もつかない・・・。

    この問題を解けと言われたら?
    うーん・・・。
    3と4は語尾が同じ。
    1と3は最初のほうが似ている気がする。
    では、両方がかぶっている3が正解かな?

    ・・・残念。
    正解は、4.prolific「多作な」です。
    「その小説家の名で出版された本は60以上あるので、彼は20世紀で最も多作な一人である」

    これは、英検1級の過去問です。
    高校生がこの問題を解けなくても、落ち込む必要はありません。
    ただ、上のような選択肢の分析で正解が選べるほど甘くはないということです。
    考えるとは、そういうことではないのです。

    考えるとは、知識を根拠としてものごとの筋道を立てていくこと。
    AならばBであり、BならばCである。
    原因と結果を明瞭にしていくこと。
    ですから、根拠となる知識がない場合、考えようがないのです。

    もう一度、最初の問題に戻りましょう。

    問題 以下の空所に適切な語句を選べ。
    He (  ) often go fishing on Sundays.
    1. would   2. used to  3.had  4.has

    この問題で、まず3と4は早めに選択肢から消去できます。
    had にしろ has にしろ、完了形の文を作ろうとしているのだろうと推測できますが、それならば、後に続く動詞は過去分詞 gone になっているはずです。
    go という原形が使われている以上、これは完了形ではありません。
    また、「~しなければならなかった」という意味なのだとしたら、hadだけではダメで、had to としなければなりません。
    3と4は、正解ではありません。

    では、1と2と、どちらか正解か?
    そもそも、1と2は、何なのか?
    考えるためには、その知識が必要です。


    考えようにも、根拠が見つからないという場合。
    それは根拠となる知識がないからです。
    知識がなければ、考えることができません。
    短期記憶でパッと覚えてパッと消去してきた知識が、実は全部必要なものだったのです。

    知識を蓄えましょう。
    問題を解くときは、常に「根拠は?」「理由は?」と自問する習慣をつけましょう。
    根拠は、自分の中の知識です。


    助動詞。今回は、will の学習をします。
    will というと、未来の助動詞。
    will you ~?で相手の意志を尋ねたり依頼したりすることもある。
    そこまではスラスラと出てくる高校生が多いのですが、それらは中学英語です。
    高校で新しく学習した will があるはずなのですが、それを記憶に残さない人が多いのです。

    もう何度も繰り返し書いていますが、高校生になっても中学英語からバージョンアップしない人は、自分が既に知っている基礎知識を確認すると安心し、それだけで大丈夫と思ってしまうようです。
    しかし、高校の定期テストや大学入試に出るのは、高校で学習した will の用法です。
    そこに力を入れて学習するのだという視点を持ちましょう。
    will には他にいくつも意味があります。
    「未来の意味だけ覚えておけば良くない?」
    という感覚を捨ててください。

    では、高校の定期テストでよく出題される will 、あるいはその過去形 would の用法とはどんなものでしょうか?

    1つ目は、強い意志の will です。
    主に否定形で用いられ、「どうしても~しようとしない」「どうしても~しようとしなかった」という強い否定の意志を表します。

    He won't listen to my advice.
    彼は、どうしても私の助言を聞こうとしない。
    この will は、人以外の主語でも成立します。
    The door wouldn't open.
    そのドアは、どうしても開こうとしなかった。


    2つ目は、「性質・傾向のwill」と呼ばれるものです。
    Teenagers will not do as they told.
    10代の子は、言われた通りにはしないものだ。
    Gasoline will float on water.
    ガソリンは水に浮くものだ。
    このように、人やものごとの性質や傾向を表します。


    3つ目は、習慣を表す will です。
    現在の習慣でも用いますが、テストによく出るのは、過去の習慣です。

    He would often go fishing on Sundays.
    彼は、日曜日によく釣りに行ったものだった。

    ただ、過去の習慣を表す助動詞は、この often の他に used to があります。

    He used to go fishing on Sundays.
    彼は、日曜日に釣りに行ったものだった。

    両方とも同じ過去の習慣。
    では、その使い分けは?

    would の後ろは、動作動詞のみがきます。
    語り手・書き手が個人的に過去を回想する場合に用いられ、現在もそうであるかないかを明言するものではありません。
    また、他の would の用法と区別するため、often , sometimes などの頻度の副詞とともに用いられるのが普通です。

    used to の後ろは、動作動詞・状態動詞の両方がきます。
    現在はそうではないが、過去はそうだった場合にのみ用いられます。
    そして、頻度の副詞とともに用いられることはありません。
    「過去は常に~したものだった」という意味になります。

    その視点で、もう一度問題を見直しましょう。

    問題 以下の空所に適切な語句を埋めよ。
    He (  ) often go fishing on Sundays.
    1. would   2. used to  3.had  4.has

    (  )の後ろに、often があります。
    明らかに、正解は、1.would です。

    根拠をもって考える。
    根拠をもって四択問題を解くとは、このようにすることです。
    文法問題を勘で解かず、間違えたら、正答の根拠を把握すること。
    その問題を解くのに必要だった知識を確認すること。
    答えを覚えるのではなく、根拠を覚えます。
    間違えた問題には必ずチェックを入れて、時間をおいて解き直すこと。
    その繰り返しで、力がついていきます。
    頑張りましょう。





      


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