たまりば

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2020年09月06日

英検を受験しますか?

英検を受験しますか?

先日、中学生から、「秋に英検を受検することにした」と報告され、困惑しました。
いえ、受けることは別に構わないのですが、過去問を解いてみたら、ほとんど正解できないというのです。
申し込む前に相談してくれれば、
「1回分過去問を解いて合格するものなのかどうか試してから申し込んだらよいですよ」
とアドバイスできたのですが。
私が暗い顔をしていたせいでしょう、その子は、言いました。
「受験で有利になるから、英検を受けろって、学校の先生が言うから」
「・・・有利になる?どんなふうに?」
「・・・」
そこをしっかり確かめないと、将来、詐欺の被害にあいますよー。
有利にならないとは言いませんが、ケース・バイ・ケースですよー。

私が暗い顔になったのは、これで英検に落ちたら、そのショックで塾をやめるのやめないのという問題が発生するかもしれないと、過去の記憶がよぎったからでした。
大人は気楽に検定受検を子どもに勧めます。
入試まではまだ時間があるから、学習の目標をもってもらいたい、と思うようです。
一方、生徒の多くは、試験ではっきり不合格と判定され、否定され排除された経験を持っていません。
子どもにとっては、それは想像以上にきつい経験になります。

保護者の方にとっても、想像以上にきつい経験になる場合もあります。
子どもに受検を勧めるとき、合格することしか想定していないのかもしれません。
不合格という結果に、保護者の方も動揺します。
何が原因なのか?
英語力は順調に伸びているんじゃなかったのか?
うちの子の英語は、ダメなのか?
学習上の課題について子どもと冷静に話しあうつもりが、結局最後は言い争いになってしまうことがあります。
「これからしっかり頑張るから」という子どもの返答を期待して「もう塾なんかやめてしまいなさいっ」と言ってしまう。
すると、子どもは、「じゃあ、やめる」と、応じる・・・。

・・・ああ、いやだ、いやだ。

そういう子の場合、英語学習が、定期テストをやり過ごすだけのよくない状態に陥っていると、生徒自身と私は、気がついているのです。
しかし、生徒は、その状態が楽なので、変えるつもりがありません。
受験学年になったら、そのときはもう少しちゃんとやるから、今はまだ・・・という気持ちでいるのでしょう。
そういう状態の子に、受験に向けての英語学習を提案しても、実行できません。
単語暗記を宿題に出しても、やってきません。
長文読解問題を宿題に出しても、「わからなかったー」と白紙のまま持ってきます。
あるいは、適当に解いてきます。
本人の中で、それをする動機がないのです。
それでも、学校の定期テストはそこそこの点数でやり過ごすことができます。
平均点以下ではない。
だから、まあいいじゃない。
本人はそう思っています。

そうした状態で、例えば、校外模試で英語の偏差値が低かった。
あるいは、英検に落ちた。
それは、これからの学習の起爆剤になります。
さすがに、本人も反省するはず。
ようやく学習習慣を改めるチャンスが巡ってきた。
それなのに、結論は一気に「退会」となってしまいます。

新しい塾で、その反省を生かして、それまでとは違う学習習慣が作られたのなら良いのです。
しかし、そういう話は風の噂でも聞こえてこないことが多いのです。
聞こえてくるのは、浪人し、とうとう大学には入れなかった、という話。
塾を変えても、本人が変わらなければ、何も変わらないのです。


苦い経験を幾度か経て、「英検受検」→「不合格」→「退会」という図式が心の中でしっかり出来上がっているものですから、必ず合格する場合や、進学に必要な場合以外は、英検受検を私から勧めることはありません。

ただ、英検不合格からの退会、というのは、今までの例では、高校生の場合ばかりでした。
受けても合格するわけがない状態で、英検2級を突然受検し、予想通り不合格となり、退会、という流れでした。
中学生なら、違うかもしれません。
というよりも、なぜその子は、英検の過去問の筆記試験がそんなにも出来ないの?
出題形式に慣れていないだけなのでは?
直前に少し指導すれば、合格できるのでは?


長い目でみれば、英検3級までは誰でもいつかは合格します。
英検準2級も、高校生になり真面目に英語を勉強していればいずれ合格します。
しかし、そのままの学習では、英検2級のレベルには決して到達しない子たちが存在します。

何年英語を学習しても中学英語のレベルにとどまり、高校英語レベルに進歩しない子は、想像以上に多いです。
その最大の原因は、単語力です。
中学で学習した単語はそこそこ覚えているのですが、高校で新出の単語が、覚えられないのです。
それがまさに英検準2級の英語力です。

英検準2級は、高校1~2年生程度の英語力となっていますが、満点を取らないと合格できないわけではありません。
中学英語が身についていれば7割程度は正答できますから、それで合格します。
つまり、英検準2級合格は、「中学英語はそこそこ身についている」という証明に過ぎません。
高校英語の語彙を一切知らなくても何とか合格できます。

しかし、英検2級となると、文法・語法の問題も、長文問題も、高校で学習する単語が多く含まれます。
そのレベルの英文をほとんど読めない高校生たちが存在します。
それも、ある程度の学力を期待されている高校に在籍していながら。
問題の英文の意味が全くわからないのですから、正答できません。

そういう子の英語学習には、共通の特徴があります。
学校で毎週行われている単語テストは一夜漬け、あるいはテスト直前だけの即席漬けで切り抜けています。
覚えてもすぐ忘れるので、単語力の蓄積がなく、中学生の単語力のまま、高2になり、高3になります。
高1の頃は、教科書に出てくる知らない単語は新出単語の場合がほとんどです。
しかし、高1の新出単語を覚えないまま高2・高3と進級してしまうので、教科書の中で、新出単語ではないのに意味のわからない単語が増えていきます。
その意味調べが必要になり、英語学習は教科書の単語の意味調べだけでほとんどの時間を使いきることになります。
しかも、調べるだけで覚えませんから、わからない単語は増える一方です。

定期テストは、教科書の本文からの出題はそこそこ得点できても、それは教科書本文の内容を覚えているからであって、単語を1つ取り出して意味を問われたら答えられません。
初見の長文問題はほとんど読めず、「こんなの無理」「知らない単語が多すぎる」とテストの度に不平不満をもらすことになります。
あるいは、勉強不足で問題を解くスピードが遅いため、時間が足りず、テストの最後の長文にはそもそも目を通していないということもあります。

親に勧められ、個別指導塾に来ても、
「教科書をしっかりやりたい」
という、ある意味まっとうな言い訳で、英語学習を自ら限定的にしてしまいます。
個別指導で学校の教科書の予習をすれば、自分で辞書を引く手間が省けます。
学校の文法テキストの練習問題を塾で解く、というより講師に答を教えてもらえば、学校の宿題も自分でやらずに済みます。
要するに、自力で英語の勉強をしなくて済むので、塾のことは嫌いではないようです。
学校の英語の授業が何だか前よりわかるような気もするので、英語力がついたと勘違いをしてしまう人もいます。
自力で英語を勉強する時間がむしろ減っているということに気がついていないのです。

そうした誤解の中、突然、
「英検2級を受ける」
と言い出すのも、そうした子たちの特徴です。
申し込みのときに言ってくれれば止めることができるのですが、全て事後承諾であり、すでに試験はひと月後という場合すらあります。
いやいや・・・・。
そんな英語力じゃないでしょう?
そんな勉強をしていないでしょう?
単語力が全く足りないでしょう?
親や学校の先生が勧めても、断らないとダメでしょう?

受かるような気が、自分でもしてしまうのでしょうか。
英語が得意で努力も怠らない友達と同じように、自分も英検2級に合格できると漠然と思いこんでしまうのかもしれません。
友達が合格すれば、自分もできそうな気がしますよね。
でも、同じ人であり、根本の学力は同じくらいかもしれないけれど、一番大切なところが違うのです。

英語に対して、努力を惜しまないのか、どうか。

単語は、漫然と勉強していればそのうち覚えられるというものではありません。
集中してガッと覚える時期が必要です。

高校から配布された、大学受験用の単語集を1冊丸ごと覚えれば、英検2級くらいはどうにでもなります。
しかし、学校の単語テストにあわせて、その範囲を覚えてすぐ忘れているようでは、単語集は手付かずと同じ状態です。
幾度も自分で反復することが必要です。
大人なら、そんなの当たり前だとわかっているのですが、記憶というものについて、高校生は案外わかっていない子がいます。
「1回覚えたのに、何ですぐ忘れてしまうの?こんなの、覚えても無駄じゃん」
と、訳のわからないことを平気で言ったりします。

人間は忘れるものです。
脳は不要な記憶を消去することに一所懸命なんですから。
脳に「このことは大事だから覚えておけ」と指令を出さなければなりません。
それには反復・反復・反復。
幾度も反復すると、脳は「あれ?これ、消去する記憶じゃないの?」と気づいて、長期記憶に組み替えてくれます。

とにかく反復することが大切。
しかし、これができない子が多いのです。
一度で覚えられないことが納得できないという、幼稚な子もいます。
あるいは、一度では覚えられないことは理解していても、反復するのがとにかく面倒くさくて嫌いな子もいます。

簡単な覚え方があるはずなのに、自分はそれを知らないだけだ、学校の先生も塾の先生も後れているからそれがわかっていないだけだと謎の思い込みをしている子もいます。
そんなに凄い単語暗記法がもしあるなら、文科省が推奨し、たちまち全国の学校で実施されています。
英語教育改革に躍起になっていても、日本人の英語力が世界ランキングでじりじり下がっている絶望的な状況を知らないのですか。
凄い単語暗記法は、その救世主となるはずです。
しかし、そんなものは、存在しないのです。
個人や企業が宣伝している凄い英語学習法というのは、あれは商売でやっているので、鵜呑みにしてはいけません。
夢みたいなことを、安易に信じて、だまされる。
高校生は、精神的にとても成長している子もいるのですが、精神年齢はマイナス5歳すればちょうどいい子も多いのです。
見た目は高校生、心は小学生。
コナンの逆バージョンみたいな子も多いです。

単語は、音声で覚えると良いと勧めても、英語のCDなんてそんなに面白いものではありませんから、1度聴いたらもう2度と聴きません。
反復しないと意味ないのですが。

文章の中で単語が出てくるタイプの単語集のほうが覚えやすいと勧めても、1度読んで、知らない単語をマーカーで塗って、勉強した気になっておしまいです。
「えー?1度読んだら良くない?何でー?」
と、幼稚な疑問を返してきたりします。

ゲームが好きなようなので、英単語ゲームならやるだろうと保護者が与えても、タブレットはちゃっかりゲットしますが、英単語ゲームなんか1度やったらおしまいという子もいます。
単語の覚え方として、単語集で覚えるよりはゲームのほうが面白いという比較を大人はしますが、子どもは、単語ゲームよりも他のゲームのほうが面白いという比較をします。

心が小学生なのです。

そうして、結局、英単語は覚えられない。
単語が覚えられないと、英検2級の問題文が読めない。
受かりません。

学校の英語の教科書だけで勉強していると、この流れからは逃れられません。
だから、現在、うちの塾では、高校生に学校の教科書での指導は行っていません。
単語集も、文法テキストも、読解テキストも、塾で指定したものを使用します。
大学受験のための英語学習であって、学校の授業の予習復習ではありません。
英検2級がどうのこうのではなく、英検準1級に楽に合格できる英語力をつけることが目標です。
そうでなければ、大学受験の英語入試問題に対応できません。
高校生には、学校の定期テスト前は、塾は休んでテスト勉強をするよう指示しています。
テスト対策を塾で行っていないので、定期テスト結果にカウントしていませんが、校外模試では英語の偏差値は70を越える子が多いです。

中学生は、教科書の学習も重視していますが。

突然英検2級を受けて、予想通り不合格となり、それで突然塾をやめてしまう子は、今はもううちの塾にはいないのです。
過去の苦い記憶は、もう封印してもよいのかもしれません。

英語は才能の問題もありますが、努力でカバーできる部分が大きいです。
スマホを眺めている毎日の1時間を、英語を勉強する1時間に変えるだけで、英語力は変わります。
一度で覚えられないのは当たり前だと理解し、反復することを苦にしなければ、単語は覚えられます。
1つの目安として、英語は、1,000時間学習すれば、そこそこ使えるようになると言われています。
10,000時間学習すれば、英語に堪能だと言えるようになります。
楽な方法なんてないと悟ること。
そうして、努力すること。
そうすれば、目標は射程圏内に入ります。





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