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2021年07月31日

期末テストの結果が出ました。2021年1学期。

期末テストの結果が出ました。2021年1学期。

1学期期末テストの結果が出ました。

数学 90点台 1人 80点台 1人 70点台 1人 60点台 1人 50点台 2人 30点台 1人
英語 80点台 1人 70点台 1人 60点台 1人 50点台 1人 40点台 2人

高校生は、数学2科目・英語2科目の平均点を用いています。
新規の生徒が加わりましたので、下が重いですが、さあこれからです。
やりがいがあります。

ゆとり教育の頃と比べると、公立中学も高校も、テストの問題数がとにかく多い学校が増えました。
最後まで解き切るだけで大変で、見直しする時間のない子が多い話は、前回もしました。
数学の配点が計算問題で1問1点、文章題で2点から3点。
いかに全体の問題数が多いかわかると思います。
大学入試共通テストの数学や英語も、70分で余裕を持って解ける問題数とは思えないので、中学の頃からとにかく速く解くことが要求されているという流れは、わからなくはありません。
過酷なほどに、処理能力の高さが問われています。

しかし、数学の問題を解くのがとにかく遅い子は、今も多いです。
1つには、計算能力の差があげられます。

計算というのは、ある程度暗記です。
かけ算の九九が代表ですが、たし算・ひき算も、現実には暗記で処理します。
6+8=14
という計算を、実際に、
「6はあと4をたすと10になるから、1上がって、8から4をひいて4だから、答は14」
とやっているのは、小学校の低学年まで。
6+8=14であることは、今までさんざん計算してきてわかっていること。
だから、もうそれを見た瞬間に、6+8=14 と処理するのが、計算の速い人のやり方です。

しかし、計算が遅い人は、中学生になっても高校生になっても、
6+8=14
を上のような作業をして計算しているようなのです。

上のような作業をやれと言われれば、いつでもできる。
意味はわかっている。
しかし、もう何千回と計算してきた6+8の答は暗記している。
だから、直接答を書く。
計算が速い人は、そのように処理しています。

計算時間が大差となって表れるのは、分数の計算です。
分数の約分や通分は、小学校だけで終わる作業ではなく、中学生になっても高校生になっても、大きく影響します。
高校1年になって、数A「場合の数と確率」の学習をした際に。
考え方が理解できないわけではないけれど、約分が下手過ぎて、時間がかかるうえに正解が出ない。
高校2年になって、数Ⅱ「積分法」を学習した際に。
理解できないわけではないけれど、通分が下手過ぎて、異様に時間がかかるうえに、正解が出ない。
そういう人もいます。

48/96=1/2 を一度で処理できない。
約分しろと言われると、2で割って、2で割って、2で割って、を繰り返してしまう・・・。
13/27-5/9+2/3
といった計算に、本当に時間がかかり、しかも、しばしば間違える・・・。

訓練によって獲得するにしろ、生来のセンスであるにしろ、計算力がないと問題を解くのに時間がかかります。
これは、なかなか解消できません。
もともと計算が遅いうえに、数学がとにかく嫌いなので、学校でも塾でも宿題でも、のろのろのろのろ問題を解く子もいます。
速く解くと、たくさん数学の問題を解くことになって損だと思っているのだろうか?
そういう疑念をいだきたくなるほど、のろのろと数学の問題を解くのです。
普段はのろのろ解いているのに、テスト中だけ急ごうとしても、無理です。
テストのときはあせって、ケアレスミスを繰り返す・・・。

一所懸命頑張っているけれど、どうしても遅い。
どうやらそれが現状の全力だろうと思われる子もいます。
それは、見ていればわかります。
全力で頑張っている子に「急げ」と命じ、焦らせたところで、ミスが増えるだけです。
しかし、どうも、全力を出しているように見えない子もいます。
普段、スピードを上げる努力をしていないのに、テストのときだけ速く解こうと焦ることになります。

そうなると「劇薬」に手を出す子が表れます。
中学3年生の男子に、毎年、旋風のように巻き起こる、1つのブームがあるのです。
と、大げさに書きましたが、実は何ということもない、平凡な計算の工夫です。
平方根と乗法公式のところで、例えば、
(√2+√3)2
=5+2√6
と一度で処理する程度のことです。

乗法公式通りに解くならば、
(√2+√3)2
=2+2√6+3
=5+2√6
その整数部分を一度で暗算するやり方です。

こんなことの何がそれほど魅力的なのか、私は理解に苦しむのですが、毎年、中学3年生の男子は、どこかからこのやり方を教わり、塾の宿題をそれで解き、誤答し、私の逆鱗に触れるのが毎年のお決まりです。
「男子」と特定するのは、この計算の工夫をして誤答する女子生徒を私は見たことがないからです。
そんな工夫をしたらかえって間違えそうだから、私は丁寧に計算する、と考えるのが女子。
実は使っていても、正解するのが女子。
下手に手を出して、誤答するのが男子。
そういう違いがあるかもしれません。

実際、この工夫を使う子の多くは、
(2-√3)2
=1-2√3
といった誤答をしてしまいがちです。
(2-√3)2
=4-4√3+3
=7-4√3
ですが、片方が整数で片方が平方根であることに気を取られて、符号ミスを起こしてしまうのでしょう。

(2+√3)2
=7
という場合もあります。
(2+√3)2
=4+4√3+3
=7+4√3
ですが、整数部分の和に意識を奪われ、4√3の存在を忘れてしまったのでしょう。

「都立入試では、後ろのほうの応用問題も、こんな計算問題も、同じ5点なんですよ?こんなところで、そんなくだらないことで計算ミスをして、その5点をどこで取り返すつもりなんですか?」

・・・そこまで怒らなくてもよいのでは?
こういう解き方がかっこいいと勝手に思って、勝手にしくじっていくのは、本人の問題なのだから・・・。
・・・いやいやいや、そんな冷たい考え方をしている場合ではありません。
一見優しいようで、実は冷たい。
そういうのは、よくない。

こんなつまらない工夫をすぐ使うわりに、「関数」の問題で、求めたい点の x 座標を t とおいて方程式を立てることは、何回教えてもその発想すら身につかないのは、どういうこと?
空間図形と点の移動に関する問題で、「x秒後とする」という最初の1行を、何回教えても発想できないのは、どういうこと?
覚えるなら、そっちを覚えなさいよー!


・・・自分の怒りを冷静に分析して、気がつくことがあります。
計算力は大切です。
計算が速いにこしたことはありません。
基礎的な計算力はほしい。
けれど、計算だけ上手な生徒を、私はそれほど高く評価しません。
そんなのは、ただの人間電卓だからです。

現在の学力はかなり怪しく、約分通分すらもたもたもたもたしていても、どの子にも応用問題を教え続けます。
中学で「関数」を学習するのなら、座標平面と図形の問題を自力で解けなかったら意味がない。
求めたい点のx座標をとりあえず t とおいて、さあ、それからどうする?
そういうことを考えられなかったら、「関数」なんて、つまらない。
そういう問題を自力で解けるようになると、数学に自信がもてます。
数学という科目に対する意識が変わります。
問題を自力でたくさん解くようになるので、計算もたくさんするようになり、もたつきも減っていきます。
計算だけをやらされているよりも、本人も楽しく勉強でき、効果もあります。

(√2+√3)2
=5+2√6
と一度で計算するよりも、「関数」の応用問題を正答するほうが、かっこいいのです。
立方体や直方体をさまざまな角度で切断した後の立体を正確にイメージできるほうがかっこいいです。
その体積を求めろといわれたら、ちょっと考えた後、すらすらと断面図を描きだしたら、最高にクールだと思うんです。

大学入試の数学の記述式問題は、どのように解こうとしているか、その過程が明瞭であれば、途中で計算ミスをしていても、大幅な加点があります。
学生に人間電卓であることを求めているわけではないからです。
計算は、コンピュータがやります。
では、人間は何をやるのか?
数学と向き合うということは、そういうことを考えることでもあると思うのです。




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