たまりば

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2021年04月06日

高校英語。話法。直接話法と間接話法。平叙文の伝達。

高校英語。話法。直接話法と間接話法。平叙文の伝達。

さて、今回は話法です。
話法には、直接話法と間接話法があります。
直接話法は、発言者の実際のセリフをそのまま伝える方法です。
日本語では、「 」というカギカッコを用いて伝えます。
英語では、" "というダブルクォーテーション・マークを用います。

He said to me, "I want you to play the piano for me."
彼は私に、「君に僕のためにピアノを弾いてもらいたい」と言った。

彼が実際に口にしたセリフそのまです。
これが直接話法です。
子どもでも使える話し方です。
聞いたセリフをそのまま繰り返せばよいのですから。
臨場感がある一方、少し幼い印象もある話法です。


これを間接話法に変えると、
He told me that he wanted me to play the piano for him.
彼は私に、自分のために私にピアノを弾いてほしいと言った。

この文を言っている、または書いている「私」の立場から、彼のセリフを組み直して語っているのがわかると思います。
これが間接話法です。
人間関係を正しく把握して、人称代名詞を使いこなしているので、少し上級感があります。

当然、「話法」のテストでは書き換え問題が中心となります。
どのように書き換えているか、もう一度並べて見てみましょう。

He said to me, "I want you to play the piano for me."
He told me that he wanted me to play the piano for him.

まず、文全体の主語は、これは変えようがありません。
次に、伝達動詞。
say を tell に変えていることに注意が必要です。

これは、伝達相手が明示されていない場合は、say のままでよいのです。
I said, "I am tired."
=I said that I was tired.
です。

しかし、誰に語ったのかが示されている場合は、動詞を say から tell に変えます。
過去形ならば、said から told に変えます。
say は、「誰々に」という意味を付け加えるときは、say to 誰々という形になりますが、tell は他動詞なので、前置詞は不要です。
こうした細かい知識も必要となります。

次に、伝達内容の中の人称代名詞を変えます。
これは、人間関係を考えて変更していかなければなりません。
彼が私に語ったセリフの中の「私」とは、誰なのか。
それは、「彼」でしょう。
彼が私に語ったセリフの中の「あなた」とは、誰なのか。
それは、「私」でしょう。
そうしたことを考えて、人称代名詞を変えていく必要があります。
ケアレスミスが頻出するところです。

さらに、時制の一致。
直接話法ならば、言ったセリフそのままでいいですが、間接話法は、時制の一致が必要です。
主節が過去形ならば、that 節もそれにあわせて時制を一致させなければなりません。

He said, "I don't like that idea."
=He said that he didn't like that idea.

また、主節が過去時制で、伝達内容も過去だった場合は、伝達内容は、発話したときよりもさらに過去のときのことですから、大過去となります。
Mike said to me, "I took my brother to the zoo."
=Mike told me that he had taken his brother to the zoo.

これだけでは終わりません。
伝達内容の「時」「場所」「指示語」にも神経を払う必要があります。

He said, "I will come back here tomorrow."
=He said that he would come back there the next day.

伝達内容の「時」は、
now は then に。
today は that day に。
yesterday は the day before また the previous day に。
tomorrow は the next day または the following day に。
last night は the night before または the previous night に。
next week は the next week に。
three years ago は three years before に。

伝達内容の「場所」は、
here は there に。

伝達内容の「指示語」は、
this は that に。

こうした細部まで気をつけて書き換えていかなければなりません。
これまでの総合力を試されているのを感じると思います。


近年、こうした細かい文法事項に関する問題は入試でも定期テストでも出題が減ってきているのは事実です。
そのため、こうした基本的な文法練習を軽視する人もいます。
文法問題より、リスニング、リーディング、そしてライティングが、ペーパーテストでは多く出題されるし、重要だ、というのです。
それはその通りなのですが、しかし、ライティングは、文法力が問われます。

例えば、都立高校の入試問題で毎年出題される、3つの英文を書く問題。
何かテーマを与えられ、それについて、3つの英文で説明します。
英作文ですから、勿論、内容も重要です。
テーマに沿った内容であるか。
筋道の通った内容であるか。
そうした観点から、加点されます。
しかし、その加点の後、減点されるということを知らない子は案外多いです。
単語のスペルミス1つにつき、1点減点。
文法ミス1つにつき、1点減点。
内容が伝わらないほどのひどい文法ミスならば、そもそも加点がありません。
結局、正しいスペルで、正しい文法で英文を書く力がないと、英作文の得点はパッとしないのです。
しかも、英作文の配点は、テスト全体の中でかなり高い。

都立自校作成校になれば、英作文は、3文では済みません。
50語、100語といった単語数で英作文を要求されます。
さらに、大学入試になると、200語程度の英作文が2問、といった場合も少なくありません。

英検もそうですね。
3級以上は英作文があり、要求される語数はどんどん上がっていきます。

正しい文法で書いていない英文は、内容が伝わりません。
加点はなく、減点ばかりが増えていく。
英作文には、単語力と文法力が必要です。

いきなり正しい英文を書けるわけがありません。
文法の基礎練習の中で、自力で書くことのできる英文を地道に増やしていくのが、遠回りのようで近道です。





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    Posted by セギ at 12:13│Comments(0)英語
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