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2024年06月22日

中2「不定詞」で、英語の語順の感覚は転換点を迎えます。

中2「不定詞」で、英語の語順の感覚は転換点を迎えます。

今回は英語の話です。
それまで英語を楽しく勉強し、得意教科であった子が、中2の「不定詞」でつまずいてしまうことがあります。

例えば、乱文整序問題で、こういった間違った英文を作ってしまいます。
(1) 彼女は自分の部屋を掃除し始めた。
She started clean to her room.

(2) 英語の歌を歌うことは私には難しい。
English songs sing is for difficult to me.

(3) 私たちはあなたと話すためにここにいます。
We are talk with you to here.

(4) 私は電車で読む本を買った。
I read to a book on the train bought.

不定詞とは「to+動詞原形」のことだと最初に教わっても、それまで学習していた英語ではありえない語順を脳が受け入れないのか、どうしても上のような語順になってしまう様子です。

でも、以下のような問題ならば、正解できるのです。
(1) 私は野球をするのが好きだ。
I like (  )(  ) baseball.
(2) 私はピアノをひきたい。
I want (  )(  ) the piano.

これらは当然、
I like (to)(play) baseball.
I want (to)(play) the piano.
と正解できます。

しかし、こうした基本問題から習得している内容が、
「to+動詞原形」という不定詞の語順ではなく、
「like to 」「want to 」
という語順である可能性は高いです。
to は、あくまで動詞の後ろにあるものとして把握しているのです。
それまで学習した to がそうだったからでしょう。
I go to school. とか、
She listens to music. とか。
前置詞の to しかそれまで見たことがなかったので、それが「正しい英語の語順」として認識されているのだと思います。
英語を感覚で覚えようとするときに、そこで1つの限界が訪れます。

小学校で学んだ英語。
中1で学んだ英語。
それらが、その子にとっての正しい英語の語順です。
そうではない語順は、間違った語順と認識してしまうのでしょう。
それが、その子の「文法」なのだと思います。

英語の構造は実はシンプルです。
文法の通りに、正しい語順で、単語をポンポンポンと入れていくだけです。
そういうアプローチのできる子、そういうことに開眼した子は、爆発的に伸びていきます。
文法を理解すればするほど、英語は簡単に思えてきます。

ところが、文法的に英語を把握することができない子がどうしても多いのが実状です。
I want something to drink.
という英文はすっと作れたりするのですが、それは、何度も見たことのある英文だからです。
構造を把握しているのではなく、1文を丸ごと覚えているのです。
応用はききません。
見たことのない英文は、日本語の語順で単語を並べます。
複雑な文になるほど、そうなってしまいます。
それが、一番上の (1) から (4) のような誤答です。

独りで勉強していると、そこで行き詰まってしまいます。
自分の誤答が、なぜ誤答なのか、わからない。
正解を見れば、ああそうかと思うけれど、どうしてそれが正解なのか、理解できるわけではない。
文法がわからないので、伸びようがないのです。

学校のワークや市販の問題集は、不定詞の学習といっても、上のような、
I like (to)(play) baseball.
I want (to)(play) the piano.
といった基本問題が多く、不定詞の語順を理解していないことを本人が自覚できるレベルの問題が少ないのが難点です。
1問2問はそういうレベルのものがあっても、それはちょっと難しい問題だっただけなので、まあいいやとスルーしがちです。
わかっていないのに、わかっているように感じ、そして、テストで失敗してしまいます。

ここを乗り越えていくには、間違えるレベルの問題をあえて演習することが必要です。
間違えて、間違えて、間違えて。
自分の感覚ややり方では、正解は出ないと自覚するまで間違えることです。
そのとき、
「自分はダメなんだ」
ではなく、
「自分の解き方では、ダメなんだ」
と理解することです。
この2つは混同されがちで、それで英語が嫌いになり諦めてしまう子も多いですが、勉強のやり方や解き方が違うだけで、能力が低いわけではない。
そこは勘違いしないでほしいのですが、独学では、そこを勘違いして挫折しがちです。
感覚で解いているから正解できないだけで、理屈で解けば簡単なのです。
自分の感覚に固執せず、何をどう間違えているのか理解し改善できれば、正解できるようになります。

ちなみに、一番上の問題の正解は、
(1) 彼女は自分の部屋を掃除し始めた。
She started to clean her room.

(2) 英語の歌を歌うことは私には難しい。
To sing English songs is difficult for me.

(3) 私たちはあなたと話すためにここにいます。
We are here to talk with you.

(4) 私は電車で読む本を買った。
I bought a book to read on the train.




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    Posted by セギ at 13:18│Comments(0)英語
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