たまりば

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2020年08月30日

高校英語。関係副詞の非制限用法。


関係副詞。
今回は、非制限用法です。
非制限用法は、関係代名詞のときも学習しました。
先行詞を修飾するのではない用法です。
接続詞を補って、前から順番に意味をとっていけば大丈夫でした。
この非制限用法をもつ関係副詞は、where と when です。
まず、where の用法。

We got to the park, where we rested for a while.
私たちはその公園に着いて、そこでしばらく休憩した。

これは、
We got to the park, and there we rested for a while.
と同じ意味です。

Stratford-on-Avon, where Shakespeare was born, is visited by a great number of tourists every year.
ストラットフォード・オン・エイボンは、シェイクスピアの生誕地で、毎年多数の観光客が訪れる。

このように、途中で挿入することも可能です。

次に、when の用法。

I was taking a shower at seven, when the lights went out.
私は7時にシャワーを浴びていて、そのとき、明かりが消えた。

The summer of 1945, when the Pacific War ended, is still vivid in my memory.
1945年の夏は、太平洋戦争が終わったときで、いまだに私の記憶の中で生々しい。


うん。簡単ですね。


ところで、ここから少しややこしい話をします。
先行詞が省略されて、when だけが残ると、接続詞 when の用法との見分けがほとんどつかない、という話です。

まずは普通の用例。
I finished talking with him at ten o'clock, when he wanted me to stay a little longer.
彼との話は10時に終わったが、彼は私にもう少しいてほしがった。

これは、when = and then ととらえればよい、普通の用法です。
時間的な前後関係が明確です。
しかし、主節の動詞が、was/were about to ~、was/were going to ~、または過去進行形のときには、このカンマを省略することがあります。
主節がこれらの時制の場合、主節と従属節の時系列は、ほぼ同時となります。

I was about to reply when he cut in.
私が答えようとすると、彼は口をはさんだ。

このように訳します。
この文の見た目は、接続詞の when を利用している場合と区別がつきません。
接続詞ととらえると、この文の意味は「彼が口をはさんだとき、私は答えようとしていた」となります。
状況は同じです。
伝達情報としては同じなので、言語として困ることはありません。

困惑するのは英語を学習している生徒の側です。
模試や読解問題集の全訳を見たとき、模範の訳は「私が答えようとすると、彼は口をはさんだ」となっています。
この訳に混乱する人がいます。
・・・何で when の後ろから訳さないの?
when の後ろから訳すって、中学生のときに教わったのに・・・。

そうなのです。
私も、中2の生徒に接続詞 when を教えていて、強調するのはそのことです。
そこのところを間違ってしまう人が多いからです。

When I saw him, he was playing baseball in the park.
という文ならば、
「私が彼と会ったとき、彼は公園で野球をしていた」
と正しく訳せるのですが、
He was playing baseball in the park when I saw him.
という形で書かれていると、
「彼が公園で野球をしていたとき、私は彼に会った」
と訳してしまう人がいます。

解説を聞いているとき、when 節とか、主節とか、そういう言葉が、気に入らなかったのかもしれません。
それぞれ、定義を説明しても、それがまたわずらわしい。
そんな難しい説明は要らない。
簡単じゃないか。
文と文との間を、when でつなぐ。
それだけのことだろう?
内心で、そう思ってしまうのかもしれません。

・・・これ以上簡単に説明できないから、この説明をしているんですよ。
気に入らない説明がもしあったら、こういう理解でいいかと、質問してね。
繰り返しそう話しても、後日、生徒が誤解をしていて、天を仰ぎ、最初から説明のし直し、ということはしばしばです。

そうした子たちは、
He was playing baseball in the park when I saw him.
という文を、
「彼が公園で野球をしていたとき、私は彼に会った」
と訳してしまいます。
「私が彼に会ったとき、彼は公園で野球をしていた」という日本語を英語に直す問題は、
I saw him when was playing baseball in the park.
と誤答してしまいます。

when I saw him が、1つのまとまり。
これが、when 節。
そのまとまりごと、主節よりも前にドンと移動できる。
後ろにドンと下がることもできる。
文と文との間に when があるとういうことではないのです。
when は、従属節の先頭の語です。
when から始まる、1つの意味のまとまりです。
when の後ろから訳すんですよ。
こうしたことを繰り返し繰り返し説明して、練習して、when 節を代表とする従属節と従属接続詞の用法を何とか身につけるのが中2です。

そうやって、しっかり従属節を学習したというのに、高校生になったら、
He was playing baseball in the park when I saw him.
の when は、関係副詞とみるなら、
「彼が公園で野球をしていたとき、私は彼に会った」
という解釈でも、別に構わなくなるなんて・・・。

なんてこった!

ただし、こういう関係副詞 when の用法は、難しい英文でたまに見る程度ですので、自ら使う必要はありません。
読解問題の全訳を読んでいて、この when の訳し方がどう見ても逆に思えてストレスを感じたら、このことを思い出してください。
文法的にどうしても割り切れない表現が、入試問題、すなわち、実際の随筆や評論にはあるかもれしません。
そのとき、文法が間違っているのではなく、それを正しく解釈する文法も存在すると理解しておくと、英語を読み進めていく推進力になると思います。


  


  • Posted by セギ at 16:15Comments(0)英語

    2020年08月26日

    高校数Ⅱ「図形と方程式」。直線の方程式の求め方。その6。恒等式の利用。


    今回は、こんな問題を。

    問題 2直線 2x+y-5=0、3x-2y-11=0 の交点と、点(1,-2) を通る直線の方程式を求めよ。

    ・・・あれ?
    簡単すぎる・・・?
    こういう問題は、以前に学習しましたよね。

    では、まず、その解き方から。

    2点の座標がわかれば、直線の方程式は求められます。
    1点は、問題で示されている点(1,-2)。
    あと1点は、2直線の交点。
    まず、これを求めましょう。
    2直線の方程式を連立して解きます。
    2x+y-5=0   ・・・①
    3x-2y-11=0 ・・・②

    ①×2+②
      4x+2y-10=0
    +)3x-2y-11=0
     7x  -21=0
         7x=21
          x=3 ・・・③

    ③を①に代入して、
    6+y-5=0
       y=-1

    よって、交点の座標は(3,-1) です。

    すなわち、求める直線は、点(1,-2) , (3,-1) を通りますから、2点を通る直線を求める公式に代入して、
    y+2=1/2(x-1)
    y=1/2x-1/2-4/2
    y=1/2x-5/2

    これが答となります。


    この解き方で構わないのですが、後に、2円の共有点と他の1点を通る円の方程式などを求める際に利用する解き方があります。
    こちらのほうが汎用性が高いです。
    ただし、これからの数学の多くはそうですが、汎用性の高い考え方は、難しいです。
    できるだけわかりやすく説明したいと思いますが。
    まずは、答案を見てみてください。

    2直線、2x+y-5=0、3x-2y-11=0 の交点を通る直線の方程式は、
    k(2x+y-5)+(3x-2y-11)=0 ・・・① と表される。
    この直線が、点(1 , 2) を通るから、
    k(2-2-5)+(3+4-11)=0
    -5k-4=0
    -5k=4
    k=-4/5
    これを①に代入して、
    -4/5(2x+y-5)+(3x-2y-11)=0
    -4(2x+y-5)+5(3x-2y-11)=0
    -8x-4y+20+15x-10y-55=0
    7x-14y-35=0
    x-2y-5=0

    これが答です。


    ・・・はあ?
    何それ?
    何をしたの?
    そのkって何?

    そのような声が、絶叫レベルで聞こえてきそうな気がします。

    上の答案は、冒頭の2行が謎に満ちていると感じる人が多いでしょう。

    2直線、2x+y-5=0、3x-2y-11=0の交点を通る直線の方程式は、
    k(2x+y-5)+(3x-2y-11)=0 と表される。

    ・・・何それ?
    何で、2直線の交点を通る直線の方程式が、そんなもので表されるの?

    問題は、そこですよね。

    これは、kについての恒等式なんです。
    kの値が何であっても、この式は成立するということなのです。

    ・・・どういうこと?

    それでは、kの値が何であってもこの式が成立するための条件を考えてみましょう。
    k(2x+y-5)の部分の、(2x+y-5)の値が0でなければ、そんなものは成立しません。
    この( )の中が、例えば1であったり、2であったり、何か0以外の数字になってしまったら、kの値によって、左辺=0 が成立することもあれば成立しないこともある、となってしまいます。
    kの値が何であってもこの式が成立するためには、kの係数は0である必要があります。
    だから、2x+y-5=0 です。
    また、それだけでは、必ず左辺=0 とはなりません。
    後半の( )の中身、3x-2y-11=0 も同時に満たさなければ、左辺=0 とはなりません。

    ということは、どういうことか?
    k(2x+y-5)+(3x-2y-11)=0
    という式が常に成り立つということは、2x+y-5=0、かつ、3x-2y-11=0 だということです。

    2x+y-5=0、かつ、3x-2y-11=0
    そのときの x と y の値は、この2つの式を連立して解いた解ということです。
    それは、この2直線の交点の座標ですよね?
    だから、
    k(2x+y-5)+(3x-2y-11)=0
    という式が表す直線は、2直線の交点の x 座標と y 座標の値のときは、k の値が何であっても、必ず成立するのです。
    すなわち、この直線は、k の値は謎のままであっても、2直線の交点の x 座標と y 座標の関係は満たします。
    つまり、この直線は、2直線の交点を必ず通るのです。
    わさわざ計算して交点の座標を求めなくても、その交点を通る直線を表すことができるのが、この解き方の利点です。

    それでもまだもやもやするという人のために、一応確認しておきましょうか?
    冒頭の求め方で、2直線の交点の座標は出してありました。
    交点は、点(3,-1) でしたね。
    この値を、この k を用いた式に代入してみましょう。
    k(6-1-5)+(9+2-11)=0
    0・k+0=0
    確かに、これなら、kが何であっても、成立します。
    2直線の交点(3,-1) の値を代入すると、kが何であってもこの式は成立します。
    つまり、この直線は、kの値が何であっても、必ず点(3,-1) は通るのです。

    ただし、このままでは、kが定まっていません。
    2直線の交点は必ず通るけれど、傾きもy切片も定まりません。
    2直線の交点のところでピン留めされた直線が、360度、ぐるぐる回るイメージを抱いてください。
    k(2x+y-5)+(3x-2y-11)=0
    という式が表しているのは、そういう、ぐるぐる回る無数の直線なのです。

    このkが定まるとき、その直線は1つに定まります。
    回転をやめ、定まった傾きとy切片をもった直線の式となります。

    では、どうやってkを求めましょう?
    問題を見直してみましょう。

    問題 2直線 2x+y-5=0、3x-2y-11=0 の交点と点(1,-2) を通る直線の方程式を求めよ。

    求める直線は、点(1,-2) を通るのです。
    ならば、求める直線は、
    k(2x+y-5)+(3x-2y-11)=0
    という式で表されるうえに、さらに、x=1 のときy=-2 という条件を満たすということです。
    そのとき、kの値はただ1つに定まります。
    代入してみましょう。
    k(2-2-5)+(3+4-11)=0
    これをkについて解きます。
    -5k-4=0
    -5k=4
    k=-4/5

    2直線の交点を通る直線は、360度回転して無数に存在するけれど、k=-4/5であるとき、点(1,-2) を通ります。
    では、このkの値を、k(2x+y-5)+(3x-2y-11)=0 の式に代入すれば、求める式になるでしょう。
    代入しましょう。
    -4/5(2x+y-5)+(3x-2y-11)=0
    これを整理しましょう。
    両辺を5倍して、
    -4(2x+y-5)+5(3x-2y-11)=0
    展開すると、
    -8x-4y+20+15x-10y-55=0
    7x-14y-35=0
    x-2y-5=0

    これが、求める直線です。
    一番上の求め方では、y=1/2x-5/2となりました。
    形が違うだけで、同じ式です。
    確かめましょうか。
    x-2y-5=0 を、yについて解いてみましょう。
    -2y=-x+5
    y=1/2x-5/2
    やはり、同じ式ですね。


    なぜkを用いるのかが理解できたところで、細かい疑問が浮かぶ人もいるかもしれせん。
    k(2x+y-5)+(3x-2y-11)=0
    という式は、なぜ、2x+y-5のほうにkをかけたのか?
    3x-2y-11のほうにkをかけてはいけないのか?

    どちらでも、大丈夫です。
    同じ結果が出ます。
    同じ交点を通る直線の式を表しているのですから。

    でも、不安な人もいるかもしれません。
    試してみましょう。

    k(3x-2y-11)+(2x+y-5)=0 
    これが点(1,-2)を通るから、
    k(3+4-11)+(2-2-5)=0
    -4k-5=0
    -4k=5
    k=-5/4 

    kの値が違うっ、と慌てないで。
    この段階では違う値が出ます。

    このkを、k(3x-2y-11)+(2x+y-5)=0 に代入します。
    -5/4(3x-2y-11)+(2x+y-5)=0
    -5(3x-2y-11)+4(2x+y-5)=0
    -15x+10y+55+8x+4y-20=0
    -7x+14y+35=0
    x-2y-5=0

    無事に、同じ式となりました。
    大丈夫です。
    どちらでも、好きなほうの直線をk倍してください。


      


  • Posted by セギ at 10:51Comments(0)算数・数学

    2020年08月23日

    高校英語。関係副詞の how。




    今回は、関係副詞の how の用法です。
    まずは、2文を1文にするところから考えてみましょう。

    We can get a discount in this way. Could you tell me the way?

    これを、「割引を受けられる方法を私に教えてくださいませんか」という意味の1文にしましょう。
    関係代名詞を用いると以下のようになります。

    Could you tell me the way in which we can get a discount?

    堅苦しい文語表現ですが、正しい英文です。
    この in which が、先行詞が the way 「方法」のときは、how になります。
    したがって、

    Could you tell me the way how we can get a discount?

    ・・・いいえ。
    この文は間違いなんです。
    なぜなら、関係副詞 how は、先行詞 the way とは同時に用いないという摩訶不思議なルールがあるからなんです。
    片方を省略してもよい、というのならわかります。
    今まで、関係副詞、where , when , why は、全部そうでしたね。
    関係副詞のほうを省略してもよいし、先行詞のほうを省略してもよいのでした。
    ところが、how に限っては、関係副詞と先行詞と、どちらかを必ず省略しなければなりません。

    Could you tell me the way we can get a discount?
    または、
    Could you tell me how we can get a discount?
    とするのが、正解です。

    言語には、ときどき、こういう変則があります。
    興味がある人は、大学で英語学を学んでください。
    英語は、日本語とは違って、母体となる言語が何で、それが何語の影響でどう変わって、そしてどうなったということが明らかになっている言語です。

    英語は、それでも変則が少ないほうで、だから、国際語になっています。
    変則的なことが少ないほうが学びやすいですから。

    でも、変則は変則でしょう?
    そういう例外が多いから、英語は嫌い。
    勉強しても無駄。

    ・・・英語の小さな欠点をあげて、「だから英語はダメだ。英語なんか覚えない」と思わないでください。
    このくらいの例外的なルールは、ましなほうです。

    本人はかなり非効率な生活をしているのに、英語学習に関してだけは異様に効率を求める人がいます。
    以前も書きましたが、学校の廊下で友達と、
    「単語テストの範囲が100語もあっても、テストに出るのは10問だけなんだから、覚えるのは無駄だよね」
    と話していて、通りかかった英語の先生に注意された、というエピソードを当の生徒から聞いたことがあります。
    本人は笑い話のつもりだったのでしょうが、全く笑えませんでした。
    英語学習だけ、なぜ、そのように「無駄」だと切り捨てるのでしょう。
    無駄という観点で言えば、SNSにかけている時間は、あれは無駄ではないのですか?
    どうでもいい YouTube を見ている時間は、無駄ではないですか?
    英単語100語を覚えたほうが、はるかに将来の役にたちますよ。

    でも、そういうことでもないと、私は思っているのです。
    SNSだって、意味はあるでしょう。
    無駄と思えることにも意味はあります。
    自分が何か極端なことを考えているときは、本当にそうかな?と立ち止まったほうがいいのです。
    SNSにも英語学習にも、意味はあります。

    特に今は、コロナ禍で思うような気分転換もできないし、ものすごく暑いし、また新学期が始まるしで、頭の中が何だか煮詰まったようになっていて、誤った決断をする人が多くなる時期です。
    私自身も、自分のことをなかなか客観視できないながらも、おそらく、普段の夏とはメンタルが違っているでしょう。
    今は、何か大きな決断はしないほうがいいと思います。
    何かを、特に他人を、ジャッジするようなことはしないほうがいいです。
    最善を尽くしながら、この暑さが去り、コロナ禍が去っていくのを待ち、それから冷静に考えましょう。

    英語の話に戻りましょう。
    英語の覚えにくさに腹を立てて、文句を言うのは、中学生でも同じです。
    例えば、三単現のときに動詞に s をつけるのなら、全部ただの s をつければいいのに、例外が多い。
    過去形の ed のつけ方も例外がある。
    不規則動詞なんて、もっと気にいらない。
    覚えることが多すぎる・・・。

    しかし、日本語の動詞を振り返ってみれば、動詞の種類が五段活用動詞から始まって何種類もあって、どの動詞がどの活用をするのか、覚えなければなりません。
    しかも、五段活用だけでも、未然形だ連用形だと活用語尾が何種類もあって、後ろに続く語にあわせて変えなければなりません。
    何なの、この言語?
    動詞だけで、何でそんなに複雑なの?
    全部五段活用でよくない?
    いや、そもそも、活用しなくてよくない?

    私が外国人なら、日本語は覚えられないです。
    日本語のネイティブなのに、国語の文法の学習で悪戦苦闘している中学生は多いと思います。


    中学生・高校生の中には、日本語は簡単だし、文法学習は必要ないと思っている人がいます。
    なぜなら、自分は、日本語の文法は知らないけれど、日本語を話せるから。

    ・・・しかし、本当に、日本語の文法を知らないのでしょうか?
    日本語の文法を学問的に分析したり解説したりする能力がないだけで、文法はわかっているのではないでしょうか。
    耳にした日本語が、正しい日本語か間違った日本語かを判断する能力があるのは、文法をわかっているからです。
    そこのところを誤解し、自分は文法はわからないけれど日本語は話せると思っている人は多いです。

    この誤解が、英語学習の妨げにもなっています。
    文法がわからなくても、英語がわかるようになると思ってしまうのです。

    人間は、生後数年、言語を習得する能力がきわめて高い時期があります。
    それは、単語を習得する能力の大きさよりも、文法を理解する力、その言語の体系を理解する力が突出して高いということです。
    周囲の大人の使う、文法的に間違った表現も含めて取捨選択し、それを総合して、その言語の文法を把握します。
    学問的に説明する能力などはありませんが、子どもは文法体系を把握しています。
    周囲の大人の話している用例だけで、文法を把握するのです。
    恐ろしい能力です。
    文法を把握するから、日本語を話せるようになります。

    しかし、その能力は、生後数年で急速に衰え、十代の前半でほぼ消えると言われています。

    それ以降は、用例を耳にし目にしただけでは、その言語を話せるようにはなりません。
    その言語のネイティブでないというのはそういうことです。
    全く同じ文を同じ場面で使うことはできるでしょうが、応用は効きません。
    少ない用例で体系的に理解できるようになる年齢ではないのです。
    だから、文法を学び、単語を学ぶことで、外国語を習得するのです。


    文法というのは、ルールを分析し、統合して把握していくことです。

    I am a boy.
    You are a girl.
    He is a teacher.
    This is Tom.
    My sister is a high school student.
    1つ1つの文に共通する、大きなルールが見えてきます。
    am , are , is は、同じ働きをする語なのではないか?

    また、
    Am I a good boy?
    Are you a good boy?
    Is he a good boy?
    こうしたことから、疑問文の作り方の大きなルールが見えてきます。
    Am , is , are を文の先頭にもってくれば、疑問文になるのでは?

    am , is , are は同じ働きをします。
    これらをまとめて be 動詞と呼びます。
    be 動詞の文の疑問文は、be 動詞を文頭に置きます。
    こうした共通点が、文法です。

    ところが、am , is , are は、同じ働きをする語だという説明を受けても、聞き流す人たちがいます。
    このきわめてシンプルなルールを覚えないし、理解しないようなのです。
    だから、
    (  ) your father an English teacher?
    という問題の( )を埋めることができません。

    間違って、Are を入れてしまった、というのなら、まだわかるのです。
    Do を入れた、という場合も、百歩譲って、その意図はわかります。
    問題なのは、何を入れていいのか、見当もつかない、という子。
    文法的な把握をしないから、初めてみる英文には全く対応できず、正解を知ると、またその文を覚えるしかないのです。

    共通点は何か。
    相違点は何か。

    そうした方向に思考が全く働かず、与えられた例文を覚えるだけで、文が変われば反応できない、という子がいます。

    こんな初歩の英語なら、大丈夫な人は多いでしょう。
    しかし、似たようなことは、英文法がより複雑になってくると誰でも起こり得るのです。
    文法を把握しようとしないということは、そういうことです。
    文法がわかっていれば、分析すればすぐに答が出るのに、文法を使わないで、何となく自分の知っている英語はこんなふう、という感覚で答を出そうとするのです。
    根本の理屈がわかっていれば、簡単なのに。
    文法問題なのですから、理屈がわかっているかどうかを問われているのに。
    違うアプローチをして、解くのに苦労し、誤答しています。
    本当に勿体ない。
    文法を理解し、使うだけで、簡単に解ける問題は沢山あります。

    大筋のルールを覚え、利用する。
    同時に、例外を覚える。
    文法学習で行うのは、それだけです。

    さて、関係副詞の話に戻って。
    ちょっとした例外に腹を立てずに、それを覚えましょう。
    the way と how は同時に使わない。
    片方だけ使う。
    何でもないことですよね?


      


  • Posted by セギ at 11:57Comments(0)英語

    2020年08月18日

    高校数Ⅱ「図形と方程式」。直線の方程式の求め方。その5。


    さて、今回は、こんな問題です。

    問題 直線y=3xに関して、直線y=x+2と対称な直線の方程式を求めよ。

    前回は、対称の軸である直線1本と、与えられた点から、その直線に関して対称な点の座標を求める問題でした。
    今回は、対称の軸である直線が1本あるのは同じですが、与えられたのは、点ではなく、もう1本の直線です。
    その直線と対称な関係の直線の式を求めるのです。

    これも、グラフを描いて、具体的に考えたほうがわかりやすいでしょう。
    対称の軸は、y=3x。
    そして、もう1本、与えられた直線 y=x+2 も描きましょう。
    前回説明した通り、大体で大丈夫です。
    その直線と対称の関係にある、もう1本の直線も、大体のイメージでよいので描いてみましょう。
    線対称ですので、対称の軸との交点は一致しているでしょう。
    上の画像の、黒い直線が、対称の軸である y=3x。
    青い直線が、与えられた直線 y=x+2。
    赤い直線が、おおよそのイメージで描いた、求めたい直線です。

    どうすれば、この赤い直線の式を求めることができるでしょうか?
    まずは、画像で板書したのとは異なる、基本的な求め方を解説します。

    直線の式は、2点の座標がわかれば求めることができます。
    だから、赤い直線上の2点の座標を求めることが目標となります。

    対称の関係があるので、黒い直線と青い直線との交点を、赤い直線も通ります。
    まずは、その座標を求めましょう。
    y=3x と y=x+2 とを連立すれば、求めることができます。
    3x=x+2
    2x=2
    x=1
    これをy=3xに代入して、
    y=3
    よって、交点の座標は(1,3)。
    赤い直線も、この交点を通ります。

    残る1点は?
    y=x+2 上の任意の点と対称な点の座標を求めたらどうでしょうか?
    y=x+2 上の点であれば、どんな点でもいいのです。
    それと対称な点が、必ず求めたい赤い直線上にあるでしょう。

    どんな点にしましょうか?
    そこで、悩んで、いつまでも答が出ない人がたまにいるのですが、本当にどうでもいいのです。
    xの値を適当に決めましょう。
    今回は、0にしてみましょうか。
    本当に、何でもいいんです。
    x=0のとき、y=0+2=2となります。
    すなわち、点(0,2) は、直線y=x+2上の点です。

    これと対称な点は?
    前回、対称な点の求め方を学習しました。
    今、求めた点をP(0 , 2)とし、求めたい対称な点をQ(p , q)とおきましょう。
    点Pと点Qを結んだ直線PQは、対称の軸y=3xと垂直に交わります。
    すなわち、傾きの積は、-1です。
    (q-2)/(p-0)・3=-1
    これを変形しておきましょう。
    3(q-2)=-p
    3q-6=-p
    p+3q=6 ・・・①

    点P(0 , 2)と点Q(p , q)の中点(p/2 , q+2 /2)は、対称の軸を通りますから、
    y=3x に代入して、
    q+2 /2=3・p/2
    q+2=3p
    -3p+q=-2・・・②

    ①と②を連立すれば、点Q(p , q)の座標を求めることができます。

    ①×3+② 
       3p+9q=18
    +)-3p+ q=-2
        10q=16
    よって、q=8/5
    これを①に代入して、
    p+24/5=30/5
    p=6/5

    よって、Q(6/5,8/5)とわかりました。
    求めたい赤い直線は、点(1,3)、(6/5,8/5)を通ります。
    2点を通る直線を求める公式に代入して、一気に求めることができますが、今、傾きの分母も分子も分数になるので、先に傾きを計算しておきましょうか。
    xの増加量は、6/5-1=1/5
    yの増加量は、8/5-3=-7/5
    よって、傾きは、-7/5÷1/5=-7
    点(1,3)を通り、傾き-7の直線は、
    y-3=-7(x-1)
    y=-7x+7+3
    y=-7x+10

    これが求める直線です。

    学習の順序として、まずこの求め方を理解するのが順当ですが、この単元で少し後に学習する「軌跡」の考え方をこの段階で少し利用するなら、以下のような求め方もあります。
    おそらく、軌跡を学習した後では、むしろその求め方のほうがピンとくると思います。


    もう一度、問題に戻りましょう。

    問題 直線y=3xに関して、直線y=x+2と対称な直線の方程式を求めよ。

    ここで、y=x+2上の点をP(a , b)、それと対称な求める直線上の点をQ(x , y)とします。
    PとQは逆のほうが良かったなあと画像の板書を撮影した後で気づきましたが、まあ、そんなのは大したことではありません。

    この点Q(x , y)の x と y の関係を表す式を求めることができれば、それが求める直線の式となるのです。

    ・・・はあ?

    まだ軌跡を学習していない生徒にこの説明をすると、たいていポカンとした顔をします。
    よく意味がわからない・・・。
    そういう顔です。
    軌跡を学習した後でも、この説明の意味がわからず、だから軌跡に関する問題を解けない子もいます。

    点Q(x , y)は、求めたい直線上の点です。
    直線上(曲線でもそうですが)の点のx座標とy座標には固有の関係があり、その関係を表したものが、その直線の式です。
    1つの直線上のどの点も、x座標とy座標との関係は同じです。
    同じ関係を持っている点の集合が直線ということです。
    その、x座標とy座標との関係を表した式が、その直線の式です。

    この説明が最初にされたのは、中2の「1次関数」の中での、「連立方程式とグラフ」の学習のときです。
    理解できないままで終わる人、理解したような気はするが、どうせ大した内容ではないと忘れ去った人が多いところです。
    しかし、これが理解できないと、関数の応用問題はほとんど解けないのです。
    一番大切なことを、理解していない・・・。
    そのため、関数が作業手順の丸暗記のまま終わってしまうのは、とても残念なことです。

    直線上の点のx座標とy座標には、全てその直線の式の関係があります。
    例えば、y=2x+1 という式なら、その直線上の全ての点のx座標とy座標には、y=2x+1の関係があります。
    逆に、その直線上のある点のx座標とy座標との関係を求めることができれば、それがその直線の式なのです。

    だから、目標は、点Q(x , y)の、x と y の関係を求めることです。

    どうやって?
    x と y に関する式を立てればよいでしよう。

    ・・・いや、だから、それが答で、それがわからないんでしょう?
    そんなツッコミが聞こえてきそうです。

    確かに。
    いきなり x と y との関係を表す式は立てられません。
    でも、点P(a , b)があります。
    a と b と x と y に関する式なら、何か立てられそうな気がしませんか?
    わからない文字が4つある場合、式が3本あれば、x と y だけが残る式を作ることができます。

    まず、一番簡単で、しかし、案外気がつかない人もいるのが、a と b に関する式です。
    点P(a , b) は、与えられた直線 y=x+2 上の点です。
    だから、y=x+2 の関係を満たします。
    すなわち、
    b=a+2 ・・・①
    これで1本。
    あと2本です。

    直線PQは、対称の軸 y=3x と垂直に交わります。
    すなわち、傾きの積は-1です。
    直線PQの傾きは、どう表せるでしょうか。
    座標は、P(a , b)、Q(x , y)ですから、変化の割合の公式に当てはめると、
    y-b / x-a です。
    傾きの積が-1であることを表す式は、
    y-b / x-a ・ 3=-1
    これを変形し、整理しましょう。
    3(y-b)=-(x-a)
    3y-3b=-x+a
    -a-3b=-x-3y
    a+3b=x+3y ・・・②
    これで2本目。
    あと1本です。

    線分PQの中点は、対称の軸y=3x上の点です。
    PQの中点の座標は、(x+a / 2 , y+b / 2)。
    これがy=3xを通るから、
    y+b / 2=3(x+a / 2)
    これを整理します。
    y+b=3(x+a)
    y+b=3x+3a
    -3a+b=3x-y ・・・③

    これで、式が3本たちました。
    この3本の式を上手く組み合わせて、x と y だけの式にすれば、それが答です。

    どうすれば良いか?
    ここでの発想も、慣れるまでは「えっ?」と思う人もいるようです。
    b=a+2 ・・・① の式は、x も y も含んでいないので、一番使い道がないダメな式のようですが、一番の骨格をなす式なのです。
    この式の a と b を、x と y だけで表すことができれば、a と b は消え、x と y だけの式になるのです。
    a を、x と y だけで表す。
    b を、x と y だけで表す。
    そして、①の式に代入する。
    そうした指針で考えていきましょう。

    ①の使い道は最後。
    ならば、②と③だけで、それをやればよいのです。
    a を、x と y だけで表す。
    つまり、b を消去すればよいのです。

    a+3b=x+3y ・・・②
    -3a+b=3x-y ・・・③

    この2本の式で、b を消去します。
    これも中2で学習した、連立方程式が基本です。
    加減法で、消去できますね。
    ②-③×3
        a+3b= x+3y
    -) -9a+3b=9x-3y
      10a  =-8x+6y
         a=-4/5x+3/5y ・・・④

    次に、a を消去した式を作りましょう。
    ②×3+③
       3a+9b=3x+9y
    +) -3a+ b=3x-y
         10b=6x+8y
          b=3/5x+4/5y ・・・⑤

    できました。
    この2本の式を①に代入すれば、a と b を消去した、x と y だけの式ができます。
    ④、⑤を①に代入して、
    3/5x+4/5y=-4/5x+3/5y+2
    3x+4y=-4x+3y+10
    y=-7x+10

    できました。

    ところで、前回までの直線の式に関する問題に関して、ベクトルを用いた解き方をコメントで書いてくださった方がいらっしゃいました。
    数B「ベクトル」を学習すると、直線と方程式や図形と方程式に関する問題も、一般の図形問題も、ものすごく簡単に解くことができるようになります。
    この数Ⅱ「図形と方程式」を学習している段階では、高校2年生は数B「ベクトル」を学習していない場合が多いので、その解説はしないのですが。

    ただ、「ベクトル」を学習しても、こうした座標平面上の問題で楽に使いこなせるようになる人はそんなに多くないかもしれません。
    問題集の解説を読んでも、何にもわからない。
    意味がわからない。
    何を根拠にどう解いているのか、一切わからない。
    そうなってしまうことがあります。

    ベクトルの最初のほうは、中学理科でやった力の向きと大きさみたいなものかな、何だ簡単だと思ったのに、気がついたら、とんでもないことになっている。
    気がついたら、飛躍している。
    ベクトル方程式なんて、定義から理解不能。
    説明を聞いているだけで、死相が表れる。
    そんな高校生もいます。
    使えると、凄いんです。
    上のような、面倒くさい計算過程の必要な問題が、簡素な手順で解けるんです。

    でも、今はまだ、ベクトルは使わずに、地道に解いていきましょう。
     
      


  • Posted by セギ at 11:16Comments(0)算数・数学

    2020年08月16日

    高校英語。関係副詞の why。


    今回は、関係副詞の why です。

    まずは2文を1文にするところから考えてみましょう。

    I don't know the reason. He was late for school for the reason.

    これを、「私は彼が学校に遅れた理由を知らない」という文にしましょう。
    関係代名詞を用いるなら、

    I don't know the reason for which he was late for school.

    となります。
    この for which を関係副詞にすることができます。
    先行詞が the reason「理由」の場合に用いる関係副詞が why です。

    I don't know the reason why he was late for school.

    関係副詞 where のときの先行詞 the place 、関係副詞 when のときの先行詞 the time のときもそうでしたが、the reason という先行詞も省略可能です。
    また、先行詞を残す代わりに関係副詞のほうを省略することも可能です。

    I don't know why he was late for school.

    先行詞を省略すると、上のようになりますが、この文は、間接疑問文と解釈することも可能です。

    Why was he late for school ?
    I don't know that.

    この2文を1文にしたのが、

    I don't know why he was late for school.

    know という動詞の目的語が疑問文になっている、間接疑問文です。
    見た目が同じになります。
    見た目だけでなく、意味も同じなので、どちらの解釈でも大丈夫です。


    さて問題です。
    以下の文がほぼ同じ意味になるように、次の空所を埋めよ。
    I don't like him. That is because he is always saying bad things about other people.
    He is always saying bad things about other people. That (  ) (  ) I don't like him.

    正解は、
    I don't like him. That is because he is always saying bad things about other people.
    He is always saying bad things about other people. That (is) (why) I don't like him.


    That is why I don't like him.
    この直訳は、「それが、私が彼を好きではない理由です」となります。
    しかし、そんな固い訳はせず、「そういうわけで、私は彼は好きではありません」と訳すのが普通です。

    That is why~.は、「そういうわけで~」。
    This is why~.は、「こういうわけで~」。
    このルールを知っておくと、楽ですね。

    そんなに難しくないようでいて、
    I don't like him. That is because he is always saying bad things about other people.
    He is always saying bad things about other people. That (is) (because) I don't like him.
    という誤答をした人もいるかもしれません。

    上の2文は、1文目が結果で、2文目が原因。
    下の2文は、1文目が原因で、2文目が結果。
    そうした関係が読み取れれば問題ないのです。
    しかし、文と文との関係、語句と語句との関係を読み取る練習を小学生の頃から放棄して現在に至る、という人もいます。
    そういう人にとっては苦しいと思います。
    何でそんなことを放棄したのだろう?
    そこが大切なところじゃないの?

    そう思うのですが、そのことの大切さに気づかなかったのでしょう。
    早く気づいて、気づいたら、そこから練習しましょう。
    数学の計算問題だけはやたらとできるけれど国語の成績が悪いというような人には、その可能性があります。
    国語の成績が悪くても英語の成績をよくしたいというのは、かなり無理があります。
    今の英語教育は、長文読解ができないと、テストで高得点を取れないんです。
    英単語の意味がわかっても、英文と英文との関係が読み取れなかったら、読解はできないです。

    国語でも、精読できず、単語を適当にピックアップして、自分の妄想で内容を作り上げてしまう人がいます。
    書いていないことを想像で補ってしまう人です。
    英語になると、わからない単語が多いこともあって、そこを想像で補うため、本文とは似ても似つかない内容を勝手に読解する人はさらに多くなります。
    筆者の主張と真逆の内容を読み取っているのはまだましなほうで、何の関係もないことを読み取っていることもあります。
    そこを補うために、文と文とのつながりを理解する力が必要になります。
    どの文が原因で、どの文が結果か。
    どの文が筆者の主張で、どの文がその根拠か。
    それを把握するためにも、必要なのが文法です。



      


  • Posted by セギ at 14:15Comments(0)英語

    2020年08月13日

    高校数Ⅰ対称式の計算。



    今回は対称式の話。
    対称式とは、文字式で、文字の値を入れ替えても式全体の値が変わらないものをいいます。
    例えば、x2+y2などがそうです。

    対称式の問題は、多くの単元に登場します。
    平方根と対称式。
    三角比と対称式。
    虚数と対称式。
    新しい事柄を学習する度に、それとからめて対称式の値に関する問題を演習します。
    しかし、対称式の問題を苦手とする高校生は多いです。

    対称式の計算は、発展的なテキストでは中学3年から登場します。
    例えば、こんな問題です。

    問題 x+y=3、xy=2であるとき、x2+y2の値を求めよ。

    x2+y2
    =(x+y)2-2xy
    =32-2・2
    =9-4
    =5

    上の式の1行目から2行目への転換がわからないという子は案外多いのです。
    無いものを足して、その後同じものを引いて辻褄を合わせる、その考え方が難しいのだろうと私は思っていました。

    実際、この考え方を利用する2次関数の平方完成でも最初は苦労する子がいます。
    例えば、2次関数 y=x2+4x+7 を、
    y=(x2+4x)+7
    =(x+2)2-4+7
    =(x+2)2+3 
    と平方完成する際にも、最初は何をやっているのか理解できず、かなり補助が必要な子はいます。

    しかし、習得まで時間がかかることはありますが、2次関数の平方完成に関しては最後まで理解できないということは少なく、大抵の高校1年生ができるようになる作業です。
    平方完成に関する練習問題は豊富にあるので、自力でできるようになるまで練習できるから、ということもありますが、それだけでなく、対称式の値に関する問題ほどの激しい抵抗感を示さずに理解するのです。

    この2つは、わかりやすさという点で、何が違うのでしょう?
    不思議です。
    つまずきやすい理由がわかっていれば、事前にそこを強調し、
    「そこに石がある。そこにつまずくから注意して」
    と促していけるのです。
    しかし、教える者からは平らな道に見えるところでつまずく子がいるように感じることがあります。
    平らな道なのにそこでつまずく子が多いことだけは現象としてわかっているのです。
    なぜなのかはわかりません。
    目を凝らしても、つまずく石は見えない。
    教えることの難しさの1つです。

    これは以前、中学3年生に理科を教えたときのこと。
    「塩化銅水溶液が青く見えるのは、あるイオンが原因です。そのイオン名を答えなさい」
    という問題を解いたときのことです。
    正解は銅イオンです。
    その子の誤答は「水素イオン」でした。
    しかし、その子は納得しませんでした。
    「水素イオンじゃないんですか?水素イオンは必ずあるって学校で言われた」
    「・・・・水素イオンは水溶液中にあるけど、青く見える原因ではないですよ」
    「酸性は青いって学校で言われた」
    「うん?どういうこと?」
    「・・・・銅イオンが青いのは、覚えなければならないことですか?」
    「まあ、そうですね」
    「何だよ、いちいち覚えるのかよ。学校では、理科は暗記するなと言われた」
    「・・・・うん?」
    その子の言うことは一言一言の飛躍が激しく、あっという間に怒り出していました。

    彼の中で、いくつかの知識が頭の中で癒着し、妙なつながり方をしているようでした。
    水溶液の中には水素イオンがある。
    水素イオンがあるものは酸性。
    酸性は青い。
    最後の「酸性は青い」が特に謎なのですが、とにかくこの論法でいくと、塩化銅水溶液を青く見せているものの正体は水素イオンということになってしまうのでした。
    この誤解を解くのはかなり大変でした。

    「わからない」というのは、論理を追えないことではないのかもしれません。
    少し複雑な論理だから途中で迷子になっているのだろうとこちらは思い、ゆっくり説明したり繰り返したりしても、生徒の理解が進まないときがあります。
    「どこからわからない?」と質問します。
    板書の1行ずつを示しながら、あるいは、論理を細かく段階に区切りながら、「ここまではわかる?」と確認しようとします。
    どこからわからないのか、どこから説明すればいいのか。
    しかし、こうした指示に反応してくれず、生徒が何か別のことをずっと言い続けることがあります。
    論理の癒着がその子の中で起きている場合に、そうなることが多いようです。
    他人にはその論理は追えません。
    でも、その子は論理的なことのつもりで話しているので、私が怪訝な顔をすればするほど、むしろ私を説得しようとします。


    対称式の問題でも、ある日、そんなことが起こりました。

    問題 x+y=3、xy=2のとき、x2+y2の値を求めよ。

    x2+y2
    =(x+y)2-2xy
    =32-2・2
    =9-4
    =5

    「それ、最初に入れたらダメ?」
    この問題を解説していたとき、そう質問されたのです。
    最初に入れる・・・・?
    「最初に入れるって、どういうこと?」
    「最初に2乗したらだめ?」
    「うん?どういうこと?式を言ってみて」
    具体的な式を言ってくれれば、最初に入れる、最初に2乗するとは何をすることなのか、わかるかもしれません。
    しかし、それには答えてくれず、何かをずっと説明しているのですが、よく意味がわからないのです。

    授業はここで膠着するか?
    でも、この件に関して、以前に、私は大人のための教室で、重要なヒントを得ていました。

    x2+y2
    =(x+y)2
    =32
    =9

    私はそう板書して、その子に問いかけました。
    「こういうこと?」
    その子の顔がパッと輝きました。
    「そう!そういうこと」
    「・・・うーん。これは間違っています。どこが間違っているか、わかりますか?」
    「えっ?」

    その子は、何を誤解していたのか?
    x2+y2=(x+y)2
    だと思っていたのです。
    x2+y2
    =(x+y)2
    =32
    =9
    と、最初に数字を入れて2乗すれば済むことなのに、なんでまわりくどい計算をしなければならないのかと、それを訴えていたのでした。

    x2+2xy+y2=(x+y)2 です。
    因数分解の公式ですから、当然わかっている内容です。
    それでも、万が一忘れているといけないので、それは赤字で板書もしていました。
    しかし、当人は、x2+y2=(x+y)2 
    だと思いこんでいたのです。
    人は、思いこみが強いとき、それを否定する情報が目の前にあっても無視するそうです。
    確証バイアスと呼ばれる状態です。
    x2+y2=(x+y)2 
    とすれば済むことを、なぜまわりくどい変な解き方をしなければならないのかと不思議に思い、正しい解き方が理解できなかったのでした。

    x2+2xy+y2=(x+y)2
    という因数分解の公式は知っているのです。
    しかし、同時に、
    x2+y2=(x+y)2
    だとも思っている。
    知識が二重構造になっていて、上の2つのことが頭の中に同時に存在しています。
    それはそれ、これはこれ、として存在しているのです。
    乗法公式を学習する前、例えば文字式を学習し始めたばかりの中学1年生に解かせたら、
    (x+y)2=x2+y2
    としてしまうと思います。
    そうしてしまう感覚が、乗法公式を学習した後も残ってしまうのだと思います。

    (x+y)2=x2+y2 ではありません。
    数字を代入してみるとわかります。
    (3+2)2=52=25 です。
    32+22=9+4=13 
    とは異なります。
    しかし、そう説明しても、
    それは、最初に(  )の中の3と2を足してしまうからそうなるので、別々に計算すれば、違う結果になるのでは?
    そのような主張を聞いたこともあります。

    ルールに従っている限り、どこからやっても同じ結果になる。
    それが数理の根本です。

    いや、そうではないことがあった気がする。
    自分はそうではなかった場合を経験している。
    変だなあと思ったけれど、まあ仕方ないと諦めた気がする。
    数学に対して、こうした根本の不安定さや不信感がある子は、案外多いのだと思います。
    原因は本人の計算ミスだろうと想像できるのですが、本人の実感としては、ちゃんと計算したのにそうなったのだ、という記憶が濃いようです。

    このことは、大人のための数学教室で私が教わったことでした。
    大人のための数学教室では、2次式ではなく、
    x3+y3=(x+y)3
    という思い込みがもとで、3次式の解と係数の関係に関する問題が理解できない場面があり、長いやりとりの末、この誤解が発見されました。
    そうではないことも知っている。
    しかし、そうだとも思っている。
    あるいは、そのときだけふっとそう思ってしまう。
    そのときだけは、そう思い込んでしまっていた。
    そういうことが数学への理解を妨げ、不信感を募らせるようです。

    しかし、2次関数の平方完成では、そのような誤解が顔を出しません。
    x2+6x+7
    =(x+3)2-9+7
    =(x+3)2-2
    という作業は誰でも比較的すんなりと理解できるのです。
    xと数字なら大丈夫だが、xとyだと誤解が顔を出す。
    同じことなのですが、違うように見えるようです。

    xと数字なら、xが主体で、数字は添え物的な見方になるが、xとyだと、対等の印象があり、見え方がまた違ってくるのでしょうか。
    そうした見え方の偏りも、数学のわかりにくさの正体なのかもしれません。

    x2+y2
    =(x+y)2-2xy

    この解き方の理解を妨げるものの正体。

    それは、この解き方の難しさにあるのではなく、本人が何か間違った思い込みをしているため、正しい理解が妨げられている。
    つまり、間違った思い込みが解消されれば、この問題は解けるようになるのです。

    難しいから、わからないのかなあ・・・・。
    教える側が勝手にそう思い込んで諦めてしまうことの多くの中に、こうした単純な障壁さえ取り除けば簡単に理解できることがあるのかもしれません。



      


  • Posted by セギ at 08:41Comments(0)算数・数学

    2020年08月09日

    中学数学1年。文字式のルールを理解していますか。


    中1の生徒と「文字式」の予習をしていて、不思議な誤答に出会うようになりました。

    例えば、a+3a=3a2 としてしまうのです。

    「・・・えーと、何でそこをかけ算したの?」
    「・・・」

    「文字式」は、中1で、「正負の数」の次に学習する単元です。
    学習の冒頭で、3×a=3a と表すといった、乗法の記号の省略を学びます。
    そのせいで、全てかけ算に見えてしまうようになったのかもしれません。
    a+3a が、a×(+3a)と見えているのだと思います。

    「正負の数」を学習する際、加法の+の記号の省略を学びます。
    (+3)+(+7)=+10 といちいち書かず、
    3+7=10 と書く。
    (+3)+(-7) は、
    3-7 と、書きます。

    そして、次の「文字式」という単元で、今度は×の記号の省略を学びます。
    しかし、省略せよといいながら、教科書でも参考書でも、説明のために再び丁寧に書いてあることも多いです。
    それで、混乱する子もいるのかもしれません。
    結局、そのときどきの都合で、省略されたりされなかったりしているから、わからなくなっていくのでしょうか。

    問題 a×(-7) を×の記号を使わないで表しなさい。
    こういう問題を、a-7 と誤答してしまうのを見ることもあります。
    本人の中では、a-7=a×(-7) なのでしょう。
    このミスと、a+3a=3a2 とは同じ根をもつものだと感じます。


    式の中の、1つ1つの項を把握できていないのでしょうか?
    ただ、以下のような問題は正答できるのです。

    問題 以下の式の項を答えなさい。
    -3+7-8

    項は、-3、+7、-8
    完璧に正答できます。
    文字式の場合も同様です。

    3a2-2a-1の項を答えなさい。

    3a2、-2a、-1。

    問題なく正解できるのです。
    そして、そのことと、a+3a=3a2 が、普通に同居しているのです。

    1つ1つの項が見えるようになれば、「正負の数」も「文字式」も、問題なく計算できるようになっていく。
    そう思ってきました。
    しかし、各項が把握できるようになり、a+3aは、aという項と、+3aという項なのだと見えているから、むしろ、それをかけ算してしまう・・・。
    昔は見られなかったミスです。
    今年になって、初めて、このようなミスを見るようになりました。
    しかも、複数の生徒が同時多発的に同じミスをしています。
    a+3a のように見るからに「たし算」であるものを「かけ算」することなど、昔は誰も発想しませんでした。
    新しい数学の学習は、誤解されやすい何か危険なものをはらんでいるのでしょうか。


    今年は、学習が後れている分、じっくりと数学を学べているのではないか?
    そのように思っていたのですが、むしろ、
    (+3)+(+7)=+10
    といった、書かなくてもいい符号をわざわざ書いている式を長期間見ることになった中1が多いです。
    そのことも影響しているのかもしれません。
    気がつくと、2月頃から予習を初めて、もう半年も「正負の数」をやっている・・・。
    (+3)×(+7)=+21
    なんていう式を、気がつくと半年も見ています・・・。
    それをさらにくどくどと記述させる問題がテストに出るので、省略できる符号は必ず省略した式を書いていくことを徹底できません。
    省略できる符号は、必ず省略して書く。
    絶対に省略できない符号は、必ず書く。
    「正負の数」の学習が終わった段階で、そうなっているのが目標ですが、いつまでもいつまでも「正負の数」の学習の途中です。
    同時に「文字式」の予習も行っています。
    そのせいで、a+3a の+の符号は、絶対に省略できないから書いてあるのだということが、理解できなくなっているということもあるのかもしれません。

    a+3aは、a+(+3a) と、a×(+3a) と、両方の可能性があると思っている・・・。

    結局、一度でスッキリする説明はなかなかうまくできず、多くの問題を解きながら、それは違う、それは正解、と実践を踏んで、その子の頭の中に正しい概念が作られていくのを待つしかないようです。

    ただ、光も見えています。

    数と文字とをかけるときは、数から先に書く。
    例 a×(-7)=-7a

    こうした細則は、わかりにくいようで、実はすべての例外を排除していくために設けられたルールです。

    「数と文字とをかけるときは、数から先に書くのが文字式のルールでしたよね。 a×(-7) は、-7a と書きます。 a-7という書き方はしません。a-7のときは、(+a)+(-7)という意味です。そして、a+3aは、(+a)+(+3a)という意味です」
    と説明すると、一瞬霧が晴れたような顔になることがあります。

    細則にてらして説明すると、理解してくれるようなのです。
    それは一瞬のことで、また混乱が始まったりもするのですが。

      


  • Posted by セギ at 15:53Comments(0)算数・数学

    2020年08月05日

    高校英語。関係副詞の when。



    今回は、関係副詞の when。
    まずは、こんな問題を考えてみましょう。

    問題 次の2文を、関係副詞を用いて1文で表せ。
    The time will soon come. The cruel war will end at that time.

    the time がこの2文で共通の語句。
    これが先行詞になると判断できます。
    「その残酷な戦争が終わるときが間もなくくるだろう」
    という文を作りましょう。

    先行詞がきたら、すぐ関係詞。
    関係代名詞を使う文ならば、
    The time at which the cruel war will end will soon come.
    この at which のところが、関係副詞になります。
    2個目の文は、
    the cruel war will end then.
    と書き換えることもできますね。
    この then が副詞です。

    よって、
    The time when the cruel war will end will soon come.

    できたっ。

    うーん・・・。
    絶対に間違っているとは言い切れないのですが、この語順の英文はあまり見かけないのです。
    「~なときがくる」が主節の文のときは、以下の語順が普通です。

    The time will soon come when the cruel war will end.

    先行詞と関係詞が離れている・・・。
    こんなの原則と違う。
    そのように思う気持ちもわかるのですが、上の文と比べると、この文のほうが意味をとりやすいです。
    だからでしょう。
    この語順が普通に用いられています。

    2文を1文にする問題でこのような文が使われることは、しかし、そんなにないので、心配はいりません。
    以下のような問題で使用されることが多いです。


    問題 次の空所に適切な語を補え。
    The time will soon come (  ) the cruel war will end.

    こういう問題のときに、
    「直前の語がcomeだ。え?え?何を補うの?」
    と慌てなければ大丈夫です。


    では、このような問題はどうでしょうか?

    問題 次の文を正しい語順に並び変えよ。
    その本を読んだら、もとの場所へ返しておきなさい。
    Put the book back ( was / when / where / to / you / are / it ) through with it.

    where も when もある。
    どっちを使うんだろう?
    え。両方使うの?
    なんで?

    そんなとき、よくある誤答。
    Put the book back to it where you are through with it.

    このような誤答をした生徒と、こんな会話を交わしたことがあります。
    「使っていない語がありますね」
    「使い道が分かりませんでした」
    「it は代名詞なので、where の先行詞にはなりませんよ」
    「・・・え?言っている意味がわかりません」
    「うーん・・・」

    その本を読んだら、もとの場所へ返しておきなさい。

    与えられた語句にこだわらず、この日本語を英語にするとしたら、どうなるでしょう。
    Put the book back to the place where ・・・・。
    とりあえず、そういう語句が浮かぶと思います。
    しかし、the place という単語はこの問題の中にありません。
    だから、it を入れてみた。
    そういうことだったと思います。
    しかし、it のような代名詞は、関係詞の先行詞にはなりません。
    先行詞は、名詞がなるものです。

    「え?the place って、代名詞じゃないんですか?」
    と問われたことがあります。
    「え?」
    「the place って、場所でしょう?図書館とか、店とか、具体的なことを言わずに、ただ場所というのは、代名詞じゃないんですか?」
    「違います・・・。place は、普通の名詞です」

    そうか。
    代名詞という言葉の定義がブレていたのか、と目が開かれる思いがしました。
    代名詞は、そういうものではありません。
    代名詞は、大きく分けて3種類。
    人称代名詞・指示代名詞・不定代名詞。
    それ以外は、代名詞ではありません。

    人称代名詞は、英語学習の最初の頃に暗記した、I my me mine というあれです。
    4番目の mine の形のものは、特に所有代名詞と呼ばれます。
    さらに、myself の形のものは、再帰代名詞と呼ばれます。
    そこまで含んで人称代名詞という総称です。
    it も人称代名詞です。

    人ではないのに人称?
    はい。
    人称は、人といういう意味ではないのです。
    一人称・二人称・三人称。
    一人称は、語り手・書き手のこと。「私」「私たち」。
    二人称は、聞き手・読み手のこと。「あなた」「あなたがた」。
    三人称は、それ以外の第三者。人でも物でも構わないのです。
    だから、it は、三人称単数の人称代名詞です。

    指示代名詞は、this , that , these , those など。
    不定代名詞は、one , other , another など。

    代名詞という用語は、いつの間にか使われ始めて、でも、いつまでも曖昧で。
    そういうこともあって、苦手としている人が多いです。
    高校で配布された英文法の参考書の「代名詞」の章を一度熟読すれば、霧が晴れると思います。
    曖昧でよくわからないと思っていたことが全部書いてあるので、びっくりした。
    高校3年になって受験勉強をするようになり、初めて文法の参考書を読んで驚愕した、という生徒の言葉を複数名から聞いています。
    あれは、実はとても役に立つ本なんです。
    高校で配布されていなかったら、書店で購入しましょう。
    読みやすさ重視の本を買ってしまう誘惑にかられると思いますが、お勧めできません。
    こういう場合に購入する文法参考書は、目次は「名詞」「代名詞」などの固いものが列挙されていること。
    巻末に索引がついていること。
    これらが必須です。
    それとは別に、読みやすそうな、中学英語が1時間でわかる本、みたいなものもあわせて買うのは、それは自由です。


    place は、「場所」という意味の名詞です。

    とはいえ、「場所」という言葉は、ちょっと漠然としているのは事実。
    具体性に欠けます。
    こんな言葉は、省略しても通じます。

    そういうわけで、where の前のthe place や、when の前の the time など、漠然とした意味合いの先行詞は省略できます。
    さらに言えば、先行詞のほうをしっかり書く代わりに、where や when を省略することも許されています。

    問題に戻りましょう。

    問題 次の文を正しい語順に並び変えよ。
    その本を読んだら、もとの場所へ返しておきなさい。
    Put the book back ( was / when / where / to / you / are / it ) through with it.

    Put the book back to the place where ・・・・
    これの、the place を省略して、
    Put the book back to where ・・・・
    ここまで、わかってきました。

    「え?関係副詞は、前置詞を含みこんでいるんじゃないんですか?なら to は要らないんでしょう?」
    「いや・・・、これはもともとあった the place のための to なので、普通に残します」
    Put the book back to the place at which ・・・・
    の、at which が、 where になったんです。

    さて、ここまで作れました。
    使った語句には斜線を入れて、消しましょう。
    でも、残りの語句をどう並べるのか、何だかよくわからない。
    そういうことも多いと思います。
    そんなときに、イライラしがちな人は、「もういいや」と残りは適当に並べてしまうことがありますが、ここまで来たのですから、もう少し粘って考えましょう。
    行き詰まったら、今度は後ろから考えてみるのが良いと思います。

    日本語を見ると、「その本を読み終わったら」と書いてあります。
    ( ) の後ろの語句は、through with it
    何だかよくわからないが、「終わる」とかそういう意味の熟語なんじゃないか?
    そういう判断で、大丈夫です。
    でも、through は、動詞じゃない。
    前置詞とか副詞とか、そういうものだろうと想像がつきます。
    動詞らしいものを( ) の残りの単語から探しましょう。
    was と are があります。
    いずれにせよ、be 動詞です。
    ここの部分の主語は?
    読み終わるのは、誰?
    それでわかりました。
    「その本を読み終わったら」の部分の英語は、
    when you are through with it です。
    このwhen は、接続詞の when だったんですね。


    あとは、何が残っているでしょうか?
    was と it 。
    わかった。
    正解は、
    Put the book back to where it was when you are through with it.
    です。

    繰り返しますが、語数の多い乱文整序問題になると、途中で面倒くさくなって、感覚で適当に並べて済ますのは、得策ではありません。
    これはパズルです。
    理屈で考えれば、必ず正解にたどりつきます。
    そのときに使う理屈が、文法です。


      


  • Posted by セギ at 14:41Comments(0)英語

    2020年08月04日

    1学期期末テストの結果が出ました。2020年。


    1学期期末テストの結果が出ました。
    前年の学年末テストのなかった学校も多く、1学期中間テストもなかったので、本当に久しぶりの定期テストでした。

    数学 70点台 3人  60点台 3人  50点台 1人
    英語 80点台 3人  70点台 1人  60点台 1人 40点台 1人

    塾内での数学最高点は、学年平均点が40点台のテストでの70点台でした。
    価値ある得点と感じます。
    今年も、まずはここからです。

    得点にもう一歩の伸び悩みのある子の多くは、応用問題は正答できるのに、基本問題で取りこぼすという共通の特徴があります。
    これは得点できるだろうという単なる計算問題で失点してしまいます。
    つまらない失点が多いのに、テスト後半の応用問題や記述問題で正答しています。
    そんな結果を見ても、まだ、解けなかったほうの応用問題が気になってしまう様子です。
    失点した基本問題のほうを気にしてほしい・・・。
    そんなところを間違ったりしなければ、数学で80点台も90点台も実現可能です。

    基本問題で失点する子の中には、もう何がどうなろうとケアレスミスはするので、そこをあまりつついても悪化するばかりだから何も言わないほうがいい子もいます。
    「2」と書くつもりで「3」と書いてしまい、自分では気がつかなかったりしますから、これはもう仕方ないのです。
    頭の中で「ときそば」が起こるのでしょう。
    頭はいい場合が多いです。
    英語は突出して出来たりします。
    でも、数学は、書き間違いや計算ミスがとにかく多いのです。

    数学の問題を解いているときの精神状態がかなり悪い場合も考えられます。
    小学校の高学年の頃から、ケアレスミスが増えていきます。
    何でそんなミスをするのか、本人にもわからないミスが多いです。
    原因も特になく、傾向もはっきりしない。
    あ、わかった、と思った瞬間に、例えば、3:2を、2:3と逆に書いてしまう。
    45だ、と思った瞬間に、47と書いてしまう。
    かけ算だとわかっていたのに、なぜかたし算してしまう。
    客観的に眺めていると、意味がわからない・・・。
    とにかく常にふわふわした精神状態の子と、緊張と動揺が表情に出ている子と、両方の場合がありますが、ミスが多いのは同じです。

    どうすれば、ケアレスミスがなくなるんでしょうか?

    うーん・・・。
    ・・・なくならないかもしれません。
    減らすことはある程度できると思いますが、完全になくなることはないのではないかと思います。
    「ふわふわ」系の子は、意識の5割程度しか目の前の問題に割いていないように見えます。
    常に何か他のことを同時に考えているように見えるのです。
    いつも気が散っています。
    そんな状態で数学の問題を解いています。
    なぜなのかは、おそらく本人もわからないのではないかと思います。
    目の前の1つのことに集中することが、できないようなのです。

    「緊張・動揺」系の子は、数学の問題を解いているときの表情に、悪い精神状態が表れています。
    数学の問題を解きながら、明らかに動揺しています。
    疲れがたまっていて、ダメだ今日は計算が合わないという日が私にもありますが、あのモヤッとした頭の状態なのではないかと思うのです。
    だとしたら、なす術がありません。
    精度を維持できないのです。

    そうなることを踏まえて、そういうことと折り合いをつけながら、できうる限りの得点を目指していく。
    精神状態を自分でコントロールできるようになると、少し変わってくると思います。


    それとは別に、基本問題を軽視しているため、テストで失敗する子もいます。
    テスト前は、応用問題ばかり練習しているようです。
    単なる計算問題は、テスト前1週間は全く解いていなかったりします。
    そして、テスト当日、解こうとすると、何だか手が上手く動かない。
    やり方がわからないわけではないけれど、何だかたどたどしい。
    そして、計算ミスをします。
    そんな場合もあります。

    これは、解決可能です。
    今回は、そんな子が多かったです。
    テスト勉強のバランスが悪いのです。
    応用問題が解けるようになると、もう数学は大丈夫と思い、他の科目の勉強に時間をかけたのではないでしょうか。
    数学はまあ普段やっているから大丈夫と思って、テスト前日はろくに勉強しなかったのでは?
    テスト前にやっておかなかったら、計算は手も頭も上手く動きません。
    このたどたどしさは、単なる練習不足のたどたどしさでは?
    そんな印象の答案もありました。


    何はともあれ、まずはここから。
    ここから伸びていこう。
    そう思います。

      


  • Posted by セギ at 01:10Comments(0)講師日記