2024年10月26日
みたか太陽系ウォーク、その4。ついにコンプリート。

10月25日(金)、残る11ポイントを獲得し、ついにコンプリートしました。
残っていたのは、三鷹北西部地域。
まずは山中通り沿いのお店のスタンプを順調に取得していきました。
三鷹は、南北の通りは道路も歩道も広いことが多いのですが、東西の道路は、車道も狭く、歩道はもっと狭い。
自転車を押して歩きながら、ゆっくり取得していきました。
そこからさらに西へ。
106 西多世代交流センター
ビルの4階とかだと嫌だなあと思いながら行くと、幼稚園のような広い敷地で、外にポスターが掲示されてありました。
ありがとうございます!
そのさらに西にある八百屋さんも、営業時間だけかもしれませんが、ポスターは外掲示。
ありがとうございます!
武蔵境通りに戻り、パン屋さんも郵便局も外壁にポスターを掲示してくださっていました。
ありがとうございます!
そこから人見街道へ。
車道も歩道も細いですが、太陽系ウォーク参加も3回目となると、裏道も少しわかってきます。
車通りの激しい人見街道と平行して東西に走っている裏道を上手く利用できました。
102 酒井薬品株式会社
2年前は、会社の入口でスマホを掲げているのにGPSがうんともすんとも言わない難所でした。
5分ほど待機して、微かな電波をようやくキャッチしたのを覚えています。
今年はQRコードなので、そういう苦労はなく、入口横のポスターから楽々取得できました。
GPSにもQRコードにも、それぞれ長所短所がありますので、昨年のような併用型が、やはり一番嬉しいですね。
ポスターが店内にあって営業時間外の場合。
GPSの反応が悪い場合。
そのどちらの場合も、代替手段があると安心です。
そんなこんなで、あっけなく、10か所達成。
残るは、1か所のみ。
そこは、景品交換所です。
というわけで、
007三鷹ネットワーク大学
三鷹駅の南口テラスから入っていくのが一番わかりやすいかと思います。
ビルの3階にあります。
ポスターは、ネットワーク大学のドアを開けてすぐの場所に掲示されてありました。
これで、117か所、コンプリート。
景品交換は、三鷹ネットワーク大学の受付のところでできました。
今の時期は、コンプリートする人が多いからでしょうか、クリアファイルに全ての賞品が入れられていて、さくっと渡してもらいました。
今年は、天文台移転100周年だとかで、記念シールも。
景品は、上の画像です。
今年のテーマは「太陽」なのだそうで、去年よりも全体に赤みの増したオレンジ色です。
クリアファイル、かわいい。
バンダナ、かわいい。
ノート、かわいい。
頑張って良かったです。
残っていたのは、三鷹北西部地域。
まずは山中通り沿いのお店のスタンプを順調に取得していきました。
三鷹は、南北の通りは道路も歩道も広いことが多いのですが、東西の道路は、車道も狭く、歩道はもっと狭い。
自転車を押して歩きながら、ゆっくり取得していきました。
そこからさらに西へ。
106 西多世代交流センター
ビルの4階とかだと嫌だなあと思いながら行くと、幼稚園のような広い敷地で、外にポスターが掲示されてありました。
ありがとうございます!
そのさらに西にある八百屋さんも、営業時間だけかもしれませんが、ポスターは外掲示。
ありがとうございます!
武蔵境通りに戻り、パン屋さんも郵便局も外壁にポスターを掲示してくださっていました。
ありがとうございます!
そこから人見街道へ。
車道も歩道も細いですが、太陽系ウォーク参加も3回目となると、裏道も少しわかってきます。
車通りの激しい人見街道と平行して東西に走っている裏道を上手く利用できました。
102 酒井薬品株式会社
2年前は、会社の入口でスマホを掲げているのにGPSがうんともすんとも言わない難所でした。
5分ほど待機して、微かな電波をようやくキャッチしたのを覚えています。
今年はQRコードなので、そういう苦労はなく、入口横のポスターから楽々取得できました。
GPSにもQRコードにも、それぞれ長所短所がありますので、昨年のような併用型が、やはり一番嬉しいですね。
ポスターが店内にあって営業時間外の場合。
GPSの反応が悪い場合。
そのどちらの場合も、代替手段があると安心です。
そんなこんなで、あっけなく、10か所達成。
残るは、1か所のみ。
そこは、景品交換所です。
というわけで、
007三鷹ネットワーク大学
三鷹駅の南口テラスから入っていくのが一番わかりやすいかと思います。
ビルの3階にあります。
ポスターは、ネットワーク大学のドアを開けてすぐの場所に掲示されてありました。
これで、117か所、コンプリート。
景品交換は、三鷹ネットワーク大学の受付のところでできました。
今の時期は、コンプリートする人が多いからでしょうか、クリアファイルに全ての賞品が入れられていて、さくっと渡してもらいました。
今年は、天文台移転100周年だとかで、記念シールも。
景品は、上の画像です。
今年のテーマは「太陽」なのだそうで、去年よりも全体に赤みの増したオレンジ色です。
クリアファイル、かわいい。
バンダナ、かわいい。
ノート、かわいい。
頑張って良かったです。

そしてこれは、ペーパークラフトを組み立てたもの。
今年は、ペーパークラフトも、なかなかの難しさでした。
サイコロを8個も切り取って組み立てるものでした。
こういう作業が好きじゃないと、耐えられないかもしれません。
私は、子どもの頃から、説明書通りに組み立てるものが好きなので、楽しかったです。
ちなみに、左側が今年のクラフト。
右側は、一昨年のクラフトです。
そういえば、去年はペーパークラフトの賞品はなかったです。
2024年10月24日
みたか太陽系ウォーク、苦難の道のり。その3。

さて、みたか太陽系ウォークの続きです。
028 ルートマイナスイチ
ここは、前回も書きましたが、営業日と営業時間が限られています。
仕事に行く途中でサクッとスタンプを取得。
◎10月24日(木) 本日の獲得スタンプ22 合計106/117
まずは、日曜日にスタンプをもらえなかった、井の頭方面へ。
085 末廣屋喜一郎
086 栗原ストアー
休業日でなければ、お店の外にポスターが出ていて、簡単に両方のスタンプを取得できました。
さて、そこから大移動。
本日は、牟礼に向かいました。
ここは、道路が入り組んでいるので、スタンプポイントを探し当てるまでが大変でした。
相変わらず、GPSは呑気なもので、余程近づかない限り、適当な位置しか教えてくれません。
うろうろと探し回って、1つずつ攻略。
092 となりのでこちゃん
牟礼幼稚園の隣りでした。
10分以上うろうろし、ようやく場所がわかりました。
ポスターは、入口に掲示されてありました。
時間に関係なく取得できそうです。
続いて
093 ひとまちここ訪問看護ステーション・くまちゃんハウス
094むかいのさっちゃん
この2つは隣りあっていますので、見つかれば、一気に2ポイント。
しかし、牟礼の地理の複雑さとGPSの適当さに幾度も阻まれました。
本当に近づけば、つまり、デジタルマップを最大限に拡大すれば正確ですが、そこまで拡大すると、自分の場所からどう行くのかがわからなくなります。
このジレンマに苦しむのが、デジタルマップの宿命。
ともかく、牟礼の難所3か所とも、表にポスターを貼っていてくださるので、時間外でも取得は可能かと思います。
さて、ここからは、連雀通り沿いのお店を一気に回りました。
途中、前回休業していた、
061 フランス菓子ルリス
にも寄り道。
開店している時間帯は、外にポスターを掲示してくれていて、楽々スタンプ取得。
その他のお店も、全て外にポスターを掲示してくださっていました。
本日お休みの喫茶店も。
ありがとうございます。
本当にありがとうございます。
舗道が狭い道ですので、自転車で回っていると、自転車の置き場所に困るのです。
外からさくっとポスターを撮影できるのは本当にありがたいです。
歩いて回っている皆さんも、どうか車にお気をつけて。
ただ、お店の場合、ガラス戸やガラス窓にポスターが貼られている場合がやはり多いので、営業時間を終えて、シャッターが閉められたら、取得できないかもしれません。
さて、そこから東八道路に出て、大沢方面に向かいました。
本日中に、海王星・冥王星エリアを済ませてしまえば、気分的に楽になります。
今年の太陽系ウォークは、つらい、つらい、と泣き言ばかり書いていますが、旧 Twitter で見てみると、2010年代の太陽系ウォークの凄まじさは、こんなものではなかったようです。
何しろ、スタンプは、本物のリアルなゴムのハンコ。
それをスタンプ帳に実際に押していくシステムでした。
管理の問題もありますから、スタンプは店内にあって当たり前。
店の外に置いてくれていても、営業時間が終われば片付けるのが当たり前。
しかも、スタンプポイントは、当時、200か所以上あったのですね。
それは、太陽系の大きさを実感するというよりも、三鷹の各店舗と施設の営業日と営業時間を実感するイベントだったのでは?
何回行き直すと、全店を制覇できたのだろう。
それを制覇している人たちが、いたのです。
・・・修験道?
私も2011年に一度だけ参加していますが、1日参加して、気楽に50ポイント取得し、キーホルダーみたいなもの(チャーム)をもらって、それで満足していました。
100ポイント獲得すればマグカップがもらえたらしいので、当時は、景品も今より豪華だったようです。
それは、そうだろうなあ。
などと考えているうちに、東八道路と天文台通りとの交差点まで来ました。
例によって、中途半端な大きさで開いたデジタル地図では、東八道路沿いにあるかのように見えた、
114 NPO法人グレースケア機構 天文台オフィス
は、1本南の路地の突き当りにポスターが掲示されてありました。
正しい場所に到達できれば、必ず外に掲示してくださっている、NPO法人さん。
ありがとうございます。
さて、そこから天文台通りを南下。
国立天文台に到達。
ここまで大きい施設になると、どこにポスターがあるのか、という問題が生じます。
施設が広すぎる・・・。
まずは、駐車場への坂道を上がっていくと、左手に、
113 星と森と絵本の家
施設の外にポスターあり。
ありがとうございます。
さて、天文台自体は、どこにポスターが?
やはり、正門のほうかな?
ありました、ありました。
112 国立天文台
は、正門を入ってすぐの、見学者受付のところにポスターが掲示されてありました。
ということは、正門が閉じられたら、アウトですね。
116 NPO法人グレースケア機構 相談・住まい事業部
ここは、GPSが間違っています。
どんなに拡大しても、「椎の実子供の家」という施設を示していますが、ここではありません。
ここの南隣りの、「三鷹市福祉Laboどんぐり山」という施設の玄関の右わきのガラス面にポスターが貼られていました。
ただ、この建物名は、地図上の記載がないため、GPSは「椎の実子供の家」にしか打ち込みようがなかったのかもしれません。
天文台通りに戻って、野川を越えるとすぐ左手が、
117 大沢コミュニティ・センター
予想よりずっと大きい施設で、入口はどこだ、どこだ、と少し探して、ようやく、スタンプ取得。
海王星・冥王星エリア、制覇しました。
残るは11か所。
そのうち1つは、景品交換所の三鷹ネットワーク大学なので、実質10か所です。
頑張ります。
028 ルートマイナスイチ
ここは、前回も書きましたが、営業日と営業時間が限られています。
仕事に行く途中でサクッとスタンプを取得。
◎10月24日(木) 本日の獲得スタンプ22 合計106/117
まずは、日曜日にスタンプをもらえなかった、井の頭方面へ。
085 末廣屋喜一郎
086 栗原ストアー
休業日でなければ、お店の外にポスターが出ていて、簡単に両方のスタンプを取得できました。
さて、そこから大移動。
本日は、牟礼に向かいました。
ここは、道路が入り組んでいるので、スタンプポイントを探し当てるまでが大変でした。
相変わらず、GPSは呑気なもので、余程近づかない限り、適当な位置しか教えてくれません。
うろうろと探し回って、1つずつ攻略。
092 となりのでこちゃん
牟礼幼稚園の隣りでした。
10分以上うろうろし、ようやく場所がわかりました。
ポスターは、入口に掲示されてありました。
時間に関係なく取得できそうです。
続いて
093 ひとまちここ訪問看護ステーション・くまちゃんハウス
094むかいのさっちゃん
この2つは隣りあっていますので、見つかれば、一気に2ポイント。
しかし、牟礼の地理の複雑さとGPSの適当さに幾度も阻まれました。
本当に近づけば、つまり、デジタルマップを最大限に拡大すれば正確ですが、そこまで拡大すると、自分の場所からどう行くのかがわからなくなります。
このジレンマに苦しむのが、デジタルマップの宿命。
ともかく、牟礼の難所3か所とも、表にポスターを貼っていてくださるので、時間外でも取得は可能かと思います。
さて、ここからは、連雀通り沿いのお店を一気に回りました。
途中、前回休業していた、
061 フランス菓子ルリス
にも寄り道。
開店している時間帯は、外にポスターを掲示してくれていて、楽々スタンプ取得。
その他のお店も、全て外にポスターを掲示してくださっていました。
本日お休みの喫茶店も。
ありがとうございます。
本当にありがとうございます。
舗道が狭い道ですので、自転車で回っていると、自転車の置き場所に困るのです。
外からさくっとポスターを撮影できるのは本当にありがたいです。
歩いて回っている皆さんも、どうか車にお気をつけて。
ただ、お店の場合、ガラス戸やガラス窓にポスターが貼られている場合がやはり多いので、営業時間を終えて、シャッターが閉められたら、取得できないかもしれません。
さて、そこから東八道路に出て、大沢方面に向かいました。
本日中に、海王星・冥王星エリアを済ませてしまえば、気分的に楽になります。
今年の太陽系ウォークは、つらい、つらい、と泣き言ばかり書いていますが、旧 Twitter で見てみると、2010年代の太陽系ウォークの凄まじさは、こんなものではなかったようです。
何しろ、スタンプは、本物のリアルなゴムのハンコ。
それをスタンプ帳に実際に押していくシステムでした。
管理の問題もありますから、スタンプは店内にあって当たり前。
店の外に置いてくれていても、営業時間が終われば片付けるのが当たり前。
しかも、スタンプポイントは、当時、200か所以上あったのですね。
それは、太陽系の大きさを実感するというよりも、三鷹の各店舗と施設の営業日と営業時間を実感するイベントだったのでは?
何回行き直すと、全店を制覇できたのだろう。
それを制覇している人たちが、いたのです。
・・・修験道?
私も2011年に一度だけ参加していますが、1日参加して、気楽に50ポイント取得し、キーホルダーみたいなもの(チャーム)をもらって、それで満足していました。
100ポイント獲得すればマグカップがもらえたらしいので、当時は、景品も今より豪華だったようです。
それは、そうだろうなあ。
などと考えているうちに、東八道路と天文台通りとの交差点まで来ました。
例によって、中途半端な大きさで開いたデジタル地図では、東八道路沿いにあるかのように見えた、
114 NPO法人グレースケア機構 天文台オフィス
は、1本南の路地の突き当りにポスターが掲示されてありました。
正しい場所に到達できれば、必ず外に掲示してくださっている、NPO法人さん。
ありがとうございます。
さて、そこから天文台通りを南下。
国立天文台に到達。
ここまで大きい施設になると、どこにポスターがあるのか、という問題が生じます。
施設が広すぎる・・・。
まずは、駐車場への坂道を上がっていくと、左手に、
113 星と森と絵本の家
施設の外にポスターあり。
ありがとうございます。
さて、天文台自体は、どこにポスターが?
やはり、正門のほうかな?
ありました、ありました。
112 国立天文台
は、正門を入ってすぐの、見学者受付のところにポスターが掲示されてありました。
ということは、正門が閉じられたら、アウトですね。
116 NPO法人グレースケア機構 相談・住まい事業部
ここは、GPSが間違っています。
どんなに拡大しても、「椎の実子供の家」という施設を示していますが、ここではありません。
ここの南隣りの、「三鷹市福祉Laboどんぐり山」という施設の玄関の右わきのガラス面にポスターが貼られていました。
ただ、この建物名は、地図上の記載がないため、GPSは「椎の実子供の家」にしか打ち込みようがなかったのかもしれません。
天文台通りに戻って、野川を越えるとすぐ左手が、
117 大沢コミュニティ・センター
予想よりずっと大きい施設で、入口はどこだ、どこだ、と少し探して、ようやく、スタンプ取得。
海王星・冥王星エリア、制覇しました。
残るは11か所。
そのうち1つは、景品交換所の三鷹ネットワーク大学なので、実質10か所です。
頑張ります。
2024年10月21日
みたか太陽系ウォーク苦難の道のり。その2。

さて、太陽系ウォークを続けます。
◎10月21日(月) 本日の獲得スタンプ13、合計 83/117
所用があって、新宿へ。
昼過ぎに帰ってきて、三鷹駅近くの太陽系ウォークをすることにしました。
三鷹駅、駅ビル、コラル、と順調にスタンプを取得して、さて難関地帯へ。
005 三鷹ヒロクリニック南口院
ここは、毎年苦労するところです。
GPSが不正確なのかもしれません。
しかし、その店の前でポスターからQRコードでスタンプを取得しなければなりません。
何となく場所を把握すれば何とかGPSで捉えられた去年までとは違うのです。
うろうろと探し回り、ついに発見。
駅前の西三不動産の、向かって左隣りに入口があり、そこに、ポスターが掲示されてありました。
想像もしなかった場所でした。
積年の謎が解けました。
飲食店やお花屋さんは、入口や壁面にポスターを掲示してくれていて、順調にスタンプを集め、さて、ここから三鷹通りへ。
028 ルートマイナスイチ
小さな雑貨屋さん。
三鷹通りのセブンイレブンの、向かって左隣の店でした。(正確には、隣りの隣り)
場所はすぐにわかりましたが、お休みでした。
QRコードのついたポスターは、店内。
視力障がいのある夫婦が始めた店、と外壁に貼られたポスターに書いてありました。
営業時間14:00~18:00
営業時間も営業日も、限られています。
中をのぞき込んで、営業日を確認。
とりあえず、10月の今日以降の営業日は、
22日、25日、26日、27日、29日、31日、だそうです。
また次回、仕事前に行こう。
029 アイティーエス三鷹卓球クラブ
場所は以前から知っていました。
昔、セブンイレブンのあったビルの2階です。
ただ、どこから入るのか?
うろうろと探して、試しに、建物の、向かって右端の階段を上がっていくと、ドアを開けたら卓球場でした。
受付の横にポスターがありました。
ここまでの感想としては、飲食店は、ほぼ間違いなく、お店の外にポスターを掲示してくださっています。
お菓子屋さんとパン屋さんは、店内掲示のことが多い。
営業時間と店休日に要注意です。
今年の太陽系ウォークは、つらいなあ、子どもだったら泣くレベルだなあと思いながら、それを楽しんでいる自分を発見しています。
2024年10月20日
みたか太陽系ウォーク、今年は苦難の道のり。その1。

みたか太陽系ウォーク。
今年も、10月18日から始まりました。
2022年からデジタルスタンプになったこの催し。
最初の年は、GPSを受信してスタンプをゲットする方式でした。
アプリの不具合でデジタルマップが使えなくなったり、スタンプ帳が消えてしまう人が出るなど、初年度はトラブルの連続。
電波が微弱で、スタンプをゲットするのが難しい箇所が幾つかありましたが、根性でコンプリート。
そして2023年。
前年度の全てが修正され、GPSと、店頭ポスターに掲示されたQRコードを読み取るのとの併用型になりました。
これが大変すばらしく、楽々とコンプリート。
GPSが不正確で苦労した箇所もあったけれど、今思えば、去年の太陽系ウォークは、夢のようでした。
今年、2024年。
GPSによってスタンプを取得するやり方がなくなりました。
店頭ポスターに掲示されたQRコードを読み取る方式のみです。
そして、これは、地獄の変更でした。
GPSならば、その店の近くに行けば、アプリに反応があり、簡単にスタンプを取得できました。
しかし、今回、確実にその店の前に立ち、ポスターのQRコードを読み取らなければなりません。
使えるのは、GPSによるデジタル地図のみ。
GPSには誤差があります。
十分その場所に近づいてデジタルマップも十分に拡大すれば正確なのですが、中途半端な距離から中途半端なサイズで地図を見ると、本当は道路の右側の店なのに、左側に表示されることなんか、ざらにあります。
それでも、路面店ならまだましですが、どこかのビルの2階にある、お店ではない何かの事務所がスタンプポイントの場合の難度の高さ!
そもそもそのビルが、どこにあるのかわからない。
どこが入り口なのかも、わからない。
そういう苦闘が繰り返されました。
GPSをキャッチするだけの仕様ならば、互いの誤差を含みこんで、広い範囲で取得できたのですが。
というわけで、以下は苦闘の記録です。
スタンプを取得できず諦めた方に、何かヒントになればと。
◎10月19日(土) 23ポイント取得。
初日は、3時間ほど、まずは三鷹中央通りを集中してスタンプを集めました。
076 市民協働センター。
ここは、外の掲示板にもポスターが貼られていたらしいのですが、私は気づかず、施設の中へ。
入口にも、ポスターはありました。
しかし、QRコードが読み取れない・・・。
色々試し、スマホの向きを少し変えたら、何とか反応しました。
ポスターからある程度距離を取り、ポスターと平行にスマホをかざすのが最善のようです。
最初のスタンプを取得するまでに、10分以上かかりました。
前途多難の予感がします。
077 アライ薬局。
店の外にポスターがあり、自転車に乗ったまま、ゲット。
ありがたいです。
1メートルくらい離れていても、QRコードは読み取れる。
というか、むしろ、そのほうが反応がいいくらい。
こういう路面の、しかも目の高さの位置にポスターを掲示してくださっているお店には、感謝しかありません。
本当にありがとうございます。
075 ローズアンドエム。
菓子店のようでした。
ここは、外にはポスターがありませんでした。
店内に入ると、右側にポスターがありました。
商品を買わないのに店内に入るのは、本当に申し訳ない。
昨年までのGPS方式ではないことが、個々のお店に伝わっていないのだろうか?
これだと、お店の開店時間しか、スタンプを取得できないですね。
043 ファミリーマート三鷹中央通り商店
ポスターは店内のレジ横でした。
044 三鷹国際交流協会
ファミリーマートの南隣りの黒っぽいビルの4階でした。
住人用の駐輪場を通り抜けて、左手のエレベーターで4階へ。
エレベーターを出るとすぐ協会の入口で、そこにポスターがありました。
ここも、休館日などは、スタンプを取得できない場所かもしれません。
047 クロックキッズイングリッシュ
フレンドビル4階。
交差点の角の白いビルでした。
これも、4階までエレベーターで上がって、スタンプをゲット。
025 株式会社プロネットサービス
ビル名の記載がなく、2階とのみ。
あまりにもわからないので、会社名で検索をかけました。
ここは、三鷹中央通りの、名取屋が1階に入っている、今は外壁工事中のビルの2階にありました。
名取屋興産ビルというらしいですが、何しろ外壁工事中なので、わかりにくいです。
名取屋と、隣りのトモズ薬局との間に、暗い入口があります。
ドアを開けて、階段を登って、長い廊下をしばらく歩いて左に曲がると、事務所がありました。
事務所のガラス戸に、QRコードは掲示されてありましたので、休みの日でもスタンプは取得できました。
024 OneSelf 三鷹本店
ここは、ビルの2階。
外階段を登って、テラス的なところにポスターが掲示されてありますので、場所さえ特定できれば、比較的簡単です。
先ほどの名取屋、トモズ、そして電機屋さんの並ぶ一角が終わったところで角を左に曲がると、右手にすぐ見えてくる白いビルです。
土曜日はここで終了。
うちの教室のすぐ近くです。
◎10月20日(日) 47ポイント獲得。合計70/117
082 Boulangerie hiro
パン屋さんです。
ポスターは店内。
水曜定休とのこと。
外からは取得できません。
今日は新川エリアをクリアすることが第一目標です。
その途中で、いくつかスタンプを取得。
097 wata 焼き菓子
去年、ここのGPSが最初の頃はズレていて、私は、地理的には全く関係のない杏林大学の東南で、微かな電波をようやくキャッチしたのでした。
今年は、正しい位置にありましたが、それでもちょっとわかりにくく、行ったり来たりして、ようやくゲット。
お店は休みでしたが、ポスターは外に掲示されてありました。
ありがとうございます。
110 御菓子司さかい
和菓子屋さんです。
ここも、ポスターは店内。
奥からお店の人が出てきて、申し訳なかったです。
火曜日定休。臨時休業あり。
111 イナギ薬品・いなぎスポーツ
GPSが例によって少しズレていて、道路の反対側ばかり見ていたら、通り過ぎました。
十分に近づいて、十分に拡大すれば、正しい位置に表示されます。
お休みでしたが、ポスターは外に掲示されていました。
ありがとうございます。
108 花と緑の広場
去年は、ここのコスモス畑に癒されました。
トイレもあります。
今年の6月に、一部閉鎖されたとのことで、随分狭くなり、花もまばらになっていました。
何があったんだろう。
それから、三鷹台近辺のポイントをすべて順調に取得し、井の頭公園駅へと向かいました。
084 吉村昭書斎
新しい施設なので、どこにあるのか、わからない・・・。
何往復もして、ようやく発見。
上の画像がそれです。
三鷹台駅から井の頭公園駅へと線路沿いの道を進むと、井の頭公園駅にほど近いところの左手にありました。
渋い色の建物なので、目に入らなかった・・・。
看板も地味でセンスが良くて、目に入らなかった・・・。
吉村昭。
『高熱隧道』しか読んだことがないけど、あれは面白かった。
晩年を三鷹で過ごした方なのですね。
窓ガラスにポスターが掲示されてあり、休館日も取得できそうです。
085 末廣屋喜一郎
和菓子屋。
日曜定休。
シャッターが完全に閉じられていて、ポスターはおそらく、店内。
井の頭で、これはつらい・・・。
遠いのに、また行かなければならないです。
私が呆然と立っている間も、3人ほど、太陽系ウォークの人がやってきて、ため息をついて去っていきました。
086 栗原ストアー
学生時代、よく買い物をしたスーパー。
日曜定休。
ここも、ポスターは店内のようです。
取得できず。
GPSでは取得できなくなったこと、参加店に完全に周知されているのかなあ・・・。
日曜日しか遠出できない人は、どうしたらいいんだろう。
私は、平日にまた来ることができますけれど。
気を取り直して。
三鷹の森ジブリ美術館。
ここは普通のスタンプポイントではなくなりました。
今年は、子ども向けの、紙に押すスタンプのポイントなんですね。
スタンプは、美術館の出口にありました。
結構わかりにくいです。
さて、ジブリ美術館前の道路を南下。
まずは、南下する際の左側の店のポイントを取得していきました。
061 フランス菓子ルリス
休業していました。
ポスターは店内のようで、取得できず。
月曜・火曜定休で、その他臨時休業あり。
それでも、ポスターは店内。
これは、つらい・・・。
やはり、参加するお店の人に、GPSで取得する方法がなくなったことが周知されていないのかもしれません。
さて、横断歩道を渡って、今度は同じ道路を北上しながら、左側の店のスタンプを取得していきます。
ポスターは外壁に貼られ、しかも目の高さの店舗多数。
ありがとうございます。
本当にありがとうございます。
ポスターがあまり低い位置にあると、しゃがみこんでスマホをかざさなければならず、なかなか反応しなかったりするのです。
特筆すべきは、去年、GPSがズレていて、本当に苦労した「田中ふとん店」が、実は、この道路に面した路面店であったこと!
びっくりしました。
去年は何度拡大しても、すぐ近くのオートバイ屋さんの奥、道路と道路の間に存在していることになっていたのです。
ビルなんて存在しない地域なのに、どこかのビルの2階にでもあるのかという位置に。
GPSが間違っていると、スマホになかなか反応せず、周囲をぐるぐる回りました。
10分以上もうろうろした記憶があります。
さて、足を伸ばして、みたか井心亭は、壁にポスターがあり、楽にゲット。
ありがたいです。
そこから、さくら通り沿いのお店のスタンプを順調にゲット。
唐揚げ弁当屋さんは、レジ横にポスターがありました。
行列ができていた中で、何とかゲット。
お邪魔しましたー。
034 NPO 法人グレースケア機構
路面店のわけがないので、難しい・・・。
うろうろと行ったり来たり。
ようやく、2階に「グレースケア」と窓に描かれている建物を発見。
遠いな。向かい側の道かな・・・。
と思ったら、道路沿いの壁に、ポスターが掲示されてありました。
三鷹駅を背に南下しているときなら、見つけることができる位置でした。
ありがとうございます!
035 社会福祉法人三鷹ひまわり会 三鷹ひまわり第三共同作業所
これも、難しい。
地図を最大限拡大することがまず肝要。
そのうえで、三鷹駅から南下していく道を左に曲がるとすぐ、無人販売所のような屋台があり、そこにポスターが提げられていました。
ありがとうございます!
路面店と違うので、ここを取得するのは難しいかも・・・と不安だったのですが、無駄足にならずに済みました。
やはり、福祉系の組織は配慮が別格だ、と感じた2つのスタンプでした。
というわけで、合計70ポイントになったところで、本日は終了。
来週に続きます。
2024年10月19日
高校数学B 数学的帰納法と不等式の証明。

今回は、数B「数列」の単元の終わりのほうにある、数学的帰納法の話です。
こんな問題です。
問題
nが2以上の自然数のとき、次の不等式が成り立つことを証明せよ。
1+1/2+1/3+・・・+1/n>2n / (n+1)
( )は、見やすいようにつけました。( )の部分が、右辺の分母です。
さて、この問題、数学的帰納法を用いる不等式の証明問題としては基本問題ですが、わからない子は本当にわからない、という状態に陥りがちです。
わからないことを自覚しているのなら、理解してわかるようになればいいのですが、何か誤解し、自分が誤解していることに気づかない、ということも多くなってきます。
ある子の答案。
1+1/2+1/3+・・・+1/n>2n / (n+1) ・・・①
【1】n=2
1+1/2>2・2 / (2+1)
3/2>4/3
成り立つ。
【2】n=k
1+1/2+1/3+・・・+1/k>2k / (k+1)
n=k+1
1+1/2+1/3+・・・+1/k+1 / (k+1)>2(k+1) / (k+1+1)
2k / (k+1)>2(k+1) / (k+1+1)
1+1/2+1/3+・・・+1/k+1 / (k+1)>2(k+1) / (k+1+1)
①は成り立つ。
・・・この子は、何を書いているのだろう?
呆然と答案を見る私に、その子は、
「ちょっと書き方が違うんですけど」
と、あたかも、それが若干のスタイルの違いであるかのように言い訳したのですが、そんなレベルのことではないのです。
そして、本人がそれに気づいていないことが、この課題の根深さを物語っているのでした。
これは、教科書の例題などの模範解答を模倣しようとして、その根本にある理屈を理解していないために起きている、数学答案の形骸化です。
答案の冒頭から見ていきましょう。
このブログでも、繰り返し書いてきたことですが、まだ証明していない式を、あたかも事実であるかのようにするっと答案に書くことはできません。
不等式を解く計算問題ならば、その不等式が成り立つのは事実なのですが、証明問題は、その不等式が本当に成り立つのかどうかは現時点で不明であり、それをこれから示していくのです。
それなのに、1行目でいきなり、
「1+1/2+1/3+・・・+1/n>2n / (n+1) ・・・①」
と書いてしまうのは、数学が苦手な子に多い傾向です。
「1+1/2+1/3+・・・+1/n>2n / (n+1) ・・・① を証明する。」
と書くのならばいいのですが、その2つがどう意味が異なるのか、解説しても伝わらない・・・。
幾度解説しても、どうしても、上のような書き方が改まらない・・・。
数学が苦手な高校生との授業で、しばしば起こる断絶です。
これも幾度も書いてきたことですが、彼らは、
「数学の答案にそんなに日本語を書く必要はない」
という間違った認識を持っています。
高校数学の答案、まして証明問題ならば、式より日本語のほうが多いこともあって当然、という常識が伝わらないのです。
数学は式だけ書くもの、と固く信じて疑わない。
次に、
【1】n=2
1+1/2>2・2 / (2+1)
3/2>4/3
成り立つ。
の部分。
これも、答案の書き方としては、かなりまずいのです。
本人はわかってやっているのだと思うのですが、読む者に、それが伝わらないのです。
不等号の使い方自体は間違っていないのですが。
模範解答としては、
【1】n=2のとき
左辺=1+1/2=3/2
右辺=2・2 / (2+1)=4/3
よって、左辺>右辺となり、①は成り立つ。
こう書けば、何のために何をしているのかがよく伝わるのですが、こういう答案を「解説」と誤解し、自分が実際に書くものだと思っていない子は多いです。
それを単なる「スタイルの問題」と思っているところが、根深い。
客観性ということが、まだあまり理解できていないのではないか、と思うこともあります。
自分がわかるんだから、他人もわかって当然、と思ってしまう。
わからない他人は、意地悪な人なので、相手にする必要はない、とまで思ってしまっているかな?
さすがに、それはないでしょうか。
そして、スタイルの問題でも何でもなく、完全に誤答なのが、以下の部分です。
【2】n=k
1+1/2+1/3+・・・+1/k>2k / (k+1)
n=k+1
1+1/2+1/3+・・・+1/k+1 / (k+1)>2(k+1) / (k+1+1)
2k / (k+1)>2(k+1) / (k+1+1)
1+1/2+1/3+・・・+1/k+1 / (k+1)>2(k+1) / (k+1+1)
成り立つ。
最初の2行は、かろうじてわかるのです。
【2】n=kのとき
1+1/2+1/3+・・・+1/k>2k / (k+1) が成り立つと仮定すると、
と、ここでも日本語を書き加える必要はあるのですが。
問題は、その後。
n=k+1
1+1/2+1/3+・・・+1/k+1 / (k+1)>2(k+1) / (k+1+1)
これは、何なのだろう・・・。
これ、答案の下から2行目と同じ式です。
本当に言いたいことは、確かにこれなのです。
証明したいことをするっと書いてしまっているだけなのか?
それとも、何か誤解しているのか?
ここが核心です。
【2】n=kのとき
1+1/2+1/3+・・・+1/k>2k / (k+1) が成り立つと仮定すると、
n=k+1のとき
1+1/2+1/3+・・・+1/k+1 / (k+1)>2(k+1) / (k+1+1)
これが当然そうなると、思い込んでいるだけなのではないだろうか?
n=kのときに成り立つのだから、n=k+1のときも当然成り立つのだと、信じ込んでいないだろうか?
でも、本当にそうなの?
それを証明しようとしているのではないの?
そんなことが当然言えるのなら、そもそもこんな証明は不要なのに、頭の中で、つながるべきではない部分が癒着してしまっているのではないか?
1+1/2+1/3+・・・+1/k>2k / (k+1) が成り立つと仮定したときに言えることは、そんなことではありません。
この不等式が成り立つと仮定して、そこからいえることは、両辺に1/(k+1) を加えた式です。
それは不等式のルールです。
不等式の両辺に同じものを加えても、その不等式は成立します。
だから、答案として書くべきことは。
【2】n=kのとき
1+1/2+1/3+・・・+1/k>2k/(k+1) が成り立つと仮定すると、
n=k+1のとき
1+1/2+1/3+・・・+1/k +1/(k+1) > 2k/(k+1) +1/(k+1)
です。
仮定した式の両辺に、1/(k+1) を加えました。
これなら、言えます。
でも、本当に証明したい不等式の右辺と、今書いた不等式の右辺は、違うものですね。
ここが、数学的帰納法を用いた不等式の証明の核心です。
本当に証明したい不等式は、A>C なのだとして、
でも、仮定から言えることは、A>Bでしかないのだとしたら、どうしたらいいのか?
BとCの大きさ比べをしたらいいのです。
B>C を言うことが、もしできたら、
A>B はもともと言えるのですから、
A>B>C
というふうに、不等式を連結することが可能です。
それはすなわち、途中のBを抜いて、
A>C だということです。
これが、数学的帰納法を用いた不等式の証明の基本構造です。
ところが、学校の授業を受けた場合に。
あるいは、独学で教科書の例題や問題集の解答解説を読んだ場合に、
BとCが式としても似通っているので、見間違う、ということが起こるようなのです。
BとCを同一視してしまうのです。
そこから、
あ、A>C って、すぐに書いていいんだ、という誤解が生まれるようなのです。
そうだよねー。
n=k のときに成り立つんだから、そりゃあ、n=k+1のときも成り立つよねー。
と、そういうことについては、なぜか全く疑義を挟まない思考傾向もあって、完全な誤解がそこに生じるのだと想像されます。
n=k のときに成り立つからといって、n=k+1 のときに成り立つとは限らないから、証明しようとしているんです。
実際には成り立つんですけど、それは証明してから言うことであって、何の根拠もないのに言っていいことではないのです。
しかし、こういう理屈は、一旦誤解してしまった子には、ほぼ理解不能のようなのです。
私の書く板書を呆然と見つめ、全く言葉を発しません。
何1つ理解できない様子を示します。
それは、自分がそれまで正しいと思っていたことを全否定されていることでもありますので、理解するのは難しいことなのでしょう。
何をどう考え直せばいいのかすら、わからない。
自分が、学校の授業で理解したことを、間違っていると言うのだろうか?
学校では、そう教わったのに!
いやいやいや、学校でも、そんなことは、教わっていません。
あなたが、何が誤解したのです。
何か見間違えたのです。
早く、それに気づいてほしいのです。
あるいは、どこまでも自分の答案にこだわり、自分の答案のどこを少しだけ直せば正解になるのかと、そんなことを考えてしまうこともあるようです。
いや、根本的に間違っている答案なので、根本的に改めてほしいのです。
A>B>C から A>C を示そうとしているという大筋を理解していない限り、何をどう書いても、間違いなのです。
さて、模範解答を続けます。
【2】n=kのとき
1+1/2+1/3+・・・+1/k>2k/(k+1) が成り立つと仮定すると、
n=k+1のとき
1+1/2+1/3+・・・+1/k +1/(k+1) > 2k/(k+1) +1/(k+1) ・・・②
すなわち、さきほど解説したA>B>Cでいえば、この式の左辺がAで、右辺がBです。
では、本当に証明したいCは、何か?
2(k+1) / (k+1+1)
ですね。
だから、B>Cであることを示すために、ここで引き算をします。
これは、数Ⅱ「式と証明」で学習した、不等式の証明の基本的なやり方でした。
B-C>0 であることを示すことができれば、B>C です。
すなわち、
2k/(k+1)+1/(k+1)-2(k+1) / (k+1+1)
さあ、これを計算していきましょう。
=(2k+1) / (k+1)-2(k+1) / (k+2)
通分します。
=(2k+1)(k+2)-2(k+1)^2 / (k+1)(k+2)
分子を展開して整理します。
=2k^2+5k+2-2k^2-4k-2 / (k+1)(k+2)
=k / (k+1)(k+2)>0
k≧2ですから、分子も分母も正の数となり、確かに0より大きいですね。
よって、
2k/(k+1)+1/(k+1) > 2(k+1) / (k+1+1) ・・・③
②、③より、言いたかったA>Cが言えました。
さて、もう一度初めから、答案として整理すると、
1+1/2+1/3+・・・+1/n>2n / (n+1) ・・・① を証明する。
【1】n=2のとき
左辺=1+1/2=3/2
右辺=2・2 / (2+1)=4/3
よって、左辺>右辺となり、①は成り立つ。
【2】n=kのとき
1+1/2+1/3+・・・+1/k>2k/(k+1)が成り立つと仮定すると、
n=k+1のとき
1+1/2+1/3+・・・+1/k +1/(k+1) > 2k/(k+1) +1/(k+1) ・・・②
ここで、
2k/(k+1)+1/(k+1)-2(k+1) / (k+1+1)
=(2k+1) / (k+1)-2(k+1) / (k+2)
=(2k+1)(k+2)-2(k+1)^2 / (k+1)(k+2)
=2k^2+5k+2-2k^2-4k-2 / (k+1)(k+2)
=k / (k+1)(k+2)>0
よって、
2k/(k+1)+1/(k+1) > 2(k+1) / (k+1+1) ・・・③
②、③より、
1+1/2+1/3+・・・+1/k +1/(k+1) > 2(k+1) / (k+1+1)
すなわち、n=k+1 のときも、①は成り立つ。
【1】【2】より、2以上のすべての自然数において、①は成り立つ。
となります。
こんな問題です。
問題
nが2以上の自然数のとき、次の不等式が成り立つことを証明せよ。
1+1/2+1/3+・・・+1/n>2n / (n+1)
( )は、見やすいようにつけました。( )の部分が、右辺の分母です。
さて、この問題、数学的帰納法を用いる不等式の証明問題としては基本問題ですが、わからない子は本当にわからない、という状態に陥りがちです。
わからないことを自覚しているのなら、理解してわかるようになればいいのですが、何か誤解し、自分が誤解していることに気づかない、ということも多くなってきます。
ある子の答案。
1+1/2+1/3+・・・+1/n>2n / (n+1) ・・・①
【1】n=2
1+1/2>2・2 / (2+1)
3/2>4/3
成り立つ。
【2】n=k
1+1/2+1/3+・・・+1/k>2k / (k+1)
n=k+1
1+1/2+1/3+・・・+1/k+1 / (k+1)>2(k+1) / (k+1+1)
2k / (k+1)>2(k+1) / (k+1+1)
1+1/2+1/3+・・・+1/k+1 / (k+1)>2(k+1) / (k+1+1)
①は成り立つ。
・・・この子は、何を書いているのだろう?
呆然と答案を見る私に、その子は、
「ちょっと書き方が違うんですけど」
と、あたかも、それが若干のスタイルの違いであるかのように言い訳したのですが、そんなレベルのことではないのです。
そして、本人がそれに気づいていないことが、この課題の根深さを物語っているのでした。
これは、教科書の例題などの模範解答を模倣しようとして、その根本にある理屈を理解していないために起きている、数学答案の形骸化です。
答案の冒頭から見ていきましょう。
このブログでも、繰り返し書いてきたことですが、まだ証明していない式を、あたかも事実であるかのようにするっと答案に書くことはできません。
不等式を解く計算問題ならば、その不等式が成り立つのは事実なのですが、証明問題は、その不等式が本当に成り立つのかどうかは現時点で不明であり、それをこれから示していくのです。
それなのに、1行目でいきなり、
「1+1/2+1/3+・・・+1/n>2n / (n+1) ・・・①」
と書いてしまうのは、数学が苦手な子に多い傾向です。
「1+1/2+1/3+・・・+1/n>2n / (n+1) ・・・① を証明する。」
と書くのならばいいのですが、その2つがどう意味が異なるのか、解説しても伝わらない・・・。
幾度解説しても、どうしても、上のような書き方が改まらない・・・。
数学が苦手な高校生との授業で、しばしば起こる断絶です。
これも幾度も書いてきたことですが、彼らは、
「数学の答案にそんなに日本語を書く必要はない」
という間違った認識を持っています。
高校数学の答案、まして証明問題ならば、式より日本語のほうが多いこともあって当然、という常識が伝わらないのです。
数学は式だけ書くもの、と固く信じて疑わない。
次に、
【1】n=2
1+1/2>2・2 / (2+1)
3/2>4/3
成り立つ。
の部分。
これも、答案の書き方としては、かなりまずいのです。
本人はわかってやっているのだと思うのですが、読む者に、それが伝わらないのです。
不等号の使い方自体は間違っていないのですが。
模範解答としては、
【1】n=2のとき
左辺=1+1/2=3/2
右辺=2・2 / (2+1)=4/3
よって、左辺>右辺となり、①は成り立つ。
こう書けば、何のために何をしているのかがよく伝わるのですが、こういう答案を「解説」と誤解し、自分が実際に書くものだと思っていない子は多いです。
それを単なる「スタイルの問題」と思っているところが、根深い。
客観性ということが、まだあまり理解できていないのではないか、と思うこともあります。
自分がわかるんだから、他人もわかって当然、と思ってしまう。
わからない他人は、意地悪な人なので、相手にする必要はない、とまで思ってしまっているかな?
さすがに、それはないでしょうか。
そして、スタイルの問題でも何でもなく、完全に誤答なのが、以下の部分です。
【2】n=k
1+1/2+1/3+・・・+1/k>2k / (k+1)
n=k+1
1+1/2+1/3+・・・+1/k+1 / (k+1)>2(k+1) / (k+1+1)
2k / (k+1)>2(k+1) / (k+1+1)
1+1/2+1/3+・・・+1/k+1 / (k+1)>2(k+1) / (k+1+1)
成り立つ。
最初の2行は、かろうじてわかるのです。
【2】n=kのとき
1+1/2+1/3+・・・+1/k>2k / (k+1) が成り立つと仮定すると、
と、ここでも日本語を書き加える必要はあるのですが。
問題は、その後。
n=k+1
1+1/2+1/3+・・・+1/k+1 / (k+1)>2(k+1) / (k+1+1)
これは、何なのだろう・・・。
これ、答案の下から2行目と同じ式です。
本当に言いたいことは、確かにこれなのです。
証明したいことをするっと書いてしまっているだけなのか?
それとも、何か誤解しているのか?
ここが核心です。
【2】n=kのとき
1+1/2+1/3+・・・+1/k>2k / (k+1) が成り立つと仮定すると、
n=k+1のとき
1+1/2+1/3+・・・+1/k+1 / (k+1)>2(k+1) / (k+1+1)
これが当然そうなると、思い込んでいるだけなのではないだろうか?
n=kのときに成り立つのだから、n=k+1のときも当然成り立つのだと、信じ込んでいないだろうか?
でも、本当にそうなの?
それを証明しようとしているのではないの?
そんなことが当然言えるのなら、そもそもこんな証明は不要なのに、頭の中で、つながるべきではない部分が癒着してしまっているのではないか?
1+1/2+1/3+・・・+1/k>2k / (k+1) が成り立つと仮定したときに言えることは、そんなことではありません。
この不等式が成り立つと仮定して、そこからいえることは、両辺に1/(k+1) を加えた式です。
それは不等式のルールです。
不等式の両辺に同じものを加えても、その不等式は成立します。
だから、答案として書くべきことは。
【2】n=kのとき
1+1/2+1/3+・・・+1/k>2k/(k+1) が成り立つと仮定すると、
n=k+1のとき
1+1/2+1/3+・・・+1/k +1/(k+1) > 2k/(k+1) +1/(k+1)
です。
仮定した式の両辺に、1/(k+1) を加えました。
これなら、言えます。
でも、本当に証明したい不等式の右辺と、今書いた不等式の右辺は、違うものですね。
ここが、数学的帰納法を用いた不等式の証明の核心です。
本当に証明したい不等式は、A>C なのだとして、
でも、仮定から言えることは、A>Bでしかないのだとしたら、どうしたらいいのか?
BとCの大きさ比べをしたらいいのです。
B>C を言うことが、もしできたら、
A>B はもともと言えるのですから、
A>B>C
というふうに、不等式を連結することが可能です。
それはすなわち、途中のBを抜いて、
A>C だということです。
これが、数学的帰納法を用いた不等式の証明の基本構造です。
ところが、学校の授業を受けた場合に。
あるいは、独学で教科書の例題や問題集の解答解説を読んだ場合に、
BとCが式としても似通っているので、見間違う、ということが起こるようなのです。
BとCを同一視してしまうのです。
そこから、
あ、A>C って、すぐに書いていいんだ、という誤解が生まれるようなのです。
そうだよねー。
n=k のときに成り立つんだから、そりゃあ、n=k+1のときも成り立つよねー。
と、そういうことについては、なぜか全く疑義を挟まない思考傾向もあって、完全な誤解がそこに生じるのだと想像されます。
n=k のときに成り立つからといって、n=k+1 のときに成り立つとは限らないから、証明しようとしているんです。
実際には成り立つんですけど、それは証明してから言うことであって、何の根拠もないのに言っていいことではないのです。
しかし、こういう理屈は、一旦誤解してしまった子には、ほぼ理解不能のようなのです。
私の書く板書を呆然と見つめ、全く言葉を発しません。
何1つ理解できない様子を示します。
それは、自分がそれまで正しいと思っていたことを全否定されていることでもありますので、理解するのは難しいことなのでしょう。
何をどう考え直せばいいのかすら、わからない。
自分が、学校の授業で理解したことを、間違っていると言うのだろうか?
学校では、そう教わったのに!
いやいやいや、学校でも、そんなことは、教わっていません。
あなたが、何が誤解したのです。
何か見間違えたのです。
早く、それに気づいてほしいのです。
あるいは、どこまでも自分の答案にこだわり、自分の答案のどこを少しだけ直せば正解になるのかと、そんなことを考えてしまうこともあるようです。
いや、根本的に間違っている答案なので、根本的に改めてほしいのです。
A>B>C から A>C を示そうとしているという大筋を理解していない限り、何をどう書いても、間違いなのです。
さて、模範解答を続けます。
【2】n=kのとき
1+1/2+1/3+・・・+1/k>2k/(k+1) が成り立つと仮定すると、
n=k+1のとき
1+1/2+1/3+・・・+1/k +1/(k+1) > 2k/(k+1) +1/(k+1) ・・・②
すなわち、さきほど解説したA>B>Cでいえば、この式の左辺がAで、右辺がBです。
では、本当に証明したいCは、何か?
2(k+1) / (k+1+1)
ですね。
だから、B>Cであることを示すために、ここで引き算をします。
これは、数Ⅱ「式と証明」で学習した、不等式の証明の基本的なやり方でした。
B-C>0 であることを示すことができれば、B>C です。
すなわち、
2k/(k+1)+1/(k+1)-2(k+1) / (k+1+1)
さあ、これを計算していきましょう。
=(2k+1) / (k+1)-2(k+1) / (k+2)
通分します。
=(2k+1)(k+2)-2(k+1)^2 / (k+1)(k+2)
分子を展開して整理します。
=2k^2+5k+2-2k^2-4k-2 / (k+1)(k+2)
=k / (k+1)(k+2)>0
k≧2ですから、分子も分母も正の数となり、確かに0より大きいですね。
よって、
2k/(k+1)+1/(k+1) > 2(k+1) / (k+1+1) ・・・③
②、③より、言いたかったA>Cが言えました。
さて、もう一度初めから、答案として整理すると、
1+1/2+1/3+・・・+1/n>2n / (n+1) ・・・① を証明する。
【1】n=2のとき
左辺=1+1/2=3/2
右辺=2・2 / (2+1)=4/3
よって、左辺>右辺となり、①は成り立つ。
【2】n=kのとき
1+1/2+1/3+・・・+1/k>2k/(k+1)が成り立つと仮定すると、
n=k+1のとき
1+1/2+1/3+・・・+1/k +1/(k+1) > 2k/(k+1) +1/(k+1) ・・・②
ここで、
2k/(k+1)+1/(k+1)-2(k+1) / (k+1+1)
=(2k+1) / (k+1)-2(k+1) / (k+2)
=(2k+1)(k+2)-2(k+1)^2 / (k+1)(k+2)
=2k^2+5k+2-2k^2-4k-2 / (k+1)(k+2)
=k / (k+1)(k+2)>0
よって、
2k/(k+1)+1/(k+1) > 2(k+1) / (k+1+1) ・・・③
②、③より、
1+1/2+1/3+・・・+1/k +1/(k+1) > 2(k+1) / (k+1+1)
すなわち、n=k+1 のときも、①は成り立つ。
【1】【2】より、2以上のすべての自然数において、①は成り立つ。
となります。
2024年10月13日
中学数学「反比例」。大問の横の文を読まない子。

真面目に数学を勉強しているように見えるし、理解しているように見える子の足元に深淵が広がっている話は繰り返し書いてきましたが、そうした子の1つの特徴が、問題文を読まないことです。
例えば、こんな問題。
これは、中1「反比例」に関する問題です。
問題 次の x , y の関係を式に表せ。また、y が x に反比例するものにはその比例定数を、反比例しないものには × をかけ。
(1) 底辺が x ㎝、高さが y ㎝の三角形の面積は15㎠ である。
(2) 周の長さが20 ㎝ の長方形の縦の長さを x ㎝、横の長さを y ㎝ とする。
(3) 800 m 離れた地点へ、分速 x mで歩いていくと y 分間かかる。
(4) 1日の昼の長さが x 時間のとき、夜の長さは y 時間である。
(5) 内のりが縦1㎝、横8㎝、深さ 6㎝ の直方体の形をした空の容器に、毎秒 x ㎤ の割合で水を入れると y 秒間で満水になる。
すると、ある子の解答は、
(1) y=15 / x
(2) y=20 / x
(3) y=800 / x
(4) y=24 / x
(5) y=480 / x
と、見事に全て反比例の式を書いていました。
1日は24時間であることを活用できていることや、容積の計算はできることなど、随所に頭の良さは感じるのですが、正答は10問中わずか2問。
そう、問題が実質10問であることに、まず気づいていないのでした。
問題文に「また」という表現があるときは、要注意なのです。
答え合わせでは、(1) から違和感がありました。
(1) は、y は x に反比例するのは事実ですが、比例定数は15ではありません。
「本当に15ですか?・・・いきなり y=a / x の式を立てようとしなくていいんですよ。まず、意味のわかる式を自分で立てて、それを y について解くんです」
「・・・」
「三角形の面積の式を考えてみましょう。x や y を使うと、どうなりますか」
「x×y÷2=15」
「うん。そうね。でも、÷2 は、そろそろやめましょう。式の変形をするときに、多分、自分が困るから。×1/2 のほうが扱いやすいですよ。文字式や方程式は、÷ の記号は基本的には使わないのです。文字式のルールは、これから一生使うルールです。この先の単元でも、高校数学でも、文字式のルールは一生です。文字式の単元が終わったから、このルールはもう終わり、ということはないのです。わり算は分数のかけ算で表します。さきほどの式を文字式のルールで並べ直すと?」
「1/2xy=15」
「はい、それを y について解いてください」
「・・・」
「まず、両辺を2倍すると?」
「xy=30」
「いいですね。その関係があるなら、反比例ですね。では、求める式はどうなりますか」
こういう解説がすんなり理解でき、問われたことに答えられるところも、頭の良さを感じます。
ここでうろたえてわからなくなる子ではないのです。
「y=30 / x」
「はい。三角形の面積のときは、簡単にはいかないことだけでも覚えておきましょう。では、比例定数は?」
「え?・・・あ、30」
「・・・はい。正解です」
うん?
比例定数を聞かれることを予期していない?
この子、問題文を読んだのかな?
そして、(2) の答え合わせ。
(2) 周の長さが20㎝の長方形の縦の長さを x ㎝、横の長さを y ㎝とする。
という問題でした。
その答えを、
y=20 / x
としていたのです。
「・・・これは、反比例ではないですよ。問題を読んでいますか?」
「え?」
やはり、問題を読まずに解いていたのです。
どうせ全部反比例だと思い込んだのでしょう。
大問番号の横の文を読まず、いきなり(1) から解き始める子は、中学1年生には特に多いです。
重要な情報がそこに盛り込まれていることを、知らないのです。
国語の大問の下は「次の文章を読んであとの問に答えなさい」といった、読んでも読まなくてもいいようなことしか書いていないことが多いです。
それが全教科に通用すると思っているのか、数学も、大問番号の横の文を読まないのです。
数学の場合、大問番号の横に書いてある文には重要な情報があり、それを読まないと正解できない問題が多いのですが。
ひどいときは座標平面が問題に描いてあれば、それしか見ない。
図形が描いてあれは、それしか見ない。
そういう子もいます。
問題文を全く読まないのです。
そして、情報が足りず、うんうんうなって解けないのですが、「問題文を読みなさい」と言われない限り、問題文に目を移さない。
それでは、永久に数学の問題を解けるようになりません。
高校数学になっても、大問番号の横に書いてある情報に気づかない子もいます。
「a>0 と書いてあるでしょう?」
「え。どこにですか」
「大問の横」
「ああっ」
「0≦θ≦π と書いてありますよ」
「え。どこにですか」
「大問の横」
「おおっ」
こんな会話が繰り返されることもあります。
ただ、高校生になると、さすがに問題文を読むようになる子のほうが多く、問題文を読みなさいとか、座標平面だけ見ていても解けませんよとか、そんなレベルの助言は必要なくなることのほうが多いのです。
中学の最初の頃に、それで失敗し、だんだんと身についていくのだろうと思います。
もう1つの課題は、中学の数学の問題を小学校の計算ドリルか何かと混同しているのではないかということ。
小学校の計算ドリルならば、1問目がひき算なら、そのページの全問がひき算ということは多いでしょう。
何にも頭を使わない。
同じことを同じようにするだけの練習。
作業手順を叩き込むような練習です。
でも、中学の数学の問題は、そうではないのです。
(1)と(2)は、別の解き方をしなければならないことがあります。
1問1問、考えて解くのです。
そのことを、まだ理解していない中1は多いです。
今は反比例を学習しているのだから、どうせ全部反比例だと思い込んでしまうのです。
小学校では通用したことが、中学では、通用しない。
それに早く気づけば、それだけ早く、中学数学の学習がスムーズになります。
ちなみに、冒頭の問題。
問題 次の x , y の関係を式に表せ。また、y が x に反比例するものにはその比例定数を、反比例しないものには × をかけ。
(1) 底辺が x ㎝、高さが y ㎝の三角形の面積は15㎠ である。
(2) 周の長さが20 ㎝ の長方形の縦の長さを x ㎝、横の長さを y ㎝ とする。
(3) 800 m 離れた地点へ、分速 x mで歩いていくと y 分間かかる。
(4) 1日の昼の長さが x 時間のとき、夜の長さは y 時間である。
(5) 内のりが縦10 ㎝、横8 ㎝、深さ 6 ㎝ の直方体の形をした空の容器に、毎秒 x ㎤ の割合で水を入れると y 秒間で満水になる。
これらの解答と解説は、
(1) y=30 / x 比例定数30
解説は上に書きました。
(2)y=-x+10 ×
長方形の周は、縦2本、横2本の合計で構成されています。
だから、縦と横、1本ずつの和は、20㎝の1/2の10㎝。
x+y=10 をyについて解いて、
y=-x+10 です。
y=10-x でも間違いではないですが、関数は、x の文字を含む項を先に書きます。
そのほうが、どんな関数であるか、ひと目でわかるからです。
この式は、中2で学習する1次関数の式です。
これは反比例ではないので、×。
(3) y=800 / x 比例定数800
速さ×時間=道のり ですから、x×y=800。
xとyの積が一定のときは反比例です。
(4) y=-x+24 ×
1日は24時間。
1日は、昼の時間と夜の時間で構成されています。
だから、x+y=24
これをyについて解いて、y=-x+24
これは反比例ではないので、×。
(5) y=480 / x 比例定数480
直方体の容器の容積は、縦×横×深さですから、
10×8×6=480 (㎤)
1秒当たり x ㎤の水を入れると y 分で満水になるので、
x×y=480
x と y の積が一定なので、これは反比例です。
例えば、こんな問題。
これは、中1「反比例」に関する問題です。
問題 次の x , y の関係を式に表せ。また、y が x に反比例するものにはその比例定数を、反比例しないものには × をかけ。
(1) 底辺が x ㎝、高さが y ㎝の三角形の面積は15㎠ である。
(2) 周の長さが20 ㎝ の長方形の縦の長さを x ㎝、横の長さを y ㎝ とする。
(3) 800 m 離れた地点へ、分速 x mで歩いていくと y 分間かかる。
(4) 1日の昼の長さが x 時間のとき、夜の長さは y 時間である。
(5) 内のりが縦1㎝、横8㎝、深さ 6㎝ の直方体の形をした空の容器に、毎秒 x ㎤ の割合で水を入れると y 秒間で満水になる。
すると、ある子の解答は、
(1) y=15 / x
(2) y=20 / x
(3) y=800 / x
(4) y=24 / x
(5) y=480 / x
と、見事に全て反比例の式を書いていました。
1日は24時間であることを活用できていることや、容積の計算はできることなど、随所に頭の良さは感じるのですが、正答は10問中わずか2問。
そう、問題が実質10問であることに、まず気づいていないのでした。
問題文に「また」という表現があるときは、要注意なのです。
答え合わせでは、(1) から違和感がありました。
(1) は、y は x に反比例するのは事実ですが、比例定数は15ではありません。
「本当に15ですか?・・・いきなり y=a / x の式を立てようとしなくていいんですよ。まず、意味のわかる式を自分で立てて、それを y について解くんです」
「・・・」
「三角形の面積の式を考えてみましょう。x や y を使うと、どうなりますか」
「x×y÷2=15」
「うん。そうね。でも、÷2 は、そろそろやめましょう。式の変形をするときに、多分、自分が困るから。×1/2 のほうが扱いやすいですよ。文字式や方程式は、÷ の記号は基本的には使わないのです。文字式のルールは、これから一生使うルールです。この先の単元でも、高校数学でも、文字式のルールは一生です。文字式の単元が終わったから、このルールはもう終わり、ということはないのです。わり算は分数のかけ算で表します。さきほどの式を文字式のルールで並べ直すと?」
「1/2xy=15」
「はい、それを y について解いてください」
「・・・」
「まず、両辺を2倍すると?」
「xy=30」
「いいですね。その関係があるなら、反比例ですね。では、求める式はどうなりますか」
こういう解説がすんなり理解でき、問われたことに答えられるところも、頭の良さを感じます。
ここでうろたえてわからなくなる子ではないのです。
「y=30 / x」
「はい。三角形の面積のときは、簡単にはいかないことだけでも覚えておきましょう。では、比例定数は?」
「え?・・・あ、30」
「・・・はい。正解です」
うん?
比例定数を聞かれることを予期していない?
この子、問題文を読んだのかな?
そして、(2) の答え合わせ。
(2) 周の長さが20㎝の長方形の縦の長さを x ㎝、横の長さを y ㎝とする。
という問題でした。
その答えを、
y=20 / x
としていたのです。
「・・・これは、反比例ではないですよ。問題を読んでいますか?」
「え?」
やはり、問題を読まずに解いていたのです。
どうせ全部反比例だと思い込んだのでしょう。
大問番号の横の文を読まず、いきなり(1) から解き始める子は、中学1年生には特に多いです。
重要な情報がそこに盛り込まれていることを、知らないのです。
国語の大問の下は「次の文章を読んであとの問に答えなさい」といった、読んでも読まなくてもいいようなことしか書いていないことが多いです。
それが全教科に通用すると思っているのか、数学も、大問番号の横の文を読まないのです。
数学の場合、大問番号の横に書いてある文には重要な情報があり、それを読まないと正解できない問題が多いのですが。
ひどいときは座標平面が問題に描いてあれば、それしか見ない。
図形が描いてあれは、それしか見ない。
そういう子もいます。
問題文を全く読まないのです。
そして、情報が足りず、うんうんうなって解けないのですが、「問題文を読みなさい」と言われない限り、問題文に目を移さない。
それでは、永久に数学の問題を解けるようになりません。
高校数学になっても、大問番号の横に書いてある情報に気づかない子もいます。
「a>0 と書いてあるでしょう?」
「え。どこにですか」
「大問の横」
「ああっ」
「0≦θ≦π と書いてありますよ」
「え。どこにですか」
「大問の横」
「おおっ」
こんな会話が繰り返されることもあります。
ただ、高校生になると、さすがに問題文を読むようになる子のほうが多く、問題文を読みなさいとか、座標平面だけ見ていても解けませんよとか、そんなレベルの助言は必要なくなることのほうが多いのです。
中学の最初の頃に、それで失敗し、だんだんと身についていくのだろうと思います。
もう1つの課題は、中学の数学の問題を小学校の計算ドリルか何かと混同しているのではないかということ。
小学校の計算ドリルならば、1問目がひき算なら、そのページの全問がひき算ということは多いでしょう。
何にも頭を使わない。
同じことを同じようにするだけの練習。
作業手順を叩き込むような練習です。
でも、中学の数学の問題は、そうではないのです。
(1)と(2)は、別の解き方をしなければならないことがあります。
1問1問、考えて解くのです。
そのことを、まだ理解していない中1は多いです。
今は反比例を学習しているのだから、どうせ全部反比例だと思い込んでしまうのです。
小学校では通用したことが、中学では、通用しない。
それに早く気づけば、それだけ早く、中学数学の学習がスムーズになります。
ちなみに、冒頭の問題。
問題 次の x , y の関係を式に表せ。また、y が x に反比例するものにはその比例定数を、反比例しないものには × をかけ。
(1) 底辺が x ㎝、高さが y ㎝の三角形の面積は15㎠ である。
(2) 周の長さが20 ㎝ の長方形の縦の長さを x ㎝、横の長さを y ㎝ とする。
(3) 800 m 離れた地点へ、分速 x mで歩いていくと y 分間かかる。
(4) 1日の昼の長さが x 時間のとき、夜の長さは y 時間である。
(5) 内のりが縦10 ㎝、横8 ㎝、深さ 6 ㎝ の直方体の形をした空の容器に、毎秒 x ㎤ の割合で水を入れると y 秒間で満水になる。
これらの解答と解説は、
(1) y=30 / x 比例定数30
解説は上に書きました。
(2)y=-x+10 ×
長方形の周は、縦2本、横2本の合計で構成されています。
だから、縦と横、1本ずつの和は、20㎝の1/2の10㎝。
x+y=10 をyについて解いて、
y=-x+10 です。
y=10-x でも間違いではないですが、関数は、x の文字を含む項を先に書きます。
そのほうが、どんな関数であるか、ひと目でわかるからです。
この式は、中2で学習する1次関数の式です。
これは反比例ではないので、×。
(3) y=800 / x 比例定数800
速さ×時間=道のり ですから、x×y=800。
xとyの積が一定のときは反比例です。
(4) y=-x+24 ×
1日は24時間。
1日は、昼の時間と夜の時間で構成されています。
だから、x+y=24
これをyについて解いて、y=-x+24
これは反比例ではないので、×。
(5) y=480 / x 比例定数480
直方体の容器の容積は、縦×横×深さですから、
10×8×6=480 (㎤)
1秒当たり x ㎤の水を入れると y 分で満水になるので、
x×y=480
x と y の積が一定なので、これは反比例です。
2024年10月06日
高校英語。長文読解。自分の主観で読んでしまう。
国語の現代文の読解もそうですが、英語長文も、自分の主観で読んでしまい、文脈に気づかない、筆者の考えが読み取れないということがあります。
今回は、そんな話です。
まずは、英語長文の一部を抜粋します。
After reading about the incident, Tomoyuki Tanaka , a producer at Toho Studios, came up with a story line that centered on a prehistoric monster that is awakened from a centuries-long sleep following a nuclear test. Godzilla appealed to the sentiment of the time and more than 9.6 million people went to the cinema to see it. This success encouraged Toho to approve a second movie that was released just six months later.
"The story of the first Godzilla was strongly tied to nuclear threats of the time." Takahashi said. "Godzilla was created as a nuclear monster, but over time the monster has stopped being a symbol of nuclear destruction. Instead it has become a shallow entertainment.
The first few movies of the series were based around a core theme. They questioned the very meaning of Godzilla and the monster's creation. Eventually, however, the series focused on kaiju (monsters) battling against one another. It was never the same again."
問 According to Professor Takahashi
A. the original meaning of Godzilla was lost in later films.
B. the later Godzilla movies are more entertaining than the early ones.
C. Hollywood versions of Godzilla are not as good as the Japanese movies.
D. monsters fighting each other is always great entertainment.
文章は途中から抜粋しましたが、この前は、ビキニ環礁での核実験により第五福竜丸が被爆した事故のことが書かれています。
引用冒頭の the incident は、それを指します。
さて、この英文、やはり、高校レベルの基本単語が身についていない生徒は、読むことができません。
特に、nuclear の意味がわからない場合は、どうにもなりません。
ただ、Godzilla が「ゴジラ」のことであるとわかり、映画「ゴジラ」について基礎知識があれば、ある程度は読めるかもしれません。
今の高校生は、昭和29年の第1作「ゴジラ」、そしてゴジラ映画の根底にあるものを知っているでしょうか。
ともあれ、1文ずつ、読んでいきましょう。
After reading about the incident, Tomoyuki Tanaka , a producer at Toho Studios, came up with a story line that centered on a prehistoric monster that is awakened from a centuries-long sleep following a nuclear test.
1文目から長い。
でも、日本語の順番に整える必要はありません。
前から順番に意味を取っていきましょう。
「意味のわからない単語はありますか」
「Toho Studios」
「大文字で始まるから、固有名詞でしょう。そのまま頑張って音読してみて」
「トホー・ストゥディオス」
「おお・・・。何のことだと思いますか?」
「わかりません」
「じゃあ、まあいいですよ。そういう固有名詞のところのプロデューサーなんですね。プロデューサーはわかる?」
「何となく・・・」
「他にわからない単語は?」
「prehistoric」
「pre-historic は、pre という接頭語がついているという分析ができれば意味がわかると思います。historic の意味は?」
「歴史的な」
「では、prehistoric の意味は?」
わかりません」
「そうか。じゃあ、それもまあ大丈夫。他には?」
「story line」
「うん。それも、そのままで大丈夫。came up with はわかる?」
「思いつく」
「いいね。勉強してますね。では、前から順番に、日本語にしてください。わからないところは英語のままでいいです」
After reading about the incident, Tomoyuki Tanaka , a producer at Toho Studios, came up with a story line that centered on a prehistoric monster that is awakened from a centuries-long sleep following a nuclear test.
「そのインシデントについて読んだ後、ともゆき・たなか、トホー・ストゥディオスのプロデューサーは、思いついた。ストーリーラインを。プレヒストリックなモンスターが中心の。何世紀の長さの眠りから起きた。核テストに従って」
「うん。まあ大丈夫だと思います。核テストって、何ですかね?」
「あ。核実験」
「うん。次の文に行きましょう」
Godzilla appealed to the sentiment of the time and more than 9.6 million people went to the cinema to see it.
「Godzillaって、わかる?」
長い沈黙の後、
「・・・あ、ゴジラ!」
「そうそう。それがわかれば、この文章、何の話なのか、大体わかりますね。日本語にしてください」
「ゴジラはアピールした。そのときのセンチメントに。そして、960万人より多い人々がそのシネマを見に行った」
「シネマって、何でしょうね」
「・・・映画?」
「うん。では、先ほどのトホー・ストゥディオスって、何でしょうね」
「え・・・」
「ゴジラを作った映画会社でしょう。どこの映画会社が作っているか、知っている?」
「知りません」
「トホーと音が似ている映画会社、ありませんか?」
「わかりません」
「・・・そうですか」
This success encouraged Toho to approve a second movie that was released just six months later.
「この成功は励ました。トホーを。2つ目の映画をアプルーブすることを。リリースされた。6か月後に」
「うん。意味はわかりますか」
「大体・・・」
"The story of the first Godzilla was strongly tied to nuclear threats of the time." Takahashi said.
Takahashi というのは、この文章の中でコメントしている高橋教授という方です。
最後の問は、この高橋教授の意見を選んで答えるものです。
それはともかく。
「『最初のゴジラの物語は、強く結びついた。核の脅威に。そのときの』と高橋は言った」
「いいね。単語をよく覚えていますね」
"Godzilla was created as a nuclear monster, but over time the monster has stopped being a symbol of nuclear destruction.
「ゴジラは作られた。核のモンスターとして。しかし、そのモンスターはやめた。シンボルであることを。核の破壊の」
over time を訳していないですが、わからないところは無視するというのも、長文読解の1つの手段です。
Instead it has become a shallow entertainment.
「代わりに、それはなった。シャローなエンターテインメントに」
The first few movies of the series were based around a core theme.
「そのシリーズの最初のいくつかの映画は、ベースにした。コアなテーマを」
They questioned the very meaning of Godzilla and the monster's creation.
「彼らは、質問した。ゴジラの意味を。そして、モンスターの創造を」
「・・・彼らではないです。they は、何を指すのかな?」
「あ。最初のいくつかの映画」
「そうです。最初のいくつかの映画は、ゴジラとそのモンスターの創造のまさにその意味を問うものだった」
Eventually, however, the series focused on kaiju (monsters) battling against one another.
「結局、しかし、そのシリーズは、焦点を当てた。怪獣の闘いに。互いの」
It was never the same again.
「それは2度と同じものではなかった」
「はい。大体意味は取れています。では、問に答えましょう。最も適した選択肢は、AからDのどれでしょうか」
問 According to Professor Takahashi
A. the original meaning of Godzilla was lost in later films.
B. the later Godzilla movies are more entertaining than the early ones.
C. Hollywood versions of Godzilla are not as good as the Japanese movies.
D. monsters fighting each other is always great entertainment.
問 高橋教授によれば、
A . ゴジラの本来の意味は、後の映画では失われた。
B . 後のゴジラ映画は、初期のものよりももっと楽しい。
C . ハリウッド版のゴジラは、日本の映画ほどよくない。
D . 怪獣どうしの闘いは、いつもすばらしいエンターテインメントだ。
その子の答は、「B」でした。
つたないながらも主軸はブレることのない和訳をできた子なのに、なぜ、間違うのでしょうか。
私は、昔の生徒たちのことを思い出しました。
もう何年も前の生徒たちでしたが、センター試験の英語の過去問を解いていて、同じところだけ、3人が3人とも同じ間違いをしたのでした。
それは、「若者が、近年、電車やバスの中で、イヤホンで音楽を聴いている」ことがテーマの文章でした。
電車やバスの中でイヤホンで音楽を聴くのは、手軽に自分だけの世界に没入できるという利点はあるだろうが、それは、他人との関わりを拒否する姿勢である、というのが筆者の主張でした。
その文章を読んで、筆者の主張としてもっとも適切な選択肢を選ぶ問題で、3人とも、
「電車やバスの中でイヤホンで音楽を聴くと、手軽に自分の世界に没入できる」
という選択肢を選んだのでした。
Aではあるが、B。
という譲歩構文を理解していない、という単純な問題もあるだろうと思います。
Aではあるが、B。
というとき、筆者が本当に言いたいのは、Bです。
一般論として、Aという内容があるのは、知っていますよー。
そこには、目が行き届いていますよー。
わかっていますよー。
でも、私が言いたいのは、Bです。
そういう構造の文です。
国語の現代文でも、英語長文でも、多く見られます。
それは、1文の中でさらっと書かれていることもあれば、段落全部を使って、あるいは複数の段落を使って書かれることもあります。
読む場合は、筆者が言いたいのはどちらであるか、注意しなければなりません。
しかし、高校生は、その区別がついていない。
さらに言えば、筆者の意見と自分の意見が混ざってしまうようです。
自分が読んで好ましいほうが正しい意見であり、筆者も勿論その正しい意見を主張しているだろうと思い込んでしまうのでしょうか。
筆者の意見は何であるかを問うているのに、そこの区別がついていないようなのでした。
それは「事実」と「意見」の区別がついていないこととも関連があるのかもしれません。
「事実」と「意見」を区別するだけの単純な問題が、共通テスト英語リーディング問題で出題されることがありますが、この正答率が案外低いのです。
事実と意見の混同があるのですから、自分の意見と他人の意見の混同もあるのかもしれません。
いや、自分の意見を事実と混同し、それは事実なのだから他人も自分と同じと思い込んでしまうことすらあるのかもしれません。
では、上の文章で語られている、「高橋教授の意見」は何なのか?
問 高橋教授によれば、
A . ゴジラの本来の意味は、後の映画では失われた。
B . 後のゴジラ映画は、初期のものよりももっと楽しい。
C . ハリウッド版のゴジラは、日本の映画ほどよくない。
D . 怪獣どうしの闘いは、いつもすばらしいエンターテインメントだ。
正解は、Aです。
後のゴジラ映画は、確かに楽しい怪獣プロレスになりましたが、それは、高橋教授が肯定的に語っている内容ではありません。
でも、「エンターテインメントのほうが、核実験の恐ろしさを訴える真面目な映画よりも良い」という価値観に引きずられて、Bを選んでしまうのかもしれません。
もう1つ言えば、これがわかれば文脈に気づくというパワーワードが1つありました。
Instead it has become a shallow entertainment.
「代わりに、それはなった。シャローなエンターテインメントに」
このシャローは、「浅い」という意味です。
単語集で覚えた単語だったのですが。
残念。
浅いエンターテインメント、という表現で、この文章は、ゴジラがエンタメ化したことに肯定的ではないことがわかります。
今ときの高校生は、第一作「ゴジラ」の怖さ、そして、その面白さを知らない。
敗戦後の日本の匂いがまだ濃厚で、その日本が、またも核の脅威にさらされたことへの絶望が画面から伝わります。
モノクロ映画であることが効果的で、ゴジラが物凄く怖いのです。
「ゴジラ」は、大人が見る映画でした。
960万人が見に行ったというのは、尋常ではない数字です。
今の感覚で見れば、特撮が拙いなどの不満はあるかもしれませんが、昭和29年であの出来栄えはむしろ尋常ではないと思うのです。
「また疎開か」というつぶやき。
与党がゴジラ関連の情報を伏せようとするのを徹底抗議する野党女性議員。
ああ、これは戦後だ、と感じます。
とはいえ、私自身は、怪獣プロレス時代のゴジラで育った世代なので、あれはあれで好きです。
ゴジラの目がくりっとして優しい。
人類の危機を何度でも救ってくれるゴジラでした。
後に作られた「シン・ゴジラ」や「ゴジラ−1.0」は、第一作「ゴジラ」への敬意にあふれ、ゴジラの本質を残しながらのエンタメ化に成功したのですが、それはこの文章よりも後の話。
むしろ今の高校生はそうした新作しか見たことがなく、自分の感覚とこの文章で語られていることとの齟齬に混乱した、ということもあるのかもしれません。
ゴジラ映画が迷走していた時代を知らない。
歴史を知らず、文脈も読めないと、そうなる可能性もあります。
ゴジラ映画だって、歴史があるのです。
ともあれ。
大事なことは、文章を読むときは、自分の意見と文章内で語られる意見とを区別しましょう。
今回は、そんな話です。
まずは、英語長文の一部を抜粋します。
After reading about the incident, Tomoyuki Tanaka , a producer at Toho Studios, came up with a story line that centered on a prehistoric monster that is awakened from a centuries-long sleep following a nuclear test. Godzilla appealed to the sentiment of the time and more than 9.6 million people went to the cinema to see it. This success encouraged Toho to approve a second movie that was released just six months later.
"The story of the first Godzilla was strongly tied to nuclear threats of the time." Takahashi said. "Godzilla was created as a nuclear monster, but over time the monster has stopped being a symbol of nuclear destruction. Instead it has become a shallow entertainment.
The first few movies of the series were based around a core theme. They questioned the very meaning of Godzilla and the monster's creation. Eventually, however, the series focused on kaiju (monsters) battling against one another. It was never the same again."
問 According to Professor Takahashi
A. the original meaning of Godzilla was lost in later films.
B. the later Godzilla movies are more entertaining than the early ones.
C. Hollywood versions of Godzilla are not as good as the Japanese movies.
D. monsters fighting each other is always great entertainment.
文章は途中から抜粋しましたが、この前は、ビキニ環礁での核実験により第五福竜丸が被爆した事故のことが書かれています。
引用冒頭の the incident は、それを指します。
さて、この英文、やはり、高校レベルの基本単語が身についていない生徒は、読むことができません。
特に、nuclear の意味がわからない場合は、どうにもなりません。
ただ、Godzilla が「ゴジラ」のことであるとわかり、映画「ゴジラ」について基礎知識があれば、ある程度は読めるかもしれません。
今の高校生は、昭和29年の第1作「ゴジラ」、そしてゴジラ映画の根底にあるものを知っているでしょうか。
ともあれ、1文ずつ、読んでいきましょう。
After reading about the incident, Tomoyuki Tanaka , a producer at Toho Studios, came up with a story line that centered on a prehistoric monster that is awakened from a centuries-long sleep following a nuclear test.
1文目から長い。
でも、日本語の順番に整える必要はありません。
前から順番に意味を取っていきましょう。
「意味のわからない単語はありますか」
「Toho Studios」
「大文字で始まるから、固有名詞でしょう。そのまま頑張って音読してみて」
「トホー・ストゥディオス」
「おお・・・。何のことだと思いますか?」
「わかりません」
「じゃあ、まあいいですよ。そういう固有名詞のところのプロデューサーなんですね。プロデューサーはわかる?」
「何となく・・・」
「他にわからない単語は?」
「prehistoric」
「pre-historic は、pre という接頭語がついているという分析ができれば意味がわかると思います。historic の意味は?」
「歴史的な」
「では、prehistoric の意味は?」
わかりません」
「そうか。じゃあ、それもまあ大丈夫。他には?」
「story line」
「うん。それも、そのままで大丈夫。came up with はわかる?」
「思いつく」
「いいね。勉強してますね。では、前から順番に、日本語にしてください。わからないところは英語のままでいいです」
After reading about the incident, Tomoyuki Tanaka , a producer at Toho Studios, came up with a story line that centered on a prehistoric monster that is awakened from a centuries-long sleep following a nuclear test.
「そのインシデントについて読んだ後、ともゆき・たなか、トホー・ストゥディオスのプロデューサーは、思いついた。ストーリーラインを。プレヒストリックなモンスターが中心の。何世紀の長さの眠りから起きた。核テストに従って」
「うん。まあ大丈夫だと思います。核テストって、何ですかね?」
「あ。核実験」
「うん。次の文に行きましょう」
Godzilla appealed to the sentiment of the time and more than 9.6 million people went to the cinema to see it.
「Godzillaって、わかる?」
長い沈黙の後、
「・・・あ、ゴジラ!」
「そうそう。それがわかれば、この文章、何の話なのか、大体わかりますね。日本語にしてください」
「ゴジラはアピールした。そのときのセンチメントに。そして、960万人より多い人々がそのシネマを見に行った」
「シネマって、何でしょうね」
「・・・映画?」
「うん。では、先ほどのトホー・ストゥディオスって、何でしょうね」
「え・・・」
「ゴジラを作った映画会社でしょう。どこの映画会社が作っているか、知っている?」
「知りません」
「トホーと音が似ている映画会社、ありませんか?」
「わかりません」
「・・・そうですか」
This success encouraged Toho to approve a second movie that was released just six months later.
「この成功は励ました。トホーを。2つ目の映画をアプルーブすることを。リリースされた。6か月後に」
「うん。意味はわかりますか」
「大体・・・」
"The story of the first Godzilla was strongly tied to nuclear threats of the time." Takahashi said.
Takahashi というのは、この文章の中でコメントしている高橋教授という方です。
最後の問は、この高橋教授の意見を選んで答えるものです。
それはともかく。
「『最初のゴジラの物語は、強く結びついた。核の脅威に。そのときの』と高橋は言った」
「いいね。単語をよく覚えていますね」
"Godzilla was created as a nuclear monster, but over time the monster has stopped being a symbol of nuclear destruction.
「ゴジラは作られた。核のモンスターとして。しかし、そのモンスターはやめた。シンボルであることを。核の破壊の」
over time を訳していないですが、わからないところは無視するというのも、長文読解の1つの手段です。
Instead it has become a shallow entertainment.
「代わりに、それはなった。シャローなエンターテインメントに」
The first few movies of the series were based around a core theme.
「そのシリーズの最初のいくつかの映画は、ベースにした。コアなテーマを」
They questioned the very meaning of Godzilla and the monster's creation.
「彼らは、質問した。ゴジラの意味を。そして、モンスターの創造を」
「・・・彼らではないです。they は、何を指すのかな?」
「あ。最初のいくつかの映画」
「そうです。最初のいくつかの映画は、ゴジラとそのモンスターの創造のまさにその意味を問うものだった」
Eventually, however, the series focused on kaiju (monsters) battling against one another.
「結局、しかし、そのシリーズは、焦点を当てた。怪獣の闘いに。互いの」
It was never the same again.
「それは2度と同じものではなかった」
「はい。大体意味は取れています。では、問に答えましょう。最も適した選択肢は、AからDのどれでしょうか」
問 According to Professor Takahashi
A. the original meaning of Godzilla was lost in later films.
B. the later Godzilla movies are more entertaining than the early ones.
C. Hollywood versions of Godzilla are not as good as the Japanese movies.
D. monsters fighting each other is always great entertainment.
問 高橋教授によれば、
A . ゴジラの本来の意味は、後の映画では失われた。
B . 後のゴジラ映画は、初期のものよりももっと楽しい。
C . ハリウッド版のゴジラは、日本の映画ほどよくない。
D . 怪獣どうしの闘いは、いつもすばらしいエンターテインメントだ。
その子の答は、「B」でした。
つたないながらも主軸はブレることのない和訳をできた子なのに、なぜ、間違うのでしょうか。
私は、昔の生徒たちのことを思い出しました。
もう何年も前の生徒たちでしたが、センター試験の英語の過去問を解いていて、同じところだけ、3人が3人とも同じ間違いをしたのでした。
それは、「若者が、近年、電車やバスの中で、イヤホンで音楽を聴いている」ことがテーマの文章でした。
電車やバスの中でイヤホンで音楽を聴くのは、手軽に自分だけの世界に没入できるという利点はあるだろうが、それは、他人との関わりを拒否する姿勢である、というのが筆者の主張でした。
その文章を読んで、筆者の主張としてもっとも適切な選択肢を選ぶ問題で、3人とも、
「電車やバスの中でイヤホンで音楽を聴くと、手軽に自分の世界に没入できる」
という選択肢を選んだのでした。
Aではあるが、B。
という譲歩構文を理解していない、という単純な問題もあるだろうと思います。
Aではあるが、B。
というとき、筆者が本当に言いたいのは、Bです。
一般論として、Aという内容があるのは、知っていますよー。
そこには、目が行き届いていますよー。
わかっていますよー。
でも、私が言いたいのは、Bです。
そういう構造の文です。
国語の現代文でも、英語長文でも、多く見られます。
それは、1文の中でさらっと書かれていることもあれば、段落全部を使って、あるいは複数の段落を使って書かれることもあります。
読む場合は、筆者が言いたいのはどちらであるか、注意しなければなりません。
しかし、高校生は、その区別がついていない。
さらに言えば、筆者の意見と自分の意見が混ざってしまうようです。
自分が読んで好ましいほうが正しい意見であり、筆者も勿論その正しい意見を主張しているだろうと思い込んでしまうのでしょうか。
筆者の意見は何であるかを問うているのに、そこの区別がついていないようなのでした。
それは「事実」と「意見」の区別がついていないこととも関連があるのかもしれません。
「事実」と「意見」を区別するだけの単純な問題が、共通テスト英語リーディング問題で出題されることがありますが、この正答率が案外低いのです。
事実と意見の混同があるのですから、自分の意見と他人の意見の混同もあるのかもしれません。
いや、自分の意見を事実と混同し、それは事実なのだから他人も自分と同じと思い込んでしまうことすらあるのかもしれません。
では、上の文章で語られている、「高橋教授の意見」は何なのか?
問 高橋教授によれば、
A . ゴジラの本来の意味は、後の映画では失われた。
B . 後のゴジラ映画は、初期のものよりももっと楽しい。
C . ハリウッド版のゴジラは、日本の映画ほどよくない。
D . 怪獣どうしの闘いは、いつもすばらしいエンターテインメントだ。
正解は、Aです。
後のゴジラ映画は、確かに楽しい怪獣プロレスになりましたが、それは、高橋教授が肯定的に語っている内容ではありません。
でも、「エンターテインメントのほうが、核実験の恐ろしさを訴える真面目な映画よりも良い」という価値観に引きずられて、Bを選んでしまうのかもしれません。
もう1つ言えば、これがわかれば文脈に気づくというパワーワードが1つありました。
Instead it has become a shallow entertainment.
「代わりに、それはなった。シャローなエンターテインメントに」
このシャローは、「浅い」という意味です。
単語集で覚えた単語だったのですが。
残念。
浅いエンターテインメント、という表現で、この文章は、ゴジラがエンタメ化したことに肯定的ではないことがわかります。
今ときの高校生は、第一作「ゴジラ」の怖さ、そして、その面白さを知らない。
敗戦後の日本の匂いがまだ濃厚で、その日本が、またも核の脅威にさらされたことへの絶望が画面から伝わります。
モノクロ映画であることが効果的で、ゴジラが物凄く怖いのです。
「ゴジラ」は、大人が見る映画でした。
960万人が見に行ったというのは、尋常ではない数字です。
今の感覚で見れば、特撮が拙いなどの不満はあるかもしれませんが、昭和29年であの出来栄えはむしろ尋常ではないと思うのです。
「また疎開か」というつぶやき。
与党がゴジラ関連の情報を伏せようとするのを徹底抗議する野党女性議員。
ああ、これは戦後だ、と感じます。
とはいえ、私自身は、怪獣プロレス時代のゴジラで育った世代なので、あれはあれで好きです。
ゴジラの目がくりっとして優しい。
人類の危機を何度でも救ってくれるゴジラでした。
後に作られた「シン・ゴジラ」や「ゴジラ−1.0」は、第一作「ゴジラ」への敬意にあふれ、ゴジラの本質を残しながらのエンタメ化に成功したのですが、それはこの文章よりも後の話。
むしろ今の高校生はそうした新作しか見たことがなく、自分の感覚とこの文章で語られていることとの齟齬に混乱した、ということもあるのかもしれません。
ゴジラ映画が迷走していた時代を知らない。
歴史を知らず、文脈も読めないと、そうなる可能性もあります。
ゴジラ映画だって、歴史があるのです。
ともあれ。
大事なことは、文章を読むときは、自分の意見と文章内で語られる意見とを区別しましょう。