たまりば

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2019年03月01日

都立高校入試結果が出ました。2019年3月。


2019年3月1日、都立高校の合格発表がありました。
今年度のセギ英数教室は中3受験生は1名。
5教科みっちり個別指導の結果は、

◎都立新宿高校 合格

やりましたー。ヽ(^。^)ノ
合格おめでとうございます。

今年度の高校受験指導は、1名とはいえ中身が濃く、苦闘の連続でした。
始まりは順調だったのです。
最初に提示された志望校は本人の成績から考えれば極めて順当なものでした。
うん。
ちゃんと受験勉強すれば、ここなら合格します。

よし。
まずはそこに向けて、内申を高め、盤石の基盤を作りましょう。
入試に向けた総復習と並行して、定期テスト対策を強化。
本人も定期テストに対して脅威の粘りを見せ、学校の成績は順調に上がりました。
これで、志望校には余裕をもって合格するはずでした。

秋も深まり。
学校の三者面談で、当初の志望校よりもワンランク上の都立校の推薦入試の話が出ました。
志望校の推薦入試を受けて、そこで合格する。
内申が特に上がっている場合ならば可能なことです。
ワンランク上の学校でも、この内申の上がり方ならば、推薦入試で合格するのではないか?
ああ、良かった。
やはり、上げておくべきは内申。
今年度の受験対策は、早めにフィニッシュとなりそうでした。

しかし、本人が、いつまでもいつまでもどうするか迷っているのでした。
そして、出てきた名前が、都立新宿高校。
そこは、都立自校作成校です。
・・・ちょっと待って。
新宿高校は、推薦がもらえる高校よりもさらにワンランク上。
というより、間に学校がないから「ワンランク上」という表現しかないけれど、その間には、深くて暗い河があるんです。
高い高い壁があるんです。
国語・数学・英語が独自入試で、入試問題がとても難しいんです。
( ;∀;)


「どう思う?」
その子は毎日のように進路のことを尋ねてきました。
「推薦でいいんじゃないの?いい学校だと思うよ」
私はそう言い続けたのですが、翌日になるとまた同じ問いかけが始まります。
ちっとも納得していない。
結局、新宿高校を受けたいのです。
本人がとにかく受けたいのです。
「じゃあ、新宿高校を受けたらいいじゃないの」
「そうする!」
そう言って、それっきり、もうその問いかけはなくなりました。
・・・おいおいおい。( ;∀;)
私が許可したことになっちゃったの?
私が太鼓判を押したことには、まさか、なってないよね?

とはいえ、試しに1年分だけ過去問を解くと、合格射程圏内と感じる答案なのでした。
得点で言えば、素点で50点ほども足りません。
しかし、過去問を最初に解いた場合は、これまで教えてきた自校作成校に合格した子たちの多くもそうでした。
大事なのは答案に伸びしろを感じるかどうかです。
その答案からは、希望が立ち上がっていました。
薄氷を踏む思いではあります。
全教科、失敗できない。
得点源など、どこにもない。
しかし、合格しないと言い切れる要素もないのです。

あとは、精神面です。
女子に多い傾向ですが、冬期講習あたりが学力のピークとなり、1月、2月と徐々に学力が下がっていく子がいます。
精神的緊張に耐えられず、力を出せなくなっていくようなのです。
その子は、そういうタイプではありませんでした。
定期テストでも、魔物でも通ったのか?と訊きたいような変なミスは少なく、間違うべくして間違い、出来るべくして出来る。
学力の伸びを把握しやすく、入試当日の朝まで伸びるタイプです。
2月もたっぷりと受験指導に使えました。

実力が蓄えられるのを待つため、残りの過去問を解く時期をギリギリまで後ろに倒し、成功体験を積み重ねました。
初めて解いた過去問で、しっかりと合格点を取ることが大切です。
この年も大丈夫。
この年も合格している。
合格の可能性を否定する要素はありませんでした。

願書提出の時期が近づくと、大手の塾に通う子たちで自校作成校が志望校だった子たちの多くは、志望校を下げたそうです。
大手塾は、合格実績を出さねばなりませんから、そのように慎重な進路指導を行います。
そのことに、その子はショックを受けていました。
みんな、志望校を下げた。
自分も下げるべきなのか?

「じゃあ、下げれば?」
「いや、受ける」
「じゃあ、頑張れば?自校作成校受験はチキンレースです。諦めなかった人が合格するんです」
とは言え、入試は水もの。
絶対などありません。
しかし、ここまで来たら、私のせいで不合格になったということになっても、まあいいかなと思いました。
親のせいとか、本人のせいとか、家族の中でごたごたするのはその家族にとって一生の不幸です。
敵は外部にあればいい。
塾が悪かった。
塾のせいだ。
そういうことにして心の傷を癒し、また未来に向かっていけばいいのだと思うのです。


自校作成校は、合格さえすればいいというものではありません。
授業もテストも難しいです。
そのわりに学校行事も部活も頑張るんだ、文武両道だ、という校風の学校が多く、その結果は高い浪人率となって表れています。
推薦入試・AO入試の比率がますます高まっている昨今、大学受験を考えたら、自校作成校に進学するのはデメリットもあります。
ほどほどの都立高校に進学し、わかりやすい授業を受けてしっかり基礎を固め、高い内申を確保して、指定校推薦で志望の大学に進むという道もあります。

でも、高校は、一生の友達に出会える場所です。
勉強のできる子は、ただ勉強ができるだけの「勉強バカ」もいるけれど、話していて手応えのある面白い子も沢山います。
特殊な趣味や興味を深く掘り下げている子もいます。
自分の感情を振り回して他人をいじめるような子は少ないと思います。
自分が他人から嫌な関わり方をされたくないから、自分も他人に嫌な関わり方はしない。
そういう最低限の想像力のある子が多いと感じます。
かつて都立西高校に進学した子が、ぽつんと口にしたことがあります。
「クラスの人が、みんな、優しい」
うん、わかる。
それ、凄くわかる。
私は何度も頷きました。

学校は、進学率とか、建物の新しさとか、制服の可愛らしさとか、そういうことで測るものではありません。
そこに誰がいるか、誰と出会えるか、だと思うのです。



都立新宿高校合格、おめでとうございます。
本当に本当に良かった。
素晴らしい春となりました。

  


  • Posted by セギ at 12:07Comments(0)講師日記