たまりば

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2015年05月28日

循環小数を分数に直す。


循環小数を分数に直す問題というのがあります。

循環小数とは、0.33333・・・・・のように、規則的に無限に続いていく小数です。
1.357357357・・・・・・などもそうです。
これらは、分数に直すことができるので、有理数です。
無理数ではありません。
では、どのように分数に直すのか。

例えば、0.333・・・・の場合。
まず、x =0.3333・・・・・とおきます。
両辺を10倍すると、
10x =3.3333・・・・・となります。
下の式から上の式を引くと、
9x =3 となります。
無限に続いていく小数点以下は、10倍してひと桁ずつズレても無限に続いていくのですから等しいです。
だから、小数点以下は引くと0になり、整数部分の3だけが残ります。
9x =3
x =3/9=1/3
よって、
0.333・・・・=1/3
循環小数を分数で表すことができました。

きちんと解き方を説明しなければならない問題ならば上のように解きますが、解答欄に答えを書くだけで良い問題ならば、もっと楽に解くことができます。
0.3=3/10
0.333・・・は、3/10の分母から1を引いて、3/9=1/3。

0.575757・・・・・ならば、
0.57=57/100
0.575757・・・は、57/100の分母から1を引いて、57/99=19/33

分母から1を引くのは、上の考え方を利用しているので、解き方としては同じです。

1.357357・・・・となると、少し複雑になります。
x=1.357357・・・・・とおくと、
1000x=1357.357357・・・・・
よって、
999x=1356
x=1356/999=452/333

これも、
1.357357・・・・・=1と357/999
と、帯分数にしてから仮分数に直せば解けるのですが、こうなってくるとむしろこちらのほうが煩わしい解き方になってきます。


このタイプの問題、解き方はわかっているのに約分を忘れて失点ということが起こりやすいのも気をつけたいところです。
例えば、上の1356/999は、3で約分できるのですが、1356を暗算で3で割ろうとし、暗算ミスで「割り切れない」と判断して、そのまま答えてしまうミスは多いです。
3で割れるか、または9で割れるかは、実際に割らずに判断する方法があります。

各位の数の和が3で割れれば、その数は3で割れます。
1356の場合、1+3+5+6=15
15は3で割れますから、1356も3で割れます。

同様に、各位の数の和が9で割れれば、その数は9で割れます。

では、なぜ、そうなるのか。
例えば、4桁のある整数の千の位の数をa、百の位の数をb、十の位の数をc、一の位の数をdとおきます。
4桁の数は、1000a+100b+10c+dと表せます。
1000a+100b+10c+d
=3(333a+33b+3c)+(a+b+c+d)
333a+33b+3cは整数なので、3(333a+33b+3c)は3の倍数となり、3で割り切れます。
よって、a+b+c+dが3で割り切れれば、その4桁の数は、3で割り切れます。

9で割り切れるかどうかも、証明は同様に行うことができます。
上の式の変形がよくわからないという人がときどきいますが、逆に下の式の( )を開いてみれば、上の式に戻りますので、試してみてください。

さて、このように証明できることなのですが、それでも使わない子がいます。
「そんなの嫌だ。私は絶対、自分で割ってみる!」
と頑固に言い張ります。
そして、計算ミスから約分ミスを起こします。
問題を解くときにその性質を忘れているのは仕方ないのですが、知っていても使わない子がいるのです。
何か騙されている気がするのでしょうか。
証明を理解しきれず、何か数字と文字がみっちみちに溢れていてうざい、理解したくない、となってしまい、理解できないものは使わないという判断なのかもしれません。

そこを我慢して冷静に判断すると、数学が得意になっていく気がします。
数学が好きな子の反応は、
「わあ、面白い。便利だね。絶対使う」
であることが多いです。
自分の計算の精度を補完してくれる便利なツールですから。

  


  • Posted by セギ at 14:21Comments(0)算数・数学

    2015年05月22日

    奥高尾を歩きました。2015年5月。

    2015年5月21日、奥高尾を歩きました。
    今週・来週と、日曜日は模試の会場責任者の仕事が入っていて山歩きができません。
    新緑のシーズンなのに勿体ない。
    平日の仕事前にちょっと歩いてくることにしました。
    こんなとき、気軽に行けるのが奥高尾です。
    いつものように高尾駅からバスに乗り、日影下車。9:30。
    バスの進行方向に少し歩くと登山口が見えてきます。
    今日は、日影沢コースを歩きます。

    早朝に雨が降ったので、日の差しにくい林道の地面はまだかなり濡れていました。
    のんびり歩いて行くと、前方にサル。
    登山道のど真ん中にサル。

    ・・・・・サル?

    上高地あたりでサルを見るのは珍しくないのですが、高尾にサルがいるとは。
    高尾山のサル園から逃げてきたのかなあ?
    待て待て。
    なぜ高尾山にサル園があるのかというと、野生のサルが高尾にいるからじゃないの?
    こちらが混乱してたちすくんでいる間に、サルはゆっくりと斜面に移動してくれました。
    ザックから携帯を取り出して写真を撮ろうかとも思ったのですが、ザックの食べ物を狙ってサルが襲ってくると怖いので、刺激しないように静かに通過しました。

    砂利道の林道が舗装道路に変わり、眺望が良くなってきて、城山。10:50。
    山頂は帰り道に踏めば良いので、手前で右折し、まき道を行きました。
    尾根道に合流し、相模湖の見下ろせる茶店前。11:05。
    富士山が見えていました。

    ベンチに座ってコーヒーを飲んでいると、比較的高齢の女性が2人、また3人と高尾方向からやってきました。
    それぞれ別パーティなのですが、すぐに会話が始まります。
    「高尾は、いいところですねえ。私たち、関西から来たんですよ」
    「まあ、関西から?」
    「私、80になるの」
    「ええっ、元気ねー」
    「陣馬山まで行こうと思って」
    「陣馬山、遠いわよー」
    「ええ、遠いの。知ってるの」

    すぐ仲良くなるなあ。
    コミュニケーション能力高いなあと微笑んで振り返ると、挨拶されたので、私も会釈を返して、富士山を指さしました。

    「まあ、富士山!」
    「さっきは見えなかったのに」
    「ああ、富士山」
    口々に歓声が上がりました。

    平日の奥高尾は、歩く人の年齢が高く、穏やかです。
    この雰囲気、好きだなあ。

    景信山。11:55。
    ここでも、富士山は見えていました。
    下の茶店前のベンチからは、来た稜線が明瞭に見えます。
    高尾山、小仏城山。
    そしてその向こうに丹沢の山々。
    大山、塔ノ岳、大室山。
    雨上がりで空気の塵が落ちたからか、初夏とは思えないくっきりとした眺望でした。

    夜から仕事ですから、そろそろタイムリミット。
    来た道を戻ります。
    急坂を下りて、よく整備された登山道をたったか歩いて、小仏城山。13:00。
    景信山の茶店は無人でしたが、城山の茶店は営業中。
    「かき氷」のののぼりがヒラヒラ風にはためいていました。
    多くのベンチが登山客で埋まっています。
    缶ビールを飲みながらゆっくり食事しているご夫婦。
    ベンチに寝転んで、昼寝している男性。
    人が多いのに、声高に話す人が少なく、うるさい感じがありません。

    ここからは、道の大半が木段木道で整備されています。
    見晴台にも一応登って、まき道との合流点へ下りていくと、高齢の女性2人と外国人3人が道しるべのところで立ち止まっていました。
    何やら英語で話しています。
    近づいていくと、日本人の女性が一言。
    「セイム」
    外国人が頷いています。
    「Ah , the same.」
    「イエス!セイム。シロヤマ」
    「Oh , to Shiroyama.」
    「イエス」
    ああ、情報伝達は完璧だ。
    にこにこと通り過ぎました。

    平日の奥高尾は、むしろ日曜日よりも外国人を多く見かけました。
    日本を旅行している外国人に、土日は関係ないですもんね。

    高尾山、13:45。
    そこからは琵琶滝コースを選んで、下山しました。

      


  • Posted by セギ at 13:41Comments(0)

    2015年05月19日

    伸びる子の考え方

    さて、中間テストシーズンです。

    中学生の中には、勉強に対する意識の低い子も多いです。
    例えば、テスト当日の朝に提出するワーク。
    学校から、解答も一緒に渡されている場合が大半ですが、結局、答えを丸写しで提出する子、いますよね。
    「自分で解こうとしてもわからないから」
    というのが本人の言い分。
    ある意味説得力のあるこの言い分、しかし、たいていは嘘です。
    ワークは、そんなに難しいものではありませんから。
    正確には「解けない問題もある」程度のことを、誇張して言っているだけです。
    (^-^;


    うちの塾に通うある女子生徒は、とにかくミスが多いです。
    しかもミスが多様で、「こういうところでミスしやすい」という傾向がありません。
    全方向でミスをします。
    足し算ミス、引き算ミス、九九の誤用、約分ミス、符号ミス、問題の写し間違い、項を1つ書き忘れる、文字を1つ書き忘れる、数字の書き間違い。
    枚挙にいとまがありません。
    数学指導をする場合、学年が上がるにつれてそういうことが課題となってしまうことが多いです。
    解ける問題も途中でミスをしますから、得点は期待できず、絶望感が深くなっていきます。

    計算力というよりも精神力の問題なのかもしれません。
    数学の問題を解いている間も、常に動揺しているのではないか?
    余計なことを考えているのではないか?
    特に十代の女の子は、大人が外から見ているよりもずっと感情の波が大きく、多感で、言ってみればいつも動揺しています。
    それでは計算なんか合うわけがありません。
    「わからない」と感じると心が揺れ、「わかった♡」と思うとまた心が揺れ。
    いちいち人間的、感情的に反応していたら、正しい計算はできません。
    機械のように冷静に。
    機械のように正確に。
    そのようでなければ、複雑な計算はこなせません。

    しかし、そう話しても、冷静であることを本人が是としません。
    機械のようになるのは嫌なんだそうです。

    人間であることを辞めろなんて誰も言っていない。
    数学の問題を解く間だけ冷静になりなさいと言っているだけだよと説明しても拒絶します。
    繊細・多感であり、他人への共感性が高いことと、数学の問題を冷静に解くことは両立するのに、どうもそういうことが上手く伝わりません。
    相変わらず日々心が揺れ、数学の答案は、ひどいときには毎行ミスをしています。

    これは、もうどうにもならないのではないか?
    ともすると、私のほうが先に諦めてしまいそうになります。

    相変わらずのミスの多さに、私が眉間にしわを寄せて授業をしていた先日のこと。
    学校から新しい問題集が配られ、ゴールデンウィークにそこから課題が出たけれど、いつもと違って解答が配られないという報告がありました。
    「解答が配られない?何で?」
    「さあ・・・・・?」
    「解答を丸写しする人が多いから、学校の先生が方針を変えた?」
    「私は写してませんよ」
    「知ってますよ。あなたは、そういうことはしないです。でも、丸写しする人もいるでしょう?」
    「あー、・・・・。それは、まあ」
    「あなたは解答を写さないね。必ず自分で解くね」
    「だってそれは・・・・・。答えをただ書き写している時間は、無駄な時間だと思うから。間違えても、自分で解いたほうが無駄な時間じゃないから」
    「・・・・・・」

    大人に言われたからではなく、中学生の本人が自分でそう判断しているのです。

    この子は、大丈夫じゃないか。

    むしろ、私は何を不満に思い、何に不安を感じているのだろう。
    こういう考え方のできる子は、大丈夫じゃないか。
    いずれ、冷静に問題を解けるようになるのではないか。
    少なくとも私が諦めるのはおかしい。

    ふっと、未来に光が差すように感じました。

      


  • Posted by セギ at 14:01Comments(0)講師日記

    2015年05月13日

    榛名外輪山を歩いてきました。2015年5月。


    2015年5月10日、群馬県の榛名外輪山を歩いてきました。
    以前にここを歩いたのは、2004年の5月。
    11年ぶりの再訪です。
    「乗換案内」で検索しても新幹線を使う乗り換えしか出てこないことに準備段階で四苦八苦。
    短い区間ごとに検索し直して、三鷹5:27分発の電車に乗り、神田、上野と乗り継ぎ、上野からは高崎線に乗車しました。
    高崎駅8:16着。
    高崎駅西口からはバスです。
    しかし、目指す2番線バス停が遠い。
    2番線バス停は、高崎駅西口のロータリーの対岸にあります。
    11年前は、走ってようやくバスに間にあったことを思い出しました。
    今回はダイヤも変わっているので、余裕でバス停に。
    それでも、電車到着からバス停まで7分かかりました。

    高崎経済大学の学生さんたちに混じって、榛名湖行きのバスに乗車。8:30。
    登山姿の乗客は、私も含めて7人でした。
    ゴールデンウィーク直後の日曜日は例年観光客が減ります。
    山もいつもより少しすいていて歩きやすいです。

    終点「榛名湖」の1つ前、「天神峠」で下車。9:50。
    バスが登ってきた道路の向かい側に登山口がありました。
    大きな石灯籠が登山口の目印です。
    広い砂利道をしばらく行くと、道しるべがあり、そこから本格的な山道でした。
    11年前は、真新しい木段が延々と続いていた記憶があります。
    その木段が全て古び、白っぽく朽ちてきて、辺りの景色とマッチしていました。
    一方、古くなった分、ちょっと歩きにくい箇所も。
    朝一番で身体のバランスが悪いせいもあり、気をつけて急な木段を登っていきました。

    登りの途中で眺望が開けました。
    上の画像はそこで撮影したものです。
    榛名湖と、青い空と、新緑の山と、トウゴクミツバツツジ。

    さらに急な木段を登り切って、氷室山。10:20。
    狭い山頂からすぐ、今度は下りの木段です。
    古い木段を下るのは、さらに慎重に。
    丸太を半分に切って作ってある木段と木段の間隔が広く、そこにうっかり足が入って転んだらと考えると足がすくみます。
    無理せず一段一段降りて、平坦な道を少し行くと、また急な木段の上りが始まりました。
    朝一番のこの上り下りが、この日一番体力の要る場所でした。

    登りきると、天目山。10:50。
    山頂にはベンチがあり、眺望も良好でした。
    そして、また下ります。
    ここは、丸太で土止めをしているタイプの階段上の登山道でした。
    これが例によって土が流れ落ち、丸太が飛び出ていて歩きにくい。
    けれど、新緑は美しいし、オオカメノキが白い花をつけていました。
    あー、来て良かった。


    その先、道は平坦になり、よく整備されて、心躍る山道でした。
    しかし、しばらく行くとまた急な下りになり、そして、いったん道路まで下りてしまいました。
    そこが七曲峠。11:05。

    道路を渡って、再び登り。
    この辺りからは、アップダウンもさほど気にならなくなりました。
    身体が山道に慣れてきたのでしょう。
    ヤマツツジのつぼみがあちらこちらに膨らんで、もう今にも咲きだしそうでした。
    来週は一気に開花し、より明るく華やかな山道となるのでしょう。

    松之沢峠。11:20。
    ここでも、いったん車道まで下りて、そこから登り返します。
    登りきると、コース上随一の展望地でした。
    見事に円錐台の形をした榛名富士。
    青い榛名湖。
    そして来た道の山々。
    これから登る相馬山。

    磨墨峠の東屋で昼食。11:50。
    相馬山の方向から来た男性が東屋に入ってきました。
    「これから相馬山?」
    と話しかけられたので、
    「はい。相馬山からですか?」
    「そうだよ」
    「震災で登山道が崩れたそうですが?」
    「ああ。鉄梯子のところは登れないね。でも、迂回路があるから」
    「あ、そうなんですか?」
    「ずっとロープが張ってあるから、まあ登りやすいよ」
    「あー、そうなんですか」

    しかし、この「登りやすい」は、個人の感想だったのですが。
    ( ;∀;)

    さて、相馬山へ。
    ここは木段ではなく、石の階段がずっと続いていました。
    石段を登りきると、赤い鳥居のある分岐。
    ここから、相馬山への登りが始まります。
    相馬山は、縦走路の中では寄り道なのですが、最高峰ですので、立ち寄りたい。
    鎖場・梯子の設置された、ちょっとスリルのある楽しそうな道ですし。
    しかし、東日本大震災で岩場が崩れ、そのコースは歩けなくなっていました。
    通行を塞ぐようにトラロープも張ってあります。
    鳥居には、迂回路の矢印が貼られていました。

    いざ迂回路へ。
    しかし、ここがとんでもない道でした。
    崖っぷちに無理やり足場を作り、ロープにすがってそこを登っていくのです。
    一歩一歩、そこにしか足を置けず、その下は崖です。
    しかも、ロープは、岩場の角で擦り切れ始めているものも。
    この道、怖い。
    ( ;∀;)

    幸い、迂回路は比較的短く、途中からは以前からの登山道に合流。
    鎖は張ってありますが、使う必要はない程度の易しい岩場が続きます。
    山頂。12:35。


    山頂には小さい社務所や石碑がありました。
    信仰登山のための山頂であることを強く感じます。
    そして、抜群の眺望。
    関東平野が眼下に開けていました。
    下りへの恐ろしさが気持ちの90%ほどを占めている中でも、風景は美しい。

    さて、下山。
    先に下山していった男性2人に迂回路との分岐のところで追いつきました。
    迂回路を下りたくないので、もとの登山道の様子を見に行って戻ってきた様子です。
    私も、出来るものなら普通の梯子を下りたい。
    梯子や鎖場は、危険ではありません。
    それはむしろ整備されて安全な登山道である証拠。
    本当に危険なのは、あの迂回路みたいな道。
    でも、やはりもとの登山道は崩落しているようです。

    男性が、
    「先に行く?」
    と声をかけてくれました。
    「いえ、私は、こういう道は苦手なので。ゆっくり行きます」
    「こんな道、得意な奴はいないよ」
    男性は笑いながら、先に迂回路に入っていきました。
    もうこうなったら一か八か、ロープを両手でつかみ、体重を預けて下っていくしかありませ
    ん。
    怖いー。
    やばいー。

    でも、先々週の九鬼山から御前山への縦走路のほうが、長い分だけストレスが強くて怖かったかな。
    案外あっけなく、迂回路は終了しました。
    はあ、良かった。13:10。
    ヽ(^。^)ノ

    赤い鳥居のある分岐まで戻り、穏やかな縦走路に感謝しながらたったか歩いて、ヤセオネ峠。13:20。
    また道路に出ました。
    この手前で道が二又に別れて、どちら行くか迷ったのですが、道路手前で2つの道が合流したのには拍子抜けしました。

    さて、道路に出て右に進むと、右側に舗装されているけれど私道らしい道があり、そこに入りました。
    「伊香保森林公園」の大きな看板を見ながらその道を登っていくと道しるべがあり、その通りに左折。
    細い登山道がそこから再び始まります。
    小さな丸い石がゴロゴロしていて、石車のようになって滑りやすい道を下っていきます。
    全体に荒れた印象の道ですが、踏み跡は明瞭です。
    その先、また車道に出ました。13:55。

    そこからすぐ風穴を示す道しるべと登山道があり、だまされそうになりましたが、地図を確認し、車道を右に進みました。
    しばらく行くと、伊香保温泉を示す道しるべがあり、車道を左折。
    その道は、廃道になった林道でした。
    とにかく落石が多かったです。
    道は落石だらけ。
    山の斜面に張られたフェンスには落石がぎっしりたまっていました。
    こんなところは早く通過しなくちゃ。

    やがて、右手に沢が見えてきました。
    赤錆びた水の色。
    もう伊香保温泉です。
    観光地らしい朱塗りの太鼓橋が見えてきました。14:20。

    そこから坂を登っていけば、伊香保露天風呂。
    そこは、赤錆びた源泉の露天風呂で、11年前はそこに入りました。
    今はどうなのかわかりませんが、そのときは、シャワーやカランはなく、水道の蛇口があるのみでした。
    水道水で汗を流し、頭を洗い、ぬるめの源泉につかりました。
    それでも露天の雰囲気は良く、悪い印象はないのですが、今回は、石鹸・シャンプー可の石段の湯に入ることにしました。
    300段以上ある、伊香保の有名な石段。
    その途中に新しい立ち寄り温泉もできていました。
    地図によれば、少し離れたところには「大江戸温泉物語・伊香保」という施設も出来たようです。
    石段のほぼ終わりかけのところに石段の湯はありました。
    入浴料410円。
    町営施設は安いなあ。
    時間帯も早かったので、空いていました。
    しかし、自販機でビールを売っていません。
    町営施設にたまにありますね、そういうところ。

    外に出て、酒屋さんに立ち寄り、缶ビールを購入。
    バス停のベンチでのんびり飲んでいるうちに、渋川駅行きの急行バスが来ました。

      


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    2015年05月06日

    尾瀬・至仏山を歩いてきました。2015年5月。


    ゴールデンウイークは、尾瀬に行ってきました。
    5月4日、東京駅から上越新幹線に乗車。6:36発。
    連休中なので混雑を覚悟していたのですが、車内はガラガラ。
    ガーラ湯沢駅までしか行かない新幹線だからかもしれません。
    上毛高原駅着。7:53。
    駅前から戸倉行きのバスに乗車。8:10発。
    山支度の人は私も含めて6人でした。
    戸倉・鳩待峠バス連絡所。9:58着。
    ここから、鳩待峠行きのマイクロバスに乗ります。10:20分発。
    いよいよ、鳩待峠に到着。10:55。

    青空の下、鳩待峠は、大勢の登山客で賑わっていました。
    下山してきた人たちが、手に持ったアイゼンをカチャカチャいわせながら、
    「山頂のガスは、あれは何だったんだ?」
    とぼやいていました。
    どうやら、彼らが山頂にいた時点では、眺望はなかった様子です。

    本日は山ノ鼻まで行くだけ。
    ストックを調節して、さて出発です。
    暖かいので雪はシャーベット状。
    鳩待峠から山ノ鼻へは緩い下り道です。
    トレースはしっかりありますし、前後に必ず人がいました。
    コースは途中まで夏道どおし。
    そこから川上川の左岸を行きます。
    川上川は、雪融け水が轟々と流れていました。
    空気に水の匂い、雪の匂いを感じます。
    イオンを感じる冷たくおいしい空気です。
    水や雪は無臭と言われればその通りなのですが。
    のんびり歩いて、山ノ鼻到着。12:15。
    今夜の宿は、国民宿舎尾瀬ロッジ。
    チェックインは14時からなので、そのまま、尾瀬ヶ原を散策することにしました。



    歩いているうちにかなり雲が増えてきましたが、遠く燧ケ岳がくっきりと見えていました。
    尾瀬ヶ原の大半は、まだ雪の下です。
    向こうから歩いてくる人が意外にたくさんいました。
    大清水から入山して、尾瀬沼・尾瀬ヶ原を縦走してきた方たちでしょうか。
    そういうのもいいなあ。

    小雨が降ってきたので、山ノ鼻に戻り、チェックイン。
    電気は通っているし、水道から飲料水が出るし、トイレは水洗です。
    尾瀬の山小屋は、快適だー。
    連休も後半となり、客が少ないので、個室を1人で占有。
    缶ビール500mL550円を購入し、小屋の前のデッキに座って、景色を眺めながら飲みました。
    そのうちに気がついて、小屋前の池塘にミズバショウが咲き始めていることを確認しました。
    写真を撮って戻ってくると、小屋に3人連れが入っていきました。
    「消毒液があったら貸してもらえますか。アイゼンで太ももを切って」
    外からも聞こえる大きな声でした。
    転んだときに自分のアイゼンが刺さってしまったようです。
    ここで救助隊を呼ぶよりも、下山してタクシーを拾って病院に行ったほうが早い。
    ロッジの人からそういう助言をもらい、デッキで消毒していました。
    ロッジの人とそういう話をしている本人が怪我人で、気丈な方のようなのがまだしも救いでした。
    アイゼンもピッケルも砥いでおかないと効かないけど、自傷の可能性もあるので怖いです。

    17時、夕食。
    岩魚の串焼きがメインディッシュでした。
    ご飯とお茶はおかわり自由。
    味噌汁のお代わりがないのが、ちょっと残念。
    客は、私も含めて10人でした。

    18時、お風呂がわき、入浴。
    尾瀬では、石鹸・シャンプー・歯磨き粉の使用は禁止されています。
    でも、汗が流せるだけで、幸せ。
    浴槽は、3人くらいがのびのび入れる広さでした。
    混雑時は、10人くらいが互い違いになって入るでしょう。

    部屋の窓からは、至仏山がよく見えました。
    19時、就寝。

    5月5日、5時30分起床。
    予報は朝のうち曇り。午前9時頃から晴れ。
    洗面や支度をして、6時、朝食。
    焼き塩鮭、温泉卵、海苔、納豆、小鉢、トマトと玉ねぎのサラダ、味噌汁。
    ロッジの前でアイゼンを着け、6時40分、出発。
    至仏山を目指します。
    歩いていくとすぐ十字路。
    看板の通りに至仏山登山道に入りました。
    昨夜、雨が降り、トレースは薄くなっていましたが、先行者のアイゼンの跡が2種類。
    心強いと感じ、夏道どおしに登っていきます。
    最初から急坂です。

    樹林帯を越えると、ますます急になり、しかも朝早いので雪面がまだ凍っていました。
    アイゼンがよく効いているからましですが、ストックの先がほとんど刺さりません。
    やっぱりピッケルにすれば良かったかなあ。
    ガイドブックには、ゴールデンウイークはストックで対応できると書いてあったのですが。
    高天原はだだっ広い雪面で、先行者のアイゼンの跡を見失ってしまいました。
    まあとにかく上を目指そうと、少し不安を感じながらもガシガシとアイゼンを軋ませて登っていきました。

    ふいに、斜面の上部に人が現れました。
    尻セードで滑り下りてきたと思ったら、バランスを崩して横転。
    ストックを雪面に突き刺そうとしてもスピードは緩まず、ゴロンゴロンと落ちていきました。
    おいおいおい。( ;∀;)

    斜面を水平に移動して下を覗きこみました。
    怪我でもしていたら、救助隊を呼ばなくちゃ。
    遙か下でようやく止まった人に声をかけました。
    「大丈夫ですかあー?」
    「大丈夫ですー」
    ストックを上げて答えがあったので、安堵しました。
    雪面が凍結しているときの尻セードは危険のようです。
    ここの斜度は、30°くらいあるように思います。
    雪面の斜度30°は、体感では60°くらいあるので怖いです。

    高天原。9:10。
    この付近だけ、雪が融け、木段が見えていました。
    風が強いです。
    上から2人下りてきました。
    あれ、先行者かな?
    登れる印象の若い男性2人です。
    この人たちがピストンで下りてきたのなら、山頂から先は、1人でルートを読まないといけないのかなあ。

    今年の雪山シーズンは天候に恵まれず、クリスマスもお正月も春分の日も雪山に行けませんでした。
    私の連休はその3回しかなく、今年はゴールデンウィークが最初の雪山。
    これでは北アルプスはちょっと自信がないので初級者向けの至仏山に来たのですが、ここもなかなかどうして危険は危険です。
    はあ。
    まあ来てしまったものは、仕方ない。
    この急斜面を下って戻るのはもっと嫌ですし。

    またあたり一面の雪原となり、ひたすら上を目指しました。
    ついに至仏山、山頂。9:40。
    ここも、雪が融けていました。
    そして、予想外に大勢の人がいました。
    鳩待峠から登ってきた人たちです。
    まるで夏山の賑わいです。

    見覚えのある山頂標識に触わって頂上を実感した後は、360°の眺望を楽しみました。
    絶景です。
    雲は上空に帯のように残っていましたが、遠くまで青空が広がっています。
    目の良い人たちが、
    「劔が見えるよ」
    「あれ、富士山でしょう?」
    と歓声を上げていました。
    うーむ、単眼鏡を持ってくれば良かったー。
    でも、肉眼でも、十分な眺望でした。
    一番上の写真がそれです。

    太陽が照り付けると、雪はあっという間にシャーベット状に。
    ここから先は、下山する人や今から登ってくる人で大賑わいでした。
    鳩待峠からピストンする人が多いのでしょうか。
    それなら、急なところもほとんどなく、雪山が初めてという人でも歩けます。
    あとは、山スキーヤーとスノーボーダー。


    さて、下山。
    くっきりついたトレースの通りに尾根の東斜面をトラバースしていきます。
    トレースの幅が広く、雪の水平道という印象で、そんなに高度感はありませんでした。
    小至仏山の上り下りがないぶん、夏に歩くよりむしろ楽かもしれません。

    1867mピーク付近で広い尾根状の地形になったら左へ下る。
    ガイドブックのこの1文がトレース無しの場合かなり難解と感じていました。
    「鳩待峠への下りは道に迷いやすいのでご注意ください」
    の看板も出ていました。
    でも、迷うはずのないトレース。
    快晴なので木々の赤テープもくっきり視認できました。
    緩い下りを快適に歩いて、ふっと気づくともう鳩待峠の建物が見えてきました。
    鳩待峠。11:40。
    切符を購入して、マイクロバスにすぐに乗り込みました。
    バス出発。11:50。
    予定より1本早いバスに乗れました。

    戸倉。12:15。
    道路を渡った温泉旅館が日帰り入浴OKだったので、温泉を満喫。
    上がって、缶ビールを購入。500mL、320円。
    バス停横の石段のようなところに座ってバスを待ちました。
    快晴の下、心地良い風が吹き、最高の風呂上がりです。
    上毛高原行きのバス乗車。13:12。
    上毛高原。14:59。
    東京行きの新幹線。15:09発。
    さすがにそこそこの混雑でしたが、次の高崎駅で下車する人がいて、そこからは座っていくことができました。

    思っていたよりも天候に恵まれ、混雑も避けることができ、楽しい山旅でした。

      


  • Posted by セギ at 16:48Comments(0)