たまりば

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2020年07月03日

数は音声では聞き取りにくいのです。


ある年、中3の生徒の英語の1学期の期末テストの得点が普段より10点ほど下がったことがありました。
見ると、リスニングでかなり失点していました。
しかし、普段はリスニングが苦手な子ではなかったのです。
英検3級のリスニング過去問は、毎回ほぼ満点を取ることができていました。
話を聞くと、内容に特徴があったことがわかりました。

場面は空港。
飛行機の出発時刻とゲート番号が列挙されたアナウンスを聴き取るものだったそうです。
中学生向けですから、英文はゆっくり読まれたと思います。
それでも、時刻や番号が列挙されると混乱し、数字を聴き取り間違えてしまったのです。

数字は、視覚での情報伝達力は極めて高いのですが、音声で伝えられると把握しにくい傾向があります。
日本語での口頭の場合も、数字は他の単語よりも聴き取りにくいです。
まして英語で数字を聴き取るのは、難しくて当然です。

私個人は、小学生の頃に珠算教室に通い、「読み上げ算」を練習していますので、日本語による数字の聴き取りは比較的得意なほうだとは思っています。
今も塾での算数・数学の宿題の答えあわせは、生徒が口頭で数字や式を読み上げ、正解かどうか私が判断することが多いです。
これが逆に、私が正解を口頭で述べ、生徒が自分で丸付けをすることにしたら、正しく聞き取れず、間違っているのに丸をつけてしまう子がいるだろうと予想されます。
とはいえ、生徒の読み上げる数字はスピードが速すぎるうえに語尾が不明瞭なことがあります。
もしもそのスピードと不明瞭さで私が数字を読み上げたら、あなたは聴き取れないでしょう、と思うこともあります。
数字を読み上げるときは、ゆっくりはっきり言わないと正確に伝わらないということが、年齢的にまだ理解できないから仕方ないのです。
速く読み上げることが頭の良さの証明だという誤解もあるかもしれません。
ただ、こういうことは、注意しても、「別にいいじゃん。聴き取れないのは、そっちの責任じゃん」という反発心を起こさせる小言の類に聞こえそうで、私も余程速い場合以外は注意しないのですが。
同じ生徒が、私が正しい式をゆっくり読み上げても、上手く聴き取れないことがあります。
そんなときが良い機会です。
私がホワイトボードに式を書いていくと、その子は、当然理解できます。
そうした経験を重ねることで、数字は、音声で早口に読み上げても伝わらないということを実感してくれるようです。
ゆっくりはっきり読み上げることを徐々に学んでいくのです。
それは客観性や社会性の獲得ということでもあると思います。

例えば電話番号を早口でペラペラペラっと伝えられたら、誰でも「はあ?」と思いますよね。
相手の社会性を、むしろ疑う事態です。
数字は、はっきり、ゆっくり読む。
そして、互いに確認しあう必要があります。


日本語でも難しいのですから、英語のリスニングで数字にまつわる問題が出題されると、非常に難度が上がります。
社会人向けの英語検定なら、そうした出題は当然でしょう。
ビジネスに数字はつきものですから。
しかし、英語を学び始めたばかりの子にとって、数字の聴き取りはハードルが高いです。

何年か前、都立高校の英語リスニング問題で、電話番号の問題が出題されたときも、その問題だけ正答率が低かったのです。
男女の会話で、間違い電話の受け答えを聴いて、問いに答える問題でした。
間違い電話をするくらいですから、番号は部分的に数字が入れ替わっているものでした。
間違った番号と正しい番号と両方を英語で言われ、正しい電話番号を以下から選べ、と言われても、それは混乱しますよね。

男「もしもし、〇〇さんのお宅ですか」
女「いいえ、違います。何番におかけですか」
男「そちらは、いちさんはちよんのごさんはちいちではありませんか」
女「いいえ、うちは、いちさんはちよんのごはちさんいちです」
男「ああ、間違いました。すみません」
女「どういたしまして」
聴き取りにくさをあえて日本語で表記すれば、こんな感じでしょうか。


中1の最初の定期テストの場合、そもそもリスニング問題に上手く対応できない可能性もあります。
これも何年か前、英語のリスニング問題を塾の授業中に最初に行ったときのこと。
CDには日本語でくどいほどの説明があるし、例題とその解説もあるから大丈夫だと思っていたら、いざ第1問が始まると、
「え?何をするんですか?」
と声を上げた子がいて、慌ててCDを止めたことがあります。
最初に説明したつもりだったのですが、その子にとっては、十分な説明ではなかったのでしょう。
CDの説明をよく聴いてその通りにしなさい、という指示を出さなかったのがまずかったのだと思います。
いや、そもそもリスニングテストというものが英語にはあるのだという話から始めるべきだったのかもしれません。
初めてのことに対する抵抗感と不器用さに関して、現代の子は突出していることがありますから、中1の最初の定期テストのリスニングは白紙答案になってしまわないかと心配です。
何をどうすれば良いのか、全くわからなかった。
白紙答案を見せて屈託なくそう言う子が現れる可能性は毎年あります。

「学校で、定期テストにリスニング問題が出るという話はありましたか」
中1の生徒にそう問いかけても、首をかしげています。
「・・・いや、たぶん出題されるので、そのつもりでいてね?」
リスニングは色々な出題形式があるから、日本語の説明をよく聴いてね。
選択肢があるとは限らないですよ。
聴き取った英文を書くのかもしれません。
とにかく、その場でパニックを起こさないでね。
色々とくどいほど話すのですが、それでも心配は尽きません。

そんな状況なのに、英語で数字を読み上げて書き取る問題が出題されたらどうしましょう。
日本語で出題しても難しい問題を英語で出されても・・・。
そういうのは、英語力以外の何かが付加された課題です。
でも、やっぱりそれは、英語力かなあ。
上手く対応できますように。
そう願うこの頃です。


  


  • Posted by セギ at 14:33Comments(0)算数・数学英語

    2020年06月24日

    高校英語。関係代名詞。関係代名詞としての than。


    今回は、関係代名詞の than の話。

    しかし、これは as とは違い、空所補充問題ではそんなに悩まない人もいるかもしれません。
    例題で確認しましょう。

    問題 次の空所を埋めよ。
    (1) The next war will be more cruel (  ) can be imagined.
    次の戦争は想像もできないほど残酷なものだろう。

    (2) There is more space (  ) is needed.
    必要以上のスペースがある。

    正解は、
    (1) The next war will be more cruel (than) can be imagined.
    (2) There is more space (than) is needed.
    です。

    空所の前に比較級があるので、答は than だろうと推測し、それで正解できる人も多いと思います。
    むしろ、(  )の後ろをいちいち見ない雑な解き方をする人のほうが、簡単に正解するということもありそうです。
    文法的な見方をある程度する人のほうが、案外こうした問題で悩んでしまうでしょう。
    何だ、いつもの than じゃないか、と埋めようとして、手が止まります。
    いつもの than は接続詞です。
    接続詞は、SやOにはなりません。
    (  )の後に、主語がない・・・。
    これは、than ではないのでは?

    あれこれ悩んで、
    (1) The next war will be more cruel (that) can be imagined.
    (2) There is more space (that) is needed.
    としてしまう人もいます。
    先行詞を最上級の形容詞が修飾するときは that だから、比較級でも that かな?
    そんなふうに誤解してしまうのでしょう。

    than という関係代名詞があることを知っていれば、そんな誤答をせずに済みます。
    関係代名詞は、従属節の主語の働きをしますから。

    細かい文法分析はどうでもいい、正解できればいいという考え方もあると思いますが、空所補充問題ならそれで良くても、乱文整序問題では、 than が関係代名詞のときもあることを知らないと、上手く並べられないかもしれません。
    まして、以下のような問題の場合、かなり困惑すると思います。

    問題 次の英文に文法的に誤りがあれば指摘して改めよ。誤りがない場合は解答欄に〇をつけよ。
    (1) The next war will be more cruel than can be imagined.
    (2) There is more space than is needed.

    空所を補充しろと言われたら深く考えずに than を入れる人も、この英文を改めて読むと違和感があるかもしれません。
    あれ?
    何かおかしくない?
    than の周辺に何か単語が足りなくない?
    そうだ。主語が足りないんだ。

    わかった。
    (1)は、(誤) than  (正) than we
    (2)は、(誤) than  (正) than it

    そう思う気持ちもわかります。
    (1) The next war will be more cruel than we can be imagined.
    (2) There is more space than it is needed.

    は、これはこれで正しい文です。
    これらの than は接続詞の than です。

    しかし、than には関係代名詞の than があります。
    関係代名詞節の中で、主語の働きをします。
    だから、主語を補わなくても良いのです。
    したがって、上の問題の正解は、(1)〇 (2)〇 です。

    もっとも、こんなひどいひっかけ問題は通常作られません。
    こういう問題こそ、ひっかけ問題というのです。

    ただ、than が関係代名詞として使われることを知らないと、長文を読む際にも、このあたりのことでモヤモヤして、文意が上手く取れない人もいるかと思います。
    やはり、知識を身を助けます。

    なお、さらに面倒くさいことを述べるなら、
    (1) The next war will be more cruel than can be imagined.
    (2) There is more space than is needed.
    の than も、接続詞と見ることが可能です。
    従属節では、代名詞の主語は省略できるのです。
    だから、この文の than は接続詞で、その後の we や it が省略されているだけとみなすこともできます。
    その見方でも、上の問題の正解は、(1)〇 (2)〇 です。


    上の2つは、than が関係代名詞の中で主語の働きをしていましたが、than は目的語の働きもします。

    He didn't accept more money than he really needed.
    彼は、本当に必要なお金以上は受け取らなかった。

    この than は、目的格の関係代名詞と見ることもできますし、接続詞と見ることもできます。
    どちらにしても文意は同じですので、こんな場合は、接続詞と関係代名詞の区別をしなくてもよいのです。


    ここからは余談ですが、上の説明の途中で、than とthat とが同じに見えて、「うん?」となった人はいるでしょうか。
    実は私も書いていて、うっかり書き間違い、慌てて直しました。
    than と that はスペルが似ているので、四択問題で目が迷う、という人もいるようです。

    than と then とを見間違う中学生にも多く出会います。
    then とthem とを見間違う子もいます。

    英語は似ている単語が多いから嫌だと言う子がいます。
    アルファベットは26文字しかないので、その順列で考えたら似ているものが多数あって当然です。
    一瞬見間違っても、すぐに気がつくのなら特に問題はありません。
    たいていは、文脈上こういう単語が出てくるだろうと推測しながら読むので、正しい単語に見える場合が多いです。
    difficult と different。
    invite と invent。
    これらも見た目が少し似ているので混同しやすいですが、文脈判断で読み分けることがおおむね可能です。
    むしろ、こうした単語は、意味を取り違えて覚えてしまい、以後ずっと誤用し続けることのほうに注意が必要です。

    また、見た目は全く似ていないのに、中学生が混同しがちなのが、famous と popular。
    popular を訳すときに「有名な」としてしまう子は多いです。
    popular は「人気がある」で、famous が「有名な」です。

    「それ、同じじゃね?」
    と生徒に言われたことがあります。
    いや、人気は全くないけど有名な人はいますよ。
    大きな事件の犯人とか。
    そう説明すると、こちらが逆にびっくりするほど覚醒した表情になり、納得していました。
    本当は、大きな事件の犯人に famous という形容はしないと思いますが、「有名人」イコール「人気者」ではないので、そこらへんの混同は避けたいところです。
    英語と日本語と、その単語の語義の範囲が完全に一致することはまれなので、popular を「有名な」と訳すのは本当にダメなのかというところから考えを深めてくれたら、それはむしろ嬉しいことですが。

    似通ったスペルの単語や、似通った意味の単語は沢山あります。
    混乱しやすいのはわかります。
    しかし、それも程度問題で、以前、father と family の識別のできない子に出会ったことがあります。
    fa しか同じじゃない・・・。
    ここまでくると、英単語を識別する意思の問題なのか能力の問題なのかと、教えていて悩むところです。
    house を「ホーム」と読む子もいました。
    house というスペルのどこに「ム」と読む要素があるの?
    そう問いかけ続けても、あまり効果がありませんでした。
    一度混同してしまうと、本人の意思とは関係なく、混乱は続くのです。
    最初に正しく覚えることが、きわめて重要です。

    スペルをよく見なさい、というのもまた誤解のもととなることがあります。
    should を「ショウルド」、could「コウルド」、would を「ウオウルド」と読む子もいました。
    それは、スペルに沿いすぎる・・・。
    そのエルは読まないエルなんですよと説明しても、なかなか治りませんでした。

    英検などの面接試験で、あるいは今後実施される予定の都立高校入試の英語スピーキング試験で、発音のことを苦にして悩んでいる子もいるかもしれません。
    面接試験があるから英検は受けない、と断言する子もいます。
    子どもだけでなく、日本人はおおむね英語の発音に自信がない・・・。
    しかし、スピーキングテストで問われるのは、発音だけではないのです。
    発音は、採点対象のほんの一部分です。
    採点基準が発音だけになったら、大半の子は得点できません。
    ギリギリ通じる音であればよいのです。
    問われるのは、should を「ショウルド」とは読まない英語力。
    house を「ホーム」とは読まない英語力。
    father と family を読み分けることのできる英語力。
    そして、発音よりも、問われたことに正確に返答できる英語力。
    自分の伝えたいことをある程度の内容のある英語で説明できる英語力。
    スピーキングテストは、内容を重視すれば大丈夫なのです。
    しかし、発音を気にする子は、一刻も早くテストの場から逃れたいと思うのか、本来の能力よりも数段劣る「痩せた英語」でその場をごまかしてしまうことがあります。
    得点が低いのは、発音のせいではなく、内容のせいなのです。

      


  • Posted by セギ at 12:24Comments(0)英語

    2020年06月18日

    高校英語。関係代名詞。関係代名詞としての as。


    今回もマイナーな内容。
    そんな関係代名詞あったっけ?と思う人もいるかもしれません。
    本来は接続詞である単語が、関係代名詞として用いられることがあります。
    これを疑似関係代名詞といいます。
    as, than, but がそうです。

    今回は、as を見ていきましょう。

    ◎the same A as ~ 「~と同じA」
    これが一番メジャーですので、これだけでも覚えてください。

    This is the same watch as my father gave me.
    これは、父が私にくれたのと同じ時計だ。

    as は、関係代名詞節の中で、主語・目的語・補語の働きをします。
    また、as は that で言い換えることが可能です。
    自分で英文を作る場合は that でもいいですが、四択問題の選択肢の中に that がない場合、何を入れてよいかわからなくなる人は多いと思います。
    the same A as ~ で覚えましょう。

    ◎such A as ~ 「~のようなA」
    I want to paint such a beautiful picture as I saw in the museum.
    私はその美術館で見たような絵を描きたい。

    これは、so を使って言い換えることも可能です。
    I want to paint so beautiful a picture as I saw in the museum.

    「such a 形容詞+名詞」=「so 形容詞 a 名詞」の語順は、今回の文法事項と直接関係はないのですが、乱文整序問題になると繰り返し間違う人が多く、メインの文法事項とは関係ないところで失点してしまいます。
    such は、名詞を修飾していますが、so は形容詞を修飾する副詞なので、直後に形容詞を伴うのです。
    そのような細かい理屈はさておき、正しい語順を幾度も口慣らしして、覚えてしまうのが良いと思います。
    自分の作った間違った語順の英文の記憶のほうが強くなる前に正しく覚えてしまうのがコツです。


    such は名詞を修飾するので、形容詞が使われていない用法もあります。

    Choose such friends as will listen to you quietly.
    あなたの言うことを静かに聞いてくれるような友人を選びなさい。

    いずれの場合も、関係代名詞 as は that に書き換えが可能です。


    ◎前の節の一部または全部を受ける as
    He was in the hospital for two weeks, as was expected.
    予測されたことだったが、彼は2週間入院した。

    これは、
    He was in the hospital for two weeks, which was expected.
    と書き換え可能です。
    前の節全体を受ける which です。
    which を用いたときは、このように必ず主節の後ろに置きますが、as を用いた場合は、主節よりも前に置くことが可能です。
    むしろ、主節よりも前にくるほうが多いと思って大丈夫です。

    As everyone knows, it is harder to write interestingly about a good person than about a bad person.
    誰もが知っていることだが、悪人についてよりも善人について興味深く書くのは難しい。

    こうなると、この as は接続詞の as と何が違うんだろう、と思いますね。
    上の文を「誰もが知っているように」と訳しても、文脈上も特に違和感は起こりません。


    ◎ as is often the case with A 「Aにはよくあることだが」
    これはテストによく出ます。
    慣用表現として覚えるべき重要表現ですが、この as も関係代名詞です。
    上で説明した、主節の一部または全部を受ける as です。

    As is often the case with Tom , he was late for school today .
    トムにはよくあることだが、彼は今日学校に遅刻した。

    これは、as is usual with A という慣用表現もあります。
    同じ意味です。
    あわせて覚えてください。


    ◎as A as B 「Bと同じくAである」
    He is as wise a man as ever lived.
    彼はとびぬけて賢い男だ。

    ・・・うん?
    どこかで見たような?

    そうです。
    「比較」のところで学習した as ~as ever です。
    この後ろのほうの as は、文法的には関係代名詞だったのです。
    では、前のほうの as は何か?
    副詞です。
    so と同じ働きをする as です。


    関係代名詞の as は、このように他の文法事項で出てくることもあります。
    また、文法学習として「関係代名詞」の章ではそんなにスペースを割いて説明されないため、記憶に残りにくいかもしれません。
    しかし、高校2年や3年になって、入試演習的な学習に入ると、解けなかった問題の答がたいてい as で、正体がよくわからず困惑することがあるようです。
    そういう as があるとしっかり認識し、あとは慣用表現的に覚えてしまえば大丈夫と思います。



    as が苦手な人を見ると、学習者としての視野、ということを考えます。
    「こんなのテストに出ない」
    「どうせこれが答だろう」
    といった決めつけで問題を解くので、繰り返し間違っているにも関わらず記憶に残らない。
    学習する際の視野が狭いのだと思うのです。
    答えは as の可能性もあると思って問題を解いている人と、関係代名詞 as が念頭にない状態で解いている人とでは、正答率が違って当然です。


    こうしたことは、英語を学習したばかりの頃から起こります。
    中学英語で確認してみましょう。

    問題 次の空所に適切な語句を補充しなさい。
    (1) (  ) you playing tennis with your friend at that time?
    (2) (  ) you visit the town yesterday?
    (3) (  ) you reading a book now?

    英語が得意な人にとっては、何でもない問題です。
    正解は、
    (1) (Were) you playing tennis with your friend at that time?
    (2) (Did) you visit the town yesterday?
    (3) (Are) you reading a book now?
    です。

    ところが、過去進行形を学習したばかりの中学生がこの問題を解くと、
    (1) (Were) you playing tennis with your friend at that time?
    (2) (Were) you visit the town yesterday?
    (3) (Were) you reading a book now?

    と、全部 were を入れてしまいがちです。
    今は過去進行形の勉強をしているんだから、全部過去進行形だろう、と決めつけて問題を解いているのです。
    本人の中で、問題に対するそうした決めつけがあるのだと思います。
    解答を考える際の視野が狭いのです。
    どうせ were だと思って解いているので、did や are が視野に入っていないのです。

    小学校で学習する問題はどの教科も何の癖もなく平易であるため、中1や中2では、まだそこから脱却できていないのかもしれません。
    中学校から配布される教科書準拠ワークも、何でも were を入れれば正解になるような単純な問題が並んでいるものもあります。
    せいぜいで、were と was の使い分け問題。
    どのような学力の子でも解答集を見れば意味がわかる教材というと、そういうレベルになってしまうのも否定できません。
    簡単過ぎて練習にならない・・・。
    そんな問題ばかり解いていると、勉強しているときに頭を使わなくなる子がいます。
    勉強しているときに頭を使わない。
    単純作業としてただ空所を埋める。
    そんな学習姿勢になってしまう子がいます。

    後に都立自校作成校に合格した子で、中2の段階ではまだ上のように何でも were を入れている子がかつていました。
    小学生のような心の在り方からなかなか脱皮できず、ハキハキと間違い続け、正解を聞くと、
    「ひっかけだ・・・」
    とぼやくことを繰り返していました。
    まだ、ゆとり教育の気配が濃厚な頃でした。
    ひっかけだ。
    騙された。
    こういう問題は、問題が悪い・・・。

    そのような認識をしている間は、何度でも「新手の詐欺」にあいます。
    答は全部 were かもしれないけれど、そうではないかもしれない。
    そのように意識を変え、視野を広げて問題に取り組めば、were ばかりが答とは限らないことに気づくのです。
    時制を学習しているのですから、新しい時制を学んだら、それまで学習した時制との使い分け問題も出題されます。

    精神的成長とともに、どうにかそうしたことを理解できるようになり、高校入試に間にあいました。

    学力的に、全部 were を入れるので精一杯なのではないか?
    そのように思われる子でも、問題を解く前に、
    「これは、いろいろな時制の使い分け問題ですね。答は過去進行形とは限りません」
    とヒントを出すと、全問正解できます。
    そのヒントを出されなくても、自力でその判断ができれば良いだけなのです。
    それは、本人の意識の問題、視野の問題です。
    それこそが学力ということでもあるのですが。

    勉強しているときは、頭を使いましょう。
    単純作業で問題を解かず、あらゆる可能性を考えましょう。

    関係代名詞には、as もあります。
    そのように視野を広げて問題を解けば、正答が増えていくと思います。
      


  • Posted by セギ at 11:29Comments(0)英語

    2020年06月10日

    高校英語。関係代名詞。注意すべき which 非制限用法。


    関係代名詞の学習の中でも、今回は超マイナーで、定着しないことが多い内容です。
    非制限用法の which の話。

    勿論、which は、普通の非制限用法があります。

    My father gave me some books, which were not so interesting.
    私の父は私に何冊かの本をくれたが、それらはあまり面白くなかった。

    しかし、これとは別の用法があるのです。


    ◎前の節の一部または全体を先行詞とする which の非制限用法

    今回の中で、これが最も重要です。
    これだけでも覚えてください。

    Some school children take no breakfast, which is not good for the health.
    朝食を食べない生徒がいるが、それは健康に良くない。

    この which は、前の節全体、すなわち、「朝食を食べない生徒がいる」という内容全体を受けて、そしてそのことは健康によくないと言っています。

    この which 節は、主節の中に挿入することもできます。

    They had, which was important to them, a heroic past to boast of.
    彼らにとっては重要なことだったが、彼らは自慢するべき勇敢な過去を持っていた。

    この which は、主節全体、すなわち「彼らは自慢するべき勇敢な過去を持っていた」を指します。

    これらの which は、読解にはあまり影響しないと思います。
    意味を読み取ることは難しくありません。
    しかし、文法問題になると、苦戦する人が多いのです。
    空所補充問題で、which を入れることを発想できないのです。
    it や that を入れてしまいます。
    関係代名詞の問題である、という枠組みがないと特にそうなります。
    知識としてしっかり身につけておきたいところです。



    ◎関係形容詞の which

    名詞を修飾するのが形容詞。
    名詞を修飾しつつ関係詞の働きをするのが、関係形容詞。
    そんな面倒くさいものは、日常会話ではそんなに使わないですが、書き言葉では目にします。

    She was appointed ambassader to the country, which post she filled with honor.
    彼女はその国の大使に任命され、その職を立派に務めた。

    which post の post は名詞で、which はそれを修飾していますから、関係形容詞です。
    まあ、特にそんなことを難しく分析しなくても意味は取れますが、これも文法問題だと苦労する人がいます。
    上の日本語を関係詞を用いて英語に直しなさいという問題だった場合。
    She was appointed ambassader to the country, which she filled post with honor.
    と、which と post を引き離してしまう人は多いです。
    このレベルの単語を使用する能力があるのなら、そんな些細な語順ミスは実に勿体ない。


    これは、疑問詞でもよく起こる現象です。
    中学1年生で、How many ~? の文を学習した際、
    「あなたは何冊の本を持っていますか」という日本語を英語に直すと、
    How many do you have books ?
    という間違った語順の英文を書く人は多いです。
    How many books do you have ?
    ですよ、と何度解説しても、直らないのです。

    中学3年生で、「疑問詞+不定詞」を学習する場合も同じです。
    「どのバスに乗ればよいか、私はわからない」という日本語を英語に直す際に、
    I don't know which to take bus.
    という間違った語順の英文を書いてしまいます。
    正しくは、
    I don't know which bus to take.
    です。
    疑問詞には疑問形容詞の働きをするものがあり、後ろに名詞を伴うことがあるんですよと、ごつい文法用語で中学生に説明するのも無理があるのですが、柔らかく説明しても、定着しない・・・。

    一度本人が思い込んでしまった間違った英語の語順は、恐ろしいほどの定着をみせ、その人を一生縛りかねません。
    英語は、間違った練習をすると、間違った語順が定着しがちです。
    間違った英文を書くと、その記憶のほうが深く脳に残り、それが本人の「英語の語順」として強化され、永遠に再生され続けるのです。
    文法的な分析があまり好きではなく、「英語は大体こういう語順のもの」という感覚に頼る人ほどそうなりがちです。
    日本に住む日本人は、そもそもそんなに英語に触れていないです。
    それなのに、本人の中の英語の語順の感覚に頼ろうとする。
    その感覚の源の大部分は、本人の書いた間違った英文だというのに・・・。
    本人の英語の語順の感覚が、間違った自分の英語を書いたり見たりした記憶で拡大再生産され、強化され続けるのです。

    感覚に頼るのはやめましょう。
    知識で正しい英文を作りましょう。

    これは、学習習慣が確立していない早い時期に間違った英語の練習をたくさんやってしまうこととも関係があるのかもしれません。
    小学校で学習する内容は、どの教科もおおむね単純で、学校の授業をちゃんと受けて、授業中にちゃんと演習もしていれば、覚えようと意識しなくても覚えられることが多いのです。
    すると、家に帰って復習する習慣のある子でも、授業ノートや教科書を読み返すといったことはせず、いきなりワークやドリルを解いてしまう子が大半だと思います。
    別にそれで間違うわけでもないので、勉強とはそういうものという形が出来上がってしまいます。
    中学生になっても、それをそのままやり続ける子が多いのですが、中学で学ぶ内容は、小学校ほど量が少ないわけでもないし内容が単純なわけでもありません。
    覚えきれないこともあります。
    それなのに、自分が覚えきれていないことに対してまだ無自覚なので、ノートを見直すことも教科書を読みなおすこともせず、いきなり問題練習をする子が多いです。
    そして、間違った練習をたくさんやってしまいます。

    自分の間違いに敏感な子は、そこで気づきます。
    ああ、ここは訂正するべきだ、ここが重要だ、と。
    しかし、勉強が下手な子は、自分の間違った答が正答と違っていることに気づかず、全部マルをつけてしまうことがあります。
    違っていることに気づいても、鉛筆で書き直して赤丸をつけ、間違ったことを記憶ごと封印してしまう子もいます。
    そして、大事なテストでしくじる。
    間違った語順が高校生になっても記憶に残り、しくじり続ける・・・。


    高校生は、自分の間違いに、そろそろ耐性があってもよい頃。
    自分の間違いを正視し、直せるはずです。
    そして、ちゃんと学習事項を復習してから演習をするという手順を踏めるはずです。
    疑問詞や関係詞は名詞を伴うものがある、という知識を定着させましょう。


    上の文に戻ります。
    She was appointed ambassader to the country, which post she filled with honor.
    これは、
    She was appointed ambassader to the country, and she filled the post with honor.
    と書き換えられます。
    which post のところは、関係代名詞節では目的語の働きをしていたのですが、節の一番前にきていました。
    一方、先行詞は ambasadder です。
    先行詞がきたら、すぐに関係詞。
    原則はそうなのですが、今回は、ambassader to the country という語句のつながりが強いので、そこには割って入り込めなかったのです。
    そこに無理に挿入すると意味がとりにくくなる場合、先行詞と関係詞との間に少し距離が開くこともあります。


    ◎ in which case
    これも関係形容詞 which の用法ですが、もうこれで熟語として覚えてしまって構わないと思います。
    「そしてその場合は」という意味です。

    The plain may be several hours late, in which case there is no point in our waiting.
    その飛行機は数時間遅れるかもしれず、そしてその場合は、待っていても無駄です。

    この文は、
    The plain may be several hours late, and in that case there is no point in our waiting.
    と書き換え可能です。


    以上、マイナーながら、たまにテストに出ると、必ず失点原因となる which の非制限用法でした。


      


  • Posted by セギ at 14:44Comments(0)英語

    2020年06月03日

    高校英語。関係代名詞。関係代名詞の非制限用法(継続用法)。


    関係代名詞の非制限用法。

    その前に、では、それとは違う「制限用法」とは何なのかから、確認しましょう。
    これは、中学から学習している、先行詞である名詞を修飾する、普通の関係代名詞のことです。
    「制限用法」という呼び方の他に「限定用法」という呼び方もあります。
    どちらも、修飾される名詞の意味を制限する、意味を限定する、ということからつけられた呼称です。

    意味を制限する・限定するのは、関係代名詞に限らず、修飾語の働きです。
    「男の子」といっただけでは、人によって色々なイメージがあると思います。
    「金髪の」と言われると、イメージがかなり限定されます。
    「10歳くらいの」と言われると、さらにイメージが限定されます。
    このように、修飾語には、修飾される語の意味を制限し、限定する働きがあるのです。
    それで、修飾する用法のことを「制限用法」または「限定用法」と呼ぶのです。

    どちらの呼び方を使ってもいいのですが、私は「制限用法」を好みます。
    なぜなら、「制限用法」の反対は「非制限用法」で、覚えやすいからです。
    一方、「限定用法」の反対は通常、「継続用法」と呼ばれます。
    ・・・覚えにくい。

    覚えられるのなら、どちらの用語でも大丈夫です。

    さて、それでは、制限用法と非制限用法の両方の例文を見てみましょう。

    (1) She has two sons who are doctors.
    (2) She has two sons , who are doctors.

    違いは1か所だけ。
    関係詞の前に、カンマ(,)があるかないか、だけです。

    (1)の日本語訳は、簡単ですね。
    「彼女には、医者である息子が2人いる」
    これが制限用法です。

    では、(2)の日本語訳は?
    「彼女には息子が2人いて、彼らは医者だ」
    これが、非制限用法です。

    え?
    そんなに違わない気がする?
    言っていることは、結局同じだと思う?

    実質が同じである場合も勿論あります。
    しかし、そうではない場合も考えられます。
    上の2つ文のうち、どちらかは、3人目の息子が存在する可能性があるのです。

    どちらでしょうか?

    正解は、(1)です。
    医者をやっている息子が2人いることは、文から明らかです。
    しかし、他の職業の息子が、他にもまだいるのかもしれないのです。

    一方、(2)は、She has two sons と、言い切っていますから、息子は2人だけです。
    息子は絶対に2人だけで、その2人ともが医者なのです。

    つまり、(2)のカンマ(,)以降は、sons を修飾しているわけではないのです。
    文が普通に続いているのです。
    (2)の文は、
    She has two sons , and they are doctors.
    と言い換えることができます。


    ここで余談ですが、son を「ソン」と発音する中学生・高校生が多く、少し気になります。
    携帯会社の社長さんじゃないんです。
    son の発音は「サン」です。
    太陽という意味の sun と全く同じ発音の「サン」です。
    日本人の耳には同じ音に聞こえてしまうというレベルのことではなく、発音記号上も全く同じ発音です。
    発音記号では、vが逆さになっている、あの「ア」の音です。

    でも、スペルに引きずられるのか、「ソン」と読んでしまう人は多いです。
    CDや外国人講師の範読を聴いたときに、「あれ?これはサンと読むのか」と気づいても良さそうなのですが、例によって認知にバイアスがかかるのか、自分が読み間違えていることには全く気づかず、「ソン」と発音し続けてしまうようです。

    さすがにちょっと気になるので、
    「それは、ソンではなくて、サンです。太陽と全く同じ発音のサンですよ」
    と一度は注意するのですが、直る場合は少ないです。
    たまたまうまく直ってほっとすると、ノートを見たら san とスペルしていて、天を仰いだこともあります。
    わかった、私が悪かった。
    san と書くくらいなら「ソン」と読んでいてもいいです。
    もう、しょうがない。
    orange を「オランゲ」と読んで覚えるようなものですよね。

    そんなふうに、結局、日本人の英語能力は、音声英語に関しては、昭和の頃から進歩していないのではないかと感じることがあります。
    ローマ字読みが直りません。

    しかし、小学校から英語教育が始まっていることは、やはりある種の変化をもたらしています。
    耳から英語が入っているために、逆に発音を間違えている子に出会うことがあるのです。
    例えば、have を「ハバ」と読む子に、これまでに数人出会いました。
    これは、小学生の頃に、
    Have a nice trip !
    だの、
    I have a pen.
    だのを、文字を使わず、耳だけで学習するために起こっている現象だと想像されます。
    have a が、リエゾンで「ハバ」と聞こえることは、否定しません。
    そのように発音したほうが英語らしいかもしれません。

    しかし、have の後ろに常に a があるとは限りません。
    生徒に文法問題の宿題の答を音読してもらうと、
    I have a two books.
    というので、「え?」と思い、ノートを見ると、
    I have two books.
    と、正答していることがあります。

    ああ、have を「ハバ」と読んでいるんだなあと、気づきます。

    What do you have a in your hand ?

    うん?
    その a は何?
    私は a を聴き取りましたが、それは何ですか?

    しかし、生徒のノートを見ると、そんな a は存在しないのです。
    今後、この問題に長く苦しむことになりそうな予感があります。
    あまりにこなれた発音を学習すると、むしろ妙な誤解をすることがあるのでしょう。
    ・・・というより、小学校も、音声英語と同時に文字英語をしっかり教えたらいいのではないかと思います。
    音だけで学習しているために、変な誤解をしてしまうことがあるのですから。
    今後、小学校の英語学習の改革に期待します。

    さて、話を戻しましょう。


    非制限用法の関係代名詞は、接続詞+代名詞 の働きをしています。
    She has two sons , who are doctors.
    =She has two sons , and they are doctors.

    この文では、who=and they です。

    復元される接続詞は、常に and というわけではありません。
    他に but や because が考えられ、それは文脈で判断します。

    He complained loudly to the storekeeper, who answered him mildly.
    前半は「彼は大声で店主に文句を言った」。
    後半は「店主は彼に穏やかに返答した」。

    これは、and ではなく、but でつなげたほうがいいですね。
    He complained loudly to the storekeeper, but she answered him mildly.

    店主の性別がわからなかったので、今は she にしておきました。


    I called him, who had called while I was out.
    前半は「私は彼に電話をした」。
    後半は「私が外出中に彼は電話をくれた」。

    これは、and でも but でも、ありません。
    これは、because を使いましょう。
    I called him because he had called while I was out.

    少し文法的な話をするなら、and, but は等位接続詞。
    文と文とを対等につなぐ接続詞です。
    しかし、because は、従属接続詞。
    主節と従属節の区別があります。
    種類の異なる接続詞を補うことは、何かちょっとモヤモヤします。
    厳密にいえば、ここで書き換えるべき接続詞は、and や but と同じ等位接続詞 for であるべきでしょう。
    for は、「というのは」と訳す、その後に理由を説明する等位接続詞です。

    とはいえ、for の存在を知らない高校生は多いと思います。
    for って、前置詞でしょう?
    接続詞の for なんて知らない・・・。
    そういう把握の人が大半と思います。
    for を用いての書き換えはレベルが高い。
    文法的な厳密さよりも、わかりやすさが大切。
    だから、文法テキストでも、because での書き換えを示していることが多いです。
    私も、ここは because を使って構わないと思います。


    非制限用法でも、関係詞と同じ意味を表す名詞のことは先行詞と呼びます。
    非制限用法の場合、先行詞は固有名詞や代名詞でも大丈夫です。
    このブログの関係代名詞の最初の回で、
    The man is Mr.Tanaka who is talking to my sister.
    は間違いだけれど、
    The man is Mr.Tanaka , who is talking to my sister.
    は、正しい英語だという話をしました。
    「その男性は、私の姉に話しかけている田中さんです」はおかしいけれど、
    「その男性は田中さんで、私の姉に話しかけています」は大丈夫。

    まずは、非制限用法の基本のお話でした。


      


  • Posted by セギ at 13:47Comments(0)英語

    2020年05月27日

    高校英語。関係代名詞。関係代名詞 what の慣用表現。




    関係代名詞 what は、慣用表現が多いことも特徴です。
    慣用表現は、覚えるしかありません。
    1つずつ見ていきましょう。

    ◎what is called または、what we call
    「いわゆる」という意味です。

    This music is what is called rap.
    この音楽は、いわゆるラップです。

    what we call は、文脈により、what you call や what they call という形でも使用されます。
    「いわゆる」というと、so to speak などの熟語もあります。
    言い換えは色々ある、ということも含めて、記憶しておきたい熟語です。


    ◎what S is
    「現在のS」という意味です。
    これは慣用表現というよりも what の普通の用法なのですが、最初にこの用法の文を見たときに意味をとれない高校生は多いので、一応ここで解説します。

    His mother has made him what he is.
    彼の母が、彼を今日の彼にした。

    時制を過去にすれば、「過去のS」という意味になります。

    This town is a diffrent place from what it was ten years ago.
    この町は、10年前とは違う場所だ。

    This town is a diffrent place from what it used to be ten years ago.

    この文も同じ意味です。
    過去の状態を表す熟語の助動詞 used to を用いた文です。


    ◎what is more 「さらに、そのうえ」
     what is worse 「さらに悪いことには」
     what is more surprising 「さらに驚くことに」
    what is more important 「さらに重要なことに」 など。 

    His power is absolute, and what is more, hereditary.
    彼の権力は絶対的なものであり、そのうえ、世襲によるものである。

    We got lost in the dark and, what was worse, it began to rain.
    私たちは暗闇で道に迷い、さらに悪いことには、雨が降り出した。

    上の2文を見て気づくかと思いますが、カンマ(,)と and の位置関係は、どちらでも大丈夫です。
    基本、文の途中にカンマ・カンマでこの慣用表現を挿入します。
    1文目をいったん終わらせて、2文目の冒頭に置くことも可能です。


    このあたりまでは何とか覚えている人も多いのですが、この先になると、
    「そんなのありましたか?」
    と秀才まで言い出すことがあるので、がっかりするところです。
    この先こそ、理解していないと、全く対応できなくなるので気合を入れて覚えましょう。


    ◎what little +名詞 「少ないながらもあるだけの~」

    He gave her what little money he has.
    彼は、少ないながらもあるだけのお金を彼女にあげた。

    これも、慣用表現とすることには異論があると思います。
    正しくは、この what は、関係形容詞と呼ばれるものです。
    名詞を修飾するのが、形容詞。
    だから、名詞を修飾しつつ関係詞の働きをしているものは、関係形容詞です。
    でも、そうした文法分析が面白い人はそれでいいですが、もう勘弁して・・・という人は、これも慣用表現として覚えてしまって構わないと思います。

    little のない用法もあります。

    He gave me what help he could give.
    彼は、できる限りの援助を私に与えてくれた。

    「what+名詞」=「all the+名詞+that」と把握できます。

    後ろに名詞のつかない用法もあります。
    その場合は関係形容詞ではなく、関係代名詞です。
    これの基本は、what =anything that です。

    What I have is yours.
    私の持っているものは全てあなたのものです。

    この例文の what は、後に学習する whatever に置き換えることができます。
    とりあえず、これらの what には、「すべての」という意味がこもっているという把握で乗り切りましょう。


    さて、以下の2つは、これまで以上にガチの慣用表現です。
    覚えていないと文の構造を把握できません。

    ◎what with A and (what with) B 「AやらBやらで」

    What with the wind and the rain, our walk was spoiled.
    風やら雨やらで、私たちの散歩は台無しだった。

    そもそも日本語の「AやらBやらで」の意味がわからない、聞いたことがない・・・という高校生は多いですが、こういうのは死語ではなく、文語表現です。
    自分は知らなくてもこの世に存在する正しい日本語なのだという意識をもって覚えてください。
    「AやBのせいで」という意味です。


    ◎A is to B what C is to D 
    「AとBとの関係は、CとDとの関係と同じだ」
    「BにとってのAは、DにとってのCと同じだ」

    Reading to the mind what food is to the body.
    精神にとっての読書は、肉体にとっての食べ物と同じだ。

    これを学習すると、
    「何かそういうのを前に勉強した気がする・・・」
    と言う高校生がいます。
    え?
    言い換え表現がありましたっけ?
    私はピンとこないので授業が停滞するのですが、よくよく聞くとその生徒の頭の中にあるのは、「クジラ公式」のことだったりします。
    それは、全然違うので、結びつけないでください。
    クジラ公式は、
    「クジラが哺乳類なのは、馬が哺乳類なのと同じだ」
    というのが有名な例文です。
    「哺乳類にとってのクジラは、哺乳類にとっての馬と同じだ」
    ではありません。

    関係ないことが頭の中で結びついてしまうのは脳の働きの1つで、脳としてはそれで知識を安定させたいらしいのです。
    そういう錯誤にも気をつけましょう。

    慣用表現は、覚えているかいないかの問題。
    学校の文法テキストでは、最後のほうに列挙してあるので、まあこれはいいや・・・と捨ててしまい、テストにがっつり出て後悔した人は多いと思います。
    あるいは、テストに出ていても、それが文法のテスト範囲の慣用表現だと気づかず、熟語集などの他のテスト範囲から出題された問題なんだろうと誤解して済ませてしまうために、テスト対策の姿勢が改められない、という人もいると思います。

    学校からは、文法テキストとセットで、似たような表紙のぶ厚い文法の参考書が配布されていると思います。
    そうした参考書のボリュームと比べれば、文法テキストは薄いのです。
    もともと薄いのに、見開きの左側は解説ページ、右側は問題ページという構成になっているものが多く、解説は厳選され絞り込まれています。
    そこに載っているのは、文法のエッセンスです。
    どんなに小さな字で書かれていても、全て重要事項です。
    捨てて良い箇所は1つもありません。

    しかし、参考書の存在を忘れ、文法テキストだけを見る人は、その中でも重要な箇所とそうでない箇所とを選別しようとします。
    そして、そのような判断をする人は、重要箇所と、中学の文法の復習箇所とを混同しがちです。
    自分が知っていることだから重要な気がする・・・という錯誤を起こしてしまうようです。
    中学の文法の復習は、それは基本ですから、重要です。
    しかし、そこから一歩も先に進まず、中学の復習以外は全て些末なことで、覚えなくてもいいや、テストにはたぶん出ないよ・・・という判断で大丈夫でしょうか?
    絶対ダメですよね。
    でも、テスト前になると、そんな錯誤をしてしまうのです。

    学校の文法テキストに載っていることで、自分の知らないこと、初耳のことが全てテストに出る。
    そこが重要。
    そのように意識を変えて勉強してください。

    what の慣用表現は、テストに出て当たり前のことばかりです。

      


  • Posted by セギ at 14:25Comments(2)英語

    2020年05月22日

    高校英語。関係代名詞。関係代名詞 what の用法。


    今回は、関係代名詞 what の用法です。
    まずは、こんな2文から。

    They couldn't believe the things. They saw the things.

    この2文を、「彼らは、自分たちの見たものを信じられなかった」という文にしたいとき。
    1文目と2文目の the things が同一のものですから、これを先行詞とすることができます。

    They couldn't believe the things which they saw.
    彼らは、自分たちの見たものを信じることができなかった。

    これはこれで正しい英語です。

    これを言い換えることができるのが、関係代名詞 what です。
    what は、「ものごと」という意味の先行詞を含みこんでいる関係代名詞。
    だから、先行詞なしで使います。

    They couldn't believe what they saw.
    彼らは、自分たちの見たものを信じられなかった。

    what は、文にあわせて「もの」や「こと」と訳すと自然な日本語になります。

    what = the thing(s) which
    この把握で基本は理解できると思います。


    もう1つ例文を見ましょう。

    What he says is different from what he does.
    彼の言うことは、彼の行うこととは異なる。

    言うこととやることが違う。
    彼は言動不一致の人なのですね。
    冒頭の what he says という関係代名詞節全体が主節の主語の働きをしています。
    後半の what he does は from という前置詞の目的語の働きをしています。


    関係代名詞の what は、疑問詞と区別がつかず混乱する人がいます。
    もともと、関係詞と疑問詞はどれも同じ見た目です。
    同じ単語の使いまわし感が強い。
    それでも、先行詞がある場合はそんなに疑問文っぽくなかったので混乱しなかった人も、what があまりにも疑問詞の印象が強いので混乱するようです。
    その混乱は理由のある混乱です。

    what を用いた文は、間接疑問文との区別がつかないことがあるのです。

    Tell me what you want.

    この文をどうとらえるか?
    今回学習した、関係代名詞ととらえるなら、この文の意味は、
    「あなたの欲しいものを私に教えて」
    となります。

    中3で学習した間接疑問文ととらえるなら、
    「あなたが何が欲しいのか、私に教えて」
    となります。

    ・・・あれ?
    それは、同じ意味ですね。
    だったら、別にどちらでもいいでしょう。
    そんなわけで、関係代名詞でも間接疑問文でも、どちらにとってもいいよ、という場合が大半です。


    しかし、それでは困る場合もあります。

    He asked me what I expected.

    これを関係代名詞ととらえるなら、
    「彼は、私が予期したことを尋ねた」
    という意味になります。
    こういう質問をしてくるだろうなあと予期していた通りのことを尋ねてきた、という意味です。

    これを間接疑問文ととらえるなら、
    「彼は、私が何を期待しているのかを尋ねた」
    という意味になります。
    おまえは何を期待しているんだね?と彼に尋ねられた、という意味です。

    これは意味が違います。
    見た目が同じなのに、意味が違う。
    どうしたらいいのでしょう?
    文章ならば、文脈判断です。
    前後から判断して、どちらの意味なのかをとらえます。
    会話ならば、疑問詞の what は強く発音され、関係代名詞の what は弱く発音されます。


    what という関係代名詞がわかりにくいのは、このように間接疑問文との混同が起こりやすいことが第一です。
    しかし、再三述べているように、高校で新出の文法事項をそもそも覚えていないので、
    「関係代名詞に what なんてあったっけ?」
    という人もかなりいると思います。
    what は、長文読解問題の中で普通に使われますから、知らないと困るのです。
    そのように話しても、浮かない顔をするばかり。
    「脳のメモリーはもうパンパンで、新しいことなんて入らない」
    という愚痴も聞こえてきます。

    ・・・そんなわけ、ないんですよ。
    まず、その認識を改めてほしいのです。
    脳のメモリーは、安物のガジェットのそれとは違います。
    脳の記憶容量は無限といって構わないほど大きいのです。
    英文法や英単語はもう頭に入らない、覚えられない、と言っている人も、新しいアニメのタイトルや登場人物はすぐに覚えるじゃないですか。
    新しいバンドや歌手の名も曲名も正確に覚えるじゃないですか。
    そして、
    「最近のバンドは、どっちがバンドの名前でどっちが曲名かわからない」
    と、もしも私が言ったら、「おばさん・・・」と揶揄するじゃないですか。

    私は、新しいアニメのタイトルも登場人物も、覚えないです。
    新しいバンドの名も、もう覚えないかもしれません。
    それは、興味がないからです。
    脳のメモリーがパンパンだから、ではありません。

    だから、英文法や英単語を覚えない人も、脳のメモリーがパンパンだから、ではないのです。
    興味がないのでしょう?

    気持ちはわからなくはありません。
    でも、そこは理性で乗り越えましょう。
    英語ができないままで、どうするんですか?

    本当に英語が必要ないのなら、それでいいと思います。
    大学に行く気はない。
    将来的にも、英語が必要な職業につくことはない。
    だから、自分には英語は必要ない。

    そのようにスパッと割り切れているのなら、それでいいのです。
    でも、現実はそうではない。
    大学には行きたいと思っている。
    英語の成績が上がったらいいなあと思っている。
    英語が聞き取れたり、読めたり、話せたりしたらいいなあと思っている。
    将来、英語を使う予感がする。
    でも、興味がもてない。

    それならば、とりあえず、それを脳の容量にせいにするのは、やめましょう。
    興味をもてば、覚えられるのです。

    しかし、どうしたら興味をもてるようになるのかは、難しいことです。
    例えば私が、どうしたら今さらテレビアニメに興味がもてるようになるかと、しばらく考えてみました。
    そして、どう考えても興味がもてるようにはならないだろう、という結論に達しました。
    私はアニメ第一世代ですから、アニメーションについて、何も知らないというわけではないのです。
    今も『未来少年コナン』の再放送を見ています。
    ひー、懐かしい、やめてくれー、とつぶやきながら。
    家庭にビデオデッキもなかった時代で、一度しか見ていないアニメを、なぜこれほど覚えているのだろう。
    十代の記憶力というのは本当に薄気味悪いくらいに凄いな、と感じながら。

    私が『未来少年コナン』に対してそうであったように、今作られている新作のテレビアニメを、一度で何もかも目に焼き付けるほどに集中して見ている若い子たちは多いと思います。
    その人たちにとって、それがどれほど大切なものであるかは、自分の十代の頃を思えば、よくわかるのです。
    だから、アニメというジャンルを否定する気持ちは全くない。
    でも、私は、今のテレビアニメには、もう興味はもてないのです。

    ただし、もしも仕事上それが必要なことになれば、話は別です。
    仕事で必要なら、アニメを見るし、覚えるべきことは覚えると思います。


    えー?
    ・・・そういうことじゃないじゃん、アニメは。
    それなら見てもらいたくないよ。

    そんなふうに言わないで。

    私は、もしも中学生や高校生が、
    「英語なんか好きじゃないけど必要だから勉強するし、覚える」
    と言ったときに、そういうことじゃないじゃん、とは思いません。
    それでいいよ、と思います。
    そこから始まる何かが必ずありますから。
    英語は、面白いですから。
    ほれぼれするような簡便さと合理性。
    それでもじわじわとにじんでくる歴史性。

    必要なことは、やりましょう。
    必要なんですから。
    英語を覚えることは、必要なことです。
    そのように認識したとき、きっと、前よりは覚えやすくなると思います。

      


  • Posted by セギ at 20:51Comments(0)英語

    2020年05月18日

    高校英語。前置詞と関係代名詞。


    まずは、以下の2文を1文にしてみましょう。

    This is the office. I work in the office.

    「これが私が働く職場です」という文を作りましょう。
    1文目の the office と、2文目の the office が同じものですから、これが先行詞となります。
    先行詞が人以外なので、which を使いましょう。

    This is the office which I work in.

    2文目の the office が、関係代名詞 which になり、先行詞の直後にきました。
    その後は、2文目の残りを普通の順番で続けます。
    関係代名詞を使った文を作るときの、基本ルールですね。
    which をthat に置き換えることもできます。

    This is the office that I work in.

    前置詞のことを無視しがちで、何かと前置詞を書き忘れる人は、この最後の in を忘れがちですが、これは省略できません。
    繰り返します。
    前置詞は、省略できません。
    まず、ここまで、大丈夫でしょうか?
    ここから、さらにこれのバリエーションの解説を始めます。

    この関係代名詞 that や which は、「前置詞の目的語」です。
    目的格の関係代名詞は省略可能。
    だから、これらの関係代名詞も省略できます。

    This is the office I work in.

    これも、正しい英語です。


    ところが、別の語順も考えられます。
    意味のまとまり(句)は、in the office です。
    句としてのまとまりを大事にするなら、in the office は、 in which となり、そのまとまりごと先行詞の直後に置くことも可能です。

    This is the office in which I work.

    これも正しい英文です。
    こちらのほうが、文法的にガチガチに正しい書き言葉です。

    なお、 in which は、in that に書き換えることはできません。
    これは、重要です。
    in that は、「~の点において」という意味の接続詞の用法ならばあります。
    それは、関係代名詞ではありません。
    他の前置詞の場合も、前置詞+関係代名詞という形で that を使うことはできません。
    that は万能ではない。
    使ってはいけない場合もあるのです。

    ここまで、4つの文が全て同じ意味であり、英文として正しいことを説明しました。
    まとめます。
    This is the office I work in.
    =This is the office that I work in.
    =This is the office which I work in.
    =This is the office in which I work.

    この4つの文は、上の文ほど口語的(話し言葉)で、下へ行くほど文語的(書き言葉)になります。


    さて、では、これから書く文は、正しい英語なのか、そうではないのか。
    どうでしょうか?

    I found the key for which my mother had been looking.
    母が探していた鍵を私は見つけた。

    この文は、間違いです。
    正しくは、
    I found the key which my mother had been looking for.

    なお、which は省略しても構いません。

    ルール通りに英文を作ったはずなのに、前のほうの文はなぜ間違いなのか?
    これは、前置詞が、どの単語と緊密に結びついているかによるのです。

    一番上の文では、in the office が意味のまとまりです。
    前置詞から始まるので、前置詞句と呼ばれます。
    しかし、今回の for は、for the key という前置詞句を作っているわけではありません。
    この for は、動詞 look との結びつきが強いのです。
    look for で、「探す」という意味の熟語です。
    動詞+前置詞などの形で、その動詞本来の意味とは別の意味を作っているものを「群動詞」と呼びます。
    look for は、群動詞です。
    群動詞の一部である前置詞の場合、関係詞につられてふわふわと前に行ったりはしないのです。
    動詞の側にいないと意味が壊れて、伝わらなくなってしまうからです。

    群動詞かそうじゃないかは、どうやって見分けるの?

    そんな質問があるかと思いますが、究極のところ、それは知識です。
    look for が、look(見る)とは異なる意味の熟語、すなわち群動詞であると判断できるのは、その知識があるからです。
    その群動詞を覚えているかどうかです。
    熟語として覚えているから、その熟語を引き離してはいけないと理解できます。

    何だ、結局覚えないとダメなのかあ・・・。

    ため息をついた方もいらっしゃると思いますが、単語も熟語も、覚えないとダメなものはダメです。
    look for は中学で学習する熟語ですが、それでも覚えていない子は、覚えていません。
    テスト範囲だったときは何とか覚えて、テストが終わればすぐに忘れてしまうのです。

    英語でそのような学習習慣だと、学年が上がるにつれて本当にひどいことになります。
    定期テストは、跳びぬけて良いわけではないにせよ、そこそこの点は取っている。
    そういう場合、保護者の方は、子どもがそのような学習習慣に陥っていると気がついていないことがあります。
    中学生の間は、目に見える形では、危機が露呈しません。
    ひどいことになっていると気がつくのは、多くの場合、高校2年。
    校外模試や学力テストで、英語の偏差値が極端に低いことを初めて目にし、愕然とする保護者の方が多いです。
    あるいは、当然受かるだろうと思って受検を勧めた英検準2級や英検2級に筆記試験で不合格という事実に直面したとき。

    ただし、生徒自身はそのずっと前から状況にうすうす気づいています。
    自分が、中学生から全く英語力が伸びていないこと。
    単語も熟語も覚えていない。
    文法も、細かいところはよくわからない。
    それは本人には自覚があるのですが、定期テストの点数がそこそこなので、保護者は気がつかないのです。

    単語も熟語も、反復がものを言います。
    文法練習をたくさんやっている子は、その中で単語・熟語にも多く触れているので、少なくとも中学で学習した熟語は身についています。
    ただ、高校英語になると、覚えるべき熟語が大量なので、文法練習をやりながら身につけるということでは間にあわなくなっていきます。
    熟語は熟語で、整理して覚えていかなければなりません。
    暗記しましょう。
    英語は、ある程度時間を割いて勉強しなければ身につかない教科です。
    教科書だけとか、定期テストの範囲だけとか、視野の狭い学習にならないように気をつけて、反復してください。

    それを知り、実践してきた高校生と、実践しなかった高校生とでは、高校3年生では英語力に大差がつきます。
    大学入試問題に全く歯がたたない人と、普通に対応できる人と。
    高3になっても、英検2級の問題文の単語がほとんどわからない人と、英検準1級でも普通に正答でき、リスニングなら英検1級問題にも対応できる人と。
    私の実感では、中間層は少ないのです。
    できるか、できないか。
    その二択になってしまうのが英語です。
    その差は、才能よりも努力の差です。
    努力できることも才能だという見方をすれば、それも才能の差ではあるのですが。


      


  • Posted by セギ at 12:21Comments(0)英語

    2020年05月12日

    高校英語。関係代名詞。関係代名詞 that の用法。


    関係代名詞 that は、中学でも学習します。
    ただ、中学では、who や which の代用ができる、ということしか教わらなかった人が多いかもしれません。

    確かに、that は who の代わりも which の代わりもできます。
    主格でも目的格でも使えます。
    万能感が強い。
    いちいち判断しなくて済むので、口語では多用されます。
    だから、もう何でも that を使おうと決めてしまった人もいたと思います。
    しかし、そのつもりでいたら、中学の定期テストの4択問題で選択肢に that が存在せず、絶望の淵に立たされた、という人もいたと思います。
    自分が that で済ますのは自由だけれど、他人は who も which も使います。
    使い分けは理解しておいたほうが良いのです。


    さらに、高校英語になると、that は、最優先で使うべき場合と、使ってはいけない場合を学びます。
    中学では学ばなかった細かいルールを高校では学んでいきます。

    今回は、that を最優先で使うべき場合について学習します。
    場合ごとに列挙していきます。
    以下の場合は、関係代名詞は、that を用います。


    ①先行詞が「唯一の」など特定の1つのものを表す修飾語を伴うとき
    This is the only suit that he has.
    これは、彼が持っている唯一のスーツです。

    先行詞(関係詞節に修飾されている名詞)の前に、特定の1つのものを表す修飾語があるときです。
    この文では、the only です。
    「唯一の」という意味です。
    こうした修飾語を伴う先行詞のとき、関係代名詞は that を用います。
    the only の他に、the first , the second , the last(最後の) , the very(まさにその) , the same(同じ) 、最上級の形容詞、などがあります。

    This is the hottest summer that we have had in seventy years.
    今年は70年間で最も暑い夏です。

    The first and the simplest emotion that we discover in the human mind is curiosity.
    人間の心の中で最初に見いだされ、そして最も単純な情動は、好奇心である。


    ②先行詞が「全」または「無」の意味をもつ修飾語を伴うとき
    Don't believe all the gossip that you hear.
    耳にする全てのうわさ話を信じてはいけない。

    先行詞の前に、all , every , any , little , no およびその合成語があるときです。
    上の文では、gossip が先行詞で、その前に all があります。
    そのため、関係代名詞は that が使われています。

    There was little that interested him at the exhibition.
    その展示会で、彼の興味をひくものはほとんどなかった。

    この文は、little の後ろに漠然とした「ものごとや情報」を表す先行詞があるはずですが、それが省略されているとみなすことができます。
    little がその先行詞を修飾しているので、その後ろの関係代名詞は that です。


    ③先行詞が人+人以外のものの場合。
    Look at that boy and the dog that are running over there.
    向こうを走っているあの男の子と犬を見て。

    この用法は、中学でも学習している人が多いと思います。
    上の文では先行詞が「男の子と犬」なので、who を用いても which を用いても不自然です。
    こういう場合は、that を用います。

    The men and manners that he describes will be unfamiliar to most of his readers.
    彼が述べる人間と風習は、大部分の読書にはなじみがないだろう。


    ④疑問詞が先行詞の場合
    Who that understands music could say his playing was good ?
    音楽のわかる人の誰が、彼の演奏を良かったと言えるだろうか。

    この文の主節は、
    Who could say his playing was good ?
    です。
    では、どんな who なのかというと、「音楽を理解している人」なのです。
    このように、疑問詞を修飾する関係代名詞節のときは、that を用います。
    先行詞は明らかに人間なのだから who を用いてもいいのではないかと思う人もいると思いますが、
    Who who understands music could say his playing was good ?
    は、さすがに口調が悪いと判断され、避けられます。


    ⑤先行詞が人の地位・職業・性格を表し、関係代名詞節の中で補語の働きをしている場合
    He is not the man that he was ten years ago.
    彼は10年前の彼ではない。

    これを2文に分けるならば、
    He is not the man. He was the man ten years ago.
    となります。
    1文目の the man と2文目の the man が同一人物ですから、それが先行詞と関係詞になります。
    2文目の the man は、2文目の中でC(補語)の働きをしています。
    なお、この that は which への言い換えは可能です。
    「え?人なのに?」
    と驚くかもしれませんが、who や whom での代用はできません。


    以上、that が優先的に使われる場合をまとめました。
    こういう細則は、学校の文法テキストでは小さい字で書かれていたり、別枠のコラムなどでまとめられています。
    「じゃあ、そんなに重要じゃないんだな」
    と思ってしまい、覚えないでいると、定期テストで後悔します。
    基本の理解を重視するタイプのテスト問題を作る先生でも、上の①~③は、テストに出します。
    少し難しい問題を作る先生ならば、④も⑤もテストに出します。
    テストに出ないという判断そのものがまず誤りだと自覚してください。
    テストは、むしろこういうところが出るのです。

    また、英語表現Ⅱの演習テキストを勘で解いたら間違いだらけで、でもなぜ違うのかわからない・・・という人は、こういうところを覚えていないために間違ってしまう場合が多いのです。
    4択問題なのだから確率的には25%は正答できるはずなのに、10%も正解にならない・・・という人は、細則を重視した文法の総復習をすると疑問が晴れてスッキリします。

    「こんなのどうせテストに出ないよ」
    というのは、バイアスのかかった認知です。
    テストに出ないと思ったほうが覚えなくて済むので楽だ、という気持ちが根底にありませんか?
    高校生になれば、そうしたことも客観視できるはずです。

    これは、テストによく出ます。
    そのつもりで覚えましょう。

      


  • Posted by セギ at 12:32Comments(0)英語

    2020年05月04日

    高校英語。関係代名詞。所有格の関係代名詞 whose。


    今回は、所有格の関係代名詞 whose の話です。

    まずは、2文を1文にするところから確認しましょう。

    I found a notebook. Its cover was red.
    私はノートを見つけた。その表紙は赤だった。

    この2文を、「私は表紙の赤いノートを見つけた」という1文にします。
    1文目と2文目で共通のものを表す単語は、1文目の notebook と2文目の its です。
    2文目が、1文目の notebook を修飾するようにしたいですが、関係代名詞は、いつも通りの which で良いでしょうか?
    関係代名詞は、2文目の中でどんな働きをしているかで使い分けます。
    人以外のもの、すなわち物や動物が先行詞(修飾される名詞)のときは、主格でも目的格でも which でしたが、今回は、主格でも目的格でもありません。
    its は、所有格です。
    こうした場合に用いるのが、所有格の関係代名詞 whose です。

    I found a notebook whose cover was red.
    私は、表紙の赤いノートを見つけた。


    日本語に訳すときは、上の文のように、whose を訳さないようにすると、むしろスムーズです。

    I have a friend whose father is an actor.
    私は、お父さんが俳優の友達がいる。

    The man whose old rusty bike had been stolen was reluctant to report the theft to the police.
    古い錆びた自転車を盗まれたその男は、いやいや警察に届けを出した。

    This grammar book is specially intended for people whose native tongue is not English.
    この文法書は、特に英語を母国語としない人たちに向けて書かれたものである。

    だんだん難しくなっていますが、基本構造がわかれば、意味は取れると思います。

    関係代名詞 whose は、先行詞が人でも、人以外でも使います。
    そこを誤解し、人以外のときには which を使ってしまう人がいますが、そういうことはありません。
    所有格のときは、全て whose が使えます。

    上のような誤解をする人がいる一因は、whose の言い換え表現にあるのでしょう。
    whose を of which で言い換えることができるのです。

    We mended the chairs whose legs were broken.
    = We mended the chairs the legs of which were broken.
    私たちは、脚の壊れた椅子を修理した。

    「whose +名詞」を「the 名詞+ of which 」に言い換えることができるのです。
    この場合は、さすがに先行詞は人以外のもののときとなります。


    whose は、中学では学習しない関係代名詞ということもあり、そういう関係代名詞があることすら忘れてしまう高校生は多いです。
    中学で習った文法以外は一切身につかない様子なのは、高校の学習内容は量が多く覚えきれないことが一因だろうと思います。
    高校1年の「英語表現Ⅰ」で高校文法を全て学習し、高校2年の「英語表現Ⅱ」では、それを踏まえた演習を行う高校は多いです。
    高1で学んだ文法が全部頭から抜け落ちていると、高2の演習で苦労します。
    何の文法単元の、どんな文法事項の問題を解いているのか、全くわからないまま、ただ問題を解いてしまうのです。
    全部、熟語や語法の問題だと勘違いして解いてしまう人もいます。
    何の文法単元なのかを意識し、文法のテキストや参考書を読み直してから解くと、かなり演習しやすくなります。
    定期テストのために一度は覚えても、また忘れてしまっていることが大半です。
    繰り返し復習することで、身についてきます。


    ところで、『ルーム』という映画をご存じでしょうか。
    新型コロナウィルスによる閉塞感の強い今、あの映画は、メンタルの弱い人は見ないほうが良いのかもしれませんが、5歳の男の子の視点で描かれていることもあって、英語は非常に易しく、聞き取りやすいです。
    メンタルの強い人は、リスニング学習のつもりで、字幕なしで見てみると良いでしょう。
    映画の後半、登場人物の一人が叫びます。

    Do you think you're the only one whose life was destroyed?
    人生を破壊されたのは、あなただけだと思っているの?

    非常にクリアに聞き取れるはずですし、完璧な形で whose が使われています。
    今の時代でこそ、共感できることも、励まされることも多い映画です。






      


  • Posted by セギ at 15:40Comments(0)英語

    2020年04月29日

    高校英語。関係代名詞。目的格の関係代名詞 whom。


    さて、関係代名詞。今回は目的格です。

    前回説明したのは、主格の関係代名詞でした。

    I have an aunt. She lives in New York.
    この文を関係代名詞で1文にすると、
    I have an aunt who lives in New York.

    この関係代名詞 who は、2つ目の文の中で、主語の働きをしています。
    こういう関係代名詞を主格の関係代名詞といいます。
    2つ目の文、すなわち関係代名詞節の中でどんな働きをしているか、で分類します。
    主節の中の何を修飾しているか、ということと混乱する人がいるので要注意です。

    I will show you the pen which was given to me by my uncle.

    この文もそうですね。
    この関係代名詞 which は、2つ目の文の中で、主語の働きをしています。
    繰り返しますが、1つ目の文、すなわち主節の中でどんな働きをしているかは関係ないのです。
    主節の中で先行詞が主語だろうと補語だろうと目的語だろうとどうでもよいのです。
    関係代名詞節の中で主語の働きをしている関係代名詞が主格。
    関係代名詞節の中で目的語の働きをしている関係代名詞が目的格の関係代名詞です。

    今回は、その、目的格の関係代名詞について説明します。

    She is the girl. Tom invited her to the party.

    この2文を1文にして、「彼女は、トムがパーティーに招待した女の子です」という文を作りたい場合。
    1つ目の文の the girl と、2つ目の文の her が同一人物です。
    関係代名詞に変化する単語 her は2つ目の文の先頭ではないので、文をつなげにくいです。
    でも原則は主格のときと同じです。
    修飾される名詞である先行詞がきたら、すぐに関係代名詞です。
    だから、2つ目の文の her を、whom という関係代名詞にして、先行詞の直後に置きます。
    その後、2つ目の文を主語から普通に続けていきます。
    her はもう whom に形を変えて先頭にいったので、飛ばします。

    She is the girl whom Tom invited to the party.

    できました。


    ところで、whom って何?

    今までの関係代名詞は、疑問詞と同じ形をしていたのに、何か、whom って見慣れない・・・。
    そういう感想を抱く人がいるかと思いますが、実は whom も疑問詞の1つで、書き言葉としては今も使われることがあります。
    By whom was this book written ?
    「この本は、誰によって書かれたのですか」
    直訳がやや固くなりましたが、英語的にもやや固い表現です。
    しかし、「誰によって?」という疑問が文頭から明確に伝わるという点で、論理的な文章としては有効です。
    語句の関係が明瞭だということは、読みとりやすいということです。
    who was this book written by ?
    も正しい文ですが、最後の by を聞くまで、疑問の中身が何であるか不明瞭です。

    勿論、こんなことを受動態で質問するからややこしいので、話し言葉ならば、
    who wrote this book ?
    と能動態で質問するでしょう。
    けれど、もっと込み入った内容の論説文の場合、by whom 、 for whom 、with whom などは、有効な表現です。
    そして、勿論、関係代名詞 whom も書き言葉として現役です。


    ところが、ゆとり教育の時代に、中学の英語教科書から関係代名詞 whom が消えました。
    新課程になった後も、復活していません。

    理由は色々考えられますが、最も大きい理由は、目的格の関係代名詞は省略可能だということ。
    She is the girl Tom invited to the party.
    と、whom を省略することが可能なのです。
    話し言葉では、むしろ省略される場合がほとんどです。
    girl と Tom の間に少しポーズをとって区切れば、十分意味が伝わります。
    アメリカの口語英語を基準としている中学英語教科書は、そういうわけで whom の存在を消してしまったようです。

    日常で省略されることが多くなると、何が起こるか?
    ネイティブでも、who と whom の使い分けができない人が増えてきています。
    たまに使うときに、whom と言うべきところを誤って who と言ってしまうのです。
    間違う人が多くなると、それも正しい表現として認められていくのが言語です。
    現在では、目的格でも who を用いることが許容されています。
    高校の「英語表現」の教科書では、目的格の関係代名詞は、whom の他に who が明記されています。


    こうした情報をどう読み取るか?
    「じゃあ、何でも who でいいんだ!who しか覚えない」
    と決めてかかって良いのでしょうか?
    いいえ。
    whom も身につけておいたほうが良いでしょう。
    なぜなら、書き言葉として、whom は現役の関係代名詞だからです。
    また、「前置詞+関係代名詞」という内容をこの先に学習しますが、それはさすがに who での代用を認められていません。
    前置詞の後ろに主格の who をもってくる感覚は、ネイティブにはないのです。
    ですから、結局、whom は学習しなければならない関係代名詞です。
    どうせ学習しなければならないのなら、基本の用法から正確に身につけておくに越したことはありません。
    現実問題として、何でも who でいいと覚えていたのに、高校の英語表現のテストの四択問題で、選択肢に who がない、ということはあり得ることです。

    「どちらでもいいのなら、片方しか覚えない」という学習姿勢は、英語には不向きです。
    覚えていないもう片方を相手が使う可能性があるからです。

    関係代名詞に限らず話を広ければ、英語は同じ表現の繰り返しを嫌いますから、1つの文章の中で同じことを常に言い換えていきます。
    1つの表現しか覚えないという姿勢では、英文を読めないのです。
    英語長文を読んでいて、
    「何でいちいち言い換えるの?だから途中で意味がわからなくなるんだよ」
    と愚痴を言う子もいますが、1つのことを1通りの表現でしか表せない言語は、文化的に痩せた言語です。
    類義語・類語表現の多さは、言語的な豊かさの証です。
    自分1人の学びやすさのために英語が存在するわけではない。
    つくづくとそれを悟るのも、外国語を学ぶ意味の1つであるように思います。


    さて、whom の基本的な用法に話を戻しましょう。
    The boy could speak Japanese a little. I met him in the park.
    この2文を「私が公園で会った少年は、少し日本語を話すことができた」という文にするには、どうすればよいでしょう。

    2つの文で同一人物なのは、The boy と him です。
    これが先行詞と関係代名詞になります。
    先行詞と関係代名詞になる語との距離がさらに開きました。
    これも、先行詞がきたら関係代名詞、という基本ルールでつなげば大丈夫です。
    したがって、主節は途中で分断されます。

    The boy whom I met in the park could speak Japanese a little.

    The boy という先行詞がきたら、すぐに whom。
    その後、2つ目の文、すなわち関係代名詞節を先頭から書いていきます。
    ここで変な倒置を考える人がいるのですが、必要ありません。
    主語から普通に述べていき、ただし、whom に変わった him は省略し、さらにその後ろを普通に述べていきます。
    関係代名詞節が全部終わったら、主節に戻り、これも普通に順番通りに述べていきます。
    ルールは極めてシンプルです。
    勿論、この whom も目的格ですから省略可能です。


    上のように2つの英文が与えられて、関係代名詞を使って1文にしなさい、という問題なら正答できる人が、日本文を英文に直す問題では難渋することがあります。
    「私が公園で会った少年は、少し日本語を話すことができた」
    この日本語を英語に直す問題のとき。
    多くの場合、まず、
    I met a boy in the park
    と書いてしまい、その後に何も続けられなくなってしまうのです。

    前回の主格の関係代名詞のときも書きましたが、日本語を英語に直すときは、日本語の主語・述語を把握しましょう。
    「私が公園で会った少年は、少し日本語を話すことができた」
    この文の主語と述語は何でしょうか?
    国語の文法の学習でも主語と述語を見つけることが苦手な人がいますが、そういう人は、まず主語を探してしまうようです。
    しかも、主語は必ず文頭にあるという間違った思い込みをしています。

    日本語で主語と述語を探すときは、まず述語を探します。
    倒置法などの特殊な場合を除き、述語は、文末にあります。
    一方、主語は、文頭にあるとは限らないのです。
    上の文の述語は、1文節で正確に答えるなら「できた」ですが、今は英文を作るための主・述の確認なので、意味がとれるよう「話すことができた」とざっくり把握しましょう。
    話すことができたのは誰なのか?
    その「誰」にあたるのが、この文の主語です。
    話すことができたのは、「私」ではなく、「少年」です。
    英語は、主語から書き出します。
    だから、英文の書き出しは、The boy です。
    The boy
    どんな少年なのか?
    私が公園で会った少年。
    この修飾関係が見えたら、もう大丈夫。
    名詞を修飾する2語以上の語句は、名詞の直後に置かれます。
    修飾語句の中にも主語と述語が存在するのが感じ取れますから、これは関係代名詞節で修飾するのだと予想が立ちます。
    The boy I met in the park
    そのように分析すると、ここまで英文を作ることができます。
    これで、文の主語とその修飾語句が作れました。
    で、そのボーイがどうしたのか?
    「少し日本語を話した」
    なるほど、では、その部分を作ってみましょう。
    The boy I met in the park could speak Japanese a little.
    で、問題を読み直し、「関係代名詞を用いて」と、もし書いてあれば、これは先行詞が人間で目的格の関係代名詞 whom だなと判断し、
    The boy whom I met in the park could speak Japanese a little.
    これで正解です。
    ヽ(^。^)ノ

    そんな手間はかけられない、と言う子もいます。
    しかし、最初はこうやってしっかり分析して書くようにすると、そのうち、パッと読んだときに日本語の構造が見えてくるようになります。
    そうなれば、こんな手順を踏まなくても、スラスラと正しい英文を書けるようになります。
    日本語の構造を正しく把握できるようにもなります。
    良いことづくめです。




      


  • Posted by セギ at 11:56Comments(0)英語

    2020年04月23日

    高校英語。関係代名詞。まずは中学の復習から。


    さて、今回は関係代名詞。
    まずは、中学の復習をしてみましょう。

    問題 以下の英文の空所を補充せよ。
    (1) I have an uncle (  ) lives in New York.
    (2) My brother has a car (  ) runs very fast.

    これは易しいですね。
    (1) I have an uncle (who) lives in New York.
    (2) My brother has a car (which) runs very fast.

    です。
    この who や which を関係代名詞といいます。
    高校生なら、この問題はおそらく正解できたと思います。
    一応、基本の構造を確認しましょう。

    I have an uncle. He lives in New York.
    私には叔父がいます。彼はニューヨークに住んでいます。

    この2文を、後ろの文が前の文を修飾するようにして1文にしたのが、関係代名詞を用いた文です。
    「私には、ニューヨークに住む叔父がいます」という文を作ったのです。
    このときに使うのが、関係代名詞です。

    I have an uncle who lives in New York.

    修飾される「叔父」という名詞を書いたらすぐに2個目の文を続けます。
    しかし、そのまま続けてもつながりませんから、he を who という関係代名詞に変えます。
    関係代名詞は、he という代名詞の働きもしますし、前の名詞を修飾するという働きを示しながら2文をつなぐ働きもできるのです。

    My brother has a car. It runs very fast.
    私の兄は車をもっています。それはとても速く走ります。
    これも同じ構造ですね。
    2つ目の文が、1つ目の文の a car を修飾する文、すなわち「私の兄はとても速く走る車を持っている」という文を作りたいときに、関係代名詞を使います。

    My brother has a car which runs very fast.


    修飾される名詞を「先行詞」。関係代名詞から始まるS・Vのある意味のまとまりを「関係代名詞節」と言います。


    しかし、ここから少しレベルが上がると、「なぜ?」と逆に問いたいほどに関係代名詞がわからなくなる子は多いです。
    例えば、こんな問題。

    問題 以下の日本語を関係代名詞を用いて英語に直せ。
    「私の姉に話しかけている男性は田中さんです」

    よくある誤答。

    My sister is talking to a man who is Mr.Tanaka.

    一応、意味は通じる英語ですが、これは、指定された日本語の英訳ではありません。
    この英文を日本語に訳すなら、
    「私の姉は、田中さんという男性に話しかけています」
    となります。

    どっちだっていいじゃない、大体同じ意味なんだから。
    そう思う気持ちもわかるのですが、この誤答は、誤答の中でも特に、
    「ああ、この子は、思ったよりも英語がわかっていないんだなあ」
    と採点する先生を少しがっかりさせてしまうものです。
    日本語の順番通りに英語に直しているだけ。
    「私の姉」と文頭に書いてあると、「My sister」と書いてしまうのをやめられないのかなあ。
    そのような意味で、がっかりさせてしまうのです。

    「私の姉に話しかけている男性は田中さんです」
    この日本語を分析しましょう。
    主語は「私の姉」ではありません。
    この文の主語は、「男性は」です。
    日本語は、「何がどうする」「何がどんなだ」「何が何だ」という主に3つの文型に分類できます。
    上の文は、そのうちの「何が何だ」にあたる文です。
    主語は、「男性は」。
    述語は、「田中さんです」。
    そして、「私の姉に話しかけている」は、「男性は」を修飾する修飾語です。
    ですから、この文の骨組みの部分だけを作れば、
    The man is Mr.Tanaka.
    となります。
    その主語の man がどんな man であるかを説明しているのが「私の姉に話しかけている」の部分です。

    ですから、正解は、

    The man who is talking to my sister is Mr.Tanaka.

    英語的に分析しましょう。
    「私の姉に話しかけている」という修飾語は、「男性」にかかります。
    修飾語が2語以上の意味のまとまりであるとき、修飾される名詞の直後に修飾語を置くのは英語の原則。
    だから、上のように、man の直後に who is talking to my sister がきます。

    英語の原則通りの、普通の文です。
    しかし、この英文を作れない。
    あるいは、この英文の意味を取れない。
    関係代名詞が苦手な子の第一関門がここです。

    先行詞が来たら、すぐに関係代名詞。
    主節を一旦停止して、関係代名詞節。
    授業で繰り返し繰り返しその話をして、補助しながら英文を作って、練習して練習して、これで大丈夫と私は思っていても、翌週、その子の解いてきた宿題の答えは、
    The man is Mr.Tanaka who is talking to my sister.
    と、また別の誤答していて、天を仰ぐこともあります。

    なぜ、これほどに定着しないのだろう?
    どんな誤解があるのだろう?

    英語が苦手な子は、本来の文法事項をさらに簡略化した独自のルールを作ってしまうのではないか?
    そう勘繰りたくなるほど、雑なことをやってしまう子がいます。
    全部1つのパターンで問題を解いてしまうのです。
    説明したルールの複雑なところを省略して、勝手に簡略化したルールで解いてしまいます。
    上の例で言えば、「先行詞の直後に関係代名詞節」という正しいルールを教えても、それは忘れてしまい、1文を全部書いたら続けて第2文、というような、単純なルールにすりかえてしまうのです。

    小学生の頃には勉強ができたのに、学年が上がるにつれてどんどん出来なくなっていく子の多くはこういう子です。
    中学生になっても、高校生になっても、小学生のような解き方をしていないでしょうか。
    頭を使わない、とても単純な、ぱっと見て判断する解き方です。
    他の解き方ができない。
    他の解き方を知らない。
    「考えて取り組む」ということが実感としてよくわかっていないのではないかと思うのです。

    難しいことを理解することができず、本当に苦労している・・・。
    それなら仕方ないのですが、そんなふうには見えない子が、じっくりとものを考えたり判断したりということができず、凡庸な成績で低迷してしまうことがあります。
    関係代名詞のルールなんてそんなに難しいものではないのですが、そういう子にとっては、それですら複雑過ぎて不愉快らしいのです。
    でも、スポーツでもゲームでも、もっと複雑なルールのものは沢山あります。
    スポーツやゲームの複雑なルールは受け入れるのに、勉強の難しさ、英語の難しさは受け入れない・・・。

    サッカーをするのに「手を使わなきゃ何でもいいんだろ?」なんて把握をしたらバカにされます。
    同じことを勉強でやってしまっていないでしょうか。
    勉強は、自分が思うよりもずっと複雑なものだ、と認識を改めれば成績の上がる子は多いと思います。


    関係代名詞に話を戻しましょう。

    先行詞がきたら、関係代名詞。
    これがルールです。
    そのため、主語を修飾する関係代名詞節が挿入されれば、主節をいったん分断することになります。

    The man is Mr.Tanaka. He is talking to my sister.

    この2文を、関係代名詞でつないで1文にするなら、
    The man who is talking to my sister is Mr.Tanaka.
    とするのが基本です。
    先行詞は、the man ですから、それを書いたら直後に関係代名詞節を書いていきます。
    関係代名詞節を全部書き終わったら、主節に戻ります。

    「え?先行詞って何?」
    「・・・だから、修飾される名詞のことですよ」
    「え?修飾って何?」
    「・・・」

    修飾というのは、その名詞をより詳しく説明することです。
    「男」とは、どんな男なのか?
    「男」だけでは漠然としています。
    向こうを歩いている男ではなく、あそこに立っている男でもなく、私の姉に話しかけている男のことですよ。
    これでより詳しくなり、誰のことか限定されました。
    この働きを修飾、といいます。

    こういう説明がなぜか頭に残らない子も多いです。
    不定詞の学習のときも、分詞の学習のときも、同じ説明をしたのに、また同じ質問をするなあ・・・と不可解に感じることがあります。

    一体何がこんなにわからないのだろう?

    しかし、本人が、日本語でも修飾語を使うことがないようでは、無理もないのかもしれません。
    文は、主語と述語だけ。
    いや、主語すらないことも多い。
    修飾節を含む文など、口にしたことも書いたこともない。
    それなのに、母国語でもない英語で、こんなにきちんとした修飾節を含む文を作らなければならない。
    これは厄介かもしれません。
    本人の日本語能力を越える英文は作れない。
    そういう根本の原因もあると思います。

    しかし、それで諦めるわけにはいきません。
    英語で複文を作ることにより、日本語で複文を作れるようになるといいと思います。
    こういう文の構造を知ることにより、日本語の能力も高まる。
    外国語を学ぶのには、そういう効果もあるはずです。


    ところで、先ほどの2つ目の誤答、
    The man is Mr.Tanaka who is talking to my sister.
    では、なぜダメなのか?

    Mr.Tanaka のような人名や地名などを「固有名詞」といいます。
    英語では文中でも大文字で始める名詞です。
    固有名詞には、修飾節はつきません。
    日本語に訳してみるとわかります。
    「その男性は、私の姉に話しかけている田中さんです」
    違和感があります。
    別の田中さんも存在するような気がします。
    作りたかったのは、「私の姉に話しかけている男性は田中さんです」という文だったはずです。
    これでは、意味が違ってきます。

    実は、
    The man is Mr.Tanaka , who is talking to my sister.
    という英文は、存在します。
    間にカンマ (,) が入っています。
    これは、非制限用法と呼ばれるもので、高校で学習する内容です。
    「その男性は田中さんで、私の姉に話しかけています」という意味です。
    それもまた、別の意味の文ですね。


    The man who is talking to my sister is Mr.Tanaka.

    自分で作るのではなく、この英文がポンと出てきたときに、意味がわからない、構造が読み取れない、と悩む子もいます。
    どこで切れるのかわからない、というのです。
    「英語は意味のまとまりごとに把握しろ」
    と言われても、その「意味のまとまり」がわからない・・・。
    そういう場合、慣れるまでは、動詞に注目し、構造がよくわからない文のときには、2つ目の動詞の前で切るのが1つの作戦です。
    2つの文が1つの文になっているのですから、動詞は2個あります。
    上の文は、2つとも is ですね。
    2個目の is の前で文をいったん切って、意味を考えてみます。

    The man who is talking to my sister
    私の姉に話しかけている男性

    それがどうしたのかな?

    is Mr.Tanaka.
    は、田中さんです。

    というように区切ると、意味が見えてきます。

    一般動詞の文の場合は、動詞の前に頻度の副詞が入っていることなどもありますが、それは自分で微調整しましょう。
    基本は2個目の動詞の前で区切って考えてみる。
    それで随分スッキリすると思います。

    なお、意味を理解するだけなら、
    The man who is talking to my sister
    まで読んで、あるいは聞いて、
    「男性が私の姉に話しかけているんだな」
    次に、
    is Mr.Tanaka.
    を読んで、あるいは聞いて、
    「その人が、田中さんなんだな」
    という把握で大丈夫です。
    文頭から意味を取る、英語を英語のまま理解する、意味のまとまりごとに英語を理解する、というのはそういうことです。


    関係代名詞は、文法でちょろっと出てくるだけのものではありません。
    高校のコミュニケーション英語では、関係代名詞が1語も出てこないページを探すのが逆に難しいくらい頻繁に使われます。
    ここを理解しておかないと、ちょっとやばいぞ。
    そのような緊張感で取り組みたいところです。
      


  • Posted by セギ at 12:22Comments(0)英語

    2020年04月15日

    NHKラジオ講座「英会話タイムトライアル」はスピーキングに効きます。


    4月も休校が決まって、勉強の遅れが気になっている中学生・高校生は多いと思います。
    英語の勉強をどうしよう?
    どうせ学校の授業がないんだから、先に進めなくても仕方ないでしょう、と遊んでいると、英語や数学のような積み上げ科目は、ブランクの分だけ、以前よりも学力が落ちてしまいます。
    例年でも、ゴールデンウィーク明けや夏休み明けに、「うん?何だこの子?どうしたの?」と驚くほどに基礎力の落ちてしまった子に出会うことがあります。
    計算すること自体が上手くいかない。
    手が上手く動かない。
    英語を書くこと自体が久しぶり過ぎて、手が動かない。
    基本単語のスペルすら忘れてしまった。
    そんなことが起こりがちです。
    何とか自力で勉強を続けていきましょう。

    勉強する手段は色々ありますが、低価格ということで言えば、NHKラジオ講座が抜群のコストパフォーマンスであり、内容も信頼できます。
    なかでも、スピーキング練習に効果があるのが、「英会話タイムトライアル」です。
    NHKラジオ第2放送。
    周波数は関東ならば693。
    その他の地域でも、NHKラジオは各地域で強い電波を発していますから、受信状態はかなり良いと思います。
    それでも聞き取りにくいときは、NHK語学番組はデジタルサービスもあり、スマホやパソコンでも聞けます。
    それぞれの講座テキストの巻末に案内が乗っていますし、ネットで検索してもすぐ出てきます。
    講座ごとにCDも発売されています。
    書店にはNHKテキストとCDのコーナーがあります。
    今まであまり興味がなかったから、そんなコーナーがあることすら知らなかったという方は、そのコーナーの大きさとテキストの種類の多さに驚くかもしれません。

    「英会話タイムトライアル」の放送時間は、月曜日から金曜日まで、毎朝8:30~8:40。
    昼の12:15~12:25と、夜23:00~23:10にも再放送があります。
    土曜日の朝7:00~7:50に、5日分まとめて再放送もあります。

    どれもオンタイムで聞くのは難しいという場合、ポータブルラジオレコーダーを購入すれば、自動予約録音ができて便利です。
    録音を保存できますし、数週間ため込んでも大丈夫です。
    いえ、大丈夫と思うとどんどんため込んでしまい、苦労するのですが。
    私も一時期3か月遅れになってしまったことがあります。
    3か月遅れても、コツコツと続けていけば、いつかは追いつくのですが。

    「英会話タイムトライアル」は、初級者向けといっても中3程度の英語力がないと難しく感じるでしょう。
    全くの初心者向けの番組ではありません。
    目安としては、過去・未来・現在完了などの時制の区別、さらに基本的な助動詞などの英語の基礎力がついているのが最低限のレベルとなります。
    「何だ、そんなの基礎レベルじゃないか」となめてかかると、いざ挑戦してみたら絶句することがあるかもしれません。
    英語での日常会話に何ら不都合のない人以外は、チャレンジする価値のある番組です。
    例えば、こんな英語がすぐに口から出てくるかどうか。
    「洗濯洗剤の買い置きはどこにありますか」
    「ここは無料のWi-Fiはありますか」
    「この舞台の昼の部の最前列の席は空いていますか」
    「そのレストランは明日の夜、生演奏があるみたいですよ」

    実用英語なのですが、文法的にも正確で、きれいな英語です。
    教科書で学んだ英語とかけ離れていて、学校の勉強にあまり役に立たないのでは・・という懸念がないのです。
    講師は日本語が上手な英語ネイティブの人です。
    英語訛りの日本語に、逆に信頼感を抱きます。

    何よりも、とにかく英語で何かを伝えようとする姿勢をトレーニングできます。
    こんな機会でもないと、英語でのアウトプットは全くしない、という人は多いと思います。
    とにかく英語を口に出して言ってみる。
    そういう機会を日常的に設けることのできる番組です。
    しっかり学習し、テキストで復習、という本格的な学習の仕方も勿論良いと思います。
    あるいは、テキストを購入せず、何も見ないでどこまでできるか挑戦するのでも良いと思います。
    挑戦し、上手くできなくても、気にしない。
    覚えられなかった表現もある。
    でも、覚えた表現もある。
    また明日、やってみよう。
    そういう気軽な番組です。


    中学生の間は、中1ならば「基礎英語1」、中2ならば「基礎英語2」、中3ならば「基礎英語3」と、学年別のラジオ講座があります。
    高校1年生になってもラジオ講座を聞き続けたい。
    何を聞こう?と思っている人には「ラジオ英会話」が順当な番組でしょう。
    月曜日から金曜日まで毎日新しい番組が放送されています。
    こちらは、テキストを購入して、番組をしっかり聴いたほうが良い番組です。
    できるなら、その後、テキストの本文を暗唱してください。
    日本語訳を見て本文の英文が言えるか確かめてください。
    次に日本語訳を見て、本文を書いてみてください。
    暗唱は、ただの丸暗記ではなく、文法事項、語順、前置詞、冠詞を強く意識しながら行うことをお勧めします。
    番組を聴いたうえでその作業を行うことで、合計40分から50分。
    これを毎日やると、めきめきと英語力がつきます。
    学校が休みの今こそ、お勧めの勉強法です。

    高校2年になったら。
    「高校生からはじめる現代英語」という番組がお勧めです。
    以前も書きましたが、これは週に2回しか番組がありません。
    英語の新聞記事を高校生向けに易しく書き直したものを教材に、現代英語を学ぶ講座です。
    毎週、1本目は、英文の解説が中心で、普通の英語講座です。
    この番組、2本目の「反訳トレーニング」が絶品なのです。
    学んだ英文を使って、日本語訳から逆に英語を復元するのが反訳トレーニングです。

    なお、番組では、口頭で言ってみる反訳トレーニングで終わっていますが、「書く」も加えることをお勧めします。
    日本語訳を見て、英文を書いてみるのです。
    ペーパーテスト対策として、これは外せないことです。
    上の「ラジオ英会話」の学習の仕方でも書きましたが、番組を聴く+反訳トレーニングで、合計40分から50分。
    私は、昔、中1の「基礎英語」からそれをやっていました。
    ごく易しいものから少しずつレベルが上がったので、そんなに苦しくなかったのです。
    英語の語順が日本語とは根本的に違うこと。
    前置詞や冠詞に細心の注意を払わなければならないこと。
    そうしたことをその練習で学び続けました。

    しかし、途中からこれを始めると、最初はかなり苦痛を伴うかもしれません。
    上手く覚えられない、苦しい、と諦めてしまうことも多いと思いますが、苦しいから効果があります。
    筋トレと同じです。
    楽な運動をいくらやっても、筋肉はつきません。
    それと同時に、完璧を目指さないことも重要です。
    日本語訳を見て書いてみたら、間違いだらけで嫌になり、もうやめた、とならないことです。
    最初は間違いだらけでも、続けていけば、間違いは減っていきます。
    完璧じゃないと嫌だからと自分へのテストや力試しをしないでいると、学校のテストや模試や入試で嫌な目にあうのです。
    そのほうが本当に嫌です。

    繰り返しになりますが、お経を唱えるように意味もわからず丸暗記するような暗唱では、効果は半減します。
    文法、英語特有の語順、前置詞や冠詞に注意を払いながらしっかり暗唱し、日本語から英文を復元します。
    そういう頭の働かせ方をして英文を見るのだ、という姿勢もあわせて学ぶ反訳トレーニングをしてください。
    週に2回では物足りない、という人は、前述の「英会話タイムトライアル」もあわせて挑戦すると充実すると思います。

    さらに、もう1つ良いのが、「世界へ発信!ニュースで英語術」という番組。
    これは、月曜日から金曜日まで、毎日5分の番組です。
    テキストはありません。
    本当に聴くだけの番組です。
    実際の英語ニュースを教材として英語を聴き取る力を養う番組です。
    「高校生からはじめる現代英語」が新聞記事の英語ならば、こちらは音声による英語ニュースを扱っています。
    タイトルの印象では、何かを発信するみたいですが、リスナーは何も発信しません。
    ただ聴くだけです。
    リスニング強化に役立ちます。
    講師のクリアーな英語とわかりやすい日本語訳の後、本物の英語ニュースを聴くのが番組の流れです。
    記者やアナウンサーの話す英語は、一般人の英語と比べれば明瞭ですが、それでも、英語講座や教科書のお手本CDの英語ばかり聴いている耳にはかなり早口でそこそこ聞き取りにくい英語が流れます。
    耳が鍛えられます。


    高校3年生になったら「実践ビジネス英語」が最適です。
    ビジネス英語と言っても、ビジネスの話はほとんど出てきません。
    アメリカの会社で働く同僚たちが、社会問題について延々と喋っているのが番組内容です。
    重要語句の解説も主に英語です。
    テキストを読めばわかるような無駄な日本語訳や文法解説の時間はありません。
    これはテキストを購入し、しっかり聴いて、しっかり学び、できれば反訳トレーニングもしたいです。
    英検1級合格者や通訳の人たちも、学び続けるために聴いている番組です。

    以上、学年別にお勧め番組をまとめました。
    本人の英語力にしたがって、1学年上の内容に挑戦するのも良いですし、逆に1学年下の内容で基礎力アップを図るのも良いでしょう。
    ただ、安住はせず、常に上を目指しましょう。
    高校3年生で、偏差値の高い大学の英文科を目指しているのに、聴いているのは「ラジオ英会話」というのは、やっていることがちぐはぐです。
    易しいから気持ちが楽なので聴き続けたいというのは、大人なら良いですが、入試までの時間が限られている受験生がやることではありません。
    常に難しいことに挑戦しましょう。
    自分の今の能力をちょっと超えていることに挑戦すると、力がつきます。

    時間のある今こそ。

      


  • Posted by セギ at 11:58Comments(0)英語

    2020年04月08日

    高校英語。比較表現。ラテン語系の比較級。


    ラテン語は、イタリア語・フランス語・スペイン語などの祖。
    英語にも強い影響を与えた言語です。
    ・・・と言われても、ラテン語を知らないので何がどう影響しているのかピンとこない、というのが普通の感想だと思いますが、その中で、非常に具体的にラテン語の影響だとわかるのが、ラテン語由来の比較級です。
    そもそも、比較級しか知らない。
    この語の原級や最上級を見たことがない。
    そういう形容詞について、今回は学習します。

    特徴は、語尾が or であること。
    具体的には、senior(年上の) junior(年下の) superior(優れた) inferior(劣った) major(大きいほうの) minor(小さいほうの) prior(前の) posterior(後の) などです。

    これらの比較級は、than を用いず、to を用います。

    問題 以下の英文がほぼ同じ意味になるように、(  )に適語を補充せよ。
    He is five years older than I.
    He is five years (  ) to me.
    He is five years (  )(  ).

    真ん中の文は易しいですね。
    (  )の後ろが to なので、
    He is five years (senior) to me.
    だとわかります。

    3番目の文は、何でしょうか?
    これは、少しだけ発展的な内容です。
    senior は、「~よりも年上の人」という名詞の働きもします。
    だから、3番目の文は、
    He is five years (my)(senior).
    が正解です。

    ところで、
    He is five years older than I.
    彼は私より5歳年上だ。
    という文のように、2つのものや人を比較した際に、その差がどれだけなのかを表したいときは、比較級の前にその差を言います。
    あるいは、
    He is older than I by five years.
    のように、文末に by を用いて差を表すこともできます。


    問題 以下の英文がほぼ同じ意味になるように、(  )に適語を補充せよ。
    Most people think cultured pearls are worse than nutural pearls.
    Most people think cultured pearls are (  )(  ) nutural pearls.

    ・・・単語が難しいので、わからない・・・。
    そんなふうに諦めないでください。
    これは、意味がわからなくても文法的に処理できる問題です。
    何だかよくわからないけれど、cultured pearls と nutural pearls を比べていることはわかると思います。
    そして、cultured pearls のほうが悪いようです。
    下の文を見ると、上の文の worse than のところが、(  )(  )になっているだけ。
    ならば、解答は、
    Most people think cultured pearls are (inferior)(to) nutural pearls.
    意味は、「たいていの人は、養殖真珠は天然真珠より劣ると思っている」。
    そう言われて見直せば、pearls って、パールのことかー、真珠かー、と気づくと思います。
    頑張って読めば実は日本語として知っている英単語は案外多いです。

    ・・・いや、pearls を「パール」とは読めないよー。
    ピールって何だろう・・・とずっと思ってたー。

    そういう人もいるかもしれません。
    その場合でも、pearls という単語は前と後ろと2回出てきて、ただ、後ろのほうは nutural pearls となっていることに注目しましょう。
    nutural は、「ナチュラル」ですから、「自然な」という意味であるとわかります。
    では、cultured は、ナチュラルでない、自然でない、という意味合いのものだろうと推測できます。
    「自然でないピール」と「自然なピール」を比べている文なんだな、という程度の把握でも、問題を解くことはできます。

    とはいえ、こういう「少ない語彙でもどうにか得点する方法」といった授業をしますと、多くの場合、生徒はこちらの予想を上回っていて、nutural も「ナチュラル」とは読めないし意味もわからない、と言うのです。
    英語が苦手というのは、究極そういうことだなと感じ入る瞬間です。
    アルファベットで書かれている文字を読むことそのものに強い抵抗があり、読めないのです。
    いくら何でもこの程度の語彙は・・・というこちらの前提を覆し、中学で学習した英単語も覚えていないことが多いのです。

    英語の入試長文問題の隅々の単語の意味が全部わかる、というレベルになるのは難しいことですが、わからなくても何とかなるのは1行に1単語がせいぜいです。
    あるいは、その段落の中で、もっとも平易に内容をズバリ書いてある文の意味くらいは読み取れないと、何が書いてあるのか把握できません。
    単語を覚えましょう。
    学校が長い休みに入っている今が良いチャンスです。
    1日1時間を英単語を暗記することに使っても、まだ1日は長く、他の勉強も十分できます。

    英単語を覚えられない・・・という人は、実際には、1日1時間を英単語の暗記に使ったりはしていないはずです。
    5分も時間を割いていないのに、「覚えられなーい」と言っていないでしょうか。
    時間を使って暗記する努力をしていないのですから、そりゃあ、覚えられないです。
    暗記には、時間が必要なのです。
    ちゃんと時間を取って、暗記して、本当に暗記できたか自分にテストをしましょう。
    そして、覚えていなかった単語をまた覚え直して、またテストをしましょう。
    完璧に覚えられなくても諦めないことも大切です。
    「覚えられない」という人は、全てかゼロかの答をすぐに出そうとしがちです。
    結果が出ないとすぐに嫌気がさして、やめてしまいます。
    半分しか覚えられなかったとしても、それでもゼロよりましです。
    大切なのは、継続することです。
    単語集は、同じ1冊を、3周、4周、5周と繰り返すことによって、ようやく8割程度は覚えられたかな?となるものです。
    1周で100%覚えるなんて、そもそも無理なことなのです。


    話を戻します。
    形容詞だけでなく、動詞にも、このようにラテン語系のものがあります。
    prefer (~のほうが好き) という動詞です。
    I prefer white wine to red.
    私は赤ワインよりも白ワインのほうが好きだ。
    このように、やはり to を用います。

    prefer の形容詞形 preferable も to を用います。
    White wine is preferable to red with fish.
    魚には、赤ワインよりも白ワインのほうが好ましい。

    prefer を用いた文は、中学英語の like A better than B に書き換え可能です。
    I like white wine better than red.

    この文を日本語に訳すときに、どちらのほうが好きなのかを逆にしてしまう人が多いので、注意が必要です。
    英語の順番のまま日本語に訳してしまうからでしょう。
    「私は、白ワインより赤ワインのほうが好きだ」と訳してしまうのです。
    英語と日本語は順番が違う、と繰り返し繰り返し説明を受けているはずですが、ふっと気を緩めると、やはり日本語と同じ順番にしてしまうようです。
    英語は事実をまずズバリと言う直截な言語です。
    I like white wine. とまず言い切っているのですから、好きなのは、白ワインです。
    I prefer white wine. にしても、そうです。
    好きなことをまず、ズバリと言います。
    その後、何と比べてより好きなのかを説明します。


      


  • Posted by セギ at 12:09Comments(0)英語

    2020年04月05日

    「これだけで大丈夫」という勉強法は危ない。


    以前勤めていた塾が、英語講師のアルバイトを新たに募集したことがありました。
    私は人事に口をはさむ立場ではなかったのですが、筆記試験の採点はしましたし、意見をきかれることもありました。

    その日、面接を終えて戻ってきた副学院長が、少し困った顔で私に言いました。
    「はりきっている人でねえ、古いノートを机の上に広げて、自分が教わった塾の英語の先生がすばらしい人で、大学受験なんて中学の文法だけで十分なんだ、と独特の授業をしたと言うんだよね。そういう授業を自分もしたい、と言うんだけど」
    私は、面接の前に行われた英語の筆記試験の採点をしていました。
    筆記試験は、高校1年生対象の学力テスト問題でした。
    その応募者の得点は、60点台。
    この人を採用するか、どうか。

    「どう思う?」
    と訊かれて、私は、採点した答案を副学院長に渡しました。
    「中学の文法だけで十分、というより、中学の英語しか理解していないです。高校レベルの問題は、すべて間違えています」

    その人は、不採用になりました。
    大学入試は、確かに、文法問題の出題割合は低いです。
    中学の英文法だけで、あとは色々な受験テクニックを駆使して、長文の大意を何とか読み取れば、大学入試でギリギリ合格点を取ることは可能かもしれません。
    しかし、中学の文法だけで大学に入っても、それは、高校生の学力がないまま大学生になるという意味でしかありません。
    私は、その子と一度も顔をあわせませんでしたが、不採用という事実から、何かを理解してくれていたら良いと思います。


    これだけやれば大丈夫、といった勉強法は、ときに魅力的に映ります。
    国語や英語の読解問題で、本文を読まないで解く方法を教える講師さえいます。
    でも、それは、文章を読む能力がないまま大人になるということです。
    そんなことをすばらしいことと信じて、それ以上の勉強をすることをやめてしまったら、そこで行き止まりです。

    洪水のように押し寄せてくる、甘い情報。
    自分だけが楽な方法を知らず、損をしているような気がしてくる。
    それを、はっきりと、否定できること。
    そんなのは、嘘だ、と見切れること。

    「効率の良い効果的な勉強」と、「楽な勉強」は違います。
    楽なほうに流れたら、目先の合格だけは手に入ることがあるとしても、その先がありません。
    生徒に身につけてほしいのは、本物の学力であり、無限に伸びていける勉強法です。


    英語だけの話ではありません。
    数学にも、そういうことは起こります。

    文系の高校3年生で、センター試験対策として数ⅠAの授業を受けている生徒がいました。
    数Ⅰ「2次関数」のなかの、2次方程式の解の正負に関する問題を解いていたときのことです。
    「f(x)=ax2+2ax+10 がx軸と正の位置で2か所交わっているとき、aの値の範囲を求めよ」といった問題でした。
    数Ⅰならば、判別式・軸の方程式・f(0)の値の正負、の3つの要素で解きます。
    しかし、数Ⅱでは、同じ問題を、判別式・解と係数との関係、で解くことも可能です。
    センター試験の数ⅠAとは言うけれど、数Ⅱの解き方で解いてもいいんですよと話すと、その子は不可解な反応をしました。
    「数Ⅱは勉強していない」
    というのです。
    学習したけれどわからなかった、というのではないのです。
    そもそも、高校の授業で、数ⅡBは学習しなかった。
    文系選択の子は、高校2年の数学でも、数ⅡBの内容を教わらず、数ⅠAの復習をしていたというのです。

    ・・・え?
    それは、許されているの?
    数ⅡBの単位は、高校卒業に必須の単位じゃありませんでしたか? 
    彼女は首を横に振りました。
    そういうことは、よくわからない。
    でも、数ⅡBはやっていない。
    去年は、数ⅠAの復習をしていた、というのです。

    ・・・数ⅡBという名称の授業は書類上は存在し、単位を取得しているが、そこで学んだ内容は、数ⅠAの復習だった。
    どうも、そういうことのようなのでした。

    私立のカリキュラムは、数Ⅱや数Bではなく、「幾何」「代数」、あるいは、中学の頃から「数学α」「数学β」などと称していて、そもそも、文科省の正規の科目名と対応していないことが多いです。
    しかし、書類上は、文科省の指定する教科名になっているでしょう。
    私立は、中学3年の段階で高校1年の数学内容に入っているのは普通のこと。
    その一方で、高校2年になっても、高校2年の数学を教えない学校がある・・・。

    文系選択の子に、数ⅡBを教えない。
    その代わり、英語など、その子の大学受験に必要な技能を伸ばせるだけ伸ばすというカリキュラムで、進学実績を上げる。
    そういうカリキュラムの組み方は、合理的なのかもしれません。
    生徒側も、大歓迎でしょう。
    しかし、結局、数ⅡBの、とにかく計算・計算・公式・公式・計算・計算という経験を経ていず、数ⅠAがマックスに難しいという体感でしたから、その子は学力の天井が低い、という印象は否定しがたかったのです。


    そもそも、数ⅡBの内容は文系の子にも本当は必要です。
    大学まで視線を伸ばすと、それを感じます。
    文系の多くの学科で、統計学は必修です。
    現在、多くの高校で数B「確率偏差」を選択しないため、標準正規分布の読み取り方を大学で初めて教わる子が多いと思いますが、それでも、数ⅡBで「数列」や「積分法」を学習していれば、理解しやすいはずです。

    数B「確率偏差」が必修ではなく選択単元になっていることも、世の中の流れから考えれば少しおかしなことです。
    今年度からの小学校の新課程では、「データの分析」は以前よりも学習量の多い単元になっています。
    以前は教えなった「度数分布表」という用語も、「代表値」としての「中央値」「最頻値」という用語も、中学から小6の学習内容に下りてきました。
    分布を数直線上に点で表すことも、以前はそのやり方に名前はなかったのに、「ドットプロット」という用語が教科書に登場しています。
    覚えることが多くて大変・・・。
    さらに言えば「データの活用」として、「PPDACサイクル」なんてことも小6で教えるようになりました。

    PPDACサイクル。

    Problem(問題の発見)
    Plan(計画の立案)
    Data(データの収集)
    Analysis(データの分析)
    Conclusion(結論)

    ・・・こんなことを小6に教えようとしているのです。
    結局、子どもが相手ですから、扱われているのは「忘れものを減らす方法を考える」といった課題で、一番多い忘れものは何なのか、何曜日に忘れものが多いのか、などの分析をさせた後、結論としては「前日に準備をする」が模範解答という、大人が見ると何だそれという学習ではありますが。
    それは、データを分析しないと得られない結論なの?
    コントの台本みたいだけど、大丈夫なの?
    そう言いたい気持ちも少しあります。


    内容はともかく、データの分析と活用に関して、昔よりも学習のボリュームが増え、より大事な単元として扱われるようになってきているのです。
    これから、中学・高校の新課程でも、同じ方向の修正がされ、確率偏差や標準正規分布が必修になる日も近いでしょう。
    データが読めないと国際競争で勝てない。
    数学教育は、国家的重要事です。

    そのように言われている一方、現場は、真逆の反応をしつつあるようにも感じます。
    文系の子は、数ⅡBを高校で教わっても消化不良で終わっている子が多いのが実情です。
    だから、文系の子に数ⅡBを教えない高校を一方的に責めるわけにもいきません。
    数学があまり得意ではない生徒は、高校生になると、数学に関して「店じまい」を始めてしまいます。
    数学はもう全くわからないし、大学入試にも使わないから、定期テストは赤点を取らなければいい、単位が取れればいいと本人は判断しているようです。
    いえ、それほど明確に思い定めているわけではないにしろ、学習姿勢はそのようです。
    そうした子の多い文系クラスで、大半が理解できないような内容の授業を行えば、定期テストの結果も悪く、数学のせいでその子の内申が低くなります。
    大学の推薦入試もAO入試も、内申が重視されます。
    数学の成績がその子の足を引っ張ってはいけない・・・。
    数学が苦手な子には、できるだけ数学の授業を学校では受けさせないほうが、内申が上がります。
    高校3年の文系クラスでも、センター試験対策を目的とした「数学演習」といった授業を選択できる高校が以前は多かったのですが、そういうもののない高校が増えてきました。
    文系の子に学校の正規科目として数学を選択させると、それでその子の内申が下がるから選択させない、勉強させない、という考え方もあるのでしょうか。
    それは、うがった見方に過ぎるかもしれませんが。

    しかし、今後、ますます大学入試を内申重視にすると、当然、そういう弊害が起こってきます。
    内申を高くするための科目選択、という視点が生まれてきます。
    苦手なことだから補強するのではなく、苦手なことは、徹底して避ける。
    そういうやり方が肯定される可能性があります。

    数年前に評判になったビリギャルで有名な塾も、生徒に数学は選択させず、文系でしかも入試科目数の少ない私立大学を狙わせる、という戦略をとっていたと聞きます。
    有名大学でも、学科によっては、英語と小論文だけで合格できるところもあります。
    戦略としては理解できますが、それでいいのか?とも感じます。

    大学、あるいは実社会は、昔よりも数学的能力を重視し、数学のできる人材を求めています。
    文科省の定める教育課程もその方向です。
    しかし、高校の実態は、数学が苦手な生徒には数学を学ばせない傾向が生まれつつある・・・。
    このひずみ、このままにしておいて大丈夫なんでしょうか?

    得意なことでの一点突破が利口なやり方。
    これだけで大丈夫。
    英語は中学英語で大丈夫。
    数学は、必要ない。

    それは、本当に合理的なことなんでしょうか。
    近視眼的で不合理なことをやらかしているだけのようにも感じるのです。

    英語も数学も、本当に得意になれたら、それが一番です。
    本当に得意になれたら、受験も、その先も、可能性が広がります。
    目先の「これだけで大丈夫」に飛びつく前に、その先に何があるか、考えてほしい。
    その選択の先に何が待っているか、考えてほしい。
    そう思うのです。

      


  • Posted by セギ at 14:36Comments(0)算数・数学英語

    2020年03月25日

    高校英語。比較表現。the +比較級と、the のない最上級。


    最上級には the をつける。
    比較級には the はつけない。

    中学2年で、まずそのように基本を学習します。
    しかし、この基本がつかみきれないまま高校生になってしまった人が、英語が苦手、文法が苦手な人には多いです。
    最上級に関する空所補充問題で the をつけず、( )が1つ余ってしまい、仕方ないから余計な単語を入れて、誤答。
    間違えた直後は、ああそうだったと思っても、1週間も経つと、また同じことを同じように間違えてしまいます。

    ・・・何で?

    教えていて苦慮するのは、こういう基本がどうしても定着しない子がいることです。

    英語のつまずきは、学習の初期の初期から常にあり、多くの子が同じところを同じように間違えます。
    アルファベット小文字のbとdの混同。
    you're と your の混同。
    she's と her の混同。
    Are you ~?と Do you ~?の混同。
    三単現のs、名詞複数形のsを常に忘れる。
    現在進行形で be 動詞を一切書かない。
    ・・・枚挙に暇がありません。
    全てのハードルを引っ掛けて倒す選手のように、全箇所でつまずいていきます。
    人が変わっても、同じところを同じように間違えます。
    ああ、この子もまたここを間違えるのか・・・と感じることは多いです。

    学力的に、それが限界なのか・・・。
    いやいや冗談じゃない。
    こんな初歩の段階で限界ということはないでしょう。
    まだ余力があるでしょう?
    勉強に対する心構えや感覚が雑になっていませんか?
    シラス漁をしているのに、大きな魚を捕るための大きな目の網を使っていませんか?
    大体理解すれば大丈夫と思ってしまう。
    だから、全部頭をすり抜けてしまって、何にも残らない。
    そういう感覚の勉強をしていませんか?

    細かいところを丁寧に正確に見ましょう。
    似ているところの細かい違いをよく注意して覚えましょう。
    そこがテストに出るということを強く意識しましょう。
    定期テストの英語は、減点との闘いです。
    スペルを1つ間違えただけで、はい1点減点。
    ピリオドを打ち忘れただけで、はい1点減点。
    丸よりも△が多い人は、英語に関して自分の注意力のレベルを一段階上げれば、得点は格段に上がります。

    ・・・そんなの本当の英語力とは関係なくない?

    うん。
    気持ちはわかります。
    そんな細かいミスよりも、英文を読んだり聞いたりして大体内容が理解できて、英語を書いたり話したりして大体通じることのほうが大切じゃないか?
    確かにそうです。
    でも、現実には、そのような本当の英語力のある人は、上のようなミスも少ないのです。
    ミスは非常に多いが4領域の能力がバランス良く高い人に、私は会ったことがありません。
    上のようなミスは多いが、初見の英文を読んで答える問題はよくできるし、テーマを与えられた英作文は語彙も豊富で内容も深い・・・という人がいたら何だか格好いい気もしますが、現実には、私は見たことがないのです。
    文法ミスやスペルミスが多い人は、「本当の英語力」を問われる問題も、やっぱり苦手であることが多いのです。
    単なるケアレスミスというよりも、英語に対する意識の低さがミスに表れているためではないかと感じます。
    「大体わかればいいや」という気持ちの底には、英語がいつまでもいつまでも小学生の頃のように易しければいいのにという気持ちがあるのかもしれません。
    だから、英語が難しくなってくると、「大体わかる」こともできなくなっていくのです。

    小学生で日本に帰国した帰国子女で、日常会話の英語を「聞く」「話す」能力は高いけれど「読む」「書く」力があまり伸びない子がいます。
    文法ミス・スペルミスも非常に多いです。
    子どもの英語のまま、その先が伸びないのです。
    それが、本当の英語力でしょうか?

    正しい文法の正しい英語を使うことは、英語圏では常識ある大人であることの証明。
    教養の証明です。
    文法ミスやスペルミスの多さは、仕事人なら、職業的能力すら疑問視される可能性があります。
    それは、日本でも、そうでしょう?
    日本語が何だかおかしい日本人を仕事相手として信用できますか?
    メールや手紙が誤字脱字だらけの仕事相手を尊重できますか?

    私もこのブログを書いていて、誤字脱字を後になって見つける度にヒヤリとしています。
    細かいところを丁寧に正確に。
    完璧は目指せないとしても、そこに向かって努力することは必要なことだと思うのです。


    最上級には the をつける。
    比較級には the はつけない。

    この基本が曖昧なまま高校英語に進んでしまうと、その先は例外的なことが出てきますので、さらに混乱し、訳がわからない状態になっていきます。
    今回は、そんな内容です。
    最上級だけど、the がつかない。
    比較級なのに、the がつく。
    そういう表現を扱います。


    もともと、普通の最上級でも、副詞の場合は the をつけなくても良いのです。
    つけても構いませんが。
    この知識を問うために、主に私立高校では以下のような入試問題を作ることがあります。

    問題 次の英文の空所を埋めよ。
    She can swim (  )(  ) her class.
    彼女はクラスで最も速く泳ぐことができる。

    これを、
    She can swim (the)(fastest) her class.
    としてしまう人は、最上級には the をつけるということは理解しているのですが、副詞の場合は the はなくても良いという知識が身についていないのかもしれません。
    正解は、
    She can swim (fastest)(in) her class.
    です。
    the は省略できるけれど、 in は省力できません。
    しかし、前置詞に対する意識が低いと、上のような誤答になりがちです。

    実は、形容詞の最上級でも、叙述用法の最上級は the はつけなくても良いというルールもありますが、では、叙述用法の形容詞とは何なのかという話になっていきます。
    面倒くさいので、そこらへんは、今回は省略しましょう。


    ここから学習するのは、絶対に the をつけない最上級です。

    まずは、1つのものごと、1人の人の中での最上級。

    This lake is deepest at this point.
    この湖はこの地点が最も深い。

    1つの湖の中で、最も深いところの話をしています。
    これは、下の文と比較するとわかりやすいでしょう。

    This lake is the deepest in Japan.
    この湖は日本で一番深い。

    人間の場合の例も。

    She feels happiest when she is playing the piano.
    彼女はピアノを弾いているときに最も楽しいと感じる。

    これも、
    She is the happiest woman in the world.
    彼女は世界で一番幸福な女性だ。

    という文と比べると違いが理解しやすいと思います。


    次に、the をつける比較級。
    前にも書きました、the 比較級+主語・動詞~, the 比較級+主語・動詞・・・. の文。
    「~すればするほど、ますます・・・・」という意味の文でした。

    The higher we climb, the colder we feel.
    高く登れば登るほど、ますます寒いと感じる。

    他に、2つの中での比較。
    My brother is the taller of the two boys.
    私の弟は、2人の少年のうちの背の高いほうだ。

    冠詞 the には、ものごとを限定する意味があり、2つの中での~のほうなのだと確定する意味あいとして使われます。

    the を使わない最上級。
    the を使う比較級。
    セットで覚え、頭の中を整理してください。



      


  • Posted by セギ at 13:44Comments(0)英語

    2020年03月11日

    秀才のスピーキング能力が伸びない理由の1つには。


    英語四領域、すなわち、「読む」「聴く」「話す」「書く」の中で、一番弱い分野が「話す」である人は多いと思います。
    語彙には、自ら使用できる「使用語彙」の外側に、読んだり聞いたりしたときには意味を理解できる「理解語彙」があります。
    つまり、意味がわかっていても自分では使えない単語のほうが膨大なのです。
    しかし、「話す」という作業は、自分で使える単語だけをその場で何とか駆使して行わなければなりません。
    そのため、「読む」「聴く」よりも「話す」は難度が上がります。
    だから、四領域を難しさの順に並べると、「話す」「書く」「読む」「聴く」の順になるのは普通のことです。

    昔は、リスニングも難度の高いものだったのですが、今は、英語はそんなに得意ではなくても、リスニングはまあまあできる子が増えています。
    聴いて答えるだけなので、「勉強」らしい苦痛が少ないから、リスニングは好きだという子もいます。
    秀才も自分も対等だと感じるのかもしれません。

    そう言えば、スピーキングも、秀才とそうでない子との差をあまり感じない分野です。
    というより、秀才は、スピーキングで他の子たちと比べて突出した様子を見せないことが多いのです。
    周囲に埋没して、どんぐりの背比べとなりがちです。
    何だか、他の三領域と比べるとお粗末なんだけど、どうしたの?

    第一の原因は練習不足でしょう。
    英語秀才は、他の領域では不断の努力を怠りません。
    しかし、スピーキングだけは、普段、練習していない人が大半です。
    学校でテストもないし、入試にも出ないし。
    そうなると、練習しないんですね。

    日本人が全般的にスピーキングが苦手な理由は、
    「発音が悪いので、恥ずかしい。自分の英語はネイティブには通じないのではないか」
    という気持ちが先に立って、話すことを避けたがるのが主な理由だと思います。
    秀才は、そうした自意識がさらに強くなるということもあるかもしれせん。

    しかし、そればかりではないのだと感じる出来事がありました。

    英検準1級の2次面接の対策をしていたときのことです。
    学年相当の英語力はある高校生です。
    筆記試験は合格しました。
    しかし、2次面接の練習をすると、何も答えられず、黙り込んでしまうのです。

    何か答えないと、合格しないよー。

    例えば、「大学に高齢者のための講座があることをどう思うか」という設問。
    3分間、絶句。
    設問の意味はわかっている?と訊くと、わかっていると答えました。
    では、英語じゃなくていいから、日本語だったら、どう答える?と訊くと、以下のようなことを話し始めました。
    「高齢者の中には、社会参加を望む人もいると思う。そうした人たちが、大学で学ぶ機会を得て資格を取得し、その結果社会に貢献することは妥当なことであると思う」

    ・・・硬い。( 一一)

    そういえばこの秀才は、普段の話し方も書き言葉みたいなのでした。

    英検準1級は、帰国子女ならば小学生でも合格します。
    試されているのは、社会問題についての考察力ではなく、英語力です。
    英語によるコミュニケーション能力です。
    「勉強をしたいお年寄りは沢山いると思います。彼らが勉強できるのは、良いことだと思います」
    こんな程度でも合格します。
    はい。中学英語です。
    四領域のうち「話す」の能力が誰もが低いことは周知の事実。
    だから、スピーキングの採点基準は甘いです。
    え?こんな出来で合格するの?というくらい甘いです。
    易しい英語で語りなさい。
    易しい英語しか咄嗟に思いつくことはできないし、それで合格するのだから。

    そのようにアドバイスしながら、私は、秀才のスピーキングが他の子たちと比べて突出しない理由の1つは、こういうことなのかもしれない、と感じていました。
    本人の日本語能力にふさわしい英語力が、身についていないのです。
    考えたことをそのまま英語にするには、英語の語彙が足りません。
    日本語の書き言葉は、英文に変換しやすい構造だと思いますが、そのまま英語にするには本人の使用語彙が足りない。
    日常で用いる日本語は小難しいのに、咄嗟に出てくるのは中学英語なので、その差を埋められず絶句することになる・・・。
    秀才が英語をペラペラ話しだすには、使用語彙のレベルを高校英語に引き上げる必要があるのです。

    ・・・いや、言語レベルを下げるほうが簡単じゃない?

    易しい英語を使いなさい。
    難しいことを易しくわかりやすく語りなさい。
    自分の日本語を易しい英語に翻訳しなさい。
    頭が良いとはそういうことでもあるよ。

    これは英語の勉強なの?という謎のアドバイスに終始した英検対策でした。
    ともあれ、結果は、合格でした。
    本番は絶句せず答えられたようです。
    良かった。

    日本に住んでいて、普段英語を話す機会もなかったら、ペラペラになんかなりません。
    そんなにハードルを上げないで、とにかく話してみることです。
    「ペラペラ」の「ぺ」くらいでいいから。
    「ぺ」くらいで、英検準1級は合格します。

    ともあれ、10年前は、英検2級を受検する高校生すらまれでした。
    偏差値65以上の大学を受験する人は、筆記試験でいえば英検準1級程度の学力は身についていましたが、入試間際にそんなものを受ける必要も暇もありませんでした。
    だから、高校生に英検対策をする必要はなかったのです。
    中学まで一所懸命英検を受けていた高校1年生が、そのままのノリで英検準2級を受けることがある程度でした。
    この10年で、私立高校を中心に、学校単位で英検2級を目指すようになりました。
    大学に内部進学するための条件とする場合もあり、その対策授業が増えてきました。
    それでも2級止まりでしたが、壁を突き破ったのは、大学入試の民間試験導入です。
    英検準1級を取得すれば、英語の入試得点は満点とする、というのです。
    結局、大学入試に民間試験の導入は見送られましたが、1度視野に入った英検準1級を受ける人はやはりいます。

    これからは、こういう仕事が増えるのかもしれないと感じた出来事でもありました。


      


  • Posted by セギ at 11:55Comments(0)英語

    2020年03月06日

    高校英語。比較表現。~も、~しか、などの表現。


    高校英語の比較表現、さらに続きます。
    今回は、ある数量を「~も」「少なくとも~」「せいぜい~」「~しか」などと評価を付け加えて言う場合の表現です。

    現実には同じ数量でも、それをどうとらえるかは人によって、あるいは場合によって違ってきます。

    例えば、この3月、学校から長文読解プリントの宿題が1題出ている中学生がいます。
    私から見たら、何だ1題しかないのか、サイドリーダーを1冊出してもおかしくないのに、と思います。
    サイドリーダーなどの副教材が学校に届く前に突然休校になってしまったのでしょう。
    休校が決まり、たった1日で先生が急遽作った渾身の宿題。
    少ないけれど、貴重な宿題。
    しかし、英語が苦手な子にとっては、3ページ分の長文は、膨大な量なのかもしれません。

    多いなあ・・・と感じることを責める気持ちはないのです。
    ただ、その子は、翻訳アプリを使って設問に答えていて、それには頭を抱えました。
    そのプリントには、「わからない単語は辞書を使って、1文1文正確に読んでいこう。要約を書いてみるのも良いし、全文を訳してみるのも良いでしょう」といった注意書きがありました。
    ・・・辞書を使っていいのなら、翻訳アプリでもいいのではないか?
    そのような判断があったのかもしれません。
    翻訳アプリだけれど、学校の先生が推奨する全文翻訳をしようとし、ノートに途中まで全訳を書いていました。
    学校の先生の言うことに従う気持ちもあるようなのですが、根本が間違っている・・・。

    翻訳アプリを使って良いものかどうか?
    そうした判断を狂わせる要因は「宿題の量が多い」「この宿題は自分には無理だ」という価値判断なのだと思います。
    簡単にこなせる宿題ならば、翻訳機など使わないでしょう。


    そう言えば、以前、こちらは小学生でしたが、算数で「平均」を学習した際に学校の先生が電卓の使用を許可したことがあります。
    そういう措置になるのも仕方のない面もあります。
    合計÷個数=平均 の学習をしたいのです。
    「平均」を求める勉強をしているのであって、例えば2桁の数を10個たすといった合計の「たし算」の勉強をしたいわけではありません。
    でも、そこが学習の最大のヤマ場になってしまう子のほうが多いのです。
    私が個別指導をするときにも、合計を出すまでに1問で10分以上かかることもあります。
    何度やり直しても、たし算の答が合わないのです。
    だから、学校の「平均」の授業で特例として電卓を使用することは、あり得ることです。
    しかし、それを免罪符と思い込んだ子が、塾の計算プリントを電卓で解いてきたことがあり、それには唖然としました。
    「平均」の学習とは関係のない、計算練習のためのプリントでした。
    その子の答があまりにも正答とかけ離れていて、普通のケアレスミス・計算ミスとは違うので追及したところ、電卓の打ち間違いと告白しました。
    「学校で許されているから」
    と言い訳するので、事情がわかったのです。

    計算ドリルを電卓で解くことは、学校でも許されていないでしょう?
    「平均」の学習が終わっても、あれからずっと、計算は全部電卓でやっていたの?
    学校や塾で筆算するときに、前より難しくてつらいと感じていませんでしたか?
    いつも電卓でやっていたら、自分で筆算する力がどんどん衰えていきますよ?
    懇々と説き伏せ、保護者にも連絡したので、算数に電卓を使用することは以後なくなりました。

    こちらも、根本にあるのは、本人にとって、計算の宿題は量が多くてつらい、という気持ちだったと思います。
    そこに「電卓利用可」という言い訳が入り込み、間違った判断に至ったのでしょう。
    週に2ページの計算の宿題は、計算が苦手な子には心の負担なのかもしれません。
    計算間違いが多いので、授業中にその解き直しをするから、2ページしか出せない、という気持ちが私にはあるのですが。


    同じ数量でも、その人、そのときの主観によって、多かったり、少なかったりする。
    私は「2ページしか」と思っていても、その子にとっては「2ページも」になる。

    今回は、そういう主観をもとにした数量表現の話です。
    はい。
    ここから英語の話に戻ります。


    例えば、「私は5,000円持っています」。
    何の評価も下さないなら、これはそのままです。
    I have 5,000 yen.

    しかし、これを言う子が、まだ子どもで、月決めのお小遣いをもらったばかりなら、
    「私は5,000円も持っている」
    と言いたくなるでしょう。

    一方、これを言うのが大人で、今日はこれから友達とお茶を飲んでから映画を見て、それから食事をする、となった場合、手持ちのお金が5,000円では心許ないかもしれません。
    「私は5,000円しか持っていない」
    と言いたくなります。

    このように、現実は同じ5,000円でも、その評価は立場や状況によって異なります。
    そのように付加される評価をどう表現するか、です。

    最も低い評価からいきましょう。
    「私は5,000円しか持っていない」
    I have no more than 5,000 yen.
    =I have only 5,000 yen.

    言い換え表現とあわせて覚えておきましょう。
    no more than =only です。

    「~しか」とまでは言わないけれど、ややマイナス評価なのが、「多くても~、せいぜい~」です。
    「私はせいぜいで5,000円持っている」
    I have not more than 5,000 yen.
    =I have at most 5,000 yen.

    次に、ややプラス評価なのが、「少なくとも~」です。
    「私は少なくとも5,000円持っている」
    I have not less than 5,000 yen.
    =I have at least 5,000 yen.

    最もプラス評価なのが、「~も」です。
    「私は5,000円も持っている」
    I have no less than 5,000 yen.
    =I have as much as 5,000 yen.

    no less than =as much as です。
    ただし、much は、数えられない数量に対して使用します。
    数えられるものの場合は、as many as となります。

    お金は数えられるんじゃないか?と中学生から質問されることがあるのですが、お金は数えてもその価値が伝わりません。
    「私は、コインを10枚持っている」
    と言っても、それは1円玉が10枚なのか、500円玉が10枚なのかによって、価値が変わってきます。
    お金は、枚数を数えるものではないのです。
    だから、値段を訊くときは、How much ~?と訊きますよね。
    そこまで説明すると、「あー」と気がつき、納得する中学生が大半ですが、しかし、翌週の英作文では、また、
    I have many money.
    と書いている・・・。
    知識の定着は、なかなか難しいです。

    さて、上の4つのパターンのうち、言い換え表現のほうを除いて並べると、
    no more than ~しか
    not more than 多くて~、せいぜい~
    not less than 少なくとも~
    no less than ~も
    となります。

    似ているので、覚えにくいですが、これは数直線上にまとめて整理すると理解しやすいです。
    数直線を描き、真ん中は、ニュートラル。
    価値評価をつけない原点、とします。
    左方向がマイナス評価。
    右方向がプラス評価。
    上の4つの表現、どれも先頭は no か not です。
    no と not は、本来使い方の異なる否定語ですが、このように使用する場合は、no のほうが否定の意味が強い、と思ってください。
    だから、no から始まるほうは、原点より遠い位置におきます。
    not から始まるほうは、それよりも原点に近い位置に置きます。
    したがって、
    no more than が、最もマイナスの意味が強く、「~しか」という意味。
    not more than は、それよりは原点に近く、「多くて~、せいぜい~」という意味。

    これまでも何回か出てきましたが、not less と、否定語を2回用いると、肯定の意味になります。
    not less than は、原点よりややプラスの位置で、「少なくとも~」という意味になります。
    no less than は、それよりも原点より遠い、強いプラス評価の位置で、「~も」という意味になります。

    あとは、その下に、その言い換え表現を書き加えていけば、理解しやすいと思います。
    日本語でもそうですが、at most 「多くて~」がマイナス評価であること。
    at least「少なくとも~」がプラス評価であること。
    こうしたことで混乱する人もいます。
    よくわからないときは、上の例文のように、「多くて5,000円」「少なくとも5,000円」などと、具体的な数値とセットで考えてみると、理解しやすいと思います。

    ただ、そもそも、そのように価値を付加した表現をしたことがないという、言葉の痩せている子もいます。
    「超やべー。今日、5,000円」
    そういう物言いが日常の子もいるのです。
    その「やべー」はプラス評価なのか?
    マイナス評価なのか?
    なぜ、プラス評価とマイナス評価に同じ単語を用いるのでしょうか。
    本人の日本語の語彙が、そもそも痩せているのではないか?

    しかし、語彙が痩せているだけであって、感覚が鈍磨しているわけではないのです。
    ある数量をプラス評価したりマイナス評価したり、ということ必ずやっているはずです。
    英語を学習するのとあわせて、日本語の語彙を豊かにしていきましょう。
    日本語訳を見て初めて知った日本語を自分の中に蓄積していくのは有効だと思います。


      


  • Posted by セギ at 12:36Comments(0)英語

    2020年02月27日

    高校英語。比較表現。AはBの~倍。


    問題 次の文がほぼ同じ意味になるように空所を埋めよ。
      This room is three times as large as that one.
    =This room is three times (  )(  ) that one.
    =This room is three times (  )(  ) of that one.
    =That room is (  ) as large as this one.

    まず、一番上の文の意味を確認しましょう。
    「この部屋は、あの部屋の3倍の大きさだ」
    このように、原級表現の as ~as を用いて、AはBの~倍だ、という意味を表すことができます。
    as ~as の前に、何倍であるかを具体的に述べます。
    2倍ならば twice 。
    3倍ならば、three times 。
    4倍ならば、four times です。
    昔の英語では、3倍を表す thrice という言葉があったようですが、現代英語では用いられていません。
    また、これらの倍数表現とは系列の異なる語として、double(2倍)、treble(3倍)、さらに別系統の語として、twofold(2倍)、threefold(3倍)というものがありますが、これらは、as ~as とともに用いられることはありません。

    さて、2番目の文を見ましょう。
    主語は変わっていないので、やはり、同じように「この部屋はあの部屋の3倍の大きさだ」という意味の文を完成させればよいのでしょう。
    しかし、as large as を入れるには、空所の数が足りません。
    実は、比較級でも、同じ意味の倍数表現となります。
    This room is three times (larger)(than) that one.
    これでも、「この部屋は、あの部屋の3倍の大きさだ」という意味になります。
    3倍より大きい、という意味ではありません。

    このあたりを「原級表現の学習」「比較表現の学習」と別々に学習することが多いせいか、どちらでも倍数表現ができることが定着せず、片方が身につかなかったり、片方は間違った英語だと思い込んだりする誤解が生じやすいところです。
    言い換え問題への対策として、別の章で学習したこともスッキリと頭の中でつなげておくことが大切です。

    ただし、注意が必要なのは、twice は as ~as だけで用いて、比較級では使用しません。
    twice larger than ~という言い方はしないので注意してください。


    続いて3番目の文。
    =This room is three times (  )(  ) of that one.

    これは(  )の後ろが of であるのがヒントとなります。
    as ~as でもないし、比較級 than でもなさそうです。
    =This room is three times (the)(size) of that one.
    となります。
    形容詞 large を用いる代わりに、名詞 size を用いる用法です。
    the 名詞 of ~の形を覚えておきましょう。


    次は、4番目の文。
    =That room is (  ) as large as this one.

    主語が変わっていることに気づきます。
    ということは、ほぼ同じ意味にするには、「あの部屋は、この部屋の3分の1の大きさだ」という英文を作れば良いということになります。
    3分の1。
    分数表現です。
    =That room is (one-third) as large as this one.
    が答えとなります。

    英語は分数を分子から読みます。
    one が分子。one 、two、 three と、基数で表します。
    thirdが分母。second、third と、序数で表します。
    「3分の2」のように、分子が複数のときは、two-thirds と分母に s をつけます。

    英語は分数を分子から読みます。
    帰国子女の子に算数・数学を教えていると、例えば「3分の2」と読むべきところを「2分の3」と読んでしまうことがあるのはそのためです。
    まあ、数学は読み方は間違っていてもいい、正しい式が書けていれば、と思ってノートを覗き込むと実際に3/2と書いていることもあり、それには衝撃を受けます。
    日本に帰ってきて、読み方と書き方で混線して、書くときにも逆になってしまうようなのです。

    これは日本育ちの子でも起こることです。
    幾度注意しても、分数を分子から書く癖がついてしまっている子が、分数を正しく読めなくなってしまい、ついには、数字のどちらを上に書くかわからなくなって逆に書いてしまう、ということがあります。
    「読むように書きなさい」
    と注意しても、なかなか直りません。
    「3分の2」と読むものを、なぜわざわざ分子の2から書くのか?
    文字は上から書くものというルールのほうを何となく優先させてしまうのか?
    こんなのどちらでもいいと思い、適当に上から書く習慣がついてしまったのか?
    理由はわかりませんが、自分のやっていることがいずれ重大事を引き起こすと、本人は気づかないのです。
    何が重要か、優先順位がわかっていないからそうなるんだ、自業自得だね、と切り捨ててしまうには、まだ幼く、可哀想です。
    初めて分数を学習したときに、変な癖がついてしまったのですから。
    そして、いったん変な癖がついてしまうと、直せる子は少ないです。

    分子から書くのが癖になっている子に注意し続けていると、むしろ余計にこじれて混乱するということがあるので、帰国子女と、まるで帰国子女のように分子から書く日本育ちの子には、分数に関する注意はしないことにしています。
    たとえ分子から書いていても、意味がわかっていればいい。
    混乱するのが一番良くない。
    ただ、日本で算数・数学を学習しているのに分数を分子から書いているのは、かなりのリスクを背負っているのは事実です。
    文章題などから立式する際に、結局分子と分母を逆に書いてしまうミスがあるのは、そういう子だからです。
    本人が「2、バー、3」と意識している分数は、音声としては「3分の2」と発声され続けます。
    混乱して当然です。

    分数についての理解が十分に出来た後ならば、混乱することはありません。
    分数についてしっかり定着している日本の高校生が、英語の分数表現に触れたことで分数がわからなくなったという話は聞いたことがありません。
    知識が曖昧な時期に学習するとまずい。
    そういう意味で、日本の小学生に英語の分数表現を教えるのはリスキーだろうと思います。

    話が逸れました。
    さて、ここで類題を。

    類題 以下の文がほぼ同じ意味になるように空所を埋めよ。
    He has twice as many foreign stamps as I have.
    =He has twice (  )(  ) of foreign stamps of me.
    =I have (  )(  ) many foreign stamps (  ) he has.


    正解は、
    He has twice as many foreign stamps as I have.
    =He has twice (the)( number) of foreign stamps of me.
    =I have (half)(as) many foreign stamps (as) he has.

    です。


      


  • Posted by セギ at 12:58Comments(0)英語

    2020年02月16日

    中学の英語のことを少し。



    中学入学をひかえた小学6年生はワクワクの季節が近づいてきました。
    一方、保護者の方は心配な季節。
    上手く中学生の生活にシフトできるかしら。
    勉強についていけるかしら。
    うちの教室でも、早めに中学の予習をという要請の入る時期です。

    ところで、今の小6は、果たして中学のことをどれくらい理解しているのでしょう?
    敵を知り、己を知れば、百戦危うからず。

    口は達者だし、かなり反抗期も入ってるし、まあしっかりしているから大丈夫、と思っていると、この情報社会で、意外にカヤの外にいるのが、最近の子どもの特徴です。
    自分の知りたい情報しか得ようとしないので、勉強の情報があまり入ってこないのですね。
    勉強のことを話せる友達がいないという子が、案外多いのです。
    くだらないことは、話せるのですが。

    お兄さんお姉さんがいれば、その動きを見ていて、中学生活というものが大体わかっているのですが、ひとりっ子ですと、上からの情報も皆無。
    親は、そんなことは当然知っているだろうと思って説明しません。

    中学に定期テストというものが存在することを知らない子に会ったことがあります。
    「小学校だってテストはあるよ」
    センセイは、小学校にテストがあることも知らないの?みたいな顔で言い返してくる子でした。
    小学校のテストと同列で扱われても・・・。
    テストの紙質にまずびっくりする、というようなことがないと良いのですが。

    定期テストという名称は知っていても、その重要性をわかっていない子もいました。
    定期テストで成績の大半が決まるということを、知らなかったのです。
    科目ごとに5段階の数字でかっちり評価されるということを知りませんでした。
    「授業態度が良ければ、大丈夫でしょ?」
    と、どこかで聞き齧ったことを過大評価して言ったりします。
    「提出物が20点分あるって、学校の先生は言ってたよ」
    と、得意げに情報提供してくれる子もいました。
    しかし、近年、授業態度の悪い子などほとんど存在しません。
    提出物は、よほど意欲のない子や、物の管理が上手くできず教材やノートを紛失し、出したくても出せない子以外は全員が出します。
    出すのが前提なのです。
    しかし、学校のワークをテスト前に全部解いて提出するだけで物凄く努力している感覚のある子は、それで成績が上がる気がするようです。
    冷静に考えましょう。
    今の時代、授業態度の悪い子も、提出物を出さない子も、本当に少ないのです。

    では、結局、何で評価が分かれるのか?
    国・社・数・理・英の5教科は、定期テストの得点です。
    提出物を出し、授業態度で特に悪いところがないのを前提として。
    定期テストで90点以上取れば、大抵の場合「5」になります。
    定期テストで80点以上取れば、大抵の場合「4」になります。
    逆に、それより低くて「4」や「5」を望むのは、なかなか難しいのです。

    なお、音楽・美術・保健体育・技術家庭の4教科については、ペーパーテストよりも、実技と授業態度が評価を大きく左右します。
    こちらはむしろ、期末テストで満点を取ったところで「5」になる保証はありません。

    さらに、そうやって決定した成績を高校受験で使用するということを知らない子は多いです。
    「内申」というのは、各教科の「1」から「5」の評価から計算される数字です。
    そのことを知らず、内申とは担任の先生がその子についての評価を文章で書くものだけだと思っているのです。
    内申は、数値で出されるものがメインであることを知っておきましょう。
    都立高校の多くは、入試得点1000点満点のうち、300点が内申点です。
    国・社・数・理・英はそのまま、残る4教科は得点を2倍して、その合計65点満点を300点満点に換算したものが内申点です。

    極端な例ですと、中学に英語の定期テストがあることを知らない子もいました。
    小学校の外国語の授業では、簡単な英会話やゲームや歌ばかりやっていたので、「英語は遊びの時間なんだ」と思い込み、勉強だということがわかっていなかったのです。
    それは、英語との幸福な出会いですが、その思い込みが強すぎると、中学の英語の授業の雰囲気についていくことができません。
    中1の1学期の定期テストだけは易しいので何とか乗り切れても、その後、テストの度に得点が半減していきました。

    今後、小学校で英語が教科となりテストも行われることで多少は改善されると思いますが、小学校の英語のテストは書くことがメインではないので、そのことで新たな誤解が生まれる可能性もあります。
    本当は、小学生の頃から、アルファベットや簡単な単語をどしどしテストするようにしたほうがいいと思います。
    中学1年生の教科書では、小学校で習っている単語は、もう知っているものとしてどんどん進むので、スペルを覚えなければならない単語の数が多いのです。
    また、そこをスルーするので、中2になっても中3になっても、数字や曜日・月名を英語で正しく書けない子も多いです。
    中学に入ってから何もかも一気に書くようになるので、そこで落ちこぼれてしまうのです。

    英単語のスペル練習など、地道な作業をすると、
    「こんなのは英語の勉強じゃない。思っていたのと違う」
    と感じ、つらくなってしまう子は今も多いです。
    国語の漢字練習や数学の計算練習に対しては、それなりに諦めの気持ちをもって取り組んでいても、英単語の練習は「つらい」「つまらない」という気持ちが先に立ってしまうようです。
    本人の中で、「英語は楽しいもの」という意識が強すぎるのでしょう。
    使用することが多い単語のスペルを正しく書けないことは、学年が上がるにつれて決定的な学力差となっていきます。
    中学・高校の英語において、ペーパーテストの比重は相変わらず高いです。
    書くことができないと、どうにもなりません。

    確かに、今は、読んだり書いたりするだけの英語で済む時代ではありません。
    リスニングもスピーキングも重要です。
    しかし、それは、書くことを軽視して良いということではないのです。
    テーマと語数を指定された英作文が、定期テストや入試に導入されています。
    書く力も、昔よりもずっと高いレベルで問われているのです。

    英語学習の準備としては、ローマ字の読み書きも、できないよりはできるほうが良いでしょう。
    何となくでいいですので、文字と音との対応がわかっているほうが、読むように書くことが身についていきます。
    そうではない場合、読み方がわからないまま、文字だけ覚えるような状態になることがあります。
    読み方が全くわからないのに、スペルだけ何とか覚えようとする子に、かつて出会ったことがあります。
    英語の成績は「1」に近い「2」でした。
    それは、乱数表を覚えるようなもの。
    そんなのは、さすがに無理でした。

    とはいえ、正式にフォニックスを学習するのも敷居が高いです。
    フォニックスというのは、英語の文字と発音との関係を学習する方法です。
    アメリカの小学校などでは広く行われていますが、それは、そもそもその英単語を知っているネイティブの小学生だから可能な教育なのではないかと感じます。
    日本の学校でも、中1にフォニックスを教えるところがあるのですが、生徒の多くは消化不良で終わるようです。
    a という文字はどんなときに「ア」と読み、どんなときに「エイ」と読むか?
    そういう細かいルールを列挙してあるのがフォニックスです。
    フォニックスが難しすぎて、自分は英語のルールがわからない、英語は無理だと思ってしまうようなのです。
    そうした悩みを抱えて、うちの教室に入ってきた子もいました。

    最初のうちは、そんなの大体でいいんです。
    大体この文字はこんな読み方をするみたい。
    でも、そうじゃないときもある。
    同じ文字に何通りか読み方があるようだ。
    それでいいと思います。

    漢字だって、色々な読み方があるじゃない?
    単語ごとに、読み方とスペルを覚えていこう。
    最初はそれでいいと思いますよ。
    そう励まし、フォニックスよりも文法や読解・リスニングに力を入れたら、その子の英語への苦手意識は薄らいでいきました。
    日本人は、最初はローマ字の読み方を知っておくくらいでちょうどいいんじゃないかと思います。

    大体の読み方がわかるようになって、高校生になったら、もう一度フォニックスのテキストを読み返してみると、驚くと思います。
    当たり前に感じることが書いてある。
    でも、発音問題によく出てくることなのにルールがわからずずっとモヤモヤしてきたことも書いてある。
    あれ?このテキスト、役に立つ?
    そう思えるようになります。

    発音記号も同様で、易しい英単語の読み方やスペルもおぼつかないうちから発音記号を覚えようとしても無理があります。
    しかし、発音記号がわかれば、文字を見ただけでその単語の音がわかるのも事実。
    高校生になっても発音記号が全く読めない子には、大体でいいから覚えたほうがいいよと促しています。



    中学に入学すると直面することに、「カタカナ英語で発音しないと周囲から浮く」という問題があります。
    周囲がカタカナ英語なので、自分もそれを真似し、同調しようとする、と言い換えても良いかもしれません。
    そんな、20世紀の片田舎でも起こらなかったことが、この21世紀の東京で起こることなのか?
    ・・・起こっています。
    公立中学の生徒の英語は、絶望的に発音が悪いことが多いのです。
    英語の成績は「4」または「5」ですが、not は「ノット」、got は「ゴット」、didn't は「デドント」、written は「リトン」と、私が中学の頃だってそんな発音をする子はいなかったが?と驚くようなカタカナ英語の子が多いのです。

    勿論、国語の教科書を音読するのにもかなりの努力が必要な学力の子が3分の1はいるだろうと想像されますから、まして英文となると、とにかく読むだけで精一杯で、発音など構っていられない、ということはあると思います。
    しかし、やろうと思えばもっと良い発音が出来る子も、カタカナ英語に同調する空気があるのではないか?
    そうでなければ、本来、私の世代よりもずっと耳が良く身体的な感覚の鋭敏な子たちが、あの発音で平気でいられるわけがありません。
    しかも、リスニングはよくできるのです。
    リスニングで聴く本物の英語と自分の発音との乖離に、気が付かないはずがないのです。
    ・・・考えられるのは、英語らしい発音をして周囲から浮き上がりたくない、という気持ちが強いのではないか、ということです。

    ただ、勿論、公立中学に通う子は、ネイティブの英語に触れる機会が少ないことは否定できません。
    学校にALTの先生が来たときに耳にする英語。
    普段の授業で、授業中に流されるCDの英語。
    それだけが、耳にする英語の全てである可能性はあります。
    個人的に努力しなければ、模範となるきれいな英語を耳にする機会が少ないのです。
    一方、私立の学校は、ネイティブの先生の英会話の授業があり、会話のテストのある学校も多いです。
    またはインターネットでの個別指導を全員が学校で受講するなど、英会話については充実している学校が多いのです。

    本物の英語に触れる機会が少ない。
    それを打破する方法の1つが、NHKのラジオ講座ですが、公立中学の子は、ラジオ講座の存在すら知らない子が多いです。
    私立に通う子は、ラジオ講座「基礎英語」もテスト範囲とする学校も多く、真面目な子は、毎日毎日、ネイティブの英語に触れています。
    ラジオ講座を聴く習慣を確立できず、ラジオ講座のテスト範囲の分だけごっそり得点を失う私立の子も多いですが、それは自業自得の面があります。
    公立の子たちが、ラジオ講座の存在を知らないために学習の機会を失っているのは、悲しい。
    公立の秀才の発音が、私立に通う普通の学力の子と比べてひどく悪いのは、胸が痛いです。

    光明もあります。
    都立高校入試に、数年後、英語のスピーキングが導入される予定です。
    入試に出るなら、正しい発音に向けて努力するのは当然のこと。
    全員カタカナ英語で足並みを揃える空気は一掃される可能性はあると思います。

    なお、公立中学出身の子も、それで終わりということはなく、高校進学後、秀才であればあるほど、発音は良くなっていきます。
    うちの教室でも、高校生に対しては、単語暗記を目的としてCDによる例文暗唱を繰り返します。
    それで発音やイントネーションが矯正され、劇的に発音が良くなる子は多いです。
    あまりにもあっさりと変わるので、あのカタカナ英語は、仕方なくやっていたことだったんだろうなあと想像したりもします。

      


  • Posted by セギ at 17:04Comments(0)英語