たまりば

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2019年09月30日

高校英語。分詞構文その1。


今回は分詞構文の学習です。
英語というのは、同じ語句の繰り返しを嫌う言語です。
省略できるものはどんどん省略していきます。
分詞構文は、従属節(SVのある意味のまとまり)から、必要ないところをできるだけ省略したものです。
省略する前は副詞節だったのですから、主節を修飾している副詞句、ととらえることが可能です。

では何を省略するか?
まず、従属節の先頭におく接続詞を省略します。
そして、省略された接続詞の意味によって、分詞構文は大きく5つに分かれます。
①時・・・・・・・・・when , as , after , before など
②理由・・・・・・・because , as , since など
③条件・・・・・・・if など
④譲歩・・・・・・・though , although など
⑤付帯状況・・・and など

まずこの5通りを呪文のように覚えてしまうと、分詞構文は意味を把握しやすくなります。
分詞構文を節に書き換えなさいという問題で呆然とすることがなくなります。
この5通りの接続詞のどれかを補って英文を書き出せば良いということが明瞭ですから。

では、具体的に、どのように省略していくのか、もとの従属節を含む文から見ていきましょう。

①時 
When I drive to the office every morning, I listen to the radio.
私は毎朝職場に車を運転していくとき、ラジオを聴く。
この接続詞 when を省略します。
省略しても、意味は理解でき、復元も可能だからです。
さらに、従属節の主語も省略します。
主節の主語と同じなので、意味は理解でき、復元可能だからです。
従属節と主節の時制は同じ現在形なので、時制のことをあれこれ考える必要もなく、復元可能です。
そこで、従属節の動詞 drive を現在分詞にすることで、分詞構文とします。

Driving to the office every morning, I listen to the radio.

これが分詞構文です。
構造が理解できれば、簡単ですね。

②理由 
Since I am a farmer, I have to get up early.
私は農業をやっているので、早く起きなければならない。
理由を表す接続詞 since と、主節と同じ主語 I を省略し、動詞 am を現在分詞に直します。

Being a farmer, I have to get up early.

③条件
If you go ahead for a mile, you will get to the station.
1マイルまっすぐ行けば、駅に着くでしょう。
条件を表す接続詞 if と、主節と同じ主語 you を省略し、動詞 go を現在分詞に変えます。

Going ahead for a mile, you will get to the station.

④譲歩
Though I admit you have a point, I still think I am right.
あなたの言うことも一理あると認めるが、それでも私が正しいと思う。

そもそも譲歩の接続詞をあまり記憶していない人もいると思います。
譲歩というのは「~ではあるが」といったん相手に譲り、相手の言うことを認める表現です。
しかし、完全に認めて折れてしまうのでは決してなく、本当に言いたいのはその後です。
国語、特に論説文の読解でもそこは重要で、譲歩の文の前半は自分の公平性を示すための譲歩に過ぎず、後半が筆者が本当に言いたいことであると理解していないと、読解のポイントがズレてしまいます。
「彼女は美人だが冷たい」
「彼女は冷たいが美人だ」
この2文、上の文は悪口で、下の文は褒め言葉です。
書いてあることが全部筆者の言いたいことなのではなく、前半は読み手・聞き手の理解を得るために譲ってみせているだけで、本当に言いたいことは後にくるのです。
しかし、現代の子どもの中には、「彼女」「美人」「冷たい」と単語を拾い読みして情報を得るため、全ての情報が対等に見えてしまい、文章の読解ができない子が存在します。
上の2つの文の意味の違いが認識できないのです。
特に説明文・論説文がうまく読めない子にこの傾向が強いです。
単語の羅列を自分の想像でつなげているため、筆者の言いたいことと真逆のことを読み取ってしまうこともあります。
英語の構造を理解することで、国語読解力も改善してください。

「逆説とどう違うの?」
と問われることがあるのですが、基本は同じです。
表現の仕方が違うだけなので、上の英文は、
I admit you have a point but I still think I am right.
と書き換えることが可能です。
接続詞の位置が異なることに気づくと思います。
譲歩の接続詞 though は従属接続詞なので従属節の先頭におきますが、逆説の接続詞 but は等位接続詞で、節と節とを対等に結び、節と節との間におかれます。
・・・ああ、そういう文法用語が嫌い、ごちゃごちゃしてわからない・・・とイライラしないで、何度でも説明を読んで理解してください。
そこを曖昧にしているから、違いが曖昧でよくわからないままなのです。
接続詞には従属接続詞と等位接続詞があります。
区別がつかない場合は、等位接続詞は具体的に、and , but , or , so , for(「というのは」という意味)で、それ以外は従属接続詞、と把握しておいても大丈夫です。

⑤付帯状況
これも、まず言葉の意味が難しいと思います。
付帯状況とは、具体的には、「同時動作」「連続動作」「1つの動作が他の動作の一部」の3通りで把握すると理解しやすいでしょう。
例えば「歌いながら歩く」が同時動作。
「ドアを開けて部屋の中に入る」が連続動作。
「池に落ちてびしょぬれになった」が「1つの動作が他の動作の一部」の場合です。
ただし、厳密に3通りに分類することに頭を悩ます必要はなく、これらをまとめて付帯状況と呼ぶのだと理解しておけば十分です。

The typhoon hit the city and caused great damage.
台風がその市を襲い、大きな被害を与えた。
付帯状況の文は、主節・従属節の区別はなく、どちらも対等なので、等位接続詞が使われています。
こうした付帯状況の文は、後ろの節を分詞構文にするのが普通です。

The typhoon hit the city, causing great damage.

以上の①から⑤のうち、①時 と②理由 は、非常によく分詞構文が用いられます。
しかし、例えば①時 で、after , before , while など、復元しにくい接続詞は省略せず、残しておくことが可能です。
また、分詞構文の多くは書き言葉です。
日常会話では相手に復元を期待する分詞構文で伝えるよりも、従属節を使って話すほうが正確に伝わります。
③条件 ④譲歩 は、省略された接続詞を推理することが難しいという点で、接続詞を残すか、あるいはそもそも分詞構文にしないことも多いです。
⑤の付帯状況は、比較的意味が伝わりやすいということで、日常会話でもあり得ますし、書き言葉でも多用されます。
コミュニケーション英語の教科書本文も、付帯状況の分詞構文が多用されています。
主節の後にいきなり現在分詞から始まっているこの部分は何?と思ったら、付帯状況の分詞構文の可能性を考えてみると、読解が楽になると思います。

以上、まずは分詞構文の基本的な意味でした。



  


  • Posted by セギ at 12:20Comments(0)英語

    2019年09月27日

    高校数Ⅱ「式と証明」。不等式の証明その5。とにかく解こうという気持ち。


    さて今回はまずこんな問題から。

    問題 a+b=4 のとき、3a2+b2≧12 を証明せよ。

    a+b=4 という新しい種類の条件が提示されましたが、この使い方は何となくわかるような気がします。
    おそらく、代入して、文字を1種類に整理するのでしょう。
    a+b=4 より b=4-a 
    これを代入して、
    3a2+b2
    =3a2+(4-a)2
    =3a2+16-8a+a2
    =4a2-8a+16
    ここで平方完成してみましょう。
    =4(a2-2a)+16
    =4(a-1)2-4+16
    =4(a-1)2+12

    右辺と同じ12が出てきましたね。
    これで証明できました。
    (a-1)2≧0 より 
    4(a-1)2+12≧12

    等号はa=1のときですね。
    ならば、bも決定します。
    b=4-a=4-1=3
    よって、等号成立は、a=1、b=3のとき。


    前にも書きましたが、不等式の証明を学習していて、よく受ける質問に、
    「どのやり方で証明するのか、判断がつかない」
    というものがあります。
    パッと見た瞬間に、この問題はこのやり方、あの問題はあのやり方で証明する、と判断する基準は何なのか?
    それを質問する高校生は多いです。

    しかし、とにかく試行錯誤してみるのが、力をつけるには一番良いのです。
    「どのやりかたを使っていいのかわからないから、イライラする。解くのが苦痛だ」
    ではなく、
    「どのやりかたを使うのかわからないから、色々試してみる。それが面白い」
    だと思うんです。
    数学を楽しむ態度とはそういうものではないでしょうか。

    正解に至る簡単な見分け方を教えてほしいと思ったり、それがわからないから解けない、とすぐに諦めたり。
    そういう傾向は、高校生になって突然現れるものではありません。
    小学生のときから、そういう傾向はあります。


    例えば、こんな問題。

    問題 14/15 : 35/36 を簡単にしなさい。

    これは、小学校6年生が学習する「比」の問題です。
    教科書で学習する内容よりはやや難しいです。
    しかし、「解けない」と諦めてしまうようなレベルの問題ではないと思うのですが、中学受験をしない小学生で、この問題を正答できる子は意外なほど少ないのです。

    まず、第一段階として、分母の通分が上手くできない子が多いのです。
    小学校では、「連除法」は教えません。

    3 ) 15  36
         5  12

    3×5×12=180 と、このように最小公倍数を求める方法が連除法です。

    現行の教育課程で、学校でこれを学ぶのは、高校1年数A「整数の性質」です。
    小学生にこれを教えないのは、この解き方の意味を理解できる小学生が限られているからでしょう。
    素因数分解を実感として理解できない状態でこの解き方だけを教えても、それは、単なる解き方の作業手順を教えるだけです。
    意味のわからない作業手順の丸暗記を、学校が率先して指導するわけにはいきません。
    公倍数とは何なのか。
    小学生が最初に学習するときは、その本来の意味を理解することを優先したほうがいい。
    意味が明瞭な解き方をしたほうがいい。
    というわけで、学校では、15と36の公倍数を求めるときには、それぞれの倍数を書き出していって、共通のものを見つけるやり方を教えるのが普通です。
    15、30、45、60、75、90、・・・・
    36、72、108、・・・・
    というように並べて書いていきます。
    これが面倒で、途中で諦めて、分母の15と36を通分できない子が多いです。

    上のやり方でもいいけれど、大きい数のほうが、1倍、2倍、3倍、・・・と数がすぐに大きくなっていきますから、書き出していくのは大きい数だけのほうが早いよね、と塾では助言します。
    大きい数を1倍、2倍、3倍、・・・していって、その数が小さい数の倍数にもなっているかどうか確認していけば、最小公倍数は早く見つかります。
    36、72、108、144、180、・・・
    「72は、15の倍数?違うね。108は、15の倍数?これも違うね」
    そう声をかけて、つきっきりで面倒を見ると、誰でも、180という最小公倍数を見つけることができます。

    しかし、作業自体はそんなに難しいことではないのに、宿題に出したり、独りで演習させると、15と36の最小公倍数を見つけられる子は本当に少ないのです・・・。
    180は、36の5倍でしかありません。
    たった5個目に答えがあるのに、そこに至る前に諦めてしまう子が大半なのです。
    算数・数学ができない理由の第一は、それだと思います。
    諦めが早すぎるのです。

    では、なぜ、そんなに簡単に諦めるのか?
    それは、暗算が苦手なことが第一の原因でしょう。
    36を1倍、2倍、3倍、していくことが苦痛なのだと思います。
    しかも、その結果が、15の倍数であるかを確かめるのもつらいのでしょう。
    いちいち筆算しないとそれができない計算力の子もいます。
    36×2=72 を筆算して、それから72÷15を筆算して、という作業をしないと公倍数であるかどうか確かめられない計算力では、15と36の最小公倍数を求めるのは、難行苦行です。
    頭の中でかけ算・わり算することが容易であれば、この問題は諦める必要なく解いていけるのです。

    しかも、この問題が解きにくい原因は、これだけではありません。

    14/15 : 35/36=168/180 : 175/180=168 : 175 

    ここまで解いたとしても、これをさらに簡単にすることができない子が多いのです。
    ここから、さらに、同じ数で割って比を簡単にするのですが、その数、つまり168と175の公約数を見つけることができないのです。
    暗算力のある子は、この2つの数を眺め、頭の中でちょっと暗算しているうちに、「あ、7で割れる」と気がつきます。
    しかし、そうした作業が苦痛で、強要されない限りそんなことは絶対にしない子たちは、7を見つけることができません。

    この問題の公約数は7という1桁の数なので、実はまだ見つけやすいのですが、17や19などのときは、もっと苦労することになります。
    しかし、このような場合にも、公約数を発見する方法はあります。
    168と175と、どちらからアプローチしても良いのですが、175からやってみたほうが簡単そうです。
    175を割ることのできる数を考えます。
    つまり、素因数分解するのです。
    すぐに思いつくのは、5です。
    175÷5=35
    35は、さらに5で割れます。
    35÷5=7
    つまり、175=5×5×7 です。
    これは、175は、5や7で割り切れる、という意味でもあります。
    一方、168という数の中には、5という要素(因数)は絶対ないと見た目でわかります。
    だとすれば、168を割れる可能性のある数は、7です。
    試してみると、確かに割ることができる。
    そういう作業をすれば、共通に割ることのできる数、すなわち公約数を発見することができます。

    このやり方も、小学校では学習しません。
    教科書にある公約数の見つけ方は、それぞれの約数を全て書き出し、共通のものを見つけるやり方です。
    1、2、3、4、7、8、12、14、21、24、42、56、84、168
    1、5、7、25、35、175
    全部書き出すと、最大公約数は、7だとわかります。
    この解き方でしか公約数が見つけられない子は案外多いのです。
    そして、この解き方の作業時間が長くとても面倒くさいので、公約数を見つけることをすぐに諦めてしまうのだと思います。
    教わったやり方から一歩も外れることができないのは、なぜそれで解けるのか、本質を理解していないからでしょう。
    学校で教わったものより少しだけ高度な解き方の意味を理解することができず、あるいは、理解できたとしても、自分で問題を解くときに活用することはできないのです。

    14/15 : 35/36=168/180 : 175/180=168 : 175=24:25
    これが正解です。

    この問題が解けない子たちに欠けている力は何なのか?
    1つには計算力。
    特に、整数が他の整数の積の形に見えているかどうか、です。
    175=5×5×7 という形に見ることができるかどうか。
    こうしたことは、小学校で教える内容ではありませんが、教わらなくても理解している子もいるのです。
    175が、5で割り切れるなら、175÷5の商である35でも、175は割り切れる。
    35で割り切れるということは、35=5×7だから、175は、7でも割り切れる。
    そういう、かけ算とわり算の関係を理解していると言い換えても良いです。
    それは、「わり算の検算」という学習で小学校でも一応触れているのですが、その内容の重要性に気づかず、頭の隅にも残さない子も多いです。
    しかし、算数が本当に得意な子たちは、理解しています。
    かけ算・わり算を沢山やっていく中で自然に獲得している知があるのです。
    数の体系を、数理の根本を、教わらなくても理解している子たちが、算数・数学で高い能力を発揮します。
    一方、計算のやり方などの実務的な学習事項に目を奪われ、論理的なことの重要性に気づかず聞き流す子たちも多いのが現状です。

    また、1つには、理解力と応用力。
    小学校の教え方は、最大多数の子が理解できるようにと考えられた教え方です。
    だから、公倍数の求め方も、公約数の求め方も、とにかく地道です。
    最初はそれで良いのですが、本質を理解したら、もっと早く求める方法があります。
    それを活用できない子が多いのです。
    塾で教えても、そのときは理解した顔をしますが、自分のものにできない子が多いです。
    家庭でご両親が教える場合も、数学が得意な人が教えるほど、むしろ子どもが全くついてこられず喧嘩になってしまうということは多くあると思います。
    私も、その子の理解力次第で連除法も教えるつもりでいるのですが、ちょっと無理だなと判断する場合が多いです。
    せめて、大きいほうの数を1倍、2倍、3倍して、早く最小公倍数を見つけることくらいは身につけてほしいと思っても、結局いつも小さいほうの数を1倍、2倍、3倍し始めて、いつまでも数が大きくならず、なかなか公倍数に至らず、諦めてしまう子が多いのです。
    なぜ、小さいほうの数を1倍、2倍、3倍するのか?
    おそらく、問題に最初に書いてあるのは、小さいほうの数だからでしょう。
    あるいは、片方の数だけ1倍、2倍、3倍していけば良いということをすぐに忘れ、学校の解き方に戻ってしまうので、まず小さいほうの数の倍数を書き出しているのでしょう。
    算数の問題を解く作業が、学校で教わったことを教わった通りに機械的に再現するだけになっていて、考えて作業をする気配がない・・・。
    学力そのものが低いわけではないのに、そのようになってしまっている小学生が多いです。

    もう1つは、粘り強さ。
    学校で教わった地道な解き方だって、いつか答えは出るのです。
    何かやっていけば必ず答えが出せる問題で、なぜ諦めるのか?
    なぜ、36の5倍すらやってみようとしないのか。
    なぜ、その前で諦めるのか?
    180がみつからなかったとして、いっそ36の10倍の360ではどうかと考えてみることも、なぜしないのか?
    後で整理すれば良いのだから、それでも良いのです。
    そういう、ダメでもいいからやってみる強い気持ちに欠け、諦めてしまうのです。


    14/15 : 35/36 を簡単にしなさい。

    さすがに高校生になれば、この程度の問題で諦めてしまうことはないと思います。
    それは、高校生の学力で小学生の問題を見ているからです。
    しかし、その関係は、そっくり、高校生の問題にスライドできるのではないでしょうか。
    高校数学の問題の解き方がわからないとすぐに諦めている高校生は、比を簡単にする問題を諦めている小学生と同じように見える、という視点も存在するのではないでしょうか。
    そして、解けない原因も、共通するものが多いのではないでしょうか。
    1つには、計算力。
    高校数学の問題をあれこれ試行錯誤するためには、自在に計算する力が必要です。
    計算自体が億劫なので、試しに計算してみることができない、ということはないでしょうか。
    また1つには、理解力と応用力。
    問題の目先が変わると解き方がわからないのは、基本問題の意味を本当はわかっていなくて、解き方の作業手順を丸暗記しているだけだからではないでしょうか。
    理解することをおろそかにし、作業手順の丸暗記で済ませてはいないでしょうか。
    そして、もう1つ大切なのは、粘り強さ。
    あと一歩粘れば解ける問題を、途中で諦めてはいないでしょうか。
    わからない。
    簡単に解き方のわかる方法を知りたい。
    と思う前に、あと一歩、粘るだけで実は答えは出るのではないでしょうか。

    色々考えるのが数学の楽しさです。
    粘って、何時間も考えるから、数学は面白いのです。


    さて、次の問題。

    問題 a>1、b>1、a+b=1 のとき、不等式 ax2+by2≧(ax+by)2 を証明せよ。

    まずは、これも代入して、左辺-右辺≧0を証明することを考えてみましょう。
    a+b=1 より b=1-a
    左辺-右辺 
    =ax2+by2-(ax+by)2
    =ax2+(1-a)y2-{ax+(1-a)y}2
    =ax2+y2-ay2-a2x2-2axy(1-a)-y2(1-a)2
    =ax2+y2-ay2-a2x2-2axy+2a2xy-y2(1-2a+a2)
    =ax2+y2-ay2-a2x2-2axy+2a2xy-y2+2ay2-a2y2

    うわあ・・・・。
    この先、やりようがあるのかもしれませんが、ちょっと迂回したくなってきました。
    これは、1回戻って考え直したほうが良さそうです。
    バラバラにしたのが良くなかったのかもしれません。
    代入前に戻って整理してみます。
    中学の数学の、文字式の値を求める問題も、まず整理してから代入するのが鉄則でしたものね。
    x について降べきの順に整理してみましょう。

    ax2+by2-(ax+by)2
    =ax2+by2-(a2x2+2axby+b2y2)
    =ax2+by2-a2x2-2axby-b2y2
    =(a-a2)x2-2abxy+(b-b2)y2
    =a(1-a)x2-2abxy+b(1-b)y2

    あ、これは対称式です。
    対称式というのは、文字を入れ替えても値の変わらない式のことです。
    ここで、あっとひらめくのです。
    a+b=1より、1-a=bですし、1-b=aです。
    この両方をそれぞれに代入してはどうでしょうか。

    =a(1-a)x2-2abxy+b(1-b)y2
    =abx2-2abxy+aby2
    =ab(x2-2xy+y2)
    =ab(x-y)2≧0
    よって、ax2+bx2≧(ax+by)2
    等号成立は、x-y=0、すなわちx=yのとき。

    ・・・そんなやり方、思いつかないよ。
    最初はそういう感想で当然だと思います。
    こんなのは自力で発想できなくても良いのです。
    ただ、このテクニックは、頭の引き出しに入れておきましょう。
    そして、類題を解くときに使えるようにしておくのです。
    テクニックを頭の引き出しに入れておくことは、作業手順の丸暗記とは違うのです。



      


  • Posted by セギ at 12:56Comments(0)算数・数学

    2019年09月25日

    高校英語。分詞 その5。分詞の叙述用法。SVOC。


    さて、今回は、分詞の叙述用法のうち、SVOC の用法です。

    まずは普通のSVOCの文の確認から。
    SVOCという呼び方は高校で学習しますが、この文型は中3で最初に学習します。
    we called him Tom.
    私たちは彼をトムと呼ぶ。
    we がS(主語)、called がV(動詞)、him がO(目的語)、Tom がC(補語)です。
    「Sは、OがCなのをVする」
    といった構造をとらえておくと意味を把握しやすくなります。
    My mother made me happy.
    私の母は、私を幸せにした。

    中3で学習していても、この語順が絶望的に身につかない人もいるのが、SVOCです。
    we called him Tom.
    のように、最後のCが名詞ならば、感覚的に納得するものがあるようで、まだ正しい語順を守れます。
    しかし、
    My mother made me happy.
    のように、Cが形容詞の文は、「このような位置に形容詞がくるはずない」という間違った感覚が邪魔をするようなのです。
    My mother made happy me.
    といった誤った語順で英文を作る子が多くなります。
    中2で学習した不定詞のときもそうですが、それまで学習した中1レベルの英語の語順が「正しい英語」と思い込み、そこからバージョンアップできない人は、感覚で英文を作ろうとする人に多いのです。
    日本に住む日本育ちの日本人が、英語を感覚で並べて、正しい英文を作れるわけがない。
    その当たり前のことに、1日も早く気づいてください。
    英語に対しては、理屈でアプローチするのが、手っ取り早いのです。
    理屈で理解し、暗唱して口に馴らす。
    そうやって覚える英語が、覚えやすく忘れにくい英語となります。


    さて、そのように、そもそもSVOCという文型にいくらかの違和感のある人にとって、それに分詞が加わると、さらに難度を増すようです。
    SVOCで、Cになるのは、上の例文のように、名詞または形容詞です。
    このCの位置に、分詞もきます。
    それが、SVOCの分詞の叙述用法です。

    She kept me waiting for an hour.
    彼女は私を1時間待たせた。
    She がS、kept がV、me がO、waiting がCで、現在分詞です。

    She kept the door locked.
    彼女はそのドアに鍵をかけておいた。
    She がS、kept がV、door がO、locked がCで、過去分詞です。

    現在分詞と過去分詞は、どう使い分けるのでしょうか?
    上の2つの文では、主語はどちらもShe で変わりません。
    Sで使い分けるのではなさそうです。
    これは、Oとの関係で使いわけます。
    Oがその動作をするのならば、現在分詞。
    Oがその動作をされるのならば、過去分詞です。
    She kept me waiting for an hour.
    me が待つという動作をしていますので、現在分詞。
    She kept the door locked.
    door は鍵をかけられる側ですので、過去分詞です。


    ここまででも、十分に難しく、もうお腹いっぱいという人もいるかもしれませんが、ここで、分詞だけでなく他の文法事項が混ざってくるのが、SVOCの文の難しさです。
    他の文法事項とは、不定詞。
    すなわち、原形不定詞や to 不定詞も、このCになることがあるのでした。
    そして、Cに何がくるのかは、動詞によって違ってきます。
    この先は、VによってCがどうなるのかを整理してみましょう。


    SVOCは、Vが使役動詞や知覚動詞のとき、Cに原形不定詞を用います。
    しかし、いつもいつも原形不定詞なわけではなく、現在分詞や過去分詞を用いる文もあります。
    一度にまとめて学習する内容ではないせいもあって、そこがモヤモヤしやすい人もいるようですが、センター試験や英検などの四択の文法問題でもっとも出題されやすいところでもあります。

    まずは、使役動詞 make から。
    Our teacher made us speak English.
    私たちの先生は、私たちに英語を話させた。
    teacher がS、made がV、us がO、speak がCで、原形不定詞です。

    We were made to speak English by our teacher.
    私たちは、先生によって英語を話させられた。
    直訳するとちょっと不自然なので、この文も上の文と同じ訳で構わないのですが、それはともかく、構造を見ると、この文は、上の文の受動態です。
    受動態のとき、Cだった原形不定詞は、to 不定詞になります。

    I could make myself understood in English.
    私は英語で自分の意思を伝えることができた。
    I がS、could make がV、myself がO、understood がCで、過去分詞です。
    myself は、理解される側だから、Cは過去分詞なのです。
    これは、一種の慣用表現として例文を丸暗記しておいても良い文です。
    定期テストによく出ます。
    そして、「テストに出るよ」と念を押しているのに高校生が覚えない用法ワースト10に入るくらいに失点原因となる文です。

    四択の文法問題としては、原形不定詞、to 不定詞、現在分詞、過去分詞の四択があって、そこから正解を選ぶ形式が頻出です。
    動詞 make を用いたSVOCのCには、上のような3つの可能性があることを把握して、きちんと分析して正答を探せば、この文法問題は楽勝です。
    しかし、文法事項として把握せず、「こういう英文を見た気がする」という感覚で解こうとし、しょっちゅう誤答していると、誤答が記憶に残ってそれが正解のような感覚が濃厚になっていくばかりですので、いつまで経っても正答できるようになりません。
    それは、英語学習の中でも最もまずいやり方なのですが、こういう「感覚」に頼って文法問題を解き散らかしてしまう高校生は多いです。


    次に、使役動詞 have の用法。
    They had her go home.
    彼らは、彼女を家に帰らせた。
    They がS、had がVher がO、go がCで原形不定詞です。
    使役動詞make と have の基本的な意味の違いは、make は目下の相手に何かさせるときに使い、have は、対等または目上の相手に何かしてもらうときに使います。

    make の場合は受動態がありますが、have にはありません。
    だから、have の文で、to 不定詞を用いることはないのですが、have to ~という助動詞の用法の印象が強いせいか、それに引きずられて四択問題で to 不定詞の選択肢を選んでしまう高校生は多いです。
    全く関係ない文法事項の記憶が混ざりこんでくるのも、「感覚」に頼って問題を解き散らかす人に多い傾向です。
    知識を整理しましょう。

    I had my hair cut.
    私は髪を切ってもらった。
    I がS、had がV、hair がO、cut がCで過去分詞です。
    cut は、無変化の不規則動詞ですので、見た目ではわかりませんが、hair は切られる側なので、cut は過去分詞だとわかります。

    I had my bag stolen.
    私は、鞄を盗まれた。

    上の文と同じ構造なのに、訳し方が違うので混乱する人もいますが、訳し分けは意味から判断した日本語の都合です。
    和訳は、日本語として自然であることを優先するので、同じ構造の文も異なる訳となります。
    英語では、やってほしいことをしてもらった際も、被害にあった場合も、同じ構造の文となります。
    「受け身・被害のhave」と覚えておけば大丈夫です。
    have というと「持っている」の意味という印象しかなく、こういう用法で have を使うことが発想できず、意味もとれないという人もいます。
    have は、物を所有しているという意味に限らず、そういう状態を保有しているという意味なのだと把握しておくと、こうした用法にもさほど違和感はありません。

    have の場合、このように、正解は原形不定詞か過去分詞の二択が基本ですので、落ち着いて分析すれば大丈夫です。
    Cが現在分詞の用法も存在しますが、原形不定詞の用法とでは、1つの英文がポンと提示されるだけの文法問題では識別できないので、この二択に絞ってほぼ大丈夫です。


    次に、知覚動詞の場合。
    We saw him cross the street.
    私たちは彼が通りを横切るのを見た。
    We がS、saw がV、him がO、cross がCで原形不定詞です。

    We saw him crossing the street.
    私たちは、彼が通りを横切っているのを見た。
    We がS、saw がV、him がO、crossing がCで、現在分詞です。

    この2つの文の意味の違いは、上の文は、通りを渡り始めて渡り終わるまで、一部始終を見ていますが、下の文は、横切っているほんの一瞬を見たという意味です。
    しかし、文法問題でこの1文がぽんと出た場合、どちらでも意味が通ります。
    だから、文法問題で、この使い分けを問われる場合は、従属節などで状況が詳しく説明されています。
    あるいは、選択肢に、原形不定詞か現在分詞のどちらかしかありません。

    He was seen to cross the street.
    彼は、通りを横切るのを見られた。
    受動態のときは、使役動詞 make と同様に to 不定詞が用いられます。

    We saw him scolded by his father.
    私たちは彼がお父さんに叱られるのを見た。
    We がS、saw がV、him がO、scolded がCで過去分詞です。
    him は叱られる側なので、過去分詞です。

    このように見てくると、知覚動詞の場合は、Cは、原形不定詞・to 不定詞・現在分詞・過去分詞のどの場合もあります。


    以上、動詞ごとに、SVOCのCは何が使用されるかまとめてみました。
    参考にしてください。
    繰り返しますが、ここは、文法問題して一番出題される、ホットなところですよー。


      


  • Posted by セギ at 12:11Comments(0)英語

    2019年09月22日

    高校数Ⅱ「式と証明」。不等式の証明その4。絶対値を含む不等式。


    今回は、「絶対値を含む不等式の証明」の学習です。
    「絶対値」という言葉は、中学1年生の「正負の数」で学びます。
    数学学習の初期の初期に出てきます。
    絶対値の定義は、「数直線上での原点からの距離」です。
    だから、+3も-3も絶対値は3です。
    したがって、絶対値とはその数の符号を外した数、すなわち正の数ととらえることが可能です。

    ここまでならシンプルな話なのですが、絶対値に文字がからむと途端にわかりにくくなるようです。
    例えば、高校数Ⅰで学習する以下の内容。

    |a|≧a
    |a|≧-a
    |a||b|=|ab|
    |a+b|2=a2+2ab+b2

    パッと見て、「そりゃそうだ。当たり前だ」と感じる人と、「え?え?何?」と焦る人とがいます。
    1つには、文字が正負の記号を含みこんでいることが理解しきれていないせいかもしれません。
    aという文字は、a≧0の可能性とa<0の可能性とがあります。
    そう説明されれば、「それは知っている。わかっている」と言うのですが、上のような等式・不等式を見るときに、いつの間にか、
    aは正の数。
    -aが負の数。
    という認識になっていないでしょうか?

    「aという文字が何なのか決まっていないのに、何で大小が言えるんですか?」
    不等式の学習がここまで進んでから、突然そう質問されて、その質問がどういう意図のものかわからず、困惑したこともあります。
    「不等式の証明」の学習の始まりには、そういう疑問はもたない様子で、それなりに解いていたのです。
    しかし、絶対値を含む不等式になると、その質問が口をついて出てしまったようです。

    絶対値がわからないのか?
    最初から不等式がわからなかったのか?
    aという文字の正負がわからないのなら、左辺と右辺のどちらが大きいかはそのときによるんじゃないか?
    急にそう感じるようになった、ということなのでしょうか。

    とりあえず、まず、上の不等式を1つ1つ見ていきましょう。
    |a|≧a
    これは、まずはaの正負によって場合分けして考えると理解できると思います。
    a≧0 のときは、|a|=a です。
    a<0 のときは、|a|は正の数、a自体は負の数ですから、|a|>a です。
    それらをまとめると、
    |a|≧a
    となります。
    ≧ というのは、>であるか、または=であるか、ということですから、どちらかになれば良いのです。

    |a|≧-a
    これも、まずはaの正負によって場合分けして考えます。
    a>0 のとき、|a|は正の数で、-aは負の数ですから、|a|>-a が成立します。
    a=0 のとき、|a|=0、そして、-a=0 ですから、|a|=-aです。
    a<0 のとき、|a|は正の数、-aも正の数ですから、|a|=-aです。
    それらをまとめると、
    |a|≧-a は、aの正負に関わらず、必ず成立します。

    |a||b|=|ab|
    これは、比較的理解しやすいかもしれません。
    a、bの正負に関係なく、|a||b|は正の数です。
    |ab|も正の数です。
    よって、
    |a||b|=|ab|
    は、常に成立します。

    |a+b|2=a2+2ab+b2
    もしかしたら、これが一番理解しにくいかもしれません。
    |a+b|2 が正の数であることには疑問の余地はないと思います。
    問題は右辺でしょうか。
    a2+2ab+b2
    これが負の数の可能性があるように感じるので、たとえ絶対値が等しくても、等式は成立しないのではないか、と感じることがあるようです。
    しかし、この右辺は、因数分解できます。
    a2+2ab+b2=(a+b)2
    a+bが正の数であっても負の数であっても、(a+b)2は正の数です。
    よって、左辺も右辺も正の数で、もともと絶対値が等しいことは見ればわかりますから、
    |a+b|2=a2+2ab+b2
    が言えるのです。

    ちなみに、上の記述は、感覚的に納得するための説明であって、証明ではありません。
    証明は、もう少し細かい定義が必要となります。

    これで感覚的に納得してもらえたはずだ・・・、と思っても、納得した顔をしない高校生もいます。
    何か騙された気がすると言うのです。
    詐欺にあったような顔をしています。
    では、どこが疑問なのかと問い返すと、それはどこかはわからないけれど、何となく納得できない・・・という曖昧な答えが返ってきます。
    場合分けして説明されることに、そもそも懐疑を示す人もいます。
    その場合分けが全てではないような気がするというのです。
    そうでない場合もあるのに、そこで騙された気がする・・・。
    どこで騙されたとは指摘できないけれど、きっと騙されている・・・。

    そんなにも疑い深い一方、ネットに書いてある根拠のないことや、テレビで有名人がわかったふうに喋っていることをたやすく信じてしまうのは、なぜなのでしょう。
    友達から聞いた噂話を鵜呑みにしてしまうこともありますよね。
    そういうことを簡単に信じないために、数学を学ぶという側面もあります。
    信じるべきことと疑いを抱くべきことを自分で判断するために、「論理」を学ぶのです。
    数学は、論理を学ぶことができる学問です。

    ともあれ、疑いが消えないならば、そうではない例、すなわち反例を自分であれこれと考えたみたら良いと思います。
    aやbを正の数にしたり、負の数にしたり、色々な組合せで考えて、実際に計算してみて、納得できるまで上の等式・不等式が成立することを確認してみてください。
    それをしてみることで、正負の数に関する自分の認知の歪みに気がつくこともあると思います。
    中学1年で突然習った「負の数」というものの本質をつかみきれないまま、計算のやり方だけ暗記して済ませてきたことが尾を引いているのかもしれません。
    この機会に歪みを正すことができたら、この先の学習が楽になります。


    さて、それでは、数Ⅱの実際の問題にあたってみましょう。

    問題 |a|+|b|≧|a+b|を証明せよ。

    え?
    |a|+|b|=|a+b|じゃないの?
    いつも等しいんじゃないの?
    という錯誤が生まれてしまうことがあるかと思いますが、それは、やはり気がつくとaやbは正の数だと決めつけていることからくる錯覚です。
    実際には、aやbは正の数のこともあれば負の数のこともあり、0のこともあります。
    そのどの場合でも、上の不等式は成立します。
    それを証明しろと言われているのですね。
    不等式の証明は、左辺・右辺の両辺が正の数であることが確実ならば、2乗したもの同士で比較しても大丈夫でした。
    すなわち、(左辺)2-(右辺)2≧0 ならば、(左辺)≧(右辺) です。
    ここで活躍するのが、上の|a+b|2=a2+2ab+b2 などの基本ルールです。

    (左辺)2-(右辺)2
    =(|a|+|b|)2-|a+b|2
    =|a|2+2|a||b|+|b|2-(a2+2ab+b2)
    =a2+2|ab|+b2-a2-2ab-b2
    =2|ab|-2ab≧0

    最後が唐突な印象があるでしょうか。
    では、|ab|-ab の正負について考えてみましょう。
    aとbが同符号あるいは0のときは、ab≧0 です。
    このとき、
    |ab|=ab となり、|ab|-ab=0 です。
    aとbが異符号のとき、すなわちab<0 のとき
    -ab>0 となります。
    |ab|-ab は、正の数と正の数との和となりますから、
    |ab|-ab>0 です。
    これらをまとめると、
    |ab|-ab≧0 となります。
    よって、2|ab|-2ab≧0 も成立します。
    (左辺)2≧(右辺)2であるから、左辺≧右辺も成立し、
    |a|+|b|≧|a+b|
    等号はa=bのとき成立する。


    続いて、こんな問題です。

    問題 |a-b|≧|a|-|b| を証明せよ。

    上の問題と似ているようですが、これはちょっと違うのです。
    何が違うのか?
    |a|+|b|≧|a+b|
    は、左辺も右辺も、正の数です。
    正の数での大小の比較ですから、それぞれ2乗して大小を比較することで単純に判断できました。
    しかし、
    |a-b|≧|a|-|b|
    は、左辺は正の数ですが、右辺は、負の数かもしれません。
    単純に2乗して大小を比較することはできません。
    ここは、場合分けして判断していかなければなりません。
    1) |a|-|b|<0 すなわち |a|<|b| のとき
    |a-b|>0、|a|-|b|<0だから、
    |a+b|>|a|-|b|
    2) |a|-|b|≧0 すなわち |a|≧|b| のとき
    (左辺)2-(右辺)2
    =|a-b|2-(|a|-|b|)2
    =a2-2ab+b2-(|a|2-2|a||b|+|b|2)
    =a2-2ab+b2-a2+2|ab|-b2
    =-2ab+2|ab|
    =2|ab|-2ab
    =2(|ab|-ab)≧0
    ゆえに、
    |a-b|2≧(|a|-|b|)2
    したがって、
    |a-b|≧|a|-|b|
    1)、2)より、
    |a-b|≧|a|-|b|
    等号は|ab|=ab すなわち ab≧0 かつ|a|≧|b|のときに成り立つ。

    いかがでしょうか?
    この機会に、絶対値アレルギーをなくすことができると良いと思います。
    絶対値がわからない、という人は、何か誤解があるのです。
    あるいは、わかっているつもりで、問題を解いている最中に、ふっと混乱が起こるのです。
    そこがスッキリすると、数学全体がかなりスッキリしてくると思います。


      


  • Posted by セギ at 13:16Comments(0)算数・数学

    2019年09月18日

    高校英語。分詞 その4。分詞の叙述用法。SVC。


    分詞の限定用法は、名詞を修飾する用法でした。
    では、分詞の叙述用法とは何でしょうか。

    ここで形容詞に戻って考えてみますと、形容詞には2つの働きがありました。
    1つは、名詞を修飾する。
    もう1つは、補語となる。

    分詞も同じです。
    名詞を修飾する用法が、限定用法。
    補語となる用法が、叙述用法です。
    つまり、分詞は、形容詞なのです。
    分詞は、動詞が形容詞化したものなのです。

    They walked laughing along the street.
    彼らは笑いながら通りを歩いた。
    They がS(主語)。walked がV(動詞)。laughing がC(補語)です。

    こうした説明になると、SVCとか苦手、わからない・・・という高校生は多いのですが、繰り返しますが、SVOCMと各品詞の働きを理解しておくと、残りの文法事項はスラスラと理解できると思います。
    SVCは、5文型の1つです。
    S(主語)とV(動詞)は、基本的にどんな文でもありますが、それだけでは完結しない文もあります。
    I am …
    で終わられたら、「え?どうした、続きは?」と思います。
    I am a student.
    と言われると、あ、そうなんだと納得できます。
    S=C の関係が成立してるのが、Cです。
    I =a student です。
    それは、状態としてイコールでも構いません。
    I am busy.
    I =busy です。
    ということは、基本的に、be 動詞の文の大半はこのSVCですが、be 動詞以外の動詞を用いた文でも、S=Cの関係が成り立っていれば、それはSVCの文です。
    She looks happy.
    この文は、
    She = happy ですから、やはりSVCの文です。
    Cになるのは、名詞または形容詞、ということも、理解の一助になるでしょう。
    形容詞は、Oにはなりません。
    あ、これは形容詞だなと気づいたら、それはSVOの文ではなく、SVCの文です。
    また、その動詞をbe 動詞に変えたときに、意味は変わるにしても文意は通るというとき、元の文はSVCです。
    She looks happy. は、
    She is happy.
    と置き換えても文意は通りますので、SVCの文です。
    一方、
    she plays the piano.
    という文は、動詞をbe 動詞に置き換えたときに文意が通りません。
    she is the piano.
    というのは、おかしいですね。
    she =the piano ではないから、おかしな文になります。
    この文は、SVOの文です。

    上の分詞の文をもう一度確認します。M(修飾語)は省略します。
    They walked laughing.
    この文は、
    They are laughing.
    と置き換えても、文意は通ります。
    だから、元の文は、SVCの文だと確認できます。

    ところで、こんな文はどうでしょう。

    You must keep repeating the formula until it is known by heart.
    暗記するまでその公式を繰り返さなければならない。
    これも、You がS(主語)。must keep がV(動詞)。repeating がC(補語)の文です。
    でも、意味がほとんど同じである、こんな文もあります。
    You must keep on repeating the formula until it is known by heart.

    keep on ~ing は、「繰り返し~する」「常に~する」という意味です。
    状態の継続や動作の繰り返しを強調する表現となります。
    このときは、repeating は、動名詞となります。
    前置詞の後ろにくるのは動名詞だからです。
    ただし、こういう些末な文法事項はどうでもいいので、こういうのに混乱して、「文法なんて嫌い」とならないことが大切です。
    keep ~ing の形の他に、keep on ~ing という用法がある、という表面的なことだけ覚えれば良いと思います。
    「Keep on smiling」と、ラジオ講座で遠山顕先生が昔から毎回叫んでいたので私個人は非常に覚えやすかったものの1つでした。
    いや、番組オープニングは録音だから仕方ないのですが、しかし、番組タイトルが変わっても30年以上、毎年叫んでいます。
    やはり繰り返し耳にするのは効きますね。
    脳に沁み込んでくる感じがします。


    ここまでの文は、SVCのCが現在分詞の文でしたが、過去分詞の文も勿論あります。
    His eyes remain closed.
    彼の目は閉じられたままだ。
    His eyes がS、remain がV、closed がCです。
    His eyes = closed
    状態としてイコールなので、SVCの文です。


    現在分詞も過去分詞も、SVCのCとなる用法がある。
    となると、問題なのは、現在分詞と過去分詞との使い分けです。
    これはSとの関係で見分けます。
    Sが動作をする側ならば現在分詞。
    Sが動作をされる側ならば過去分詞です。

    They walked laughing.
    これは、SであるThey が laugh しているので現在分詞。
    His eyes remain closed.
    これは、Sである His eyes が close されているので過去分詞です。

    限定用法のときの、修飾される名詞と同じ関係ですので、覚えやすいはずです。
    頑張って覚えましょう。
      


  • Posted by セギ at 14:37Comments(0)英語

    2019年09月15日

    高校数Ⅱ「式と証明」。不等式の証明その3。いろいろな問題。


    さて、今回は、不等式の証明に関する少し難しい問題をいくつか解いてみましょう。

    問題 不等式 x2-6xy+10y2≧4y-4 を証明せよ。

    x と y と文字が2つあり、両方とも2次で、しかも、xy の項もあるので、文字ごとに別々に平方完成することはできない問題です。
    さて、どのように解くか?
    これは、まず x を優先し、xを含んでいる項で平方完成してしまいましょう。
    いえ、y を優先しても別に構いません。
    とにかく、どちらかの文字をまず優先するという考え方で処理していきます。

    左辺-右辺
    =x2-6xy+10y2-4y+4
    x2 と-6xyを優先して平方完成します。
    =(x2-6xy+9y2)+y2-4y+4
    =(x-3y)2+y2-4y+4
    後半の3つの項も平方完成できますね。
    =(x-3y)2+(y-2)2≧0
    よって、
    x2-6xy+10y2≧4y-4
    等号成立は、x-3y=0 かつ y-2=0
    すなわち、x=6、y=2のとき。


    問題 不等式 (a2+b2)(x2+y2)≧(ax+by)2 を証明せよ。

    文字が4種類もあるわりに、これは単純に解いていけそうな予感がします。
    左辺-右辺
    =(a2+b2)(x2+y2)-(ax+by)2
    =a2x2+a2y2+b2x2+b2y2-a2x2-2abxy-b2y2
    =a2y2+b2x2-2abxy
    =a2y2-2abxy+b2x2
    =(ay-bx)2≧0
    よって、
    (a2+b2)(x2+y2)≧(ax+by)2
    等号成立は、ay-bx=0 すなわち、ay=bx のとき。

    同様に、
    (a2+b2+c2)(x2+y2+z2)≧(ax+by+cz)2
    も証明可能です。
    これらは、コーシー・シュワルツの不等式と呼ばれているものです。


    問題 x>0のとき、x+16/(x+2)の最小値を求めよ。

    急に最小値と言われても、2次関数ではなさそうなのに、どういうことだろう?
    このように問題の目先が変わると、何をどうして良いか全くわからなくなる人もいると思います。
    「どういうふうに考えるんですか?」
    と相談されることが多いのです。
    分子と分母にxがある場合、相加平均・相乗平均が使える可能性があるよね?と問いかけると、
    「だから、そういうことをどう発想するんですか?」
    と問われます。

    最小値・最大値という文字を見たら、まず2次関数かな?と考える。
    そうでなかったら、あれ?では不等式かな?と発想する。
    何もないところからいきなりその発想をもてないということは理解できます。
    ならば、発想のストックを自分の中にもっておくことをお薦めします。

    では、不等式をどう使うのでしょう?
    最小値というのは、とりうる値の中で最小の数。
    x+16/(x+2) はいくつ以上なのだろうと考えると、あ、これは不等式なんだなと気づくと思います。

    後半の分母が x+2 なので、前半も x+2 にしてみます。
    それなら、相加平均・相乗平均の定理が使えるでしょう。

    相加平均・相乗平均の関係より、
    x+2+16/(x+2)≧2√(x+2)・16/(x+2)
    右辺の√ は、式の最後までかかります。
    x+2+16/(x+2)≧2√16
    x+2+16/(x+2)≧8
    x+16/(x+2)≧6
    よって最小値は6とわかりました。
    ところで、このときのxはいくつでしょう。
    それも求めましょう。
    相加平均・相乗平均の関係より、
    等号成立は、x+2=16/(x+2) のとき。
    よって、
    (x+2)2=16
    x+2=±4
    x=-2±4
    x=-6、2
    x>0より 
    x=2
    よって、
    x=2のとき最小値6

    これが最終解答となります。


    問題 x>0、y>0 のとき、(3x+2y)(3/x+2/y) の最小値を求めよ。

    これも、相加平均・相乗平均を利用するんだろうなあと、一度上のような問題を解くと、発想のヒントが見えてくると思います。
    問題を解く経験を積む。
    発想の源は、経験であることが多いのです。

    とりあえず、与式を展開してみましょう。
    (3x+2y)(3/x+2/y)
    =9+6x/y+6y/x+4
    =13+6x/y+6y/x
    ここで、相加平均・相乗平均の関係より、
    x/y+y/x≧2√x/y・y/x
    x/y+y/x≧2
    よって、
    13+6x/y+6y/x≧13+6・2
    13+6x/y+6y/x≧25
    等号成立は、x/y=y/x のとき。
    x>0、y>0 より
    x2=y2 すなわちx=yのとき。
    よって、
    x=yのとき、最小値25

    これが最終解答です。
    相加平均・相乗平均を利用したときの等号成立のところが何だか飛躍しているようでよくわからない人いるでしうか。
    これは、相加平均・相乗平均の定理を使っているだけなのです。
    a+b≧2√ab
    等号成立は、a=bのとき。
    この定理を利用して、等号成立のときを判断しているだけです。
    その都度計算しているわけではないのです。
    前に学習したことをスルッと使われて解説されると、よくわからない・・・。
    そういうことは、直前で学習したことでもすぐに起こります。
    モヤモヤしたら、定理に戻って確認しましょう。

    また、すぐ上の問題では、
    x/y=y/x のとき、
    x>0、y>0 より
    x2=y2 すなわちx=y
    というところがわからない、という人もいるかと思います。
    両辺が分数の式のとき、互いの分母×分子は等しいということを知らない人は高校生になっても多いです。
    三角比の正弦定理の式も、それを用いて整理すれば簡単になります。

    a/b=c/d のとき、ad=bc
    分数の基本に戻って考えましょう。
    通分・約分するときの基本の考え方ですが、分母・分子に同じ数をかけても、分数全体の大きさは変わりません。
    だから、a/b=ak/bk は常に成立しています。
    この式の、左辺の分子×右辺の分子は、abk。
    右辺の分子×左辺の分子も、abk。
    よって、両辺が分数の式は、たすきにかけたような形に簡単に整理できるのです。
    それで上の x/y=y/x も、x2=y2 と変形できるのです。


    それで思い出したのですが、最近、別の塾で「比」を学習した小学生が、こんな解き方をしました。
    2/15 : 1/5=15 : 10=3 : 2

    ・・・うん?
    何をしたの?
    「x攻撃すると、簡単なんだよ」
    と、その子は、知らないなら教えてあげるというような、謎の上から目線で教えてくれました。
    しかし、この問題の正解は、2 : 3 です。
    その子は、左の項の分母と右の項の分子をかけて、15×1=15。
    左の項の分子と右の項の分母をかけて、2×5=10。
    だから、15 : 10=3 : 2 としてしまったのでした。
    それは、逆です。
    そういうやり方をするのなら、左の項の分子と右の項の分母の積が先、左の項の分母と右の項の分子の積が後。
    比は、順番が大切。
    逆に書いたら、それは誤答。
    「xにかける」のは一見簡単そうですが、どちらを先に書くのか曖昧になったら、そのやり方は失敗します。

    2/15 : 1/5=2/15 : 3/15=2 : 3
    という普通の解き方でなぜいけないのか?
    この解き方のほうが、どういう解き方をしているのか、その意味も明確で、間違える可能性も少なく、解く手間も上の解き方と同じです。

    ところが、小学生は、このような「x攻撃~」的な解き方が好きです。
    その解き方は間違える可能性が高いから普通に通分しなさいと助言したのですが、「嫌だ」の一言で却下されました。
    比なんて、どんなに気をつけても順番を逆に書いてしまうことが多い単元。
    それにさらにこんな不確定要素が加わったら、この先、まともに正解が出る気がしません・・・。
    この先の受験算数は、ほとんど全て比を使います。
    「速さと比」「割合と比」「面積と比」「つるかめ算と比」「平均と比」と、比ばかりなのに・・・。
    算数が苦手な子には理解しづらいところで、ただでも大変なのに、x攻撃をやめさせるという余計な負担が1つ増えました。
    ただ今、その方向に向けて努力中です。

    x攻撃。
    この解き方を教える際に、ただし順番には注意することという指示があったのかもしれません。
    しかし、「順番に注意」といった細則はすぐに頭から抜け落ちていくのが子どもです。
    算数が苦手な子どもたちのために、楽しい解き方を教えてやろう。
    それは善意から出たものでしょうが、その子は、分数比を簡単な整数の比に直す作業の正答率は常に五分五分のリスクを一生かかえる可能性があります。
    この解き方は、リスクが高いです。

    それと混同されやすく、誤解される可能性がありますが、両辺が分数の式を分母と分子の積の形に直すのは、どっちが先でも後でも、必ず等式が成立します。
    一見、上のx攻撃と似ていますが、誤用のリスクはありません。
    誤用のリスクのある解き方は、算数・数学が苦手な子に教えないほうがいい。
    意味がわかる基本の解き方を丁寧に実践することのほうが、結局、子どものためになる。
    これは不文律とすべきだと、改めて感じました。


      


  • Posted by セギ at 13:24Comments(0)算数・数学

    2019年09月11日

    高校英語。分詞 その3。感情を表す分詞。



    さて分詞の話も3回目。
    今回は、感情を表す分詞の使い分けです。
    それは、中学生の頃に受動態の学習の中で既に登場している事柄です。
    感情表現は、受動態で語られます。
    I am interested in the book.
    私はその本に興味がある。
    interested くらいに使用頻度が高いと、分詞というより形容詞として固定化されて認識されているものですが、もともとは分詞です。
    interest という動詞は「興味をもたせる」という意味の動詞。
    その過去分詞が、interested 。
    現在分詞は、interesting 。
    動詞原形の意味が「興味をもたせる」なので、人が主語のときは、「興味をもっている」=「興味をもたせられている」という意味となり、受動態が使用されます。
    The book is interesting.
    その本は面白い。
    物が主語のときは、「面白い」=「その物が興味を持たせている」という意味となり、現在分詞が使用されます。

    こういうことは、一度しっかり理解すれば何でもないことのような気がするのですが、何度説明を聞いても聞き流す、すぐ忘れる、混乱する、を繰り返す中学生・高校生も多いです。
    数学の解き方は丸暗記するのに、英語は暗記しない・・・。
    英語・数学の両方を教えていると、「やり方が逆だよ」と感じることは多いです。

    数学は、どうしてそれで解けるのか理解していないのに丸暗記だけしても仕方ありません。
    小学生からずっとそれをやっていると、高校数学はほとんどわからなくなります。
    内容を理解せず解き方だけ丸暗記していては高校数学は解き方の丸暗記もできない状態に追い込まれます。
    理解していないことの上に理解できないことが乗っかっていく。
    わかるわけがありません。
    解き方だけ暗記しようとしても、似たような公式、似たような見た目の典型題が多過ぎて、覚えきれません。
    本質を理解していれば、数学で覚えるべきことは限定され、それに基づいて多様な問題を解いていくことができます。

    一方、英語は、暗記するべきことは暗記しなかったらどうしようもありません。

    ついでに言えば、英語を理解するとは、その英文の意味を理解することではありません。
    自力で英文を読むことはできないのに、他人が英語を訳してくれると安心し納得して、英語がわかった気になる傾向がある人は、要注意です。
    それは英語を勉強したことにはなりません。
    塾でも、私に全文を訳してくれと頼んでくる子はいます。
    あるいは、全文を訳してくれないからわからない、と愚痴を言う子もかつていました。
    全文を訳してもらって、その英文の意味がわかると、英語がわかったような気がするのかもしれません。
    しかし、それは、その英文の意味がわかっただけで、英語がわかるようになったわけではないのです。

    一方で、同じ子が、負担の大きい単語暗記には消極的です。
    受け身で楽な「勉強のようなこと」が本当に好きなのだなと哀しくなります。

    また、
    「どうしたら、リスニングが得意になりますか?」
    と質問する子が、1週間で何時間英語を耳にしているかといったら、学校で英語に触れる時間以外は0分というのはよくある話です。
    ラジオ講座など、無料で英語聴き放題の手段を教えても、利用しないのです。

    その子たちの望んでいる英語学習と、本当の英語学習との乖離が大きい。
    英語が得意にならない根本理由は、そこにあると思います。


    というわけで、「かわいそうなゾウの話」のストーリーを覚えても、マララさんの演説の内容を覚えても、それは英語学習ではない。
    一方、感情表現の分詞の使い分けを理解し、暗記することは、英語学習です。

    ところが、ここはしっかり区別して使い分けを正確に覚えなければというところで、逐一、逆に逆に覚えてしまう子もいます。
    そうした子は、宿題などで間違った練習を沢山してくる傾向があります。
    間違った練習が間違った知識を定着させ、幾度修正しても直らない。
    どちらがどうだったか、一生混乱することになります。
    もう何度も書きましたが、そういうのは誰にでもあり、私も熊のアクセントが「く」にあるのか「ま」にあるのか、いまだに混乱します。
    テレビで熊が出てくる度に、1つの番組内でも2種類のアクセントで発音されるので、混乱はさらに助長されます。
    幾度修正しても、間違って使用していた時期が長いために、どちらが正しいのかすぐにわからなくなる。
    私に限らず、そういう人が「熊」のアクセントでは多いのだろうと思います。

    そのようになってしまったら、もう直らない。
    だから、そうならないように、学習した最初にしっかり区別し、宿題をやる前にもう一度復習して、正しい練習をして定着を図ることが大切です。
    授業を受けて1週間経って、次の授業の直前になって慌ててやっつけ仕事で宿題をし、曖昧な記憶で間違った練習をしてくる子は、英語がなかなか得意にはならないです。
    マイナスの練習を沢山してくるのですから。
    宿題をやる前に、一度軽く復習。
    それだけで、文法事項は定着が違ってきます。


    分詞に戻って、再度正確な知識を確認しましょう。
    人が主語のときは、使われる分詞は過去分詞。
    物が主語のとき、使われる分詞は現在分詞。
    どれか1つの分詞で、それをしっかり理解していると安全です。
    interested と interesting でもいいですし、excited と exciting でもいいですね。
    I was excited.
    The game is exciting.
    どちらかの記憶が深く、ゆるぎなくなっていれば、それで正しく識別できます。
    人が主語のときは過去分詞。
    物が主語のときは現在分詞。

    このように形容詞として固定化している分詞で使い分けを確認したら、分詞の限定用法でも同じルールで使い分けることを覚えておいてください。
    There were a lot of excited supporters.
    たくさんの興奮したサポーターがいた。
    It was an exciting game.
    それは、わくわくする試合だった。

    人を修飾するときは、過去分詞。
    物を修飾するとき、現在分詞。

    感情表現の分詞は、このように使い分けます。
      


  • Posted by セギ at 13:04Comments(0)英語

    2019年09月08日

    高校数Ⅱ「式と証明」。不等式の証明その2。相加平均と相乗平均。


    今回は、相加平均と相乗平均の話です。
    言葉がまず少し難しい印象ですね。
    相加平均は、小学生の頃からお馴染みのいわゆる「平均」です。
    加は、加法の加。
    つまり、たし算の平均が相加平均。
    n個の数の和をnで割ったものです。
    一方、相乗平均は、n個の数の積のn乗根となります。
    乗は、乗法の乗。
    つまり、かけ算の平均が相乗平均です。
    ただ、まだ「指数関数・対数関数」の単元を学習していませんので、この「n乗根」というのが厄介です。
    今回の学習内容では、そこまで話を拡大する必要がありませんので、2つの数の積の平方根に限って話を進めましょう。


    2つの数に限定して説明すると、
    相加平均は、2数aとbとの和を2で割ったもの。つまり(a+b)/2。
    相乗平均は、2数aとbの積の平方根。つまり、√ab です。

    a≧0、b≧0のとき
    (a+b)/2≧√ab
    等号はa=bのとき成り立つ。

    これが、相加平均≧相乗平均の定理です。
    証明もそんなに難しくありません。
    左辺-右辺をやってみましょう。
    左辺-右辺≧0 となれば、左辺≧右辺 を証明できますね。

    (a+b)/2-√ab
    これをまず通分します。
    =(a+b-2√ab)/2
    中3で学習した因数分解の公式が使えそうです。
    =(√a2+√b2-2√ab)/2
    =(√a-√b)2/2≧0
    よって左辺≧右辺となり、(a+b)/2≧√ab です。
    等号は√a-√b=0、すなわち a=b のとき成り立つ。

    相加平均≧相乗平均 の定理は、分数のままだと使いにくいので、両辺を2倍して、
    a+b≧2√ab
    の形で利用することが多いです。
    では、実際に利用してみましょう。

    問題 a≧0、b≧0とする。
    (a+1/a)(b+1/b)≧4 を証明せよ。

    左辺の( )内がそれぞれ和の形になっています。
    文字の並びからして相乗平均したら右辺のように文字が消えて数字だけが残りそうです。
    これは、相加平均≧相乗平均 の定理が使えるでしょう。

    相加平均≧相乗平均 より
    a+1/a≧2√a・1/a
    a+1/a≧2 ・・・①
    同様に、
    b+1/b≧2 ・・・②
    ①×②をすると
    (a+1/a)(b+1/b)≧4
    等号はa=1/a かつ b=1/b すなわち、a=b=1のとき成り立つ。

    見た目は似ているようでも、全ての問題で相加平均≧相乗平均を使うわけではありません。

    問題 a≧0、b≧0のとき、√2(a+b)≧√a+√b を証明せよ。

    左辺全体に√ がかかっているものとして読んでください。

    これも、相加平均≧相乗平均 を使うのだろうかと悩む高校生がときどきいますが、試しに使ってみると、すぐに式がグチャグチャになってきて行き詰まることがわかると思います。
    相加はあっても相乗がなさそうな式には、この定理は使えないのです。

    とはいえ、それが見抜けないと言う人もいます。
    そういう人は、あれこれ悩む前に、可能性を感じるのならやってみたら良いと思います。
    手は動かさないのに、「どんなときに使うの?どうやって見分けるの?」と質問する高校生は多いのですが、手を動かし、試行錯誤すれば、見分けがつくようになります。
    そうなる前に説明だけ聞いて見分けようとしても、その説明が長くしかも細かくて何を言っているのかわからないということが起こりがちです。
    しかも、見分け方だけ聞くとなぜか安心するようなのが、見ていて恐ろしい。
    見分け方だけ聞いても、実際にそれで見分けられるようには、なかなかならないです。
    選択肢の1つとして、常に相加平均・相乗平均のことを頭においてください。
    そのほうが良いです。

    さて、相加平均・相乗平均の定理を使わないのなら、どうやって解くのか?
    上の式はa≧0、b≧0ですので、左辺も右辺も正の数であることがわかっています。
    ならば、それぞれ2乗しても大小関係は変わりません。
    だから、それぞれ2乗してみましょう。
    √2(a+b)と√a+√bの2乗の差は、
    2(a+b)-(√a+√b)2
    =2(a+b)-(a+2√ab+b)
    =2a+2b-a-2√ab-b
    =a-2√ab+b
    =(√a-√b)2≧0
    よって√2(a+b)≧√a+√b
    等号は√a-√b=0 すなわちa=b のとき成り立つ。

    今までのところを整理しますと、不等式を証明するには、左辺-右辺≧0 を示すのが基本ですが、そのためには、
    ①平方完成する
    ②相加平均≧相乗平均 を利用する
    ③全体を2乗する
    などのテクニックがあります。
    これらのうちのどのテクニックを使うかは、その問題ごとに自分で判断します。
    判断がつかないうちは試行錯誤してみましょう。
    数学の問題を解いていて一番楽しい時間は、この試行錯誤の時間だと思うのです。
    一番意味のある時間でもあると思います。
      


  • Posted by セギ at 13:30Comments(0)算数・数学

    2019年09月04日

    高校英語。分詞 その2。前置修飾と後置修飾。


    分詞の限定用法の話を続けます。
    現在分詞と過去分詞との使い分けは、前回お話しました。
    今回は、前置修飾と後置修飾の話です。

    限定用法とは名詞を修飾する用法です。
    名詞を修飾するには、前から修飾する場合と後ろから修飾する場合があります。
    それが前置修飾と後置修飾です。

    まずは、分詞以外の語句で確認してみます。

    Someone is in that old house.
    誰かが、あの古い家の中にいる。
    この old が形容詞で、house を修飾しています。

    Someone is in that burning house.
    誰かが、あの燃えている家の中にいる。
    この burning が現在分詞で、house を修飾しています。

    形容詞と分詞が全く同じ位置にあるのがわかると思います。
    これが、前置修飾です。

    次に後置修飾を確認します。

    The boy playing soccer is my brother.
    サッカーをしているその男の子は、私の弟です。
    playing soccer という語句が、boy を修飾しています。
    The boy in the park is my brother.
    公園にいるその男の子は、私の弟です。
    in the park という語句が、boy を修飾しています。

    形容詞句と分詞句が全く同じ位置にあるのがわかると思います。

    分詞だけが特別な位置にあるのではないのです。
    名詞を修飾する語句は、1語の単独で名詞を修飾するならば名詞の直前に置きます。
    2語以上の意味のまとまり(句と呼びます)となって名詞を修飾するときは、名詞の直後に置きます。
    それは、分詞でも他の形容詞句でも変わらないのですが、そもそも、他の形容詞句の正しい位置がわからないという人は、かなり苦労する様子です。
    The boy in the park is my brother.
    という上の文でも、乱文整序問題になるとこの語順にできず、
    The boy is my brother in the park .
    という文を作ってしまう人は多いと思います。
    英語を習い始めた最初の頃に何となく学び取った、「場所を表す語句は文の後ろのほうに」というルールにこだわり過ぎてバージョンアップできないと、そうなってしまいます。
    最初の頃に学習した英語で出てきていたのは形容詞句ではなく副詞句で、だから動詞や目的語など、SVOCを全部言い終えた後に述べていたものでした。
    副詞句というのは、名詞以外のものを修飾する語句です。
    具体的には、動詞、形容詞、副詞、文全体などを修飾するのが副詞。
    2語以上のまとまりならば、副詞句です。

    The boy is my brother in the park .
    という文だと、これは直前の brother を修飾している形容詞句となり、「その男の子は、公園にいる私の弟です」という意味になります。
    公園にいない別の弟がいるのか?
    いや、いつも公園にいるホームレス中学生なのか?
    と、さまざまな疑問が浮かぶ、不自然な文となります。

    英語がよくわからなくてモヤモヤしている人で、こういう説明が一度腑に落ちると、そこからグッと成績が向上していく人がいます。
    それまで、とにかく例文を丸暗記して、その英文の意味を覚えて、の繰り返しで、そうすることでそのうち何となく英語の仕組みがわかってくるだろうといった学習をさせられてきたけれど、それが肌に合わなかった人ほど、そうなります。
    英語が想像以上にロジカルで、全部理屈で成り立っているとわかったときに、今までの霧が晴れて、すっきりするらしいのです。
    全部理屈なら、その理屈を理解すれば、あとは単語・熟語を覚えるだけ。
    何をやれば良いか目標も明確になり、やればやるだけ成果も上がります。

    一方、丸暗記は苦手だが、理屈はもっと嫌いで、どんな説明も聞き流すタイプの子は、幾度説明を聞いても文法的説明は頭に残らない様子です。
    難しくて理解できないが理解したいというのであれば、いくらでも噛み砕いて何度でも説明するのですが、理解しても聞き流すというタイプの子のほうが多いように感じます。
    名詞・形容詞・副詞とはそれぞれ何なのか。
    それは根幹の理解につながることなのですが、そこに興味を抱けない。
    聞き流す。
    でも、英語は得意になりたいと漠然と思っている。
    そういう子にどのようなアプローチが有効なのか。
    難しい課題です。


    分詞の前置修飾と後置修飾に話を戻します。
    2語以上の意味のまとまりは、後ろから名詞を修飾。
    それはわかったけれど、どれが単独の分詞で、どれが2語以上の意味のまとまりなのか、わからない。
    そういう話もよく聞きます。
    わからないので、結局、全部後置修飾にする。
    英語が苦手な子の中には、そのようにして切り抜けている子も多いです。

    Look at that singing bird.
    これは、前置修飾。
    Look at the bird singing on the tree.
    これは、後置修飾。

    上の文は、bird という名詞を修飾している語は、that と singing の2つですが、それぞれ単独です。
    that bird ですし、 singing bird です。
    一方、下の文をそのように単語ごとにバラバラにすると、奇妙なことになります。
    siging bird で、 on bird で tree bird ?
    いや、そんなことはないでしょう。
    それじゃ意味がとれない。
    siging on the tree な bird 、です。
    意味のまとまりとは、バラバラにそれぞれで名詞を修飾しているわけではない、ということです。
    より詳しく説明するなら、on the tree は、まずsinging という分詞を修飾し、そこで分詞句となり、その丸ごとで bird を修飾しているのです。
    しかし、これを説明すると余計にわからなくなる人もいます。
    国語でも、修飾・被修飾が全く理解できず、ほとんどトラウマという人もいて、そういう人にこの説明を始めると途中で顔が曇るのでよくわかります。

    「木の上で歌っている鳥を見て」
    国語で、これを文節に分割すると、
    木の / 上で / 歌って / いる / 鳥を / 見て。
    となります。
    中1の初めに学ぶとき、文節は間に「~ね」をいれて区切ることができるところ、と曖昧な説明をするしかないのですが、厳密には、1つの文節には1つの自立語しか入らないというルールがあります。
    1つの文節は、1つの自立語のみか、1つの自立語+付属語で成り立っています。
    自立語・付属語、さらに品詞というものを学習するのが中2なので、中1ではこの説明をできないのがネックとなり、間に「~ね」を入れるという、わかるようなわからないような説明しかできず、「歌っている」を1文節とするか2文節とするか判断できないということも起こります。
    英語も日本語も、学習の初めは、説明してもわからないから説明できないことが多く、それが曖昧さを生むのです。
    ようやく説明できるようになったときに改めてきちんと説明されているはずですが、その時期にはもう文法に対して嫌悪や諦めが生じていて、まともに説明を聞いていない・・・。
    だから、ますます文法が理解できない。
    そういうことが起こりやすいです。

    それはともかく。
    木の / 上で / 歌って / いる / 鳥を / 見て。
    この修飾関係を見てみましょう。
    「木の」は「上で」にかかります。
    そして、「木の上で」という意味のまとまり(連文節または大文節)を作ります。
    「歌って」は「いる」にかかり、そして「歌っている」という意味のまとまりを作ります。
    さらに、「木の上で」は「歌っている」にかかります。
    そして、「木の上で歌っている」という意味のまとまりを作ります。
    その大きな意味のまとまりが「鳥を」という文節を修飾します。
    修飾語は、このようにどんどんまとまっていくのですが、そのことを理解し、その修飾関係を正確に図示できる子は、少ないです。
    国語の修飾・被修飾が上手く理解できないのだから、外国語の理解はさらに難しいかなあ・・・。
    しかし、英語の修飾関係のほうがルールがシンプルなので理解しやすく、その理解をもとに、国語の理解が深まっていくという見方もできます。
    比較することでわかりやすくなる、ということもありますし。
    日本語も、英語も、意味のまとまりになって修飾していくんだよー。
    というくらいの理解で次に進みましょうか。


    単独ならば、前置修飾。
    2語以上の意味のまとまりは、後置修飾。
    このわかりやすい文法ルールに対し、しかし、新たな波が到来しています。
    英語の本場、アメリカで、このルールが崩れ始めているというのです。

    例えば、
    My brother is that smoking man.
    という言い方はしない、というのです。
    「私の兄は、タバコを吸っているあの男性です」
    smoking は単独で man という名詞を修飾しているのだから、前置修飾で何が悪いの?
    文法的には正しいでしょう?
    そう思うのですが、なぜか、そのような表現だと「年柄年中タバコを吸っている人」という印象になるからダメだ、今、たまたまタバコを吸っているのだから、
    My brother is that man smoking.
    が正しい、という説が流布され始めました。

    うわー、黒船来航だ。
    whom は古い、もう使われていない、今は全部 who だ、という黒船。
    仮定法過去の be 動詞は、必ず were というのはもう古く、 was のほうが普通という黒船。
    英語を長年教えていますと、これまでにも度々黒船は来航してきましたが、今度のもかなり厄介な印象です。

    ネイティブの英語の使い方が変われば、それに応じて英語を学ぶ側も変えていかなければならないのは、それは仕方ないのです。
    しかし、whom のときにも感じたのですが、それは、日常会話としての英語が乱れてきている証拠では?
    言語感覚の雑な人が使う英語が過半数になったということだけなのでは?
    という印象もなくはないのです。

    私は、上のほうで、こう書きました。

    2語以上の意味のまとまりは、後ろから名詞を修飾。
    それはわかったけれど、どれが単独の分詞で、どれが2語以上の意味のまとまりなのか、わからない。
    そういう話もよく聞きます。
    わからないので、結局、全部後置修飾にする。
    英語が苦手な子の中には、そのようにして切り抜けている子も多いです。

    これは、日本人の中学生・高校生の話ですが、ネイティブも実はそうなのではないか?
    使い分けができないので、全部後置修飾にしているだけなのでは?

    これで連想するのは、日本語の「らぬき言葉」です。
    「見れる」「知れる」といったらぬき言葉を使う人が多くなったので、もうそれは許容範囲となりました。
    助動詞「れる」と「られる」の使い分けができない人が多くなり、そこから、「見られる」と「見れる」とでは意味が違うというニュアンスの後付けもされるようになり、やがて許容されていったという経緯がありました。
    英語も同じだと思います。

    言語は生き物。
    今、その言葉を使っている人の過半数がその用い方をするようになれば、それが正しい言葉です。
    だから、昔の用法にこだわることが正しいわけではありません。
    ただ、用心しなければならないのは、日本に伝わってくる、その「新しいアメリカ英語」が、本当に正しいのかどうかということ。
    らぬき言葉も許容されているというレベルの話ならば、「れる」と「られる」とは使い分けられたほうがいい。
    そこの見極めが難しいところです。

    先日、ぼんやりテレビを見ていましたら、こんな映像が流れました。
    「最近腹が立ったこと」といったエピソードを映像化したものでした。
    「出身、どこ?私、中野」
    「私、府中」
    「え?宇宙?」
    「違う。府中」
    「・・・何それ?どこにあるの?(笑)」

    ・・・いや、中野に住んでいて府中を知らないのは、本人が無知なだけです。
    それを勝ち誇ったように笑う。
    知識の幅の狭い人が、その狭い知見で上からものを言い、人をバカにしてかかる。
    そういうことが言語の世界でも起こることがあるので、用心が必要なのです。
    「アメリカじゃ、今はこれが正しいんだぜー」
    本当に?

    whom の件は、 who も許容範囲としつつ、やはり whom と who は正確に使い分ける英語教育が続いています。
    仮定法の件は、was も許容されていますが、were は、今も生きています。
    今回の件は、どんな結末になるでしょうか。



      


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    2019年09月01日

    高校数Ⅱ「式と証明」。不等式の証明その1。


    今回は、「不等式の証明」に入ります。
    「左辺と右辺が文字ばっかりじゃ、大小なんてわからないんじゃないの?」
    以前、そういう鋭い質問を受けたことがあります。
    文字の値によって大小なんて違ってくるんじゃないの?
    そんなものをどうしたら証明できるの?

    勿論、個々の文字の値が何であるかによって大小が異なる場合がほとんどです。
    証明できるものはごく一部です。
    だから、練習する問題は、証明できるものだけなのです。
    では、どんな場合に証明できるのか?

    まず、左辺-右辺≧0 を証明できれば、左辺≧右辺 です。
    では、どんなときに左辺-右辺は0以上になるのか?
    左辺-右辺を何かの2乗の形にできるなら、それは0以上の数でしょう。
    実数の場合、2乗すれば必ず0以上の数になります。
    不等式は、これを用いて証明することが多いです。

    問題 x4+y4≧x3y+xy3 を証明せよ。

    左辺-右辺
    =(x4+y4)-(x3y+xy3)
    =x4+y4-x3y-xy3
    項の順番を変えてみましょう。
    =x4-x3y-xy3+y4
    ここで、共通因数で括ります。
    =x3(x-y)-y3(x-y)
    ( )の中身が共通因数となりましたので、さらに因数分解できます。
    =(x-y)(x3-y3)
    後半の(  )は、さらに因数分解できます。
    3乗の公式を使います。
    =(x-y)(x-y)(x2+xy+y2)
    =(x-y)2(x2+xy+y2)

    さて、ここまで因数分解して、前半の(x-y)2は、2乗ですから、必ず0以上になります。
    後半の x2+xy+y2 は、どうでしょうか。
    ここは、平方完成してみます。

    平方完成を覚えているでしょうか?
    数Ⅰの「2次関数」でやりました。
    頂点の座標を求めるために式を変形する方法です。
    因数分解と異なり、定数項が(  )の外にはみ出しても、別に構わないのでした。
    今回はxについての文字式と考えて平方完成しますので、yはxの係数として扱います。
    x2+yx+y2
    =(x+1/2y)2-1/4y2+y2
    =(x+1/2y)2+3/4y2≧0
    この式は、前半も後半も2乗の形になっています。
    だから、どちらも0以上の数だとわかります。
    0以上の数同士を足しても、0以上です。
    よって、この式は、0以上です。
    元の式に戻りましょう。
    (x-y)2(x2+xy+y2)
    =(x-y)2{(x+1/2y)2+3/4y2}
    これは、0以上の数と0以上の数の積であることがわかります。
    よって、全体も0以上です。
    左辺-右辺≧0
    左辺≧右辺
    これで証明できました。

    さて、≧のように、等号が含まれている不等式の場合、どんなときに等号が成り立つかを書き添えるのが慣例です。
    (x-y)2{(x+1/2y)2+3/4y2}=0
    は、どんなときに成立するでしょうか。
    前半の( )または後半の{ }の中身が0ならば、積は0です。
    よって、x-y=0 または、x+1/2y=0かつy=0
    となります。
    これを整理すると、
    前半は、x=y です。
    「または」の後のほうは、y=0をx+1/2y=0に代入すると、
    x=0となり、よってx=y=0です。
    これは、前半のx=yの1例と考えることができます。
    よって、等号は、x=y のときに成り立ちます。

    以上が不等式の解き方の基本です。
    因数分解や平方完成を忘れてしまっていると上手くできないかもしれません。
    数学は、積み上げ科目。
    1つの単元が終われば、そのときに使った解法や公式は全て忘れる。
    そういう勉強をしていると段々苦しくなるのは、こういうことがあるからです。

    ただ、1回学習したくらいでは身につかないのも事実です。
    因数分解ばかりしていると、平方完成のやり方を忘れる。
    平方完成ばかりしていると、因数分解のやり方を忘れる。
    また戻って練習して、できるようになって、また忘れて、また練習しての繰り返し。
    それでいいと思います。
    もう無理だ、と諦めてしまう前に、まだできることがあります。






      


  • Posted by セギ at 11:15Comments(0)算数・数学