たまりば

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お知らせ

2019年07月20日

期末テスト結果出ました。2019年1学期末。


2019年1学期末テストの結果が出ました。
高校生は、コミュニケーション英語と英語表現の平均を英語として、数学2科目の平均を数学として記してあります。

数学 80点台 2人  60点台 1人  40点台 2人
英語 80点台 1人  50点台 2人  40点台 1人 30点台 1人

定期テスト得点は、上がったら下がる、下がったら上がるを繰り返す子が大半です。
上がると気が緩んで次は下がる、下がると危機感を抱いて次は上がる。
そうした中で、数回の推移が上昇基調であるか下降基調であるかを見通すと、その子が伸びているのか下っているのかを判断できます。
上がったときの最高点が、上昇し続けているか。
下がったときの最低点が、下降し続けているか。

前回の中間テストで大幅に上昇した子が、予期した通りに下がりました。
次は、頑張りましょう。

特に高校生の場合、英語も数学もそれぞれ2科目ありますので、週1回90分の個別指導では全てをカバーしきれない場合もあります。
英語で言えば、文法がわからない、独りでは勉強できないという場合、英語表現の学習に当面集中し、コミュニケーション英語は自力で学習してもらうこともあります。
全訳プリントも、穴埋め式の重要表現をまとめたプリントも、教科書準拠ワークも解答付きで学校からもらっている場合は、あとは本人がそれで勉強するだけです。
勉強のやり方は説明してありますし、入塾した頃には、それらを使ってどのように勉強するのか、手取り足取り練習してもいます。
あとは、それを自分で継続するだけ。
塾では独りではできない勉強をしたほうが合理的と思いますし、本人も「大丈夫」と安請け合いします。
しかし、蓋を開けてみるとほとんど勉強していないことがあり、私は天を仰ぐことになります。
「今回は、同じ日に世界史があったから」
( 一一)
何で一夜漬けすることが前提なんでしょう。

「塾に行くことにしたから大丈夫」
と本人が思っている場合、塾の宿題しかしなくなる、果ては塾の宿題もしなくなる、塾でしか勉強しなくなるという、勉強嫌いな小学生みたいな学習姿勢になることがあります。
塾に行かないほうがまだ危機感を維持できて、自分でそれなりに勉強するのでは?
塾講師である私がそれを言うのは矛盾ですが、そう言わざるを得ない子もいないわけではありません。

学習意欲が低く、学習習慣がほとんどない子の多くは、基礎学力や思考力が低い子ではありません。
小学校の頃は、家で勉強しなくても学校の勉強くらい楽にこなしていただろうと思われる子たちです。
勉強ができないわけではないのに、何でそんなに勉強しないのだろう・・・。

特に中高一貫校の子の中には、公立・私立を問わず、勉強ができないわけではないのに勉強しない子がいます。
中学受験が終わった後、伸び切ったゴムみたいになり、もう勉強しなくなる子たちです。
保護者の方も、まあ受験勉強は頑張っていたし、多少無理もさせたから、少し休むのも良いだろうと思ってしまいます。
すると、そのまま休む休む。
頭は悪くないので、テスト前だけちょこちょこっと勉強するのでも、良い成績とは言いませんが、それなりの点数はとります。
中高一貫校は進度も速くレベルも高いから、こんな成績でも仕方ないのかなと、本人も保護者も思ってしまうこともあります。
全力を出してもいないのに、まあこのくらいで・・・と思ってししまいます。

ただ、まあこのくらいで・・・のレベルは、年々下がっていきます。
勉強していませんし、しても一夜漬けですから、積み上げ科目である英語や数学はジリジリ下がっていきます。
中1の頃は、70点くらいで、まあこのくらいで・・・。
中2の頃は、60点くらいで、まあこのくらいで・・・。
中3の頃は、50点くらいで、まあこのくらいで・・・。
高1の頃は、40点くらいで、まあこのくらいで・・・。
高2の頃は、30点くらいで、まあこのくらいで・・・。
もっとこれよりも一気に下がっていく子もいますが、遅かれ早かれ30点台が見えてきます。

なぜ、こんなに学習意欲が低いのだろう?
なぜ、モチベーションが低いのだろう?
どうしたら、モチベーションは高まるのだろう?
どうしたら、やる気になってくれるのだろう?

日々、そうしたことを考えていたところ、先日、興味深いネット記事を読みました。
教育関係のネット記事ではなく、ビジネス関連の記事でした。
「いちいちモチベーションという概念にふりまわされている人は生産性が低い」という内容でした。
目からウロコが落ちました。

生産性が低く、仕事のできない人の特徴は、
①自発的に動かない。
②当事者意識に欠けている。
③危機感がない。
の3つなのだそうです。

うわあ・・・。
それは、成績不振の生徒に対して丸ごとあてはまることです。
自発的に勉強しない。
自分の人生だし自分の成績だという当事者意識に欠けている。
このままいくとどうなるという危機感がない。

では、そうした人のモチベーションをどう上げるか?
あるいは、そういう本人がどうやって自分のモチベーションを上げるのか?
答えは明快。
そもそも、モチベーションという概念をいちいちもちだしてくる人は行動できない。
モチベーションがむしろ言い訳になり、そこでワンクッションある人は、行動できない。

朝ごはんを食べることは、モチベーションの問題ではないから、誰にでもできます。
朝起きて顔を洗って身支度を整えることも。
定刻に家を出ることも。
昼ごはんを食べることも。
家に帰ってとりあえずテレビをつけることも。
着替えてベッドに寝転んでスマホをいじることも。
モチベーションの問題ではないから、毎日行うことができる。
それは、「習慣」。
モチベーションがなくても、習慣になっていれば、それはできる、というのです。

一方、そうしたことをモチベーションの問題にしてしまったら、そのいちいちでやるかやらないかを判断することになり、多大な精神力が必要となる。
いちいちやるかやらないかを判断していたら、できない。
やりたいかやりたくないかを考えていたら、できない。
だから、やるべきことをモチベーションの問題にしないこと。
生活習慣とすること。

勉強することを生活習慣とすること。
勉強したくないなあとか、モチベーションが上がらないなあとか考えないこと。
考えそうになったら、
「はいはい。それはモチベーションの問題じゃない。習慣習慣。考えない。考えない」
と自分に言い聞かせ、とにかくいつもの時間になったらいつも通りに勉強する。
半年も経てば、それは習慣になり、今日は勉強したいとかしたくないとか、そんなことは関係なくなる。
勉強する時間が毎日の生活習慣の中にある。
それが大事。

そう考えますと、中学受験というのは罪深い側面もあります。
受験勉強をしている3年間だけ、小学生としてはありえないほどの時間を使って勉強します。
学校から帰ったら、毎日5時間、6時間。
その反動で、中学入学後は全く勉強しなくなるという事態が起こり得ます。
それに対して、親が強く言えない。
受験期に無理をさせ過ぎたという後ろめたさがあると、特に言いづらいかもしれません。
受験をしていなかったら、「もう中学生なんだから、しっかり勉強しないと」という当たり前の忠告ができます。
「高校入試があるんだから」と言えます。
それが言えないのです。
学習習慣が消え去っていくのを手をこまねいて見ていることになります。

勿論、保護者の方は危機感を抱いているのですが、中学受験のときほどには、子どもは親の言う通りには動かなくなります。
「受験勉強のときだけだと思っていたのに、中学に入ったら入ったで、また勉強しろと言っている」
口にはしなくても、そんな目で見返されると、ついひるむということもあると思います。
あるいは、ひるまず「勉強しなさい」と言っても、もう言うことを聞いてくれない・・・。
6年先の大学入試について何を言っても、子どもに当事者意識を持たせるのは難しいこともあります。

中学受験をしていなかったら・・・。
公立中学に通い高校受験をしたのであれば、少なくとも学習習慣は身についたのではないか?
中高一貫校の中で成績が悪くても「みんな勉強ができるから」と言い訳できるけれど、地元の公立中学で自分が劣等生というのはあり得ない。
勉強は普通にするでしょう。
5教科「5」はマストだよね。
そういう気持ちになっていたかもしれません。

しかし、中学受験をしたのだし、その結果中高一貫校に通っているのですから、そのことについて今更どうこう言っても意味がありません。

中高一貫校には良い面も多いのです。
大学受験について学校側が強く意識していますから、全体の流れに乗っていればそれなりに何とかなります。
中1の最初から大学受験に向けたカリキュラムが組まれ、どの程度頑張ればどの大学に入れるのか、そうした数値的なデータもそろっています。
土曜日も授業。
7限もあり。
繰り返される小テスト。
単元テスト。
追試。
放課後の補講。
学校の夏期講習。
山のような宿題。
それをこなしていれば何とかなるのは、将来の目標を持って学習できていない子にはありがたいシステムです。
高2までで高校の学習内容が終わるので、高3は受験勉強に集中できるのも強みです。

全く学習習慣のない子も、高2なって周囲がざわつけば、意識もちょっと変わります。
ずっと先だと思っていた大学入試はすぐそこ。
中学受験のときには、もっと早くから準備していましたよね?
そんな話が案外心に響くことがあります。

さあ、ここから。
そう思います。
  


  • Posted by セギ at 12:47Comments(0)講師日記

    2019年07月17日

    小学算数。EXテストの衝撃。


    先日、小学生が教室にEXテスト(エクストラ・テスト)を持ってきてくれました。
    「こんなテストを、前にも受けたことある?」
    と質問しましたところ、去年も何回かこのテストを学校で受けたとのことでした。

    しかし、こうした口頭の情報は、不確かになりがちです。
    私の質問の意図を子どもは正確に把握できない可能性があるからです。
    普通のカラーテストと混同しているかな?
    それとも、本当に去年も何回かEXテストは受けたのかな?
    謎のままです。
    他の学校の小学生に尋ねると、受験生もそうでない子も、
    「知らない」「受けてない」
    という返答ばかりでした。

    それは中3でもまだそうで、例えば、
    「都立高校入試の模試に似ている学力テストを学校で受けましたか?」
    と質問しても、その子は、それがどのテストを指す何であるかを正確に把握できないことが多いです。
    質問の意図がわからないし、都立高校入試の模試というのをまだ受けたことがないので、それに似ているものと言われてもわからない。
    結局、国が実施する学力調査と誤解してしまう子もいましたし、何を訊かれているのかわからないからか、
    「ない」
    と適当に答える子もこれまで何人も見てきました。
    あった、と答えて、では点数は?とさらに問われるのが嫌なので、テストの存在をなるべく隠そうとする気持ちもあるのかもしれません。
    点数を見せたくないという防衛心が働くのか、こちらが訊かない限りどんなテストのことも言わないのです。
    実物を示して、
    「これをもう受けた?」
    と訊かない限り、明確な答えは得られない。
    しかし、私の手元に実物があるわけではないので、質問もあやふやにならざるを得ず、返答はさらにあやふやになるということが繰り返されます。
    とはいえ、中3が学校で受ける模試に似たテストのことは、私が知らなくてもどうということはないので、近年は質問もしないのですが。
    秋以降、校外で受ける本当の模試の結果を見せてもらえれば問題はありません。


    話を戻しますと、EXテストの見た目は、いつものカラーテストとよく似ていました。
    両面カラー印刷で、カラフルです。
    紙の大きさもいつもと同じです。
    違うのは、テストの質。
    思考力・判断力・表現力を見るEXテスト。
    難度が高いです。

    何だろうこのテストは?
    ネットで検索すると、学校教材のサイトに簡単にいきつくことができました。
    小学校1年生から6年生までのテストがあること、国語と算数があることまでは把握できました。
    理科や社会があるのかどうかはわかりません。
    いつ頃から作られているテストであるのかもわかりませんが、今年初めて作られたテストではないようです。

    個人のブログや悩み相談サイトを見ると。
    小1の子がEXテストで0点を取ってきたとか、同じ子が、小2では15点だったとか。
    中学受験生なんだけれどEXテストでもあまり良い点が取れないとか。
    そうした情報が得られました。
    当然ですが、テストそのものがネットにアップされているようなことはありません。
    それは絶対やったらダメなことですね。

    今回、たった1枚、実際に目にした小6算数のEXテスト。
    それだけで把握できることには限りがありますが、並んでいる問題は、中学受験の受験算数の易しい典型題でした。

    受験算数としては基本問題ですが、その基本問題を解けない中学受験生が多いのが現実です。
    そうした子も、受験勉強を始める前は、学校の普通のカラーテストは満点連発だったのかもしれません。
    「算数は簡単だ」という間違った感覚を抱いていた可能性もあります。
    いや、むしろ、保護者の方が、満点連続のカラーテストを見て、この子は算数は得意だと誤解していた可能性のほうが高いかもしれません。
    「間違った感覚」というのは、カラーテストは、基本中の基本が身についているかどうかを検査するものだからです。
    計算の手順が身についているかどうか。
    公式をそのままあてはめる問題を解けるかどうか。
    非常に簡単であるため、内容を理解していなくても作業手順を覚え込むことだけで、満点が取れます。
    思考力はほとんど必要ありません。
    満点連続のカラーテストを見た保護者の方は、まさか自分の子どもの思考力が弱いとは想像もしないと思います。
    だって、現実にテストは満点なんですから。

    多くの子が、学力的に余裕を持って受けることができるのがカラーテストです。
    それが悪いということではありません。
    小学生のうちから、その子の学力的限界をそんなに突きつけなくてもいいでしょう。
    そんなことをしたら、学ぶこと自体が嫌になってしまいかねません。
    本人は「わーい、満点だー」と喜んでいればいい。
    満点のテストを見た大人も、「わあ。また満点だ。頑張ってるねえ」と褒めたらいい。
    しかし、だから、この子は数学的才能があるとか、中学に入っても数学は大丈夫とか、中学受験をしても大丈夫とか、そんなことの判断材料にはならないことを、大人は知っておいて良いと思います。

    学校の算数の問題はよくできるので、中学受験をしても大丈夫なのではないか?
    そうした誤解から起こる悲劇は、枚挙にいとまがありません。
    中学受験の受験算数は、思考力がないと対応できません。
    それ以前は、パッと見てパッと解き方がわかる問題しか解いたことがないのです。
    筋道立ててじっくり考えるということをしたことがないので、どうしたらいいのかわからない。
    パッと見てわからない問題は、その子には解けない問題です。
    結果的に、受験算数は基本問題を解くのも悪戦苦闘となります。
    それまでもじっくりとものを考えてきた子以外はそうなりがちです。

    とはいえ、今は教育技術が進歩していますから、わからないことをわかるように教えることが可能です。
    筋道立てて考えることも、一歩ずつ教えることができます。
    わからないこともねばって、1つずつ解けるようになっていく。
    じっくり考えていく。
    そういう子は、受験勉強の後半でジリジリと学力を上げていきます。

    ところが、「パッと見てパッと解き方がわかる頭のいい自分」というセルフイメージへの固執の強い子もいます。
    じっくりねばって考えるとはどういうことなのわからないだけでなく、そんなことはやりたくないと思っている子もいます。
    自分が上手くできないことは嫌い。
    苦労して考えてやっと答えがわかるなんてダサい。
    パッと見てもわからない問題を解かされると、劣等感を覚える・・・。
    自分の限界を思い知らされるようで、つらい・・・。
    勉強しているように見えても、テキストに載っている問題の解き方を丸暗記しているだけで深い理解はなく、受験算数の問題の周囲を無意味にぐるぐる回っているような状態で、問題の核心に向かってアクセスできないまま入試を迎える。
    そういう子も多いです。
    つまりは能力よりも精神力の問題になりがちですが、まだ小学生ですから、そんなに強い精神力を求めるほうがどうかしています。
    入試のような人生の一大事に直面する時期ではまだなかった。
    時期を選ぶべきだった。
    成長過程において、中学受験が向いている子もいれば、そうではない子もいる。
    誰もが中学受験をすることが有利なわけではない。
    そういうことだと思うのです。

    思考力が弱いというのは、生涯そうであるというような決定事項ではありません。
    思考力も鍛えれば強くなります。
    パッと見てパッと問題の構造をつかむ瞬発力のようなもののある子は、つまり、頭の回転は速いのです。
    ただ、深く思考したことがない。
    ものごとを筋道たててじっくり考えるということをしたことがない。
    それを要求されて応える精神力もない。
    やってもできなかったという形になるのが嫌なので、勉強しない方向に自分を誘導しがちです。
    逃げ道を探すことに頭を使ってしまう・・・。
    才能の無駄遣いをしてしまう子も多いです。

    数学で大きな結果を出している塾や学校は、「じっくり考えることのできる者が最上位」というヒエラルキーが確立されています。
    じっくり考えることでしか解けない問題を考える。
    それを解いた人が称賛される。
    そうした空気の作り方に成功しています。
    大人がそれを強制してもなかなか従わない子も、自分と同年齢の子たちがじっくり考え、そのヒエラルキーに従っている環境にいると、それに従い始めます。
    考える者が最も優れた者であり、称賛される。
    パッと思いついただけのことを言っても正答できないので、誰もが考え始めます。

    EXテスト。
    今の小学校では、思考力をちょっと試し、それを成績つけの参考にすることはあっても、それ以上の活用は難しいと思います。
    問題解説をしたところで、理解でき、類題が解けるようになる子は半分にも満たないでしょう。
    来年度からの、新しい学習指導要領の下では、どうなるのか?
    これは、そのためのテストなのか?

    蓋を開けてみなければわからないことが、まだ多いです。

      


  • Posted by セギ at 11:40Comments(0)算数・数学

    2019年07月14日

    高校英語。不定詞その4。原形不定詞。


    不定詞の学習。
    今回はこんな問題から。

    問題 (  )内の正しいものを選べ。
    (1) I heard you (1.play 2.to play 3.played) that song on the flute.
    (2) I saw her (1.to try 2.trying 3.tried) to remove a stain from the carpet.
    (3) I had him (1.translate 2.to translate 3.translating 4.translated) the letter.
    (4) He was made (1.do 2.to do 3.doing 4.done) it against his will.
    (5) He had his salary (1.raise 2.to raise 3.raising 4.raised) last month.

    この問題をざっと眺めて、「全て知覚動詞と使役動詞の文だ」とわかる人は、勉強している人です。
    そのことに気づくことができず、この問題がどういう問題なのかを把握できないまま勘で解いてしまうと、もうグチャグチャになってしまうのがこのあたりのところです。
    あるとき、生徒に、
    「この文の動詞は知覚動詞ですよね?」
    と問いかけたら、ポカンとしていたので、「知覚動詞」と板書すると、
    「ああ!」
    と声を上げたことがあります。
    「違うチカクをイメージしていました」
    と言うのです。
    その子は、「地殻動詞」だと思ったらしく、どういうことだろうと悩んでしまったらしいのです。

    その子はそのとき高3で、知覚動詞を初めて習ったわけでもなかったのですが、「チカクドウシ」と言われても正しく漢字変換できないほど、この動詞のことが意識にありませんでした。
    それでは、この問題がどういう文法問題であるかを把握するのは難しいと思います。

    文法用語は、別に覚えなくても大丈夫なものも多いですが、覚えておけば容易にカテゴライズできるのでむしろ楽なものも多いのです。
    知覚動詞と使役動詞は、その中でも、覚えておくととても楽になる知識です。
    そのグループはこう対処すれば良い、というしっかりとしたルールがあります。

    知覚動詞は、一般動詞の中で、五感を使った動詞を指します。
    see , hear , feel , notice , taste , smell などがそうです。
    これらを動詞として使った文の中で、SVCは特に問題ないと思います。
    You look happy.
    楽しそうだね。
    など、中学2年で学習する内容です。

    (1)は、SVOCで、Vが知覚動詞の文です。
    このとき、Cには原形不定詞を用いるというルールがあります。
    例えば、
    I heard someone shout in the distance.
    私は、誰かが遠くで叫ぶのを聞いた。
    この shout がC(補語)で、原形不定詞です。

    原形不定詞は、動詞の原形と同じ形をしています。
    to 不定詞の to のないものです。
    じゃあ、それは動詞なんじゃないの?
    そのような疑問を抱かれることもあるかと思いますが、動詞はC(補語)にはなりません。
    その文の中でV(述語動詞)の働きをしているものを動詞と呼びます。
    一方、Cになるのは、形容詞か名詞、またはその働きをする語句です。
    だから、この文の shout はVでないのです。
    Vでないものは、動詞ではありません。
    そのような文法的な分析から、このshout は原形不定詞とされます。

    こういうことを「意味がわからない。どうでもいい」と思うか「面白い。うふふ」と思うかが、文法好きかどうかの違いかもしれません。
    興味がなかったら、「原形不定詞というのは、要するに動詞の原形のことだな」と思っても、別に構いません。
    要は正しく使えるかどうかです。
    この観点から、上の問題の(1)を見てみましょう。

    (1) I heard you (1.play 2.to play 3.played) that song on the flute.

    知覚動詞を用いた、SVOCの文です。
    正解は、原形不定詞の 1.play です。

    ところで、この問題、4択ではなく3択問題になっています。
    なぜか、playing という選択肢が外されている。
    どうしてでしょう?

    実は、playing でも、正解となってしまうので、あえて除外してあるのです。
    I heard you play that song on the flute.
    I heard you playing that song on the flute.
    このどちらも正しい英語です。
    上の文は、「私はあなたがあの曲をフルートで演奏するのを聞いた」という意味。
    下の文は、「私はあなたがあの曲をフルートで演奏しているのを聞いた」という意味。
    え?どう違うの?

    Cに原形不定詞を用いた場合は、動作の一部始終を知覚したことを表します。
    上の文では、あなたがあの曲を演奏し始めてから演奏し終わるまで、一曲全部聞いたことを表します。
    Cに現在分詞を用いた場合は、一瞬だけ知覚したことを表します。
    上の文では、通りかかったときに、あなたがあの曲を演奏しているのをちょっと聞いたことを表します。

    この知識があると、(2)の問題も簡単ですね。

    (2) I saw her (1.to try 2.trying 3.tried) to remove a stain from the carpet.

    正解は、現在分詞の 2.trying です。
    I saw her trying to remove a stain from the carpet.
    私は、彼女がカーペットの染みを取ろうとしているのを見た。

    こういう文を見たときに、
    「あれ?trying to~という言い方はないんじゃないの?」
    という謎ルールを持ち出し、そんなルールはないですよと説明しても納得しない高校生もいます。
    try という動詞は、to 不定詞と動名詞の両方をとりますが、意味が異なります。
    try+to 不定詞は、「~しようとする」。
    try+動名詞は、「試しに~してみる」。
    不定詞と動名詞の使い分けのところでも説明しました。
    その知識と混線して、「trying to~という言い方はない」という謎ルールになってしまうようです。
    try という単語自体は、文の中の働きによって、to try にも trying にもなります。
    to try to~もあれば、trying to~もあります。
    to try~ing もあれば、trying ~ing もあります。
    try の後ろがどうなるかで意味が変わるという文法事項なのですが、その前後関係を混線してしまう様子です。
    「とうもろこし」が「トウモコロシ」になってしまう音韻転変と似たようなことが、その子の頭の中で起きているのだろうと想像されます。

    英語初学者が自らの頭の中で作りだす「謎ルール」は他にも色々あります。
    ~ing は連続して使ってはいけないとか。
    to は1つの文の中で2回使ってはいけないとか。
    そんなルールはありません。
    中2で不定詞を学習した最初の頃、「to+動詞の原形」ということがどうしても理解できず、「動詞+to」 を不定詞と思いこんでしまう子もいます。
    want to~、like to~、という覚え方も良くないのでしょうが、それだけでもないようです。
    副詞的用法や形容詞的用法になっても、語順の混乱がなくなりません。
    中1の頃によく見るgo to school などの動詞と to との位置関係から脱却できず、to は動詞の後ろにくるものという思い込みが強くて、不定詞を含む乱文整序問題ではほとんど正答できない子もいます。
    文法が嫌いなわりに「謎ルール」を自ら作り出す子は多いです。
    人はルールを見出さずにいられないのかもしれません。
    ならば、正しいルールを見出したいですね。


    (3) I had him (1.translate 2.to translate 3.translating 4.translated) the letter.

    この文の動詞 have は使役動詞です。
    使役動詞は3つしかないので、それを覚えるだけです。
    make は、主語が、目下の人を使役して「~させる」という意味です。
    have は、主語が、対等または目上の人に「~してもらう」という意味です。
    let は、主語が、目下の人がやりたがっていることを「~させてやる。~することを許す」という意味です。
    使い分けも明瞭ですね。

    使役動詞もSVOCの文のVになり、このときのCは原形不定詞となります。
    したがって、(3)の答えは、1.translate です。
    文の意味は、「私は彼にその手紙を翻訳してもらった」となります。
    使役動詞は、Cに現在分詞をとることはありません。


    (4) He was made (1.do 2.to do 3.doing 4.done) it against his will.

    あ、これも使役動詞だ。
    じゃあ、答えは原形不定詞かな?
    ところが、そうではないのです。
    上の文は、よく見ると受動態の文ですね。
    使役動詞 make は、上のように受動態を作ることができる動詞です。
    他の使役動詞には、このような受動態はありません。
    そして、使役動詞 make の受動態は、能動態で原形不定詞だったところがto 不定詞になるというルールがあります。
    したがって、正解は、2.to do です。
    He was made to do it against his will.
    「彼は、意志に反してそれをやらされた」という意味になります。

    使役動詞 make の他に、知覚動詞もこのような受動態を作ることができます。
    The man was seen to go into the house.
    「その男は、その家に入るのを見られた」という意味です。

    受動態のときは to 不定詞。
    例によって、些末な文法事項として無視する人が多いですが、テストに出やすいのはこういうところです。
    見るからにテストに出そう。
    テストに出るとわかりきっている。
    そういうところを無視せず、丁寧に学習しましょう。

    make の受動態の作り方はわかったけれど、他の使役動詞はどうやって受動態を作ったら良いのでしょうか?
    let の場合は、そのままでは受動態は作れませんので、同じ意味の別の動詞に変えます。
    使役動詞ではないけれど、意味は使役動詞に近い動詞があるのです。
    let に意味が近いのは、allow 。
    それを利用します。
    例えば、let を用いた能動態の文は、
    My mother let me go abroad.
    allow を用いると、
    My mother allowed me to go abroad.
    使役動詞ではないので、SVOCのCは to 不定詞をとります。
    これを受動態にすると、
    I was allowed to go abroad by my mother.

    使役動詞 have の場合はどうしましょうか?
    ここで(3)の文を振り返ってみましょう。
    (3) I had him translate the letter.

    この文の本来のOである him を主語に変えた受動態の文を作ることはできません。
    日本語でも、そのような意味あいの受け身の文を作ることはできないですね。
    「彼は私のためにその手紙を翻訳してくれた」
    それは、能動態の文です。
    しかし、Oを the letter に変えた文なら、作ることができます。
    I had the letter translated by him.
    私は彼にその手紙を翻訳してもらった。
    これも使役動詞 have を用いたSVOCの文ですが、Cは原形不定詞ではなく、過去分詞となります。
    OとCの関係から、Cが過去分詞になる例は、他の動詞でもありますね。
    we found the road blocked by heavy snow.
    [道路は大雪でふさがれていた」
    知覚動詞でも、この構造の文は作れます。
    She heard her name called from behind.
    「彼女は背後から自分の名前が呼ばれるのを聞いた」
    OがCされる関係のときは、Cは過去分詞を用います。
    これが、(5)の問題です。

    (5) He had his salary (1.raise 2.to raise 3.raising 4.raised) last month.

    答えは、4.raised です。
    給料は上げられるものだからです。
    「彼は、先月給料を上げてもらった」という意味です。

    このhave は、「受け身・被害のhave」と呼ばれるもので、意味内容によって、主語にとって良い意味のこともあれば被害のこともあります。
    I had my bag stolen.
    という文のときに「私はカバンを盗んでもらった」とは訳しません。
    これは被害だから「私はカバンを盗まれた」と訳します。
    しかし、(5)の文を「彼は給料を上げられた」とは訳しません。
    給料を上げられたことが不満であるかのようなニュアンスになってしまうからです。
    けれどそれは日本語の都合で、英語としては、OとCとの関係からCが過去分詞になっているだけです。

    さて、ここまでのところをまとめると。
    知覚動詞のSVOCの文のCは、原形不定詞・現在分詞・過去分詞のどれかになる。
    OとCとの関係から選択する。
    ただし、受動態の文の場合は、to 不定詞・現在分詞のどちらかになる。

    使役動詞のSVOCの文のCは、make , let の場合は原形不定詞。
    ただし、make の文の受動態は to 不定詞になる。
    have の場合は、原形不定詞・過去分詞のどちらかになる。
    OとCとの関係から選択する。

    多少複雑ですが、テストに非常に出やすいところですので、しっかり身につけておくと得点源になります。
    範囲は無限と感じられる熟語問題よりは、分析可能なこうした問題のほうがはるかに易しいです。
    センター試験にも、英検にも、TOEICにも、必ず出題されています。

      


  • Posted by セギ at 14:55Comments(0)英語

    2019年07月10日

    数Ⅱ「式と証明」。多項式の除法。


    今回は「多項式の除法」です。
    中学数学でやっているような気がするのに、意外に一度もやっていないのが、多項式の除法です。

    問題 (x3+3x2-5)÷(x-2) を計算し、商と余りを求めよ。

    これは筆算していくことができます。
    やり方・考え方は数字のわり算の筆算と同じです。

    例えば、764÷6を筆算してみましょう。

    6 )764

    の7と6を見比べて、7の上に「1」という商が立つと判断します。
    その後、1と6をかけたものを7の下に書いていき、そして7からそれを引きます。
       1
    6 )764
       6  
       1

    これと同じことをやっていきます。

    x-2 )x3+3x2   -5

    x3とxを見比べて、x3の上に「x2」という商が立つと判断します。
    そのx2と「割る数」であるx-2とをかけたものを元の式に下に書いていきます。

        x2
    x-2 )x3+3x2   -5
         x3-2x2

    そして、元の式から、今書いたものを引いていきます。

        x2
    x-2 )x3+3x2   -5
         x3-2x2
            5x2

    次に、引き算の結果である「5x2」とx-2を見比べで、商を立てます。
    「5x」という商が立ちます。
    その5xとx-2をかけたものを下に書いていきます。
    そして、上の行から下の行を引きます。

        x2+5x
    x-2 )x3+3x2     -5
         x3-2x2
            5x2
            5x2-10x
                10x -5

    次に、引き算の結果である「10x」とx-2を見比べて、商を立てます。
    「10」という商が立ちます。
    その10とx-2とをかけたものを下に書き、上の行から下の行を引きます。

        x2+5x  +10
    x-2 )x3+3x2     -5
         x3-2x2
            5x2
            5x2-10x
                10x -5
                10x-20
                    15

    よって、商は x2+5x+10、余りは15です。

    「本当にこんなやり方で割ったことになるの?」
    「何でそれで答えが出るのか、意味がわからない」
    という感想の多いところです。

    そこで、ちょっと検算をしてみましょう。
    わり算は、(割る数)×(商)+(余り)=(もとの数)
    で検算することができるのでした。

    (x-2)(x2+5x+10)+15
    =x3+5x2+10x-2x2-10x-20+15
    =x3+3x2-5

    はい。
    もとの式に戻りました。

    やり方は理解できても、最初のうちはなかなか正答できない高校生が多いです。
    ミスしやすい箇所としては、多項式の書き写し間違い。(特に指数と符号)
    上の式の-5-(-20)のような箇所の符号ミス。

    符号ミスは、中学生になって負の数の計算をするようになると同時に始まります。
    答えが負の数になる問題は決して正答できないというくらいに符号を書き忘れる子もいます。
    これを「ケアレスミス」ととらえ、本人が注意すれば解決すると思うのは、しかし、誤りだと思います。
    そもそも、俗にケアレスミスと呼ばれるものが多い子ほど、ケアレスミスの意味を「ちょっとしたミス」などととらえています。
    ケアレスミスは不注意なミスという意味だよと教えると、嫌な顔をします。
    不注意と指摘されることにも傷ついてしまうようです。
    しかし、問題はもっと深刻で、符号ミスは単なる不注意なミスではないと思ったほうが良いと思います。

    小学校では必要なかった負の符号が中学数学では必要になるのに、そのことが知識として身についていない。
    そうとらえたほうが現実に即していると思います。
    つまりは、本人の脳内の根本のところで知識がバージョンアップされていず、いつまでもいつまでも、ついつい気がつくと負の数など存在しないような感覚で数学を解いてしまっているのだと思うのです。
    バージョンアップは、簡単にできる人もいますが、非常に時間のかかる人もいます。

    傍で見ていると、何でそんなに安易に負の符号を書きもらすのか、意味がわからない・・・。
    ぼんやりしているから、そんなことになるのではないか?
    ・・・ついついそう思ってしまいがちですが、本人もミスなどしたくないから一所懸命やっているはずです。
    それで書きもらすとなると、符号に関するバージョンアップがされていないと見るほうが自然です。
    それは、本人が自覚すれば治るというものではなく、脳内でアップデートされない限り同じミスが繰り返されます。

    では、どうすればアップデートされるのか?
    それは脳次第であるところが歯がゆいところです。
    人間の脳は自力ではコントロールできません。
    何で覚える必要があることを覚えられないの?
    何でアップデートできないの?
    そういうこととの闘いです。
    ただ、「数学なんか嫌い」「数学なんかやっても意味ない」と思っている人のアップデートは当然遅いです。
    せめて、自ら数学から遠ざかることだけは避けたいところです。
    結局、練習を重ねることで、脳がアップデートの必要を感じるのを待つしかありません。

    上の多項式の除法でいえば、引き算であるところをたし算してしまうミスも多いです。
    商を立てた後、例えば3x2の下に-2x2という項を書くところまでは上手くできるのですが、下の項に負の符号がついていると、そのままたし算してしまうミスは多いです。
    指摘してもピンとこない様子で、正しい筆算をしてみせるとようやく理解するということがあります。
    これが繰り返されるのは、もはやケアレスミスというものではなく、そこが明らかに理解不足の弱点となっているのです。
    ケアレスミスじゃないぞー。
    明らかな理解不足だぞー。
    そのミス、何度目だー。
    ・・・そのような指摘をするまでもなく、ほぼ全問どこかでひっかかって誤答しますので、さすがに本人の顔色が悪くなってくるところではあります。
    やり方はわかっているのに、幾度解き直しても正解に至らない。
    解き直す度に違う答えは出るけど、正解でないのはなぜ・・・?
    解答が間違っているんじゃないの?
    数Ⅱに入ると、そういうことが本当に増えてくると思います。
    練習不足なんです。
    数Ⅱの問題を正確に解ける計算力が身についていないのです。
    一度でパッとできるようになる人もいます。
    でも、沢山練習する必要のある人もいます。
    そんなのは、スポーツでも何でも普通のことです。

    こういう話をすると、何だ才能の話かと諦めてしまう人もいると思います。
    これは、努力の話です。
    例えば、目の前でやられると非常に煩わしいペン回し。
    小学校高学年から中学生の頃、特に男子の大半は、あれに夢中になります。
    数回で器用にできるようになる人もいますが、なかなか上手くできなかった不器用な人もきっといたはずです。
    なのに、諦めない。
    学校の授業中、延々とペン回しの練習をしましたよね。
    そして、ついに習得しました。
    努力の成果です。
    努力って、実は誰でもできるのですよ。
    努力の方向性はともかく。


    さて、もう1問。

    問題 (a3+2abc+b3-c3)÷(a+b-c) をaに着目して行い、商と余りを求めよ。

    最初の問題との違いは、文字が1種類ではないこと。
    「aに着目して」ということは、aについての文字式とみなし、他の文字は係数や定数項として扱いなさい、という意味です。
    これは、筆算として書くときから順番を意識し、他の文字はaの係数や定数項であるとわかるようにしておくことで解きやすくなります。
    aについて降べきの順に整理して書いてみましょう。

    a+(b-c) )a3     +2bca+(b3-c3)

    a3とaを見比べると、まずa2という商が立ちます。
    その商と「割る数」であるa+(b-c)をかけていきます。

           a2
    a+(b-c) )a3        +2bca+(b3-c3)
             a3+(b-c)a2 

    上の行から下の行を引きます。
    上から次に使う項も下ろしておきます。

           a2
    a+(b-c) )a3        +2bca+(b3-c3)
             a3+(b-c)a2
              -(b-c)a2+2bca

    ここでは、2次の項はもともと存在しなかったところから(b-c)a2を引くので、
    0-(b-c)a2
    =-(b-c)a2
    となることに注意が必要です。
    上からおろしてくる項は、あえて書けば、
    2bca-0
    =2bca
    となりますので、符号は変わりません。
    0から引くことと、0を引くこととは大違いですね。

    次に-(b-c)a2とaを見比べて、-(b-c)aという商が立ちます。

           a2-(b-c)a
    a+(b-c) )a3        +2bca+(b3-c3)
             a3+(b-c)a2
              -(b-c)a2+2bca
              -(b-c)a2-(b-c)2a

    例によって、上の行から下の行を引くのですが、ちょっと複雑で引きにくいですね。
    こういうときは、ノートの横の空欄などを利用して、そこの部分だけ計算すると良いでしょう。
    係数だけのひき算をすれば良いですね。
    すなわち、
    2bc+(b-c)2
    =2bc+b2-2bc+c2
    =b2+c2

    上から定数項も下ろしてくると、

           a2-(b-c)a
    a+(b-c) )a3        +2bca+(b3-c3)
             a3+(b-c)a2 
              -(b-c)a2+2bca
              -(b-c)a2-(b-c)2a
                      (b2+c2)a+(b3-c3)

    次の商は、(b2+c2) ですね。

           a2-(b-c)a +(b2+c2)
    a+(b-c) )a3        +2bca   +(b3-c3)
             a3+(b-c)a2 
              -(b-c)a2+2bca
              -(b-c)a2-(b2+c2)a+(b3-c3)
                      (b2+c2)a+(b-c)(b2+c2)

    最後の定数項のひき算も複雑ですね。
    ノートの空いているスペースで計算しましょう。
    (b3-c3)-(b-c)(b2+c2)
    =b3-c3-(b3+bc2-b2C-c3)
    =b3-c3-b3-bc2+b2C+c3
    =-bc2+b2c

    これが余りとなります、
    よって、商は  a2-(b-c)a+(b2+c2)
    となりますが、整理したほうが見た目がきれいですね。
    ( )を外しておきましょう。
    従って、商 a2+b2+c2-ab+ca
        余り -bc2+b2c
    となります。

    この筆算は複雑ですが、この先、「分数式の計算」や「因数定理」を学習する際にまた利用しますので、必ず身につけておきましょう。
    とはいえ、ネットでは罫線を上手く引けないので、物凄く見にくいと思います。
    全体の板書が上の画像です。

      


  • Posted by セギ at 12:58Comments(0)算数・数学

    2019年07月06日

    ケアレスミスと数学不安症。


    例えば、都立高校の数学の入試問題で、大問3「関数」、大問4「平面図形」、大問5「空間図形」のそれぞれ一番最後の小問は難しいから解けないので、各5点×3=15点は失点するとして、残る85点は取れる。
    そういう得点の読み方をすることがあります。
    あるいは、定期テストは基本問題だけで80点は取れる。
    これに共通しているのは、「基本問題を解くだけで十分な得点」という夢物語です。

    「夢物語」とあえていうのは、現実はそんなに甘くはないからです。
    基本問題をきっちり得点できる学力の人は、応用問題も解けます。
    基本問題しか解けない人は、基本問題もある程度は失点します。
    それは避けられません。

    しかし、基本が身についていないのに、やたらと応用応用という子には、私も冒頭のような説明をすることがあります。
    定期テストで、公式を代入するだけの基本問題や、出題されるとわかりきっている典型題をポロポロ失点しているのに、最後の応用問題がわからなかったことをやたらと残念がる子もいるからです。
    実際の得点は30点台、40点台なのに、最後の応用問題がわからなかったことを、テストが終わると強調するのです。
    テストが返ってきたら反省が大切なのですが、反省ポイントがズレていては、次回も似たような結果になってしまいます。
    正しい反省を促さなければなりません。
    最後の7点の応用問題が解けなくても、他の問題で正答していたら93点です。
    あなたの現実の点とは50点以上差がありますよ。
    その50点は、どこで失っていますか?
    そういう話をします。

    基礎を固めないうちは、応用問題の解説を聞いても、その問題の解き方を「わかったような気がする」だけで、類題を自力で解けるようにはなりません。
    まして、タイプの異なる応用問題には全く対応できません。
    出るとわかっている典型題なら解説もしますし、練習もします。
    しかし、何でこんな応用問題を出すのか出題意図もよくわからない、ただただ難しいだけの問題を解説するのは時間が惜しい。
    今は、そんな勉強をする時期ではない。
    そのことをわかってもらう必要があります。

    1つ考えられるのは、そういう子の心の中では、「わかる問題」と「解ける問題」との混同があるのではないかということです。
    公式を見て代入すれば解ける問題は、本人の中では「わかる問題」=「解ける問題」。
    解説を聞けば理解できる典型題は、本人の中では「わかる問題」=「解ける問題」。
    だから、そういう問題は、本人の中ではOKになっているのではないか?
    学校でテスト解説を聞いてもよくわからなかった、あるいは解説してもらえなかった最後の応用問題だけは、「わからない問題」。
    だから、とても気にかかる。
    とても残念である。
    そういう気持ちなのではないかと思うのです。

    「わかる問題」と「解ける問題」は違います。
    公式を見て代入すれば解ける問題なのは事実でも、その公式を覚えていないし、代入して解く練習もそんなにしていない場合、テストではもたもたし、代入ミスをしがちです。
    それは「解ける問題」にはなっていないということです。

    「わかる」だけではダメで、「解ける」ようにしなければ。
    基本問題だけでも全部解ければ、定期テストは80点ですよ。
    今、目指すのは、まずはそこですよ。
    基本に目を向けてもらうため、そのように言います。


    ただ、私は、基本問題だけ解ける子が実際に80点を取れるとは思っていません。
    その状態では、80点は無理だとわかっています。
    定期テストなら、基本問題だけで配点は80点になる。
    それは事実です。
    しかし、基本問題しか解けない子は、基本問題を全て正答することはできません。
    学力的に余裕がない子は、ミスをします。
    現状が40点ならば、まずは50点、そして60点と順番に上を目指しましょう。
    60点を越えたら、より発展的な学習も行いましょう。


    学校の定期テスト前日に、数学の授業を振替設定することがあります。
    そんなとき、テスト範囲の演習はひと通り終わっていますので、前日に行うのは最終調整です。
    しかし、単なる確認と調整のために解いている基本問題を計算ミスでぽろぽろ失点する生徒もいます。
    テストに必ず出る、易しい問題で失点します。
    解き方はわかっているのに、計算ミスを繰り返し、正答できないのです。
    計算ミスをすればするほど目に見えて動揺していきます。
    そして、さらにミスを重ね、続く簡単な問題もやはり正答できなくなっていきます。
    目の前で見る見る精神的に崩れていく・・・。
    テスト当日だけではないんだ。
    前日で、既にこういう精神状態なのか・・・。


    『しくじり先生』というバラエティ番組があります。
    ゲスト出演する「先生」役が自身の失敗を語る番組です。
    以前、その番組にG・G・佐藤選手が先生役で出演しました。
    北京オリンピックでエラーを繰り返し、日本代表チームが銅メダルすら取れなかった原因の1つと言われている野球選手です。
    日本代表になるほどのプロ野球選手が、ゴロをトンネル。
    さらに、簡単なフライを落球すること2回。
    なぜそのようなことが起こったのかを本人自らが分析し語っていました。

    G・G・佐藤選手は、1つ目のトンネルの後、もうどんな球も取れる気がしない精神状態に陥ったそうです。
    だから、球が飛んでこないことをひたすら願った。
    オリンピックという大舞台。
    自分のエラーのせいでチームが負けてしまうことに怯えた。
    しかし、怯えるほどにそれは明確なイメージになった。
    あんなゴロもトンネルしてしまった自分は、フライなんか取れるわけがないと思ってしまった。
    そして、実際、もう取れなかった。
    プロ野球選手が・・・・・。

    本番に弱い人の精神状態が赤裸々に語られ、しかも、その精神状態のときに技術的にはどのように失敗するのかVTRを見ながら具体的な説明がありました。
    バラエティ番組のはずなのに、ホラーかと思うほど怖い内容でした。

    1つ目のフライは、緊張で手がガチガチに硬まっていた。
    しかも慌てているため、グローブを出すのが早かった。
    そのため、グローブの土手に当たって球を弾いてしまった。
    さらに、サングラスを帽子の上にかけたまま、目にかけるのをずっと忘れていた。
    球をよく目視できていないのに、そのことにすら気がつかなかった。

    2つ目のフライは、大事に行き過ぎて両手で取ろうとした。
    片手のほうが可動域が広く操作しやすいのに、両手で取ろうとして、結局、球をこぼした。
    普段とは違うことをそのときだけやってしまったのです。
    子どもの頃からフライなんかいくらでも取ってきたプロ野球選手が。


    生徒の数学の答案を見ても、テストのときだけ不可解な答案を書く子がいます。
    普段したことがない計算の工夫をして間違えたり。
    普段は、単なる移項すらいちいち丁寧に書いているのに、テストのときだけ左辺と右辺をひっくり返しながら部分的に移項もして、結果、符号ミスをしたり。
    テストでそういうことをしたいのなら普段から練習しておけば良いのに、なぜか普段は丁寧なやり方を変えない子がテストのときだけそんなことをします。
    あるいは、テスト中だけその解き方が正しいのだとなぜか思い込んで、間違ったやり方をしていたり。
    テストのときだけなぜか普段と違うことをしてしまうのです。
    後で冷静になれば何でそんなことをしていたのか本人も理解できないような考えにとりつかれてしまうようです。
    理解不足だった問題をやっぱり間違えているというような、ある意味で安定感のあるものとは印象の異なる、不安定な数学の答案を見ることがあります。


    「数学不安症」という言葉があります。
    1950年代に確認され、近年、アメリカのスタンフォード大学で、数学の問題を見ると脳の恐怖中枢の活動が高まる人が存在することが実証されました。
    イギリスでは全人口の4分の1が数学不安症であると推測されているそうです。
    理解できない数学の問題を見るとき、ヘビを見たときに感じるような恐怖や不安を感じる。
    不安ばかりでなく、実際に身体に痛みを覚える人もいます。
    数学の問題を見ると頭が痛くなったり、お腹が痛くなったりします。
    他の科目ではそのようなことはないのに、なぜ数学だけそのような不安症が出るのでしょうか?

    正解・不正解があまりにも明確で、到達度に関して数値目標が明示されやすいこと。
    子どもの頃から計算スピードや到達度に関して具体的に強い期待をされ、要求されること。
    そうしたことが他の科目とは異なる点ではないかと分析されています。

    確かに、私がこれまでに見てきた、テスト前日で異様に動揺してしまう子は、本人や保護者が漠然と期待している実力と、本当の実力との乖離の激しい子たちでした。
    子どもの頃から強く期待され要求され、特に計算ミス・ケアレスミスについては強めに指摘されてきたのかもしれません。
    お子さんの小学校の算数を見るお母さんは、計算ミス・ケアレスミスに厳しくなりがちです。
    解けない文章題のことを問題視して叱るお母様は少ないと思うのですが、計算ミス・ケアレスミスは問題視する傾向があると思います。
    ここは得点できるのに、と思ってしまう。
    ついつい、そこを強めに指摘してしまう・・・。

    しかし、毎度毎度計算ミスのことを強めに指摘されてきた小学生が計算ミスをしなくなるかというと、そうでもないのです。
    字が雑で、勉強に対する心構えも甘くて、それでミスばかりしているような小学生ならば、中学・高校と本人が成長するにつれて意識が高まり、計算ミスをしなくなることが期待できます。
    しかし、小学生の頃から、字は丁寧だし、ノートの取り方もしっかりしているのに、なぜか計算ミス・ケアレスミスが多いという子の場合、中学・高校と進むにつれて、指摘されればされるほど、むしろミスは増えていくように感じます。
    学年が上がるにつれて、本人が余裕をもって解くことができる問題は減っていきます。
    期待に応えてテストで高い得点を取ることは、年々難しくなっていきます。
    親からの期待。
    本人のプライド。
    そうしたものが混沌としている中で、
    「失敗してはいけない」
    となったとき、むしろミスをする土壌が出来上がってしまうのでしょう。

    ここで複雑なのは、計算ミスの多い子が、それを直視し、それを自分の課題としてとらえているかというと、むしろそれは本人の中で表面化していないことが多いのです。
    自分がミスをしやすい人間であると認めることは、非常に自己評価を下げる・・・。
    そういう気持ちがあるのかもしれません。
    前述のように、計算ミスをしやすく、基本問題で得点することも心もとない子が、応用問題にこだわるのを見ると、そのように感じます。
    子どもの頃から繰り返し注意されてきたケアレスミスのことを、本人は表面的には自覚していないように見えるのです。
    自分は他人よりはミスが少ないほうだとすら思っているように感じられます。
    そして、応用問題が解けなかったことばかり、強く意識しています。

    ただ、無意識のレベルでは、自分がミスをしやすいことはわかっていると思うのです。
    その影のような不安が、さらにミスを誘い込んでいるのかもしれません。
    テストのときに、気持ちが不安定になり、さらにミスをしやすくなるのです。
    ケアレスミスは、本人が不注意に問題を解いているから起きているとは限りません。
    真剣に解いていても、計算過程で1つ指数を書き洩らしたら、もう正解には至りません。
    心が不安定であるため、正確さ・完璧さを保つことができないのです。
    問題が、本人にとって心の負担になっているほど難しい。
    実は根本のところがあまり理解できていない。
    しかし、それを認められない。
    周囲も認めてくれない・・・。

    計算ミスは、計算ミスだけが課題なのではありません。
    本人の現在の実力と、頭の中で本人が思っている理想の実力との乖離。
    そのことからくる、勉強のやり方のまずさ。
    尽きない不安。
    そこに課題があると感じます。

    多様なミスを多発している人は、ケアレスミスを除外して、「本当は何点取れた」=「自分は何点の実力」と評価する傾向があります。
    保護者の方がそのような得点の読み方をしていることもあると思います。
    だから、実際の得点と自己評価とがいつまでも一致しません。
    本来やるべき、基本問題を何も見ないで自力で解く練習を、ろくにしないでテストを受けています。
    応用問題ばかり気にしています。
    しかし、本当は基本問題を解けないことに、常に影のような不安がさしています。
    そのような状態でテストを受けて、良い結果が出るはずがありません。

    特に高校生で数学の得点が低い場合、理由は明らかに勉強不足なのです。
    学校の問題集をノートに解くことがテスト勉強の全てになっていることは、繰り返しここで書いてきました。
    基本問題すら公式や解答解説を見ながら解いているので、練習になっていません。
    そして、問題集の発展問題や章末の演習問題を何とかノートに解くことに非常に多くの時間を使っています。

    「学校の問題集のB問題の難しいもの、発展問題、章末の演習問題は、3分考えてわからなかったら、赤ペンで解答解説をノートに丸写しして提出しなさい。意味を考える必要はない。式は解説を見ても、計算だけは自分でやろうと思う必要もない。丸写しをしなさい。その代わり、例題とA問題を解答解説を見ないでもう一度解きなさい」
    高校生の場合は、たったそれだけの指示で、テストの得点が目に見えて改善していくことがあります。
    60点までなら、それで上がります。
    60点取れる力がついてから、B問題、発展問題、章末演習問題に目を向けても遅くはありません。

    それでは間にあわなくなるのでは・・・?

    ・・・何に?
    基本も身に着かない今の勉強をしていて、では何に間に合うのでしょう?

    しかし、数学不安症的な子は、このような指示に従うことができない子が多いです。
    やはり、不安なのでしょう。
    それでは、間に合わなくなる・・・。
    あるいは、そんなことをしたら学校の先生に叱られるか目をつけられると思っている子もいます。
    定期テストで30点台の子が応用問題を赤ペンで丸写ししたノートを提出することを問題視する高校の数学の先生なんていません。
    その代わりに例題やA問題をもう1度解いているならなおさらです。
    しかし、そこでも障壁となるのは、実態と乖離した高い理想自己なのかもしれません。
    そうして、解答解説を読んでも意味のわからない発展問題・章末演習問題に時間をかけ、公式を上手く使えない不安定な状態でテストを受け、指数の書き洩らしや符号ミスを多発し、基本問題が8割を占めるテストで惨敗します。
    そして、テストの後は、ケアレスミスした問題は得点できた問題として加算し、捕らぬ狸の皮算用を繰り返します。

    そんなことをしているから、内心の不安が消えない。

    誰にも彼にも基本・基本・基本という教え方には私は懐疑的です。
    小学生や中学生には、その子の現在の学力で理解できる限界まで応用問題を解かせます。
    「同じ問題集を全問3回解き直し」
    といった、写経のような学習方法は、生徒よりも先に私がうんざりしてしまいます。
    解ける問題を3回解いても意味がありません。
    特に公立中学の教科書準拠ワークの基本問題は簡単過ぎて、基本問題を3回解いても定期テストには対応できません。
    そのレベルで良いと思っていると、定期テストの問題は解けません。

    しかし、高校生は違います。
    高校生は、学校の問題集の基本問題を何も見ないで自力で解く学力に至っていない子が多いのです。
    高校数学の基本問題は、彼らにとって基本問題ではありません。
    しかも、そのことに気づいていない。
    あるいは、認められない。
    それでは、不安が消えないでしょう。

    まず自分の不安の正体を見つめましょう。


      


  • Posted by セギ at 13:35Comments(0)算数・数学

    2019年07月03日

    高校英語。不定詞その3。完了形の不定詞とseemなど。


    さて、今回は、こんな問題から。

    問題 以下の2文がほぼ同じ意味となるよう、空所を埋めよ。
    It seems that he was ill.
    He seems (  )(  )(  ) ill.

    こういう問題を目にしたとき、問題文には不定詞が全く出てこないこともあって、不定詞の文法問題であることすら気づかないということがあります。
    テスト範囲が限定されていない模試や入試では、不定詞という発想すら湧いてこないので解けない人がいます。

    学校の文法テキストの問題だけ繰り返し解いていても、何が典型題なのか気づかないということがあると思います。
    他の文法問題集もあわせて解くことで、
    「あれ、この問題、学校のテキストでも見た」
    「同じような問題を以前も解いた」
    という感覚が養われていきます。
    単語も何もかも同じ問題である場合、たまたまどこかの大学の過去問が別の問題集でも採用されているだけということもありますが、単語は違うものが使われ、文意は異なるのに、構造が同じ問題が他の問題集にも載っていることは多いです。
    結局、それが英文法の典型題です。
    典型題を把握すると、文法問題は何が出題されるのか大体わかるようになりますので、安心して解いていくことができるようになります。
    そのためにも、感覚で解くのをやめて、文法的にこれはどういう問題なのかを分析して解いていくことが大切です。

    さて、それでは上の問題は、文法的にはどういう問題なのでしょう。
    そもそも、空所がないほうの文は、どういう文なのでしょうか。

    これは、「It seems that ~.の文」として理解するのが一番簡単です。
    この it は、特に何かを意味するものではありません。
    seem の他、appear , look , happen などの動詞の主語として用いられます。
    It seems that ~.で「~のようだ。~らしい」という意味になります。

    It seems that he was ill.
    彼は病気だったようだ。
    過去に病気だったように現在見えるということです。
    病み上がりのように見えるのでしょう。
    顔色がまだ悪いとか、入院していたという話を聞いたとか、何かそういう情報があるのだと思います。
    とはいえ、現在病気であるように見えるということではなく、過去に病気だったように現在見えるのです。

    これを、he を主語に変えたのが、空所のあるほうの文です。
    まず、最も単純に書き換えてみると。
    He seems that he was ill.
    意味内容が伝わらないことはないと思いますが、he が2回も使われていて、何だか不自然ですね。
    he は一度でいいでしょう。

    He seems that was ill.
    これでいいでしょうか?
    いいえ、このように that 節の主語を省略することは、英語では認められていません。
    これは間違いです。
    that が接続詞なのか従属節の主語なのか見分けがつかないですし。
    えー、じゃあどうしよう?

    ここで登場するのが、to 不定詞です。
    to 不定詞は、that 節の代わりをすることができるのです。
    文の主語が不定詞の意味上の主語と一致する場合、主語を明示しなくても済むのも、この場合大変都合の良いことです。

    それでは、答えは、
    He seems (to)(be)(  ) ill.

    ・・・あれ?
    (  )が1つ余る・・・。
    何が違うのだろう?

    ここで時制について考えましょう。
    It seems that he was ill.
    という空所のないほうの文は、文全体の動詞 seems は現在形ですが、that 節の動詞 was は過去形です。
    時制がズレているのです。
    「時制の一致」という言葉を聞いたことがあると思いますが、それは主節が過去形のときに that 節もその時制にあわせていくことを指します。
    一方、主節の時制が現在で that 節の時制が過去なのはよくあることで、何も問題ありません。
    「~のように見える」のは現在だけれど、彼が病気だったのは過去のことです。
    だから、日本語では「彼は病気だったようだ」となります。

    しかし、上の答案では、
    He seems to be ill.
    不定詞の時制は、このままでは文全体の動詞の時制と一致してしまいます。
    彼は、現在病気であるように、現在見えるという意味になります。
    「彼は病気のようだ」と訳すことになってしまいます。

    不定詞の時制は、このままでは文全体の動詞の時制と一致してしまう・・・。
    では、時制をズラす方法はないのでしょうか?

    そこで登場するのが、完了形の不定詞です。
    形は、「to have +過去分詞」。
    助動詞のところでも出てきましたが、「have+過去分詞」という現在完了の形を使うことで時制を1つ古くするのは、英語の基本ルールです。
    またこのルールだと気づくことで、英語全体の構造も見えてきます。

    したがって正解は、
    He seems (to)(have)(been) ill.
    となります。

    「to have +過去分詞」の完了形の不定詞は、単に「不定詞の過去形」というわけではありません。
    絶対的に過去のことを表すわけではないのです。
    これは相対的なことで、文全体の動詞の時制よりも1つ古い時制になるのです。
    主節が現在形なら、「to have +過去分詞」は過去を表します。
    主節が過去形なら、「to have +過去分詞」は、過去よりもさらに過去の大過去を表します。

    整理しますと、主節と that の両方が現在ならば、
    It seems that he is ill.
    =He seems to be ill.
    彼は病気のようだ。
    現在病気であるように現在見えるのです。

    主節が現在で、that 節が過去ならば、
    It seems that he was ill.
    =He seems to have been ill.
    彼は病気だったようだ。
    過去に病気だったように現在見えるのです。

    主節が過去で that 節も過去なのは、時制の一致で、時間的なズレはありません。
    It seemed that he was ill.
    =He seemed to be ill.
    彼は病気のようだった。
    過去のそのときに彼は病気であるように、そのときに見えたのです。
    そのときに具合が悪そうに見えたのでしょう。
    あるいは、そういう話をそのときに聞いたのかもしれません。

    主節が過去で、that 節が過去完了の場合は、時がズレています。
    It seemed that he had been ill.
    =He seemed to have been ill.
    彼は病気だったようだった。
    「~のように見えた」のは過去で、彼が病気だったのは、さらにその前の大過去となります。
    見えたときの段階では彼は病み上がりで、もう回復していたのでしょう。
    大過去に病気だったように、過去のそのとき見えたのです。

    こういうことを「英語はスッキリしているなあ」ととらえる人は文法好きな人。
    「ごちゃごちゃしていてよくわからない」と思う人は、あまり文法が好きではない人。
    大雑把にはそのように言えるかもしれません。
    文法好きにとっては、どこがごちゃごちゃしているんだろう、こんなに機械的ならむしろありがたい、と感じるところです。
    それぞれの訳を見たらわかりますが、日本語だって同じ程度には機械的で、同じ程度にはごちゃごちゃしています。

    「訳し分けがわからない」
    という人もいますが、それは、むしろ日本語能力の問題が大きいと思います。
    「彼は病気だったようだった」
    と聞いて、そのように見えたのは過去で、病気だったのはそれより古い過去と把握できるかどうか。
    日本語のネイティブでもそれを瞬間で判断するのは難しいということはあると思います。
    ただ、訳しなさい、という問題は減少傾向にあり、今後はさらに減っていくと予想されますので、そんなに心配する必要はありません。
    英語として時がズレているか一致しているかを正確に把握することに集中しましょう。
    むしろ日本語よりも英語のほうが時制の把握は楽かもしれません。


    以前も書いたことがありますが、中学生で英語の過去形や未来の文が全くわからないという子を教えたことがありました。
    練習しても、確かに、使い分けの基準が全くわかっていない様子が見られました。
    「ほら、この文は、yesterday と書いてあるから過去形でしょう?」
    と説明しても、
    「yesterday と書いてあったら過去形なの?」
    と訊き返してくるのでした。
    うん?
    これは変だな、と感じました。
    「日本語でも、『行く』が『行った』になるじゃない?過去形という言い方はしないけれど、過去の助動詞を使うと、文は過去の意味になるよね」
    「え?何それ?」
    「・・・」

    そこで、日本語の過去・現在・未来の文を並べて板書しました。

    現在の文ならば、
    「私は毎週金曜日に塾に行く」
    過去の文ならば、
    「私は昨日塾に行った」
    未来の文ならば、
    「私は明日塾に行くだろう」

    日本語も文末が変っているでしょう?
    日本語にも過去形や現在形、未来形があるんですよ。
    そのように説明すると、その子は、驚愕していました。

    日本語に過去・現在・未来の区別があることに気づいていなかったのです。
    英語だけが、過去だ未来だとこだわるから変だ、英語は変だ、よくわからない、とずっと思っていたようなのです。

    日本語の文法なんて勉強する意味あるの?
    話せるから別に平気じゃん。

    そのように言う人がいますが、日本語に時制があることすら勉強しないと気づかない場合もあります。
    日本語があまりにも自明のものとなっていて、日本語にルールがあることすら気づいていない。
    特に、日本語の助動詞・助詞の学習は、今の子どもには必須のことと感じます。

    日本語にも時制があることに気づいてから、その子は英語への抵抗が少しずつなくなっていき、普通に英語の出来る子へと成長していきました。

      


  • Posted by セギ at 13:49Comments(0)英語

    2019年07月01日

    高校数Ⅱ「式と証明」。二項定理の利用。



    前回と同じく「二項定理」の学習です。
    二項定理は、例えば、(a+b)5などを展開していく際に用いる定理ですが、全て展開しなくても、必要な項の係数だけを求めることもできます。
    例えば、こんな問題です。

    例題 (x+2)6 を展開したときの、x3の係数を求めよ。

    全て展開していくのだとしたら、二項定理を用いて、以下のようになります。
    (x+2)6
    =6C0x6+6C1x5・2+6C2x4・22+6C3x3・23+6C4x2・24+6C5x・25+6C6・26
    =X6+12x5+30x4+160x3+240x2+192x+64

    前回も解説した通り、xの6乗の項は、6個の(x+2)から全てxを選んでかけている項です。
    それは1通りしかありませんので、係数は1です。
    xの5乗の項は、6個の(x+2)から5個のxと1個の2を選んでかけている項です。
    それは、xxxxx2を並べる順列と同じ個数だけ同類項があります。
    同じものを含む順列の考え方を用いて、6C1=6。
    係数としては、2も係数となりますので、6×2=12となります。
    xの4乗の項は、6個の(x+2)から4個のxと2個の2を選んでかけている項。
    それは、xxxx2・2を並べる順列と同じ個数だけあります。
    同じものを含む順列の考え方を用いて、6C2=15。
    2・2も係数となりますので、15×4=60。
    この辺で法則が見えてきたと思います。

    例えば、6C2の「6」は、(x+2)6の「6」です。
    6C2の「2」は、(x+2)の2を「2個」選んでいることを示します。
    それはxを6-2=4(個)選んでいるということでもあります。
    では、問題のx3の係数はどう求めることができるでしょうか。
    x3ということは、6個の(x+2)から、xを3個選んだということ。
    それは、2のほうを6-3=3(個)選んだということです。
    すなわちx・x・x・2・2・2の並べ方だけ、同類項が存在します。
    6C3=(6・5・4)÷(3・2・1)=20。
    2の3乗も係数となりますから、20×23=160。
    答えは、160となります。

    二項定理は、2項のうちの前の項、(x+2)で言えばxの項を初めは6回かける項、次はxを5回2を1回かける項というように、前の項を1個ずつ減らし、後の項を1個ずつ増やしていく形をとっています。
    最後は、全て後の項、(x+2)で言えば2を6回かけて終わります。
    二項定理の一般項は、nやrやn-rといった文字を用いるためか、それで混乱する高校生がいるのですが、全体の流れを把握することで一般項の意味を理解しましょう。

    二項定理を利用する際、前の項の指数を1つずつ減らすと頭ではわかっているのに、途中から前の項の指数を逆に1ずつ増やしてしまうミスをする人は案外多いです。
    また、単純に指数を「書きもらす」「書き間違える」「計算を間違える」を繰り返す人も多いです。
    指数を1つ書きもらしたら、それ以降の計算は全て無駄になります。
    指数の書きもらしは、高校生に極めて多いミスの1つです。


    もう少し解いてみましょう。

    例題 (2x-3y)7 を展開したときのx4y3の係数を求めよ。

    基本の解き方は同じですが、xの項もyの項もそれぞれ1以外の係数がついているのに注意する必要があります。
    それらも全て項全体の係数に含まれていきます。
    x4y3の項ですから、7個の( )から、xを4回yを3回選んでかけた項ということでしょう。
    すなわち、その項の出てくる回数は、7C3。
    さらに、単純にx4y3ではなく、(2x)4・(-3y)3ということなのですから、xの係数である2の4乗、yの係数である(-3)の3乗も係数となります。
    7C3・24・(-3)3
    =(7・6・5)÷(3・2・1)×16×(-27)
    =-15120

    これが答えです。


    さて、ここからは応用です。
    考えてみましょう。

    例題(3x2+x)8 を展開したときの x10の係数を求めよ。

    この問題が今までのもとは違うのは、( )内のどちらの項にもxが含まれていることです。
    どんなときにx10になるのでしょうか?
    3x2の項を5回かけた場合?
    でも、そのとき、もう一方のxの項も3回かけますから、xの指数は合計で13になり、問題の指示とはことなる項になってしまいます。

    こうした問題では、まず、どちらの項を何回ずつかけたらx10の項になるのかを求める必要があります。

    3x2をp回、xをq回かけた項がxの10乗の項であるとします。
    全体で8乗、すなわち、8個の同じ( )から、どちらかの項を1つずつ選んでかけていくと個々の項が出てくるのですから、
    p+q=8・・・① となります。
    また、x10という結果になることを踏まえると、指数法則から、
    2p+q=10・・・② となります。
    (3x2)p・xqという項がx10の項となることから、その指数部分だけを見て②の式を立てています。
    指数法則の理解が曖昧だと、ここは少し難しいところかもしれません。
    指数法則の基本を振り返ってみましょう。
    22×23は、2の何乗でしょうか?
    22×23=(2・2)×(2・2・2)=25 です。
    すなわち、積の場合は、指数同士をたすことになります。
    また、(22)3は、2の何乗でしょうか?
    (22)3=(2・2)×(2・2)×(2・2)=26 です。
    すなわち、累乗の場合は、指数の積となります。
    したがって、上の式のは、
    (3x2)p・xq=3p・x2p・xq ですので、xの次数は、2p+qとなります。
    ①・②を連立して解くと、
    p=2、q=6
    よって、3x2を2回、xを6回かけた項がxの10乗の項であるとわかります。
    あとは、二項定理にあてはめて、係数は、
    8C6・32・16
    =(8・7)÷(2・1)×9
    =4・7・9
    =252
    これが答えです。

    さらにこのような問題はどうでしょうか。

    例題 (x2+1/x)10 を展開したときのx11の係数を求めよ。

    後の項は分母にxがある分数です。
    前の項との積は、約分されてxの次数が減ってしまいます。
    x2をp回、1/xをq回かけるとすると、
    p+q=10 ・・・① であるのは上の問題と変わりませんが、
    xの指数はたし算ではなくなります。
    約分されて減りますから、
    2p-q=11 ・・・② となります。
    (x2)p・(1/x)q を計算すると、分子はx2p、分母はxq ですから、分母にあるだけのxを約分することになります。
    約分の結果、xの次数は 2p-q となります。
    それが10だというのが、②の式です。
    ①、②を連立して、
    3p=21、すなわちp=7、q=3 です。
    x2を7回、1/xを3回かけた項がxの11乗となることがわかりました。
    二項定理より、
    10C3=(10・9・8)÷(3・2・1)=10・3・4=120
    係数は120です。

    二項定理だけでなく、指数法則の理解が必要なので、こうした問題は易しい教科書や問題集からは除外されていることがあります。
    使っている指数法則自体は中学校で学んでいる内容なのですが、pだのqだのと抽象化されると「全くわからない」と言う高校生は多いです。
    しかし、この先数Ⅱ「指数関数」を学習した後に受験勉強で解き直すと、少しは理解しやすくなるかもしれません。
    いずれにせよ、大学入試はこのレベルです。
    センター試験は基本問題ばかりとは言いますが、計算ドリルみたいな問題は出題されませんので、最低でもこのレベルとなります。

      


  • Posted by セギ at 11:53Comments(0)算数・数学

    2019年06月29日

    夏期講習空きコマ状況。2019年。


    夏期講習、空きコマ状況のお知らせです。
    申し込みは、7月1日からとなります。
    7月19日現在の空きコマ状況は、以下の通りです。

    7月23日(火) 11:40~13:10
    7月24日(水) 11:40~13:10
    7月29日(月) 11:40~13:10
    8月 1日(木) 11:40~13:10
    8月 3日(土) 11:40~13:10
    8月 5日(月) 15:00~16:30
    8月 6日(火) 18:20~19:50
    8月 7日(水)13:20~14:50
    8月 8日(木)15:00~16:30 , 16:40~18:10
    8月 9日(金) 16:40~18:10 , 18:20~19:50
    8月10日(土) 13:20~14:50 , 15:00~16:30 , 16:40~18:10 , 18:20~19:50 , 20:00~21:30
    8月19日(月)16:40~18:10
    8月20日(火)20:00~21:30
    8月21日(水)15:00~16:30 , 16:40~18:10
    8月22日(木)
    10:00~11:30 , 11:40~13:10,13:20~14:50 , 15:00~16:30
    8月23日(金)
    13:20~14:50 , 15:00~16:30 , 16:40~18:10
    8月24日(土)
    10:00~11:30 , 11:40~13:10 , 13:20~14:50 , 16:40~18:10
    8月26日(月)
    10:00~11:30 , 13:20~14:50 , 15:00~16:30
    8月27日(火)15:00~16:30
    8月28日(水)
    10:00~11:30 , 13:20~14:50 , 15:00~16:30
    8月29日(木)
    10:00~11:30 , 11:40~13:10 , 13:20~14:50 , 15:00~16:30
    8月30日(金)
    10:00~11:30 , 13:20~14:50 , 15:00~16:30
    8月31日(土)
    10:00~11:30 , 13:20~14:50 , 15:00~16:30 , 20:00~21:30



      


  • 2019年06月29日

    高校英語。不定詞その2。動名詞と不定詞の両方をとる動詞。


    不定詞と動名詞の使い分け。
    今回はこんな問題から。

    問題 ( )内の正しいものを選べ。
    (1) Don't forget (1. to post 2.posting ) this letter on yuor way to school.
    (2) I remember (1.to see 2.seeeing ) him when he was a little boy.
    (3) I tried (1.to talk 2.talking ) to her, but I couldn't.
    (4) My bike needs (1.to repair 2.repairing).

    これも、よく勉強している人なら中学生でも正答できると思います。
    不定詞のみを目的語にとる動詞と、動名詞のみを目的語にとる動詞があることを前回確認しました。
    それ以外は、不定詞と動名詞と両方を目的語にとる動詞です。
    とはいえ、動詞によって不定詞と動名詞とどちらかが好まれたりしますが、そういう曖昧なものは入試問題に出されることはほとんどありません。
    試験に出るのは、使い分けが明瞭な場合です。
    つまり、どちらを目的語にとるかによって意味が明確に変わるものがあるのです。

    それは、前回まとめた、不定詞と動名詞の基本的な意味の違いに由来します。
    不定詞は、時間的に未来を指向し、動名詞は、時間的に中立であるか過去を指向する。
    この観点で見分ければ、上の(1)~(3)は正解できます。

    (1)の forget は、「忘れる」という意味の動詞です。
    forget +to 不定詞で、「これから~することを忘れる」という意味になります。
    forget +動名詞は、「過去に~したことを忘れる」という意味です。
    だから、全体の文意を把握して、どちらが適切かを判断します。
    (1)は、「この手紙を学校に行く途中で、忘れずに投函して」という意味でしょう。
    投函するのは、未来のこと。
    だから、答えは 1.to post です。

    (2)のremember は「覚えている」という意味の動詞です。
    remember+to 不定詞 で、「これから~することを覚えている」。
    remember+動名詞 で、「過去に~したことを覚えている」。
    (2)の文は、「私は、彼が子どもだったときに会ったのを覚えている」という内容です。
    会ったのは過去のことですから、答えは 2.seeing です。

    (3) の try は、「挑戦する」という、何だか立派な訳で覚えている人もいるのですが、もう少し気軽な訳を知っておいたほうが使い回しが効きます。
    try+to 不定詞 で、「~しようとする」。
    try+動名詞で、「試しに~する」。
    未来と過去というよりも、実現されたのか、されなかったのか、としたほうがわかりやすいでしょうか。
    不定詞のほうは、~しようとするだけで、実現しない可能性があります。
    未来のことは不定なのです。
    いえ、だから不定詞というわけではないですが、それでこじつけると覚えやすいですね。
    動名詞のほうは、実際にやっています。
    過去は常に事実です。
    (3) の文は、「私は彼女に話しかけようとしたが、できなかった」という意味です。
    できなかったのですから、事実としては話しかけていません。
    しようとしただけです。
    だから、答えは、1. to talk です。

    ここまでは、1つの観点で判断できましたが、(4) はちょっと傾向が異なります。
    これは、前回述べた不定詞と動名詞の使い分けの原則の3つ目に由来します。
    すなわち、不定詞の意味上の主語は明記しない限りはその文の主語と一致するが、動名詞の意味上の主語は必ずしも文の主語と一致しないのです。
    この観点から、もう一度(4) の英文を見てみましょう。

    (4) My bike needs (1.to repair 2.repairing).

    主語は「私の自転車」です。
    私の自転車は、repair 「修理する」という動作を行うでしょうか?
    自転車が使われていない間に自らを修理する・・・。
    うーん、便利で未来的。
    ・・・しかし、そんな自転車はまだ開発されていません。
    自転車は、修理するのではなく、修理されるものです。
    ですから、この文の主語が自転車である限り、不定詞はこのままでは用いることができません。
    答えは、2. repairing となります。
    この文は、「この自転車は修理が必要だ」という意味です。
    もしも不定詞を用いるのならば、不定詞の受動態を使います。
    My bike needs to be repaired.
    私の自転車は、修理される必要がある。
    これなら意味が通ります。


    今回は、to不定詞と動名詞の使い分けにしぼっていますが、実際の問題は、4択問題が普通です。
    to 不定詞、動名詞(または現在分詞)、原形不定詞、過去分詞。
    この4択の使い分け問題が、センター試験の定番です。
    英検やTOEICでも必ず出題される問題です。

    出るとわかりきっているのに苦手とする人が多いのは、勘で解いてしまっているからです。
    使い分けの根拠は文法です。
    英語ネイティブではない日本人は、これを感覚で解くことはできません。
    「こんな英語は見た覚えがない」
    と、狭い知見で判断する人は、上の(4)は正答できないと思います。
    need to という言い方のほうをむしろ沢山見たことがあると感じるでしょう。
    しかし、それは、主語が人間のときです。
    need ~ing の用法をまだ学習していなかったから知らないだけなのです。
    自分はまだ英語を学び始めたところで、知らない用法が沢山あるから、感覚で英語を解くのは無理。
    そのことを自覚して、1つ1つ確実に知識を身につけていけば、このような文法問題は、むしろ得点源になります。
      


  • Posted by セギ at 12:53Comments(0)英語

    2019年06月26日

    数学Ⅱ「式と証明」多項定理。


    今回は、「多項定理」の学習です。
    例えば、こんな問題です。

    問題 (a+b+c)7の展開式におけるa3b2c2の係数を求めよ。

    まずは、(a+b+c)7を逐一展開することをイメージしましょう。
    考え方の基本は二項定理のときと同じです。
    (a+b+c)(a+b+c)(a+b+c)(a+b+c)(a+b+c)(a+b+c)(a+b+c)
    と書いてみるとわかりやすいと思いますが、この7つの( )から文字を1つずつ選んでかけたものが、展開した際の1つ1つの項となります。
    aaaaaaaすなわちa7は1度しか出てきませんので、係数は1だとすぐわかりますが、aaabbccすなわちa3b2c2は、何回も同じものが出てくるでしょう。
    どの( )からaを選び、どの( )からbを選び、どの( )からcを選ぶのか。
    それらを選んで並べた順番だけ、同じ項が出てきます。
    aaabbccだったり、aababccだったりと、文字の順番はそれぞれ違うでしょうが、まとめるとa3b2c2となることに変わりはない同類項です。
    そしてそれの出てきた回数が、a3b2c2の係数となるでしょう。

    それは、aaabbccを並べる順列の数と同じです。

    すなわち、ここでも用いるのは「同じものを含む順列」です。
    「同じものを含む順列」の考え方は2通りあります。
    前回は並んだ箱をイメージして、特定の文字を入れる箱をそこから選ぶという考え方を用いました。
    今回は別の考え方を用いてみましょう。
    aaabbccで言えば、まずは7つの文字の順列を単純に考えます。
    すなわち、7P7=7!ですね。
    しかし、これは、同じ文字を別のものとして数えています。
    aについて考えれば、aの後ろに番号をつけて区別して、3つのa1,a2,a3をそれぞれ別の文字として数えていることになります。
    しかし、表面的には、それらは同じ文字です。
    a1,a2,b,a3,b,c,c も、a2,a3,b,a1,b,c,c も、実質は同じ並べ方で、区別する必要がありません。
    7!では、同じ並べ方を何度もかぶって計算していることになります。
    どれだけかぶって計算しているでしょうか?
    上の例で言えば、
    〇〇b〇bcc
    の〇の位置にaがあります。
    その3つの〇にa1,a2,a3を並べる順列だけ、同じ並べ方を何度もかぶって計算しているでしょう。
    すなわち、aに関しては、7!を3!で割ることで本当の順列の数が出てきます。
    次に、bについてはどうでしょう。
    これも同じで、2つのbの位置にどちらのbを入れても実質は同じなので、bの並べ方だけかぶって計算していますから、2!で割ることで本当の順列の数が出てきます。
    最後のcについても同様に、2!で割ることで本当の順列の数が出てきます。
    すなわち、7!/(3!2!2!) をすることで、正しい順列の数が導かれます。
    7!/(3!2!2!)
    =(7・6・5・4・3・2・1)/(3・2・1・2・1・2・1)
    =7・6・5
    =210

    これがa3b2c2の係数です。

    ところで、前回のようなCを使った求め方はできないでしょうか。
    上の問題で言えば、まず7つの並んだ箱をイメージします。
    その7つから、aを入れる3つの箱を選びます。
    すなわち、7C3です。
    次に、残った4つ箱からbを入れる箱を選びます。
    これは、4C2です。
    上の2つは積の関係が成り立ちますから、7C3・4C2で全体の数を求めることができます。
    ここで、残った2つの箱には自動的にcが入ります。
    だから計算しなくても良いのですが、2つの箱から2つを選ぶ、すなわち2C2をやるとしても、同じ結果になります。
    2C2=1ですから。
    それをあえて書くと、
    7C3・4C2・2C2
    =(7・6・5/3・2・1)×(4・3/2・1)×(2・1/2・1)
    分数で表記するとよりわかりやすいと思いますが、これは上の解き方の、
    (7・6・5・4・3・2・1)/(3・2・1・2・1・2・1)
    と全く同じ式です。
    結局、この2つは同じ式になるのです。
    だとしたら、上の解き方のほうが、簡単に立式できそうです。
    7!/3!2!2!
    の分子の「7」はどこから来た数字かというと、(a+b+c)7の「7」です。
    分母の3!2!2!の「3」「2」「2」は何の数字かというと、a3b2c2という項のそれぞれの文字の指数です。
    与えられた式の指数と求める項の指数を見ただけでささっと立式できます。
    そのようにして公式化されたもの。
    それが多項定理です。


    別の問題も解いてみましょう。

    問題 (a-b+2c)7 の展開式におけるa2b3c2の係数を求めよ。

    まず、7!/(2!3!2!) は必要ですが、これだけではありません。
    それぞれの項に1以外の係数がありますので、それも考えます。
    bの係数は-1ですので、-bを3回かけたのですから、(-1)3も係数としてかけなければなりません。
    cの係数は2ですので、22もかけなければなりません。
    したがって、
    7!/(2!3!2!)・(-1)3・2
    =-210・4
    =-840
    これが答えとなります。


    二項定理も多項定理も、一度出てくるとまたしばらく出てこないせいか忘れやすく、忘れてしまうと公式の意味がわからないので使えなくなり、また公式の意味を一から説明しなければならなくなることが多い定理です。
    公式というのは不思議なもので、「この公式は以前に自分は理解した」「証明も理解した」という記憶が残っていれば、今、その証明を覚えていなくても、自信をもって使用できます。
    しかし、公式自体を完全に忘れてしまい、学習した記憶すらないようだと、急に「この公式を使って」と言われても、気持ちが硬直し、手が止まってしまって使えない人が多いです。
    その都度、なぜその公式で解けるのか、基礎の基礎に戻らなければなりません。
    多項定理の場合、説明しようとすると順列や組合せの基礎にまで戻らないといけないですし、実は順列と組合せもよく理解できていなかったことが掘り起こされてしまったりします。
    そうした復習は一度で済めば「良い機会だった」「良い復習ができた」という感想を教える者も教わる者も抱きますが、多くの場合、一度では済まない覚悟が互いに必要です。
    そのときはわかったような気がしても、また忘れてしまう人が多いのです。
    苦手なことを得意にするというのは、生易しいことではありません。
    どうせまた忘れてしまうのだから、諦めて丸暗記して使えばいいのに・・・というわけにはいきませんし。

    記憶が残るようになるまでは何度でも説明。
    そうする覚悟が教える側に必要となります。

    とはいえ、教わる側にも遠慮が生じるようです。
    個別指導だから、わからないことは何度でも質問していいはずだけれど、センセイがちょっと変な顔をしているなあ・・・。
    以前に説明したのに・・・という顔だなあ。
    きっと説明されたんだろうなあ。
    覚えてないけど。
    ということはあるようです。

    そんなときは、教科書や参考書、こうしたネットの記録や動画を利用するのをお薦めします。
    応用問題の解き方などは調べてもわからない場合が大半と思いますが、基本の公式の意味と証明は、すぐに調べることができます。
    何度でも復習できます。


    少し話が変わりますが、先日、高校生から「英語のリスニング力を強化したい」という相談があり、それはリスニング教材で実際に練習するのも勿論だけれど、NHKのラジオ講座がいいよと話しました。
    そのとき、その子は、問い返しました。
    「え?NHKはラジオもそういうのをやっているんですか?英語もやっているんですか?」
    「・・・うん?どういうこと?」
    「高校の物理の先生がNHKの物理講座がいいというので、録画して見てるんで。あれはかなり助かります」
    「・・・ああ。それは、NHK高校講座の番組ですね。テレビやラジオで番組を見たり聞いたりして、レポートを書いたり、テストを受けたり、スクーリングに参加したりすると、高校卒業の資格を得ることができるんですよ」
    「・・・え?何ですか、それ」
    「・・・ていうか、私の勧めるラジオ講座は、それじゃないんだけど」
    「・・・え?」
    といった、かなり混線した会話を交わしました。

    NHK語学講座のことも、それとは別系統のNHK高校講座のことも、知らない子は全く知らない。
    勿体ないことだと思います。
    NHK高校講座数学Ⅰはテレビで、数学Ⅱはラジオで通年放送中です。
    非常に易しいので、基本中の基本を理解したい人にお薦めです。
    急に授業が空いて、午後7時台にぽつんと1人教室にいるときなど、ラジオ講座数学Ⅱを聴くことがあります。
    テキストがなくても聴き取れるほど易しいです。
    テキストがあればさらに易しいでしょう。
    お薦めです。

      


  • Posted by セギ at 14:49Comments(0)算数・数学

    2019年06月24日

    ピグマリオン効果と、その否定と。



    ピグマリオン効果とは、教師がその生徒は高い能力を持っていると信じ、期待し、そのように接すると、実際に生徒の成績は上がっていくという効果のことです。
    この説には異論も多く、学術的に立証された説というのではありません。
    教師の期待が、実際に生徒にどのように伝わっていくものなのか、具体的に立証する術もないですし。

    「褒めて育てる」という考え方と混同されがちなのも批判される一因だと思います。
    確かに、褒めることがテクニックになってしまい、しかも「褒めて育てる教育」という教育論を子ども自身が見聞きしていては、褒めることも逆効果になってしまいかねません。
    当然注意されるべきことを注意されただけでも、
    「褒めなければ人は伸びないのに、叱るなんておかしい」
    と子ども本人が考えるようでは、褒めても叱っても、伸びる可能性は低いでしょう。
    大した結果も出していない子を褒め続ければ、こんな程度でいいのかと子どもの中での基準が低くなり、それ以上を目指さなくなることもあります。

    私の思うピグマリオン効果は、そういうものとは少し異なります。
    褒めるのではなく、ただ秀才として信じ、遇する。
    現在の成績は悪くても、目の前の問題を今は解けなくても、この子の中には才能が眠っていると確信して接しているとき、実際秀才になった例は多いというのが私の手ごたえです。

    それは、ピグマリオン効果ではなく、実際にその子に素質があって、それが開花しただけではないのか?
    そう言われたらそうかもしれないのですが。

    そしてその逆もあります。

    もう随分前のこと。
    私が大手の個別指導塾に勤めていた頃のことです。
    小学生の男の子の算数を担当したことがありました。
    受験算数ではなく、普通の算数でした。
    算数は苦手とのことでしたが、基本をしっかり学習していくことで、学校の算数の授業やテストに対応していくことができるようになりました。
    カラーテストも満点を取ることが多くなりました。

    数か月して、その子の態度が変わっていきました。
    必ず持ってきて見せてくれた学校のテストを、持ってこなくなったのです。
    「テスト・・・?ああ、100点、100点」
    と、結果は言うのですが、持ってこないのです。
    「テストは昨日あった。まだ返ってこないけど、どうせ100点」
    そう言うこともありました。

    計算問題を解くのを嫌がるようにもなりました。
    以前は、上手くできる自信がなくて嫌がるのを励ますと何とか出来るようになり、少しずつ自信を得ていったのですが、
    「こんなの簡単だし」
    と口にするようになりました。
    なめてかかれば失敗します。
    すると、
    「俺様としたことが」
    と言ったりもしました。
    そんなキャラクターの子ではなかったのに、どうしたのだろう?

    塾では、学校よりも少し先を予習します。
    初めて学ぶ内容を学習するときの態度も少しずつ変わっていきました。
    私の説明をよく聞かず、やたらと話を遮りました。
    「わかった。こういうことでしょう?」
    と自分の考えを口にしますが、まだ若かった私にとってはちょっと対処に困るほど見当外れなのでした。
    「いやいや、そういうことじゃない。とりあえず、この説明だけは聞いてから、その先を考えよう」
    そう制して、基本の説明を聞いてもらおうとしましたが、それもすぐにさえぎられました。
    「わかった。こういうことだ」
    「いや、違うよ」
    「えー・・・」
    露骨にがっかりした顔をします。
    そんなとき、その子は、
    「学校の授業はわかりやすくて面白いのになあ」
    とつぶやくこともありました。
    「・・・うーん。それは、塾で予習して問題も完璧に解けるようになってから学校の授業を受けているからでしょう」
    塾で既に学習済みのことを、学校では初めて自分で気づいたように発言したり問題を解いたりしているんだから、それはわかりやすくて楽しいでしょう?
    その子は、私の指摘が理解できたのかできなかったのか、黙ってしまい、その話はそれきりになりました。

    学校のテスト問題を楽に解けるよう、塾ではそれより少し難しい問題も解きます。
    そうした問題を解く際のその子の姿勢は、しかし、筋道立てて考えるというものではありませんでした。
    「これ、かけ算?」
    「・・・え?」
    「わり算?」
    「・・・いや、そういうことを言い出したら、ただの四択問題になって、いつかは当たるでしょう。そうじゃなくて、かけ算ならかけ算で、どうしてなのかを説明して」
    「じゃあ、わり算だ」
    「・・・今の話、聞いてた?」
    その子には、沈黙し、思考する時間が、5秒もありませんでした。
    かけ算?わり算?
    とすぐに言い出し、私の顔色を見てどれが正しいか判断する。
    筋道立てて考えるのではなく、相手の反応を見て正解を探る。
    そういう学習姿勢が表に出るようになっていました。

    その子は、私に褒めてほしかったのかもしれません。
    学校で「よくできる子」と遇されるようになったから、私にもそのように接してほしかったのだろうかと、今になって思います。
    パッと正解を出して、「わあ、よくできたね」と褒めてほしくて、即答にこだわった。
    その即答を疑問視され、よく考えなさいと押し戻される・・・。
    褒めてほしくてやっていることのいちいちを疑問視される・・・。

    それでも、学校で褒められるために予習を一所懸命やろうというモチベーションは高いようだったので、それでも良いと思っていたのですが、少しずつ色々なことが軋み始めていました。

    ある日、教務からとんでもない指示がきました。
    「あの子、中学受験をすることになったから、次の授業から内容を受験算数に変えて」
    「・・・え?」
    文章題の内容を汲み取って考えることをせず、「これ、かけ算?わり算?」と訊いてくる子にとって、受験算数は難しいです。
    しかし、無理だと言って通る話ではないのが当時の大手の個別指導塾でした。
    私が嫌だと言えば、私はその授業を下ろされ、他の講師がその授業に入るだけでした。

    1回目の「植木算」から、授業は困難を極めました。
    実際に絵を描いて考えよう。
    慣れるまではそうしよう?
    そのように呼びかけても、その子はただ呆然としていました。
    私が実際に植木を4本描き、間の数は3個だねと数えてみせても、何のことかわからない様子でした。
    問題文の意味が読み取れないのかと、本人に音読してもらい、私からも範読し、噛み砕いて説明しても、何も理解していないのが見てとれました。
    何のために何をやっているのか、まるでわからないようなのです。
    見たことのない問題が並んでいる。
    見たことのない問題への違和感に、ただ恐怖しているように見えました。
    こんなのは、自分の知っている算数じゃない。
    こんな問題は許せない。
    こんな問題は不当だ。
    受験算数に初めて接したときの多くの小学生が感じることを、その子も感じていたのかもしれません。
    簡単に解くことのできる問題が1題もないのです。
    中学受験生向けの月列テストは、惨憺たる結果となりました。
    塾で予習できないので、やがて学校の算数の授業にも上手くついていけなくなっていったようです。
    学年が上がり、学校の算数も単元によっては難しくなっていったのも一因でしょう。
    数か月後、その子は塾を辞めていきました。


    何がいけなかったのだろう?

    分岐点は沢山あったと思いますし、色々と弁明したいこともありますが、それでも、根本の原因の1つに、私がその子の素質を信じていなかったことは大きいのではないかと思います。
    学校のカラーテストで満点を取れるようにすることはできる。
    しかし、それ以上のことは、できないと感じていました。
    小学校の頃はそれで済んでも、中学に進学すれば、成績は「2」に近い「3」。
    それを維持するのも大変だろうと予測していました。
    伸びることを期待していませんでした。

    なぜ、私はその子の素質を信じなかったのか?
    素質の無さが垣間見える言動が多かったから・・・。
    特に、思考力。
    文章題への姿勢に、疑問を感じたから。

    しかし、そこに言い訳はなかったろうかと考えます。
    その子の素質のせいにすれば、自分の責任から逃れられると無意識に考えてはいなかったろうか?

    私が思う「素質」は、そのときの計算力や理解力ではありませんでした。
    算数や数学の問題を考えないでやり過ごそうとする姿勢が垣間見えると、その子の素質を疑う気持ちが生じていました。

    例えば、かけ算でなけりゃわり算だ、という姿勢が見えたときです。
    あるいは、文章題で、文章に出てきた数字を順番にかけ算しているだけなのが見てとれたとき。
    それは間違っていると言われると、今度は、文章に出てきた大きい数を小さい数で割る式を立てるのを見たとき。
    その子は、段階を踏んで考えていかなければならない文章題は解けませんでした。
    式をまず1つ立て、その結果を使って次の式を立てる問題は解けないのです。
    「考えなさい」と促しても、考えている様子がなく、無制限に喋り続けました。
    「えー?かけ算?わり算?ヒントは?ヒントを出して」
    というように。
    黙って考えなさいと注意しても、考えている気配がありませんでした。
    考えるということが何をどうすることかわからないのか、困惑した様子でした。
    時間が過ぎるのを待っているのか、時計をチラチラ見たりします。
    思索するとき特有の目の表情になりませんでした。
    自分で何か式を立てない限り、この無言の時間は終わらないのだと悟ると、何か式を立てましたが、自分が立てた式の意味を説明できません。
    「この式はどういう意味?」
    と、私が訊くと、慌てて消していました。
    式について話し合いにならず、算数の問題についての対話ができませんでした。
    私が問題について解説を始めると、私の言葉の端々をヒントに一刻も早く正しい式を自分が先に言おうと、それにばかり必死になりますが、深い理解をしていないことは明白でした。

    つまり、考えるということは何をどうすることなのか、そのことを学びそこねているのでした。
    そういう子を見ると、これは無理だ、と判断してきました。
    この子は、伸びない。

    これを学校の算数教育のせいにするのも家庭教育のせいにするのも可能だとは思いますが、それだけではない気がしていたのです。
    ほおっておいても、人というものは、何かを考えるものではないのか?
    なぜ、こんなにも考えることを学びそこねているのだろう?
    まるで空洞のように、そこが欠落している。
    一方で、考えずに算数の点数を取る方法を、なぜこんなに身につけているのだろう?
    それのせいで、まともに考えることから日々遠ざかっていたのです。
    表面上、学校の算数はそこそこできるように見えるので、抜本的な改革の必要を本人も保護者も感じていませんでした。
    算数・数学への理解は、こんなにも空洞化しているのに。
    これでは、中学の数学は理解できない・・・。


    しかし、考えることを知らないことは、素質ではないのではないかと、この頃は思います。
    それは、ただ知らないだけです。
    考えないことが習い性になっている子に、考えることを教えるのは難しい。
    困難を極めます。
    でも、可能なことなのではないか?

    来年度から、小学校の学習指導要領は新しくなり、対話的な深い学びが要求されます。
    考えることが今までよりも重視されます。
    今の小学校で、算数の問題を考えて解くことができない子は、大人が想像する以上に多いのに、です。
    考えることを知らない子は、実は算数をほとんどわかっていません。
    かけ算・わり算の意味すら本当にはわかっていない。
    だから、どんなときにどちらをやるのか、判断できない。
    それを露呈させ、明らかにする力が、その新しい授業にあるのかどうか、今のところはわかりません。
    ただ、考えることを体感的に理解していない子にとって、その授業は空洞化したものにはなると思います。
    これまでも学習を空洞化してきたように。
    その空洞化をごまかすテクニックを、生きる知恵として彼らはまた発見するのか?
    それとも、算数の根本が理解できていないことが、今度こそ露呈されるのか?
    そこから、考えることを学び直すことは可能なのか?

    考えることを知らない子は、今も多いです。
    しかし、少なくとも、考えることを体感として理解していない子を「素質がない」と断じるのをやめてから、伸びない子はいなくなりました。
    人間にとって、思考することは、快楽の1つです。
    考えることは、誰にでもできるのです。
    それは、才能ではない。
    そう信じます。

      


  • Posted by セギ at 15:33Comments(0)講師日記

    2019年06月20日

    高校英語。不定詞その1。動名詞との使い分け。


    今回は高校レベルの不定詞。
    まずはこんな問題から。

    問題 ( )内の正しい語句を選べ。
    (1) I have enjoyed (1.to talk  2.talking ) to you.
    (2) Have you finished (1.to write 2.writing) the letter ?
    (3) Would you mind (1.to shut 2.shutting) the door ?

    これは易しい。
    よく勉強している子なら、中学生でも正答できます。
    これは、動名詞と不定詞の使い分けに関する問題です。

    動名詞は、動詞に~ing をつけて動詞を名詞化したもの。
    「~すること」という意味です。
    不定詞にも、名詞的用法があります。
    「~すること」という意味です。

    意味が重なるので、用法も重なり、どちらを用いても良い場合も多いです。
    しかし、使い分けもあります。
    どのように使い分けるか?
    それにはまず、不定詞と動名詞が持つ本来の意味を把握しておくと区別しやすくなります。

    ①不定詞は時間的に未来を指向するが、動名詞は時間的に中立または過去を指向する。
    She promised to come to the party.
    彼女はそのパーティーに来ると約束した。
    時間的に未来とは、現在から見て未来という意味ではなく、その文の動詞の時制において未来であるということです。
    上の文で、promise すなわち約束したときよりも、パーティーに来ることは未来のこと。
    だから、不定詞が用いられます。
    一方、
    I have enjoyed talking to you.
    あなたと話して楽しかったです。
    enjoy したときと talk したときは同時です。
    あるいは、
    Most men enjoy watching soccer games.
    たいていの男性はサッカーの試合を見るのが好きだ。
    この場合は、watching するのは時間的に過去か未来かは問題ではなく、中立です。
    だから、動名詞が用いられます。
    Have you finished writing the letter ?
    finish したときから見て、write したのは過去のことです。
    だから、動名詞が用いられます。

    ②不定詞だけを目的語にとる動詞は、動作の実現に対して積極的な意味あいがあるが、動名詞のみを目的語にとる動詞には、動作の実現に対して消極的な意味合いがある。
    動作の実現に対して積極的な意味あいがある動詞とは、要求・希望・意図・決心・賛成・援助・約束などの意味をもつ動詞です。
    He claimed to be the owner of the land.
    彼は自分がその土地の持ち主であると主張した。
    「クレーム」なんて否定的だ、とは言わないでください。
    主張することは、自分が地主であることに対して積極的な行動です。
    一方、
    Let's avoid wasting time.
    時間の浪費は避けよう。
    何か文の意味が積極的なんだけど・・・、とは言わないでください。
    時間を浪費するということに対して、「避ける」のだから、消極的です。
    Would you mind shutting the door ?
    ドアを閉めていただけませんか。
    mind の本来の意味は、「気にする・気にさわる」です。
    上の英文の直訳は?
    「あなたは、ドアを閉めることが気にさわりますか」となります。
    動作の実現に対して消極的意味あいの動詞ですから、後ろは動名詞がきます。

    ➂不定詞の意味上の主語は、明示されていない場合は文の主語と一致するが、動名詞の意味上の主語は必ずしも文の主語とは一致しない。
    She began to smoke.
    この場合、喫煙するのは彼女です。
    She doesn't allow smoking in her room.
    彼女は、自分の部屋で喫煙するのを許さない。
    これは、彼女が吸うことだけでなく、他の人が吸うことも許していません。

    この3つを全て満たす必要はなく、どれか1つ当てはまればそれで使い分けます。
    しかし、そんなことをいちいち判断するのは面倒でもあります。
    そこで、動名詞のみを目的語にとる動詞を覚えてしまえば、上のような問題に対する対策は万全となります。

    動名詞のみを目的語にとる主な動詞は以下の通りです。
    admit , advise , appreciate , avoid , concider , delay , deny , enjoy , escape , finish , imagine , mind , miss , permit , postpone , practice , prohibit , quit , recall , recollect , recomend , resisit , risk , stop , understand , give up , leave of , put off

    ・・・多過ぎる・・・。
    これらの動詞の最初の1文字をつなげて、メガフェプスダイリキなどと覚えたりします。
    昔は、メガフェプスで終わっていたのですが、入試にそれ以外の動詞を狙って出題する大学もあり、以後それが加わり、どんどん長くなっています。
    なお、これらは、後ろに不定詞はこないというだけで、that 節はくるものが多いということも理解しておいてください。

      


  • Posted by セギ at 11:24Comments(0)英語

    2019年06月17日

    1学期中間テストの結果が出ました。2019年。


    1学期中間テストの結果が出ました。

    数学 70点台 1人 60点台 1人 50点台 2人
    英語 80点台 1人 50点台 1人 40点台 2人

    受験が終わり、新学期になり、塾生の顔ぶれもかなり変わりました。
    さあ、まずはここから。
    前回、数学が40点台、英語が30点台だった人は、順調に上昇しました。


    数学の成績が思うように伸びない高校生の保護者の方からこんなふうな相談をされることがあります。
    「数学はこつこつ勉強しているようなんですが」

    数学をこつこつ・・・。
    それは、数学を勉強している時間は長いのだろうけれど、質や量の面はどうなのかなあ・・・。
    つい、そう考えてしまいます。

    大半の高校は、問題集を生徒に配っています。
    定期テスト範囲としてその問題集からページ指定があり、テスト当日の朝にそのページの問題を解いたノートを提出することになっている高校が多いです。
    数Ⅰと数A、数Ⅱと数Bのように、高校数学は2科目あります。
    1回のテスト範囲でそれぞれ15ページから20ページのテスト範囲が指定されます。

    数学が苦手な子は、高校数学の問題集を1ページ解くのに、2時間から3時間かかります。
    数学2科目で合計30ページの問題集を1回解くのに最低で60時間かかる計算になります。
    確かに数学をこつこつ勉強しているでしょう。
    けれど、それでもテスト範囲の問題集を1回解いただけなのです。

    その1回の中身も、質的にかなり怪しいのが実状です。
    公式を覚えていないので、教科書や問題集の解答解説と首っぴきで解いているのではないでしょうか。
    公式を代入するだけの基本問題ですら、教科書でその公式を見ながら代入しています。
    定期テスト必出の典型題も、解答解説を見ながら解いているだけです。

    そのように解答解説を見ながら解いても、時間はかかります。
    式を書き写した後は、自分で計算しようとする子が大半だからです。
    答えを書き写しているという意識が本人にはなく、わからないところだけ参考にしているつもりですから、そうなります。
    そうやって計算し終わって解答を見ると、間違っている・・・。
    どこかで計算ミスをしているのです。
    どこで計算ミスをしたのか?
    その発見と直しに、また時間がかかります。
    問題集を1回解き終わる頃には定期テスト前日になっています。

    その状態で定期テストを受けると結果はどうなるか?
    公式だけは、直前に暗記して、テスト用紙の上のほうに急いでメモしたとしても。
    どの問題でその公式を使うのか、よくわからない。
    その公式の代入の練習をしたのは随分前なので、どう代入するのかよくわからない。
    他の科目と比べて随分勉強時間を使ったのに、どうしてこんなに解けないんだろう・・・。
    そういうことになりがちです。

    少しの解決策としては。
    最初に公式を覚え、重要事項を復習し、その後、教科書や解答解説を見ないで問題を解くことです。
    せっかくこつこつ勉強している時間は、有効に使いましょう。
    「あとで覚えよう」
    と思っていたら、高校の公式は覚えきれません。
    忘れるのも早いです。

    抜本的な解決策としては。
    学校の問題集で少しでも解答解説を見て解いた問題は、必ずチェックを入れ、時間をおいて解き直しましょう。
    別の問題集でも復習するとなお良いでしょう。

    しかし、それには、それだけの勉強をする時間の確保が必要です。
    問題集1ページに2時間も3時間もかかっているのを何とかしないといけません。

    何で1ページに2時間も3時間もかかるのか?
    解き方を考えているから時間がかかっているわけではありません。
    それならむしろ良いのですが、大抵は、1分と考えずに解答解説を見ているはずです。
    それでも、2時間から3時間かかるのは、計算が遅いからです。
    遅い上に計算ミスもするので、その直しにさらに時間がかかり、結果、1ページに2~3時間かかってしまうのです。

    数学は頭脳のスポーツと言われるくらいですから、若いほうが有利です。
    理系に進む子は、高校生の段階で、私よりも計算は速くなります。
    文系でも、最低限、私と同程度のスピードでなければ、センター試験を時間内に最後まで解くことができません。

    しかし、現実には、何にそれほど時間がかかっているのだろうと疑問なほどに計算の遅い子が多いのです。
    しかも、ノートを覗き込んでも、何をしているのかよくわからないのです。
    計算過程が数学が得意な子とは違うため、何をしているのか見てもわからない・・・。
    なぜ、( )をそこで開くの?
    なぜ、そことそこを約分するの?
    なぜ、そんな順番で計算するの?
    なぜ、そこで同類項の整理をしないの?

    それは、やり方が間違っていることもありますし、間違ってはいないけれど遠回りになっていることもあります。
    そういうことの積み重なりが計算ミスをしやすい原因の1つであり、解くのにも直すのにも時間がかかる原因となっています。
    数学が頭脳のスポーツであるならば、計算には正しいフォームが必要です。
    合理的な正しいフォームで計算すれば、案外ゆっくり解いていても、答えは速く出ます。

    しかし、計算フォームというのは癖になっていて、きわめて直しにくいことの1つです。
    本人が強く自覚した上でも、矯正に時間がかかります。
    最初から正しいフォームを身につけていれば、こんなことにならないのに、と思います。

    また、そもそもかけ算・わり算の暗算が上手くできない人は、速く計算できません。
    そんなに凄い暗算をしろといっているわけではありません。
    ×1桁、÷1桁を暗算する力を持っていてほしいのです。
    もっと言えば、数字を頭の中で因数分解する力が欲しいのです。
    例えば、75=25×3 であることが筆算しなくてもパっとみてわかる力。
    48=16×3 であることを見てとれる力。
    あるいは、どんな数が7で割りきれ、どんな数が9で割りきれるかを見る力。

    これができないと、小学校5年以降の分数の通分・約分にもたつきます。
    小6以降、分数のかけ算・わり算にもたつきます。
    中1以降、小数の計算がほぼ姿を消し、分数計算ばかりになるため、数学そのものに苦手意識を持ちます。
    中3以降、因数分解が上手くできません。
    中3以降、平方根の整理にもたつきます。
    中3以降、2次方程式の計算にもたつきます。
    中3以降、三平方の定理の活用にもたつきます。
    高1以降、2次関数の整理にもたつきます。
    高1以降、三角比の計算にもたつきます。
    高1以降、確率の計算にもたつきます。
    高1以降、データの計算にもたつきます。
    高1以降、不定方程式の計算にもたつきます。
    高2以降、・・・もうやめましょう。

    整数を見たときに、その整数が何かの積の形に見えること。
    それができない数は素数であることを認識していること。

    数学が得意な人にとって当たり前のそのことに、数学が苦手な人は気づいていないことがあります。

    小学校5年になって約分・通分を学習してから急に「かけ算・わり算は暗算しろ」と命令されるわけではありません。
    そうとは言われない形で練習を繰り返しているのが、わり算の筆算です。
    わり算の筆算をスムーズに行う子は、×1桁、÷1桁の暗算がスムーズにできる子です。
    さらに言えば、わり算の筆算はそれにひき算も加わりますから、総合格闘技のようなものです。

    わり算の筆算自体は、中学以降は使う機会が減っていきます。
    全て分数で処理していきますから、筆算で割るのではなく、約分していきます。
    しかし、その約分は、わり算の筆算で鍛えてきたからこそ楽にできるようになるものです。
    約分は、わり算を暗算で行うものだからです。
    約分しなければならない段階になって急に「暗算しなさい」と言われても、練習していない子には難しいのです。
    一方、わり算の筆算が得意だった子は、最初から大きな数でバッサバサと約分できます。
    ちまちまと2や3で約分することを繰り返して途中で計算ミスをしたり、答案が汚くなって自分で見誤るといった事態を避けることができます。

    将来の約分のためにも、わり算の筆算は有効。
    ところが、全く暗算しないでわり算の筆算をする小学生もいます。
    商にまず「5」を立てて、実際に筆算し、違ったら消してやり直すのです。
    何でも「5」から始めて、1ずつ数字を上げていったり、下げていったりするのです。

    ・・・誰が教えたのだろう、こんな頭を使わない方法を。

    人間はコンピュータじゃないんですから、無駄なことを機械的に全部試すようなことは、させたらダメです。
    コンピュータはそういうことを猛スピードでできるので計算の結果は速く出ますが、人間がそれをやったら単なるわり算の筆算1問に5分もかかることがあります。
    人間を性能の悪い電卓にしてはいけない。
    わり算の筆算は、わり算をするためだけに練習しているのではありません。
    その先の学習の準備も兼ねています。
    全ての学習は、上へ上へと積み上がっていくのです。

    ただ、同じようにそれを教わっても、商に何でも「5」を立てることの無駄に早い時期で気づく子もいるでしょう。
    もっと予測を立てて、一度で正しい商を立てたら良くないか?
    わる数と予測した商との積を頭の中で暗算して、その商が正しいことを確認することは可能ではないか?
    繰り上がってくる数があるのが少しややこしいけれど、やろうと思えばできる。
    そう思う子は、商をスパスパ立て、わり算の計算問題をこなしながら、暗算力も鍛えていくのです。

    何でもまず「5」を立てて順番にやれば頭を使わなくていい。
    そんなところに安住していたら、将来、数学は相当苦しいものになると思います。

    ・・・結局、そういうことの繰り返しだったのではないか?
    例えば、中学3年になったとき、平方根の整理は、頭の中で数字を分解せず、何でも素因数分解の筆算をしてきたのではないか。
    平方根のかけ算は、平方根どうしをまずかけ算して、たとえ3桁の数になったとしても、それから素因数分解してきたのではないか。

    もっとも不器用で回り道なやり方を、それが一番頭を使わない方法だから、常に選択してきた。
    その結果が、今、高校数学の、遠回りで計算ミスだらけの答案になっているのではないか?
    工夫したやり方、頭を使うやり方を避けて、地道でも必ず答えの出るやり方を選んできたつもりが、地道過ぎて時間ばかりかかり、途中で計算ミスするため正答の出ないやり方にいつの間にかなっていた・・・。

    高校生の数学の答案に、そのような痕跡を見ることがあります。
    計算のフォームを変えましょう。
    遠回りで無駄な計算を長年やってきた分だけ、直すのに時間はかかると思います。
    それでも、改革が必要なことはあります。

      


  • Posted by セギ at 14:55Comments(0)講師日記算数・数学

    2019年06月15日

    高校数Ⅱ「式と証明」、4次式の展開と二項定理。




    数Ⅱの学習に入り、まずは3次式の展開、そして3次式の因数分解と学習しました。
    今回は、4次以上の式の展開に進みます。

    例題 (a+b)4 を展開しなさい。

    これは「二項定理」を用いて解いていくのですが、「二項定理」を理解し活用するためには、数Aで学習した「同じものを含む順列」という学習内容が身についていることが必要です。
    そして、「同じものを含む順列」を理解するためには、「組合せ」の基本を理解していることが前提となります。

    前回の3次式の因数分解でもそうでしたが、数Ⅰ・数Aの学習内容が身についていないと、新しい定理の学習が上手く進みません。
    授業では、「二項定理」を説明する前に、「同じものを含む順列」や「組合せ」について確認することが多いです。

    以下は、順列と組合せの復習です。

    例題 a、b、c、dから3つを選んで順番に並べる方法は何通りあるか。

    これが「順列」です。
    樹形図をイメージして考えていきます。
    1番目にくる候補は4通り。
    2番目は、そのそれぞれから樹形図の枝が3通りに広がります。
    3番目は、さらにそこから2通りに広がっていきます。
    したがって、式は、4×3×2=24
    高校数学では、
    4P3=4・3・2=24
    と表します。
    答は24通りです。

    したがって、順列の一般式は、
    nPr=n(n-1)(n-2)・・・・(n-r+1)
    となります。
    最後の(n-r+1)の意味がよくわからないという生徒がときどきいますが、要するに、nから順番に1ずつ小さくなる数を全部でr個かけていくということです。
    上の4P3ならば、4から始めて、4・3・2と全部で3つの数をかけました。

    それに対して「組合せ」は選ぶ順番は関係ない選び方です。

    例題 a、b、c、dから3つを選ぶ方法は何通りあるか。

    3つ選ぶだけなので、順番は関係ないですね。
    abcという選び方も、acbという選び方も、同じ選び方です。
    順番が関係ないことが「順列」との違いです。
    ですから、上の4P3の計算方法では、同じ選び方を何回もダブって数えてしまうことになります。
    具体的には、どれくらいダブって数えてしまうでしょう。
    abcを例にとれば、そのabc3つの並べ方だけダブって数えているでしょう。
    abc、acb、bac、bca、cab、cbaの6通りです。
    この計算方法は、3つから3つを選んで並べる順列です。
    すなわち3P3=3・2・1=6 です。
    よって、組合せは、上の4P3を3P3で割れば求められます。
    (4・3・2)÷(3・2・1)=4
    答えは4通りです。
    一般式としては、
    nCr=nPr÷rPrです。

    「組合せ」の基本の復習が終わったところで、次は「同じものが含まれる順列」の復習に進みます。

    例題 a、a、a、b、bの5文字の並べ方は何通りあるか。

    これは、普通の順列5P5ではダメです。
    普通の順列の計算では、3個あるaや2個あるbをそれぞれ区別して並べてしまうことになりますが、見た目が同じものは、同じ並べ方です。
    このaとあのaは実は違うと言われても、見た目が同じですから、同じ並べ方として数えるしかありません。
    5P5では、同じ並べ方を何回もダブって数えてしまうことになります。

    では、どうするか?
    同じものが含まれる順列は、これらの文字を入れる箱をまずイメージします。
    この問題では、5個の箱が横に並んでいると考えます。
    その箱のどれにa3個を入れるかを考えます。
    残る2個の箱には自動的にbが入ります。
    3個の箱の選び方は、
    5C3=(5・4・3)÷(3・2・1)=10
    答えは10通りです。
    ちなみに、aを入れる箱を選んでから、残る2個の箱からbを入れる箱2個をあえて選んでも同じ結果となります。
    5C3・2C2=(5・4・3)÷(3・2・1)×(2・1)÷(2・1)=10
    同じです。

    さて、以上で復習が終わりました。
    いよいよ、ここから一番上の問題を解いていきます。

    例題 (a+b)4 を展開しなさい。

    ( )を全て書いていけば、この式は、(a+b)(a+b)(a+b)(a+b)
    となります。
    これを、まずは公式を使わず、逐一展開してみましょう。
    4つの(  )から、1つずつ文字を選んで順番にかけていくことで展開できます。
    (a+b)4
    =aaaa+aaab+aaba+aabb+abaa+abab+abba+abbb+baaa+baab+baba+babb+bbaa+bbab+bbba+bbbb
    同類項をまとめると、
    =a4+4a3b+6a2b2+4ab3+b4
    となります。
    ( )の中の文字aとbのどちらか1つを選んで4つ並べていくことで1つの項が形成されるのをご理解いただけるでしょうか。
    地道に展開すると、このように解いていくことになります。

    これを、このように逐一展開するのではなく、計算で解いていく方法はないでしょうか。
    同類項ごとに、同じ同類項が何回出てくるのか考えてみます。
    aaaaすなわちa4という項は1つしかないですね。

    aaab、すなわちa3bは、逐一展開する中で何回か同じものが出てくることが予想されます。
    それは、何回出てくるのでしょうか?
    その回数がa3bの係数となるでしょう。
    その計算方法はないでしょうか?

    それは、aaabの4文字の並べ方と同じ数ではないでしょうか。
    何番目の( )からbを選んだかの数と同じという言い方もできます。
    「同じものを含む順列」の考え方をここで利用します。
    aaabの4文字を並べる順列。
    4つの箱をイメージします。
    bを入れる箱を選びましょう。
    4C1=4です。
    ちなみに、aを入れる箱3つを選んでも、同じ答えになります。
    4C3=(4・3・2)÷(3・2・1)=4です。

    次に、aabb、すなわちa2b2の係数はどうなるでしょう。
    aabbの4文字を並べる順列の数と同じでしょう。
    すなわち、4C2=(4・3)÷(2・1)=6です。

    abbb、すなわちab3の係数はどうでしょう。
    abbbの4文字を並べる順列の数と同じでしょう。
    すなわち、4C3=4C1=4です。

    最後にbbbb、すなわちb4は、1回しか出てこないとすぐに判断できますが、これも組合せの考えを使うならば、
    4C4=1とみなすことができます。
    ならば、最初のaaaaすなわちa4の係数も、4C0=1とみなすことができますね。
    bを1回も選ばないということです。
    よって、
    (a+b)4
    =4C0a4+4C1a3b+4C2a2b2+4C3ab3+4C4b4
    =a4+4a3b+6a2b2+4ab3+b4

    逐一展開したときと同じ結果になりました。ヽ(^。^)ノ

    これを一般化したものが「二項定理」です。
    二項定理をここに書こうかと思いましたが、このブログの形式では、上の式でも読みにくいのに、nだのrだと文字ばかりになると最悪の読みにくさなので、公式の確認はお手元のテキスト等をご覧いただけますと幸いです。
      


  • Posted by セギ at 13:37Comments(0)算数・数学

    2019年06月12日

    高校英語。助動詞 may と慣用表現。



    今回は、助動詞 may とその慣用表現を確認しましょう。
    may と言われて思いつくのは、
    May I help you ?

    「May I help you ? と、Can I help you ? はどう違うの?」
    といった質問をする子は、英語がそんなに得意ではない子に案外多いです。

    本気で訊いているのかな?
    そういう質問を受けた場合、こちらがまず考えるのはそういうことです。
    個別指導の場合、その場で思いついた質問を何でも口にする子がいます。
    本人が本当に疑問を抱き、その疑問が解けないことが英語学習の妨げになっているのならこちらも本気になりますが、どうもそんな印象ではないのです。
    何でも思いついたことを質問し、答えは全て聞き流す。
    そういう不可解な質問の仕方をする生徒もいます。
    「個別指導なんだから、どんどんセンセイに質問しなさいよ」
    と保護者の方に言われている可能性もあります。

    質問するのは良いことなのですが、それは、目の前にある解かねばならない問題に関連して、その問題を解く妨げとなっていることについて質問したほうが学習効果が上がります。
    違いを明瞭に意識しなれければならないことなら、学校でも説明されているはずですし、質問を受ける前に私から説明しています。
    誰からも説明されないことは、あまり気にしなくて良いこと。
    そういう把握ができると、初期の英語学習は楽だと思います。

    しかし、質問を拒絶されるのは結構傷つくことです。
    誰しも、
    「うん。いい質問ですね」
    と言われたい。
    「それは無意味な質問だな」
    と質問内容を否定されたくはないと思います。

    だから、私のわかる範囲で質問には答えます。
    may というのは、話者が与える許可で、can は周囲の事情が許す許可というのが、基本の意味です。
    だから、May I help you ? のほうは、相手の許可を問うという意味で、相手への敬意はより強いと考えられます。
    そういう意味で、多少堅苦しい表現でもあるので、口語では、Can I help you ? のほうが好まれます。
    とはいえ、May I help you ? という表現のほうを好む人はネイティブにもなおいるので、一概に言い切れるものでもありません。

    もともと英語がそんなに得意ではない中学生にそんな解説をすると、途中で目が曇り、眠りかけているのが見てとれます。
    だから、そんな質問はしなければいいのに・・・。
    テスト前で他にやらねばならないことが沢山あるときに、そんな質問をする子には、
    「うん。そういうことに興味があるのなら、大学の英語学科に進むといいよ。そういうことを沢山勉強できるよ」
    と言うこともあります。
    「いや、別にいい。興味ない」
    という反応が返ってくることがほとんどです。
    一種の質問封じです。

    問題演習を始めると、どうにも解けない。
    「どうした?何がわからない?どこがわからない?」
    と問いかけても、反応がない・・・。
    その子が、本当に質問しなければならないのは、そのタイミングです。
    保護者の方が「質問しなさい」と言っているのもそこです。
    でも、そういうときには、言葉が出てこない。
    なぜなら、何がどうわからないのか、自分で言葉にすることもできないから。
    本当に困っているときは、質問もできないのです。

    個別指導のパワーは、ここから発揮されます。
    何がわからないのか。
    どうわからないのか。
    生徒の反応を見ながら、さぐりさぐり説明を変えます。
    わかるまで説明します。
    そういう意味で、質問すること自体はそれほど大切ではありません。
    ただ、表情は正直であってほしい。
    わかっていないのにわかったふりをする子も、案外多いのです。
    「わからない」ということが恥ずかしいのかもしれません。

    伸びる子は、沢山質問をする子ではありません。
    わからないことにわかったふりをしない子です。


    さて、大幅に話がそれました。

    今回は、高校で学習する may の用法です。

    まず、「祈願の may 」と呼ばれるものがあります。
    この may は文頭に来るのが特徴です。
    文末はエクスクラメーションマーク(!)がきます。
    May you find hapiness !
    ご多幸をお祈りします。
    これは、かなり格式ばった言い方です。


    次に、may well の用法。
    「多分~だろう」という、may 単独の場合とあまり変わらない用法もありますが、そんなのはテストに出しにくいので、もう1つの意味のほうが頻出です。
    「~するのも当然だ、~するのはもっともだ」という用法です。
    この副詞 well には、助動詞のもつ可能性や容認の意味を補強する役目があります。
    They may well be proud of their daughter.
    彼らが娘の自慢をするのはもっともだ。

    続いて、may as well は、「~したほうがいい」という用法。
    訳だけですと、had better と同じようですが、may as well のほうが意味が弱く、「したくないならしなくてもいいけど、したほうがいいのでは」という助言の意味となります。
    覚え方としては、had better と同じ2語の may well のほうは全然意味が違っていて、語数の違う3語の may as well のほうが had better と意味が似ていると、そこを強く意識して覚えると混乱を避けられます。
    You may as well tell her the truth.
    彼女に本当のことを言ったほうがいい。

    may as well A as B。
    これは、「BするよりAするほうがいい」という用法です。
    you may as well do your homework now as do it later.
    宿題を後でするよりも今やったほうがいい。
    上の文は、Aのほうがお薦めな内容で、Bはダメな内容ですが、どちらもダメな内容ということもあります。
    そのニュアンスのときは、訳し方が少し変わってきます。
    「BするくらいならAしたほうがましだ」と訳した方がぴったりきます。
    You may as well throw away the money as lend it to him.
    彼に貸すくらいなら、金を捨てたほうがましだ。
    「お金を捨てる」というA内容と、「彼にお金を貸す」というB内容のどちらもお薦めではない場合です。
    なお、この文は、結局、彼に金を貸すことも金を捨てることもしないと思います。
    実現性が乏しい場合、may よりも might のほうが使われることが多いです。


    沢山あり過ぎて覚えられない・・・。
    そうやってこのような熟語や慣用表現をすぐ捨てる人がいるのですが、それは愚挙です。
    中学英語レベルの基本なんか、ほとんど出ないのです。
    テストに出るのは、ここです。
    テストに出るのがわかりきっている、こういうところを覚えましょう。
    英文法問題攻略の鉄則です。


    さて、ここでこんな問題を考えてみましょう。

    問題 ( )に適語を補充せよ。
    (1) She spoke loudly so that the people in the back (  ) hear.
    (2) She spoke loudly in order that the people in the back (  ) hear.

    どちらも「彼女は、後ろの人に聞こえるように大きな声で話した」という意味です。
    主節が spoke と過去形なので、従属節も時制の一致で過去形にしましょう。
    では、どちらも答えはcould かな?
    ・・・いいえ。
    (1)は、could 。
    (2)は、might です。

    ・・・何それ。( 一一)

    これが、私立大学入試レベルです。
    重箱の隅とはこういうことを言います。

    so that も in order that も、「~のために」と目的を表すthat 節を導く用法です。
    so that は口語的で、文意の通りの助動詞を入れればよいのですが、in order that は文語的で、may を入れます。
    ただ、so that にmay を用いることもあります。
    後半は堅苦しい文語表現になってしまいますが、間違っているわけではないので、(1)でmight は、別解としてはありえます。
    難関私立の問題で、どうも助動詞を入れる空所で何を入れたら良いかわからないときは、とりあえず might を入れましょう。
    時制ミスをクリアできる点でも、might はさらに正答率が上がります。
    時制の一致のときも、現在形だが文意を和らげるときも、どちらでも使えますから。
    might 最強。
    ヽ(^。^)ノ

    私は、こういう重箱の隅はあまり好きではありません。
    勿論、センター試験などの文法の基本問題は得点しなければなりません。
    文法知識は、英語の基本の構造を把握する意味でも重要です。
    でも、こんな難問は解けなくても、読解で多数正答できれば、どこの入試も資格試験も合格します。
    こんな問題に振り回されて、英語がわからない、英文法が苦手、などと思う必要はないと思っています。

    ただ、重箱の隅とはいえ、これは、高校生が学校から渡されている文法の参考書には載っています。
    学校の授業では使わないので、学校のロッカーの中や部屋の本棚の隅においやられている文法参考書。
    あれには、こういう「重箱の隅」が沢山載っています。
    索引から may で引いても、出てこないかもしれません。
    しかし、in order that で引けば、どの参考書にも載っているのです。
    細かいところが気になる。
    こういうレベルの問題を正答したい。
    そういう人は、なぜそれで正解なのかわからない問題を見つける度に参考書で索引を引いて調べることをお薦めします。

      


  • Posted by セギ at 13:25Comments(0)英語

    2019年06月09日

    小学校算数。円の面積に関する応用問題。



    問題 半径2㎝の円を組み合わせた上の図の灰色の部分の面積を求めなさい。
    ただし、円周率は3.14とします。

    この図をどう見るか、そして計算の工夫をどうするかで、この問題を解くスピードは大きく違ってきます。
    最短で1分とかかりませんが、計算にまごつくと10分以上かかることもあると思います。

    まずは、比較的発想しやすい普通の解き方で考えてみましょう。
    4つの円が重なっているこの図の、重なって白抜きになっている葉っぱのような形に注目します。
    受験算数では、「葉っぱ形」あるいは「ラグビーボール形」などの通称でおなじみの形です。
    4つの円の面積の和から、この葉っぱ形を引けば、求める面積が出ます。
    葉っぱ形を何個分引けば良いでしょう?
    4個?
    いいえ。
    二重に重なったものが両方の円について白抜きになって失わているのですから、1つの葉っぱにつき2個分の面積が失われていることになります。
    したがって、4つの円の面積の和から、8個の葉っぱ形の面積を引けば、求める面積が出ます。

    ところで、葉っぱ形の面積はどうすれば求められるでしょう。
    近年は、小学校の教科書にも葉っぱ形の面積1つを求める問題は載っています。

    この葉っぱ形の求め方も、考え方は2つあります。
    1つは、まず葉っぱの半分を求めて、それを2倍する方法です。
    中心角90°のおうぎ形から、直角二等辺三角形を引くことで、葉っぱの半分の面積を求めます。
    今、この図の葉っぱ形は、1辺2㎝の正方形に囲まれている葉っぱ形です。
    半径2㎝中心角90°のおうぎ形から、直角を挟む2辺の長さが2㎝の直角二等辺三角形を引くと、
    2×2×3.14÷4-2×2÷2
    =3.14-2
    =1.14
    これが、葉っぱの半分の面積ですから、葉っぱ1つの面積は、
    1.14×2=2.28

    葉っぱ形の面積も求め方の、もう1つの考え方は。
    90°のおうぎ形を向かいあわせに重ねて正方形を作ったときの重なった部分が葉っぱ形となります。
    ということは、おうぎ形2つ分から正方形を1つ引いたものが、葉っぱ形となります。
    2×2×3.14÷4×2-2×2
    =6.28-4
    =2.28

    葉っぱ形の求め方に関する基本的な考え方はこの2つですが、中学受験では葉っぱ形はよく出てくるので、その都度いちいちこんなことをしているのは面倒です。
    正方形の中で葉っぱの面積はどのような割合になっているかを考えてみるのはどうでしょう。
    まず、数値のわかりやすい基本となる正方形で考えてみます。
    1辺1㎝の正方形に囲まれた葉っぱ形の面積は、上の求め方を用いるなら、
    1×1×3.14÷4×2-1×1
    =1.57-1
    =0.57
    面積が1㎠の正方形の中に、0.57㎠の葉っぱ形があります。
    この割合は、正方形が大きくなっても小さくなっても、変らないでしょう。
    つまり、葉っぱ形は、常に正方形の面積の0.57倍です。
    1辺2㎝の正方形に囲まれた葉っぱ形は、
    2×2×0.57=2.28 
    となります。
    0.57倍ということだけ覚えておけば、とても簡単ですね。
    「名探偵コナン」と、ごろ合わせで覚えておきましょう。
    コナンで、57です。

    0.57という数字は、中学生になって円周率がπになったらもう何の意味もない数字ですので、中学受験をするのでなければ覚える必要はありません。
    そんなものを覚えるより、葉っぱ型をどうやって求めるか、その考え方は理解しておいたほうが良いのです。
    その考え方は、中学で円周率がπになっても使います。

    ともかく、上の問題の葉っぱ1つが2.28㎠だとわかりました。
    これで問題を解くことができます。
    円4つから葉っぱ8つを引きます。
    2×2×3.14×4-2.28×8
    真面目に計算してもミスしなければ答えが出ますが、少し計算の工夫をしたほうが簡単でしょう。
    2×2×3.14×4-2.28×8
    =2×3.14×8-2.28×8
    =(6.28-2.28)×8
    =4×8
    =32
    答えは、32㎠ です。


    この解き方でも、勿論答えは出るのですが、よりスマートな解き方はないでしょうか?
    この図を見てください。






    あれ?
    直しても直しても画像が傾く・・・。
    仕方ないので、この図で説明しましょう。
    上の図を、円が4つ重なっているのではなく、東京都のマークのようなイチョウの葉が4つある図と見ます。
    その1つに着目し、葉っぱの茎の付近の部分を上の図のように長方形で囲みます。
    この長方形は、中心角90°のおうぎ形2つと、葉っぱの茎の部分とに分けられるのが見えるでしょうか。
    中心角90°のおうぎ形2つ?
    それは、茎より上の部分の半円を2つに分ければ、ちょうど、中心角90°のおうぎ形2つになります。
    つまり、イチョウの葉と、長方形とは、面積が等しいです。
    この長方形の面積は?
    2×4 です。
    求める面積はイチョウ4個分ですから、
    2×4×4=32
    答えは、32㎠。
    とても簡単に求めることができますね。

    ほんのちょっとした発想や計算の工夫で、難しい問題はとても簡単に解くことができます。
    ヽ(^。^)ノ


      


  • Posted by セギ at 14:30Comments(0)算数・数学

    2019年06月06日

    高校数Ⅱ「式と証明」。3次式の因数分解と対称式の計算。


    今回から数Ⅱの学習に入ります。
    まずは、「3次式の因数分解」です。
    例えば、こんな問題です。

    問題 27x3+8y3 を因数分解せよ。

    3乗+3乗 の因数分解の公式を使うのだと、すぐにピンとくる人が多いと思います。
    この公式は、一応数Ⅱの学習範囲なのですが、数Ⅰの教科書や参考書にも載っていますので、そこで学習済みの人が大半でしょう。
    公式は、
    a3+b3=(a+b)(a2-ab+b2)
    です。
    この公式は、右辺を展開すると左辺と同じになることから証明できます。
    疑問を感じる人は、一度、右辺を地道に展開して、左辺になることを確認すると良いと思います。

    公式が信頼できたところで、利用してみましょう。
    27x3+8y3
    =(3x+2y)(9x2-6xy+4y2)

    できました。ヽ(^。^)ノ

    では、こんな問題はどうでしょう。

    問題 x6-64 を因数分解しなさい。

    上の類題に見えて、これが意外に難しいのです。
    3次式の因数分解の公式のもう1本は、
    a3-b3=(a-b)(a2+ab+b2)
    です。
    直前まで、この公式の基本練習をしていると、それに引きずられやすくなります。

    xの6乗は、xの2乗の3乗。
    ということは、

    x6-64
    =(x2-4)(x4+4x2+16)
    =(x+2)(x-2)(x4+4x2+16)

    よし、できたー、と思ってしまいそうですね。

    しかし、これはまだ正解ではありません。
    x4+4x2+16 は、さらに因数分解できるのです。

    数Ⅰで学習しました。
    複2次式の因数分解というものです。

    x4+4x2+16
    =x4+8x2+16-4x2
    =(x2+4)2-(2x)2
    =(x2+4+2x)(x2+4-2x)
    =(x2+2x+4)(x2-2x+4)

    平方完成の考え方を利用する解き方です。
    存在しないものをあえて足し、その後同じものを引いて辻褄をあわせます。
    そんなことをしていいの?とキョトキョトする高校生もいます。
    答えを見たら理解できるけれど自分ではきっと発想できない、と諦めてしまう子もいます。

    それにしても、この問題、本当にこんなに難しい解き方しかないのでしょうか?
    実は、もっと易しいやり方があるのです。
    中3で学習した2次式の因数分解の公式、a2-b2=(a+b)(a-b)をまず利用します。
    その後、3次式の因数分解の公式を利用します。

    x6-64
    =(x3+8)(x3-8)
    =(x+2)(x2-2x+4)(x-2)(x2+2x+4)

    随分簡単に解いていくことができます。
    3次式の因数分解を勉強したのだから、3次式の公式だけを使うのだ。
    そういうふうに視野が狭くなっていると、一番上の解き方しか発想できません。
    6次式を2次式と4次式に分解したら、後が厄介なのではないか?
    それよりも、3次式と3次式に分解したほうが後がやりやすいのでは?
    慣れてくれば、そのように先の見当をつけて解いていくこともできると思います。


    続いては、「3次式の展開公式の利用」に関する問題。
    こんな問題です。

    問題 x+1/x=3のとき、x3+1/x3の値を求めよ。

    対称式の値に関する問題です。
    中3から既に発展的内容として学習していますし、数Ⅰでも、新しい単元になる度、その都度それに関する対称式の問題を学習してきましたから、そろそろ慣れてきている人も多いと思います。
    しかし、対称式の問題に対処する度に、同じことが同じように解けない人もいます。
    理解できなかったことがそのまま残ってしまっていたり。
    わかったつもりだったのが、結局わかっていなかったりするのだと思います。

    基本対称式に関する問題は、x+yの値と、xyの値、すなわち和と積と2本の式があるはずなのに、この問題は和の式しかない。
    これじゃ、解けない。
    あるいは、積が与えられていなかったから、基本対称式の問題だと気づかなかった。
    そういう人が多いです。
    確かに、この問題では、x+1/x=3 という和しか与えられていません。
    でも、積は計算できるのです。
    積は、x・1/x=1 です。
    これの理解が重要です。

    何年か前、数学が苦手な高校生とこんなふうな会話を交わしたことがあります。
    「積は、x・1/x=1と計算できるんですよ」
    「何でですか」
    「約分すると、そうなりますよね」
    「どうしてですか」
    「分母のxと分子のxを約分すると、1になるでしょう?」
    「でも、xって、何の数かわからないじゃないですか」
    「・・・・え?」
    「何の数かわからないのに、約分していいんですか」
    「・・・・約分していいですよ。分母のxが例えば8なら、分子のxも同じ8なのだから、約分できるじゃないですか」
    「xが8って、何でわかるんですか」
    「今、『例えば』と言いましたよ。8でも7でも、分母のxと分子のxは同じ数ですから、約分できますよ」
    「分母のxが8で、分子のxが7だったら、どうするんですか」
    「そういうことはないから、大丈夫ですよ」
    「何で大丈夫だってわかるんですか」

    ・・・・うーん、これは大変だ。
    数学が苦手な子の頭の中で、「変数x」は、こんなにも不安定なものなのだと実感しました。
    数Ⅰの復習云々ではなく、小学校の「関係をあらわす式」のあたりから、もうxとyに不信感があり、理解したふりで理解できずに高校生になってしまったのだろうと思うのです。
    方程式のときはxの値が定まったり。
    関数になるとxの値は定まらなかったり。
    数学がわからない子は、このあたりが特に混沌としているのだと思います。

    「方程式と関数って、何が違うんですか?」
    と問われることもあります。
    グラフを利用できる点でかなりの部分は重なるが、そもそも定義が異なるものなので違いを考える必要はないと思うが、と説明すると、しかし、彼らは余計に混乱します。
    数学がわからない人は、その学習段階では触れないほうが良い疑問に抵触しやすい人なのかもしれません。
    その一方、中学2年の「1次関数」の学習で、連立方程式をグラフで解く方法はどこの中学でも必ず学習するのです。
    また、x=3 や y=-2 といった式もグラフに表せることを学びます。
    方程式と関数はかなりの部分で重なるものであることがそのときに示され、積年の疑問が晴れて頭がスッキリするはずなのですが、その学習にそれほどの感動を示す子を見たことはありません。

    方程式と関数は、何が違うのか?
    彼らの考えている疑問の正体は、そういうことではないのかもしれません。
    方程式と関数は、同じもののようなのに、使い方が違うのはなぜなのか?
    わからないことの正体は、それなのかもしれません。
    彼らの混沌とした疑問は、言葉の数が少ないこともあって、本当に分析が難しいのです。

    数学が苦手ということは、どういうことなのか。
    その解明は、なお道半ばです。


    ともかく、上の問題をもう一度見直しましょう。

    問題 x+1/x=3のとき、x3+1/x3の値を求めよ。

    対称式の計算のとき、因数分解の公式の他に、便利な公式があります。
    a3+b3=(a+b)3-3ab(a+b)
    というものです。
    これなら、a+b とab さえわかれば代入して求められます。
    この式も、右辺を展開すれば左辺になることで証明できます。
    対称式の値を求めるために作られた公式です。
    使ってみましょう。

    x3+1/x3
    =(x+1/x)3-3x・1/x(x+1/x)
    =33-3・1・3
    =27-9
    =18
    これが答えです。



      


  • Posted by セギ at 11:11Comments(0)算数・数学

    2019年06月03日

    高校英語。助動詞その3。助動詞+have +過去分詞。


    さて、まずはこんな問題から。

    問題 空所に適語を補充せよ。
    The game should (  ) started at noon.

    他の問題に混ざって、ぽこっとこんな問題が出ていると、これがどのような文法事項を問う問題なのかわからず、全く解けない人がいます。
    その結果、
    The game should (to) started at noon.
    など、あり得ない答えを書いてしまうのですが、なぜそれがあり得ないのかについての知識がないので、そうなってしまいます。
    文法知識がないと、文法問題は解けません。
    勘で解くのは不可能です。

    なぜ上の答えはあり得ないのか?
    should は、助動詞です。
    助動詞の後ろは動詞原形がきます。
    to は、何がどうなろうと決してきません。

    また、( ) の後ろは、started です。
    それが過去形であるか過去分詞であるかは見た目ではわかりませんが、少なくとも、to の直後にそんなものはきません。

    ところで、これは、過去形あるいは過去分詞のどちらなのでしょう?
    これが過去形では、「助動詞の後ろは動詞原形」というルールをどのようにしても緩和できません。
    この started は過去分詞と推測できます。
    それを知っているだけで、この問題は、直接この文法事項の知識がなくても答えることが可能です。
    空所に入るのは、動詞の原形であり、かつ、過去分詞の前にくる単語です。
    これは、be か have でしょう。
    さて、どちらでしょう。


    助動詞+have +過去分詞 は、高校で学習する助動詞の中でもよく出題される文法事項です。
    使われる助動詞は、「許可・禁止」系の意味と「推量」系の意味の2系統のうち、未定着な人の多い「推量」系の意味で使いますから、それをあわせて問うことができます。
    そんなの、テストに出るに決まっています。
    なぜそれをスルーする気になれるのか、むしろそれがわからない。
    それくらいによく出題される内容です。

    まず、基本を確認しましょう。
    He may read the book.
    彼は、その本を読むかもしれない。

    これは、現在形の用法です。
    助動詞の後ろは動詞原形しかきませんので、現在の動作に対して、現在の判断をしていることになります。
    でも、過去のことをついて判断したいときもあります。
    過去の出来事について、現在の判断をする。
    すなわち、「彼は、その本を読んだかもしれない」という文を作りたいとき、どうするか?
    「かもしれない」という判断をしているのは現在ですから、may は、そのままです。
    may を過去形 might にしたところで、過去の意味にはなりません。
    意味が和らいで、柔らかい表現になるだけです。
    日常会話では、よく使われます。

    そもそも、この文は、助動詞を過去形にして解決することではありません。
    判断しているのは現在です。
    過去の出来事について、現在の判断を下しているのです。

    でも、助動詞の後ろを過去形にすることはできない。
    それは、英語の根本ルールです。
    こんなときに使われるのが、have +過去分詞です。

    He may have read the book.
    彼は、その本を読んだかもしれない。

    これで、過去の出来事を現在判断する文を作ることができました。

    これらの用法を、
    must have+過去分詞    ~したに違いない。
    should have+過去分詞   ~したはずだ。
    should have+過去分詞   ~すべきだったのに。
    cannot have+過去分詞   ~したはずがない。
    need not have+過去分詞  ~する必要はなかったのに。

    と整理して丸暗記するのがわかりやすいというのなら止めませんが、個々の助動詞の推量系の意味をしっかりと覚え、かつ、have+過去分詞は、過去の出来事についてそれらの判断をしているのだという把握をしたほうが整理しやすいと思います。
    上の丸暗記をする人は、覚えにくいせいかすぐに忘れてしまうことが多いです。

    また、この種の問題を極端に恐れ、絶対に正解できないと思い込んでいる人もいます。
    そういう人の頭の中には、こんな問題があるようです。

    You (  ) have got up at seven.
    1 may  2.must  3.should  4.need not

    和訳がついていれば別ですが、そうでないなら、こんな問題は解けるわけがありません。
    全部、正解です。
    こんな問題はありえません。

    しかし、こういう問題が出された、こういう問題がテストに出る、という謎の主張をする子がかつていました。
    英語のテストに苦しめられ過ぎたのでしょう。
    何を解いてもバツになり、もうどう解いていいのかわからない。
    それを自分に原因があることにはしたくない。
    だから、問題のせいにしたい。
    しかも、問題のせいにして勉強を怠るというのではなく、問題がこんなふうなので、その対策をしてくれと言うのです。
    説得しても、応じません。
    こういう問題が出ると言い張るのでした。

    このような問題は、テストには出ません。
    テストは、必ず1つの選択肢に絞れるように、根拠をもって作成されています。
    1つの選択肢に絞れなかったのは、知識が足りなかったからです。
    判断の根拠のない問題は、テストには出ないのです。

    このような問題ならば出題されます。
    I (  ) attend the meeting yesterday.
    1.should 2.must 3.ought to 4.had to

    上の問題と同じようなもの?
    いいえ、全然違うのです。

    I (should) attend the meeting yesterday.
    とすると、助動詞の後ろに動詞の原形がきているだけなので、これは、現在の出来事を現在判断している文です。
    「私はその会議に出席すべきだ」
    と言っています。
    それなのに、文末に yesterday がくる。
    そんな文は、おかしいです。

    I (must) attend the meeting yesterday.
    も同様です。
    ギリギリ、must を過去形として使用しているのだととらえることは可能で、他に適切な選択肢がないのならこれを選びますが。

    I (ought to) attend the meeting yesterday.
    は、should の言い換えです。
    全く同じ意味で、過去形になっているわけではありません。
    ですから、この文もおかしいです。

    I (had to) attend the meeting yesterday.
    had to は、have to の過去形。
    過去に「~しなければならなかった」という意味です。
    この文は、「昨日、私はその会議に出席しなければならなかった」という意味になります。

    したがって、最適なのは、4.had to です。

    こうして、1つ1つ選択肢を吟味すれば、ただ1つの正答を導くことができます。
    解きようのない問題があったという過去の記憶は、細部まで注意深く観察しなかったからかもしれません。
    あるいは、1つの選択肢に絞るための知識がなかった。
    だから、問題のせいではないのです。

    繰り返しますが、根拠をもって論理的に解くことのできる問題しか出題されません。
    そこを強く意識し、間違えた問題の1問1問について、正解の根拠を意識した見直しをすることで、知識を確かめていくことができます。


    さて、冒頭の問題に戻りましょう。

    問題 空所に適語を補充せよ。
    The game should (  ) started at noon.

    答えは、have です。
    「その試合は、正午に始まったはずだ」という文です。
    The game should (be) started at noon.
    としてしまうと、「その試合は始められる」という受動態の意味になります。
    一見正しいような気がしますが、英語では、そのような受動態表現はありません。
    それでも、be と答えた子がもしいたら、それは頑張った、いいところまで問題を分析したねと褒めたいです。
    少なくとも、それは当てずっぽうの答案ではありません。
    考えて解いた問題です。
    考えて解いた蓄積は、知識の蓄積となり、今後に生かされると思います。

    四択問題を根拠もなく当てずっぽうでいくら解いても、勉強したことになりません。
    最初は時間がかかるかもしれませんが、1問1問、考えて解きましょう。
    類題が極めて多い分野ですので、知識が身につき、考え方に慣れていけば、短時間で解いていけるようになります。

      


  • Posted by セギ at 13:15Comments(0)英語

    2019年05月30日

    高校数A n進法 その3。分数の処理。


    今回が数A最後の内容です。
    内容は、「分数の小数表示と記数法」。
    10進法の分数をn進法の小数に直す問題を解きましょう。

    例題 1/4を5進法の小数で表せ。

    これは、10進法の小数をn進法の小数に直すときと、基本の考え方は同じです。
    まず、
    1/4=a/5+b/5の2乗+c/5の3乗+・・・・① とおきます。
    ①×5をすると、
    5/4=a+b/5+c/5の2乗+d/5の3乗+・・・
    両辺の整数部分を比較して、
    a=1とわかります。
    次に両辺から1を引いて、
    1/4=b/5+c/5の2乗+d/5の3乗+・・・② とおきます。
    ②×5をすると、
    5/4=b+c/5+d/5の2乗+・・・・
    よって、b=1。
    以下同様に、c=d=・・・・・=1とわかります。
    したがって、1/4=0.1111・・・・・です。

    分数や小数とn進法は、さすがにそこまで復習していないという人もいて、センター試験あるいはセンター模試でそれが出てしまうと、もう完全にアウトとなってしまう人が多くいました。
    解き方を知っているか知らないかだけの問題で白紙答案になってしまうのは勿体ないので、解き方をいつでも復元できるように、なぜそれで解けるのか、その理屈を理解しておくことをお薦めします。
    手順だけ覚えるのは、忘れるのも速いです。
    理屈を理解していれば、復元可能です。


    さて、ここで、n進法の応用問題を少し。

    問題 150台が駐車可能な駐車場がある。駐車位置は1から順に番号が付けられているが、4という数は使われていない。駐車位置の番号の中で最大の数は何番か。

    例えば0と1しか使わないのなら2進法だとわかるけれど、逆に、4だけは使わないというのは、どう解いたら良いのかわからない・・・。
    そういう人もいるかもしれません。
    もっと頭を柔らかく。
    4だけは使わないのですから、0、1、2、3、5、6、7、8、9の数字を使う。
    つまり、これは9進法なのだとわかります。
    ただし、普通の9進法は、0から8までの数字を使うのですが、これは4を使わないが9を使います。
    だから、計算した後に数字を変換する必要があります。

    まず、150を普通の9進法で表すと、
    150=1×92+7×9+6
    すなわち、176(9) となります。

    4を使っていないから、このままでいいでしょうか?
    いいえ、そういうわけにはいきません。
    9の2乗の位の数である1は、そのままでいいでしょう。
    9の2乗のまとまりが1組あるということは、4という数字を使っても使わなくても変わらずに1です。
    しかし、9の1乗の位の7は、普通の9進法での7です。
    9のまとまりが7組あるということです。
    その7組に、4を使わずに番号をつけるならば、1組目、2組目、3組目、5組目、6組目、7組目、8組目。
    つまり、これは7ではなく、8と表さなければなりません。
    最後に、一の位の6も、普通の9進法で、1が6個あるということです。
    それに番号をつけるならは、1、2、3、5、6、7。
    つまり、これも6ではなく7と表さなければなりません。
    よって、この駐車場の最大の番号は、187となります。

    さて、数ⅠAの学習がこれでひと通り終わりました。
    最初のほうで学習したことを忘れてしまっていると、数Ⅱの学習は困難を極めます。
    数Ⅱの学習を進めながらも、常に数ⅠAを復習すると良いと思います。
    1度では理解できなかったことも、2度目なら、案外すんなりと理解できることがあります。
    1度目は覚えきれなかった公式も2度目なら見慣れて、頭にすっと入ってきます。
    数学の学習は、諦めなければ必ず前に進むことができます。
    頑張りましょう。
    ヽ(^。^)ノ


      


  • Posted by セギ at 12:28Comments(0)算数・数学

    2019年05月27日

    高校英語 助動詞その3 will の用法。



    まずはこんな問題から。

    問題 以下の空所に適切な語句を選べ。
    He (  ) often go fishing on Sundays.
    1. would   2. used to  3.had  4.has

    こうした四択問題になると、「そんな英語を見た覚えがある」という主観で英文法の問題を解く人がいます。
    勘で解いているので、正解でも不正解でも、学習したことになりません。
    まずその癖を自覚し、直すことが必要となります。
    中学生の頃から、英語の問題はそのように感覚や勘で解いてきたし、それ以外の解き方を知らない。
    こうした問題を「考えて」解くということが、どういうことなのかわからない。
    そういう人もいるかと思います。

    「考える」とは何をどうすることなのか。
    では、こんな問題はどうでしょうか。

    問題 以下の空所に適切な語句を選べ。
    With more than 60 books to his name , the norvelist was one of the most (  ) of the twentieth century.
    1.arcane  2.somber  3.erratic  4.prolific

    普通の英語力を持つ高校生なら、問題文はまあまあ意味が取れると思います。
    しかし、選択肢の単語は、ほとんど意味がわからないのではないでしょうか。
    そんなにスペルが長いわけではなく、一見ありふれた印象の単語なのに、見たことがない・・・。
    意味など想像もつかない・・・。

    この問題を解けと言われたら?
    うーん・・・。
    3と4は語尾が同じ。
    1と3は最初のほうが似ている気がする。
    では、両方がかぶっている3が正解かな?

    ・・・残念。
    正解は、4.prolific「多作な」です。
    「その小説家の名で出版された本は60以上あるので、彼は20世紀で最も多作な一人である」

    これは、英検1級の過去問です。
    高校生がこの問題を解けなくても、落ち込む必要はありません。
    ただ、上のような選択肢の分析で正解が選べるほど甘くはないということです。
    考えるとは、そういうことではないのです。

    考えるとは、知識を根拠としてものごとの筋道を立てていくこと。
    AならばBであり、BならばCである。
    原因と結果を明瞭にしていくこと。
    ですから、根拠となる知識がない場合、考えようがないのです。

    もう一度、最初の問題に戻りましょう。

    問題 以下の空所に適切な語句を選べ。
    He (  ) often go fishing on Sundays.
    1. would   2. used to  3.had  4.has

    この問題で、まず3と4は早めに選択肢から消去できます。
    had にしろ has にしろ、完了形の文を作ろうとしているのだろうと推測できますが、それならば、後に続く動詞は過去分詞 gone になっているはずです。
    go という原形が使われている以上、これは完了形ではありません。
    また、「~しなければならなかった」という意味なのだとしたら、hadだけではダメで、had to としなければなりません。
    3と4は、正解ではありません。

    では、1と2と、どちらか正解か?
    そもそも、1と2は、何なのか?
    考えるためには、その知識が必要です。


    考えようにも、根拠が見つからないという場合。
    それは根拠となる知識がないからです。
    知識がなければ、考えることができません。
    短期記憶でパッと覚えてパッと消去してきた知識が、実は全部必要なものだったのです。

    知識を蓄えましょう。
    問題を解くときは、常に「根拠は?」「理由は?」と自問する習慣をつけましょう。
    根拠は、自分の中の知識です。


    助動詞。今回は、will の学習をします。
    will というと、未来の助動詞。
    will you ~?で相手の意志を尋ねたり依頼したりすることもある。
    そこまではスラスラと出てくる高校生が多いのですが、それらは中学英語です。
    高校で新しく学習した will があるはずなのですが、それを記憶に残さない人が多いのです。

    もう何度も繰り返し書いていますが、高校生になっても中学英語からバージョンアップしない人は、自分が既に知っている基礎知識を確認すると安心し、それだけで大丈夫と思ってしまうようです。
    しかし、高校の定期テストや大学入試に出るのは、高校で学習した will の用法です。
    そこに力を入れて学習するのだという視点を持ちましょう。
    will には他にいくつも意味があります。
    「未来の意味だけ覚えておけば良くない?」
    という感覚を捨ててください。

    では、高校の定期テストでよく出題される will 、あるいはその過去形 would の用法とはどんなものでしょうか?

    1つ目は、強い意志の will です。
    主に否定形で用いられ、「どうしても~しようとしない」「どうしても~しようとしなかった」という強い否定の意志を表します。

    He won't listen to my advice.
    彼は、どうしても私の助言を聞こうとしない。
    この will は、人以外の主語でも成立します。
    The door wouldn't open.
    そのドアは、どうしても開こうとしなかった。


    2つ目は、「性質・傾向のwill」と呼ばれるものです。
    Teenagers will not do as they told.
    10代の子は、言われた通りにはしないものだ。
    Gasoline will float on water.
    ガソリンは水に浮くものだ。
    このように、人やものごとの性質や傾向を表します。


    3つ目は、習慣を表す will です。
    現在の習慣でも用いますが、テストによく出るのは、過去の習慣です。

    He would often go fishing on Sundays.
    彼は、日曜日によく釣りに行ったものだった。

    ただ、過去の習慣を表す助動詞は、この often の他に used to があります。

    He used to go fishing on Sundays.
    彼は、日曜日に釣りに行ったものだった。

    両方とも同じ過去の習慣。
    では、その使い分けは?

    would の後ろは、動作動詞のみがきます。
    語り手・書き手が個人的に過去を回想する場合に用いられ、現在もそうであるかないかを明言するものではありません。
    また、他の would の用法と区別するため、often , sometimes などの頻度の副詞とともに用いられるのが普通です。

    used to の後ろは、動作動詞・状態動詞の両方がきます。
    現在はそうではないが、過去はそうだった場合にのみ用いられます。
    そして、頻度の副詞とともに用いられることはありません。
    「過去は常に~したものだった」という意味になります。

    その視点で、もう一度問題を見直しましょう。

    問題 以下の空所に適切な語句を埋めよ。
    He (  ) often go fishing on Sundays.
    1. would   2. used to  3.had  4.has

    (  )の後ろに、often があります。
    明らかに、正解は、1.would です。

    根拠をもって考える。
    根拠をもって四択問題を解くとは、このようにすることです。
    文法問題を勘で解かず、間違えたら、正答の根拠を把握すること。
    その問題を解くのに必要だった知識を確認すること。
    答えを覚えるのではなく、根拠を覚えます。
    間違えた問題には必ずチェックを入れて、時間をおいて解き直すこと。
    その繰り返しで、力がついていきます。
    頑張りましょう。





      


  • Posted by セギ at 14:25Comments(0)英語