たまりば

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2021年08月14日

映画で英語を学びましょう。『ボヘミアンラプソディー』。

映画で英語を学びましょう。『ボヘミアンラプソディー』。

生の英語を聴き取る力を鍛えるには、ドラマや映画を英語音声で見るのが楽しくもあり、勉強もできて一石二鳥です。
しかし、あまりにも早口だと聴き取りづらく、何にも楽しくありません。
適度にゆっくりで、単語も平易で、聴き取りやすい映画。
これまでの私のイチオシは『ノッティングヒルの恋人』だったのですが、それを上回る易しく聴き取りやすい映画を見つけました。
『ボヘミアンラプソディ』です。

日本人の耳には、アメリカ英語よりもイギリス英語のほうが聴き取りやすいです。
この映画は、ハリウッド俳優が頑張ってイギリスのアクセントで話そうとしているので、未曽有の聴き取りやすさを実現しています。
人間、不自然なことをやると、口調はゆっくり正確になります。

地上波でも放映されたので、ブルーレイが値下がりし、お求めやすくなっています。
フルーレイなら、英語音声でわからない部分は、英語字幕で確認できます。
それを繰り返すことで、字幕なしでも英語が聴き取れるようになっていきます。

この映画は、2018年晩秋に公開され、口コミで評判が広がり、若いクイーン・ファンが増え、ちょっとした社会現象になりました。
普通に洋楽が好きで、クイーンと同時代を生きたおじさん・おばさんにとっては、嬉しいけれど何だかちょっと話がズレたりもしました。
「ウエンブリースタジアムのライブ?1986年の?」
「違いますよ。1985年のライブエイド。世界最大規模のライブだったんでしょう?」
「・・・でも、フレディ・マーキュリーのこのポーズは、86年のウエンブリースタジアムのライブCDのジャケットじゃないの?」
「違います」
「・・・そう?」

何しろ昔のことなので、こちらの記憶違いもあるし、若い子の突然の熱量がよくわからないし。

いや、そんな個人的戸惑いはどうでもいい。
大切なのは、映画の中で語られる英語。
英語学習に適した英語がたくさん話されています。

まずは、ボーカルが脱退した直後の、ブライアンとロジャーの会話から。
ブライアンのセリフ。

There was room for improvement.
改善の余地はあった。

room は、「部屋」という意味だけを覚えるのではなく、このような漠然とした「空間」としての意味を理解すると、英語理解の幅が広がります。
それは、現実の空間のこともあれば、上の文のように抽象的な空間のこともあります。
空間は数えられないので、冠詞 a はつきません。
動詞 improve とその名詞形 improvement は、長文問題によく出てくる基本単語なので、絶対に覚えたい。
何かもう、冒頭から英語学習的にわくわくします。

続いては、ちょっと離れた場所のライブに出演するために車で移動中、その車が故障かパンクかして道路で立ち往生している場面。
ジョンが修理をしているところに、ブライアンが声をかけます。

It's counterclockwise.
反時計回りだよ。

この単語は、長文に必出というわけではなく、使い道もそんなにないけれど、聴き取れると何だか嬉しい。
この映画では明瞭に聴き取れます。

さらに同じ場面での、ロジャーのセリフ。

We sold out every pub and uni south of Glasgow and I'm stuck in the middle of nowhere, eating a ham sandwich.
南グラスゴーのあらゆるパブと大学でチケットは完売なのに、自分は、どこでもない中にはまって、ハムサンドを食べている。

英語というのは、本当に事実を直截に語る言語だなあとこんな文を見ると思います。
直訳しましたが、後半は、「こんなところで足止めされて」などと訳したほうがニュアンスが伝わると思います。
近年、和訳問題の出題される大学は減ってきています。
国立大学の二次試験でも、傍線部を正確に訳す問題よりは、本文から読み取れることを100字程度の日本語にまとめる問題が見られるようになってきました。
逐語訳にこだわるよりも、本当に内容を理解できているかが重要。
和訳問題特有の「日本語に訳す際の作法」みたいなものを教える必要がなくなり、直訳で意味をダイレクトに把握できればそれでよくなってきました。
意味不明な直訳はダメですが。
うちの塾の授業では、和訳から逆に英文を復元する練習をします。
その練習のためにも、生徒に和訳を渡すときには、直訳気味にすることが増えてきました。
高校の定期テストでも和訳問題は激減していますので、直訳を生徒に渡しても、その直訳をそのまま答案に書いたら減点された、といったクレームの心配がなくなり、助かります。

さて上の文ですが、「be stuck in ~にはまる」という重要表現が含まれているのも嬉しいですが、何よりも、これは分詞構文です。
分詞構文は、従属節の接続詞と主語を省略し、それらを省略した証拠に、動詞をing形にしているもの。
省略されている接続詞の種類によって、分詞構文の意味は5通りに分けられます。
「時・理由・条件・譲歩・付帯状況」
これはもう、お経のように丸暗記しておくと便利です。
その中で、主節の後ろにつけられているものは、大抵、付帯状況です。
そして、長文問題でも、分詞構文が使われている場合、多くは主節の後ろに置かれてあり、意味は付帯状況です。
上のセリフもそうですね。
どこでもない中にはまってしまっていることと、ハムサンドを食べていることは、同時動作。
付帯状況とは、「同時動作・連続動作・1つの動作が他の動作の一部である場合」など。
同時に起きている動作や状況を説明するときに分詞構文を使えばよいのです。
ざっくり理解すればかえってわかりやすいのが分詞構文です。

さて、映画では、自費レコーディングをしているところをレコード会社の人が見かけたことをきっかけに、クイーンのデビューが決まります。
マネージャーが、4人に問いかけます。

So tell me what makes Queen any different from all the other wannabe rock stars I meet?
では、私が出会う他のロックスター志望者とクイーンは何が違うのか、教えてくれ。

SVOOの文です。
ただし命令文なので、Sである you は隠されていて存在しません。
tell がV、me がO。
そしてその後ろの間接疑問文がもう1つのOです。
さらに、その間接疑問文の構造は、SVOC。
疑問詞である what がS、makes がV、Queen がO、different がCです。
「何がクイーンを他のロックスター志望者との違いを作っているのか」が直訳です。
そして、その all the other wannabe rock stars をさらに関係代名詞節 I meet が修飾しています。
複雑な構造の文のように感じますが、前からどんどん意味を取っていけば、ごく自然に内容を理解できます。

ただし、和訳することに慣れていない子は、こういう文を訳すことができないことが多いのです。
和訳がテストに出る学校でなくても、塾の授業で和訳はしてもらいます。
それは、本当に英文の意味を取れているかどうかを確認するためです。
日本語として自然であることは求めていません。
前から順番に部分的に訳せば良いと言っています。
しかし、それができない子もいます。
「私に教えて・・・クイーンが・・・違いが・・・ロックが・・・私が会う・・・」
それきり、沈黙してしまうのです。
訳そうとして、ここはあとまわし、ここもあとまわし、あとまわし、あとまわし、としているうちに混乱し、黙り込んでしまう・・・。

日本語と英語の構造的な違いを意識しているならまだよいのですが、英語本文と和訳の順番が違うことの理由がわかっていない子もいます。
「訳すときは順番を変えるらしい」とだけ認識しているのです。
その理由も、どう変えるのかも、理解していません。
意味のわかる単語を拾って、何となく組み合わせれば訳したことになると漠然と夢見ているような子は、案外たくさんいます。
どの子も、学年が上がると、どんどん英語不振に陥っていきます。
英文の意味がわからないのです。
自力で英文を読む手立てがありません。
個々の単語の意味がすべてわかっても、それでも訳せない。
そういう意味では、和訳問題は文法問題です。
だから、和訳できる子は、単語力も文法力も兼ね備えています。
英語力があります。
そういう旧来の考え方も理解できるのです。
英語を日本語に訳せる子は、英語がわかっています。
それは間違いないことです。

ただ、逐語訳へのこだわりが強く、それでいちいち減点されたり、直訳してよいか意訳すべきかといった入試テクニック的なところに集約されてしまうのが、和訳問題のつまらないところです。

かなり場面は飛んで、映画は後半へ。
フレディの取り巻きであるポールと、フレディとの最後の会話のシーン。
ポールは、フレディを独占したい思いが強く、他のメンバーとフレディとの間に亀裂を走らせた人物です。
長い間には、そういう人の1人や2人は現れるものだから、複数の人間を集約させたのだと思っていたら、実在する人物でした。
他のメンバーを遠ざけ、フレディの永遠の恋人メアリーを遠ざけ、誠実なマネージャーを遠ざけ、フレディを独占しました。
フレディを心配するメアリーが遠路ミュンヘンまで訪れ直言することで、そのことにようやく気づいたフレディとポールの会話。

フレディ
Why didn't you tell me about Live Aid ?
なぜ、ライブエイドについて話さなかった?

ポール
It'll be an embarrassment.
恥さらしだ。
I didn't wanna waste your time.
時間を無駄にしてほしくなかった。

wanna は、英語の教科書には全く出てこないですが、want to の口語表現です。
waste 「無駄にする」は覚えてほしい重要単語です。

クイーンがライブエイドに出演することを「恥さらし」と言うポールに、フレディは既に暗澹たる思いですが、さらに言います。

フレディ
You should have told me.
言うべきだった。

これは、高校の英語表現「助動詞」の学習の中でも必出の文法事項です!
助動詞+have+過去分詞です。
過去の出来事についての現在の判断を述べる文です。
You should tell me.ならば、「私に言うべきだ」という意味です。
現在の事実について現在の判断をしているだけです。
しかし、「過去に言うべきだったのに、あなたには言わなかったね」と言いたいとき。
You should told me.
では、間違いです。
助動詞の後ろは、動詞は原形にしなければなりません。
だから、助動詞の後ろを現在完了形にします。
このことで、過去の出来事に対する現在の判断を示します。

そのフレディの言葉に対するポールの返事も、文法的に熱い。

ポール
Of course I did.
勿論話したよ。
You forgot.
忘れたんだね。
You're always forgetting things.
君は、いつも忘れてばかりいる。

うわー、嘘をつき始めた。
ポール、最悪。

それはともかく、文法的に熱い箇所は、
You're always forgetting things.
です。
「時制」がテスト範囲のときは、この文法事項はテスト必出です。
現在進行形は、基本的には、現在の時点での動作を表します。
しかし、他にも意味があります。
まず、近い未来の予定。
特に、出発や到着の意味の動詞で用いられることが多いです。
さらに、上の文のような意味。
always とともに用いられることが多いです。
「いつも~してばかりいる」という意味です。
話し手・書き手の何らかの感情が付加されていて、非難であることが一番多いです。

さて、ポールとしては、自分の言葉がフレディを説得できていないと気づいたからか、今度は脅迫してきます。

ポール
After everything we're been through ?
何もかも経験した後で?
Just think of the photos I have.
僕が持っている写真のことを考えろ。
I know who you are , Freddie Mercury.
僕は、君が何者であるか知っている、フレディ・マーキュリー。

be through は「経験する」。
think of ~は、「~について考える」。
I know who you are.
これも、間接疑問文。

英語学習的に熱いですが、言っている内容は、最低だ、ポール。

これに対するフレディの返事がとても良い。

Do what you like with your photographs and your stories.
写真でも文章でも、好きにしろ。
But promise me one thing that I never see your face again.
でも、1つ約束しろ。2度と顔を見せるな。

関係代名詞が効いてる!
関係代名詞 what は、中学では学習せず、高校で突然出てくるせいか、全く理解しないまま高校を卒業していく子もいます。
中学英語でキャパオーバーとなったのだろうか・・・。
高校の英文法は、質・量ともに多いですから、気持ちはわかるのですが、本人の中に、中学英語までが大切な英語で、高校英語は難しいから実際は使わないんじゃないかという誤解があるようにも感じます。
・・・めちゃめちゃ使いますよ。
2つ目の文の that は、同格の that。
「1つのこと」の内容を具体的に説明しています。

その後、本当に暴露本を出してしまうポールには空いた口がふさがらないわけですが、そのポールがテレビ出演しているのをしっかり見ているフレディも、なかなか凄い。
そして、ポールが自分を「パキスタン人の少年」と称したのを見て、本当に何1つ自分のことを理解していない相手だったと思い知ります。
表情だけでそれが伝わる、良いシーンでした。
映画冒頭、飛行場で働くフレディに「落としたぞ!パキスタン人!」と怒鳴る男にフレディが抗議する場面が、伏線として効いています。

そのテレビ番組を見ながら、フレディはマネージャーに電話します。
その電話を受けたときの、マネージャーの、
Freddie, how are you ?
は、ぜひとも原語で聴いてほしいところ。
もうその一言だけで、マネージャーがどんなにフレディを好きか、どんなに尊重しているか、だだもれです。
このマネージャー、最初はクイーンの法律関係のことを担当するために雇われた弁護士で、ロックなんか興味ない人のようでしたが、どんどんクイーンに魅了されていく様子が、映画の中で丁寧に描かれています。
実際、クイーンにとって良い存在だったのだろうと思います。
ただ、この映画のプロデューサーの1人だという事実を知ったときは、ちょっと笑ってしまいました。
勿論、好意的な笑いです。
いいぞ、頑張れ、ジム・ビーチ!

とはいえ、相談なくソロアルバムの契約をし、メンバーを罵って去ったフレディに対し、他のメンバーが激怒していることもよく承知しているマネージャーです。
クイーンとしての契約よりも、フレディ1人の契約のほうが高額という事実もメンバーとしてショックならば、フレディが、誰も必要ないと言い切ったのも、バンドとして絶望的な状況です。
フレディが、バンドに戻りたいと言うのに対し、マネージャーは、

Freddie, they don't want anything to do with you.
フレディ、彼らは、君とは関わりたくないよ。

と答えます。
この to do with の使い方、覚えておくと得ですよー。
長文でよく出てきますよー。
have noting to do with ~で、「~とは関係ない」といった表現も多く出てきます。

とはいえ、ここまでは、映画はゴキゲンに聴き取りやすかったのですが、フレディと他のメンバーが、マネージャーのオフィスで久しぶりに会った際の会話は、びっくりするくらい聴き取れなくて、え、と思いました。
例によって、私は、「英語での悪口」の語彙が弱い。
罵倒の言葉の意味があまりよくわかっていない。

学校英語の弱点かもしれません。
学校英語には、学校英語の課題があります。

一方、今は、学校でよりも外部で英語を学んでいる子が多くなり、その方面での課題もあります。
YouTube で英語を学んでいるという生徒がうちの塾にいます。
学校のテスト対策として、週1回、うちの塾でも英語を学んでいますが、英語を学ぶ軸足はYouTubeにあるようです。
そうなると、どうなるか?
発音は、とても良いのです。
文法問題の宿題の解答を読み上げるのもスムーズです。
しかし、文法ミスが異様に多いのです。
特に、前置詞と冠詞は、存在すら知らないのではないかと疑いたくなるほど、身についていません。

本人の解答に前置詞と冠詞がないことを、私は解答の音読を聴いていて気づくのです。
前置詞や冠詞は、発音する際にそんなに強調されるところではありません。
音声としてはほぼ聴き取れないです。
しかし、ネイティブは、前置詞や冠詞の存在を意識して発声しています。
日本人の耳には聴き取れなくても、そこに、「本来その音が存在するための隙間」は存在します。
その子の解答の音読にはそれがないのです。
前置詞や冠詞がそもそも答案に書かれていないことは、解答の音読を聞けばわかります。
私でもわかることに、ネイティブが気づかないはずがありません。
本人は英語、特に音声英語が得意なつもりでいるのに・・・。
このままでは、一生、カタコト英語の人です。

前置詞や冠詞が全く存在しない英文でも、勿論、ネイティブの人は理解してくれるでしょう。
それは、助詞がほぼ存在しない日本語を外国人が話しても、日本人がそれを理解するのと同じです。
それでいいなら、それでいい。
私が教えているのは、しかし、受験英語です。
この先、例えば定期テストや英検のライティングで、あるいは、入試の英作文で。
前置詞や冠詞の存在しない英文しか書けないとなると、どれほど減点されることになるか。
本人は英語が得意なつもりでいるのに、英語が得意科目として通用しなくなる近い将来に向け、繰り返しその話はしているのですが、改善はなかなか難しいです。

話が逸れました。
私がほとんど聴き取れず、英語字幕を熟読することになったセリフは、以下のものです。
フレディがメンバーに向けて語るセリフでした。

I've been hideous.
I know that and I deserve your fury.
I've been conceited …selfish.
Well, an asshole basically.

うーん。
selfish はわかるし、状況からみて、フレディが反省の弁を述べているのもわかるから、まあ映画を見ているうえでの不都合はないのですが。
そして、文字としてみると、音として聞くよりは、わかります。
I deserve your fury.
deserve は、「~に値する・受けるに足りる」という意味の動詞。
「おまえたちの激怒を受けるにたりる」という意味ですね。
全体の訳は、
「おれはずっと嫌な奴だった。おまえたちが激怒するのは当然だとわかっている。ずっと自惚れていて、利己的だった。基本的に、クソだ」

ともかく、そんな反省の弁では全く心を動かさないメンバーたちに向け、フレディは言います。

What's it gonna take for you all to forgive me ?
どうすれば、許してくれるのか。

これに対するブライアンのセリフは、心が一瞬で冷えるものでした。

Is that what you want, Freddie ?
それが望んでいることか、フレディ。
I forgive you.
おまえを許す。
Is that it ?
それでいいか。
Can we go now ?
もう帰っていいか。

さすが知性派ブライアン。
これほどの断絶はありません。
メンバーが激怒した理由は、フレディの言動がクソだったからではない。
そんなのは、ずっとそうでした。
メンバーが心底怒った理由は何だったのか?

フレディは、ここで頑張ります。
ミュンヘンでソロアルバムを作った経験を語り始めます。

I went to Munich.
俺はミュンヘンに行った。
I hired a bunch of guys.
大勢の人間を雇った。
I told them exactly what I wanted them to do.
彼らに何をしてほしいかを正確に話した。
And the problem was …they did it.
問題は、・・・彼らがそれをやることだ。
No pushback from Roger.
ロジャーの反発がない。
None of your rewrite.
ブライアンの書き直しがない。
None of his funny looks.
ジョンのしかめ面がない。
I need you.
おまえらが必要だ。

こんなに簡単な英語で、こんなに深いことが語れる。
凄い。


以前も書きましたが、英作文が苦手な生徒に、何を書きたいのか日本語で説明してみてというと、その日本語が難しいことが多いのです。
その日本語の直訳である英単語を知らない。
その日本語をどのような構造の文で語ればよいか、わからない。

例えば、「ファストフードをよく利用することについてあなたは賛成か反対か」といった平易な課題でも、何も書けなくなってしまう子はいます。
本人は、ファストフードの利用に反対の意見を述べたい。
それは賛成でも反対でも構わないのです。
問題は理由です。
「栄養面の偏りが気になる」
というのです。
そして、それを英語にできずに困っているのでした。

「・・・それは、『ファストフードは、野菜が少ない』と説明すれば十分なのでは?」
そう助言しても、えー、そんなのでいいのかなあ、自分はそんなのではない英語で説明したいなあと暗い顔をしてしまうのです。
「栄養」という単語すら知らないんだから、仕方ないのですが。
その子の望む直訳の英語を教えてあげれば、顔を輝かせてそれをノートに書き取り、「良い授業を受けた」と喜ぶのかもしれませんが、自力で合格点のライティングを書けるようにはなりません。
差し迫った英検の期日までに、今の語彙力で、合格点の英作文を書けるようにするには、言いたいことを平易な英語に言い換える発想の転換が必要となります。

難しい単語を知っているから偉いんじゃない。
易しい言葉で難しいことを語れるほうが凄いんですよ。
そして、映画の脚本は、易しい単語で難しいことを語る宝庫です。

映画はここから佳境に入りますが、今回はここまで。





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    Posted by セギ at 13:21│Comments(0)英語
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