たまりば

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2019年03月04日

高校数A「整数の性質」不定方程式。文字が3つの場合。



さて、「不定方程式」の続きです。
今回は、文字が3つある、3元1次不定方程式の解き方。
まずは連立型。
式が2本ある場合です。

問題 連立方程式 
7x+5y+2z=37・・・①
2x-y+z=13・・・②
の整数解を全て求めよ。

不定方程式の基礎が身についたら、この解き方は自力で発見することもできそうです。
zを消去した式をまず1本作ったら良いですよね。
どうしたら消去できるか?
zの係数を揃えて、足したり引いたりすれば消えます。
①-②×2をすると。
  7x+5y+2z=37
-)4x-2y+2z=26
  3x+7y   =11 ・・・③

ここから xとyの解を求めるまでは、今まで学習した不定方程式の解き方と同じです。
暗算で、xとyの整数解の1つを求めます。
例えば、(x, y)=(-1, 2)がそうですね。

この暗算が上手くいかないという悩みをもつ高校生もいます。
見つけられないと言うのです。
では、ちょっとしたコツを。

上の式で言えば、3xと7yの和が11という正の数になるということは、xとyのどちらかが負の数だということにまず気づきます。
3×1+7×1=10 ですから、どちらも正の数の場合、この先、どんどん和は大きくなっていく一方で、和が11になることはありません。
必ず、xとyのどちらかは負の数です。
あとは、係数の大きいyのほうに、1、2と入れていって辻褄が合うかどうかを検討するのが手っ取り早いです。
7と3の差が4で、11と7の差が4であることから、xの係数とyの係数の絶対値の差は1であることも判断できます。
しかし、今すらっと書いたことを読んで「え?」と思われる場合は、その考え方を使うのはかえって時間がかかる可能性があります。
そんなことをいちいち考えるより、y=1、y=2と代入していくほうが早く見つかるでしょう。

さて、そのようにして、x=-1、y=2という整数解の1つが見つかります。
3・(-1)+7・2=11・・・④
③-④をすると、
3(x+1)+7(y-2)=0
移項して、
3(x+1)=-7(y-2)
3と7は互いに素だから、
x+1=7k (kは整数) ・・・⑤
⑤を③に代入して計算すると、
y=3k+2
よって、x=7k-1
     y=3k+2 (kは整数)

xと y の解がわかったら、それを与式のどちらかに代入すれば z も求めることができます。
今回は②の式が求めやすそうなので②に代入しますが、①に代入しても同じ答えが出ますし、そのことで考えこんでしまう必要はありません。
しかし、ここでいつまでも考え、悩み、手が止まってしまう子もいます。

ぱっと見てどちらが解きやすいか判断がつかないのは、それはどちらも本人にとって同じ労力だからなのでしょう。
係数の大きいかけ算はあまりやりたくない。
かといって、負の数のかけ算はミスをしそうで気が進まない。
結局、どちらもやりたくない・・・。
負の数になると符号ミスをしやすい高校生の場合は、むしろ①に代入したほうが正解の可能性が高まるかもしれません。


計算の工夫は、そうしなければならないというものではありません。
ただ、高校生に「三角比」や「三角関数」を教えていると特に感じるのですが、計算が苦手な子ほど計算ミスをしやすい計算方法で計算してしまう傾向があります。

例えば、余弦定理の利用の問題で、下のような式を立てるところまではできたとします。
49=(x-1)2+25-2(x-1)・5・(-1/2)
この式の後ろのほう、-2(x-1)・5・(-1/2) はごちゃごちゃしているように見えますが、ここは全てかけ算の連なりですから、どこからかけても結果は同じです。
-2と-1/2を先にかけてしまえば、ここは1です。
だから、5(x-1)=5x-5 と簡単に整理できます。

しかし、計算が苦手な子ほど、前から順番にかけてしまいます。

-2(x-1)・5・(-1/2)
=-2x+2・5・(-1/2)
=-2x+10・(-1/2)
=-2x-5

これは、誤った計算です。
-2x+2を(  )でくくるのを忘れ、そこから、もう正しい計算ではなくなっているのです。
余弦定理の利用で、非常に多く見られる計算ミスです。

そこを何とかクリアしても、
(-2x+2)・5・(-1/2)
=(-10x+10)・(-1/2)
=5x-5

と、見ていて、「うわあ・・・・」とつぶやいてしまう危険な計算過程をたどる子は多いです。
多項式の( )をいちいち開いたら面倒くさくなるよ、そこは最後にして単項式から先にかけなさいと助言するのですが、そういうのは問題を解いているときには気づかないと本人は言います。
使っているのは、単なる交換法則です。
それが使えないと言うのです。
言われればわかるけれど、使いこなせない。
どんなときにどんな法則を使うのか、本当のところがよくわかっていないのかもしれません。

交換法則を学習するのは、小学4年生です。
そこが大きな分岐点だったことなど、小学4年生本人も保護者の方も気づきません。
高校生になって、交換法則が使えないことが発覚しても、なかなか定着しません。
交換法則は、強く深く理解しておいてください。
後になるほど大きく影響してきます。
「計算のくふう」は苦手。
よくわからない。
普通に計算したい・・・。
そんなことを言う小学生は、交換法則が実はよくわかっていない可能性があります。

計算の工夫は、簡単に計算するための工夫です。
簡単に計算できれば、ミスしにくくなります。


さて、不定方程式に話を戻しまして。
x=7k-1 , y=3k+2 を ②の2x-y+z=13 に代入しましょう。
2(7k-1)-(-3k+2)+z=13
14k-2+3k-2+z=13
17k-4+z=13
       z=-17k+4+13
       z=-17k+17
よって、
x=7k-1
y=-3k+2
z=-17k+17 (kは整数)

これが3元1次不定方程式の解です。



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