たまりば

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2019年03月08日

高校英語。現在完了形と過去形の使い分け。


時制に関する問題で難しいものの1つは、前回説明した、未来をどの時制で表現するかという点です。
現在形、現在進行形、未来形、未来進行形のどれでも、未来のことを表現できます。
実現する確実さによって時制を使い分けている。
そのように、ざっくりと判断するとわかりやすいと前回解説しました。
あとは、発着の動詞は現在進行形で未来を語ることが多いなど、動詞によって、その時制で未来を語ることが通例であるという場合もあります。
発着の動詞とは、go や leave など、出発や到着を意味する動詞のことです。

未来の話はこれくらいにして、もう1つの課題は、過去形と現在完了形・過去完了形との使い分けでしょう。
高校1年になって、実質的に初めて学習する時制は現在完了進行形、過去完了形、過去完了進行形、未来完了形、未来完了進行形です。
その中で、混乱しやすいのが、現在完了形と過去完了形の使い分けですが、そこで混乱すると、過去形と現在完了形の使い分けも混乱するようになる人も現れます。
中学で初めて現在完了形を学んだときは、過去形と混同する人は少ないのですが、過去完了形を学ぶと、現在完了形との区別がつかなくなり、さらに過去形との区別もつかなくなってしまうようなのです。

過去形の主な意味は。
①過去の状態。
②過去の動作。
③歴史的事実。
④時制の一致。

現在完了形の主な意味は。
現在のある時点までの、
①完了。
②状態の継続。
③経験。
④結果。

と、意味が重なるところはないように感じるのですが、日本語を英文に直す問題になると、案外使い分けがかぶっているように見えることがあります。

例えば「インターネットは我々の日常生活に不可欠な要素となった」という文を訳す場合。

「なった」というのは、日本語の感覚では過去形です。
「た」は過去を表す助動詞ですから。
「なる」でも「なっている」でもなく「なった」なのだから、過去形でいいんだろう。
しかし、そう判断して訳すと、それは誤りなのです。

The Internet has become an essential element in our daily lives.

正解は、このように現在完了形となります。
何が違うのかというと、現在完了形は現在とのつながりのある過去の事柄を、過去時制は現在から切り離された単なる過去の事柄を表します。
インターネットが我々の日常生活に不可欠な要素になったのは、現在とのつながりのある事柄です。
インターネットは我々の日常生活に不可欠な要素となり、今もそうですから。
ここは現在完了形を用いるのが妥当、という判断がされます。
「なった」という表現に注意し、「なった」のときは、現在完了形の可能性があるぞと思っておくだけでも、かなりミスを防げるところです。
その街が世界有数の大都市になった、とか。
その国の人口が非常に大きくなった、とか。
このタイプの問題に使われる文はそのようなものばかりですので、練習すればピンとくるようになります。

同じ事実でも、現在とのつながりを意識しているかしていないかで時制は変わります。
「彼女は東京へ行った」という文を英訳するのでも、
She went to Tokyo.
She has gone to Tokyo.
の2種類が考えられます。
上の文は過去の単なる事実として語られている場合です。
下の文は、「彼女は東京へ行ってしまって、今ここにいない」という結果のニュアンスがあります。
では、正解は2つあるのかというと、文法の時制問題は、そのようにどちらでも良いということにはなりません。
実際の出題は、例えば「彼女は、昨日、東京へ行った」という文を英訳せよ、という形をとります。
「昨日」という表現とともに使用されるのは、過去形です。
She went to Tokyo yesterday.
となります。
そうした出題の細部に気づくことで、自信を持って正答を出せるようになります。

時制の問題では、そうした細部で迷うことはあると思います。
しかし、大半は、明瞭に使い分けがありますので、それを覚えて使い分ければ大丈夫です。
本当に微妙なところと、本人が単に覚え間違えていたり覚えていなかったりすることとが混ざり合い、混沌としてしまうのが時制の学習です。
わからない原因は何なのか?
具体的にどの問題で間違えたのか?
それを整理して、自分の課題を明確にすると良いと思います。

文法問題に関しては、間違えた問題を書き写したノートを作り、時間を置いて解き直すようにするのも良い学習方法です。
正答や解説はピンクで書き込み、赤シートをかけられるようにするとか、ノート見開きの左側に問題を書き、右側は正解と解説を書いておくなど、後で活用できるようなノートを作ると良いと思います。
ノートは作ったけれど、漠然と眺めることしかできず、解き直しに使えないようなノートになっていては、あまり意味がありません。

また、正答のほうが少ない状態でそのようなノートを作ると、ノート作りだけで学習時間の大半を奪われることになります。
間違えた問題を集めたノートを作るのは、正答率の高い人が、さらに精度を上げるためにやることです。
正答率が上がるまでは、問題集の間違った問題にチェックを入れ、何度でも解き直して反復するほうが、時間を有効に使えます。
3回解き直してもまだ間違えた問題だけ、ノートにまとめるのも良いでしょう。

何よりも、まずは文法テキストを熟読し、覚えるべきことを覚えることです。
その後、何の知識を問われている問題なのかを意識しながら問題を解く練習をすると良いと思います。
文法テキストを漠然と眺め、内容は覚えず、文法問題は自分の感覚で解いて、「わからない」「難しい」「文法は嫌い」と感情的な反発をつのらせる・・・。
どういう文法事項を問われているか考えたことがなく、「こういう英文を読んだ気がする」「私の感覚では、この英語が正しい」というあやふやな根拠で文法問題を解く・・・。
まず、その姿勢を正すことが、文法問題を得意になるコツです。
  


  • Posted by セギ at 11:49Comments(0)英語