たまりば

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2018年02月21日

大学入試民間試験導入の最新情報と、英語長文を読む力。


2020年度から大学入学共通テストが始まります。
そこで導入される英語の民間試験について、国立大学協会がガイドライン案をまとめたとの報道がありました。
公表は4月頃になるとのことです。

英語は「読む・聴く・話す・書く」の4技能を測定するため、民間試験に移行することが決まっています。
今回まとめられたガイドライン案は、この大きな変化を考慮し、2023年度までは、センターが作る「リーディング」「リスニング」テストを全受験生に課すというもの。
つまり2023年度までは、これまでのセンター試験の「英語」「リスニング」とそんなに違わない共通テストをやはり全員受けるということですか。
ガイドラインに強制力はないとはいえ、概ねそういうことになりそうです。

その間、民間試験の扱いはどうなるのかというと、1割弱の加点とのこと。
すなわち、センターの作る英語の問題が200点満点であるなら、例えば、英検2級合格は+15点の加点、英検準1級合格ならば+20点の加点。
全体で220点満点になったイメージですね。

2024年以降はまた違ってくるのでしょうが、スコアを入試にそのまま使用するのではなく、その級に合格すれば加点という形ならば、対策はやりやすそうです。
受験までの1年間の間に受けた英検2級のスコアを入試の英語得点とするということになると、指導法がこれまでとは変わってきます。

これまで、英検はとにかく受かれば良いという指導をせざるを得ませんでした。
多くの生徒が単語力が伴わないのに英検を受けるので、大問1の語彙に関する短問は、50%程度の正答率でも仕方ないのです。
それ以降の読解問題は、75%は正答しましょう。
リスニングも75%の正答率が目標です。
英作文?
何をどう書いていいかわからないという子が多く、一番不安を感じるようですが、書き方のひな型がありますから大丈夫です。
合格点は取れます。
実際、この2年間の受験生は全員、リーディングのスコアよりもライティングのスコアのほうが高かったです。
案ずるより生むが易しです。

合格することだけが目標なので、そんな指導でした。
しかし、スコアがそのまま入試に使用されるとなると、それでは話が済まなくなります。
英語は得点源ですから、他の科目の凹みの分も英語でガサッと得点したいです。
これまでのセンター試験では、200点満点のうち最低でも180点を目標としてきました。
できれば190点を取りましょう。
取れますよ。
個々の大学入試問題と比べたら本当に易しいですから。
そのためには、まず単語力を抜本的に鍛えていきますよー。
それが終わったら、この課題。
次はこれ。
それから、これ。
そういう指導をしてきました。
これからは、それを英検2級でもやるんだなあ。
最短でも結果が表れるまで半年はかかるので、準備も前倒しだなあ。
なかなか大変だ。
そう考えていました。

とはいえ、大学受験のための英検受検なら、生徒のモチベーションが違ってくるから大丈夫なのかもしれません。
今、高校生で英検2級を受ける子は、どこにモチベーションがあるのか、ちょっとよくわかないことがあるのです。
英検2級を何に使うという目的もなく、ただ受けるからでしょうか。
「友達がこの前合格したから、自分もそろそろ」
「英検2級くらいは、もう受かるかと思って」
・・・・受かりませんよ、そんなモチベーションでは。( ;∀;)

まだ受験学年ではないので学習に対して腰が座っていませんから、単語力を根本から変えていく訓練に耐えられそうにありません。
だから、英検2級にふさわしい単語力がないのを承知の上で、ギリギリ合格する指導を今は行っています。
そう考えたら、今の英検指導のほうが多くの困難を抱えながら善戦しているのかもしれません。


単語力さえあれば英文は読み進めていくことができます。
知っている単語ならばリスニングも聞き取れます。
大元は単語力です。

英検の最大の得点源は、リスニングと長文読解。
しかし、長文読解問題が苦手な人は多いです。
大半の人は、単語力不足に悩んでいます。
単語がわからないので、英文を読んでも意味がわかりません。
1行に1個や2個のわからない単語があっても読み進めることができますが、1行に5個も6個もわからない単語がある文章は、どんなテクニックを使っても読めません。
そして、文法力。
わからない単語があっても、その単語の位置から品詞を特定し、見切る力。
文の構造を把握して大づかみにしていく力。
ちまちました例外的な文法事項は、文法問題のために覚えるものですが、そうではなく、英文の構造把握のための文法力が読解には必要です。

単語力がない子が妙な読解テクニックにかぶれて、おかしな読み方をすることがあります。
いわゆる「類推読み」というもので、極端な話、本文を読まないで問題を解くというところまでいってしまうこともあります。
単語の意味がわからな過ぎてどうしようもないのはわかるのですが、そういうときには、歯をくいしばって単語力をつける努力をしてほしいです。
そのほうが、結果的には早道ですから。
しかし、楽そうな道に逸れてしまう子は多いです。

以前、こんな誤読がありました。
乳幼児を持つ親が自分の住んでいる郡の保健所に問い合わせたメールに対する、保健所からの返信を読む問題でした。
検診はどこで受けられるのか、予防接種は保健所で受けることは可能かといった問い合わせへの返信です。
ところが、その子はそのメールを、誰かが田舎のデパートにクレームをつけたものへの返信として読んでいたのです。
「郡」という単語を「田舎」と誤読。
「部署」を「デパート」と誤読。
「述べる」を「クレームをつける」と誤読。
そして、その誤読した3つの単語だけで、文章の大意を類推。
そのようにして、似ても似つかない内容のものを勝手に頭の中に作り上げて個々の設問を解いていました。
勿論、全問不正解でした。
( ;∀;)

誤読した3つの単語だけでストーリーを作り上げてしまっては、類推読みを通り越して妄想の域ではないかと思います。
単語力がないとそのようなことが起こります。
勿論、英文の隅々までわかるほどには学習は進まない場合もあります。
だから、意味のわからない単語をある程度カバーする読解テクニックは存在します。

例えば、主語が人で、意味のわからない動詞があり、その後にthat節が続いている場合、
「この動詞の意味がわからないから、文の意味がわからない」
と嘆く受験生に、
「人が主語で目的語がthat節なら、そんな動詞は大体『言う』か『思う』のバリエーションです。何か意味が添えられているのは確かですが、意味の強弱の範疇のものですよ
と説明すると、目から鱗が落ちたように驚きます。
「主張する」も「説明する」も「証明する」も「反論する」も、「言う」ことのバリエーション。
その単語の意味がわかるに越したことはありませんが、わからなくても何とかなります。
全体の流れを読んでいく妨げにはなりません。
こういう類推読みなら有効です。
しかし、それには、少なくともその前後の内容は理解できていることが必要です。


真面目すぎる子の中には、1つのわからない単語にとらわれて英文を読み進めることができなくなる子がいます。
「妄想誤読」も厄介ですが、たった1語にこだわるのも困ったことです。
特に受験生は、緊張で視野が狭くなってしまうのか、後ろに脚注があることに気づかず、単語の意味がわからなくてパニックを起こすことがあります。
また、脚注はないのに変に難しい単語や言い回しが使用されている場合、その意味を文章中で説明してくれていることが多いです。
それが設問の内容だったりもします。
しかし、パニックを起こして、そのことも判断できなくなってしまうことがあります。

妄想的な読み方はしない。
1語の意味にこだわらない。
こうしたほど良さやバランスを習得するためには、やはり、必要な単語力は身につけた上でたくさんの長文を読み、場数を踏む必要があります。


単語力も文法力もそれなりにあるのに、妙な誤答を繰り返す子も、ときどきいます。
たとえば、こんなふうでした。

I am Akira. I am fifteen. I live in New York. There are five people in my family; my father,my mother,my brother,my sister and me.

これは中2向けの長文です。
全てがクリアで、間違うはずがないように見えます。

問1 How many people live with Akira?

その子の答えは、 No one dose. でした。

Five people do.
と答えるケアレスミスなら、まだわかります。
なぜ、誰も一緒に住んでいないと誤解したのでしょうか。
答えの英文は、文法的に正確で、英語力がそれなりのものであるのを感じさせるのに。

「これは、4人ですよ。お父さんとお母さんとお兄さんとお姉さんの4人と一緒に住んでいます」
「そうなんですか?」
と、彼は、心から驚いた顔をしていました。
「1人で住んでいるんじゃないんですか」
「なんでそう思うの?」
「1人でニューヨークに留学しているんじゃないんですか」
「そんなこと、どこにも書いてないよ」
「だって、アキラは、日本人だから。日本人がニューヨークにいるんだから、留学でしょう」
「・・・あなたは、何時代の人なの?」

誤読しやすい人は、思い込みが強いのだと思います。
「行間を読め」とよく言いますが、英語でも日本語でも、書いていないことを読んではいけません。
行間なんか読んだらダメです。
書いてあることから当然推定できることだけを答えるのが、読解です。

厳密に言えば、彼がニューヨークで家族と一緒に住んでいると、この英文には書かれていません。
けれど、独り暮らしならば、この書き方はしないでしょう。
その場合は、家族は4人いるけれど日本に住んでいて、アキラはニューヨークに住んでいる、という説明があるはずです。
そして、アキラは、ニューヨークでホームステイをしていますという、ありがちな展開になっているはず。
それがないのだから、アキラは家族とニューヨークに住んでいるのでしょう。

段落を変えていないことからも、それはうかがえます。
1つの段落には1つの内容を書くのが文章のルールです。
だから、1つの段落の中で語られる家族は「ニューヨークに住んでいる」という情報の中にくくられます。

英語の長文を読むには、まず単語力が必要です。
そして文法力。
わからない単語があっても、その単語の位置から品詞を特定し、見切る力。
文の構造を把握して大づかみにしていく力。

でも、それだけではダメで、もう1つの力が必要なのかもしれません。
書いてあることを正確に読み取る力。
書いていないことを勝手に読んだりはしない力。
誤読しない力。
変な行間を読まない力が必要です。
それには、多くの英文を読み、誤読の癖があるならそれを客観的に指摘されて自覚しないと直せないでしょう。
演習量の確保は不可欠です。




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