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2024年05月24日

1学期中間テストとテスト範囲。

1学期中間テストとテスト範囲。

画像は、都立浅間山公園のハンショウヅルです。

さて、中間テストがほぼ終わり、あとは結果が返ってくるのを待つばかりですが、1学期の中間テストには、特有の課題があります。
1学期中間テストは、テスト範囲が読みにくいのです。
4月は、健康診断等の学校行事が立てこんでいて、授業がなかなか進みません。
そのまま、学校はゴールデンウィーンに入ります。
テストは、GWが明けて、2週間後くらいのところが多いです。
その2週間で、授業がガッと先に進み、テスト範囲が広くなる場合があります。

そんなことは予想できることではあるので、基本的にはこちらも用心し、予習を先へ先へと進めています。
だから、大抵は大丈夫なのですが、中学1年生、あるいは、塾にこの春から通い始めたばかりという子に、こちらとしては予想外のことが起こることがあります。

1つには、予習を先に進めていても、学校で授業を受けるまでは今ひとつ定着しない場合。
塾で、予習内容の解説を聞いて演習をするそのときは、テキストの例題を見ながらということもあり、ひと通り問題を解くことができるのですが、その後、復習しないので、忘れてしまうのです。
1週間後、塾にくる前に、慌てて宿題を解きますが、そのときには、もう忘れています。
学校ではまだ未習で、塾で予習しただけの内容なので、頭の中にあまり残っていないのです。
塾のテキストを読み直し、例題を見直して、理解してから宿題を解けば違ってくるのですが、そういうことが必要だということがまだ理解できていない。
忘れてしまったまま闇雲に宿題を解いて来るので、間違いが多い。
そして、そのまま、予習内容の記憶は混乱して終わり、全部忘れていきます。

こうした学習姿勢が、助言すれば直るのなら良いのですが、そんなふうでも小学校の勉強は何とかなっていた場合、派手に転んで傷つくまでは直らないのが子どもの常。
その場合、予習をしてもあまり意味がないので、ほんの少し、学校から一歩先くらいの予習をすることにして、それよりも復習に力を入れていこうと、こちらは方針を転換します。
学校で学習した内容のときには、急に背筋が伸び、しっかり頑張るので、それで学習は順調ではあるのです。

そこに「GWのマジック」が入ってきます。
GW中、塾の授業は事前に連絡して休む。
学校が休みなのだし、進度も遅れていないのだし。
しかし、GW中にあまり勉強しないため、ここで、4月中の学習内容の多くを忘れます。
しかも、GWが明けると、学校の進度が急に速くなるのです。

そして、中間テストは、予想を超えた広い範囲になります。
とても、そこまで手が回らない。
え?
何でこんなことになった?

こんなに急に学校の進度は速くなるもの?
この進度、ちょっと無理があるのでは?
そう思うこともあるのです。

本当に、学校が無理に進度を速めた。
そういう可能性もあります。
しかし、そうではない可能性もあります。
学校の進度を毎回の授業の初めに生徒に確認しているのですが、その情報が正確ではなかった可能性はないだろうか?

4月第2週時点で、「正負の数の意味」。
4月第3週時点で、「正負の数の加法」。
4月第4週時点で、「正負の数の減法」。
5月のGW明けの時点で、「正負の数の減法」。
5月第2週の時点で、「正負の数の加減」。

「・・・え?まだ正負の数の加減?全然進んでないけど、本当にそう?」
「はい」
「学校は、数学の授業がなかったの?」
「・・・体育祭の練習があるから」
「ふーん・・・」
そして、数日後に発表された中間テストの範囲は、「正負の数」の単元すべて。
正負の数の乗除も、四則計算も、正負の数の利用も、すべて。

・・・嘘でしょう?

本当にそうだった可能性は否定できません。
でも、進度の報告が間違っていた可能性も否定できないのです。
私に学校の授業進度を報告することが、どれほどの重要性を持っているか、生徒がまだ理解できていないのかもしれないのです。

事務的な連絡が苦手な子どもは多いです。
コミュニケーションといえば、感情の伝達を指すのが、子どもの世界。
情報の伝達をあまり練習していないし、重要なことだとも思っていない。
「学校の授業はどこまで進みましたか?」
と毎回、塾の授業の初めに質問されるということすら、前提として理解していないので、その都度、びっくりしてしまう。
えー?学校の進度?
何だっけ?何だっけ?
えー?
わかんないから、適当に答えておこう。
「正負の数の加減!」

・・・そんなふうだった可能性も否定できないのです。


もう1つの場合。
これは高校生の場合ですが、塾に求めているものが学校の予習復習だけではない場合。
受験学年ではないけれど、受験を意識した学習をしたい。
入会の時期が、学年末テストが終わった春だったということもあり、では、数ⅠAの復習から始めましょう、ということになります。
塾テキストの他、本人が頑張って挑戦しているテキストもあり、そして、その中から授業時に質問もしてきます。
向学心旺盛で、素晴らしい。
しかし、結局、授業は数ⅠAばかりやることになります。
まあ、こんな難しい数ⅠAの問題を質問してくるのだから、学校で今勉強している数Ⅱや数Bは、大丈夫なんだろう・・・。
質問もしてこないのだし。
本人は大丈夫と言っているし。
うっかり、そう思ってしまいます。
そして、GWに突入。
この期間も、本人は頑張って、数ⅠAの自主学習を進めるので、テキストの質問が沢山たまる・・・。
いや、でも、そろそろ、学校の中間テストに備えたほうが?
そう思って、宿題を数ⅡBのテキストから出すと、基礎が身についていないのです。

え?
嘘でしょう?

それでも、まだ、数ⅠAの質問が終わらない・・・。

嘘でしょう?
そんなことをやっている場合じゃないと思うよ?

そして、発表になったテスト範囲が予想外に広いことに、本人も私も愕然とするのです。
その広いテスト範囲の基本が身についていない・・・。
これは、まずい・・・。

本人としては、数ⅠAのときにそうだったように、学校の勉強はテスト前に集中してやれば何とかなると考えているのかもしれません。
学校の勉強は、学校のプリントや問題集をテスト前にやれば大丈夫、と考えるのです。

数ⅡBも、果たしてそれで大丈夫なものなのか?

そうしたことも、経験し、失敗しないと理解できないことではあるのです。
事前に助言はするのですが、最初は無意味に終わることが多いです。
私と生徒との足並みがそろっていない。
あうんの呼吸が図れていない。
私が生徒の学力をまだ正確に把握しきれていないこともありますし、生徒が、私の意図を理解しきれていないこともあります。
一度は失敗して、反省して、学習姿勢が変わっていきます。


何年も通っている生徒たちは、1学期の中間テストも落ち着いたものです。
私が、GWだろうが何だろうかどんどん予習を進めていく意味も理解しています。
予習した内容をしっかりおさらいしてから宿題を解いてくるので、答え合わせもスムーズです。
テスト範囲を見て、私は、
「これ全部?いつの間にそんなに進んだの?」
とぼやきますが、実は予習もそこまで進んでいるので、特に問題はないのです。


さて、1学期中間テスト。
来週には返ってくると思います。
テストは、返ってきてからの反省が大切。
何が出題されたのか。
何をどう間違えたのか。
学習をどう改善していくべきなのか。
それをしっかり反省し、期末テストに備えます。




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