たまりば

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2020年12月04日

高校英語。仮定法。be動詞と仮定法。


仮定法。
今回は、be動詞と仮定法です。

まず例文を見てみましょう。

If she were here, we could begin the meeting.
もし彼女がここにいれば、会議を始められるのだが。

if 節が過去形。主節は、主語+助動詞過去形+動詞原形。
これは、仮定法過去の文だとわかります。
現在の事実に反する仮定です。

仮定法過去で用いる be動詞は、上の例文のように、一人称・二人称・三人称にかかわらず、were。
昔は、必ずそう教わりました。
しかし、現在は、一人称・三人称のときは、普通に was を用いることが許容されています。

15年くらい前までは、それでも、大学入試のときには、安全のために were を書いておいたほうが良い、などという指導が行われていました。
しかし、大学教授も若返り、現代英語について一番よく知っているのが大学教授だという安心感のある時代になりましたので、were でも was でも好きなほうを書きなさい、どちらでも正解なのだから、という指導が現在は普通です。

英語のこうした変化は、言語が生き物であることを感じさせます。
最初はそれは誤用でした。
しかし、使う人が多くなれば、それが許容されます。

日本語もそうです。
例えば「わかりみが深い」。
形容詞に接尾語「み」「さ」をつけて名詞化するのは、日本語として正しい形。
「旨い」に「み」をつけて、「旨み」。
「美しい」に「さ」をつけて、「美しさ」。
しかし、動詞「わかる」に「み」をつけるのは、誤用。
でも、だからこそ、耳目をひき、何となく魅力的な言葉に感じます。

こうした若者言葉は、5年と待たずに消えてしまうことも多いですが、何だかいつまでも消えずに大人が使い続けて残る言葉もあります。
「無理くり」などがそうで、昔の辞書にはこの言葉は掲載されていません。
「無理やり」で良いはずなのに、「無理くり」を使う人、今は多くなりました。
テレビ局の報道記者まで使用するので、「え?」と思うこともあります。
そのうち、NHKのアナウンサーも使うようになるのでしょうか。
そうなったとき、この言葉は完全に認知されたということかもしれません。

私は、「無理くり」の語感があまり好きではないので使いません。
でも、昔、詩人の谷川俊太郎さんが、雑誌のアンケートで「嫌いな言葉はありますか」という問いに、
「ありません。言葉は皆好きです」
と答えていて感銘を受けたことがあるので、見習いたいものだと思い、嫌いな言葉はないというのを建前にしています。

話がそれました。

仮定法過去の if 節において、be動詞は必ず were というのは昔の話で、今は、were とwas を使い分けることが許容されています。
いずれにしろ、仮定法過去の if 節は、動詞を過去形にしましょう。
現在の事実に反する仮定です。
  


  • Posted by セギ at 17:27Comments(0)英語

    2020年11月26日

    高校英語。仮定法。if節と主節の時制が異なる場合。


    本日は、仮定法の中でもちょっと失点原因になりやすい問題を解いてみましょう。

    問題 次の空所を埋めよ。
    (1) If you had been a little more careful, you would ( )( )( ) such a mistake.
    (2) If I had not taken the wrong train, I ( )( ) there now.

    if 節を見ると、「if +主語+過去完了」 となっています。
    これは、仮定法過去完了。
    過去の事実に反する仮定を述べる文。

    仮定法過去完了の主節は、「主語+助動詞過去形+現在完了」です。
    ええと、ええと。
    (1) If you had been a little more careful, you would (have)(not)(made) such a mistake.
    (2) If I had not taken the wrong train, I (would)(have) there now.
    よし、できた。

    ・・・うーん。
    (1)は、正解です。
    しかし、(2)は、不正解です。

    仮定法には、「if 節は仮定法過去完了、主節は仮定法過去」という形があるのです。
    すなわち、正解は、
    (2) If I had not taken the wrong train, I (would)(be) there now.
    です。

    ・・・何でそんな変な形があるの?

    と、生徒に嫌な顔をされることがあるのですが、考えてみれば、そういうことを言いたい場合も多いのではないでしょうか。
    過去のあのときこうしていたら、今頃はこうだったろう。
    単なる仮定法過去完了よりもさらに根深い「たら・れば」で、気が滅入ること限りなしではありますが、そういうことを言いたいときもあるでしょう。
    そのためにあるのが、この形です。

    (2)は、「もし私が間違った電車に乗っていなかったら、今頃はそこにいただろう」という意味です。
    「もし間違った電車に乗っていなかったら」というのは、過去の事実に反する仮定。
    過去の事実に反する仮定だから、if 節は、仮定法過去完了。
    今頃、そこにいただろうというのは、現在の事実に反すること。
    だから、主節は、仮定法過去です。

    もう少し例文を見てみましょう。

    If he had not bought that expensive picture, he would have a lot of money now.
    もしあの高価な絵を買わなかったら、彼は今頃多くのお金を持っているだろう。

    If she had eaten sensibly as a child, she would have better teeth now.
    もし子どもの頃に考えて食事をしていたら、彼女は今頃もっと良い歯をしていただろう。


    見分け方のコツとしては、主節の最後に now と書いてある場合が多いです。
    それを見つけたら、ああ、このパターンだと思い出してください。
    ここは大事なところです。
    テストにもよく出ます。
    これを知っておけば簡単に得点できますから、むしろラッキーなくらいです。

    しかし、英語のテストの得点がふるわない子に、
    「ここは重要。こういうところがテストによく出るよ」
    と強調しても、それを覚えないことがあります。
    むしろ、
    「そんなはずはない。こんなところはテストに出ない」
    とすら思うようなのです。

    なぜなのでしょうか?

    もしかしたら、英語に関して、「ここはテストによく出る」という感覚がズレているのかもしれません。
    それには、「こういうのはテストに出ないでほしい」という願望が入っているような気がします。
    「たら・れば」を口にしなければならないような願望まじりの勉強です。
    「もしも、あのときこれを勉強していたら、今頃私はこの問題を解いているだろう」
    と、テスト中に後悔するような勉強をしているのです。

    では、なぜそのような間違った認識をしてしまうのでしょうか。
    英語が苦手な人、特に英文法が苦手な人は、文法の中でも基本中の基本だけが大切で、それだけがテストに出ると思ってしまう傾向があります。
    それは中学生の頃からそうです。
    教科書の各セクションの基本例文だけ暗記して、それで英語は大丈夫と思ってしまう人がいます。
    しかし、テストは、主語を変えたり、時制を変えたりした、もう少し細かい文法事項が出題されます。
    基本例文だけ丸暗記しても、解けないことが多いです。

    文法問題の練習をして、間違えても、あまり気にしないのが、そういう人の不可解な点です。
    間違えた問題がテストに出るかもしれないという意識を持っていないようなのです。
    間違えた問題からは目をそらし、「基本はできた。大体できた」と思ってしまう様子です。
    自分が正解できた問題は、良い問題。
    自分が間違えた問題は、些末なくだらない問題。
    こんなのは、テストに出ない。
    そこまで強く意識しているわけではないにしろ、間違えた問題を復習しないということは、そういう判断をしているということなのですが、それに気づいていないようです。
    間違えたということは、そこが学習上の「穴」になっているのですが、そのことに気づいていない。
    そういうことが繰り返されているのに、学習方法を改善せず、同じ失敗を繰り返していないでしょうか?

    仮定法過去完了で言えば、ごく基本の、
    「if +主語+過去完了, 主語+助動詞過去形+現在完了」
    という基本だけ覚えて、これがテストに出る、その他のことは些末なことなのでテストに出ない。
    出ないでほしい。
    そのように思ってしまうようなのです。

    基本は基本ですから、大切です。
    しかし、それしかテストに出ないと思っていると、テストの得点は、パッとしないままです。
    テストは、紛らわしいところを出題するのです。
    紛らわしいところの使い分けが、情報伝達の手段としての言語を学ぶのに重要ですから。
    当然、今回のパターンのようなところは、テストに頻出の箇所です。
    仮定法過去完了の問題が3問出題されていたら、1問はこれでしょう。
    2問出題されていても、1問はこれだと思います。
    それくらい、よく出る問題です。
    細かいところまでよく勉強しているかを試すことができる問題ですから。
    テストに出ないほうがおかしいくらいです。

    しかし、そうした出題傾向があることを認めない。
    そうした人が英語が苦手な人に多いように思うのです。

    ・・・なぜ基本しか出ないと誤解しているのでしょうか。
    細かい文法事項はテストに出ないと決めつけてしまうのは、なぜなのでしょう。
    もう高校生なのに、テスト勉強をしているときの姿勢が、まだ小学生なのでしょうか。
    小学校のカラーテストなら、確かにこんな些末なことは出題されません。
    基本しか出題されないのです。

    小学生の頃に戻りたい。
    あの頃が一番楽しかった。
    ちょっと勉強すれば、テストは80点くらいは取れた。
    今は、勉強しても勉強しても、いい点が取れない・・・。

    ・・・そんな気持ちでいるのかなあと想像することがあります。

    小学生の頃とは違い、高校生は脳が発達していますから、もっと複雑なことを理解し、覚えることができます。
    だから、複雑なこと、些末がことがテストに出されます。
    もう小学生ではない。
    あの頃とは、脳が違うのです。
    それなのに、自分に対する限界を低く設定していないでしょうか。
    覚えることが多いと、こんなの無理だと諦めていませんか?
    基本を覚えれば大丈夫と思い込み、簡単なところだけ覚えて、自分を安心させていないでしょうか。
    まずいのは、おそらくそれを無意識でやっていることなのです。

    以前も書きましたが、高校の英文法テキストに載っていることは、どんなに小さな字で書いてあることも、テストによく出ることばかりです。
    あれは、英文法のエッセンスです。
    本当は、もっともっと些末な文法事項が無限にあります。
    一緒に渡された英文法の参考書はぶ厚いでしょう?
    その中で大事なところだけを紙面の限られた中で選び抜き、載せているのが英文法のテキストです。

    しかし、英語が苦手な人は、英文法のテキストの中でも、さらに大切なところと大切でないところを選んでしまう癖があります。
    結果、基本中の基本だけを覚えて、あとは「テストに出るはずがない」と決めつけて捨ててしまいます。

    願望と現実を混同してはいけない。
    言語学習で重要なのは、些末なところです。
    現実に存在する民族が、現実生活の中で使っている言語です。
    細部まで重要。
    細部を大切にするのが、外国語を敬意をもって学ぶ姿勢です。
    当然、そこがテストに出ます。

    繰り返します。
    if 節が仮定法過去完了で、主節が仮定法過去である形式は、重要です。
    テストにも、よく出ます。

      


  • Posted by セギ at 11:21Comments(0)英語

    2020年11月13日

    高校英語。仮定法過去完了。


    今回は、仮定法過去完了です。

    例文を見てみましょう。

    If I had left home ten minutes earlier, I would have caught the train.
    もし10分早く家を出ていたら、その列車に乗れたのだが。

    これは、「過去の事実に反する仮定」を表します。
    過去にもしこうだったら、こうなっていただろうということを表したいときの文です。
    事実としては、「私は10分早く家を出なかったので、その列車に乗り遅れた」のです。
    俗に「たら・ればを言っても仕方ないだろう」などと言いますが、仮定法過去完了の文は、どれもこれも、この「たら・れば」ばかりです。

    if 節は、「If+主語+過去完了」。
    過去完了形とはhad+過去分詞の形です。
    英語では、過去形より1つ古い時制にしたいときは、過去完了形にします。
    「大過去」を表すときに過去完了形を用いることは、高校英文法のかなり早い時期に時制のところで学習しました。
    仮定法は、とにかく時制を本来より1つ古くすることで、それが事実ではなく仮定の話であることを伝えます。

    主節は、仮定法過去と同様に、助動詞の過去形を用います。
    しかし、その後ろを動詞の原形にしたのでは、仮定法過去と全く同じになってしまいます。
    かといって、助動詞の後ろに動詞の過去形を置いたりしては、英語の根本のルールに反します。
    助動詞の後ろは動詞は原形にするのが、英語の原則。
    根本のルールの1つです。

    ではどうするか?
    仮定法過去完了の主節は、「主語+助動詞過去形+現在完了」を用います。
    現在完了形は、have+過去分詞です。
    have は原形なので、「助動詞の後ろは原形」という原則に従っています。
    これなら、原則通りです。
    動名詞や不定詞の時制を1つ古くしたいときにも、現在完了形を用いるこの方法は活用されています。
    完了形の動名詞、完了形の不定詞と呼ばれるものです。
    単純な過去形を用いることができないときには現在完了形で代用する。
    これが原則です。
    英語は、同じルールを他の文法事項でもフル活用するので、大原則を理解しておくと覚えやすいのです。

    原則に従ったわかりやすいルールだなあと私は思うのですが、仮定法が嫌いな人には、不評です。
    何だか覚えにくいらしいのです。
    いや、原則を理解したら、覚えやすいですよ。

    「If+主語+過去完了 , 主語+助動詞過去形+現在完了」

    仮定法過去完了のこの形をしっかり覚えて、そのルール通りに英文を作っていきましょう。

    もう少し例文を見てみましょう。

    If I had not broken my leg, I could have gone skiing.
    もし足を骨折しなかったら、スキーに行くことができたのだが。

    「If+主語+過去完了 , 主語+助動詞過去形+現在完了」
    という骨組みがしっかり守られています。

    事実としては、「私は足を骨折したので、スキーに行くことができなかった」のです。
    まさに「たら・れば」です。

    仮定法過去完了の例文や問題文を見ていると、何となくテンションが下がるのは、こうした繰り言が多いからでしょうか。
    しかし、それは、仮定法過去完了に責任のあることではなく、語られている内容の問題です。
    人は、無駄とわかっていて、こういうことを言いたくなるものだ。
    英米の人も、こんなことを言っているんだなあ。
    と、そんな感慨を新たにするのも、語学を学ぶ意味の1つなのかもしれません。


    If I had voted against him, he would have had to resign.
    もし私が彼に反対投票をしたら、彼は辞職しなければならなかっただろう。

    これも、同じ構造なのがわかります。
    事実としては、「私は彼に賛成投票をしたので、彼は辞職しなかった」ということです。

    ところで、この例文になると、仮定法という以前のことで混乱する人がいます。
    中3で現在完了を学習した頃から、英語が苦手な人にありがちな奇妙な「癖」として、have の後ろに had というのはおかしいのではないかと思い込み、そういう英文を書けない人がいるのです。
    1つの文の中で have を2回使うのはおかしいと思うらしいのです。
    この種の「癖」は他にもあります。
    enjoying playing のように、ing 形を続けて書いてはいけないのではないか?
    to を1つの文の中で2回使うのはおかしいのではないか?
    こうした例は、枚挙に暇がありません。
    英語が苦手な人に、こういう奇妙な「ルール」を自分で作ってそれに縛られる癖のある人がいます。

    文法は苦手な様子なのに、なぜ、こんな変なルールを自分で作って、それに縛られてしまうのでしょう?

    それは、正しい文法を覚えられないから、その代わりに、自分で変なルールを発見してしまうのだろうと想像されます。
    文法をいくら嫌っても、いくら無視しても、言語を学ぶときに、やはり何かしらの法則というものを考えずにいられないのでしょう。
    その結果、どこにも存在しない不可解なルールを発見して、それに縛られてしまうのです。

    しかし、それは見方によっては明るい側面かもしれません。
    英語を学ぶとき、結局は、ルールが必要なのです。
    心の底では、ルールを求めているのです。
    ならば、正しいルールを覚えて活用しましょう。
    英語を使う上での正しいルール。
    それが文法です。

    自分が思いこんでいるルールは、正しいものか、それとも単なる幻想か。
    それがわからないときは、質問するのが一番です。
    「そんなことを質問したら、バカにされるのではないか?」
    そんなことを思う必要はありません。

    誰かが言っていました。
    くだらない質問というものは、この世に存在しない。
    くだらない答があるだけだ。

    その通りだと思います。

      


  • Posted by セギ at 11:53Comments(0)英語

    2020年10月23日

    高校英語。仮定法。仮定法過去。


    仮定法とは何かについて、前回説明しました。
    事実を述べるのではなく、事実に反する仮定の話をするときには、仮定の話だと明確に伝わる異様な時制を用いる。
    まずはそれを理解することで、仮定法に対する抵抗感はかなり薄まると思います。

    今回は、仮定法過去を見ていきましょう。
    仮定法過去とは、文面上は過去形を用いるのですが、表しているのは、現在の事実に反する仮定です。
    仮定法は、時制が1つ古くなる。
    これを覚えておくと、ルールが見えてくると思います。

    まずは例文を見てみましょう。

    If I had enough time and money, I would travel around the world.
    もし十分な時間とお金があれば、私は世界中を旅するだろう。

    if 節に過去形が用いられています。
    仮定法はわざと1つ古い時制を用いています。
    だから、これは、現在の事実に反する仮定です。
    また、主節に、助動詞 will の過去形 would が用いられています。
    仮定法の主節は、助動詞の過去形を用います。
    will の過去形の would 、 can の過去形の could 、 may の過去形の might。
    こうした、助動詞の過去形を主節に用います。
    「~できる」の意味が主節にあるときには、could。
    「~かもしれない」の意味が主節にあるときには、might。
    特に付加された意味のないときには、would を用います。

    仮定法に対する大前提の抵抗感がなくなっても、まだ仮定法で混乱することの1つに、この助動詞があるようです。
    would が will の過去形だと知らなかったと言う子に、何人が出会いました。

    ・・・いや、時制の一致に関する問題で、使ってきたでしょう?
    I know she will go to Osaka tomorrow.
    を過去形にせよという問題の答は、
    I knew she would go to Osaka on the next day.
    でしょう?

    そのように問いかけても、はかばかしい反応がありません。
    そういう問題は全て誤答し、よくわからないままスルーしてきたのかもしれません。

    最初に would を見たとき、それを will の過去形という形では認識しなかった、ということも影響しているのでしょう。

    Would you tell me the way to the station?
    駅への道を教えてくださいませんか。

    といった文は、中学の教科書の会話表現のコーナーなどで学習しています。
    会話表現だから、そういうものなんだと丸暗記で済ませ、この would が何であるのか考えたことがなかったのかもしれません。

    I would like to be a doctor.
    私は、医者になりたい。

    といった文も、中学で学習しますが、この would が何であるかは不明なまま、would like to ~= want to ~と丸暗記する人が多いです。
    というよりも、丸暗記しようとして結局覚えられず繰り返し誤答してきた、という人のほうが多いかもしれません。
    短縮形を用いた、
    I'd ( ) to go abroad.
    といった穴埋め問題で、I'd が I would であることに気づかず、
    I'd (want) to go abroad.
    などとしてしまう誤答はよく見ます。

    丁寧な表現だったり、遠まわしな表現だったりする ときに用いるこの助動詞 would はwill の過去形です。
    これらは、一種の仮定法表現だとみなすと、意味がわかると思います。
    直説ではちょっときつい感じのすることを、仮定の形で伝えると、丁寧になる。
    あるいは、遠回しになる。
    そういうことなんだと理解すると、would の用法とあわせ、これが will の過去形であることも納得のいくことだと思います。


    そんなことではなく、とにかく助動詞の過去形を使う、ということが理解できない!
    何で?
    何でそんなのを使うの?

    ・・・と、やはり、仮定法というものへの抵抗感から、反発心まで起こり、理解を妨げるということもあるようです。
    英語が嫌いなので、とにかく英語に文句を言いたい。
    そういう気持ちは、英語学習の最大の障害です。
    自覚し、意識して取り除きましょう。
    仮定法の主節は、助動詞の過去形を用います。
    主節に助動詞の過去形がなかったら、直説法の過去形との区別がしにくいです。
    主節の助動詞の過去形は、その文が仮定法であるかどうかを簡単に見分ける目印なのです。

    もう少し例文を見ていきましょう。

    If the government worked more efficiently, more people would vote.
    もし、政府がもっと有能に働けば、より多くの人々が投票するだろう。

    これも同じです。
    if 節は、過去形。
    主節は、助動詞過去形+動詞原形。
    助動詞の後ろは動詞原形、という英語の根本ルールに従っています。

    If I could play the piano, I would play it for you.

    このように、if 節に「~できる」という意味があるときには、助動詞を過去形にして用います。
    その際も、勿論、主節は主節で助動詞の過去形を用います。
    文法テキストや問題集に、こうした if 節が助動詞を含んでいる文があると混乱し、どちらに助動詞を使うかわからなくなる人もいるようです。
    if 節は、基本的には助動詞は不要。
    必要だったら書いてもいい。
    どちらにしろ、過去形。
    主節は、助動詞過去形+動詞原形。
    この基本をまずは覚えましょう。

    これが仮定法過去。
    現在の事実に反する仮定です。

      


  • Posted by セギ at 11:53Comments(0)英語

    2020年10月14日

    高校英語。仮定法。仮定法とは何か。


    さて、今回は仮定法。
    高校の授業が「仮定法」に入ると、「全くわからない」と塾で訴える子が多くなります。
    心の準備なく、いきなり仮定法を学習すると、何がどうしてそうなるのか、全くわからない、ということがあるようなのです。
    前提がわからないので、「仮定法過去の例文から見ていきましょう」といった授業を聞いても、何にもわからないのでしょう。

    こうした状態は、仮定法で最も顕著ですが、人によっては仮定法よりも前の単元でも起こります。
    先日、中学生に、動名詞と不定詞の使い分けについて授業をしたときも、そうでした。

    ①動名詞のみを目的語にとる動詞。
    ②不定詞のみを目的語にとる動詞。
    ③動名詞・不定詞の両方を目的語にとり、意味も変わらない動詞。
    ④動名詞・不定詞の両方を目的語にとるが、意味が異なる動詞。

    この4通りのそれぞれについて解説し、動詞によって使い分けることを強調し、さて、それでは練習問題を解いてみましょう、と声をかけましたが、全くペンが動かないのです。
    完全に固まっていました。

    見分け方がわからないのかと、1問1問、補助し、一緒に解こうとしても、答を書いたり書かなかったりと、反応が変なのでした。
    「・・・どうした?わからない?」
    「・・・」
    「何がわからない?」
    ここから、何を問いかけても反応のない不毛な時間がしばらくありました。
    もしかしたらと思い、私は問いかけました。
    「・・・なぜ動名詞と不定詞を使い分けるのかが、わからない?」
    その子は、うなずきました。

    動名詞と不定詞を「どう使い分けるのか」ではなく、動名詞と不定詞を「なぜ使い分けなければならないのか」、それがわからない・・・。

    こうした疑問は、英語学習の妨げとなることが多いのです。
    そもそもの根本でつまずくので、その後の使い分けの説明など、耳に入らなくなってしまうのでしょう。

    それぞれの言語に、それぞれのルールがあります。
    外国人から見たら、それは意味のない不可解なルールの場合もあるかもしれません。
    しかし、それは、単に言語だけの問題ではなく、その言語を話す民族の歴史や文化と深く関わっています。
    動名詞と不定詞は、使い分けなくても良いだろうけれど、英語では使い分けているんだから、それで仕方ないのです。
    日本語にもそういう不可解なルールは沢山あり、だから、Why Japanese people? なんてお笑いのネタもありました。
    アメリカ人の芸人さんが、漢字の「一」「二」「三」を書いていき、ははあ、パターンがわかったぞ、と思ったら、急に「四」。
    Why Japanese people?
    そこを指摘されても、理由なんか知らないですし、確かにおかしいから「四」という漢字を改めようなんて、誰も思わなかったですよね。

    以前も書きましたが、動名詞は既に起きていること、不定詞はこれから起こることに使われる傾向があることがわかっています。
    他にもいくつか、使い分けの基準があります。
    しかし、なぜそんなことを使い分けなければならないのか、その理由は不明です。

    こうした疑問は、学問の始まりです。
    なぜ、動名詞と不定詞を使い分けるようになったのか?
    それは、英語の歴史をさかのぼってみていかなければならないでしょう。
    いつから動名詞と不定詞は使い分けられているか。
    文献としてさかのぼれるところまでさかのぼって、考えていかなければなりません。
    いえ、さかのぼったところで、なぜ使い分けるようになったのか、その結論は出ないだろうと思います。
    私たちは、歴史的な経緯を知ることができるのみです。
    言語は、誰かが意図的に作ったものではありません。
    だから、意図を問うのは、無意味です。
    ただ、どういう経緯をたどってそうなったのかを知ることには意味があります。
    そうした観点から英語を研究する。
    それを英語学といいます。
    本当に興味を抱いて、それを大学で学びたいと思うなら、それは素晴らしいことだと思います。

    ただ、多くの場合、こうしたことに疑問を抱いて、そこで石のように固まって、その後の説明が耳に入らなくなってしまう人は、そこから英語が苦手になり、英語嫌いをこじらせてしまうのです。


    仮定法に対する違和感・抵抗感も、同じです。
    なぜ、仮定法を使うのかが、わからない。
    なぜ、変な時制にわざわざするのか、意味がわからない。
    そこでつまずいて、その先の授業内容が頭に入らない。
    そういう高校生が多いように思うのです。

    日本語には、仮定法は存在しません。
    事実に反する仮定を述べるときに時制を変えたりはしません。
    英語に仮定法が存在するのは、英語を用いる民族の文化的・歴史的背景に由来するものでしょう。
    1つ可能性として考えられるのは、英米の人は、嘘を嫌う。
    「嘘つき」呼ばわりされることは、ひどい侮辱。
    英米では名誉に関わる重大なことです。
    しかし、仮定法は、仮定の話。
    事実に反する話。
    「嘘」に似ています。
    自分は事実ではないことを述べているが、しかし、それは「嘘」ではなく、仮定の話である。
    わざと奇妙な時制を用いることで、「嘘」ではなく仮定の話をしていることを自分にも相手にも納得させる必要があるのではないでしょうか。

    上のことは、あくまで推論です。
    学問とは呼べない種類の憶測です。
    しかし、仮定法への違和感をなくしたいだけなら、上のように考えておけば十分ではないでしょうか。


    仮定法と比べた場合に、今までの文は、何だったのか?
    今までの文は、「直接法」「命令法」と呼ばれるものです。
    英語の文は、大きく3つ、「直説法」「命令法」「仮定法」に分かれます。

    「命令法」は要するに命令文のことです。
    英語学習の初期の段階から学習していますから、特に問題ないと思います。
    よくよく考えれば、主語を示さず、いきなり動詞の原形で始めるなど、奇妙な形の文が多いのですが、英語を習いたての頃から出てくるので違和感を抱く人は少ないようです。

    「直説法」とは何なのか?
    これまで使ってきたものは、命令法でなければ直説法です。
    しかし、そのように意識したことがなかったので、どういう特徴があるのかわからないかもしれません。
    直説法とは、事実をありのまま述べた文、ということです。

    ・・・ますますわからない。
    これまでも、事実をありのまま述べるのではなく、事実を捻じ曲げて述べた気がするが・・・。
    別に自分はトムではないのに、I am Tom. と平気で書いてきた。
    何の興味もないのに、I like baseball very much. と書いたりもした。

    いえ。
    そういうことではないのです。
    英語の練習のために言ったり書いたりしていることは、別にどうでもいいのです。

    練習ではなく、本当にコミュニケーションの手段として英語を用いた場合、私たちは、I am Tom. とは言いません。
    好きではないのなら、I like baseball. とは言いません。

    練習のために英語を使うだけなので、感覚がおかしくなっている人がいるかもしれませんが、英文というのは、それを語った人・書いた人が実際に存在しているのです。
    その人が見たり聞いたりした事実や、その人が考えたことが述べられているのです。
    事実や、自分では真実と信じることを述べているのです。
    それが直説法です。

    一方、仮定法は、事実に反する仮定を述べています。
    「もし~ならば、・・・だったろう」
    と仮定の話をしています。

    というと、接続詞 if を使うのだろうなと推測できると思いますが、if を使っても、仮定法ではない場合もあります。
    中学生の頃から if は使ってきましたが、別に仮定法ではなかったですよね。
    直説法でも if は使うのです。

    If it is sunny tomorrow, we will go on a picnic.
    明日晴れたら、私たちはピクニックに行きます。

    これは、直説法です。
    事実に反する仮定ではないからです。
    明日晴れる可能性は事実としてあるからです。

    しかし、
    「もし昨日晴れていたら、私たちはピクニックに行ったのだが」
    というのは、事実に反することです。
    昨日は晴れていなかったのです。
    事実は、
    「昨日は晴れていなかったので、私たちはピクニックには行かなかった」
    ということです。
    こうしたことを伝えたいとき、仮定法を用います。
    If it had been sunny yesterday, we would have gone on a picnic.

    事実に反する仮定の際に、仮定法を用いる。
    そのときは、仮定の話であることが明確に伝わる、奇妙な時制を用いる。
    まずは、そのことを納得しましょう。
    心が逆らっている間は、簡単なこともなかなか理解できないですし、覚えられません。
    納得して、学習を進めていきましょう。

      


  • Posted by セギ at 12:14Comments(0)英語

    2020年10月08日

    高校英語。複合関係副詞の wherever と however。



    さて、今回は、複合関係副詞 wherever です。
    これも、前回の whenever 同様、副詞ですので、修飾節しか作りませんが、意味は2通りあります。

    まず、「~するところならどこでも」の用法。
    I followed my mother wherever she went.
    私は、母の行くところならどこでもついて行った。
    =I followed my mother to any place where she went.

    もう1つの用法が譲歩の用法。「どこで~しようとも」の用法です。
    Wherever you are, remember that we will be thinking of you.
    あなたがどこにいても、私たちがあなたのことを考えていることを覚えていて。
    =No matter where you are, remember that we will be thinking of you.

    これもまた、文脈判断です。

    2番目の文が、「~するところならどこでも」という意味にはならないことは、文脈から判断できると思います。
    「あなたがいるところならどこでも、私たちがあなたのことを考えていることを覚えていて」というのは、意味をなさない文ですから。

    しかし、1番目の文は、「母がどこに行こうとも、私はついて行った」と訳したら意味が伝わらないのかというと、そんなことはありません。
    それはそれで意味は通じます。
    「私は、母の行くところならどこでもついて行った」と「母がどこに行こうとも、私はついて行った」は、状況は同じです。
    違うとしたら、力点が「場所」なのか、「母」なのか、ということかもしれません。
    力点が違うということで使いわけられる人もいると思いますが、そういうのはよくわからないという人も多いと思います。
    そうなるとお手上げですが、これの書き換え問題などほとんど出ませんから、安心してください。
    出題されるのは、もっと簡単な、例えば、whenever と wherever の使い分けなどです。
    それなら、わかりますよね。
    ですから、あまり深追いしなくて大丈夫です。


    もう1つの複合関係副詞は、however。
    これは、「譲歩」の意味一択なので、意味としてはわかりやすいです。
    2種類に分けることはできますが、文の構造が異なるので、文脈判断の必要はありません。
    1つは、「however+S+V」の用法で、「どのように~しても」という意味となります。

    However you do it, the result is the same.
    どのようにやっても、結果は同じだ。

    あえて書き換えるのなら、以下のようになります。
    =In whatever way you do, the result is the same.

    テストに出るとは思えないので、一応目を通しておく程度で大丈夫です。


    もう1つは、同じ「譲歩」の意味ですが、however が後ろに形容詞や副詞を伴う用法です。
    むしろこちらのほうが用法としてメジャーだと思います。

    However incredible the rumor was, it was believed by the natives.
    どれほど信じられない噂であっても、それは原住民たちに信じられていた。

    これは語順に特徴があるので、乱文整序問題に出題されることがあります。
    however は形容詞または副詞を伴って文頭にきて、その後にS+Vという語順になります。

    書き換えは、
    =No matter how incredible the rumor was, it was believed by the natives.

    この語順は間違えやすいところなので、もう何年も前、そのことを強調して生徒に説明したことがありました。
    however あるいは no matter how を書いたら、すぐに副詞か形容詞。その後、主語・動詞。
    しかし、説明を聞いている間、その子は、ずっと浮かない顔でした。
    とりあえず練習問題を解いてみよう、と提案しても、手が動かず、何かをずっと考えこんでいるのです。

    語順がわからないのだろうか?
    形容詞・副詞という文法用語はもう幾度も説明したが、やはりわからなかったか?

    「何がわからない?」
    と声をかけても何も言わないので、色々と先回りして解説を加えましたが、浮かない顔のままです。
    「・・・何がわからない?」
    再度声をかけると、その子は、ようやく、こんなことを言いました。
    「however って、違う意味だと思う」
    「・・・え?」
    「・・・」
    「・・・however は、『しかしながら』という意味の譲歩の副詞もありますね。それのことですか?」
    「・・・」
    「・・・見た目が同じだけど、用法の違う単語は、英語には沢山ありますよね。例えば、who は疑問詞だったり、関係代名詞だったり」
    「・・・?」
    「見た目は同じだけど、品詞の違う単語が、英語にはあります。like は、動詞なら『好きだ』ですが、前置詞なら『~のような』ですよね」
    「え・・・?」
    「そういうことがあるということに、気づいていなかった・・・?」
    「・・・」

    ・・・もう高校生なのに、そのことに気づいていなかったようなのでした。
    いや、正確には、気づいたり、気づかなかったりと、曖昧なことを繰り返してきたのではないかと思います。
    だから、別の単語なのに意味を混同して訳がわからなくなることが、これまでも多かったのかもしれません・・・。
    自分が覚えている意味で文の意味をとらえようとしても、よくわからない。
    違う意味だと言われるが、どこがどう違うのか、どう見分けるのか、わからない・・・。

    私が解説している、however を含む文の語順などということよりも、ずっと手前のことで、その子は悩んでいたのでした。

    個別指導をしていると、こういうことはよく起こります。
    こちらが重点的に解説している新しい文法事項のはるか手前で、生徒は、関係ないことを頭の中でつなげて、悩んでいたりします。
    人間の脳は、関係ないことを関連づけてしまう癖があるのです。
    人間の脳は、複雑なことを勝手に簡単なことに直してしまう癖もあります。
    どちらも、学習上の妨げとなることが多いです。

    複合関係副詞 however の解説をしているのに、それを聞いている側は、「however は『しかし』という意味なのに、変だなあ、変だなあ」と、そればかり考えている・・・。
    しかも、口に出さず。
    それでは、学習になりません。
    そういう疑問があるのなら、言ってくれればいいのですが、そうした疑問を口には出さず、そのことをずっと考え続け、しかも、自分の考えのほうが正しいのにと思いこんでいる子もいます。

    英語学習の初期で言えば、this の扱いなどもそうです。
    This is my dog.
    といった文を最初に学習し、this は「これ」という意味だと固定して覚えてしまうと、
    This dog is mine.
    といった文を作れないのです。
    乱文整序問題では、
    This is dog mine.
    といった文を作ります。
    本人の中では、それ以外の正解がないのです。
    それがなぜ間違いなのか、理解できないのです。
    しかも、理解できないけれど、質問もしないのです。

    疑問があっても口には出さず、そのことをずっと考え続け、しかも、自分の考えのほうが正しいと思いこんでいる。
    成績不振の子に多い傾向です。
    自分が誤解しているにも関わらず、教える者に対して懐疑的になることもあるようです。
    この先生が教えていることは、何かおかしいなあと勝手に考えてしまうのです。
    それでいて疑問を口にすることはないので、解決しません。

    学校の先生に対してもそのようです。
    特に現代は、生徒から先生に意見を言うことは、やってはいけないことになっている風潮もあり、さらに質問しにくいのかもしれません。
    内申を気にして、先生の機嫌を損ねたくないといった、計算高い理由もあるのかもしれませんが、それだけではない気がします。
    疑問を口にしたり、反対意見を言ったりすることは、和を乱すよくないことだという意識があるように見えるのです。
    社会が変質してきているということなのかもしれません。
    何かを批判する人に、良い印象を持たないようです。
    自分が批判されたわけではなくても。
    批判したり反対したりする人は、異質な人、良くない人。
    現状や「上の人」が決めたことを全て肯定し、上手くやっていける人が良い人。
    これも同調圧力というものでしょうか。
    それでいて、疑問が消えるわけではないので、心の中では、疑問は相手への不信感に簡単に変わっていきます。

    よくないなあ。

    「好きでもないのに英語を学習させられている」という感覚の人ほど、英語に対する誤解が多いです。
    英語の欠点を見つけて、だから自分は英語は嫌いなんだ、英語なんか勉強する必要はないんだ、としたいからでしょうか。
    英語への見方が、ニュートラルではないのです。
    それが、英語の先生への不信感に簡単に変わっていきます。
    ますます英語が嫌いになります。

    よくないです。
    疑問は小さいところから解決していきましょう。

      


  • Posted by セギ at 14:02Comments(0)英語

    2020年09月28日

    高校英語。複合関係副詞の whenever。


    複合関係副詞の whenever。
    まずは、こんな例文から。

    Come and see us whenever it is convenient for you.
    都合の良いときにいつでも会いにきてください。

    この whenever は、「~なときにいつでも」という意味です。

    複合関係代名詞を学習した後なら、それほど違和感はないと思います。
    では、こんな問題を解いてみましょう。

    問題 以下の文をほぼ同じ意味になるように空所を埋めよ。
    (1) Come and see us whenever it is convenient for you.
    =Come and see us ( )( ) it is convenient for you.
    (2) I visit my old friend whenever I go to Hokkaido.
    =I visit my old friend ( )( ) I go to Hokkaido.

    どちらも、「~なときはいつでも」という意味の whenever です。
    複合関係代名詞を学習した後なら、何を入れるか想像できそうです。
    ・・・any time かな?
    では、
    (1) =Come and see us (any)(time) it is convenient for you.
    (2)=I visit my old friend (any)(time) I go to Hokkaido.
    でしょうか?


    (1) は問題なく正解。
    しかし、実は、(2) は、
    I visit my old friend (every)(time) I go to Hokkaido.
    のほうが良いのです。

    これは「いつでも」のニュアンスの違いからくるものです。
    逆に、(1) を、
    Come and see us (every)(time) it is convenient for you.
    とすると、絶対に毎回来ることを強要しているようで、誘い文句としてはむしろ無神経な印象になります。
    「いつでも会いに来てね」と「いつも会いに来てね」はかなり印象が違いますよね。

    つまり、any time と every time の使い分けは、文脈判断です。
    そういうのが苦手な人にはつらいところかもしれません。

    では、この場合はどうでしょうか。

    問題 次の文を、ほぼ同じ意味になるように書き換えよ。
    You will be welcomed whenever you come.
    =You will be welcomed ( )( )( ) you come.

    うーん・・・?
    =You will be welcomed (any)(time)(when) you come.
    かなあ・・・?
    any time は、これだけでも十分ですが、at any time when としても良いですから。
    at も when も省略可能ですが、書いても良いわけですから。

    ・・・しかし、この文は、ちょっとニュアンスが変ではないでしょうか。
    これも文脈上の問題ですが。

    「あなたは、来るときはいつでも歓迎されるでしょう」
    では、来ないときは、歓迎されないのか?
    裏で何か言われているのか?
    「来るとき」に限定されているこの表現は、何だか奇妙です。

    これは、「あなたは、いつ来ても歓迎されるでしょう」という文なのではないでしょうか。
    だから、正解は、
    =You will be welcomed (no)(matter)(when) you come.
    です。

    つらいのは、全て文脈判断だというところです。
    例えば、複合関係代名詞 whoever のときには、主節の中でSやOになっているときは「~する人は誰でも」で、M(修飾語)のときには、「誰が~しようとも」と譲歩の意味になる、と文法的な分析ができました。
    しかし、複合関係副詞は、どちらにしろM、副詞節なので、文脈判断になります。
    日本語に対する感覚の鋭敏さが問われます。

    「あなたは、来るときはいつでも歓迎されるでしょう」
    「あなたは、いつ来ても歓迎されるでしょう」
    この2文のどちらかがおかしいと感じられない場合には、判断がつかないということになります。
    おかしい、とまでは言わなくても、どちらのほうが良い、ということが判断できれば、その判断に従うことができます。
    しかし、判断がつかない、そもそも違いがわからない、となると、この問題は正答できないかもしれません。

    説明するとき、できれば、文法的に分析してあげたい。
    しかし、whenever の使い分けに、文法的な違いは、ないのです。
    これは、本当に文脈判断です。
    できることは、日本語の語感を磨くこと。
    こんなことは何でもないと、やすやすとクリアしていく子も多い中で、一生レベルでわからない、と頭を抱えてしまう子もいます。

    絶対ではありませんが、no matter when のほうは、例によって助動詞 may が使われていることがありますから、それをヒントにすることは可能です。
    少しのヒントを頼りに、何とか正答してください。

      


  • Posted by セギ at 11:34Comments(2)英語

    2020年09月21日

    高校英語。複合関係代名詞の whichever と whatever。


    さて、今回は、複合関係代名詞の whichever と whatever です。
    まずは例文を見てみましょう。

    Help yourself to whichever you want.
    どれでも欲しいものを自由にとって食べて。

    help oneself to ~は、「自由にとって食べる」という熟語です。
    テーブルの上などにある食べ物を客に勧めるときの決まり文句です。

    文法事項としては、前回学習した whoever が whichever になっているだけなので、比較的理解しやすいかと思います。
    これの書き換えは、
    Help yourself to whichever you want.
    =Help yourself to any ones that you want.
    となります。

    これのほうが「うん?」ですよね。
    Help yourself to anything that you want.
    じゃないの?
    ~thing や、~one は、物なら thing で、人なら one でしょう?

    はい。
    でも、one という不定代名詞は、人でも物でも使うのです。
    one という不定代名詞の複数形は、ones です。
    anyone なら人ですが、any one は、物を指します。

    実は、anything は、別の文の書き換えに用います。
    まず、その文を見てみましょう。

    I'll do whatever you tell me to do.
    あなたがやれということなら何でも私はやります。
    =I'll do anything you tell me to do.

    このように使い分け、書き分けます。

    ・・・とはいえ、ネイティブも人間なので、文法的な誤りは多いです。
    例えば、近年では、分詞の前置修飾がネイティブの間ですたれ始め、多くが後置修飾になっていると聞きます。
    それにともない、前置修飾の分詞には、「常にそれをやっている人」という特別なニュアンスが付加され始めているというのです。

    しかし、それは結局、正確な英語を使えないネイティブが増えて、それによって英語が変わり始めているということだと思うのです。
    言語とはそういうもので、それは日本語もそうです。
    例えば「行かれる」という表現を「行くことができる」という可能の意味にとらえる人は減り、尊敬の意味にのみとらえる人が多くなっている。
    行くことができるという意味を表したいときは、「行ける」というんだよ、「行かれる」なんて言わないよ。
    そんなことを、外国の日本語学習者に向けて発言する日本人もいるかもしれません。
    ・・・いや、しかし、本当に可能の意味で「行かれる」を使うのは、間違った日本語なんでしょうか?

    そこらへんは本当に微妙で、外国語についての、「今はこう言う」「そんな言い方は古い」という情報には慎重であったほうがいいとは思います。
    一方で、分詞の前置修飾と後置修飾の使い分けにネイティブの間で変化が生じ始めているのは、知っておいたほうが良いことでもあります。
    外国人留学生も多い、国際的な大学の英語の入試問題には、実際に単独の分詞なのに後置修飾の用例も出題され始めています。
    古く正しい文法事項の重箱の隅をつつくのも大概にしないと、ネイティブに「そんな区別を我々はしない」「そもそも、そんな書き換え表現は使わない」と一笑にふされておしまいということもありそうです
    一所懸命学習したのに、言語についてむしろ鈍感なネイティブにあっさり否定されてしまう・・・。
    whichever と whatever の上のような書き替えの違いなど、そんなに必死に学ぶことではないと、私は思います。


    そんなことより、whichever と whatever 自体の使い分けは、今もなお重要でしょう。
    これは、which と what という疑問詞の使い分けが基本にあります。

    選択肢がいくつかある中で、その中の「どれ」であるかを問うのが、which です。
    選択肢はなく、全てのものの中で「何」であるかを問うのが、what です。

    例えば、バス停がいくつか並んでいる駅前ロータリーで、どのバスに乗るのかと尋ねたいのなら、which。
    色々なデザイン、色々な機能のバスを心の中に自由に思い描き、どんなバスに乗ってみたいかと尋ねるのなら、what。
    この使い分けは、一度しっかり理解すれば、特に問題ないと思います。

    さて、わかりにくいのは、やはり、「譲歩」の用法があることでしょうか。
    例文を見てみましょう。

    It's all the same to us whichever side wins.
    どちら側が勝っても、私には同じことです。

    SVOCMを分析しましょう。
    it が主語。
    is が動詞。
    same が補語。
    to us は修飾語。
    これはSVCの文です。
    whichever side wins は、文の主な骨組みではありません。
    これは、M(修飾語)です。
    こういう場合の、whichever 節は、譲歩の用法となります。
    「どちらが~しようとも」という意味です。

    ちなみに、上の文の whichever は、side という名詞を伴っています。
    複合関係形容詞とも呼ぶべき用法です。


    さて、この辺で、書き換え問題を解いてみましょう。

    問題、以下の英文を次のようにほぼ同じ意味に書き換えるとき、空所を埋めよ。
    It's all the same to us whichever side wins.
    =It's all the same to us ( )( )( )( )( )win.

    whoever の譲歩の用法のときと同じで、no matter を使うんでしょう?
    だったら、
    It's all the same to us (no)(matter)(which)(side)( )win.

    ・・・あれ?
    ( )が1つ余る・・・。

    正解は、
    It's all the same to us (no)(matter)(which)(side)(may)win.
    です。

    その may は何?
    と、驚く人もいるかもしれません。
    またモヤモヤする内容きたー。

    この文は譲歩の用法の文なので、確定した内容ではありません。
    だから、推定の助動詞 may、あるいは、それをさらに婉曲的にする might が用いられることがあります。
    絶対に使わなくてはならないものではありませんが、こうした空所補充問題では、使用しないと空所が埋まらない、ということがあります。

    whichever だけでなく、他の複合関係代名詞でも使用されます。
    長文読解をする受験生に対しては、文中の意味不明な may や should は、実際大した意味はないから読み飛ばしなさい、と勧めています。

    では、次の問題は、もう楽勝ですね。

    問題 以下の英文を以下のようにほぼ同じ意味に書き換える際の空所を埋めよ。
    Whatever happens, I will go.
    =( )( )( )( )( ), I will go.

    正解は、
    =(No)(matter)(what)(may)(happen), I will go.
    です。

    なお、whatever は、否定文・疑問文で強調のために用いられることがあります。

    No problem whatever.
    全く問題ありません。

    Do you have any interest whatever in Japanese animation ?
    日本のアニメについて少しでも関心がありますか。

    これも、長文の中で出てきたときは、意味のわからない whatever は無視する作戦で大丈夫でしょう。
      


  • Posted by セギ at 11:51Comments(0)英語

    2020年09月12日

    高校英語。複合関係代名詞 whoever。


    さて、今回は、複合関係代名詞。
    名前からして難しそうで、モヤモヤの残ってしまう人が多いところです。
    まずは、例文から見てみましょう。

    Whoever leaves the classroom last should turn off the light.
    教室を最後に出る人なら誰でも、明かりを消すべきだ。

    この whoever は、「~は誰でも」と訳します。
    Whoever leaves the classroom last が、
    「教室を最後に出る人は誰でも」という意味です。
    この意味のまとまりが、従属節(関係代名詞節)で、主節の主語となっています。

    複合関係代名詞は、先行詞を必要としません。
    複合関係代名詞から始まる節がこの文の主語となり、それが should turn off the light.である。
    すなわち、「明かりを消すべきだ」と続いていきます。

    もう1つ例文を見てみましょう。

    The club admits whoever pays the entry fee.
    そのクラブは、入会金を払う人なら誰でも入会を認める。

    club が主語。
    admits(認める)が、動詞。
    whoever pays the entry feeは「入会金を払う人なら誰でも」という意味の従属節(関係代名詞節)で、主節の中で目的語の働きをします。

    文法的に分析すると、英文の構造がよくわかり、意味を理解しやすくなりますね。
    こういう文になってくると、SVOCMの分析は理解を助けるものであって、決して敵視してはならないのです。

    こうした whoever は、anyone who で書き換えることができます。

    Whoever leaves the classroom last should turn off the light.
    =Anyone who leaves the classroom last should turn off the light.
    です。
    The club admits whoever pays the entry fee.
    =The club admits anyone who pays the entry fee.
    です。

    中1の最初に some と any を学習したところから知識のバージョンアップがされず、
    「any は疑問文と否定文で使うものなのに、変な使い方がされていてモヤモヤする・・・」
    という人がいるかもしれません。
    肯定文で any を用いたときは、「何でも」という意味があります。
    肯定文の anyone は、「誰でも」という意味です。
    こういう細かい知識は、大きな文法事項とは異なるため、何となく頭から脱落しがちでなかなか定着しないのですが、結局、そうした小さな知識の欠落からモヤモヤすることが多くなります。
    「そんなの習ったことない」
    という感覚に陥りやすいところでもあります。

    しかし、これは中学で学習しています。
    大きな文法事項ではないので、例えば「過去形は中1の終わりに学習した」というほどの印象は残りません。
    教科書の本文にさらっと出てきていて、
    「この any は・・・」
    とさらっと説明され、特に違和感はないのでどうでもいいやと聞き流したことが、後になってモヤモヤとして残るのです。

    いや、そもそも someone とか something とか、そういうことを学習した記憶がないんだけど・・・。
    何だか、いつの間にが出てきていて、謎なんだけど?
    そんな疑問を抱く人もいるかもしれません。
    これらは中2で学習する内容なんですが、やはり、あまり定着しないし、記憶にも残らないようです。
    学習事項としては「代名詞」にあたります。
    その中でも「不定代名詞」と呼ばれる、モヤモヤする文法事項です。
    高校生ならば、文法参考書を読んで、モヤモヤをすっきりさせることをお勧めします。

    先日も、中2の生徒と「不定詞」の学習をしていて、この不定代名詞と不定詞の語順を解説しました。
    I want something to eat.
    などの語順が定着し、うん、良かったと思った直後のことです。
    不定詞の形容詞的用法全体の演習に入ると、
    「今日はやるべきことがたくさんある」
    を英語に直す問題で、
    I have a lot of something to do.
    という文をその子は作りました。

    うーん、なるほど、そういうミスにつながるのか。

    I have a lot of things to do.
    が正解ですよ、と説明しましたが、不服そうでした。

    something を使うとき、それはまだ不定の「何か」です。
    I have something to do.
    という文がもしあるなら、それは、やるべきことがあるとして、それが何であるかは不定な状態です。
    「今日はやるべきことがたくさんある」という文を言っている、あるいは書いている「私」は、やるべきことがわかっているはずです。
    そこに不定の「何か」という意味の something を使うことはありません、と説明すると、わかりにくかったのか、頭を抱えてしまいました。
    うーん・・・。

    そこで、
    「I want something to eat. は、どう訳すの?」
    と質問すると、
    「食べるものがほしい」
    と訳すので、
    「いいえ。『何か食べるものがほしい』と訳すようにしましょう。まだ不定の『何か』であることをちゃんと訳しましょう。『何か』がついているところで something を使いましょう」
    と説明すると、
    「『何か』がついていれば、必ず something なんですか?」
    と、また微妙なことを訊いてくるので、私は腕組をして、
    「絶対にそうだとは限りませんけれど、『何か』がついているのに、 things を使うことはないでしょう」
    と裏側から答えると、しぶしぶ了解してくれた形でした。

    もつべき疑問が、中2にしては複雑な内容なのでした。
    そこはすっと流して、まあそんなものなのだと思い、先送りにしたほうが、言語習得は楽な場合もあります。
    高校生、あるいはそれ以上になれば、文法的に明晰な分析があり、それを理解できるようになります。
    まだそういう年齢ではないのに、明晰な文法的分析が必要なことについて疑問を抱き、そこでつまずいたりしてしまう・・・。
    今の自分が理解できる範囲を越えたことに疑問を抱くので、疑問が解決しないのです。
    そこでモヤモヤし、それで英語が嫌いになってしまうのは、勿体ないです。
    語学学習は長いスパンでやっていくもの。
    短気を起こさず、地道に気長に努力していくと、振り返るとびっくりするような実力がついています。


    話を複合関係代名詞に戻します。

    上の例だけなら、whoever は、そんなに難しいものではない気もするのですが、ここで大問題が生じます。
    whoever には、別の用法があり、書き換え方も異なるのです。
    例文を見てみましょう。

    Whoever calls me, I don't want to answer the phone.
    誰が電話をしてこようとも、私は電話に出たくない。

    これは「譲歩」を意味する複合関係代名詞、と呼ばれるものです。
    これの書き換えは、
    Whoever calls me, I don't want to answer the phone.
    =No matter who calls me, I don't want to answer the phone.

    whoever=no matter who です。

    これが出てくると、どちらの書き換えをすればよいかわからず、モヤモヤが一気に上がる人もいるかと思います。
    「どうせ意味から判断するんでしょう?」
    と決めつけている人もいますが、まあそれも1方法ではあるものの、文法的に正確に分析できます。
    この譲歩の用法のときの関係詞節は、必ず副詞節です。
    一方、冒頭の用法の関係詞節は、名詞節なのです。
    主節の主語や目的語の働きをします。
    主語や目的語になるのは、名詞です。
    節ならば、名詞節です。

    一方、副詞節というのは、SVOCのどれにもなりません。
    M(修飾語)です。
    ですから、whoever を含む文が、どちらの用法なのかわからない場合は、主節のSVOCMを分析すればよいのです。
    Whoever calls me, I don't want to answer the phone.
    は、主節の主語は、I。
    主節の動詞は don't want。
    主節の目的語は、to answer the phone という、不定詞による名詞句。
    この文は、SVOの文であり、Whoever calls me は、主節の主な要素であるSVOCのどれでもありません。
    「誰が電話をかけてきても」という節は、動詞を修飾する副詞節です。
    こうした用法のときは、「譲歩」の用法となります。

    Whoever calls me, I don't want to answer the phone.
    のように、先頭に whoever がきていて、間にカンマ( , ) があれば、譲歩の用法ですか?

    と、賢い質問をする人がいます。
    確かに、それはそうです。
    しかし、それ以外は絶対に譲歩の用法ではない、とは限りません。
    I don't want to answer the phone whoever calls me.
    という位置関係の場合もあり、これも「譲歩」の用法だからです。

    やはり、主節のSVOCMを分析するのが、正確に解くコツです。
    そうすることを苦手と言わず、できるようになると楽ですよ。
    1文の長い英文を読むために、それは必要なことですから。
    全ての英文でそんなことをする必要はありませんが、必要なときはあります。

    繰り返します。
    SVOCMの分析は理解を助けるものであって、決して敵視してはならないのです。
    文法的に分析すると、英文の構造がよくわかり、意味を理解しやすくなります。
    それが習慣になっていれば、普段、特に意識しないで英文を読んでいるときにも、自然に、意味のまとまりごとに文意を把握できるようになっていきます。
    英文を前から読む、英文を英文のまま読むというのは、そういうことです。

      


  • Posted by セギ at 12:10Comments(0)英語

    2020年09月06日

    英検を受験しますか?


    先日、中学生から、「秋に英検を受検することにした」と報告され、困惑しました。
    いえ、受けることは別に構わないのですが、過去問を解いてみたら、ほとんど正解できないというのです。
    申し込む前に相談してくれれば、
    「1回分過去問を解いて合格するものなのかどうか試してから申し込んだらよいですよ」
    とアドバイスできたのですが。
    私が暗い顔をしていたせいでしょう、その子は、言いました。
    「受験で有利になるから、英検を受けろって、学校の先生が言うから」
    「・・・有利になる?どんなふうに?」
    「・・・」
    そこをしっかり確かめないと、将来、詐欺の被害にあいますよー。
    有利にならないとは言いませんが、ケース・バイ・ケースですよー。

    私が暗い顔になったのは、これで英検に落ちたら、そのショックで塾をやめるのやめないのという問題が発生するかもしれないと、過去の記憶がよぎったからでした。
    大人は気楽に検定受検を子どもに勧めます。
    入試まではまだ時間があるから、学習の目標をもってもらいたい、と思うようです。
    一方、生徒の多くは、試験ではっきり不合格と判定され、否定され排除された経験を持っていません。
    子どもにとっては、それは想像以上にきつい経験になります。

    保護者の方にとっても、想像以上にきつい経験になる場合もあります。
    子どもに受検を勧めるとき、合格することしか想定していないのかもしれません。
    不合格という結果に、保護者の方も動揺します。
    何が原因なのか?
    英語力は順調に伸びているんじゃなかったのか?
    うちの子の英語は、ダメなのか?
    学習上の課題について子どもと冷静に話しあうつもりが、結局最後は言い争いになってしまうことがあります。
    「これからしっかり頑張るから」という子どもの返答を期待して「もう塾なんかやめてしまいなさいっ」と言ってしまう。
    すると、子どもは、「じゃあ、やめる」と、応じる・・・。

    ・・・ああ、いやだ、いやだ。

    そういう子の場合、英語学習が、定期テストをやり過ごすだけのよくない状態に陥っていると、生徒自身と私は、気がついているのです。
    しかし、生徒は、その状態が楽なので、変えるつもりがありません。
    受験学年になったら、そのときはもう少しちゃんとやるから、今はまだ・・・という気持ちでいるのでしょう。
    そういう状態の子に、受験に向けての英語学習を提案しても、実行できません。
    単語暗記を宿題に出しても、やってきません。
    長文読解問題を宿題に出しても、「わからなかったー」と白紙のまま持ってきます。
    あるいは、適当に解いてきます。
    本人の中で、それをする動機がないのです。
    それでも、学校の定期テストはそこそこの点数でやり過ごすことができます。
    平均点以下ではない。
    だから、まあいいじゃない。
    本人はそう思っています。

    そうした状態で、例えば、校外模試で英語の偏差値が低かった。
    あるいは、英検に落ちた。
    それは、これからの学習の起爆剤になります。
    さすがに、本人も反省するはず。
    ようやく学習習慣を改めるチャンスが巡ってきた。
    それなのに、結論は一気に「退会」となってしまいます。

    新しい塾で、その反省を生かして、それまでとは違う学習習慣が作られたのなら良いのです。
    しかし、そういう話は風の噂でも聞こえてこないことが多いのです。
    聞こえてくるのは、浪人し、とうとう大学には入れなかった、という話。
    塾を変えても、本人が変わらなければ、何も変わらないのです。


    苦い経験を幾度か経て、「英検受検」→「不合格」→「退会」という図式が心の中でしっかり出来上がっているものですから、必ず合格する場合や、進学に必要な場合以外は、英検受検を私から勧めることはありません。

    ただ、英検不合格からの退会、というのは、今までの例では、高校生の場合ばかりでした。
    受けても合格するわけがない状態で、英検2級を突然受検し、予想通り不合格となり、退会、という流れでした。
    中学生なら、違うかもしれません。
    というよりも、なぜその子は、英検の過去問の筆記試験がそんなにも出来ないの?
    出題形式に慣れていないだけなのでは?
    直前に少し指導すれば、合格できるのでは?
    (11月4日追記 無事合格したそうです)

    長い目でみれば、英検3級までは誰でもいつかは合格します。
    英検準2級も、高校生になり真面目に英語を勉強していればいずれ合格します。
    しかし、そのままの学習では、英検2級のレベルには決して到達しない子たちが存在します。

    何年英語を学習しても中学英語のレベルにとどまり、高校英語レベルに進歩しない子は、想像以上に多いです。
    その最大の原因は、単語力です。
    中学で学習した単語はそこそこ覚えているのですが、高校で新出の単語が、覚えられないのです。
    それがまさに英検準2級の英語力です。

    英検準2級は、高校1~2年生程度の英語力となっていますが、満点を取らないと合格できないわけではありません。
    中学英語が身についていれば7割程度は正答できますから、それで合格します。
    つまり、英検準2級合格は、「中学英語はそこそこ身についている」という証明に過ぎません。
    高校英語の語彙を一切知らなくても何とか合格できます。

    しかし、英検2級となると、文法・語法の問題も、長文問題も、高校で学習する単語が多く含まれます。
    そのレベルの英文をほとんど読めない高校生たちが存在します。
    それも、ある程度の学力を期待されている高校に在籍していながら。
    問題の英文の意味が全くわからないのですから、正答できません。

    そういう子の英語学習には、共通の特徴があります。
    学校で毎週行われている単語テストは一夜漬け、あるいはテスト直前だけの即席漬けで切り抜けています。
    覚えてもすぐ忘れるので、単語力の蓄積がなく、中学生の単語力のまま、高2になり、高3になります。
    高1の頃は、教科書に出てくる知らない単語は新出単語の場合がほとんどです。
    しかし、高1の新出単語を覚えないまま高2・高3と進級してしまうので、教科書の中で、新出単語ではないのに意味のわからない単語が増えていきます。
    その意味調べが必要になり、英語学習は教科書の単語の意味調べだけでほとんどの時間を使いきることになります。
    しかも、調べるだけで覚えませんから、わからない単語は増える一方です。

    定期テストは、教科書の本文からの出題はそこそこ得点できても、それは教科書本文の内容を覚えているからであって、単語を1つ取り出して意味を問われたら答えられません。
    初見の長文問題はほとんど読めず、「こんなの無理」「知らない単語が多すぎる」とテストの度に不平不満をもらすことになります。
    あるいは、勉強不足で問題を解くスピードが遅いため、時間が足りず、テストの最後の長文にはそもそも目を通していないということもあります。

    親に勧められ、個別指導塾に来ても、
    「教科書をしっかりやりたい」
    という、ある意味まっとうな言い訳で、英語学習を自ら限定的にしてしまいます。
    個別指導で学校の教科書の予習をすれば、自分で辞書を引く手間が省けます。
    学校の文法テキストの練習問題を塾で解く、というより講師に答を教えてもらえば、学校の宿題も自分でやらずに済みます。
    要するに、自力で英語の勉強をしなくて済むので、塾のことは嫌いではないようです。
    学校の英語の授業が何だか前よりわかるような気もするので、英語力がついたと勘違いをしてしまう人もいます。
    自力で英語を勉強する時間がむしろ減っているということに気がついていないのです。

    そうした誤解の中、突然、
    「英検2級を受ける」
    と言い出すのも、そうした子たちの特徴です。
    申し込みのときに言ってくれれば止めることができるのですが、全て事後承諾であり、すでに試験はひと月後という場合すらあります。
    いやいや・・・・。
    そんな英語力じゃないでしょう?
    そんな勉強をしていないでしょう?
    単語力が全く足りないでしょう?
    親や学校の先生が勧めても、断らないとダメでしょう?

    受かるような気が、自分でもしてしまうのでしょうか。
    英語が得意で努力も怠らない友達と同じように、自分も英検2級に合格できると漠然と思いこんでしまうのかもしれません。
    友達が合格すれば、自分もできそうな気がしますよね。
    でも、根本の学力は同じくらいかもしれないけれど、一番大切なところが違うのです。

    英語に対して、努力を惜しまないのか、どうか。

    単語は、漫然と勉強していればそのうち覚えられるというものではありません。
    集中してガッと覚える時期が必要です。

    高校から配布された、大学受験用の単語集を1冊丸ごと覚えれば、英検2級くらいはどうにでもなります。
    しかし、学校の単語テストにあわせて、その範囲を覚えてすぐ忘れているようでは、単語集は手付かずと同じ状態です。
    幾度も自分で反復することが必要です。
    大人なら、そんなの当たり前だとわかっているのですが、記憶というものについて、高校生は案外わかっていない子がいます。
    「1回覚えたのに、何ですぐ忘れてしまうの?こんなの、覚えても無駄じゃん」
    と、訳のわからないことを平気で言ったりします。

    人間は忘れるものです。
    脳は不要な記憶を消去することに一所懸命なんですから。
    脳に「このことは大事だから覚えておけ」と指令を出さなければなりません。
    それには反復・反復・反復。
    幾度も反復すると、脳は「あれ?これ、消去する記憶じゃないの?」と気づいて、長期記憶に組み替えてくれます。

    とにかく反復することが大切。
    しかし、これができない子が多いのです。
    一度で覚えられないことが納得できないという、幼稚な子もいます。
    あるいは、一度では覚えられないことは理解していても、反復するのがとにかく面倒くさくて嫌いな子もいます。

    簡単な覚え方があるはずなのに、自分はそれを知らないだけだ、学校の先生も塾の先生も後れているからそれがわかっていないだけだと謎の思い込みをしている子もいます。
    そんなに凄い単語暗記法がもしあるなら、文科省が推奨し、たちまち全国の学校で実施されています。
    英語教育改革に躍起になっていても、日本人の英語力が世界ランキングでじりじり下がっている絶望的な状況を知らないのですか。
    凄い単語暗記法は、その救世主となるはずです。
    しかし、そんなものは、存在しないのです。
    個人や企業が宣伝している凄い英語学習法というのは、あれは商売でやっているので、鵜呑みにしてはいけません。
    夢みたいなことを、安易に信じて、だまされる。
    高校生は、精神的にとても成長している子もいるのですが、精神年齢はマイナス5歳すればちょうどいい子も多いのです。
    見た目は高校生、心は小学生。
    コナンの逆バージョンみたいな子も多いです。

    単語は、音声で覚えると良いと勧めても、英語のCDなんてそんなに面白いものではありませんから、1度聴いたらもう2度と聴きません。
    反復しないと意味ないのですが。

    文章の中で単語が出てくるタイプの単語集のほうが覚えやすいと勧めても、1度読んで、知らない単語をマーカーで塗って、勉強した気になっておしまいです。
    「えー?1度読んだら良くない?何でー?」
    と、幼稚な疑問を返してきたりします。

    ゲームが好きなようなので、英単語ゲームならやるだろうと保護者が与えても、タブレットはちゃっかりゲットしますが、英単語ゲームなんか1度やったらおしまいという子もいます。
    単語の覚え方として、単語集で覚えるよりはゲームのほうが面白いという比較を大人はしますが、子どもは、単語ゲームよりも他のゲームのほうが面白いという比較をします。

    心が小学生なのです。

    そうして、結局、英単語は覚えられない。
    単語が覚えられないと、英検2級の問題文が読めない。
    受かりません。

    学校の英語の教科書だけで勉強していると、この流れからは逃れられません。
    だから、現在、うちの塾では、高校生に学校の教科書での指導は行っていません。
    単語集も、文法テキストも、読解テキストも、塾で指定したものを使用します。
    大学受験のための英語学習であって、学校の授業の予習復習ではありません。
    英検2級がどうのこうのではなく、英検準1級に楽に合格できる英語力をつけることが目標です。
    そうでなければ、大学受験の英語入試問題に対応できません。
    高校生には、学校の定期テスト前は、塾は休んでテスト勉強をするよう指示しています。
    テスト対策を塾で行っていないので、定期テスト結果にカウントしていませんが、校外模試では英語の偏差値は70を越える子が多いです。

    中学生は、教科書の学習も重視していますが。

    突然英検2級を受けて、予想通り不合格となり、それで突然塾をやめてしまう子は、今はもううちの塾にはいないのです。
    過去の苦い記憶は、もう封印してもよいのかもしれません。

    英語は才能の問題もありますが、努力でカバーできる部分が大きいです。
    スマホを眺めている毎日の1時間を、英語を勉強する1時間に変えるだけで、英語力は変わります。
    一度で覚えられないのは当たり前だと理解し、反復することを苦にしなければ、単語は覚えられます。
    1つの目安として、英語は、1,000時間学習すれば、そこそこ使えるようになると言われています。
    10,000時間学習すれば、英語に堪能だと言えるようになります。
    楽な方法なんてないと悟ること。
    そうして、努力すること。
    そうすれば、目標は射程圏内に入ります。


      


  • Posted by セギ at 14:22Comments(0)英語

    2020年08月30日

    高校英語。関係副詞の非制限用法。


    関係副詞。
    今回は、非制限用法です。
    非制限用法は、関係代名詞のときも学習しました。
    先行詞を修飾するのではない用法です。
    接続詞を補って、前から順番に意味をとっていけば大丈夫でした。
    この非制限用法をもつ関係副詞は、where と when です。
    まず、where の用法。

    We got to the park, where we rested for a while.
    私たちはその公園に着いて、そこでしばらく休憩した。

    これは、
    We got to the park, and there we rested for a while.
    と同じ意味です。

    Stratford-on-Avon, where Shakespeare was born, is visited by a great number of tourists every year.
    ストラットフォード・オン・エイボンは、シェイクスピアの生誕地で、毎年多数の観光客が訪れる。

    このように、途中で挿入することも可能です。

    次に、when の用法。

    I was taking a shower at seven, when the lights went out.
    私は7時にシャワーを浴びていて、そのとき、明かりが消えた。

    The summer of 1945, when the Pacific War ended, is still vivid in my memory.
    1945年の夏は、太平洋戦争が終わったときで、いまだに私の記憶の中で生々しい。


    うん。簡単ですね。


    ところで、ここから少しややこしい話をします。
    先行詞が省略されて、when だけが残ると、接続詞 when の用法との見分けがほとんどつかない、という話です。

    まずは普通の用例。
    I finished talking with him at ten o'clock, when he wanted me to stay a little longer.
    彼との話は10時に終わったが、彼は私にもう少しいてほしがった。

    これは、when = and then ととらえればよい、普通の用法です。
    時間的な前後関係が明確です。
    しかし、主節の動詞が、was/were about to ~、was/were going to ~、または過去進行形のときには、このカンマを省略することがあります。
    主節がこれらの時制の場合、主節と従属節の時系列は、ほぼ同時となります。

    I was about to reply when he cut in.
    私が答えようとすると、彼は口をはさんだ。

    このように訳します。
    この文の見た目は、接続詞の when を利用している場合と区別がつきません。
    接続詞ととらえると、この文の意味は「彼が口をはさんだとき、私は答えようとしていた」となります。
    状況は同じです。
    伝達情報としては同じなので、言語として困ることはありません。

    困惑するのは英語を学習している生徒の側です。
    模試や読解問題集の全訳を見たとき、模範の訳は「私が答えようとすると、彼は口をはさんだ」となっています。
    この訳に混乱する人がいます。
    ・・・何で when の後ろから訳さないの?
    when の後ろから訳すって、中学生のときに教わったのに・・・。

    そうなのです。
    私も、中2の生徒に接続詞 when を教えていて、強調するのはそのことです。
    そこのところを間違ってしまう人が多いからです。

    When I saw him, he was playing baseball in the park.
    という文ならば、
    「私が彼と会ったとき、彼は公園で野球をしていた」
    と正しく訳せるのですが、
    He was playing baseball in the park when I saw him.
    という形で書かれていると、
    「彼が公園で野球をしていたとき、私は彼に会った」
    と訳してしまう人がいます。

    解説を聞いているとき、when 節とか、主節とか、そういう言葉が、気に入らなかったのかもしれません。
    それぞれ、定義を説明しても、それがまたわずらわしい。
    そんな難しい説明は要らない。
    簡単じゃないか。
    文と文との間を、when でつなぐ。
    それだけのことだろう?
    内心で、そう思ってしまうのかもしれません。

    ・・・これ以上簡単に説明できないから、この説明をしているんですよ。
    気に入らない説明がもしあったら、こういう理解でいいかと、質問してね。
    繰り返しそう話しても、後日、生徒が誤解をしていて、天を仰ぎ、最初から説明のし直し、ということはしばしばです。

    そうした子たちは、
    He was playing baseball in the park when I saw him.
    という文を、
    「彼が公園で野球をしていたとき、私は彼に会った」
    と訳してしまいます。
    「私が彼に会ったとき、彼は公園で野球をしていた」という日本語を英語に直す問題は、
    I saw him when was playing baseball in the park.
    と誤答してしまいます。

    when I saw him が、1つのまとまり。
    これが、when 節。
    そのまとまりごと、主節よりも前にドンと移動できる。
    後ろにドンと下がることもできる。
    文と文との間に when があるとういうことではないのです。
    when は、従属節の先頭の語です。
    when から始まる、1つの意味のまとまりです。
    when の後ろから訳すんですよ。
    こうしたことを繰り返し繰り返し説明して、練習して、when 節を代表とする従属節と従属接続詞の用法を何とか身につけるのが中2です。

    そうやって、しっかり従属節を学習したというのに、高校生になったら、
    He was playing baseball in the park when I saw him.
    の when は、関係副詞とみるなら、
    「彼が公園で野球をしていたとき、私は彼に会った」
    という解釈でも、別に構わなくなるなんて・・・。

    なんてこった!

    ただし、こういう関係副詞 when の用法は、難しい英文でたまに見る程度ですので、自ら使う必要はありません。
    読解問題の全訳を読んでいて、この when の訳し方がどう見ても逆に思えてストレスを感じたら、このことを思い出してください。
    文法的にどうしても割り切れない表現が、入試問題、すなわち、実際の随筆や評論にはあるかもれしません。
    そのとき、文法が間違っているのではなく、それを正しく解釈する文法も存在すると理解しておくと、英語を読み進めていく推進力になると思います。


      


  • Posted by セギ at 16:15Comments(0)英語

    2020年08月23日

    高校英語。関係副詞の how。




    今回は、関係副詞の how の用法です。
    まずは、2文を1文にするところから考えてみましょう。

    We can get a discount in this way. Could you tell me the way?

    これを、「割引を受けられる方法を私に教えてくださいませんか」という意味の1文にしましょう。
    関係代名詞を用いると以下のようになります。

    Could you tell me the way in which we can get a discount?

    堅苦しい文語表現ですが、正しい英文です。
    この in which が、先行詞が the way 「方法」のときは、how になります。
    したがって、

    Could you tell me the way how we can get a discount?

    ・・・いいえ。
    この文は間違いなんです。
    なぜなら、関係副詞 how は、先行詞 the way とは同時に用いないという摩訶不思議なルールがあるからなんです。
    片方を省略してもよい、というのならわかります。
    今まで、関係副詞、where , when , why は、全部そうでしたね。
    関係副詞のほうを省略してもよいし、先行詞のほうを省略してもよいのでした。
    ところが、how に限っては、関係副詞と先行詞と、どちらかを必ず省略しなければなりません。

    Could you tell me the way we can get a discount?
    または、
    Could you tell me how we can get a discount?
    とするのが、正解です。

    言語には、ときどき、こういう変則があります。
    興味がある人は、大学で英語学を学んでください。
    英語は、日本語とは違って、母体となる言語が何で、それが何語の影響でどう変わって、そしてどうなったということが明らかになっている言語です。

    英語は、それでも変則が少ないほうで、だから、国際語になっています。
    変則的なことが少ないほうが学びやすいですから。

    でも、変則は変則でしょう?
    そういう例外が多いから、英語は嫌い。
    勉強しても無駄。

    ・・・英語の小さな欠点をあげて、「だから英語はダメだ。英語なんか覚えない」と思わないでください。
    このくらいの例外的なルールは、ましなほうです。

    本人はかなり非効率な生活をしているのに、英語学習に関してだけは異様に効率を求める人がいます。
    以前も書きましたが、学校の廊下で友達と、
    「単語テストの範囲が100語もあっても、テストに出るのは10問だけなんだから、覚えるのは無駄だよね」
    と話していて、通りかかった英語の先生に注意された、というエピソードを当の生徒から聞いたことがあります。
    本人は笑い話のつもりだったのでしょうが、全く笑えませんでした。
    英語学習だけ、なぜ、そのように「無駄」だと切り捨てるのでしょう。
    無駄という観点で言えば、SNSにかけている時間は、あれは無駄ではないのですか?
    どうでもいい YouTube を見ている時間は、無駄ではないですか?
    英単語100語を覚えたほうが、はるかに将来の役にたちますよ。

    でも、そういうことでもないと、私は思っているのです。
    SNSだって、意味はあるでしょう。
    無駄と思えることにも意味はあります。
    自分が何か極端なことを考えているときは、本当にそうかな?と立ち止まったほうがいいのです。
    SNSにも英語学習にも、意味はあります。

    特に今は、コロナ禍で思うような気分転換もできないし、ものすごく暑いし、また新学期が始まるしで、頭の中が何だか煮詰まったようになっていて、誤った決断をする人が多くなる時期です。
    私自身も、自分のことをなかなか客観視できないながらも、おそらく、普段の夏とはメンタルが違っているでしょう。
    今は、何か大きな決断はしないほうがいいと思います。
    何かを、特に他人を、ジャッジするようなことはしないほうがいいです。
    最善を尽くしながら、この暑さが去り、コロナ禍が去っていくのを待ち、それから冷静に考えましょう。

    英語の話に戻りましょう。
    英語の覚えにくさに腹を立てて、文句を言うのは、中学生でも同じです。
    例えば、三単現のときに動詞に s をつけるのなら、全部ただの s をつければいいのに、例外が多い。
    過去形の ed のつけ方も例外がある。
    不規則動詞なんて、もっと気にいらない。
    覚えることが多すぎる・・・。

    しかし、日本語の動詞を振り返ってみれば、動詞の種類が五段活用動詞から始まって何種類もあって、どの動詞がどの活用をするのか、覚えなければなりません。
    しかも、五段活用だけでも、未然形だ連用形だと活用語尾が何種類もあって、後ろに続く語にあわせて変えなければなりません。
    何なの、この言語?
    動詞だけで、何でそんなに複雑なの?
    全部五段活用でよくない?
    いや、そもそも、活用しなくてよくない?

    私が外国人なら、日本語は覚えられないです。
    日本語のネイティブなのに、国語の文法の学習で悪戦苦闘している中学生は多いと思います。


    中学生・高校生の中には、日本語は簡単だし、文法学習は必要ないと思っている人がいます。
    なぜなら、自分は、日本語の文法は知らないけれど、日本語を話せるから。

    ・・・しかし、本当に、日本語の文法を知らないのでしょうか?
    日本語の文法を学問的に分析したり解説したりする能力がないだけで、文法はわかっているのではないでしょうか。
    耳にした日本語が、正しい日本語か間違った日本語かを判断する能力があるのは、文法をわかっているからです。
    そこのところを誤解し、自分は文法はわからないけれど日本語は話せると思っている人は多いです。

    この誤解が、英語学習の妨げにもなっています。
    文法がわからなくても、英語がわかるようになると思ってしまうのです。

    人間は、生後数年、言語を習得する能力がきわめて高い時期があります。
    それは、単語を習得する能力の大きさよりも、文法を理解する力、その言語の体系を理解する力が突出して高いということです。
    周囲の大人の使う、文法的に間違った表現も含めて取捨選択し、それを総合して、その言語の文法を把握します。
    学問的に説明する能力などはありませんが、子どもは文法体系を把握しています。
    周囲の大人の話している用例だけで、文法を把握するのです。
    恐ろしい能力です。
    文法を把握するから、日本語を話せるようになります。

    しかし、その能力は、生後数年で急速に衰え、十代の前半でほぼ消えると言われています。

    それ以降は、用例を耳にし目にしただけでは、その言語を話せるようにはなりません。
    その言語のネイティブでないというのはそういうことです。
    全く同じ文を同じ場面で使うことはできるでしょうが、応用は効きません。
    少ない用例で体系的に理解できるようになる年齢ではないのです。
    だから、文法を学び、単語を学ぶことで、外国語を習得するのです。


    文法というのは、ルールを分析し、統合して把握していくことです。

    I am a boy.
    You are a girl.
    He is a teacher.
    This is Tom.
    My sister is a high school student.
    1つ1つの文に共通する、大きなルールが見えてきます。
    am , are , is は、同じ働きをする語なのではないか?

    また、
    Am I a good boy?
    Are you a good boy?
    Is he a good boy?
    こうしたことから、疑問文の作り方の大きなルールが見えてきます。
    Am , is , are を文の先頭にもってくれば、疑問文になるのでは?

    am , is , are は同じ働きをします。
    これらをまとめて be 動詞と呼びます。
    be 動詞の文の疑問文は、be 動詞を文頭に置きます。
    こうした共通点が、文法です。

    ところが、am , is , are は、同じ働きをする語だという説明を受けても、聞き流す人たちがいます。
    このきわめてシンプルなルールを覚えないし、理解しないようなのです。
    だから、
    (  ) your father an English teacher?
    という問題の( )を埋めることができません。

    間違って、Are を入れてしまった、というのなら、まだわかるのです。
    Do を入れた、という場合も、百歩譲って、その意図はわかります。
    問題なのは、何を入れていいのか、見当もつかない、という子。
    文法的な把握をしないから、初めてみる英文には全く対応できず、正解を知ると、またその文を覚えるしかないのです。

    共通点は何か。
    相違点は何か。

    そうした方向に思考が全く働かず、与えられた例文を覚えるだけで、文が変われば反応できない、という子がいます。

    こんな初歩の英語なら、大丈夫な人は多いでしょう。
    しかし、似たようなことは、英文法がより複雑になってくると誰でも起こり得るのです。
    文法を把握しようとしないということは、そういうことです。
    文法がわかっていれば、分析すればすぐに答が出るのに、文法を使わないで、何となく自分の知っている英語はこんなふう、という感覚で答を出そうとするのです。
    根本の理屈がわかっていれば、簡単なのに。
    文法問題なのですから、理屈がわかっているかどうかを問われているのに。
    違うアプローチをして、解くのに苦労し、誤答しています。
    本当に勿体ない。
    文法を理解し、使うだけで、簡単に解ける問題は沢山あります。

    大筋のルールを覚え、利用する。
    同時に、例外を覚える。
    文法学習で行うのは、それだけです。

    さて、関係副詞の話に戻って。
    ちょっとした例外に腹を立てずに、それを覚えましょう。
    the way と how は同時に使わない。
    片方だけ使う。
    何でもないことですよね?


      


  • Posted by セギ at 11:57Comments(0)英語

    2020年08月16日

    高校英語。関係副詞の why。


    今回は、関係副詞の why です。

    まずは2文を1文にするところから考えてみましょう。

    I don't know the reason. He was late for school for the reason.

    これを、「私は彼が学校に遅れた理由を知らない」という文にしましょう。
    関係代名詞を用いるなら、

    I don't know the reason for which he was late for school.

    となります。
    この for which を関係副詞にすることができます。
    先行詞が the reason「理由」の場合に用いる関係副詞が why です。

    I don't know the reason why he was late for school.

    関係副詞 where のときの先行詞 the place 、関係副詞 when のときの先行詞 the time のときもそうでしたが、the reason という先行詞も省略可能です。
    また、先行詞を残す代わりに関係副詞のほうを省略することも可能です。

    I don't know why he was late for school.

    先行詞を省略すると、上のようになりますが、この文は、間接疑問文と解釈することも可能です。

    Why was he late for school ?
    I don't know that.

    この2文を1文にしたのが、

    I don't know why he was late for school.

    know という動詞の目的語が疑問文になっている、間接疑問文です。
    見た目が同じになります。
    見た目だけでなく、意味も同じなので、どちらの解釈でも大丈夫です。


    さて問題です。
    以下の文がほぼ同じ意味になるように、次の空所を埋めよ。
    I don't like him. That is because he is always saying bad things about other people.
    He is always saying bad things about other people. That (  ) (  ) I don't like him.

    正解は、
    I don't like him. That is because he is always saying bad things about other people.
    He is always saying bad things about other people. That (is) (why) I don't like him.


    That is why I don't like him.
    この直訳は、「それが、私が彼を好きではない理由です」となります。
    しかし、そんな固い訳はせず、「そういうわけで、私は彼は好きではありません」と訳すのが普通です。

    That is why~.は、「そういうわけで~」。
    This is why~.は、「こういうわけで~」。
    このルールを知っておくと、楽ですね。

    そんなに難しくないようでいて、
    I don't like him. That is because he is always saying bad things about other people.
    He is always saying bad things about other people. That (is) (because) I don't like him.
    という誤答をした人もいるかもしれません。

    上の2文は、1文目が結果で、2文目が原因。
    下の2文は、1文目が原因で、2文目が結果。
    そうした関係が読み取れれば問題ないのです。
    しかし、文と文との関係、語句と語句との関係を読み取る練習を小学生の頃から放棄して現在に至る、という人もいます。
    そういう人にとっては苦しいと思います。
    何でそんなことを放棄したのだろう?
    そこが大切なところじゃないの?

    そう思うのですが、そのことの大切さに気づかなかったのでしょう。
    早く気づいて、気づいたら、そこから練習しましょう。
    数学の計算問題だけはやたらとできるけれど国語の成績が悪いというような人には、その可能性があります。
    国語の成績が悪くても英語の成績をよくしたいというのは、かなり無理があります。
    今の英語教育は、長文読解ができないと、テストで高得点を取れないんです。
    英単語の意味がわかっても、英文と英文との関係が読み取れなかったら、読解はできないです。

    国語でも、精読できず、単語を適当にピックアップして、自分の妄想で内容を作り上げてしまう人がいます。
    書いていないことを想像で補ってしまう人です。
    英語になると、わからない単語が多いこともあって、そこを想像で補うため、本文とは似ても似つかない内容を勝手に読解する人はさらに多くなります。
    筆者の主張と真逆の内容を読み取っているのはまだましなほうで、何の関係もないことを読み取っていることもあります。
    そこを補うために、文と文とのつながりを理解する力が必要になります。
    どの文が原因で、どの文が結果か。
    どの文が筆者の主張で、どの文がその根拠か。
    それを把握するためにも、必要なのが文法です。



      


  • Posted by セギ at 14:15Comments(0)英語

    2020年08月05日

    高校英語。関係副詞の when。



    今回は、関係副詞の when。
    まずは、こんな問題を考えてみましょう。

    問題 次の2文を、関係副詞を用いて1文で表せ。
    The time will soon come. The cruel war will end at that time.

    the time がこの2文で共通の語句。
    これが先行詞になると判断できます。
    「その残酷な戦争が終わるときが間もなくくるだろう」
    という文を作りましょう。

    先行詞がきたら、すぐ関係詞。
    関係代名詞を使う文ならば、
    The time at which the cruel war will end will soon come.
    この at which のところが、関係副詞になります。
    2個目の文は、
    the cruel war will end then.
    と書き換えることもできますね。
    この then が副詞です。

    よって、
    The time when the cruel war will end will soon come.

    できたっ。

    うーん・・・。
    絶対に間違っているとは言い切れないのですが、この語順の英文はあまり見かけないのです。
    「~なときがくる」が主節の文のときは、以下の語順が普通です。

    The time will soon come when the cruel war will end.

    先行詞と関係詞が離れている・・・。
    こんなの原則と違う。
    そのように思う気持ちもわかるのですが、上の文と比べると、この文のほうが意味をとりやすいです。
    だからでしょう。
    この語順が普通に用いられています。

    2文を1文にする問題でこのような文が使われることは、しかし、そんなにないので、心配はいりません。
    以下のような問題で使用されることが多いです。


    問題 次の空所に適切な語を補え。
    The time will soon come (  ) the cruel war will end.

    こういう問題のときに、
    「直前の語がcomeだ。え?え?何を補うの?」
    と慌てなければ大丈夫です。


    では、このような問題はどうでしょうか?

    問題 次の文を正しい語順に並び変えよ。
    その本を読んだら、もとの場所へ返しておきなさい。
    Put the book back ( was / when / where / to / you / are / it ) through with it.

    where も when もある。
    どっちを使うんだろう?
    え。両方使うの?
    なんで?

    そんなとき、よくある誤答。
    Put the book back to it where you are through with it.

    このような誤答をした生徒と、こんな会話を交わしたことがあります。
    「使っていない語がありますね」
    「使い道が分かりませんでした」
    「it は代名詞なので、where の先行詞にはなりませんよ」
    「・・・え?言っている意味がわかりません」
    「うーん・・・」

    その本を読んだら、もとの場所へ返しておきなさい。

    与えられた語句にこだわらず、この日本語を英語にするとしたら、どうなるでしょう。
    Put the book back to the place where ・・・・。
    とりあえず、そういう語句が浮かぶと思います。
    しかし、the place という単語はこの問題の中にありません。
    だから、it を入れてみた。
    そういうことだったと思います。
    しかし、it のような代名詞は、関係詞の先行詞にはなりません。
    先行詞は、名詞がなるものです。

    「え?the place って、代名詞じゃないんですか?」
    と問われたことがあります。
    「え?」
    「the place って、場所でしょう?図書館とか、店とか、具体的なことを言わずに、ただ場所というのは、代名詞じゃないんですか?」
    「違います・・・。place は、普通の名詞です」

    そうか。
    代名詞という言葉の定義がブレていたのか、と目が開かれる思いがしました。
    代名詞は、そういうものではありません。
    代名詞は、大きく分けて3種類。
    人称代名詞・指示代名詞・不定代名詞。
    それ以外は、代名詞ではありません。

    人称代名詞は、英語学習の最初の頃に暗記した、I my me mine というあれです。
    4番目の mine の形のものは、特に所有代名詞と呼ばれます。
    さらに、myself の形のものは、再帰代名詞と呼ばれます。
    そこまで含んで人称代名詞という総称です。
    it も人称代名詞です。

    人ではないのに人称?
    はい。
    人称は、人といういう意味ではないのです。
    一人称・二人称・三人称。
    一人称は、語り手・書き手のこと。「私」「私たち」。
    二人称は、聞き手・読み手のこと。「あなた」「あなたがた」。
    三人称は、それ以外の第三者。人でも物でも構わないのです。
    だから、it は、三人称単数の人称代名詞です。

    指示代名詞は、this , that , these , those など。
    不定代名詞は、one , other , another など。

    代名詞という用語は、いつの間にか使われ始めて、でも、いつまでも曖昧で。
    そういうこともあって、苦手としている人が多いです。
    高校で配布された英文法の参考書の「代名詞」の章を一度熟読すれば、霧が晴れると思います。
    曖昧でよくわからないと思っていたことが全部書いてあるので、びっくりした。
    高校3年になって受験勉強をするようになり、初めて文法の参考書を読んで驚愕した、という生徒の言葉を複数名から聞いています。
    あれは、実はとても役に立つ本なんです。
    高校で配布されていなかったら、書店で購入しましょう。
    読みやすさ重視の本を買ってしまう誘惑にかられると思いますが、お勧めできません。
    こういう場合に購入する文法参考書は、目次は「名詞」「代名詞」などの固いものが列挙されていること。
    巻末に索引がついていること。
    これらが必須です。
    それとは別に、読みやすそうな、中学英語が1時間でわかる本、みたいなものもあわせて買うのは、それは自由です。


    place は、「場所」という意味の名詞です。

    とはいえ、「場所」という言葉は、ちょっと漠然としているのは事実。
    具体性に欠けます。
    こんな言葉は、省略しても通じます。

    そういうわけで、where の前のthe place や、when の前の the time など、漠然とした意味合いの先行詞は省略できます。
    さらに言えば、先行詞のほうをしっかり書く代わりに、where や when を省略することも許されています。

    問題に戻りましょう。

    問題 次の文を正しい語順に並び変えよ。
    その本を読んだら、もとの場所へ返しておきなさい。
    Put the book back ( was / when / where / to / you / are / it ) through with it.

    Put the book back to the place where ・・・・
    これの、the place を省略して、
    Put the book back to where ・・・・
    ここまで、わかってきました。

    「え?関係副詞は、前置詞を含みこんでいるんじゃないんですか?なら to は要らないんでしょう?」
    「いや・・・、これはもともとあった the place のための to なので、普通に残します」
    Put the book back to the place at which ・・・・
    の、at which が、 where になったんです。

    さて、ここまで作れました。
    使った語句には斜線を入れて、消しましょう。
    でも、残りの語句をどう並べるのか、何だかよくわからない。
    そういうことも多いと思います。
    そんなときに、イライラしがちな人は、「もういいや」と残りは適当に並べてしまうことがありますが、ここまで来たのですから、もう少し粘って考えましょう。
    行き詰まったら、今度は後ろから考えてみるのが良いと思います。

    日本語を見ると、「その本を読み終わったら」と書いてあります。
    ( ) の後ろの語句は、through with it
    何だかよくわからないが、「終わる」とかそういう意味の熟語なんじゃないか?
    そういう判断で、大丈夫です。
    でも、through は、動詞じゃない。
    前置詞とか副詞とか、そういうものだろうと想像がつきます。
    動詞らしいものを( ) の残りの単語から探しましょう。
    was と are があります。
    いずれにせよ、be 動詞です。
    ここの部分の主語は?
    読み終わるのは、誰?
    それでわかりました。
    「その本を読み終わったら」の部分の英語は、
    when you are through with it です。
    このwhen は、接続詞の when だったんですね。


    あとは、何が残っているでしょうか?
    was と it 。
    わかった。
    正解は、
    Put the book back to where it was when you are through with it.
    です。

    繰り返しますが、語数の多い乱文整序問題になると、途中で面倒くさくなって、感覚で適当に並べて済ますのは、得策ではありません。
    これはパズルです。
    理屈で考えれば、必ず正解にたどりつきます。
    そのときに使う理屈が、文法です。


      


  • Posted by セギ at 14:41Comments(0)英語

    2020年07月26日

    高校英語。関係副詞の where。



    今回は、関係副詞 where です。
    まずは、こんな問題を解いてみましょう。

    問題 以下の空所に適語を補充せよ。
    (1) The road (  ) we traveled was beautiful.
    (2) Do you know the town (  ) he visited last month?

    関係副詞は4種類しかなく、その4種類の中での使い分けなら比較的簡単なのですが、上のような問題になった途端に正答率が下がります。
    正解は、
    (1) The road (where) we traveled was beautiful.
    (2) Do you know the town (which) he visited last month?

    この使い分けをクリアできない人は案外多いです。
    そのときは、ああそうなのかと思っても、時間が経つと何度でも同じように間違ってしまう人もいます。

    (1)を2文に分解して考えてみましょう。
    The road was beautiful. We traveled on the road.
    と分解することができます。
    the road が共通の語句、すなわち先行詞となり、「私たちが進んだ道路は美しかった」という文を作ることができます。

    関係代名詞を用いて表すならば、
    The road on which we traveled was beautiful.
    です。
    これはこれで正しい英文です。

    この on which のように「前置詞+関係代名詞」となっているものを、1語で表すことができるのが、関係副詞です。
    関係副詞には、where , when , why , how の4種類があり、それらは先行詞によって使い分けます。
    今回、先行詞は場所を表す名詞なので、where を用います。

    前置詞から始まっている意味のまとまりを「前置詞句」と言います。
    前置詞句は、名詞を修飾するものは形容詞句。
    名詞以外のものを修飾するものは副詞句と呼ばれます。
    後ろの文の中で、この on which は、動詞 traveled を修飾していますから、副詞句です。
    それを1語で言い換えた where も同様に、動詞 traveled を修飾している副詞です。
    だから、関係副詞と呼ばれます。

    副詞について、もう少し上の2文で説明しましょう。
    The road was beautiful. We traveled on the road.
    は、あえて同じ語句を用いていますが、2個目の文は、以下のように言い換えが可能です。
    The road was beautiful. We traveled there.
    この there が副詞です。
    on the road = there なのです。

    そして、there を where に言い換えたのが関係副詞を用いた文です。
    The road where we traveled was beautiful.

    The road (which) we traveled was beautiful.
    としてしまうと、勝手に on を省略したことになってしまいます。
    前置詞は、基本的には省略できません。

    英語を学習した初期の頃から前置詞を忘れがちな人は、ここのところが苦手なことが多いです。
    We traveled on the road.
    = We traveled there.
    「何で there のときは前置詞が不要なんですか?」
    と疑問に思う人は、まだ前置詞について気がついているほうです。
    副詞は、前置詞を含みこんでいる語なので、前置詞は不要です。
    この単語は副詞なのだと意識することで、だからこれは前置詞が不要と判断することができます。
    there の他、英語学習の初期の頃から目にしている副詞としては、 here や home があります。
    これらは、前置詞が不要です。

    しかし、there は前置詞が不要ということに気づいていない人は案外多いのです。
    そのあたりの知識が一切身につかず、前置詞はすべて無視する人もいます。
    例えば英作文の問題で、
    「『道路を』を訳し忘れていますよ」
    と声をかけると、
    「あ。road だ」
    と、名詞を思い出すことばかりに必死になってしまいます。
    「うん。road の前に何か単語が必要だと思いますけど?」
    と問いかけても、何も思いつかない様子です。そこで、
    「on the road ですよ」
    と説明すると、つまらなそうな顔をします。
    大事なことを間違えた、失敗した、という顔ではないのが心配です。

    前置詞と名詞と副詞との関係が曖昧で、いつもそこのところでしくじります。
    前置詞+名詞=副詞句または形容詞句
    という単純な図式だけでも理解しておくと、かなり違ってくると思います。
    あわせて、名詞の前には冠詞がつくのではないかと常に意識しておくことが重要です。


    さて、(2)を分解してみましょう。
    Do you know the town? He visited the town last month.
    となります。
    visit の後ろは前置詞は不要です。
    ですから、関係代名詞を用いて、
    (2) Do you know the town (which) he visited last month?
    とします。
    これを、
    Do you know the town where he visited last month?
    としてしまったら、不要な前置詞を加えたことになり、誤りなのです。


    では、なぜ visit の後ろは前置詞は不要なのか?
    visit は目的語をとる動詞、すなわち他動詞だからです。
    目的語というのは、動詞の直後の名詞のことです。
    「誰々に」とか「何々を」といった意味の名詞です。
    間に前置詞が入ることがないのです。
    だから、前置詞を含みこんでいる where の出番ではないのです。

    つまり、where と which の使い分けの基準は、関係詞節の動詞が、後ろに前置詞をとるかどうか、ということです。
    その動詞が、自動詞か他動詞か、ということです。
    これは知識です。
    visit は、すぐ後ろに名詞がくる。
    travel は、前置詞が必要。
    そうした知識を問う問題だということです。

    自動詞でも他動詞でもある動詞も多いですが、必ず自動詞、必ず他動詞の動詞というものもあり、問われるのはそうした動詞に関する知識です。
    重箱の隅をつつかれたらきついところではありますが、visit を使った問題はどんな問題集にも載っている典型題なので、こんな問題は得点しましょう。

    実は英語学習の最初から、自動詞と他動詞は区別されています。
    visit の訳は、「~を訪れる」と、教科書準拠ワークなどにも書いてあったはずです。
    この「~を」がついていたのが他動詞です。
    動詞の後ろにすぐに名詞を書いていい動詞です。
    しかし、中学生はそういうところが雑で、「~を」は無視します。
    下手をすると、visit が動詞であることすら無視して、「訪問」と覚えてしまう子もいます。
    いや、名詞としての用法もありますが、そんな高度なレベルで理解しているわけではないでしょう。
    「れる」とか「する」をつけて覚えることすら無駄だと思っている雑な感覚で単語の意味を覚えているだけでしょう。
    名詞と動詞を区別しないで覚えているのですから、自動詞と他動詞を区別して覚えているわけがありません。
    そうした初期学習の粗雑さに復讐されているのです。

    安心してください。
    私もそうでした。
    いや、さすがに名詞と動詞とは区別していましたが、自動詞と他動詞を区別する覚え方はしていませんでした。
    これは、後からでも間にあいます。
    気がついたら、そこから、神経を払う。
    ああ、この動詞は目的語がつくんだなあ。
    この動詞は、前置詞が必要なんだ。
    そして、前置詞は必ずこれを使うんだな。
    そうしたことを丁寧に学習していく。
    それでどうにかなります。
    頑張りましょう。

      


  • Posted by セギ at 17:46Comments(0)英語

    2020年07月11日

    高校英語。関係代名詞。関係代名詞としての but。


    さて、疑似関係代名詞の最後は、but についてです。

    まずは有名な例文を。
    そのまま設問となることも多いです。

    There is no rule but has exceptions.
    例外のないルールはない。

    疑似関係代名詞 but は、否定語を伴った語句を先行詞とし、また、but 自身も否定の意味を持っています。
    but =that~not です。
    すなわち、二重否定です。
    上の文は、以下のように書き換えられます。

    There is no rule that doesn't have any exceptions.

    もう少し例文を。
    There is scarcely a man but has his weak side.
    弱点のない人はほとんどいない。
    =There is scarcely a man who doesn't have weak side.

    scarcely は準否定語なので、やはり、but を使用できます。

    No one came to her but were fed.
    彼女のところに来て食べ物を与えられなかったものはいなかった。
    =No one came to her that weren't fed.


    but には、接続詞の用法もあります。

    It never rains but it pours.
    降れば必ずどしゃ降り。

    これは、ことわざですね。
    =It never rains without pouring.

    「どしゃ降りでなしに、雨が降ることは決してない」。
    こういう but は、「~以外に」と訳すと上手く意味をとることができる場合が多いです。
    上の例文で言えば、「どしゃ降り以外に雨が降ることはない」すなわち「降れば必ずどしゃ降り」となります。


    but は古風な表現で、現代、特にアメリカ英語ではほとんど使われないとされています。
    but に否定の意味がこもっていることを知っていて、意味が取れること。
    あとは( )に but を補充する穴埋め問題が解けること。
    その程度で大丈夫と思います。
    自ら進んで使う必要はなさそうです。

      


  • Posted by セギ at 11:09Comments(0)英語

    2020年07月03日

    数は音声では聞き取りにくいのです。


    ある年、中3の生徒の英語の1学期の期末テストの得点が普段より10点ほど下がったことがありました。
    見ると、リスニングでかなり失点していました。
    しかし、普段はリスニングが苦手な子ではなかったのです。
    英検3級のリスニング過去問は、毎回ほぼ満点を取ることができていました。
    話を聞くと、内容に特徴があったことがわかりました。

    場面は空港。
    飛行機の出発時刻とゲート番号が列挙されたアナウンスを聴き取るものだったそうです。
    中学生向けですから、英文はゆっくり読まれたと思います。
    それでも、時刻や番号が列挙されると混乱し、数字を聴き取り間違えてしまったのです。

    数字は、視覚での情報伝達力は極めて高いのですが、音声で伝えられると把握しにくい傾向があります。
    日本語での口頭の場合も、数字は他の単語よりも聴き取りにくいです。
    まして英語で数字を聴き取るのは、難しくて当然です。

    私個人は、小学生の頃に珠算教室に通い、「読み上げ算」を練習していますので、日本語による数字の聴き取りは比較的得意なほうだとは思っています。
    今も塾での算数・数学の宿題の答えあわせは、生徒が口頭で数字や式を読み上げ、正解かどうか私が判断することが多いです。
    これが逆に、私が正解を口頭で述べ、生徒が自分で丸付けをすることにしたら、正しく聞き取れず、間違っているのに丸をつけてしまう子がいるだろうと予想されます。
    とはいえ、生徒の読み上げる数字はスピードが速すぎるうえに語尾が不明瞭なことがあります。
    もしもそのスピードと不明瞭さで私が数字を読み上げたら、あなたは聴き取れないでしょう、と思うこともあります。
    数字を読み上げるときは、ゆっくりはっきり言わないと正確に伝わらないということが、年齢的にまだ理解できないから仕方ないのです。
    速く読み上げることが頭の良さの証明だという誤解もあるかもしれません。
    ただ、こういうことは、注意しても、「別にいいじゃん。聴き取れないのは、そっちの責任じゃん」という反発心を起こさせる小言の類に聞こえそうで、私も余程速い場合以外は注意しないのですが。
    同じ生徒が、私が正しい式をゆっくり読み上げても、上手く聴き取れないことがあります。
    そんなときが良い機会です。
    私がホワイトボードに式を書いていくと、その子は、当然理解できます。
    そうした経験を重ねることで、数字は、音声で早口に読み上げても伝わらないということを実感してくれるようです。
    ゆっくりはっきり読み上げることを徐々に学んでいくのです。
    それは客観性や社会性の獲得ということでもあると思います。

    例えば電話番号を早口でペラペラペラっと伝えられたら、誰でも「はあ?」と思いますよね。
    相手の社会性を、むしろ疑う事態です。
    数字は、はっきり、ゆっくり読む。
    そして、互いに確認しあう必要があります。


    日本語でも難しいのですから、英語のリスニングで数字にまつわる問題が出題されると、非常に難度が上がります。
    社会人向けの英語検定なら、そうした出題は当然でしょう。
    ビジネスに数字はつきものですから。
    しかし、英語を学び始めたばかりの子にとって、数字の聴き取りはハードルが高いです。

    何年か前、都立高校の英語リスニング問題で、電話番号の問題が出題されたときも、その問題だけ正答率が低かったのです。
    男女の会話で、間違い電話の受け答えを聴いて、問いに答える問題でした。
    間違い電話をするくらいですから、番号は部分的に数字が入れ替わっているものでした。
    間違った番号と正しい番号と両方を英語で言われ、正しい電話番号を以下から選べ、と言われても、それは混乱しますよね。

    男「もしもし、〇〇さんのお宅ですか」
    女「いいえ、違います。何番におかけですか」
    男「そちらは、いちさんはちよんのごさんはちいちではありませんか」
    女「いいえ、うちは、いちさんはちよんのごはちさんいちです」
    男「ああ、間違いました。すみません」
    女「どういたしまして」
    聴き取りにくさをあえて日本語で表記すれば、こんな感じでしょうか。


    中1の最初の定期テストの場合、そもそもリスニング問題に上手く対応できない可能性もあります。
    これも何年か前、英語のリスニング問題を塾の授業中に最初に行ったときのこと。
    CDには日本語でくどいほどの説明があるし、例題とその解説もあるから大丈夫だと思っていたら、いざ第1問が始まると、
    「え?何をするんですか?」
    と声を上げた子がいて、慌ててCDを止めたことがあります。
    最初に説明したつもりだったのですが、その子にとっては、十分な説明ではなかったのでしょう。
    CDの説明をよく聴いてその通りにしなさい、という指示を出さなかったのがまずかったのだと思います。
    いや、そもそもリスニングテストというものが英語にはあるのだという話から始めるべきだったのかもしれません。
    初めてのことに対する抵抗感と不器用さに関して、現代の子は突出していることがありますから、中1の最初の定期テストのリスニングは白紙答案になってしまわないかと心配です。
    何をどうすれば良いのか、全くわからなかった。
    白紙答案を見せて屈託なくそう言う子が現れる可能性は毎年あります。

    「学校で、定期テストにリスニング問題が出るという話はありましたか」
    中1の生徒にそう問いかけても、首をかしげています。
    「・・・いや、たぶん出題されるので、そのつもりでいてね?」
    リスニングは色々な出題形式があるから、日本語の説明をよく聴いてね。
    選択肢があるとは限らないですよ。
    聴き取った英文を書くのかもしれません。
    とにかく、その場でパニックを起こさないでね。
    色々とくどいほど話すのですが、それでも心配は尽きません。

    そんな状況なのに、英語で数字を読み上げて書き取る問題が出題されたらどうしましょう。
    日本語で出題しても難しい問題を英語で出されても・・・。
    そういうのは、英語力以外の何かが付加された課題です。
    でも、やっぱりそれは、英語力かなあ。
    上手く対応できますように。
    そう願うこの頃です。


      


  • Posted by セギ at 14:33Comments(0)英語

    2020年06月24日

    高校英語。関係代名詞。関係代名詞としての than。


    今回は、関係代名詞の than の話。

    しかし、これは as とは違い、空所補充問題ではそんなに悩まない人もいるかもしれません。
    例題で確認しましょう。

    問題 次の空所を埋めよ。
    (1) The next war will be more cruel (  ) can be imagined.
    次の戦争は想像もできないほど残酷なものだろう。

    (2) There is more space (  ) is needed.
    必要以上のスペースがある。

    正解は、
    (1) The next war will be more cruel (than) can be imagined.
    (2) There is more space (than) is needed.
    です。

    空所の前に比較級があるので、答は than だろうと推測し、それで正解できる人も多いと思います。
    むしろ、(  )の後ろをいちいち見ない雑な解き方をする人のほうが、簡単に正解するということもありそうです。
    文法的な見方をある程度する人のほうが、案外こうした問題で悩んでしまうでしょう。
    何だ、いつもの than じゃないか、と埋めようとして、手が止まります。
    いつもの than は接続詞です。
    接続詞は、SやOにはなりません。
    (  )の後に、主語がない・・・。
    これは、than ではないのでは?

    あれこれ悩んで、
    (1) The next war will be more cruel (that) can be imagined.
    (2) There is more space (that) is needed.
    としてしまう人もいます。
    先行詞を最上級の形容詞が修飾するときは that だから、比較級でも that かな?
    そんなふうに誤解してしまうのでしょう。

    than という関係代名詞があることを知っていれば、そんな誤答をせずに済みます。
    関係代名詞は、従属節の主語の働きをしますから。

    細かい文法分析はどうでもいい、正解できればいいという考え方もあると思いますが、空所補充問題ならそれで良くても、乱文整序問題では、 than が関係代名詞のときもあることを知らないと、上手く並べられないかもしれません。
    まして、以下のような問題の場合、かなり困惑すると思います。

    問題 次の英文に文法的に誤りがあれば指摘して改めよ。誤りがない場合は解答欄に〇をつけよ。
    (1) The next war will be more cruel than can be imagined.
    (2) There is more space than is needed.

    空所を補充しろと言われたら深く考えずに than を入れる人も、この英文を改めて読むと違和感があるかもしれません。
    あれ?
    何かおかしくない?
    than の周辺に何か単語が足りなくない?
    そうだ。主語が足りないんだ。

    わかった。
    (1)は、(誤) than  (正) than we
    (2)は、(誤) than  (正) than it

    そう思う気持ちもわかります。
    (1) The next war will be more cruel than we can be imagined.
    (2) There is more space than it is needed.

    は、これはこれで正しい文です。
    これらの than は接続詞の than です。

    しかし、than には関係代名詞の than があります。
    関係代名詞節の中で、主語の働きをします。
    だから、主語を補わなくても良いのです。
    したがって、上の問題の正解は、(1)〇 (2)〇 です。

    もっとも、こんなひどいひっかけ問題は通常作られません。
    こういう問題こそ、ひっかけ問題というのです。

    ただ、than が関係代名詞として使われることを知らないと、長文を読む際にも、このあたりのことでモヤモヤして、文意が上手く取れない人もいるかと思います。
    やはり、知識を身を助けます。

    なお、さらに面倒くさいことを述べるなら、
    (1) The next war will be more cruel than can be imagined.
    (2) There is more space than is needed.
    の than も、接続詞と見ることが可能です。
    従属節では、代名詞の主語は省略できるのです。
    だから、この文の than は接続詞で、その後の we や it が省略されているだけとみなすこともできます。
    その見方でも、上の問題の正解は、(1)〇 (2)〇 です。


    上の2つは、than が関係代名詞の中で主語の働きをしていましたが、than は目的語の働きもします。

    He didn't accept more money than he really needed.
    彼は、本当に必要なお金以上は受け取らなかった。

    この than は、目的格の関係代名詞と見ることもできますし、接続詞と見ることもできます。
    どちらにしても文意は同じですので、こんな場合は、接続詞と関係代名詞の区別をしなくてもよいのです。


    ここからは余談ですが、上の説明の途中で、than とthat とが同じに見えて、「うん?」となった人はいるでしょうか。
    実は私も書いていて、うっかり書き間違い、慌てて直しました。
    than と that はスペルが似ているので、四択問題で目が迷う、という人もいるようです。

    than と then とを見間違う中学生にも多く出会います。
    then とthem とを見間違う子もいます。

    英語は似ている単語が多いから嫌だと言う子がいます。
    アルファベットは26文字しかないので、その順列で考えたら似ているものが多数あって当然です。
    一瞬見間違っても、すぐに気がつくのなら特に問題はありません。
    たいていは、文脈上こういう単語が出てくるだろうと推測しながら読むので、正しい単語に見える場合が多いです。
    difficult と different。
    invite と invent。
    これらも見た目が少し似ているので混同しやすいですが、文脈判断で読み分けることがおおむね可能です。
    むしろ、こうした単語は、意味を取り違えて覚えてしまい、以後ずっと誤用し続けることのほうに注意が必要です。

    また、見た目は全く似ていないのに、中学生が混同しがちなのが、famous と popular。
    popular を訳すときに「有名な」としてしまう子は多いです。
    popular は「人気がある」で、famous が「有名な」です。

    「それ、同じじゃね?」
    と生徒に言われたことがあります。
    いや、人気は全くないけど有名な人はいますよ。
    大きな事件の犯人とか。
    そう説明すると、こちらが逆にびっくりするほど覚醒した表情になり、納得していました。
    本当は、大きな事件の犯人に famous という形容はしないと思いますが、「有名人」イコール「人気者」ではないので、そこらへんの混同は避けたいところです。
    英語と日本語と、その単語の語義の範囲が完全に一致することはまれなので、popular を「有名な」と訳すのは本当にダメなのかというところから考えを深めてくれたら、それはむしろ嬉しいことですが。

    似通ったスペルの単語や、似通った意味の単語は沢山あります。
    混乱しやすいのはわかります。
    しかし、それも程度問題で、以前、father と family の識別のできない子に出会ったことがあります。
    fa しか同じじゃない・・・。
    ここまでくると、英単語を識別する意思の問題なのか能力の問題なのかと、教えていて悩むところです。
    house を「ホーム」と読む子もいました。
    house というスペルのどこに「ム」と読む要素があるの?
    そう問いかけ続けても、あまり効果がありませんでした。
    一度混同してしまうと、本人の意思とは関係なく、混乱は続くのです。
    最初に正しく覚えることが、きわめて重要です。

    スペルをよく見なさい、というのもまた誤解のもととなることがあります。
    should を「ショウルド」、could「コウルド」、would を「ウオウルド」と読む子もいました。
    それは、スペルに沿いすぎる・・・。
    そのエルは読まないエルなんですよと説明しても、なかなか治りませんでした。

    英検などの面接試験で、あるいは今後実施される予定の都立高校入試の英語スピーキング試験で、発音のことを苦にして悩んでいる子もいるかもしれません。
    面接試験があるから英検は受けない、と断言する子もいます。
    子どもだけでなく、日本人はおおむね英語の発音に自信がない・・・。
    しかし、スピーキングテストで問われるのは、発音だけではないのです。
    発音は、採点対象のほんの一部分です。
    採点基準が発音だけになったら、大半の子は得点できません。
    ギリギリ通じる音であればよいのです。
    問われるのは、should を「ショウルド」とは読まない英語力。
    house を「ホーム」とは読まない英語力。
    father と family を読み分けることのできる英語力。
    そして、発音よりも、問われたことに正確に返答できる英語力。
    自分の伝えたいことをある程度の内容のある英語で説明できる英語力。
    スピーキングテストは、内容を重視すれば大丈夫なのです。
    しかし、発音を気にする子は、一刻も早くテストの場から逃れたいと思うのか、本来の能力よりも数段劣る「痩せた英語」でその場をごまかしてしまうことがあります。
    得点が低いのは、発音のせいではなく、内容のせいなのです。

      


  • Posted by セギ at 12:24Comments(0)英語

    2020年06月18日

    高校英語。関係代名詞。関係代名詞としての as。


    今回もマイナーな内容。
    そんな関係代名詞あったっけ?と思う人もいるかもしれません。
    本来は接続詞である単語が、関係代名詞として用いられることがあります。
    これを疑似関係代名詞といいます。
    as, than, but がそうです。

    今回は、as を見ていきましょう。

    ◎the same A as ~ 「~と同じA」
    これが一番メジャーですので、これだけでも覚えてください。

    This is the same watch as my father gave me.
    これは、父が私にくれたのと同じ時計だ。

    as は、関係代名詞節の中で、主語・目的語・補語の働きをします。
    また、as は that で言い換えることが可能です。
    自分で英文を作る場合は that でもいいですが、四択問題の選択肢の中に that がない場合、何を入れてよいかわからなくなる人は多いと思います。
    the same A as ~ で覚えましょう。

    ◎such A as ~ 「~のようなA」
    I want to paint such a beautiful picture as I saw in the museum.
    私はその美術館で見たような絵を描きたい。

    これは、so を使って言い換えることも可能です。
    I want to paint so beautiful a picture as I saw in the museum.

    「such a 形容詞+名詞」=「so 形容詞 a 名詞」の語順は、今回の文法事項と直接関係はないのですが、乱文整序問題になると繰り返し間違う人が多く、メインの文法事項とは関係ないところで失点してしまいます。
    such は、名詞を修飾していますが、so は形容詞を修飾する副詞なので、直後に形容詞を伴うのです。
    そのような細かい理屈はさておき、正しい語順を幾度も口慣らしして、覚えてしまうのが良いと思います。
    自分の作った間違った語順の英文の記憶のほうが強くなる前に正しく覚えてしまうのがコツです。


    such は名詞を修飾するので、形容詞が使われていない用法もあります。

    Choose such friends as will listen to you quietly.
    あなたの言うことを静かに聞いてくれるような友人を選びなさい。

    いずれの場合も、関係代名詞 as は that に書き換えが可能です。


    ◎前の節の一部または全部を受ける as
    He was in the hospital for two weeks, as was expected.
    予測されたことだったが、彼は2週間入院した。

    これは、
    He was in the hospital for two weeks, which was expected.
    と書き換え可能です。
    前の節全体を受ける which です。
    which を用いたときは、このように必ず主節の後ろに置きますが、as を用いた場合は、主節よりも前に置くことが可能です。
    むしろ、主節よりも前にくるほうが多いと思って大丈夫です。

    As everyone knows, it is harder to write interestingly about a good person than about a bad person.
    誰もが知っていることだが、悪人についてよりも善人について興味深く書くのは難しい。

    こうなると、この as は接続詞の as と何が違うんだろう、と思いますね。
    上の文を「誰もが知っているように」と訳しても、文脈上も特に違和感は起こりません。


    ◎ as is often the case with A 「Aにはよくあることだが」
    これはテストによく出ます。
    慣用表現として覚えるべき重要表現ですが、この as も関係代名詞です。
    上で説明した、主節の一部または全部を受ける as です。

    As is often the case with Tom , he was late for school today .
    トムにはよくあることだが、彼は今日学校に遅刻した。

    これは、as is usual with A という慣用表現もあります。
    同じ意味です。
    あわせて覚えてください。


    ◎as A as B 「Bと同じくAである」
    He is as wise a man as ever lived.
    彼はとびぬけて賢い男だ。

    ・・・うん?
    どこかで見たような?

    そうです。
    「比較」のところで学習した as ~as ever です。
    この後ろのほうの as は、文法的には関係代名詞だったのです。
    では、前のほうの as は何か?
    副詞です。
    so と同じ働きをする as です。


    関係代名詞の as は、このように他の文法事項で出てくることもあります。
    また、文法学習として「関係代名詞」の章ではそんなにスペースを割いて説明されないため、記憶に残りにくいかもしれません。
    しかし、高校2年や3年になって、入試演習的な学習に入ると、解けなかった問題の答がたいてい as で、正体がよくわからず困惑することがあるようです。
    そういう as があるとしっかり認識し、あとは慣用表現的に覚えてしまえば大丈夫と思います。



    as が苦手な人を見ると、学習者としての視野、ということを考えます。
    「こんなのテストに出ない」
    「どうせこれが答だろう」
    といった決めつけで問題を解くので、繰り返し間違っているにも関わらず記憶に残らない。
    学習する際の視野が狭いのだと思うのです。
    答えは as の可能性もあると思って問題を解いている人と、関係代名詞 as が念頭にない状態で解いている人とでは、正答率が違って当然です。


    こうしたことは、英語を学習したばかりの頃から起こります。
    中学英語で確認してみましょう。

    問題 次の空所に適切な語句を補充しなさい。
    (1) (  ) you playing tennis with your friend at that time?
    (2) (  ) you visit the town yesterday?
    (3) (  ) you reading a book now?

    英語が得意な人にとっては、何でもない問題です。
    正解は、
    (1) (Were) you playing tennis with your friend at that time?
    (2) (Did) you visit the town yesterday?
    (3) (Are) you reading a book now?
    です。

    ところが、過去進行形を学習したばかりの中学生がこの問題を解くと、
    (1) (Were) you playing tennis with your friend at that time?
    (2) (Were) you visit the town yesterday?
    (3) (Were) you reading a book now?

    と、全部 were を入れてしまいがちです。
    今は過去進行形の勉強をしているんだから、全部過去進行形だろう、と決めつけて問題を解いているのです。
    本人の中で、問題に対するそうした決めつけがあるのだと思います。
    解答を考える際の視野が狭いのです。
    どうせ were だと思って解いているので、did や are が視野に入っていないのです。

    小学校で学習する問題はどの教科も何の癖もなく平易であるため、中1や中2では、まだそこから脱却できていないのかもしれません。
    中学校から配布される教科書準拠ワークも、何でも were を入れれば正解になるような単純な問題が並んでいるものもあります。
    せいぜいで、were と was の使い分け問題。
    どのような学力の子でも解答集を見れば意味がわかる教材というと、そういうレベルになってしまうのも否定できません。
    簡単過ぎて練習にならない・・・。
    そんな問題ばかり解いていると、勉強しているときに頭を使わなくなる子がいます。
    勉強しているときに頭を使わない。
    単純作業としてただ空所を埋める。
    そんな学習姿勢になってしまう子がいます。

    後に都立自校作成校に合格した子で、中2の段階ではまだ上のように何でも were を入れている子がかつていました。
    小学生のような心の在り方からなかなか脱皮できず、ハキハキと間違い続け、正解を聞くと、
    「ひっかけだ・・・」
    とぼやくことを繰り返していました。
    まだ、ゆとり教育の気配が濃厚な頃でした。
    ひっかけだ。
    騙された。
    こういう問題は、問題が悪い・・・。

    そのような認識をしている間は、何度でも「新手の詐欺」にあいます。
    答は全部 were かもしれないけれど、そうではないかもしれない。
    そのように意識を変え、視野を広げて問題に取り組めば、were ばかりが答とは限らないことに気づくのです。
    時制を学習しているのですから、新しい時制を学んだら、それまで学習した時制との使い分け問題も出題されます。

    精神的成長とともに、どうにかそうしたことを理解できるようになり、高校入試に間にあいました。

    学力的に、全部 were を入れるので精一杯なのではないか?
    そのように思われる子でも、問題を解く前に、
    「これは、いろいろな時制の使い分け問題ですね。答は過去進行形とは限りません」
    とヒントを出すと、全問正解できます。
    そのヒントを出されなくても、自力でその判断ができれば良いだけなのです。
    それは、本人の意識の問題、視野の問題です。
    それこそが学力ということでもあるのですが。

    勉強しているときは、頭を使いましょう。
    単純作業で問題を解かず、あらゆる可能性を考えましょう。

    関係代名詞には、as もあります。
    そのように視野を広げて問題を解けば、正答が増えていくと思います。
      


  • Posted by セギ at 11:29Comments(0)英語

    2020年06月10日

    高校英語。関係代名詞。注意すべき which 非制限用法。


    関係代名詞の学習の中でも、今回は超マイナーで、定着しないことが多い内容です。
    非制限用法の which の話。

    勿論、which は、普通の非制限用法があります。

    My father gave me some books, which were not so interesting.
    私の父は私に何冊かの本をくれたが、それらはあまり面白くなかった。

    しかし、これとは別の用法があるのです。


    ◎前の節の一部または全体を先行詞とする which の非制限用法

    今回の中で、これが最も重要です。
    これだけでも覚えてください。

    Some school children take no breakfast, which is not good for the health.
    朝食を食べない生徒がいるが、それは健康に良くない。

    この which は、前の節全体、すなわち、「朝食を食べない生徒がいる」という内容全体を受けて、そしてそのことは健康によくないと言っています。

    この which 節は、主節の中に挿入することもできます。

    They had, which was important to them, a heroic past to boast of.
    彼らにとっては重要なことだったが、彼らは自慢するべき勇敢な過去を持っていた。

    この which は、主節全体、すなわち「彼らは自慢するべき勇敢な過去を持っていた」を指します。

    これらの which は、読解にはあまり影響しないと思います。
    意味を読み取ることは難しくありません。
    しかし、文法問題になると、苦戦する人が多いのです。
    空所補充問題で、which を入れることを発想できないのです。
    it や that を入れてしまいます。
    関係代名詞の問題である、という枠組みがないと特にそうなります。
    知識としてしっかり身につけておきたいところです。



    ◎関係形容詞の which

    名詞を修飾するのが形容詞。
    名詞を修飾しつつ関係詞の働きをするのが、関係形容詞。
    そんな面倒くさいものは、日常会話ではそんなに使わないですが、書き言葉では目にします。

    She was appointed ambassader to the country, which post she filled with honor.
    彼女はその国の大使に任命され、その職を立派に務めた。

    which post の post は名詞で、which はそれを修飾していますから、関係形容詞です。
    まあ、特にそんなことを難しく分析しなくても意味は取れますが、これも文法問題だと苦労する人がいます。
    上の日本語を関係詞を用いて英語に直しなさいという問題だった場合。
    She was appointed ambassader to the country, which she filled post with honor.
    と、which と post を引き離してしまう人は多いです。
    このレベルの単語を使用する能力があるのなら、そんな些細な語順ミスは実に勿体ない。


    これは、疑問詞でもよく起こる現象です。
    中学1年生で、How many ~? の文を学習した際、
    「あなたは何冊の本を持っていますか」という日本語を英語に直すと、
    How many do you have books ?
    という間違った語順の英文を書く人は多いです。
    How many books do you have ?
    ですよ、と何度解説しても、直らないのです。

    中学3年生で、「疑問詞+不定詞」を学習する場合も同じです。
    「どのバスに乗ればよいか、私はわからない」という日本語を英語に直す際に、
    I don't know which to take bus.
    という間違った語順の英文を書いてしまいます。
    正しくは、
    I don't know which bus to take.
    です。
    疑問詞には疑問形容詞の働きをするものがあり、後ろに名詞を伴うことがあるんですよと、ごつい文法用語で中学生に説明するのも無理があるのですが、柔らかく説明しても、定着しない・・・。

    一度本人が思い込んでしまった間違った英語の語順は、恐ろしいほどの定着をみせ、その人を一生縛りかねません。
    英語は、間違った練習をすると、間違った語順が定着しがちです。
    間違った英文を書くと、その記憶のほうが深く脳に残り、それが本人の「英語の語順」として強化され、永遠に再生され続けるのです。
    文法的な分析があまり好きではなく、「英語は大体こういう語順のもの」という感覚に頼る人ほどそうなりがちです。
    日本に住む日本人は、そもそもそんなに英語に触れていないです。
    それなのに、本人の中の英語の語順の感覚に頼ろうとする。
    その感覚の源の大部分は、本人の書いた間違った英文だというのに・・・。
    本人の英語の語順の感覚が、間違った自分の英語を書いたり見たりした記憶で拡大再生産され、強化され続けるのです。

    感覚に頼るのはやめましょう。
    知識で正しい英文を作りましょう。

    これは、学習習慣が確立していない早い時期に間違った英語の練習をたくさんやってしまうこととも関係があるのかもしれません。
    小学校で学習する内容は、どの教科もおおむね単純で、学校の授業をちゃんと受けて、授業中にちゃんと演習もしていれば、覚えようと意識しなくても覚えられることが多いのです。
    すると、家に帰って復習する習慣のある子でも、授業ノートや教科書を読み返すといったことはせず、いきなりワークやドリルを解いてしまう子が大半だと思います。
    別にそれで間違うわけでもないので、勉強とはそういうものという形が出来上がってしまいます。
    中学生になっても、それをそのままやり続ける子が多いのですが、中学で学ぶ内容は、小学校ほど量が少ないわけでもないし内容が単純なわけでもありません。
    覚えきれないこともあります。
    それなのに、自分が覚えきれていないことに対してまだ無自覚なので、ノートを見直すことも教科書を読みなおすこともせず、いきなり問題練習をする子が多いです。
    そして、間違った練習をたくさんやってしまいます。

    自分の間違いに敏感な子は、そこで気づきます。
    ああ、ここは訂正するべきだ、ここが重要だ、と。
    しかし、勉強が下手な子は、自分の間違った答が正答と違っていることに気づかず、全部マルをつけてしまうことがあります。
    違っていることに気づいても、鉛筆で書き直して赤丸をつけ、間違ったことを記憶ごと封印してしまう子もいます。
    そして、大事なテストでしくじる。
    間違った語順が高校生になっても記憶に残り、しくじり続ける・・・。


    高校生は、自分の間違いに、そろそろ耐性があってもよい頃。
    自分の間違いを正視し、直せるはずです。
    そして、ちゃんと学習事項を復習してから演習をするという手順を踏めるはずです。
    疑問詞や関係詞は名詞を伴うものがある、という知識を定着させましょう。


    上の文に戻ります。
    She was appointed ambassader to the country, which post she filled with honor.
    これは、
    She was appointed ambassader to the country, and she filled the post with honor.
    と書き換えられます。
    which post のところは、関係代名詞節では目的語の働きをしていたのですが、節の一番前にきていました。
    一方、先行詞は ambasadder です。
    先行詞がきたら、すぐに関係詞。
    原則はそうなのですが、今回は、ambassader to the country という語句のつながりが強いので、そこには割って入り込めなかったのです。
    そこに無理に挿入すると意味がとりにくくなる場合、先行詞と関係詞との間に少し距離が開くこともあります。


    ◎ in which case
    これも関係形容詞 which の用法ですが、もうこれで熟語として覚えてしまって構わないと思います。
    「そしてその場合は」という意味です。

    The plain may be several hours late, in which case there is no point in our waiting.
    その飛行機は数時間遅れるかもしれず、そしてその場合は、待っていても無駄です。

    この文は、
    The plain may be several hours late, and in that case there is no point in our waiting.
    と書き換え可能です。


    以上、マイナーながら、たまにテストに出ると、必ず失点原因となる which の非制限用法でした。


      


  • Posted by セギ at 14:44Comments(0)英語