たまりば

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2020年10月14日

高校英語。仮定法。仮定法とは何か。

高校英語。仮定法。仮定法とは何か。

さて、今回は仮定法。
高校の授業が「仮定法」に入ると、「全くわからない」と塾で訴える子が多くなります。
心の準備なく、いきなり仮定法を学習すると、何がどうしてそうなるのか、全くわからない、ということがあるようなのです。
前提がわからないので、「仮定法過去の例文から見ていきましょう」といった授業を聞いても、何にもわからないのでしょう。

こうした状態は、仮定法で最も顕著ですが、人によっては仮定法よりも前の単元でも起こります。
先日、中学生に、動名詞と不定詞の使い分けについて授業をしたときも、そうでした。

①動名詞のみを目的語にとる動詞。
②不定詞のみを目的語にとる動詞。
③動名詞・不定詞の両方を目的語にとり、意味も変わらない動詞。
④動名詞・不定詞の両方を目的語にとるが、意味が異なる動詞。

この4通りのそれぞれについて解説し、動詞によって使い分けることを強調し、さて、それでは練習問題を解いてみましょう、と声をかけましたが、全くペンが動かないのです。
完全に固まっていました。

見分け方がわからないのかと、1問1問、補助し、一緒に解こうとしても、答を書いたり書かなかったりと、反応が変なのでした。
「・・・どうした?わからない?」
「・・・」
「何がわからない?」
ここから、何を問いかけても反応のない不毛な時間がしばらくありました。
もしかしたらと思い、私は問いかけました。
「・・・なぜ動名詞と不定詞を使い分けるのかが、わからない?」
その子は、うなずきました。

動名詞と不定詞を「どう使い分けるのか」ではなく、動名詞と不定詞を「なぜ使い分けなければならないのか」、それがわからない・・・。

こうした疑問は、英語学習の妨げとなることが多いのです。
そもそもの根本でつまずくので、その後の使い分けの説明など、耳に入らなくなってしまうのでしょう。

それぞれの言語に、それぞれのルールがあります。
外国人から見たら、それは意味のない不可解なルールの場合もあるかもしれません。
しかし、それは、単に言語だけの問題ではなく、その言語を話す民族の歴史や文化と深く関わっています。
動名詞と不定詞は、使い分けなくても良いだろうけれど、英語では使い分けているんだから、それで仕方ないのです。
日本語にもそういう不可解なルールは沢山あり、だから、Why Japanese people? なんてお笑いのネタもありました。
アメリカ人の芸人さんが、漢字の「一」「二」「三」を書いていき、ははあ、パターンがわかったぞ、と思ったら、急に「四」。
Why Japanese people?
そこを指摘されても、理由なんか知らないですし、確かにおかしいから「四」という漢字を改めようなんて、誰も思わなかったですよね。

以前も書きましたが、動名詞は既に起きていること、不定詞はこれから起こることに使われる傾向があることがわかっています。
他にもいくつか、使い分けの基準があります。
しかし、なぜそんなことを使い分けなければならないのか、その理由は不明です。

こうした疑問は、学問の始まりです。
なぜ、動名詞と不定詞を使い分けるようになったのか?
それは、英語の歴史をさかのぼってみていかなければならないでしょう。
いつから動名詞と不定詞は使い分けられているか。
文献としてさかのぼれるところまでさかのぼって、考えていかなければなりません。
いえ、さかのぼったところで、なぜ使い分けるようになったのか、その結論は出ないだろうと思います。
私たちは、歴史的な経緯を知ることができるのみです。
言語は、誰かが意図的に作ったものではありません。
だから、意図を問うのは、無意味です。
ただ、どういう経緯をたどってそうなったのかを知ることには意味があります。
そうした観点から英語を研究する。
それを英語学といいます。
本当に興味を抱いて、それを大学で学びたいと思うなら、それは素晴らしいことだと思います。

ただ、多くの場合、こうしたことに疑問を抱いて、そこで石のように固まって、その後の説明が耳に入らなくなってしまう人は、そこから英語が苦手になり、英語嫌いをこじらせてしまうのです。


仮定法に対する違和感・抵抗感も、同じです。
なぜ、仮定法を使うのかが、わからない。
なぜ、変な時制にわざわざするのか、意味がわからない。
そこでつまずいて、その先の授業内容が頭に入らない。
そういう高校生が多いように思うのです。

日本語には、仮定法は存在しません。
事実に反する仮定を述べるときに時制を変えたりはしません。
英語に仮定法が存在するのは、英語を用いる民族の文化的・歴史的背景に由来するものでしょう。
1つ可能性として考えられるのは、英米の人は、嘘を嫌う。
「嘘つき」呼ばわりされることは、ひどい侮辱。
英米では名誉に関わる重大なことです。
しかし、仮定法は、仮定の話。
事実に反する話。
「嘘」に似ています。
自分は事実ではないことを述べているが、しかし、それは「嘘」ではなく、仮定の話である。
わざと奇妙な時制を用いることで、「嘘」ではなく仮定の話をしていることを自分にも相手にも納得させる必要があるのではないでしょうか。

上のことは、あくまで推論です。
学問とは呼べない種類の憶測です。
しかし、仮定法への違和感をなくしたいだけなら、上のように考えておけば十分ではないでしょうか。


仮定法と比べた場合に、今までの文は、何だったのか?
今までの文は、「直接法」「命令法」と呼ばれるものです。
英語の文は、大きく3つ、「直説法」「命令法」「仮定法」に分かれます。

「命令法」は要するに命令文のことです。
英語学習の初期の段階から学習していますから、特に問題ないと思います。
よくよく考えれば、主語を示さず、いきなり動詞の原形で始めるなど、奇妙な形の文が多いのですが、英語を習いたての頃から出てくるので違和感を抱く人は少ないようです。

「直説法」とは何なのか?
これまで使ってきたものは、命令法でなければ直説法です。
しかし、そのように意識したことがなかったので、どういう特徴があるのかわからないかもしれません。
直説法とは、事実をありのまま述べた文、ということです。

・・・ますますわからない。
これまでも、事実をありのまま述べるのではなく、事実を捻じ曲げて述べた気がするが・・・。
別に自分はトムではないのに、I am Tom. と平気で書いてきた。
何の興味もないのに、I like baseball very much. と書いたりもした。

いえ。
そういうことではないのです。
英語の練習のために言ったり書いたりしていることは、別にどうでもいいのです。

練習ではなく、本当にコミュニケーションの手段として英語を用いた場合、私たちは、I am Tom. とは言いません。
好きではないのなら、I like baseball. とは言いません。

練習のために英語を使うだけなので、感覚がおかしくなっている人がいるかもしれませんが、英文というのは、それを語った人・書いた人が実際に存在しているのです。
その人が見たり聞いたりした事実や、その人が考えたことが述べられているのです。
事実や、自分では真実と信じることを述べているのです。
それが直説法です。

一方、仮定法は、事実に反する仮定を述べています。
「もし~ならば、・・・だったろう」
と仮定の話をしています。

というと、接続詞 if を使うのだろうなと推測できると思いますが、if を使っても、仮定法ではない場合もあります。
中学生の頃から if は使ってきましたが、別に仮定法ではなかったですよね。
直説法でも if は使うのです。

If it is sunny tomorrow, we will go on a picnic.
明日晴れたら、私たちはピクニックに行きます。

これは、直説法です。
事実に反する仮定ではないからです。
明日晴れる可能性は事実としてあるからです。

しかし、
「もし昨日晴れていたら、私たちはピクニックに行ったのだが」
というのは、事実に反することです。
昨日は晴れていなかったのです。
事実は、
「昨日は晴れていなかったので、私たちはピクニックには行かなかった」
ということです。
こうしたことを伝えたいとき、仮定法を用います。
If it had been sunny yesterday, we would have gone on a picnic.

事実に反する仮定の際に、仮定法を用いる。
そのときは、仮定の話であることが明確に伝わる、奇妙な時制を用いる。
まずは、そのことを納得しましょう。
心が逆らっている間は、簡単なこともなかなか理解できないですし、覚えられません。
納得して、学習を進めていきましょう。




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