2022年07月05日
高校英語。否定・倒置。「Aして初めてBする」

「Aして初めてBする」という形の文の構造を今回は考えてみます。
まずは基本の形。
I didn't know he was homesick until I talked with him.
私は、彼と話すまで、彼がホームシックだと知らなかった。
上のは直訳で、別にそれで不自然ではないのですが、これは、
「私は彼と話して初めて、彼がホームシックだとわかった」
と訳しても、同じ意味です。
そして、この訳し方をすることが和訳の慣例となっています。
「Aして初めてBする」という構造で考えた場合、A内容は、until 節です。
「私は彼と話した」という内容になります。
B内容は、主節。
「私は彼がホームシックだとわかった」という内容になります。
この場合、否定語を切り離して、A内容、B内容を肯定文として把握してください。
これをまずは、強調構文にします。
強調構文というのは、強調したい内容を、It is ~that で挟むやり方です。
今回、強調したい内容は、 until I talked with him というuntil 節です。
ただし、元は否定文なので、否定文で挟みます。
すなわち、
It was not until I talked with him that I knew he was homesick.
こちらのほうが、A内容が先、B内容が後なので、「Aして初めてBする」の訳にあてはめやすいと思います。
全体が否定文なので、It was not ~that で強調することだけ忘れなければ、作りやすいと思います。
これで、「私は彼と話して初めて、彼がホームシックだとわかった」という意味です。
これだけなら良いのですが、言いたいことを強調する方法は、強調構文だけではありません。
倒置によって強調することも可能です。
これも、否定語 not を先頭に立てます。
すると、否定語句の強調のルールの通りの倒置が起こります。
倒置には、文型によって様々な倒置のパターンがありますが、否定語句の強調による倒置は倒置の中でも花形ですので、特に力を入れて覚えましょう。
「否定語・助動詞・主語・動詞」
この順で並べます。
すなわち、
Not until I talked with him did I know he was homesick.
「私は彼と話して初めて、彼がホームシックだとわかった」
Not until I talked with him までが否定語句。
次は、助動詞。
一般動詞の文で、助動詞が用いられていない場合は、do,does,did を助動詞として用います。
今回は過去の文なので、did を用いました。
次は、主語 I。
先ほどの did が過去の意味を背負ってくれたので、その後の動詞は原形に戻っています。
整理しましょう。
B until A. の元の形の文。(ただしBは否定文で、直訳は「AするまでBしない」)
It was not until A that B. の強調構文。
Not until A did B. の否定構文。
「Aして初めてBする」の文は、この3通り。
どれからどれへの書き換えも可能にしておくと、楽になります。
本来Bについていたはずの否定語 not が、強調するとA内容を否定しているように見えることに違和感があり、覚えられない人が多いかもしれません。
また、このあたりのことを学習するのが学年末であることが多く、高校の先生も大急ぎで授業するため、特にわかりにくいところであるのにあまり時間をかけて教えてもらえないという悲劇も起こりやすいです。
自分で意識して、3通りの文を言えて書けるようになっておいてください。
例文の丸暗記をするのも1つの手ですが、その場合、品詞と構造に注意を払って、他の意味の文への転換が可能な形で暗記してください。
その文しか復元できない、お経のような丸暗記はあまり役に立ちません。
あるいは、上のように文法的な把握から、3通りの文を論理的に復元できるようにしておくのもよいと思います。
Posted by セギ at 12:19│Comments(0)
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