2013年05月20日
ミスが減らない理由

昨日の日曜日は、大学受験模試の会場責任者の仕事をしてまいりました。
まだ、今年は1回しかやっていないので、たまたまなのかもしれませんが、何だか、今年は、監督員のミスが少なく、受験生もしっかりした子が増えたなあと感じました。
「ゆとり教育」のダメダメ感が、高校生・大学生にも浸透してきて、それでは社会で通用しないと理解した子が増えてきたのかなあ。
たった1回のことなので、まだまだわかりませんが。
その一方で、生徒でも監督員でも、ミスする子は、ダブル、トリプルでミスを重ねる印象がありました。
ミスする子のダメっぷりが際立つ印象があり、可哀そうでした。
(-_-;)
一面的な見方かもしれませんが、社会でどう評価されるかという場合、
「ミスは多いけれど、面白い発想をする人」よりも、
「とにかくミスがなく、きちっと正確に仕事をこなせる人」
のほうが、高く評価されるように感じます。
いや、違うな。
現実問題として、自分が思っているほど「面白い発想」はできない人が大半なので、本人は、「ミスは多いけれど、面白い発想をする人」を目指していても、他人から見たら、「ただ単にミスの多い人」で終わってしまう。
仕事にミスがないことを前提に、その上で面白い発想をするから、「あ、この人、面白い発想をする」と評価されるのでしょう。
もし本当に「ミスは多いけれど、面白い発想をする人」なのだとしても、そういう人は、周囲にその良さを理解され、フォローされないことには、どうにもなりません。
しかし、そのような周囲に恵まれる可能性は低いでしょう。
仕事のミスは、周囲に迷惑をかけます。
結局、周囲に余計な負担ばかりかけるので、ミスの多い人は、周囲から評価されなくなります。
もういい加減にしてくれよ、と周囲が思っても、それは、仕方ないですよね。
ミスが多いということは、だから、将来を考えると重大なことなのですが、子どもには、その重大さが、なかなか伝わらないです。
(-_-;)
問題が解けないこと、理解できないことは、重大なことだと感じるのに、ケアレスミスは、どうでもいいと思ってしまう子が多いです。
ケアレスミスをしても、そんなミスはなかったことにしようとします。
実際、自分がミスしたことを本当にすぐ忘れてしまい、なかったことにしてしまいます。
以前も書きましたが、テレビで、こんな実験をやっているのを見ました。
60代と20代の2つのグループに、それぞれドミノ倒しを一面作る作業をしてもらう実験です。
上手く倒れたら、色違いのドミノによって文字が表れる仕組みです。
その作業の様子を観察する実験でした。
2つのグループの作業の仕方には、驚くほどの違いが表れました。
20代グループは、作業自体は、速い速い。
でも、やみくもに作っていき、誰かの手元が狂って、ドミノが途中で倒れ、全滅してしまうこと2回。
最初から、やり直し。
一方、60代グループは、話しあい、まず、ドミノを所定の位置に横に倒したまま置いていくことから始めました。
置き終わると、休憩。
そして、いよいよ、ドミノを立てていきます。
慎重に、慎重に。
30分くらい作業すると、誰が言い出すともなく、休憩。
あともう少し、というところで、互いに頷きあい、また休憩。
結局、2つのグループは、ほぼ同時に作業終了しました。
そして、出来上がったドミノを倒してみると。
20代の作ったドミノは、雑で、表れた文字はガタガタ。
一方、途中で1度も倒さなかった60代のドミノは、見事に文字が表れました。
慎重で緻密な作業。
集中力が持続しないのを見越して、途中に入れる休憩。
60代の経験値の高さを感じました。
こんなにもはっきりと実験結果が表れるものなのか。
というより、20代の中で、もう少し、リーダーシップをとれる奴はいないのか。
人間のやることだから、どうせミスすると、気づかないのか。
そのミスをなくすためにどうすればいいかと考えないのか。
こういう結果を出すためのやらせじゃないの、と感じたほどの実験結果でした。
でも、おそらく、やらせではないのでしょう。
というのも、私も、大人のための数学教室と、中学生対象の授業と、同じテキストで両方やっていると、こんなに違うものなのかと感じるんです。
たとえば、こんな問題。
(2x+3y)(2x+5y)-(3x+2y)(3x-4y)
乗法公式を使って展開していく問題です。
この問題、後半の( )の前にマイナスの符号があります。
このマイナスは、後半の( )の各項にかかっていきますから、後半の符号は全部正負が逆転します。
慣れてくれば、それを意識しながら、いきなり( )を開いていくことはできます。
なので、大人の人には、
「慣れれば、それは可能です。でも、やっぱりミスしやすいところですので、慎重に、-( )と、後半は( )を外さないで書いて、次の行で、符号を変えていくほうが安全ですよね」
と説明します。
強制するようなことではありませんから。
でも、皆さん、やっぱり、慎重に、-( )と、いったんは( )を外さないやり方のほうを選びます。
つまらない省略をしたせいで、結局、そこでミスし、正答できないなんて、バカらしい。
そう判断するのが、大人の知恵です。
一方中学生は、ここを省略します。
上の問題の次には、もう同類項の計算もした答えだけ書いてしまう子もいます。
それで正答できるのなら、別に止めませんが、ほとんどの場合、ミスします。
たて続けにミスしたのを見て、
「それをするとミスするから、こうやって、慎重に解いていこうか」
と助言します。
しかし、多くは、聞き入れません。
ミスするから、と言われれば言われるほど、今度こそ、ミスせずにやってやると思うようです。
あなたがミスしやすいと言っているのではない。
人間は、ミスをするものだよ。
それを言っても、ほとんどの場合、通じません。
その場では、しぶしぶ直しても、テストになると、やっぱり省略し、そして誤答します。
「テストは時間がないから、そんなにきちんと書いている暇はない」なんて言い訳したりします。
頭の中で暗算しているほうが、余計な時間がかかっているのを、私は見ていて知っているんですが。
書いて解いている私のほうが速く解き終えますから。
でも、本人は、暗算している時間の長さに、気がつかないんです。
手を使って何か書くのが、本当に面倒くさいので、書いていたら時間がかかる、と思いこんでいる様子です。
書いたほうが絶対に速いのになあ。
人間は、ミスをする。
それを理解するには、社会に出て、10年、20年。
人間は、こんなバカなミスをするのかと、自分の場合でも、他人の場合でも、ミスを体験し、そのミスをフォローするための善後策に駆け回り、ああもう嫌だ、と心の底から思うようになってからでないと、わからないことなんでしょうか。
人間は、ミスをする。
しかし、昨日の手応えでは、若い子の中でも、賢い子は、それに気がつき始めています。
だから、自分のミスを放置していると、ますます差をつけられますよー。
(*^_^*)
2013年05月16日
三頭山で道に迷いました。2013年5月。

5月12日(日)、前日の雨も夜中のうちに上がり、晴れ。
GWに雪山に行ったばかりなので、今週末は家でのんびりしてもいいかなあと思うのですが、今月は、今日を逃すと、もう休みがありません。
模試の会場責任者の仕事が来週から2週続けて日曜日に入っているので、天気が良くても山に行けそうにありません。
それに、GWの翌週は、観光地も山も、いつもより空いているんです。
GWに遠出したばかりだし、母の日だし、皆、家か近所のレストランなどでのんびり過ごすのでしょう。
だから、今日歩けば、山は空いていて快適です。
そんなわけで、いつものようにホリデー快速奥多摩号に乗って、奥多摩駅下車。
駅前で「丹波」行きのバスに乗りました。
バスは、座っていくことができました。
三頭山は、武蔵五日市駅から「数馬」行きのバスに乗り、都民の森から登るのなら、よく整備されたハイキングコースです。
でも、そのコースは、ちょっと歩き足りない。
なので、今回は、奥多摩湖にかかる麦山の浮橋、通称「ドラム缶橋」から、ヌカザス尾根を登る計画を立てました。
このコースは、2003年9月にも歩いたことがあります。
10年ぶりです。
さて、バスが「小河内神社」バス停に近づいたので、「次下ります」のチャイムを押すと、運転者さんから話しかけられました。
「三頭山ですか?」
「・・・・・・はい」
「今、浮橋、取り外されていますけど、いいですか」
「え?」
ドラム缶橋は、奥多摩湖にプカプカ浮いている橋で、水位が下がれば取り外されます。
この時期に、そんな水位になっていると思っていなかったから、何も確認しなかったー。
(@_@;)
「あ・・・・・。じゃあ、下りません」
やばい、やばい。
じゃあ、「鴨沢」で下りて、雲取山への道を、日帰りのタイムリミットまで歩いて、戻ろうか。
頭の中でそんなことを忙しく考えていたら、運転者さんから、もう一度声をかけられました。
「三頭山ですよね」
「はい」
「じゃあ、深山橋で下りてください」
「・・・・・あ。はい」
そうだ。地図では、ヌカザス尾根と途中で合流するもう1つの尾根が西にあった。
そこから登ればいいんだー。
運転者さんは、下りる際に、道も教えてくれました。
「この深山橋を渡って、その奥の白い橋も渡ると、登山口が右手に見えてきますよ」
本当に、ありがとうございましたー。
(*^_^*)
とはいえ、運転者さんのせっかくの親切も役に立てることのできない道迷いがこの後始まるのでした。
(-_-;)
言われた通り、バス停からすぐ見えていた深山橋を渡り、その後、それより小さく白っぽい三頭橋も渡りました。
ムロクボ尾根への登山口は、三頭橋を渡ってすぐのところにあったのだと思われます。
ところが、私は、多分、その標識を見過ごしたんですね。
(-_-;)
道路から見えていた標識は、あったんです。
でも、その標識は、道路を左に行くことを示しているように見えました。
本当は、その標識の立っているところに登山口があったのではないかと推測されます。
私は、道路を左に行くんだと思い、とことこ歩きだしてしまいました。
(-_-;)
随分遠いなあ、おかしいなあと感じながら、バイクががんがん通り過ぎていく206号線を歩いていくと、右手に「三頭山登山口」の標識がやっと見えてきました。10:30。
でも、さすがに気がつきました。
この登山口、私が最初から登るつもりでいた、ヌカザス尾根の登山口です。
その標識には、「浮橋」を示す矢印もありましたから。
参ったなー。
予定通りの登山口に来たのだから、まあいいじゃないか。
そう考えることも可能です。
でも、浮橋が取り外されているのですから、この山道、今日は、私以外は誰も歩かないでしょう。
何も起こらなければ良いけれど、何かあったとき、通りかかる登山者に助けを求めることができない。
誰かが通りかかることを一切期待できない。
これは、かなり厳しいです。
しかし、単独行とは、そういうことを指す。
よし、慎重に行こう。
そう決めて、歩き始めました。
三頭山の北に伸びるヌカザス尾根。
登山地図では赤い実線で描かれていますし、下山路に選んでいるガイドブックもありますが、三頭山の登山道の中ではわりと険しい道です。
わざわざ厳しいほうの山道を歩く必要はないのですが、そういう道が好きな人は必ずいますから、道はよく踏まれ、明瞭でした。
空はよく晴れて青く、雨上がりの新緑からの木漏れ日がキラキラ光っていました。
爽やかだなあ。
ついでに、登山道を横切る蜘蛛の糸もキラキラ光っています。
完全な蜘蛛の巣が作られているわけではなく、1本スイッと登山道を横断している蜘蛛の糸。
そういうのが、度々ありました。
しばらく人が通っていない証拠でしょう。
見つける度、蜘蛛の糸を払いながら、前進。
急登ではありますが、特に危険は感じない登山道を歩いて、イヨ山到着。11:25。
山頂の標識に、落書きがありました。
「この先、危険個所あり。ヌカザス山の手前、急坂」
落書きではなく、道標の管理者が書きこんだものなのかもしれません。
でも、管理者が書くなら、道標の下に吊るす形で追加の情報を書くから、やっぱり落書きかな。
「危険」と言われても、どれくらい危険なのか、そういうのは書き込んだ人の主観だから、わからない。
だけど、とにかく、用心していこう。
いったん道が下りになりました。
表面に砂が乗っていて滑りやすい。
ここが危険なのかな。
再び上りになると、尾根が痩せてきました。
一歩滑ると崖から落ちそうです。
ここが危険なのかな。
ここは、下るのは怖いかもしれません。
上るのも、ちょっとヒヤヒヤしました。
尾根は、ぐっと痩せたと思うと、また普通に戻る繰り返しです。
特にここが危険と特定しにくいけれど、全体的にあまり楽しくない道です。
急な箇所にはつかみやすい岩や木の根があります。
だから、技術的難度が高いわけではないのですが、何となく険しい感じがずっと続きました。
ヌカザス山。12:20。
ここは、ムロクボ尾根の登山道との合流点です。
バスから降りたとき、本当はすぐに登山口が見つかるはずだったのがムロクボ尾根でした。
よし、ここからは、少なくとも蜘蛛の糸が登山道を横切っているということはない。
今日も、私以外にも、きっと誰かが歩いています。
しかし、ここで安堵したのが、逆にまずかったのかもしれません。
(-_-;)
そこから、「オツネノ泣坂」という急坂に入りました。
トラロープが張ってありますが、古いようなので、つかまらず、ときには地面に手をついて登っていくと、本日初めての登山者と遭遇しました。
20代と思われる若い男の子です。
「はあ、急な下りばっかりですね、この道」
そう話しかけられました。
しばらく行くと、今度は若い女の子がやって来ました。
さっきの男の子と一緒に来ていたのかもしれません。
そうだ。
「浮橋、取り外されているの、ご存じですよね?」
これは、伝えておかなければ。
女の子は、少し戸惑った顔でしたが、
「あ、はい。知っています」
と答えました。
そうか。
知らないのは、私だけだなー。
女の子は、尾根の岩の間から下りてきましたが、見ると、右手のまき道も明瞭でした。
まき道というより、こちらのほうが本当の登山道じゃないのかな。
そう思って、歩き出してしまいました。
このまき道が徐々に薄くなり、斜面を無理やり歩いている細い踏み跡程度のものになっていったのです。
しかも斜面なので滑り易い。
まずいな。
残雪期に、誰かが無理に歩いただけかな、ここ。
雪の季節に奥多摩を歩く人には、登山道は関係ありません。
トレースが濃い場合は、雪が融けていった後も、そこを歩く人は多くなり、やがて踏み跡となります。
それだったのでしょうか。
あるいは、山菜取りか林業の人の歩いた跡でしょうか。
雪どけ後のぐちゃぐちゃの泥道は、普段よりもはっきりと踏み跡がつきます。
そうしてできた踏み跡の1つに、私は迷いこんでしまったようでした。
少し我慢してそのまま斜面をトラバースしながら、歩けそうなところを探して、とりあえず尾根にはい上がりました。
尾根の上は、斜面よりは歩きやすかったですが、足元の感触からいって、ここは登山道ではありません。
わあ、道を見失ったなー。
見上げると、今私が乗っているのは枝尾根で、上のほうにはさらに大きな尾根がありました。
斜面の踏み跡を歩いているうちに、主脈から外れてしまった様子です。
しかし、その枝尾根から見下ろすと、足元に、幅のある明瞭な道が見えていました。
とにかく、そこは山道の様子です。
そこまで下りていくことにしました。
かなりしっかりした道で、踏み跡という種類のものではありません。
しかし、道なりに歩きだして、しばらく行って、気がつきました。
あれ。
この道、下っている?
相変わらず、左手に、大きな尾根。
三頭山に向けて、方向は間違っていません。
あの尾根に乗りたい。
でも、この道は、方向は間違っていないけれど、下っている。
このままでは、あの尾根には上がれない。
立ち止まって少し考え、今来た道を戻ることにしました。
戻っていくと、道は三叉路に行きあたりました。
そのうちの1本の道が上り坂だったので、その道を選ぶと、道は九十九折になって上っていきました。
方向だけは、見失わないようにしよう。
この尾根が、自分の左側にある間は、三頭山に向かっている。
地形的に、それは間違いないのだから。
スモールライトを浴びて、小さくなって、地図の上を歩いていこう。
それが出来ている間は、多分、大丈夫。
しばらく上ると、ぽんと尾根に出ました。
今まで歩いてきた道とは明らかに印象の違う、本当の登山道です。
地面の硬さと道幅がまるで違うのです。
しかも、道しるべを発見。
道標には「三頭山」を示す方向が示されていました。
そして、私が歩いてきた道の方向には、「作業道」と記されてありました。
あー、やばかった。
まさか三頭山で道に迷うとは。
朝もそうだけど、さっきの尾根とまき道との分岐でも、観察が足りなかったなー。
失敗しました。
しっかりした登山道を歩いていくと、鶴峠分岐に到着。13:40。
そこの道標には、浮橋が取り外されているというお知らせが吊り下げられていました。
今年の2月28日に取り外されたようです。
2013年5月12日現在、まだ復活せず。
雪の時期に橋が取り外されて、春になっても歩く人が増えないから、雪どけの季節の踏み跡が生きていたんだなあ。
気をつけないと。
三頭山到着、14:00。
時間は少し遅いものの、さすがに山頂ですので、登山者の姿がちらほら。
西向きのベンチが1つ空いていたので、早速座って、まずはスポーツドリンクをごくごく飲んで、ひと心地つきました。
午後になって雲が増えてきたので、富士山は裾野しか見えていないなー。
さあ、おにぎり食べようー。
そこで気がつきました。
あれ、撮影クルーがいる。
何かのテレビ番組かな。
しかし、出演者と思われるメガネをかけた若い男性も中年女性も、全く見たことのない人たちです。
誰、この人たち?
私の後から山頂に来た2人も、私の近くで、撮影クルーをじっと観察。
我々3人の視線に耐えきれなかったのか、ディレクターさんが、スケッチブックに何か書いて、私たちに見せてくれました。
「NHKあさイチです。あさってオンエアです」
ほほお。
さて下山開始。14:20。
三頭山避難小屋の前を通り、笹尾根へ。
都民の森の整備のされ方とは多少違うものの、午前中に歩いてきた道と比べたら、ここは有難いくらい整備された道でした。
オオカメノキの白い花が、もう咲いていました。
とっとこ歩いて、槇寄山。15:15。
そのすぐ先、西原峠の分岐から左に折れて、「仲の平」バス停を目指しました。
そこも、緩やかで歩きやすい下り道でした。
チゴユリの咲く道を麓へ向かいます。
ぽんと畑に出て、害獣避けの高いフェンスに挟まれた細い道を行くと、舗装道路に出ました。
そこからは、とにかく迷ったら下りの方向を選んで進んでいきました。
不安になる頃に、ほどよく道標も出てきます。
やがて、バスの走る206号線に出ました。16:15。
右に曲がって、5分ほど道路を歩いていくと、檜原温泉センター数馬の湯。
ここの温泉に入るのは3年ぶりくらいでしょうか。
露天風呂もありますが、内風呂の雰囲気のほうが好きです。
1日汗をたっぷりかいて、十分な水分補給もなく長風呂したら、たちまち湯あたり。
温泉、好きなんですけど、良い温泉ほど、湯あたりするのが早くて、長湯できないです。
(^_^;)
湯上がりなのに再び汗がだくだく出るのを感じながら、長い廊下のベンチで発泡酒を飲んでひと休み。
温泉のすぐ目の前がバス停なので、時間を見て外に出て、17:32のバスに乗りました。
バスは空いていて、武蔵五日市駅までゆっくり座っていくことができました。
かなりアクシデントの多かった山歩きでしたが、何とか無事に下山。
そして、5月14日(火)、「あさイチ」を見たら、撮影にも気づかずスポーツドリンクをごくごく飲んでいる自分が映り込んでいて、あわわわわと思ったのでした。
(^_^;)
2013年05月06日
槍ヶ岳に行ってきました。2013年5月。

5月3日。晴れ。
スーパーあずさ1号に乗り、松本着。9:45。
ホームの階段を上がると、上高地行き往復切符の特設売り場があり、切符をすぐ購入できました。4,400円。
3年前のGWに奥穂高に行ったときもこの特設売り場はあったので、GWの恒例なのかもしれません。
便利です。
新島々着。10:40。
駅前には、既にバスが待機。
すぐに乗り込み、上高地到着。12:00。
早速バスターミナルへ行き、5日の16:45発のバスの整理券をもらいました。
翌々日までのバスの整理券をもらうことができます。
これで、帰りのバスには確実に乗れるぞ、と安心。
バスの切符売り場の建物の隣り、インフォメーションセンターの窓には大きな貼り紙がありました。
「27日の降雪により、涸沢・槍沢は雪崩の可能性あり。注意されたし」
といった内容。
うーむ。
明神。13:05。
明神館の壁にも大きな貼り紙。
「27日の降雪により、横尾から先の入山自粛勧告」
といった内容。
うーむ。
もう1週間近く経っていますから状況は変わっていますが、ネットなどでこういう情報を目にして、山行をやめた人もいたのかもしれません。
登山ブームなのに、3年前に奥穂高に来たときより、登山者は少ない印象でした。
徳沢を越え、横尾山荘到着。15:00。
本日は、ここで宿泊です。
ここは、1部屋に2段ベッドが4つ、計8人の定員制の部屋が大半で、カーテンを閉めれば個室感覚になれますので、過ごしやすい山荘です。
トイレ前の洗面所から出る水道は飲料水で、水が汲み放題なのも嬉しい。
3時半には「お風呂がわきました」の館内放送がありました。
4時、もう空いたかな、という頃に入浴。
入浴は、宿泊者だけの特権です。
石鹸・シャンプーは使えませんが、汗を流せるだけで、これから入山という場合には嬉しいです。
お風呂上りに、談話室の自販機で缶ビール500mL購入。700円。
談話室には、山雑誌のバックナンバーが最新号まで揃っていました。
ビールを飲みながら、『岳人』を熟読。
このブログのタイトルからもお察しの通り、私は普段は『山と渓谷』派です。
(*^_^*)
夕食5時。
食堂の席は、全部は埋まっていませんでした。
やはり宿泊者が少ない印象です。
夕食は、山菜中心の手のこんだ渋いメニューでした。
隣りの席の人が、
「この山荘、前より料理が旨くなったな」
と話していました。
確かに、以前は見た目だけ派手な、ざっくりしたおかずが多かったかも。
(*^_^*)
7時まで談話室で過ごし、天気予報を見ました。
衛星放送だからなのか、なぜか関東地方の天気予報。
それでも全国の天気で、全体は確認。
暖気と暖気がぶつかりあい、気圧の谷ができる。
上空には寒気。
晴れ基調ですが、大気は不安定。
あまりよろしくないなあ。
5月4日。晴れ。
5時半起床。
うわあ、寝過ごした。
朝食は5時からです。
それでも、山小屋泊まりは、着替えも洗面も化粧もさほど必要ではないので、すぐ食堂へ。
起き抜けにがっつりご飯2膳食べて、出発。6:40。
涸沢へ行く人の列を横目に、1人、槍ヶ岳への道を歩きだしました。
歩き出してすぐ、雪が出てきましたが、まだ地面が見えているところもあり、アイゼンをつけるタイミンクではありません。
でも、早朝なので、雪面は凍結気味で、歩きにくい。
槍沢ロッヂまで、概ね平板な道なのですが、それでも槍沢を高巻くところもあり、下は沢の崖っぷちなのに足元は凍結気味でした。
怖い、怖い。
私は、早朝の凍結気味の麓が一番嫌いです。
(-_-;)
何とか槍沢ロッヂ到着。8:45。
ここでアイゼン装着。
まだ必要なさそうでしたが、進退窮まる前に、早めに着けました。
樹林帯の中の迷路のような道を進みます。
赤いリボンのついた竹竿が20~30mおきに設置されていますし、トレースもしっかりしていますから平気ですが、何もなかったらわかりにくいだろうなあ。
ババ平あたりからは、どーんと視界から開けてきました。
そして、遠くに登山者の列も見えてきました。
槍沢ロッヂに泊まった人たちでしょう。
大曲り通過。10:10。
本当にぐぐっと左に曲がる地点です。
雪が少ない年の槍沢は、何しろ本当は沢ですから、5月ともなれば徐々に雪の下に空洞が広がり、雪に亀裂が入って怖い個所もあるらしいです。
でも、今年は雪が多く、3年前、奥穂高に登ったときのザイテングラードの登りより易しい印象でした。
上空は雲が増え、目指す槍ヶ岳は雲の中。
1時間に1個食べるミニアンパンを励みに歩き続けました。
そんなにアンパンが好きなのかというとそうでもなく、クリームパンがあればそのほうが良いのですが、山行前日のスーパーでは、あいにく今回は売っていませんでした。
雪山では大休憩はとりにくく、大きいパンは1度で食べきれないし、残すとザックの中で潰れて悲惨なことになるので、一口で食べられるミニパンが好きです。
食べて飲んでいるうちは、動ける。
それを支えに進みました。
しかし、雲の中に突入すると、小降りながら雪が降ってきました。
少しですが、風もあり、視界が急に悪くなりました。
竹竿は、2本先までがかろうじて見える程度。
うわあ。
アンダーの上に夏シャツを着て歩いていたのですが、とりあえず、夏シャツを脱ぎ、雪山用のアウターを着ました。
遅いパーティは追い抜きましたが、速い人たちはまだ遥か先です。
U字状の大雪面に自分1人。
風と降雪で、トレースは消え、竹竿だけが頼りです。
空は白っぽく明るいので、これ以上悪くなることはないと思うものの、視界が悪いとストレスがかかります。
一瞬ですが、1本目の竹竿も見えなくなります。
地形的に、大喰岳に誘いこまれるポイントは過ぎ、あとは、目をつぶって歩いても上さえ目指せば槍ヶ岳に達する。
ザックには、コンパスと地形図も入っている。
大丈夫、大丈夫。
いや、コンパス使うのなら、まだ現在地がわかっている今のうちにやっとかないと、迷ってからやっても意味がない。
あー、でも、コンパス切るの久しぶりだからなあ。
やり方を頭の中でシュミレーション。
といううちに、また2本目まで竹竿が見えてきたので、結局、コンパスは使いませんでした。
GWはまだ営業していない殺生ヒュッテ通過。12:15。
そこからが長かったです。
勾配も本日最高の急傾斜。
空気も薄くなってきて、5~6歩進んでは休憩の繰り返しです。
何とか槍ヶ岳山荘到着。13:45。
山荘からでも槍の穂先は見えませんでした。
玄関ホールの自販機で缶ビール購入。500mL750円。
槍沢ロッヂ前で水を入れておいたアルファ米のドライカレーとともに、楽しみました。
はあ、おいしい。
槍ヶ岳山荘でも、宿泊客は水を無料でもらえました。
お湯は、朝だけもらえるとのことでした。
私は、今回テルモスも持参せず。
真冬ではないので、熱いものがどうしても欲しいということはないと思い、軽量化を優先しました。
上高地から一気に登ってくる人などもいて、小屋は夕方まで入ってくる人たちでざわついていました。
人が少ないと思っていたけれど、ここは積雪期としてはなかなかの盛況。
夕食も2回戦ありでした。
鳥南蛮の濃い味付けが疲れた身体においしい。
まん丸いチーズケーキのようなデザートもついていました。
そういえば、一昨年の夏に泊まったときも、同じメニューだったような。
(*^_^*)
部屋は5人部屋に私も含めて3人。
他の2人は連泊の30歳前後の女の子たちでした。
南岳までの往復が目標で今日は天気が悪くて停滞していたとのこと。
元気だなー。
5月5日。快晴。
5時起床。
小屋前でご来光撮影。
5時半から朝食。
急いで食べて、槍の穂先に登る行列に参戦しました。
GW以降、例年ならば槍の穂先に雪はないと事前に情報を得ていました。
それなら夏と同じだから、別に登らなくてもいいかーと思っていたのですが、27日の降雪と、昨日の少しの雪で、穂先には良い感じに雪がついていました。
これは、登らなければ。
アイゼンが岩にきしむ感触。
ピッケルが岩に当たる音。
久しぶりのアルパインクライミング気分。
山頂の眺望は、最高でした。
しかし、ブランクがあるとダメですねー。
登りはともかく、下りが怖い怖い。
雪山用の手袋をつけて岩をつかむ感覚も衰えていて、岩にしがみついてしまいました。
アイゼンの足がしっかり決まっているかどうか確信がもてない一歩が特に恐ろしい。
ピッケルから手を離し、両手で岩をつかんで、ピッケルをガランガランひきずって下山。
ハーネスをつけていると、ピッケルを差す場所があるんですが。
ああ、みっともない。
でも、無事に下りられて良かった。7:40。
さて、いよいよ下山。8:00。
昨日登ってきた雪面の傾斜もなかなかのものです。
しかし、日が当たり、雪はゆるんできているようでした。
尻セードをしている人も、あまり滑らず苦戦中。
ということは、転んでも、大滑落はないということ。
ふふふ。
私はバランス感覚に自信がないので、傾斜の急な道は怖いんですが、こうまで滑らないと多少大胆になれます。
かかとを立て、大股でザクザク下山を開始しました。
滑っているのか、転んでいるのか、歩いているのか。
他人が見たら意味不明な感じで何度も尻餅をつきながら、大曲り通過。9:30。
傾斜もぐんとゆるくなり、夏のような暑さにむしろ苦しみながら、槍沢ロッヂ。10:10。
そこから苦手な麓の道です。
早朝ではないので凍結はないものの、やっぱり崖っぷちは嫌いだとつぶやきながら、何とか嫌な箇所を通過。
横尾山荘前。11:45。
あー、安全なところまで下りてきたー。
暑さで持っていた水を全部飲みきっていたので、山荘前の自販機でポカリスエット購入。350mL250円。
2息で飲み干しました。
オーバーパンツなどを脱ぎ、お風呂セットをザックの上部に入れ直し、さあ出発。
徳沢着。13:05。
ここはテン場なので、水は無料。
ごくごくと好きなだけ飲み、ペットボトルに詰め、トイレにも行って、さらに体力回復。
小梨平キャンプ場到着。14:30。
ここ数年のことなのだと思いますが、ここに新しい外来入浴施設ができていました。
小梨の湯。500円。
温泉ではありませんが、石鹸・シャンプーが使えるだけで有難いです。
このままバスや電車に乗るのだけは避けたいですから。
上高地の外来入浴施設は他にもいくつかありますが、午後2時とか3時で終わってしまうところが大半です。
ホテルが外来入浴も受け付けている形なので、夕方以降は宿泊客専用なのは当たり前。
でも、下山は3時過ぎになることのほうが多いんですよね。
小梨の湯は、そうした登山客の光明。
入浴時間14時~19時。
今回は10時~19時となっていました。
河童橋まであと5分という立地も最高。
ロッカーは鍵付きだし、洗い場は9つもあるし、浴槽は大き目で、ゆったりで10人程度、詰めればもっと入れます。
ものすごく気に入りました。
上高地の他の入浴施設としては、河童橋から対岸に渡って徒歩5分の上高地アルペンホテルも私は好きです。
6時~10時半。12時~14時半。
500円。
入浴時間には制約がありますが、小汚い下山客にも丁寧に対応してくれるホテルの品格はさすがです。
ザックと登山靴置き場は、物置みたいな場所ですが、わりと広いので、他の登山客がいても何とか身動きがとれます。
浴場は、明るく広いです。
河童橋から対岸を徒歩20分と遠いのが難点ですが、上高地温泉ホテルは、やはり温泉ということでポイントが高いです。
入浴後、霞沢岳を仰ぎながらデッキで飲むビールは最高です。
7時~9時。12時半~15時。
800円。
さて、お風呂上りの良い気分で、バスターミナルへ。15:25。
窓口で16:00のバスに乗れないか相談したら、OKでした。
わーい。
バスと電車を乗り継いで、松本着。17:53。
駅弁「料理弁当・アルプスの四季」とビールを購入。
おかずの種類が多めの幕の内弁当という印象のもので、松本駅で駅弁を買うときは、いつもこれです。
ビールに合うんです。
松本は始発なので、スーパーあずさは自由席でも座れました。
隣りに座ったおじさんは、峠の釜めしと缶入りハイボール2本を手に提げていました。
自分も飲みたいときは、こういう方が隣りだと気兼ねがなくていいです。
ヘッドホンで両耳を塞ぎスマホをいじりっぱなしの神経質そうな若い子だったりすると、ちよっと気がひけますから。
そんなわけで、暮れゆく松本の街を眺めながら、食べて飲んで楽しい山旅はフィナーレを迎えました。
(*^_^*)