たまりば

地域と私・始めの一歩塾 地域と私・始めの一歩塾三鷹市 三鷹市

2019年03月31日

多摩湖自転車道から狭山公園・八国山緑地に行ってきました。2019年3月。


2019年3月31日(日)、お花見サイクリングに行ってきました。
予報ほど晴れず、午前中は曇り。
雨は降らないようなので、予定通り出発しました。9:45。
途中、コンビニでおにぎりを購入し、まずは武蔵境駅へ。
駅の改札前の、北口と南口の通り抜け通路を自転車を押して進みます。
そのまま直進し商店街を抜け、大きな通りをどんどん北上しました。
桜橋交差点をそのまま直進。
浄水場西交差点で左折。
しばらく直進し、広い道路を信号で渡ると、多摩湖自転車道の入り口です。10:10。
去年は道に迷いましたが、帰りで最短経路を発見したので、今年はもう迷うことなく、ここまで来ました。

桜は満開です。
空が曇って肌寒いせいか人が少なく、自転車道は空いていました。
桜の季節にこの自転車道を走るのは5回目くらいだと思いますが、日曜日にこれほど空いているのは初めてです。
この道は、ソメイヨシノの他にも色々な桜が咲きます。
遅咲きの梅や桃も。
モクレンも、コブシも、黄色いラッパスイセンも。
ときどき停車して、写真撮影。
小平や小金井周辺では、桜まつりののぼりが風にはためき、出店が出ています。
いちご大福に心惹かれました。
野菜の直売店もあります。
自転車道に面しているコンビニもあり、この道に入ってから買い物をすることができるのですね。
ベンチも多くあり、いつでも休憩できますし、喫茶店などもこの道に面しています。
いつも自転車で来ていますが、この道を歩くのも楽しそうです。

去年は「歩行者優先」の掲示ばかりでしたが、今年走ると「歩行者注意」の掲示が増えているように感じました。
こちらの掲示のほうがいいと思います。

自転車道だけでなく、どんな道路も歩行者優先です。
自転車と歩行者が接触したら、自転車が悪いです。
でも、自転車道と並行して、整備された広い歩道がずっと続いています。
むしろ歩道は空いているのに、なぜか自転車道のほうを歩く歩行者が多いのです。
そうした歩行者を避けながら、自転車がビュンビュン通り過ぎていくのがお花見シーズンの光景です。
私が歩行者なら、こんなところを歩いたらむしろストレスを感じます。
脇見運転をしている自転車にいつ追突されるかわからないです。

ここを歩くべきだ。
「歩行者優先」の掲示が、歩行者にそういう誤解を与えているのでは?
「歩行者注意」には、ここを歩く歩行者もいますから自転車の人たちは注意してくださいねというニュアンスがあるように思うんです。

多摩湖自転車歩行者道路。
名称はそうなのだから、そこは自転車道ではなく、全てが歩行者道。
正式にはそういうことかもしれません。
だから、どこを歩行者が歩いても悪いわけではないのだけれど。

そう言えば、うちの教室の前の赤鳥居通りは一方通行の狭い道ですが、入ってくる車が結構あります。
歩行者や自転車が他の道とは比較にならないほど多いので、通り抜けには不便なのですが。
それを知らずに入ってきたドライバーは、道の真ん中を歩く歩行者の集団や、それを避けながらジクザグに走る自転車ではるか先まで道が埋まっているのを見たとき、軽く絶望しているんじゃないかなあ。

そんなことを考えながら、空いている自転車道を爆走していたら、あっという間に狭山公園南門に着きました。11:10。
堤防道は帰りに通ることにして、南門から狭山公園に入りました。
多少上り坂ですが、自転車に乗って行ける舗装された遊歩道が公園内をずっと続いています。
左手に堤防を見ながら、狭山公園を北上。
今日はここから、八国山を目覚します。

八国山と言えば、『となりのトトロ』でお母さんが入院していたのは七国山病院。
多分、八国山をもじった名称なのでしょう。
現実にはサナトリウムはないと思うけれど、いい感じの雑木林があるのでは?
桜も咲いていないかな?

狭山公園の一番北の端、公園入口にいったん出ましたが、そこは、多摩湖を1周する道へと直接つながっていました。
西武遊園地の観覧車が背後に見えます。
これは、違うなあ?
公園内をいったんひき返し、桜口から道路へ。
信号はありませんが横断歩道はあり、道路は全体に渋滞していたこともあって、快く車が停まってくれて横断歩道を渡ることができました。
西武多摩湖線の高架下をくぐって、あとは東へ東へと目指しました。
大体の地形を把握するのみで、勘で走っていったら、道が突き当たったり、階段の下りになったりと散々な目にあいましたが、思ったよりも早く八国山緑地が見えてきました。
あとは、入り口がどこなのかです。
緑地をそんなに離れないよう、またも私道を突き当たったり、急坂を下ったり。
ようやく入口を見つけて園内に入り、舗装された遊歩道を東へ。
「ころころ広場」の駐輪場に自転車を置き、さてここから徒歩です。11:45。

去年狭山公園に行ったときに入手したパンフレットに、八国山内部の略地図が載っていました。
園内に地図看板も整備されています。
ころころ広場から、まずは雑木林の中の坂道を登りました。
ここは舗装されていませんが、よく整備された遊歩道でした。
土の匂い。
草の匂い。
住宅街はすぐそこなのに、山の匂いがします。
坂道を上がりきると、尾根道。
東京都と埼玉県の県境沿いの東西約1.9kmの道です。
昨夜の雨の影響もほとんどなく、歩きやすい良い道でした。
ときおり人とすれ違いますが、大半は独りで歩ける静かな道でした。
すぐ近くの狭山公園の賑わいとは別世界です。

空は雲が切れ、青空が広がってきました。
新芽をつけた雑木林が明るく輝き始めました。
何て気持ちいい。
八国山は想像以上に良い場所でした。

おおぞら広場を過ぎて、将軍塚。12:20。
説明の看板がありました。
駿河・甲斐・伊豆・相模・常陸・上野・下野・信濃の8か国の山々が望めたことから、ここは八国山と呼び伝えられたとのこと。
なるほど。
将軍塚の「将軍」とは新田義貞のことだそうです。
鎌倉幕府討幕の頃に遡るのですね。

芽吹いたばかりの雑木林の向こうに、桜が咲いているのが見えました。
あの木の下で、おにぎりを食べたいな。
尾根道を戻り、「ほっこり広場」へと降りていきました。
段差の小さい木段がよく整備され、下り坂も何の問題もありません。
一応、軽登山靴を履いてきましたが。
遊歩道を歩いていくと、雑木林の中にぽっこり開いた魅力的な空間と2つのベンチ。
さらに先へと進んでいくと、桜の大木と、テーブルとベンチ。
ここで昼食を取りました。12:35。
目に入るのは、青空と桜のみ。
満開の桜を独り占めして、おにぎりを頬張りました。

さて、出発。
道しるべを確認しながら下っていくと、ふたつ池。
昔、この辺りが水田だった頃の貯水池だったそうです。
さらに下っていくと、自転車を置いたころころ広場に戻ってきました。13:15。

狭山公園に戻ります。
また来るときのために、より良い帰り道を模索しよう。
ころころ広場から踏切を渡ると、八国山たいけんの里。
そこを右折すると、ずっと西に続く道路がありました。
車はそれほど通らず、ストレスの少ない道です。
その道路を行けるだけ行き、突当りを右へ。
曲がれるところで、また西を目指しました。
そこから団地の中に入り込んでしまい、また少し迷いましたが、狭山公園桜口に戻ってくることができました。13:25。

さて、公園内の上り坂を自転車を押して、堤防の北の端へ。
堤防の上は広い道になっていて、右手は多摩湖が広がっています。
晴れた日はそこから奥多摩の山々が見晴らせます。
今日は奥多摩は雲の中。
左手は狭山公園の全景。
満開の桜とシートを敷いてお花見を楽しむ人々を見渡せました。
晴れてきたので、お花見にやってきた人が沢山います。

さて、帰りも多摩湖自転車道。
朝のうちは曇り空の下、ソメイヨシノも薄墨色でしたが、午後からは青空の下、桜がよく映えてきれいでした。
人も増えたのでスピードはあまり出さず、のんびりと桜を楽しみながら自転車を走らせました。
自転車道入口。14:20。
それでも行きより短時間で着いたのは、帰り道は下り坂が多いからですね。

そのまま直進して、広い道路を信号で渡り、浄水場西の交差点を右折。
そのままどこまでも直進すると、武蔵境駅。14:30。
八国山でもっとのんびりしても良かったかなあ。
また来年、お花見に行こうと思います。

  


  • Posted by セギ at 20:14Comments(0)

    2019年03月27日

    高校英語。進行形の意味。


    さて、時制の学習の続きです。
    今回は、進行形について考えてみましょう。
    進行形は、中1で学習済みの現在進行形、中2で学習した過去進行形、そして、高校で新出の未来進行形の3通りがあります。

    なあんだ、現在進行形なんて簡単だ、now がついてるやつでしょ?と侮らないで。
    現在進行形の主な意味は3つあります。

    ①現在進行中の動作。
    ②現在の反復的な動作。
    ③近い未来の予定。

    このうち、①が中1で学習済みのいわゆる「now がついてるやつ」ですね。
    now がついていなくても現在進行形のことはありますが。
    そこは意味で判断します。

    高校の定期テスト、あるいは大学入試問題で出題されるのは、①はほとんどなく、②と③です。
    しかし、例によって、①だけわかっていれば十分と誤解してしまう人は多いです。
    繰り返します。
    テストに出るのは、②と③です。

    ②現在の反復的な動作 というのは何かと言うと、テストに出る形としては、語り手・書き手の非難がこもっている場合がほとんどです。
    実際には非難以外の感情がこもっている場合もありますが、そういうわかりにくいものはテストにはあまり出ません。
    ここは、「非難」に絞ると理解しやすくなります。

    You are always complaining about something or other.
    あなたはいつも何かにつけて不満ばかり言っている。

    これは進行形であるのに always を伴うことが多いので、それが目印となります。
    「いつも~してばかりいる」という訳し方を理解しておくと、意味がとりやすいですね。
    語り手・書き手の非難がこもっている、ということもこの訳し方で理解しやすくなると思います。
    これは、今この瞬間にあなたが不満を言っているということではありません。
    現在の習慣として「いつも~してばかりいる」ということを非難をこめて語っています。

    ③近い未来の予定 は、前にも説明しましたが、未来を表す時制の1つとして現在進行形があるということです。
    発着の動詞の場合は、現在進行形で近い未来の予定を表すことが多いと理解しておくと、迷ったときに正解しやすくなります。

    問題 次の( )の動詞を適切な形に改めよ。
    I (leave) for Osaka tomorrow.
    私は明日大阪に向けて出発します。

    leave は、出発するという意味の発着の動詞。
    したがって、この文は、現在進行形が正解です。
    I am leaving for Osaka tomorrow.


    現在進行形のこの3つの意味をしっかり理解すれば、過去進行形の3つの意味は、それを過去バージョンにスライドすることで理解しやすくなります。
    過去進行形の3つの意味は。
    ①過去のある時点で進行中の動作
    ②過去の反復的動作
    ③過去から見た近い未来の予定

    ①過去のある時点での進行中の動作 は、中2でも学習していますので大丈夫と思いますが、ここで「 while 節は進行形にする」という知識を身につけておくと、さらに精度が上がります。

    I was sleepy while the math teacher was talking.
    数学の先生が話している間、私は眠かった。


    ②過去の反復的動作 は、過去の反復的動作について、語り手・書き手の非難がこもっていると把握するとわかりやすいです。
    He was always eating something.
    彼はいつも何か食べてばかりいた。
    「いつも~してばかりいた」という訳し方で覚えておくと、理解しやすいですね。
    実際には always を用いない場合もあります。
    しかし、文法問題の典型題は、always が必ず入っています。
    always が入っているのにこの文法事項であることに気づかないという愚は避けましょう。

    ③過去から見た近い未来の予定
    これは、現在から見たら過去なのですが、過去から見ると近い未来の予定だったことを表すものです。
    We were moving the next month.
    私たちは、翌月に引っ越すことになっていた。

    現在から見たら、それは過去のことです。
    「~することになっていた」という訳とともに覚えておくと理解しやすいと思います。
    その後、実際に引っ越したのか、それとも実現しなかったのかは、この文だけではわかりません。


    さて、次は未来進行形。
    これは高校で新出の時制です。
    動詞は、will be ~ing の形となります。
    意味は、
    ①未来のある時点で進行中の動作
    ②未来の予定

    さすがに、「未来の反復的動作についての非難」ということはありません。
    あなたは未来もいつも~してばかりいるだろう、なんてことまでは、さすがに言えませんから。

    ②未来の予定 ですが、未来にすることになっている予定を表すときに、未来進行形が使われます。
    「~することになっている」という訳し方を覚えておくと、理解しやすいと思います。

    時制に関する文法問題は、「諸説あり」みたいな事柄はテストに出せませんので、出る内容はある程度決まりきっています。
    何が出題されるのかを把握しておけば、時制問題は得点源となります。

      


  • Posted by セギ at 21:45Comments(0)英語

    2019年03月25日

    あしがくぼ山の花道と丸山を歩きました。2019年3月。


    2019年3月24日(日)、芦ヶ久保の丸山を歩きました。
    電車を乗り継いで、芦ヶ久保駅。9:20。
    駅は高台にあり、駅前が広場になっています。
    改札の外にきれいなトイレ。
    支度をして、さて出発です。
    まずは階段を下りて、国道に出ます。
    国道の押しボタン式信号で横断歩道を渡って、左へ。
    国道をしばらく行くと、自動車向けの大きな看板があり、そこから右折できました。
    「あしがくぼ花の山道」と書かれた丈の低い可愛らしい道しるべもあります。

    道しるべに従い坂道を登っていくと、駅の裏手の山に隠れていた武甲山が徐々に姿を現しました。
    今日はよく晴れて、武甲山の山肌に刻まれた段差の1つ1つがくっきりと見えます。
    武甲山は、今日も勇ましく美しい。

    坂道を登っていき、舗装道路から道しるべに従い山道へ。
    平坦な山道は、しばらく行くと下りになり、赤いローラー滑り台のある公園が見えてきました。
    園内には今年もミズバショウが咲いていましたが、もう花は終わりかけでした。
    去年は、ここから道しるべに沿って公園の外を巡る遊歩道を歩いたのですが、もしかしたら公園内から山の花道へと登っていける道があるのではないかと思い、今年はそれを確かめることにしました。
    赤いローラー滑り台を滑り降りてくる親子連れ。
    傾斜があるので快調に滑ることができ、楽しそうです。
    その滑り台の脇に踏み跡があり、それに沿って登っていきます。
    トイレがあり、その先も踏み跡は続き、小さな橋を渡ると、去年歩いた外の遊歩道と合流しました。
    なるほど、こういうことになっていたのですね。
    このコース、3回目にしてようやく道を把握しました。

    そこから、道は段差が大きくなり、小さい沢を渡ったりします。
    駅から近いのに案外しっかりとした山道です。
    登っていくと、舗装道路に出ました。
    ここにもトイレ。

    道路の向かい側にある道しるべに従って左へ。
    しばらく行くとまた道しるべがあり、その通りに木段を登りました。
    去年歩いたときは木段の段差に驚きましたが、今年はそんなに段差はきつくないと感じました。
    あれ?
    これは整備されたのかな?
    一番上のほうは段差が大きいですが、手すりがあるので、それを支えにすれば楽に登っていけました。
    木段を登り切ると、その先はのどかな細い道。
    振り返ると、武甲山が先程よりもさらに高く大きく姿を現していました。

    日陰にある貯水タンクからは水が滴り、氷柱が何本も下がっていました。
    今年は暖冬で、芦ヶ久保の氷柱は去年より早く終了したようでしたが、それでも、日陰にはまだ氷柱。
    地形的に芦ヶ久保駅付近は谷底にあるので、冷気がたまるのでしょう。
    今日はよく晴れているのに空気が冷たく、山歩きに最適でした。

    あしがくぼ山の花道。10:10。
    ここは多くの花の咲く公園です。
    まずは尾根へと登っていきました。
    右手に駐車場の存在を確認しながら、木段を登りきると、尾根。
    尾根に出たら右折します。
    尾根道を少し下っていくと、ベンチが並ぶ見晴らしの良い場所に出ました。
    ロウバイがきれいに咲く場所ですが、今年はもう終わっていました。

    尾根道をゆっくりと下っていくとあずまやがありました。
    大きなザックを担いだ男性が1人、ちょうどあずまやに入っていくところでした。
    邪魔をしては悪いので、私はもう少し木段を下った先のベンチで休憩。
    すると男性は、ザックをあずまやに置いてきた様子で、空身になって下りてきました。
    目的地は同じかな。
    木段の途中には、まだ葉だけのカタクリ。
    細く堅いつぼみをつけたカタクリもありました。
    あと2週間もすれば、カタクリの見頃でしょうか。
    その頃にはこの公園は花好きの人で大賑わいになるのでしょう。

    谷底まで下りていくと、男性が話しかけてきました。
    「セツブンソウは終わっているし、カタクリにはまだ早かったかあ。でも、アズマイチゲが咲いていますね」
    「アズマイチゲ?」
    「ほら、そこに」
    あ。本当に。
    可憐に首を下げてほんのり開いたアズマイチゲの花。
    ここは、貴重な花が何でもない様子で咲いているので、来る度驚きます。

    ゆっくりと木段を登り返し、先ほどのベンチまで戻り、今度はそのまま直進。
    入り口とは反対側の舗装道路に出ました。
    道路に出たら、左へ。
    緩やかな坂道を登っていくと、三叉路に出て、そこに道しるべがありました。
    「県民の森」の道しるべを確認し、山道に入っていきました。
    両側を土に囲まれた、えぐれたような山道がしばらく続きました。
    チェーンソーの音が聞こえてきます。
    斜面で伐採が行われているのでした。
    わざわざ日曜日に伐採ということは、林業の方ではなく、森林保全のボランティアの方たちなのでしょうか。

    えぐれたような山道の両側の土がだんだん低くなり、やがて道と同じ高さになる頃、右手から登山道が合流。
    ここから、登山道は広くなります。
    しばらく行くと、急登が始まりました。
    下りてくる人たちは一様に小股で小走り。
    そうしないと上手く下れないような傾斜の道です。
    前方には青空だけが見えていますが、そこがてっぺんではないことは、去年も歩いたので知っています。
    焦らずのんびり一歩ずつ。
    急がなければ苦しくもなく、思ったより早く登りきることができました。
    去年来たときよりも、何だか道しるべが増えているように感じます。
    去年は「県民の森」の道しるべばかりが目立ち、この道で「丸山」に行けるのかと不安を感じたものでしたが、今年は「丸山」の文字を確認できました。

    一旦道路を横切り、そこからもさらに急登は続きました。
    登りきると遊歩道に出て、そこを横切ってさらに登山道は上に向かっていきました。
    登りきり、尾根に出ました。
    いきなり、白い大きな山が目に飛び込んできました。
    浅間山です。
    まだ雪を頂いて真っ白でした。

    尾根道は、ゆるく下り、また少し登ってを繰り返します。
    時おり左手に浅間山を眺めながらの快適な尾根歩きです。
    いったん、階段を下りて遊歩道に合流。
    そこからまた階段を登り返して、また尾根道。
    木立の向こうに、丸山の展望台が見えてきました。
    最後の木段を登り切り、丸山山頂。12:05。

    それまで、下ってくる人以外に登山者と会いませんでしたが、山頂にはさすがに何組かの人々がいて、ベンチもほぼ埋まっていました。
    まずは展望台に上り、眺望を楽しみました。
    上の画像は、展望台から撮影したものです。
    武甲山、その奥には奥多摩と奥秩父の山々。
    ギザギザの両神山の少し左手に、細く白く山頂部のみ見えるのが、八ヶ岳。
    今日は北側の遠望は利かず、谷川岳や日光の山々は空に融けて姿が見えませんでした。

    ベンチで昼食を取り、さて出発です。12:30。
    まずは大野峠に向かいます。
    歩きやすい平らな道から緩い下り坂へ。
    少し登り返すと、パラセーリングの出発地点に出ました。
    露出感の強い、草原の展望地です。
    堂平山の天文台のドームがよく見えました。

    さて、ここから急な木段の下りが始まりました。
    段差の大きい木段を注意深く下っていくと、舗装道路に出て、ここが大野峠。
    新しい道しるべがありました。
    舗装道路を横切ってそのまま直進すれば赤谷の集落、そして芦ヶ久保駅へと降りていけます。
    下り始めてすぐの場所にも去年はなかった道しるべを発見。
    山道は谷底に降りていくので、道しるべがしっかりしていると気持ちが楽です。
    道幅は十分にあり、岩がちな下りも岩がザラザラで滑らないので安心して歩いていくことができました。
    谷底が近くなると、沢音が聞こえてきて、いよいよ徒渉。
    沢に沿ってしばらく行くと、第一の徒渉点です。
    ここは、一歩で通過できる細い沢でした。
    またしばらく行くと、第二の徒渉点。
    去年までは、不安定な木の丸木橋がかけられていましたが、今年は丸木橋は取り払われ、大きな石が集められて道がつながり、楽に歩いていけるようになっていました。
    自然にそうなったわけはないので、ここは整備されたのでしょう。
    ありがたいなあ。

    その先は、ほぼ平坦な道が続きました。
    たまに土がえぐれ道が狭くなっているところもありましたが、一歩だけ用心すればあとは大丈夫なところばかりでした。
    あっという間に、大きな岩とツバキの木のある登山口に到着。14:00。
    そこからは舗装道路です。
    坂道を下っていくと、朝も歩いた国道299号線。
    右折して、あとはひたすら国道を駅へと向かいます。
    舗道は広いので、車の行き来は激しくても、それほどストレスは感じません。
    この舗装道路歩きがいつも長いんですよねと思いながら歩いていると、案外あっけなく今朝渡った横断歩道まで戻ってきました。
    横断歩道を渡り、階段を上がって、駅前広場。14:30。
    次の電車は14:51。
    ホームに上がり、身支度を整え、撮った写真など見ているうちに、電車はやってきました。

      


  • Posted by セギ at 21:56Comments(0)

    2019年03月20日

    立方体の展開図の読み取り。



    画像が傾いていますが、ご了承ください。

    問題 上の図で、面㋒と平行な面はどれか。

    こうした立方体の展開図に関する問題は、小学校4年生で1度、中学1年生でもう1度学習しますが、苦手なままで終わってしまう人が多くいます。
    側面が横並びに4枚並び、その上と下に底面がついているタイプの展開図ならば読み取れる人も、上のような展開図だと、どの面がどの位置にくるのか、よくわからないことがあるようです。

    頭の中でこの展開図を組立てられれば何の問題もありません。
    今は組み立てられない人も、今後の空間図形の学習のために、頭の中で展開図を組み立てるトレーニングはしたほうが良いと思います。
    空間図形をイメージする力は重要です。

    とはいえ、こうした空間把握力は素質もかなり影響します。
    イメージしなさいといくら励ましても、イメージできないものはイメージできない。
    この展開図を実際に折って組み立てれば、なあんだ、こんな図形だったのかあと納得し、理解したつもりになるようですが、イメージする力がそれでつくわけではありません。
    別の問題になれば、また読み取れない可能性が高いです。

    では、諦めるしかないのか?
    そんなこともありません。
    イメージ力の乏しさを知識で補うことは可能です。
    知識で補強することによって、頭で組み立てられるようにもなっていきます。

    完全なイメージができない場合は、とりあえず、2つの面だけを考えるのが有効です。
    面㋒と垂直になる面を1つ1つイメージしてみましょう。
    面㋒を上の底面と見立て、全部を1度にではなく、1枚ずつ側面にあたる面の見当をつけるのです。
    展開図ですぐ隣りにある面は、間の辺で折りますから、全て垂直の関係になるでしょう。
    上の図で言えば、面㋐、㋑、㋓は、すぐに側面だと判断できます。
    問題は面㋔で、これがどうなるかをイメージできない子が、すなわち空間把握力にやや課題がある子なのですが、辺サシと辺スシが一致することを知識で補うことができれば、それで面㋔も、面㋒と隣りあう面、すなわち、組み立てれば垂直の関係になる面なのだと理解できます。
    これで、面㋒を上の底面と見たときの4つの側面を全て発見できました。
    だとすれば、残る面㋕は、下の底面になるでしょう。
    底面と底面は平行です。
    すなわち、面㋒と平行な面は、面㋕です。

    図によっては、平行な面がすぐに見つかる場合もあります。
    3つの面が横並びになっている場合などは、その3つのうちの両端の面は平行となるでしょう。

    そんなまわりくどいことをいちいち考えないと、見えないの?
    保護者の方がイメージ力のある人の場合、こんな説明にむしろイライラするかもしれません。
    我が子がこれをイメージできないことにもイライラするでしょうが、見えない人には本当に見えないのです。
    上の展開図の面㋕が下の底面になることが、どうしてもイメージできないということはよくあることです。
    しかし、2面ずつならば、練習すれば自力で判断できるようになります。
    残る面が底面にまわり込んでいくのだと、後は知識で処理していきます。
    それを繰り返すうちに、ふと気づくと、まわり込んでいく底面も自力でイメージできるようになっている場合もあります。
    頭の中で、何かの回線がつながったのだと思います。
    そうなるまで、とりあえず、平行な面を答える問題は、すぐ横の面ではない面が平行な面、という知識で解くのが正解に至るコツです。

    何で平行な面が答えられないの?簡単なのに、と思う人も、こんな問題になると「あれ、これは難しい」となることがあります。

    問題 上の展開図を組立てたとき、点アと一致する点を全て答えよ。

    点アと点ウが一致するのは、比較的容易にイメージできると思います。
    しかし、もう1つ、点ケも点アと一致します。
    これをイメージできるでしょうか?

    一種の脳トレとして、あくまでも頭の中でこの立方体を組み立てようとするのも良いのですが、これがテスト問題であり、こんなところで失点するわけにはいかない場合、絶対確実な解き方があります。
    これは知識で解ける問題なのです。

    立方体で、ある点と対角線上にある点、すなわち、その点から一番遠い点は、展開図ではどこに存在するでしょう?
    それは、展開図で隣りあう面2つだけを抜き出して作った長方形の対角線上の位置に存在する点です。

    まず立方体の見取り図をイメージし、その上の底面と正面に見えている側面の2面だけを展開図としてイメージしてください。
    他の面はイメージの邪魔になりますから、今は無視します。
    その2枚だけの長方形の対角線の位置にある2点は、組み立てた立方体で対角線の位置にあります。
    もしわからなければ、このことは実際の立方体で確認してみると良いと思います。

    次、上の底面と右横の側面の2面で考えみます。
    今度は横長の長方形がイメージできると思います。
    その長方形の対角線の位置にある2点は、やはり組み立てた立方体で対角線の位置にあります。
    イメージするのは、そのことだけで良いのです。
    6つの面を同時にイメージするから大変なので、イメージは2面だけに絞ります。

    対角線の位置にある点のことがわかったところで、では、一致する点はどう見つけるのか?
    対角線の位置にある点にとっての対角線の位置にある点は、元の点と一致します。
    まず対角線の位置にある点を見つけ、次にその点にとって対角線の位置にある点を見つけます。
    すると、元の点と一致する点が見つかります。

    上の図で言うと、点アと対角線の位置にあるのは、点シです。
    その点シと対角線の位置にある点は?
    点アに戻っては意味がありません。
    別の2面の長方形を見つけます。
    面㋔と面㋕の2面で長方形になりますね。
    点シと対角線上にあるのは、点ケです。
    すなわち、点アと一致するのは、点ケとなります。
    点アと点ウのように、見たらすぐ一致するとわかる、90°の関係になっている点も、このやり方で発見できますが、それは見たまますぐ見つければ良いでしょう。
    したがって、点アと一致する点の答えは、点ウと点ケです。

    このやり方ならば、どんな奇妙な展開図でも正確に一致する点を答えていくことができます。
    イメージできなくても知識でこのように補っていく過程で、「へえ、こんな位置にある点が一致するんだ」と驚きながら、頭の中でそれを組み立てようとしてみる。
    その繰り返しで、イメージ力も少しずつ鍛えられていきます。

      


  • Posted by セギ at 11:28Comments(0)算数・数学

    2019年03月18日

    小下沢林道から景信山を歩きました。2019年3月。


    2019年3月17日(日)、奥高尾を歩きました。
    高尾駅北口のバス停から小仏行きのバスに乗りました。
    バス停は、行列が蛇行して、横断歩道を渡ってすぐのところが最後尾でした。
    バスは3台で出発しました。8:12。
    高尾の春の観光シーズンが始まりましたね。
    しかし、今日は天気予報は大気不安定。
    午後から雷雨のところもあるとか。
    さっさか歩いて、早めに下山しましょう。

    日影下車。
    バスの進行方向に向かって歩きだしました。
    日影沢林道の登山口を過ぎて、さらにてくてく歩いていき、中央線の高架下のトンネルをくぐって、右折。
    坂道を上がっていくと、小下沢梅林入口です。
    今の時期は、梅林の中を散策可能だそうですが、開園は9時から。
    柵の外からでも梅林は堪能できました。
    ちょうど見頃の白梅・紅梅。
    眺めたり写真を撮ったりしながら、林道を奥へと歩いていきました。
    ザックを担いだ登山姿の中高年の姿も前後にちらほら。
    ときどきスマホで何か見てチェックしています。
    おお。
    中高年がスマホに入れた地図やGPSを確認しながら山を歩く時代になったのですね。

    林道を30分ほど歩くと、草地の旧キャンプ場に小さな道しるべがありました。
    沢を渡ると、そこが景信山の登山口でした。9:25。
    沢にはプラスチックのコップが置かれてありました。
    ここの水、飲めるんだ。
    昔、キャンプ場だったのは、水場があるからなんですね。
    今は、ここでのキャンプは禁じられているそうです。

    ザリクボ沢沿いの山道を登っていきます。
    まずは緩い坂道。
    足許にはニリンソウの葉。
    まだ花は咲いていませんでしたが、あと少し経つと、ここはニリンソウの咲く山道。
    沢と離れると道は細くなります。
    急な傾斜のジクザグ道を登っていきました。
    奥多摩ならこの程度の険しさは普通だけれど、奥高尾でこの険しさは珍しいと感じます。

    やがて道は水平になってきましたが、道幅はさらに細くなりました。
    左足をやや崖側に向けて用心しながら通過。
    岩と木の根だけになっているちょっとした危険箇所もあり、すぐ後ろに足の速い男性が追い付いてきているのを感じましたが、ここを通過するまではどうにもならないので、申し訳ないものの落ち着いてゆっくり通過しました。
    そこを過ぎると道は時計回りに急カーブします。
    道幅もそこだけ広くなるので、後ろの人に道を譲り、さらに用心して先に進みました。
    しばらく行くと、もう1つ、同じように岩と木の根だけの箇所。
    そこを過ぎれば、後は多少細いものの、のどかな道が続きます。

    山肌をまわり込んでいく道をしばらく行くと、道しるべ。10:15。
    ベンチ代わりの丸太に座ってしばらく休憩しました。
    ここは、日影へと直接下りていく、山地図には載っていない東尾根コースとの分岐です。
    あの道は、踏み跡は明瞭だけれど、ストレスを感じるほどの急坂が多いんですよね。
    さてここからは尾根道。
    景信山への道幅の広い急登が始まりました。
    ひと頑張りすると、小仏バス停からの東尾根登山道と合流しました。
    こちらは正規の登山道で、登ってくる人たちと多く出会う箇所です。
    静かな登山道は終わり、ここからは人の多い賑やかな道。
    さらに登っていくと、登山道は枝分かれしています。
    迷ったら、右の道。
    迷ったら、右の道が正しい道。
    そう記憶しているのですが、小さい道しるべが設置されるようなって、迷うことも少なくなりました。
    間違った道を選んでしまうと、景信山をまいてしまうのです。

    木段の急登が始まり、茶店ののぼりが見えてきました。
    長い木段を何とか登りきり、景信山山頂。10:35。
    春霞で地平線のあたりはもやっとしていますが、青空が広がり、晴れ晴れとした山頂でした。

    さて、午後はところにより雷雨の予報が出ていますから、今日はもう高尾に向かいます。
    まずは山頂直下の急な下り。
    春になると、道は乾き、冬のように土が凍結気味で硬くて滑るということもないので、随分歩きやすく感じます。
    昔と違い、一番歩きにくかったところは木段で整備されましたし。
    急な下りを終えて、道は広くなり、さらに快適に歩が進みました。
    ちょっとした岩がちな下り、土の道の登り返し、S字カーブの下りを次々と越えて、小仏峠。
    地図を売っていたら今日こそは買おうと思っていたのですが、今日は地図の売店は出ていませんでした。

    小仏峠からは登り返しです。
    狭い木段を登り、木の根の段差道を登って、相模湖の見晴らせるベンチへ。
    予報通りか、雲が空を覆い始め、富士山は見えませんでした。

    ちょっと休憩し、緩い登り坂をしばらく行くと、まき道との分岐。
    右の木段の道を登り、木の根の段差の急登を行くと、小仏城山。11:20。
    お昼どきなので、ベンチはほとんど埋まっていました。
    ここでお昼の予定でしたが、もう少し先に進みます。

    一丁平展望台。11:30。
    テーブルが1つ空いていたので、ここで昼食。
    20人規模のパーティがどんどん通過していきます。
    大盛況の奥高尾縦走路です。
    富士山も見えないので、今回も紅葉台はまいて、高尾山直下。12:15。
    これならば、雷雨が来たとしてもその前に下山できそうです。

    さて、山頂もまいて、今日は6号路琵琶滝コースで下山します。
    トイレのところの分岐から、まずは舗装された道。
    ベンチの並ぶ広場から、木段をどんどん下り、平らな道をしばらく行くと、飛び石の沢づたいの道が始まります。
    今日は水量が少なく、飛び石に乗らなくても歩ける箇所が多く、さくさく進めました。
    しばらくは岩がちな道。
    岩の奥からカエルの声が聞こえました。
    山道が静かというよりも、カエルの声が大きい。
    もうすっかり春ですね。

    沢の左岸を歩くようになると道も良くなり、あっという間に登山口。13:20。
    道が空いていれば、琵琶滝コースが一番早く高尾山から下山できます。
    ケーブル清滝まで下りてきたところで、ぽつぽつと雨が降ってきました。
    でも、雷雨にはならずに済みそうでした。
    予報は外れた印象だけれど、早く帰宅すると、休日がまだ時間が沢山残っていて、雑用を色々とこなせます。
    軽いコースで半日山で過ごすというのも良いものですね。

      


  • Posted by セギ at 13:19Comments(2)

    2019年03月14日

    高校英語。従属節がwhen節のときの主節の時制は。


    今回も時制の話です。

    問題 以下の(  )内の動詞を適切な時制に直せ。
    The train (leave) when they got to the station.

    when節が過去形のときの主節の時制は、混乱する人が多いところです。
    この文は、「彼らが駅についたとき、列車は出発してしまっていた」という意味でしょう。
    そうすると、過去のある時点までの完了という意味になりますので、過去完了が適切です。
    すなわち、
    The train had left when they got to the station.
    となります。

    こういう例文を見ますと、
    「じゃあ、when のときは、全部過去完了形?」
    と尋ねてくる高校生がいます。
    文法が嫌いだからなのでしょうが、何とか簡略化したい、わかりやすいルールで全部解けるようにしたいという願いが強いようです。

    これは、その高校生だけが悪いわけではなく、「勉強は、わかりやすいルールで全部解ける裏ワザがある」という、いわば都市伝説のようなものを信じたい気持ちと関係があるように思います。
    自分が知らないだけで、本当は勉強はとても簡単なやり方がある。
    そういうものを教えてくれる講師や塾がこの世に存在する。
    自分は、そういうところにアクセスできないでいるだけだ。
    そういう妄想を抱いている高校生は多いと思うのです。

    この2年ほど、芸能人などがテレビ番組で受験に挑戦し、ことごとく失敗しているのは、そのような妄想を粉砕するという意味では良いことだと思います。
    芸能人の受験勉強を助けるのは、番組に協力する大手進学塾のトップ講師です。
    それこそ塾の威信をかけて指導にあたっているでしょう。
    それでも、偏差値や入試得点は微増が限界。
    驚異的な成績上昇で合格に至る、という華々しい番組は作れずに終わっています。
    でも、あれが本当なんです。
    上がることは上がるのですが、短期間で高い目標達成は、無理があります。
    特に英語・数学の上がり方は鈍いのが普通です。

    勉強に裏ワザなんてありません。
    1年、2年という長期的スパンで、合理的な学習方法で、人並み以上の努力をすると、成績は上がる。
    それだけです。

    合理的な学習方法。
    それは裏ワザや知識の簡略化ということではありません。
    複雑なことは、ある程度複雑なままです。
    「when節が過去形のときは主節は全部過去完了形」
    などと言えるほど、英語は単純ではありません。
    それは他国の言語をバカにしているのと同じです。
    そんなに単純なわけがないのです。
    知識を簡略化するのではなく、自分の頭を複雑化しましょう。
    それが勉強するということだと思うのです。


    問題 次の( )内の動詞を適切な時制に改めよ。
    My brother (live) only on water when the search party found him.

    さて、これも過去完了形で良いでしょうか?
    この文は「捜索隊が見つけたとき、私の兄は水だけで生きていた」という意味です。
    live は状態動詞。
    進行形にしない動詞です。
    だから、過去完了形で状態の継続を表せば良いのでしょうか。
    いいえ。
    正解は、
    My brother had been living only on water when the search party found him.
    過去完了進行形を用います。
    live は確かに状態動詞なのですが、「一時的に」という意味が強い場合には進行形にすることがある動詞です。
    水だけで生きていたのは一時的なこと。
    だから、この場合、継続の意味を表すには、過去完了進行形を用います。

    では、次の問題はどうでしょうか?

    問題 次の( )内の動詞を適切な時制に改めよ。
    I (take) a bath when you called me last night.

    これも過去完了形でしょうか?
    いいえ。
    こういう文は、中学生のときに学習していますね。
    「あなたが昨夜私に電話したとき、私はお風呂に入っていた」という文です。
    これは過去進行形が妥当でしょう。
    I was taking a bath when you called me last night.

    なぜ1つ上の文は過去完了進行形で、この文はただの過去進行形なのか?
    お風呂に入っていたのだって、一時期的なことじゃないの?
    ・・・そうですね。
    しかし、上の文で語りたいことは、捜索隊が発見したときに、一時的に何日間か継続して水だけで生きていたという内容です。
    伝えたいことの主眼が、継続です。
    この文は、あなたが電話したときに私は何日間か継続して風呂に入り続けていたということを語りたいわけではありません。
    伝えたいことは、あなたが電話したその瞬間に、私は風呂に入っていたということです。
    過去のその瞬間に何をしていたのかを語るのは、過去進行形です。

    問題 次の( )内の動詞を適切な時制に改めよ。
    I (live) in New York when I was a child.

    この文は、一瞬のことではありません。
    継続的に住んでいたのだろうと思います。
    では、過去完了形でしょうか?
    いいえ。

    正解は、
    I lived in New York when I was a child.

    「私は子どものときにニューヨークに住んでいた」というのは過去の単なる事実です。
    live は状態動詞で、これは一時的居住というニュアンスで語っていることではなさそうですので、普通に過去形で語ります。


    ・・・もう、どんなときにどの時制なのか、全然わからない。
    そんな声も聞こえてきそうですので、整理しましょう。
    when節が過去形のとき、主節は、
    ①過去完了形
    ②過去完了進行形
    ③過去進行形
    ④過去形
    の主に4通りが考えられます。
    どの時制を選ぶかは、主節で語りたい内容が、
    その時点まででの完了ならば、①過去完了形
    その時点までの動作の継続ならば、②過去完了進行形
    その時点で進行中の動作ならば、③過去進行形
    その時点での状態ならば、④過去形
    となります。
    意味による判断と、あとは主節の動詞が動作動詞か状態動詞かの識別をして、どの時制が適当かを判断します。

    難しいと感じるのはわかります。
    でも、「難しいから、もう無理だ」とか、
    「when なら過去完了形、でいいじゃん」とか、
    そういう方向に逃げないでほしいのです。
    出題が多いのは、①と③です。
    だから、その2択に絞り、それ以外が正解だったときには諦めるということなら、ギリギリ理解できます。
    でも、「when なら必ず過去完了形」というように、文も読まずに解いて正解できる覚え方はないことは、心に止めてほしいのです。

    そんなに複雑なことは覚えられない、脳の容量が足りないという人は多いのですが、しかし、そのように言う人たちも、自分の趣味のことならスラスラと覚えられますよね。
    アニメが好きな人なら、好きな番組のタイトル、作画監督の名前、音楽監督の名前、主な声優の名前など全部覚えているはずです。
    ゲームが好きな人なら、ゲームのタイトル、登場人物、どういう展開になるか、どこに何があるかなど、全部覚えているでしょう。
    自分の好きなゲーム作家の全作品名を覚えたりすることもあると思うのです。
    脳の容量に問題があるから覚えられないというのは、嘘です。
    脳の容量に本当に問題があるのなら、自分の好きなことも、あまり覚えられないはずです。

    本気になれば覚えられます。
    英語ができる人たちは、どこかで本気になった人たちです。
    脳の容量の問題ではないのです。


      


  • Posted by セギ at 13:19Comments(0)英語

    2019年03月11日

    高校数A「整数の性質」不定方程式。解が自然数の場合。


    「不定方程式」の学習を続けます。
    今回は、こんな問題です。

    例題 方程式 3x+7y=71 を満たす自然数の組(x , y)を全て求めよ。

    この問題が今までと異なるのは、求める解が「整数」ではなく、「自然数」であることです。
    自然数とは、1、2、3、4、・・・・といった、正の整数。
    x も y も自然数となると、解は無数にあるわけではなさそうです。
    どちらかが負の整数であるものは解ではないからです。
    ですから、こういう問題は、具体的な解を全てあげて答えます。

    まずは、いつも通りの不定方程式の解き方で計算していきます。
    x、y の具体的な解を1組、見つけましょう。
    係数の大きい y のほうから、1、2と具体的に代入していくことで、x=19、y=2が見つかりますね。
    したがって、
    3・19+7・2=71 ・・・・②
    与式を①として、①-②をすると、
    3(x-19)+7(y-2)=0
    移項して、
    3(x-19)=-7(y-2)
    3と7は互いに素だから、
    x-19=7k (kは整数)
    x=7k+19 ・・・③
    y-2=-3k
    y=-3k+2 ・・・④
    という整数解がまず見つかります。

    ここからが今までと異なります。
    x、yは自然数なので、
    1≦x、1≦yです。
    これに③を代入すると、
    1≦7k+19
    7k+19≧1
    7k≧-18
    k≧-18/7
    1≦y に④を代入すると、
    1≦-3k+2
    3k≦1
    k≦1/3
    よって、-18/7≦k≦1/3
    kは整数だから
    k=-2、-1、0
    これで、自然数の解は3組あることが確認できました。
    これを③、④に代入して、
    (x、y)=(5 , 8),(12 , 5),(19 , 2)
    x=7k+19 ですので、1つめの x=5 を計算したら、その他のxの解は単純に7ずつ増やしていくと、求める時間を短縮できます。
    yも同様です。
    y=-3k+2 ですから、最初は計算で y=8 を出した後は、3ずつ減らしていくとよいでしょう。
    今回は解が3組だけでしたが、もっと沢山あっても全部書いていきますので、計算時間の短縮は重要です。
    計算の工夫ですね。

    高校生の定期テストを見ると、計算でもたつき、時間がかかってテストを最後まで解くことができない人もいます。
    計算スピードが遅い生徒を見ていると、手が止まって考え込んでいる時間が長いのが特徴です。
    立式を考えているのではありません。
    式が立った後、計算で手が止まって考え込んでいるんです。
    何をしているのかというと、暗算をしています。
    その暗算のやり方がまずいのです。
    上の例で言えば、k=-2をx=7k+19に代入した暗算をするのは納得できます。
    7・(-2)+19=5
    その後は、5+7=12、12+7=19 と暗算していけば速いのですが、
    7・(-1)+19=・・・うーん、うーん、うーん・・・。
    7・0+19=・・・うーん、うーん、うーん・・・。
    と逐一、もとの式に代入して暗算しているので、時間がかかるのです。

    これは、暗算と筆算とのバランスの問題もあるかもしれません。
    楽に暗算できるところは暗算し、不正確になりがちなところは目に見える形にしておく。
    例えば、もっと単純な1次方程式でも、そういう子の答案は、変に丁寧なところと省略しているところとがアンバランスなことが多いです。
    3x-17=8x+53
      -5x=70
        x=-14
    これが普通の計算の進め方だと思いますが、計算の下手な子は、こういう書き方をすることがあります。
    3x-17=8x+53
    3x-8x=53+17
        x=-14

    え?その2行目、要らなくない?
    え?その2行目から3行目に跳ぶの、つらくない?
    同じ行数でも、上の書き方と比べると、暗算の負担が大きくなり、時間がかかります。
    ミスも出やすいでしょう。
    何でそんなアクロバティックな省略をしたがるのか私にはわからないのですが、書いている本人は、もう何年もそういう答案を書いているので、何を指摘されているのか、なかなか飲み込めない様子です。
    ここを省略するから計算しにくくなって、ここで符号ミスをして、ここで計算ミスをする。
    そういうことに対して普段から自覚がなく、
    「次はミスしないようにしよう」
    と思うだけのようです。
    それでは、ミスが減ることはあまり期待できません。

    計算ミスが多いのは、何か原因があります。
    計算のスタイルを改善する必要があるのです。
    具体的に何かを変えていかなかったら、ミスは減りません。
    「ミスしないよう、次は頑張ります」と思うだけでは、ミスは減りません。

    我流のスタイルが身体にしみついている場合、改善が難しいのは事実です。
    スポーツに通じるものがあるかもしれません。
    正しいフォームが大切なのは一般論としてはわかっている。
    でも、自分は正しいフォームで行うことができない。
    我流のやり方がしみついている。
    そこを注意されても、直せない。
    そういうことは多いと思います。

    例えば、テニスのサーブで、自分の真上にトスを上げるのは初心者にはなかなか難しいことです。
    多くの場合、斜め前方にトスを上げてしまい、そこからへっぴり腰で威力のないサーブを打つしかありません。
    しかし、そこを注意されても、直せない。
    何をどうすればそれが直るのかも、わからない。
    そういうことはあると思います。
    斜め前方に上げたトスから打つサーブでも、とにかく相手コートには入る。
    だから、もうそれで良しとしてしまうのです。
    不正確なフォームのまま、本人の中でそれでOKとなってしまうのは、指導力のあるコーチが側にいない場合には、よくあることでしょう。
    正しいフォームを身につければ無限に伸びる可能性が生まれるのに、我流から脱することができないのです。

    数学も、そうなのかもしれません。
    そういうところは、数学はスポーツと似ていると思います。
    数学は頭脳のスポーツ。
    正しいフォームで数学の問題を解きましょう。

      


  • Posted by セギ at 14:40Comments(0)算数・数学

    2019年03月11日

    大人のための数学教室、個別指導のご案内。


    大人のための個別指導コースのご案内です。
    3月中にご参加いただいた授業料は、東日本大震災の震災遺児に返済不要の奨学金を提供する財団法人「みちのく未来基金」に募金をいたします。
    昨年は6000円を募金させていただきました。
    ご協力ありがとうございました。

    ◎日時
    月曜日・水曜日・木曜日・金曜日の13:20~14:50 , 15:00~16:30
    土曜日の11:40~13:10 , 13:20~14:50
    からお好きな日時を選び、ご予約ください。
    ◎内容
    中学・高校の数学(テキストはこちらで指定いたします)。
    就職試験対策など別教材での授業をご希望の場合は、内容等を具体的にお問い合わせください。
    ◎費用
    90分1回 4,000円。
    週1回、隔週、月1回など、ご希望のペースでご予約ください。
    ◎予約方法
    メールまたはLINEでお申込みください。
    ご予約は前日までにお願いいたします。
    初めてのお問い合わせは、左側「お問い合わせ」ボタンからお問い合わせください。
    初めてのお問い合わせの際は、返信に時間がかかることがありますので、1週間前を目途にご予約ください。


      


  • Posted by セギ at 12:21Comments(0)大人のための講座

    2019年03月08日

    高校英語。現在完了形と過去形の使い分け。


    時制に関する問題で難しいものの1つは、前回説明した、未来をどの時制で表現するかという点です。
    現在形、現在進行形、未来形、未来進行形のどれでも、未来のことを表現できます。
    実現する確実さによって時制を使い分けている。
    そのように、ざっくりと判断するとわかりやすいと前回解説しました。
    あとは、発着の動詞は現在進行形で未来を語ることが多いなど、動詞によって、その時制で未来を語ることが通例であるという場合もあります。
    発着の動詞とは、go や leave など、出発や到着を意味する動詞のことです。

    未来の話はこれくらいにして、もう1つの課題は、過去形と現在完了形・過去完了形との使い分けでしょう。
    高校1年になって、実質的に初めて学習する時制は現在完了進行形、過去完了形、過去完了進行形、未来完了形、未来完了進行形です。
    その中で、混乱しやすいのが、現在完了形と過去完了形の使い分けですが、そこで混乱すると、過去形と現在完了形の使い分けも混乱するようになる人も現れます。
    中学で初めて現在完了形を学んだときは、過去形と混同する人は少ないのですが、過去完了形を学ぶと、現在完了形との区別がつかなくなり、さらに過去形との区別もつかなくなってしまうようなのです。

    過去形の主な意味は。
    ①過去の状態。
    ②過去の動作。
    ③歴史的事実。
    ④時制の一致。

    現在完了形の主な意味は。
    現在のある時点までの、
    ①完了。
    ②状態の継続。
    ③経験。
    ④結果。

    と、意味が重なるところはないように感じるのですが、日本語を英文に直す問題になると、案外使い分けがかぶっているように見えることがあります。

    例えば「インターネットは我々の日常生活に不可欠な要素となった」という文を訳す場合。

    「なった」というのは、日本語の感覚では過去形です。
    「た」は過去を表す助動詞ですから。
    「なる」でも「なっている」でもなく「なった」なのだから、過去形でいいんだろう。
    しかし、そう判断して訳すと、それは誤りなのです。

    The Internet has become an essential element in our daily lives.

    正解は、このように現在完了形となります。
    何が違うのかというと、現在完了形は現在とのつながりのある過去の事柄を、過去時制は現在から切り離された単なる過去の事柄を表します。
    インターネットが我々の日常生活に不可欠な要素になったのは、現在とのつながりのある事柄です。
    インターネットは我々の日常生活に不可欠な要素となり、今もそうですから。
    ここは現在完了形を用いるのが妥当、という判断がされます。
    「なった」という表現に注意し、「なった」のときは、現在完了形の可能性があるぞと思っておくだけでも、かなりミスを防げるところです。
    その街が世界有数の大都市になった、とか。
    その国の人口が非常に大きくなった、とか。
    このタイプの問題に使われる文はそのようなものばかりですので、練習すればピンとくるようになります。

    同じ事実でも、現在とのつながりを意識しているかしていないかで時制は変わります。
    「彼女は東京へ行った」という文を英訳するのでも、
    She went to Tokyo.
    She has gone to Tokyo.
    の2種類が考えられます。
    上の文は過去の単なる事実として語られている場合です。
    下の文は、「彼女は東京へ行ってしまって、今ここにいない」という結果のニュアンスがあります。
    では、正解は2つあるのかというと、文法の時制問題は、そのようにどちらでも良いということにはなりません。
    実際の出題は、例えば「彼女は、昨日、東京へ行った」という文を英訳せよ、という形をとります。
    「昨日」という表現とともに使用されるのは、過去形です。
    She went to Tokyo yesterday.
    となります。
    そうした出題の細部に気づくことで、自信を持って正答を出せるようになります。

    時制の問題では、そうした細部で迷うことはあると思います。
    しかし、大半は、明瞭に使い分けがありますので、それを覚えて使い分ければ大丈夫です。
    本当に微妙なところと、本人が単に覚え間違えていたり覚えていなかったりすることとが混ざり合い、混沌としてしまうのが時制の学習です。
    わからない原因は何なのか?
    具体的にどの問題で間違えたのか?
    それを整理して、自分の課題を明確にすると良いと思います。

    文法問題に関しては、間違えた問題を書き写したノートを作り、時間を置いて解き直すようにするのも良い学習方法です。
    正答や解説はピンクで書き込み、赤シートをかけられるようにするとか、ノート見開きの左側に問題を書き、右側は正解と解説を書いておくなど、後で活用できるようなノートを作ると良いと思います。
    ノートは作ったけれど、漠然と眺めることしかできず、解き直しに使えないようなノートになっていては、あまり意味がありません。

    また、正答のほうが少ない状態でそのようなノートを作ると、ノート作りだけで学習時間の大半を奪われることになります。
    間違えた問題を集めたノートを作るのは、正答率の高い人が、さらに精度を上げるためにやることです。
    正答率が上がるまでは、問題集の間違った問題にチェックを入れ、何度でも解き直して反復するほうが、時間を有効に使えます。
    3回解き直してもまだ間違えた問題だけ、ノートにまとめるのも良いでしょう。

    何よりも、まずは文法テキストを熟読し、覚えるべきことを覚えることです。
    その後、何の知識を問われている問題なのかを意識しながら問題を解く練習をすると良いと思います。
    文法テキストを漠然と眺め、内容は覚えず、文法問題は自分の感覚で解いて、「わからない」「難しい」「文法は嫌い」と感情的な反発をつのらせる・・・。
    どういう文法事項を問われているか考えたことがなく、「こういう英文を読んだ気がする」「私の感覚では、この英語が正しい」というあやふやな根拠で文法問題を解く・・・。
    まず、その姿勢を正すことが、文法問題を得意になるコツです。
      


  • Posted by セギ at 11:49Comments(0)英語

    2019年03月07日

    セギ英数教室、入試結果が出ました。2019年3月。



    本年度の入試結果が出ました。

    ◎大学受験の部
    東京外国語大学 合格

    ◎高校受験の部
    都立新宿高校 合格

    本年度は受験生2名と、人数は少なかったですが、それぞれ高い合格結果となりました。
    ひとえに、受験生の努力の賜物です。
    合格おめでとうございます。

    ちなみに、昨年度の入試結果は、

    ◎大学受験の部
    早稲田大学 合格
    中央大学  合格
    成蹊大学  合格
    東洋大学  合格
    デジタルハリウッド大学 合格(推薦入試)

    ◎高校受験の部
    都立西高校   合格
    都立南平高校 合格
    女子美術大学付属高校 合格(推薦入試)

    ◎中学受験の部
    恵泉女学院 合格

    息つく間もなく、新年度の受験指導が始まっています。
    新入生を募集しています。

    現在の成績は、問いません。
    未来の秀才を求めています。
    小さな個別指導塾ですが、1人1人の成績を確実に上げることを目標に、実績を上げています。
    担当は、受験指導30年のベテラン。
    「上手な授業」を行うパフォーマーよりも、受け持った生徒の成績を本当に上げることが目的の「学習トレーナー」でありたいと常に思っています。
    必要な時期に必要な学習内容を提示します。


      


  • 2019年03月04日

    高校数A「整数の性質」不定方程式。文字が3つの場合。

    さて、「不定方程式」の続きです。
    今回は、文字が3つある、3元1次不定方程式の解き方。
    まずは連立型。
    式が2本ある場合です。

    問題 連立方程式 
    7x+5y+2z=37・・・①
    2x-y+z=13・・・②
    の整数解を全て求めよ。

    不定方程式の基礎が身についたら、この解き方は自力で発見することもできそうです。
    zを消去した式をまず1本作ったら良いですよね。
    どうしたら消去できるか?
    zの係数を揃えて、足したり引いたりすれば消えます。
    ①-②×2をすると。
      7x+5y+2z=37
    -)4x-2y+2z=26
      3x+7y   =11 ・・・③

    ここから xとyの解を求めるまでは、今まで学習した不定方程式の解き方と同じです。
    暗算で、xとyの整数解の1つを求めます。
    例えば、(x, y)=(-1, 2)がそうですね。

    この暗算が上手くいかないという悩みをもつ高校生もいます。
    見つけられないと言うのです。
    では、ちょっとしたコツを。

    上の式で言えば、3xと7yの和が11という正の数になるということは、xとyのどちらかが負の数だということにまず気づきます。
    3×1+7×1=10 ですから、どちらも正の数の場合、この先、どんどん和は大きくなっていく一方で、和が11になることはありません。
    必ず、xとyのどちらかは負の数です。
    あとは、係数の大きいyのほうに、1、2と入れていって辻褄が合うかどうかを検討するのが手っ取り早いです。
    7と3の差が4で、11と7の差が4であることから、xの係数とyの係数の絶対値の差は1であることも判断できます。
    しかし、今すらっと書いたことを読んで「え?」と思われる場合は、その考え方を使うのはかえって時間がかかる可能性があります。
    そんなことをいちいち考えるより、y=1、y=2と代入していくほうが早く見つかるでしょう。

    さて、そのようにして、x=-1、y=2という整数解の1つが見つかります。
    3・(-1)+7・2=11・・・④
    ③-④をすると、
    3(x+1)+7(y-2)=0
    移項して、
    3(x+1)=-7(y-2)
    3と7は互いに素だから、
    x+1=7k (kは整数) ・・・⑤
    ⑤を③に代入して計算すると、
    y=3k+2
    よって、x=7k-1
         y=3k+2 (kは整数)

    xと y の解がわかったら、それを与式のどちらかに代入すれば z も求めることができます。
    今回は②の式が求めやすそうなので②に代入しますが、①に代入しても同じ答えが出ますし、そのことで考えこんでしまう必要はありません。
    しかし、ここでいつまでも考え、悩み、手が止まってしまう子もいます。

    ぱっと見てどちらが解きやすいか判断がつかないのは、それはどちらも本人にとって同じ労力だからなのでしょう。
    係数の大きいかけ算はあまりやりたくない。
    かといって、負の数のかけ算はミスをしそうで気が進まない。
    結局、どちらもやりたくない・・・。
    負の数になると符号ミスをしやすい高校生の場合は、むしろ①に代入したほうが正解の可能性が高まるかもしれません。


    計算の工夫は、そうしなければならないというものではありません。
    ただ、高校生に「三角比」や「三角関数」を教えていると特に感じるのですが、計算が苦手な子ほど計算ミスをしやすい計算方法で計算してしまう傾向があります。

    例えば、余弦定理の利用の問題で、下のような式を立てるところまではできたとします。
    49=(x-1)2+25-2(x-1)・5・(-1/2)
    この式の後ろのほう、-2(x-1)・5・(-1/2) はごちゃごちゃしているように見えますが、ここは全てかけ算の連なりですから、どこからかけても結果は同じです。
    -2と-1/2を先にかけてしまえば、ここは1です。
    だから、5(x-1)=5x-5 と簡単に整理できます。

    しかし、計算が苦手な子ほど、前から順番にかけてしまいます。

    -2(x-1)・5・(-1/2)
    =-2x+2・5・(-1/2)
    =-2x+10・(-1/2)
    =-2x-5

    これは、誤った計算です。
    -2x+2を(  )でくくるのを忘れ、そこから、もう正しい計算ではなくなっているのです。
    余弦定理の利用で、非常に多く見られる計算ミスです。

    そこを何とかクリアしても、
    (-2x+2)・5・(-1/2)
    =(-10x+10)・(-1/2)
    =5x-5

    と、見ていて、「うわあ・・・・」とつぶやいてしまう危険な計算過程をたどる子は多いです。
    多項式の( )をいちいち開いたら面倒くさくなるよ、そこは最後にして単項式から先にかけなさいと助言するのですが、そういうのは問題を解いているときには気づかないと本人は言います。
    使っているのは、単なる交換法則です。
    それが使えないと言うのです。
    言われればわかるけれど、使いこなせない。
    どんなときにどんな法則を使うのか、本当のところがよくわかっていないのかもしれません。

    交換法則を学習するのは、小学4年生です。
    そこが大きな分岐点だったことなど、小学4年生本人も保護者の方も気づきません。
    高校生になって、交換法則が使えないことが発覚しても、なかなか定着しません。
    交換法則は、強く深く理解しておいてください。
    後になるほど大きく影響してきます。
    「計算のくふう」は苦手。
    よくわからない。
    普通に計算したい・・・。
    そんなことを言う小学生は、交換法則が実はよくわかっていない可能性があります。

    計算の工夫は、簡単に計算するための工夫です。
    簡単に計算できれば、ミスしにくくなります。


    さて、不定方程式に話を戻しまして。
    x=7k-1 , y=3k+2 を ②の2x-y+z=13 に代入しましょう。
    2(7k-1)-(-3k+2)+z=13
    14k-2+3k-2+z=13
    17k-4+z=13
           z=-17k+4+13
           z=-17k+17
    よって、
    x=7k-1
    y=-3k+2
    z=-17k+17 (kは整数)

    これが3元1次不定方程式の解です。
      


  • Posted by セギ at 13:04Comments(0)算数・数学

    2019年03月01日

    都立高校入試結果が出ました。2019年3月。


    2019年3月1日、都立高校の合格発表がありました。
    今年度のセギ英数教室は中3受験生は1名。
    5教科みっちり個別指導の結果は、

    ◎都立新宿高校 合格

    やりましたー。ヽ(^。^)ノ
    合格おめでとうございます。

    今年度の高校受験指導は、1名とはいえ中身が濃く、苦闘の連続でした。
    始まりは順調だったのです。
    最初に提示された志望校は本人の成績から考えれば極めて順当なものでした。
    うん。
    ちゃんと受験勉強すれば、ここなら合格します。

    よし。
    まずはそこに向けて、内申を高め、盤石の基盤を作りましょう。
    入試に向けた総復習と並行して、定期テスト対策を強化。
    本人も定期テストに対して脅威の粘りを見せ、学校の成績は順調に上がりました。
    これで、志望校には余裕をもって合格するはずでした。

    秋も深まり。
    学校の三者面談で、当初の志望校よりもワンランク上の都立校の推薦入試の話が出ました。
    志望校の推薦入試を受けて、そこで合格する。
    内申が特に上がっている場合ならば可能なことです。
    ワンランク上の学校でも、この内申の上がり方ならば、推薦入試で合格するのではないか?
    ああ、良かった。
    やはり、上げておくべきは内申。
    今年度の受験対策は、早めにフィニッシュとなりそうでした。

    しかし、本人が、いつまでもいつまでもどうするか迷っているのでした。
    そして、出てきた名前が、都立新宿高校。
    そこは、都立自校作成校です。
    ・・・ちょっと待って。
    新宿高校は、推薦がもらえる高校よりもさらにワンランク上。
    というより、間に学校がないから「ワンランク上」という表現しかないけれど、その間には、深くて暗い河があるんです。
    高い高い壁があるんです。
    国語・数学・英語が独自入試で、入試問題がとても難しいんです。
    ( ;∀;)


    「どう思う?」
    その子は毎日のように進路のことを尋ねてきました。
    「推薦でいいんじゃないの?いい学校だと思うよ」
    私はそう言い続けたのですが、翌日になるとまた同じ問いかけが始まります。
    ちっとも納得していない。
    結局、新宿高校を受けたいのです。
    本人がとにかく受けたいのです。
    「じゃあ、新宿高校を受けたらいいじゃないの」
    「そうする!」
    そう言って、それっきり、もうその問いかけはなくなりました。
    ・・・おいおいおい。( ;∀;)
    私が許可したことになっちゃったの?
    私が太鼓判を押したことには、まさか、なってないよね?

    とはいえ、試しに1年分だけ過去問を解くと、合格射程圏内と感じる答案なのでした。
    得点で言えば、素点で50点ほども足りません。
    しかし、過去問を最初に解いた場合は、これまで教えてきた自校作成校に合格した子たちの多くもそうでした。
    大事なのは答案に伸びしろを感じるかどうかです。
    その答案からは、希望が立ち上がっていました。
    薄氷を踏む思いではあります。
    全教科、失敗できない。
    得点源など、どこにもない。
    しかし、合格しないと言い切れる要素もないのです。

    あとは、精神面です。
    女子に多い傾向ですが、冬期講習あたりが学力のピークとなり、1月、2月と徐々に学力が下がっていく子がいます。
    精神的緊張に耐えられず、力を出せなくなっていくようなのです。
    その子は、そういうタイプではありませんでした。
    定期テストでも、魔物でも通ったのか?と訊きたいような変なミスは少なく、間違うべくして間違い、出来るべくして出来る。
    学力の伸びを把握しやすく、入試当日の朝まで伸びるタイプです。
    2月もたっぷりと受験指導に使えました。

    実力が蓄えられるのを待つため、残りの過去問を解く時期をギリギリまで後ろに倒し、成功体験を積み重ねました。
    初めて解いた過去問で、しっかりと合格点を取ることが大切です。
    この年も大丈夫。
    この年も合格している。
    合格の可能性を否定する要素はありませんでした。

    願書提出の時期が近づくと、大手の塾に通う子たちで自校作成校が志望校だった子たちの多くは、志望校を下げたそうです。
    大手塾は、合格実績を出さねばなりませんから、そのように慎重な進路指導を行います。
    そのことに、その子はショックを受けていました。
    みんな、志望校を下げた。
    自分も下げるべきなのか?

    「じゃあ、下げれば?」
    「いや、受ける」
    「じゃあ、頑張れば?自校作成校受験はチキンレースです。諦めなかった人が合格するんです」
    とは言え、入試は水もの。
    絶対などありません。
    しかし、ここまで来たら、私のせいで不合格になったということになっても、まあいいかなと思いました。
    親のせいとか、本人のせいとか、家族の中でごたごたするのはその家族にとって一生の不幸です。
    敵は外部にあればいい。
    塾が悪かった。
    塾のせいだ。
    そういうことにして心の傷を癒し、また未来に向かっていけばいいのだと思うのです。


    自校作成校は、合格さえすればいいというものではありません。
    授業もテストも難しいです。
    そのわりに学校行事も部活も頑張るんだ、文武両道だ、という校風の学校が多く、その結果は高い浪人率となって表れています。
    推薦入試・AO入試の比率がますます高まっている昨今、大学受験を考えたら、自校作成校に進学するのはデメリットもあります。
    ほどほどの都立高校に進学し、わかりやすい授業を受けてしっかり基礎を固め、高い内申を確保して、指定校推薦で志望の大学に進むという道もあります。

    でも、高校は、一生の友達に出会える場所です。
    勉強のできる子は、ただ勉強ができるだけの「勉強バカ」もいるけれど、話していて手応えのある面白い子も沢山います。
    特殊な趣味や興味を深く掘り下げている子もいます。
    自分の感情を振り回して他人をいじめるような子は少ないと思います。
    自分が他人から嫌な関わり方をされたくないから、自分も他人に嫌な関わり方はしない。
    そういう最低限の想像力のある子が多いと感じます。
    かつて都立西高校に進学した子が、ぽつんと口にしたことがあります。
    「クラスの人が、みんな、優しい」
    うん、わかる。
    それ、凄くわかる。
    私は何度も頷きました。

    学校は、進学率とか、建物の新しさとか、制服の可愛らしさとか、そういうことで測るものではありません。
    そこに誰がいるか、誰と出会えるか、だと思うのです。



    都立新宿高校合格、おめでとうございます。
    本当に本当に良かった。
    素晴らしい春となりました。

      


  • Posted by セギ at 12:07Comments(0)講師日記