2025年03月13日
英語。現在完了。祖父が亡くなって5年になる。

画像は多摩湖自転車歩行者道の河津桜。
3月7日、きれいに咲いていました。
さて本題。
現在完了は、今や中2で学習する文法事項になりましたが、高校生になっても、勿論、「時制」の学習で再び登場します。
特に有名な典型題が、「祖父が死んで5年になる」という文を書き換える問題です。
まずは、過去形で単純に書くならば、それは「祖父は5年前に死んだ」ということですから、
My grandfather died five years ago.
となります。
これを、現在完了形を使って書き換える問題。
案外難しいのです。
正解からまず示しますと、
My grandfather has been dead for five years.
となります。
直訳の日本語は、
「祖父は、5年間、死んだ状態である」
ということ。
日本人の感覚では永久に出てこない表現です。
日本語からの直訳で英文を作っていこうとすると、永久に正解できないのです。
5年間は死んだ状態であるが、いずれ復活する、ということなんですかね?
英語圏の土葬文化や、復活を信じるキリスト教文化の影響なのでしょうか。
「ゾンビ」という発想も、そういうものと関係がありそうです。
火葬文化の日本には、幽霊はいても、ゾンビはいないですよね。
それはともかく、日本の子どもたちは、そういう日本の発想で、以下のような間違った英文を作ってしまいがちです。
My grandfather has been died for five years.
「死ぬのは一瞬の動作ですから、現在完了には使えないんですよ」
「・・・」
そのような文法解説は、見るのも聞くのも大嫌いな子が多く、身につかないんです。
die が動作動詞であるなら、現在完了進行形ならばいいのか?
My grandfather has been dying for five years.
これは、文法的には間違っていないですが、意味が違ってきます。
die の進行形、be dying は、「死にかけている」「瀕死の状態である」ということになります。
おじいさんは、5年間危篤状態ということになり、生きています。
というわけで、die という動詞の形容詞形 dead は、必ず覚えなければならないのですが、それとあわせて、形容詞は、be 動詞とともに用いるという文法知識もなかなか身につかないので、
My grandfather has dead for five years.
という間違った英文を作ってしまう子もいます。
こういうミスが多いのです。
この典型題は、陳腐な典型題であるにも関わらず、いまだに攻略できない子が多いので、定期テストや大学入試に出題され続けるのです。
このブログに繰り返し書いてきたことですが、「難しいことを簡単にしたい」という欲望の強い子たちがいます。
勉強なんて、そんなに難しくないはずだ。
自分は、小学生の頃は、勉強ができた。
だから、もっと簡単になるはずだ。
簡単な教え方ができない先生が無能なのだ。
いや。
そこまで考えている子はさすがに少ないと思いますが、難しいことを、自分のやり方で簡単に「まるっとまるめ」ようとする子は、存在します。
そして、結局、間違い続けます。
複雑なことは、もともと複雑なので、複雑なまま理解するしかない場合があります。
この程度の難しさは、高校英語ならばもう仕方のない複雑さです。
そのように理解して受け止めれば、頭にスッとなじみやすくなる人も案外多いのではないかと思うのです。
というわけで、
My grandfather died five years ago.
=My grandfather has been dead for five years.
これは、しっかり覚えられたとして。
しかし、それだけで終わらないのが、この典型題の複雑さです。
他にも、あと3通り、この書き換えがあるのです。
まず、時を表す主語 it を用いた書き換えから。
It is five years since my grandfather died.
「祖父が亡くなってから、5年だ」
という文です。
上の文は、動詞が is で現在形ですが、これは、現在完了形で述べることもできます。
It has been five years since my grandfather died.
いずれにしても、since 節は、過去形です。
このあたりも混乱する人がいますので、要注意です。
since の後ろは、その状態・動作が始まった起点を表すので、それは過去のことですから、過去形で語ります。
さらに、書き換えは、もう1つあります。
Five years have passed since my grandfather died.
「祖父が死んでから、5年が過ぎた」
という文です。
five years は複数なので、has ではなく have になることも注意が必要です。
まとめますと、「祖父が死んで5年になる」には、5通りの表現があります。
My grandfather died five years ago.
My grandfather has been dead for five years.
It is five years since my grandfather died.
It has been five years since my grandfather died.
Five years have passed since my grandfather died.
さて、練習問題を解いてみましょう。
次の英文をほぼ同じ意味になるように書き換えた場合、( )に適語を補充せよ。
(1) We have been friends for five years.
=( )( )( ) passed since we ( ) friends.
上の5通りの文は理解したつもりでいるのに、こういう問題になると、応用がきかない・・・。
そういう悩みを抱えている人もいるかもしれません。
5通りの書き換えのうちのどれなのか、判断がつかない、というのです。
上の問題で言えば、2行目の passed が、ヒントです。
この単語を使うのは、主語が年数の場合のときです。
だから、
=(Five)(years)( ) passed since we ( ) friends.
までは、OK。
ただ、その後が案外埋まらない、という人もいます。
何か、この( )、無くても良くない?と思ってしまうようです。
3個目の ( ) は、何なのか?
時制は、現在完了だった、ということを思い出せば、大丈夫。
=(Five)(years)(have) passed since we ( ) friends.
です。
さて、最後の ( ) には、何を入れるのか?
ここで、we are friends とか、we were friends としてしまうミスも多いです。
since 節は、動作の起点です。
「友達である」ではなく、「友達になる」という表現が適切です。
したがって、正解は、
=(Five)(years)(have) passed since we (became) friends.
となります。
(2) It has been three years since she moved to this town.
=She ( )( )( ) this town ( ) three years.
さて、これも難しいですね。
よくある誤答が、
=She (has)(moved)(to) this town (since) three years.
というもの。
これは、よく意味を考えて、書き換える必要あります。
3年間も引っ越しを続けているのは、おかしいです。
彼女は3年間、この町に住んでいるはずです。
だから、正解は、
=She (has)(lived)(in) this town (for) three years.
です。
・・・もうわかんないから、諦める・・・。
どうか、そんなふうに、投げ出さないでください。
書き換えというと、元の文に出てくる単語と同じ単語しか使わないと思い込んでいる人がいますが、そんなことはありません。
「元の文と同じ単語じゃないのなら、わかるわけないじゃん!」とは思わないで。
わかるんです。
正解している人もいるんですから。
頭の表面のところで何か適当にくるくるっと処理して問題を解いていれば全部正解だった小学生の頃の成功体験は、もう忘れてください。
勉強は、もう少し深く考えるものです。
年齢とともに脳は発達しているのですから、より深く、複雑なことを学習できるのです。
英語は、知識の積み上げ、蓄積が影響します。
中学英語はさぼってきた。
あるいは、定期テストが終われば、全部忘れてきた。
でも、高校生になったから、今度は英語も頑張ろうと思ったのに、何だ、もうダメなんだ・・・。
そんなふうに、諦めないでください。
中学英語が身についていないことは、確かに大変なハンデですが、それは自分が招いたことなので、背負う覚悟を持ってください。
身についていなかったことは、1つ1つ、今から身につければ、間に合います。
英語が得意な人たちは、毎日英語を勉強してきたのです。
定期テストが終わっても、記憶を捨てず、反復してきたのです。
その努力が無効になるわけがないのです。
彼らは、はるか先にいます。
でも、今から努力すれば、その努力も、無効ではないのです。
ここから、頑張る。
そういう気持ちで、繰り返し練習してください。
3月7日、きれいに咲いていました。
さて本題。
現在完了は、今や中2で学習する文法事項になりましたが、高校生になっても、勿論、「時制」の学習で再び登場します。
特に有名な典型題が、「祖父が死んで5年になる」という文を書き換える問題です。
まずは、過去形で単純に書くならば、それは「祖父は5年前に死んだ」ということですから、
My grandfather died five years ago.
となります。
これを、現在完了形を使って書き換える問題。
案外難しいのです。
正解からまず示しますと、
My grandfather has been dead for five years.
となります。
直訳の日本語は、
「祖父は、5年間、死んだ状態である」
ということ。
日本人の感覚では永久に出てこない表現です。
日本語からの直訳で英文を作っていこうとすると、永久に正解できないのです。
5年間は死んだ状態であるが、いずれ復活する、ということなんですかね?
英語圏の土葬文化や、復活を信じるキリスト教文化の影響なのでしょうか。
「ゾンビ」という発想も、そういうものと関係がありそうです。
火葬文化の日本には、幽霊はいても、ゾンビはいないですよね。
それはともかく、日本の子どもたちは、そういう日本の発想で、以下のような間違った英文を作ってしまいがちです。
My grandfather has been died for five years.
「死ぬのは一瞬の動作ですから、現在完了には使えないんですよ」
「・・・」
そのような文法解説は、見るのも聞くのも大嫌いな子が多く、身につかないんです。
die が動作動詞であるなら、現在完了進行形ならばいいのか?
My grandfather has been dying for five years.
これは、文法的には間違っていないですが、意味が違ってきます。
die の進行形、be dying は、「死にかけている」「瀕死の状態である」ということになります。
おじいさんは、5年間危篤状態ということになり、生きています。
というわけで、die という動詞の形容詞形 dead は、必ず覚えなければならないのですが、それとあわせて、形容詞は、be 動詞とともに用いるという文法知識もなかなか身につかないので、
My grandfather has dead for five years.
という間違った英文を作ってしまう子もいます。
こういうミスが多いのです。
この典型題は、陳腐な典型題であるにも関わらず、いまだに攻略できない子が多いので、定期テストや大学入試に出題され続けるのです。
このブログに繰り返し書いてきたことですが、「難しいことを簡単にしたい」という欲望の強い子たちがいます。
勉強なんて、そんなに難しくないはずだ。
自分は、小学生の頃は、勉強ができた。
だから、もっと簡単になるはずだ。
簡単な教え方ができない先生が無能なのだ。
いや。
そこまで考えている子はさすがに少ないと思いますが、難しいことを、自分のやり方で簡単に「まるっとまるめ」ようとする子は、存在します。
そして、結局、間違い続けます。
複雑なことは、もともと複雑なので、複雑なまま理解するしかない場合があります。
この程度の難しさは、高校英語ならばもう仕方のない複雑さです。
そのように理解して受け止めれば、頭にスッとなじみやすくなる人も案外多いのではないかと思うのです。
というわけで、
My grandfather died five years ago.
=My grandfather has been dead for five years.
これは、しっかり覚えられたとして。
しかし、それだけで終わらないのが、この典型題の複雑さです。
他にも、あと3通り、この書き換えがあるのです。
まず、時を表す主語 it を用いた書き換えから。
It is five years since my grandfather died.
「祖父が亡くなってから、5年だ」
という文です。
上の文は、動詞が is で現在形ですが、これは、現在完了形で述べることもできます。
It has been five years since my grandfather died.
いずれにしても、since 節は、過去形です。
このあたりも混乱する人がいますので、要注意です。
since の後ろは、その状態・動作が始まった起点を表すので、それは過去のことですから、過去形で語ります。
さらに、書き換えは、もう1つあります。
Five years have passed since my grandfather died.
「祖父が死んでから、5年が過ぎた」
という文です。
five years は複数なので、has ではなく have になることも注意が必要です。
まとめますと、「祖父が死んで5年になる」には、5通りの表現があります。
My grandfather died five years ago.
My grandfather has been dead for five years.
It is five years since my grandfather died.
It has been five years since my grandfather died.
Five years have passed since my grandfather died.
さて、練習問題を解いてみましょう。
次の英文をほぼ同じ意味になるように書き換えた場合、( )に適語を補充せよ。
(1) We have been friends for five years.
=( )( )( ) passed since we ( ) friends.
上の5通りの文は理解したつもりでいるのに、こういう問題になると、応用がきかない・・・。
そういう悩みを抱えている人もいるかもしれません。
5通りの書き換えのうちのどれなのか、判断がつかない、というのです。
上の問題で言えば、2行目の passed が、ヒントです。
この単語を使うのは、主語が年数の場合のときです。
だから、
=(Five)(years)( ) passed since we ( ) friends.
までは、OK。
ただ、その後が案外埋まらない、という人もいます。
何か、この( )、無くても良くない?と思ってしまうようです。
3個目の ( ) は、何なのか?
時制は、現在完了だった、ということを思い出せば、大丈夫。
=(Five)(years)(have) passed since we ( ) friends.
です。
さて、最後の ( ) には、何を入れるのか?
ここで、we are friends とか、we were friends としてしまうミスも多いです。
since 節は、動作の起点です。
「友達である」ではなく、「友達になる」という表現が適切です。
したがって、正解は、
=(Five)(years)(have) passed since we (became) friends.
となります。
(2) It has been three years since she moved to this town.
=She ( )( )( ) this town ( ) three years.
さて、これも難しいですね。
よくある誤答が、
=She (has)(moved)(to) this town (since) three years.
というもの。
これは、よく意味を考えて、書き換える必要あります。
3年間も引っ越しを続けているのは、おかしいです。
彼女は3年間、この町に住んでいるはずです。
だから、正解は、
=She (has)(lived)(in) this town (for) three years.
です。
・・・もうわかんないから、諦める・・・。
どうか、そんなふうに、投げ出さないでください。
書き換えというと、元の文に出てくる単語と同じ単語しか使わないと思い込んでいる人がいますが、そんなことはありません。
「元の文と同じ単語じゃないのなら、わかるわけないじゃん!」とは思わないで。
わかるんです。
正解している人もいるんですから。
頭の表面のところで何か適当にくるくるっと処理して問題を解いていれば全部正解だった小学生の頃の成功体験は、もう忘れてください。
勉強は、もう少し深く考えるものです。
年齢とともに脳は発達しているのですから、より深く、複雑なことを学習できるのです。
英語は、知識の積み上げ、蓄積が影響します。
中学英語はさぼってきた。
あるいは、定期テストが終われば、全部忘れてきた。
でも、高校生になったから、今度は英語も頑張ろうと思ったのに、何だ、もうダメなんだ・・・。
そんなふうに、諦めないでください。
中学英語が身についていないことは、確かに大変なハンデですが、それは自分が招いたことなので、背負う覚悟を持ってください。
身についていなかったことは、1つ1つ、今から身につければ、間に合います。
英語が得意な人たちは、毎日英語を勉強してきたのです。
定期テストが終わっても、記憶を捨てず、反復してきたのです。
その努力が無効になるわけがないのです。
彼らは、はるか先にいます。
でも、今から努力すれば、その努力も、無効ではないのです。
ここから、頑張る。
そういう気持ちで、繰り返し練習してください。
Posted by セギ at 14:37│Comments(0)
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