たまりば

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2012年02月27日

御正体山に登ってきました


昨日、2月26日(日)、山梨県の御正体山に登ってきました。
すごく久しぶりにツアー登山に参加しました。

私は、30歳を過ぎて山を始めました。
最初は、1人で近郊の低山を歩き、山の専門誌や教本を読んで勉強し、それから、ツアー会社の登山教室に参加するようになりました。
登山教室には雪山もあり、そこから雪山をやり始め、でも、ツアーでは難しい山には行けないので、個人ガイドさんについて、アルパインクライミングをやるようになりました。
無雪期は、谷川岳一ノ倉沢とか。
積雪期は、八ヶ岳とか。
アルパインクライミングの入門ルートばかりです。
正直、あまり上手くありません。
(^_^;)
今は、お金も暇もなくなり、そっちのほうはお休みし、1人で山歩きを楽しんでいます。

1人でテントを担いで縦走していると、山岳会の人に誘われたりもします。
「うちの会は、しばりが緩いから楽しいよ。月に1度の例会に顔を出せば、あとは、好きな山行だけ参加すればいいから」
と言うのですが、その月に1度の例会が無理なんですよ。
私は、塾講師。
平日の夜の集まりには、参加できません。
「月に一度の例会に参加する」という縛りが、私には、一番厳しいです。
(^_^;)

ただ、山の世界は特殊です。
仕事を優先する人を別に否定はしないですが、
「あ。そういう価値観の人ね」、と切り捨てることはあります。
生活を支えるための仕事は必要。
でも、それは、山より優先されるものではない。
会社をやめずに山に打ち込むことが人生の目標。
そんな考えの人が結構いる世界です。
会社をやめずにヒマラヤやアラスカの遠征に参加するには、どうするか。
それができる奴が尊敬されるのですよ。
何だ、それ。
(*^_^*)


話は戻って。
昨日は、ツアー会社の登山教室。
目的地は、御正体山。標高1681m。
雪の山歩き教室・初級者コース。
6本爪軽アイゼンとストックで楽しく歩くコースです。
とはいえ、装備リストを見ると、「定価4万円相当以上の登山靴」「保温力に優れた雪山用ゴアテックス製の上下」など、3000m峰に登るような重装備が書いてありました。

要るの?そんな装備?

私は、靴に合わせてアイゼンを調節してあります。
6本爪軽アイゼンに合わせてあるのは、2万円相当の革製の軽登山靴。
10本爪アイゼンに合わせてあるのは、4万円相当の革製の雪山用登山靴。
12本爪アイゼンに合わせてあるのは、5万円相当の新素材の雪山用登山靴。
今回、歩き出しは、雪がないかもしれません。
泥の中を、雪山用の登山靴で歩くのは、嫌だ。
そんなわけで、装備リストに反して、安い靴で参加しました。
申し訳ありません。

1000mの山を行動している場合、雪山用アウターを着たら汗ばむのですが、さすがにそれも持っていかないと、装備不良で参加を断られる可能性を感じ、雪山用アウター上下は持参しました。
着ませんでしたけど。

この過剰な装備リストは何なんだろう、と思いながら参加すると、参加者の大半が、12本爪アイゼンなのに、さらに驚愕。
1681mの雪山ハイキングに、12本爪?
しかも、登山口から、アイゼン装着。
土曜日に、山間部では雪が降りましたので、それまでの凍結した雪面にうっすらと雪が乗り、歩き易い状態になっていて、これは、アイゼンなしで歩いたほうが練習になるし、楽しいのになあ、と思うのですが、しかし、参加者の様子を見ていると、やっぱりアイゼンは着けたほうがいいんだろうなあ、とも思いました。
アイゼンを着けていても、何かズルズル滑り落ちながら歩いている人がいます。
12本爪出刃アイゼンで歩く技量がなく、前刃が邪魔なのか、今にも転びそうにヨタヨタしている人が大半です。
でも、アイゼンを着けていなかったら、もっと転ぶだろう。
初級者教室ですから、アイゼンを着けて歩く練習になるし、これでいいんだろうなと思いました。
一歩踏み間違えただけで致命傷になるような場所では練習できないですし。

私のすぐ前を歩く人は、うーむ、やっぱりアイゼンが曲がっていました。
靴底とアイゼンが合っていないんです。
しかも、歩き方に癖のある人でした。
靴底の外側ばかり減るタイプの人。
アイゼンの刃が、雪面に斜めに入るので、12本爪でも、効いているのは、3本程度。
しかも、斜めですから、効きが悪い。

ストックも、変に長めにしてあります。
登りでストックが長いと、これも雪面に正しくささらず、ストックは、しょっちゅう後ろに跳ねていました。
登りの場合、ストックは、地面についたときに、ひじが軽く曲がる程度に調節します。
スキーではないので、ストックは跳ね上げません。
山のストックは、自分の身体から後ろには行かせないものです。
ダブルストックを利用し、跳ね上げて推進力を上げる歩き方は、海外のトレッキングで行うもので、日本の山岳には向きません。
だだっ広くてゆるやかな道を何日も歩く場合での推進力をつける歩き方を、日本の狭くて急峻な山道で行っても、バランスはとれないし、後ろで怪我人が続出します。

でも、その人は、常連客のようで、添乗員さんと親しげで、言葉の端々に「自分は上手い」と思っている自信が見られます。
顔をつぶしても気の毒だし、私の言うことを理解してもらえる可能性も低いので、何も言いませんでした。
とりあえず、今回のレベルの雪山歩きを楽しんでいる分には、大丈夫ですし。

でも、私は、ときどき、添乗員を睨みました。
心の中でつぶやきます。

「登山客に、本当のことを伝えていかなかったら、その先に何が起こるか、わかっているんでしょうね」

添乗員の気持ちは、わかるんです。
本当のことを言ったら、客は傷ついて、もう参加しなくなるかもしれません。
だから、筋がいいですよ、とほめなければなりません。
体力ありますね、とほめなければなりません。
技術があるので、安心して見ていられますよ、とほめなければなりません。
皆さんの力なら、経験者コースも大丈夫ですよ、とほめなければなりません。
そうして、またどんどん参加してもらわなければなりません。

経験者コースといっても、大勢で歩けるようなところですから、そんなに危険なわけではないのですし。
やばかったら、すぐ撤退するんですし。
アイゼンもまともに着けられない客でも、面倒みるから、まあ連れて行こう、ということになります。
「あの会社は面倒見がいい」という評判のツアー会社です。
でも、それは、他のツアー会社よりもさらに技術も気持ちも甘い登山客が集まってくるという意味でもあります。
なのに、参加を重ね、自信だけは深めていく。
自分の技量に合わない難しい山に挑戦していく。
それでも、何とか面倒みられるから大丈夫だ、と会社も無理をする。

その先に何が起こるか、もうわかっていることです。
装備リストだけ、やたら重装備にしたところで、責任を回避できるわけではないだろう。

山の中で、そんなことを考えて、何となく暗い気持ちになっていると、小休憩のときに、添乗員の近くに寄っていった参加者が、次のツアーのことで相談をしていました。
経験者向けの浅間前掛山ツアーに行きたいというのです。
少し岩場があり、また、雪面がクラストしている可能性のある山です。
まあ、その場合は、登頂はあきらめ、全員Uターンするのだとしても。
添乗員は、首を横に振りました。
「まだ、やめておきましょう。前掛山は、ちょっと難しいところがあるから」

なるほど。
個々の客のレベルをちゃんと見ているんだ。

登りの途中で、別の客のアイゼンが壊れました。
アイゼンの刃と枠とをつなぐビスが外れてしまったようです。
添乗員は、持っていた針金で応急手当。
そして、山頂で、その客に簡易ハーネスを装着させ、自分もハーネスを着け、もしも途中でまたアイゼンが壊れた場合にはロープを結んで下りる準備をしていました。

繰り返しますが、たいした山ではありません。
昨日の雪質ならば、アイゼンなんかなくても下りられます。
それでも。

昨日、私が参加した雪山教室のツアー会社は、数年前の夏、北海道で、登山史に永久に残るだろう悲惨な遭難事件を起こしました。
その会社の、これが現在の姿なのだと、いろいろなことを感じた1日でした。
  


  • Posted by セギ at 13:22Comments(1)

    2012年02月22日

    日曜日の奥高尾


    2月19日(日)は、奥高尾を歩きました。

    高尾山口のケーブル駅左手からの稲荷山コースを選びました。
    登山口から積雪していましたが、全体に傾斜が緩く、広くて平らな木段歩きでしたので、雪道に慣れている人ならば、軽アイゼンがなくても歩けました。
    多くの人が、軽アイゼンをつけて歩いているので、凍結箇所や踏み固められた雪も表面がザラザラになり、歩きやすい状態になっていました。

    でも、ときどきは、ツルンツルン。
    (^_^;)

    前を行く4人パーティの中の女性が、後ろの男性に、
    「足音が怖いから、前に行って」と頼んでいました。
    その男性は、歩き方が雑で、滑りながら歩いている感じでした。
    すぐ後ろを歩く大きな足音は、ストレスになりますね。
    特に、後ろで滑られると、ヒヤヒヤします。
    雪道や、下り道では、車間距離ならぬ人間距離を広くとりましょう。
    なんて、またマニュアルでございます。
    山でも何でも、私は、基本ルールが好きなのかもしれません。
    まず、教本などを読んで、しっかり勉強するタイプです。
    (*^_^*)

    ともあれ、山歩きというのは、誰でも気軽に始められるのですが、案外危険度の高い遊びなので、怪我をしないためのルールは沢山ありますし、マナーもあります。

    去年の秋、もう午後3時頃だったのに、紅葉台から城山方面に向かう女の子たちがいて、私の前を歩いていた60代くらいの2人連れの女性が呼び止めていました。
    「ちょっと。今からどこまで行くの?」
    それもはっきり言えない女の子たちを叱って、Uターンさせていました。
    さすがだ。
    何となく目が合ったので、
    「世直しですね」
    と言ったら、笑っていました。

    さて、雪があったり凍結したりを繰り返す登山道をゆっくり歩いて、1時間少しで山頂へ。
    写真は、高尾山の大見晴台からの富士山です。
    携帯のズームを使用して撮影。
    丹沢の稜線もくっきりと見え、晴れ晴れとした風景でした。

    雪の状態によっては、高尾山の山頂までで、あとは1号路を降りるか、リフトで下るのでもいいなと思っていたのですが、積雪した晴れの日の気持ち良さに、そのまま、城山方面に歩き出しました。
    適当なところで下山しようと思っていたのですが、結局、そのまま、陣馬山まで歩いてしまいました。

    陣馬山から、陣馬高原下のバス停へと下山。
    去年の秋、きれいな紅葉が見られた道は、雪が融けて、ドロドロの道になっていました。
    靴の下に、厚さ10cmの泥団子を着けて歩くような状態でした。
    それが終わると、林の中のうす暗い凍結した下り道。
    さすがにここで、軽アイゼンを取り出して着けました。
    午後4時前に下山。

    陣馬高原前バス停には、水道があり、靴が洗えました。
    これが、有難かったです。
    飲み水ではないと書いてあったので、沢から引いているのかな?
    泥だらけの靴でバスや電車に乗るのは、気がひけますから。

    バス停近くのお店、山下屋さんで、缶ビールを買い、出ようとしたら、座って飲んでいっていいよと言うので、お言葉に甘えて、ストーブにあたりながら、冷えた缶ビールを飲みました。
    ご主人は、バス停で待っている人たちにも、ストーブにあたりに来なさいよ、と呼びに行っていました。
    「どうせ、ストーブは、ずっとつけているんだから」
    いい人だ。(*^_^*)

    今日の授業で、
    「センセー、日曜日も山に行っていたでしょう」
    と言われてわかったのですが、帰り道、三鷹駅で、生徒さんに会って、挨拶されたのに、音楽を聴いていた私は、聞こえていなくて、無視してしまったようです。
    ひゃー。ごめんなさい。(>_<)
    三鷹にいるときに、イヤホンなんかして歩いているなー。
    まず、それが基本マナーだろうって話でした。
    (*^_^*)
      


  • Posted by セギ at 23:02Comments(0)

    2012年02月18日

    料理の下手な人の特徴


    少し前、テレビを見ていたら、料理の下手な人はなぜ下手なのかを分析する番組をやっていて、興味深く見ました。
    料理下手にもいろいろなレベルがあります。
    包丁の扱いが下手で、切るのが遅い。
    切り方が雑。
    下ごしらえのやり方知らない。
    そういう知識不足・練習不足の場合は、私も含めて、なぜ下手なのか明白です。
    けれど、世の中の料理下手には、そのようなレベルではない人たちがいるようです。

    市販のカレールーを使って煮たカレーが、まずい。
    何か、微妙にまずい。

    なんで、そんなことになるんだろう?
    調理中ずっとカメラを回して、それを分析した番組でした。

    勉強になりました。
    その人たちは、下手なのに自分でアレンジするんです。
    市販のカレールーですから、箱に書いてある説明通りの分量で煮たら、それなりにおいしく出来上がるのに、余計なものを入れる。
    ヨーグルト。
    りんご。
    はちみつ。
    チョコレート。
    インスタントコーヒーの粉。
    ソース。
    白だし。
    しょうゆ。
    みりん。
    何でも鍋にぶちこんで、しかも、味見しないで家族に食べさせてました。

    その結果、まずいカレーが出来上がるんですね。
    凄いなあ。

    なぜ、そのようなことをするのかという質問に、
    「隠し味で」
    「こうしたらおいしくなると思って」
    「勘で」
    と、彼女たちは答えていました。
    料理に関して何の実績もないのに、なぜ自分の勘でおいしくなると思うのだろう。

    1回やって失敗したら懲りて2度とやらないのかというと、そういう人たちは、毎回今度こそと思い、余計なものを入れ続け、まずいカレーを作り続けるようです。

    市販のカレーは、そのメーカーに勤務する専門家が、万人が最もおいしいと感じるスパイスの配合を研究して作っているものです。
    だから、どんな隠し味を入れるよりも、そのままのほうがおいしく感じる人が最も多い味になっています。
    それでも、味覚は、人によりズレがあります。
    もっと苦味が欲しい人は、コーヒーの粉を少し入れたら良いでしょう。
    和風な味が好きな人は、しょうゆを少し入れたら良いのでしょう。
    それは、自分の味覚に責任をもてる人が、責任の範囲で行うことです。
    「隠し味を入れたらおいしくなる」という幻想を信じることには、意味がありません。


    ああ、でも、これは勉強にも言えることだ、と考え込んでしまいました。
    勉強の苦手な子ほど、言われたことを言われた通りにやるということをせず、見ていると不思議なことをやり始めます。
    混乱してそうなってしまうのなら、教えれば軌道に戻りますが、ルール通りのやり方を強制されるのが嫌で、何でも自分のやり方でやろうとする子は案外多いです。

    自分のやり方でやりたい。
    アレンジしたい。
    勘で。

    そうやって、しっかりした基礎を身につけず、どんどん崩れていきます。
    自分のやり方にこだわる子は、それだけ伸びる可能性が低くなり、むしろ長いスランプに陥ります。
    勉強のできる子は、そんなところで我を張ったり、無駄なエネルギーを使ったりしません。
    最短最速の正確な解き方は、既に法則化されているのだから、それに乗ってやっていけば良いだけ。
    素直にそう信じ、さっさと取り入れ、応用問題を分析するほうにエネルギーを注ぎます。

    ご存じの方が多いと思いますが、「学ぶ」という言葉は「まねぶ」から派生したとする説が有力です。
    学者の素質の第一は、まずは素直にそっくり真似できることであると言います。
    先人のやり方をそっくり真似できれば、そこからその先にジャンプできます。

    基礎のない者は、個性を活かすことはできません。
    基礎のない者の個性は、ただ「間違っている」というだけで終わってしまう場合が大半です。
    勘で作ったまずいカレーのように。

    でも、気持ちはわかるような気がします。
    ある日突然、自分の勘で、おいしいカレーが作れたら、素敵だなあ。
    ある日突然、自分の勘で、勉強が出来るようになったら、素敵だなあ。
    世の中で正しいとされている型通りのやり方よりも、自分が思いついたやり方のほうが本当は優れていたという大逆転が、起こらないかなあ。
    そんな才能が、自分の中に、眠っていないかなあ。

    夢を見てダメになる権利も、人にはある。

    けれど、目の前の生徒には、そういうわけにはいかないのですよ。
    (..)


    写真は、名古屋名物、小倉餡トースト。
    以前、三鷹に遊びに来た名古屋の友達が、「三鷹には、モーニングがない」と驚いていました。
    探せばあると思うけど、朝マックではダメなんですかね。
    (*^_^*)
      


  • Posted by セギ at 14:27Comments(2)講師日記

    2012年02月13日

    高川山に行ってきました



    この3週間、平日は授業、日曜日は模試の会場責任者の仕事が入り、休みなく働いておりました。
    ありがたいことです。
    昨日は、久しぶりの休日。
    これもありがたいこと。

    昨日、2月12日は、高川山に行ってきました。
    高川山は、いくつかのコースがありますが、今回は、大月駅から。
    一番のロングコースです。
    大月駅の改札を出てまっすぐ歩き、1車線のバス通りを右折。
    20分ほど歩いて大きな橋を渡ったらすぐ、大きな病院の手前で、その病院を見上げながら、左折。
    坂道を上がり、その坂が自然に下りになる頃、1つ目の標識が見えてきました。
    あとは、標識通りに行くだけなのですが、登山口が、あまりにも民家の庭先で、え、ここに入っていいの?と不安になりました。
    すぐ手前に踏み跡がついていたのは、そっちだと誤解する人が多いからでしょう。
    私も、一度、そっちに入ってしまい、すぐ、やぶに突っ込む形になっているので、戻りました。
    思い切って、民家の庭先に入ると、風景は一気に変わり、ああ、これは登山道だ、と納得。
    低山は、登山口の発見が一番難しいですね。

    歩いてすぐの「むすび山」で、朝一番の富士山。
    その大きさにびっくりしました。
    上の写真は、高川山の山頂からの富士山ですが、携帯でズームもせずにこの大きさで富士山が見えるということは、肉眼ではどれほど大きく見えるか、ご想像いただけると思います。

    大月駅は、高川山の北東に位置しています。
    登山道は、陽だまりののどかな道。
    歩く人はあまり多くないと聞いています。
    昨日も、すれ違った人が2人。
    追い抜いた人が1人。
    でも、道はよく踏み固められ、明瞭で、迷うところはありません。
    凍結箇所もほとんどありませんでした。
    ただ、馬頭観音手前、つまり、田野倉駅からのコースとの合流点の手前の急坂は、ちょっとしゃれになりません。
    手がかりとなる岩や木がもっとあれば、特に問題はないのですが、手がかりが少なく、あの傾斜ですと、初心者では登れない人がいるかもしれません。
    細いロープが張ってありますし、時間がかかってもいいから、両手をついて、落ち着いて一歩ずつ、と思えば、初心者でも登れるかもしれませんが、気持ちで負ける可能性が高いなあ。
    靴が悪いとダメですし。

    合流点を過ぎると、大きな岩が現れてきます。
    岩がちの道は段差がありますが、特に難しいところはありません。
    そこから30分ほどで、高川山の山頂。

    高川山には、ビッキーという犬がいました。
    私が高川山を歩いた2007年春にも、ビッキーは山頂にいて、少し手前から出迎えてくれました。
    ビッキーは野良犬でしたので、汚れていましたが、顔がかわいらしく、おとなしい犬でした。
    食べ物をもらえると、その場で静かに食べ、もらえなければ、静かにその場を離れる。
    吠えませんし、まとわりつきません。
    岩の上に立ち、富士山を眺め、あるいは、岩の上に寝そべり、目を閉じる。
    中央線沿線の低山を歩く登山者の間では有名で、とても好かれている犬でした。

    あれから5年。
    もういないかもしれないと思いながらも、もしいたら分けようと、昨日は、おにぎりではなく、犬が食べられそうなおかずの入ったお弁当を持っていきました。

    山頂に小さな新聞記事が貼ってありました。
    ビッキーは、2010年秋に死んでいました。
    登山者が遺体を発見し、市に連絡し、埋葬したそうです。
    老衰だろうとのこと。

    そうか。
    ビッキーには、もう会えないのか。

    そう考えながら、下山。
    下りは、初狩駅へのコースをとりました。
    登山道が北や西を向いている関係で、こちらのほうが凍結箇所が目立ちました。
    山頂直下の下りは、傾斜が緩いので特に問題はなく、分岐からは、「男坂」「女坂」「沢コース」のうちの女坂コースを迷いなく選びましたので、もう大丈夫と思っていました。
    女坂は、1か所崩落地がありますが、ロープが張ってありますし、踏み固められて足場はしっかりしていますので、慎重に通過すれば問題ありません。

    でも、男坂との合流点に入り、びっくり。
    点々と凍結しています。
    3mにわたり、全面凍結。
    そこから10mは、普通の登山道。
    また3m、全面凍結。
    その先は、見えない。
    この状態で、軽アイゼンを取り出して着ける人は、いませんよね。
    しかし、崖っぷちの登山道。
    凍結といっても、氷や周りの土が濡れてグズグズになっていれば、案外フリクションが効くのですが、ここのところ乾燥注意報も出ていますので、周囲の土は氷と一体化し、ガチンガチンに乾いて固まり、ツルンツルンに凍結していました。
    いきがって立って歩き、つるんと滑ったら、崖から落ちるなあ。
    そんなわけで、しりもちをついて、そろそろと通過。
    そのほうが滑り易いという人もいますが、重心が低いほうが、滑っても、大事故にはならない気がします。

    植林帯に入り、積雪が現れましたが、でこぼこの積雪は足がかりが多く、標高が低いので湿っていましたので、難なく通過。

    今日の夜にも雨か雪が降るそうなので、また山の状況は変わると思います。
    しっかり積雪した場合、装備さえ整っていれば、案外歩き易いということもあるでしょう。

    林道に出て。
    おじさんが、融け残っている雪をシャベルで片づけていました。
    「着いたかい」と声をかけられました。
    「はい」
    「凍ってて、危なかったろう」
    「はい。怖かったですー」
    地元の人の言うことは、いつも的確です。

    さて、初狩駅前のコンビニで何を買おうかなあと、心はそこに飛びながら、駅までのんびり歩きました。

      


  • Posted by セギ at 13:55Comments(0)

    2012年02月04日

    冬の低山歩きの装備


    中学入試の合格発表を待つ、長いインターバルに入りました。

    他のことを考えている場合ではないのですが、他のことを考えていないと身がもたないので、今日は、山の話を。

    2月19日(日)に、身の丈起業塾3期生の定例ハイキング会を予定しています。
    行先は、高川山。
    JR初狩駅が最寄駅の、中央線沿線の低山です。

    しかし、低山といっても、標高976m。
    先日の雪と連日の冷え込みで、現在のところ、かなり積雪し、凍結していると思います。
    雪をまとった低山というのは、空気が澄んで、眺望もよく、とても楽しいのですが、無雪期の山を歩くのとは少し違うので、装備のグレードが少し上がります。

    まず、絶対に必要なのが、軽アイゼン。
    おもちゃみたいなのではなく、きちんと使えるものとなると、6本爪で5千円程度。
    登るだけなら靴だけでどうにかなっても、凍結した急坂は、靴では下れません。
    事故は、下山時に起こります。
    山は、下山することを考えて装備を整えましょう。

    ストック。
    凍結している箇所で身体の安定を図る便利なもの。
    1本5千円程度。ダブルのほうが安定します。

    軽登山靴。
    雪山用登山靴は5万円程度しますし、低山の雪山ならそこまでは必要ありませんが、ローカットでは雪が靴の中に入りますので、くるぶしを覆うミドルカットないしハイカットの防水機能のある軽登山靴が必要です。
    2万円程度。

    服。
    木綿は危険です。
    雪山の場合、汗や雪で濡れたら、木綿は乾きません。
    濡れた衣服は体温を奪い続け、低体温症を招きます。
    登山用の高機能ウエアが一番ですが、街着で代用するなら、必ず化繊のものを。
    ポリエステル100%のものが良いです。
    ジーパンで春の大菩薩に入った若者が凍死した事件が過去にありました。
    デニムは雪山の場合、厳禁です。

    ヘッドランプ。
    自分の装備は完璧でも、パーティの誰かが装備不良だった場合、下山が遅れます。
    万が一、誰かが怪我をした場合も、下山は大幅に遅れます。
    日没後、山は真っ暗になります。
    ヘッドランプは、使わないけれど、絶対に持っているべき物。
    それを持っているのが、メンバーシップ。
    地震の備えとしても、最高の一品です。

    と書いていくと、積雪のある山に行くのは、今回は無理でしょう。
    一応、前週の日曜日に、晴れたら、私1人で偵察に行って来ようと思います。

    ところで、今年も、外秩父七峰縦走大会が4月22日(日)に開催されます。
    埼玉県の小川町から出発し、車道と登山道を合計42km歩く大会です。
    参加費は無料なのですが、参加を申し込まないといけません。
    もうすぐ、2月8日から申し込み開始。
    人気のある大会なので、すぐに締切になります。
    参加なさりたい方、とりあえず、申し込んでください。
    上の写真のような広い広い野原にも出会えます。
    桜も咲いています。
    申込みのホームページにリンクを張っておきました。

    また、下は、去年の私の記録です。
    「外秩父七峰縦走大会で完歩する方法」

      


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