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2021年10月21日

「遠山顕の英会話楽習」最終回を聴きながら、都立小金井公園へ。2021年10月。

「遠山顕の英会話楽習」最終回を聴きながら、都立小金井公園へ。2021年10月。

2021年10月20日(水)、今週は都立小金井公園まで散歩をしました。
3時間ほど歩ける定番散歩コースは、この1年で4通りに固まりました。
そろそろ、コスモスがきれいに咲いている頃ではないか?
というと、都立小金井公園コースがいいですね。

のんびりと、12時に出発。
三鷹駅北口から、玉川上水緑道の左岸、未舗装の歩道を歩き始めました。
交差点を渡って、さらに緑道をたどり、境の浄水場の横を淡々と歩き、その先で右折。
ここは舗装された歩道を歩き、次の交差点で左折。
井の頭通り沿いに、細い公園が整備されていて、未舗装の道を歩いていけます。
前回歩いたときの大量のドングリ。
少しは拾われた様子ですが、踏まれて壊れたドングリがまだ沢山落ちていました。
山の動物がこの付近にはいないから無理ないのですが。
鳥は、ドングリは食べないのかなあ。

片耳イヤホンで、NHK第二放送を聴きながら歩いています。
12:15~12:25は、「英会話タイムトライアル」。
易しい日常会話ですが、とにかく瞬発的に声に出して英語を言う練習ができる番組です。

都立高校は、2023年度入試から、英語スピーキングテストが導入されるとのこと。

本気なんでしょうか?
誰も反対しないのでしょうか?
大学入試改革のときのように、ぎりぎりのところで反対の声が上がり、中止にならないものでしょうか?
採点を1つの民間企業が一手に引き受け、しかも、外国で採点されるという・・・。
外国の、誰に?
そんな大量の採点、しかも、1年に1回きりのことですから、アルバイトを雇って処理するしかないでしょう?
それで本当に公正な採点が行われるのでしょうか?
都立高校の男女別定員制よりも、余程透明性がなく、ヤバい案件だと思うのだけれど・・・。

スピーキングテストの20点がぽこんと付け加えられて、都立入試は1020点満点になるとのことです。
疑いを抱きつつも、今のところそうなる予定であるならば、スピーキングの練習を塾に導入しないわけにいきません。
テスト内容はそう難しいものではなく、簡単な会話と、英文音読と、4コマ漫画の筋を英語で説明するというもの。
英検3級の2次試験対策がそうであるように、基礎力のある子なら半月で合格レベルに到達するでしょう。
ただ、こういうのは、英語力とは別の次元で不利な生徒たちがいます。
50分という時間内でのペーパーテストなら、他の生徒と互角に英語力を示していくことができるけれど、咄嗟に英語が口から出てくることはあまり期待できない子たちです。
日本語もすぐには出てこないですから・・・。

何か問いかけても、むうっと黙り込むので、わからないのかなあと思い、さらにヒントを出そうとすると、私の声と重なるようにして喋りだす子たちは、一定数存在します。
考えている時間が、「常識」より長いのです。
しかも、その間、むうっと不機嫌そうなのです。
学校の実技系科目の成績が予想外に低い原因の1つも、それではないかと思うのです。
授業態度が悪い。
反抗的だ。
何か文句があるのか?
そんなふうに思われている可能性はないのだろうか?
言葉がすぐに出てこないだけなのだけれど・・・。
同様に、態度もきびきびはしていないし、何をするにも時間がかかるので、それも低評価の原因だろうか・・・。
でも、できないのではなく、ただ、時間がかかるだけなのです。

機械に録音するスピーキングテスト。
話し始めるまでの準備時間は30秒と定められています。
瞬発力のない子たちが好成績を残すことは、あまり期待できません。
これは、20点のハンデを他で何とか取り返すことも考えないと・・・。
勿論、スピーキング練習はしますけれども。
厄介なことになりました・・・。

むうっと黙り込む時間が長いタイプではない子ならば、「英会話タイムトライアル」は、スピーキング練習のための良い番組だと思います。
とにかく、とっさに何か英語で言う練習ができます。
ただ、こうした番組を勧め、せっかくラジオ講座を実際に聴いてくれても、「声を出す」ことをしない子もいます。
ただ聴いているだけなのです。

「ラジオ英会話」を聴くといいよと勧めたら、嬉しいことに、本当に聴いてくれている高校生がいます。
しかし、
「自分で英語を言ってみる時間のときは、本当に声を出して、自分で英語を言ってみるんだよ。ラジオ講座はそういう活用をしましょうね」
と話したところ、
「えーっ」
と驚いていました。
そんなこと、考えてみたこともなかった様子でした。
ラジオ講座の受け応えさえ、自分が実際にやるとは考えてみたことがない。
本当にただ聴くだけなのです。
同じ教材を与えられても、活用できない子と活用できる子がいます。
勉強が下手とはどういうことか、そんなときに実感します。

耳元で流れるラジオ放送は、その「ラジオ英会話」が始まりました。12:25~12:40。
その日に学習した文法事項を使って、内容を指定された英文を自分で口に出して言ってみるコーナーが充実しています。
本文をただべったりとリピートする時間は存在しません。
そんなのは、あとで本人が自主的にやればいい。
番組内では、もっとやりたいことがある。
聴く・読む・話す・書く。
4領域をまんべんなく伸ばしたい。
その方向で、NHKの英語講座は進化してきました。

その後は、「ラジオビジネス英語」。12:40~12:55。
今は、4月の再放送をやっています。
9月の最終回の終わり方が、何だか本当にこれで終わるみたいなニュアンスだったけれど、来年度はどうなるのだろう?

さらに、「ニュースで英語術」12:55~13:00。
英語の音声ニュースを明瞭に音読し直し、わかりやすく訳してから、本物の英語の音声ニュースを聴く、5分番組です。
扱われるニュースは2週間前くらいのもので、英語学習のタイムラグとしては短いほうだと思います。
ただ、この番組の訳し方には癖があります。
簡単な例でいえば、
I have a ball.
を、
「私が持っているのは、ボールです」
と訳すのです。
ニュース英語としては、SVOのOが that 節など長いものであるのは普通のことで、いちいち順番を日本語的に直しているとかえって意味がとりにくい。
それはわかるのですが、さすがに文法的に間違っているので、この番組を生徒には勧めにくいのです。
「私は持っています。ボールを」
と訳してくれたらいいのになあ。
だから、この番組は、そういう訳し方を、それはそれとして、額面通りには受け取らない英語力と常識のある人が聴くべき番組だと思います。
それ以外は、本当に良い番組なんですよ。

昼の英語学習ゴールデンタイムが終わったので、ポータブルラジオレコーダーで午前中に録音した番組を聴き始めました。
「遠山顕の英会話楽習」。10:30~10:45。
今日が最終回でした。
来週も、今週の再放送が流れますが。


思いおこせば、1990年代。
今と同じように英語も数学も私は教えていました。
受験算数・中学数学・高校数学を教えることができる女性講師ということで、講師としての需要はありましたが、英語の仕事ももっとやりたいと考えていました。
ただ、20世紀の学生だった私は、中学時代に英検3級を取ったままでした。
高校時代は、受験勉強のほうが忙しく、英検受験など考えたこともありませんでした。
周囲にも、英検を受けている子などいませんでした。
大学時代も同様。
就職に英検やTOEICが必要な世代ではなかったのです。
そんなわけで、「英検3級」という、履歴書には書かないほうがむしろ良い資格の状態で、英語を教えていました。

一方で、英語教育は変革の時代を迎えていました。
他の科目は、教科書が改訂される度に易しくなっていた時代。
しかし、英語だけは、難しくなっていく・・・。
いや、難しくなっていくというよりも、昔のように小説や随筆の読解ではなく、現代の評論を読むのが主流に変わってきていました。
しかも、リスニングが重視され、音声英語が必要とされている・・・。

英語力をブラッシュアップしないことには、やがて英語を教えることができなくなる。
原点回帰。
私は、中学生の頃それで勉強していたように、NHKのラジオ英語講座を聴き始めました。
まずは、手当たり次第に3つの講座を。
それが、遠山顕先生の「英会話入門」。
そして、大杉正明先生の「ラジオ英会話」。
さらに、杉田敏先生の「やさしいビジネス英語」でした。
試しに聴いてみたら、どの番組も良かったので、3つともテキストを購入しました。
それぞれ順番に、水色の表紙、赤色の表紙、薄茶色の表紙。
今も、表紙の色をよく覚えています。

「英会話入門」は、今の「英会話楽習」と基本構造が同じだったことに、今さらながら驚きます。
オープニングとエンディングの挨拶も、ほぼ同じでした。
既に、形式は確立されていたのです。
日本人講師である遠山顕先生と、外国人講師二人との距離が近い。
とにかく、とても楽しそうに英語で会話している番組でした。
「get rid of ナニナニ」
「take ダレダレ to ドコドコ」
など、ネイティブの外国人講師が遠山先生の真似をするのも新鮮で楽しく、ラジオ英語講座の新たな胎動を感じました。
この人は、英語講座に革命を起こす。
時代が変わるぞと感じさせる番組でした。

大杉正明先生の「ラジオ英会話」は、スキットの内容が面白く、英語学習と同時に、アメリカ文化やアメリカの歴史に触れられるのが興味深い番組でした。
その年は、年間を通して、アメリカ人の青年とその恋人の日本人女性が、アメリカに引っ越し、アメリカに触れていく物語がつづられていました。
ネイティブアメリカン、フラワームーブメント、エイズ・・・。
ラジオドラマのような構成で、感情がこめられたセリフのやりとりに、何度か聴くだけで新しい単語がどんどん記憶に定着していきました。

杉田敏先生の「やさしいビジネス英語」は、主人公宮川輝行、通称テルが、レインフォレストという自然派化粧品会社のロサンゼルス本社で働き、同僚たちと様々な社会問題を語っているビニェットが何より魅力的でした。
今と違い、英文とその和訳が番組内容の中心でした。
和訳はテキストを見ればわかるので、近年はそういうものは省略し、英語表現について英語で解説する時間が増えました。
そういう意味では、当時の番組は少し古いタイプの英語講座でした。
でも、魅力があったのは、ビニェットのレベルの高さ。
大学入試の現代英語を読んだり教えたりする際に、どれほど役に立ったかしれません。
小説や随筆の読み取り中心の英語学習からの完全な脱却を図ることができました。

3番組を聴き流すだけで、まずは英検2級に合格。

翌年、私は聴く番組を「やさしいビジネス英語」1つに絞りました。
その分、ただ聞き流すのではなく、知らない単語・熟語、覚えたい表現などを含む文を暗唱したり書いたりする練習を加えました。
その年、英検準1級合格。
履歴書にしっかりそれを記入し、私は転職しました。
職種は同じ塾講師でしたが。

その後も、聴くのは杉田敏先生の「ビジネス英語」のみ。
番組タイトルから「やさしい」が外れ、テキストの表紙が薄茶色から紺色に変わっても。
そして、ビニェットの全文暗唱と、日本語訳を見てその英文を書いてみる練習を自分に課しました。
ビニェットのテーマに沿って、登場人物の誰かの意見を自分の意見のように口頭でまとめたり、また書いてみる練習も繰り返しました。
他にも英検用の単語集と過去問を繰り返し勉強。
無事、英検1級に合格しました。

以後の私は、むしろ、英語学習が惰性になっていたかもしれません。
全文暗唱や書写をしなくなりました。
仕事がさらに忙しくなったこともあり、ただ聴くだけのことが多くなり、長い年月が過ぎました。
大杉正明先生が「ラジオ英会話」を引退されて、別の冠番組を持ったこと。
代わりに遠山顕先生が「ラジオ英会話」の講師になったこと。
番組表で知っていましたが、実際に聴くことはありませんでした。
そうして、その遠山顕先生も「ラジオ英会話」を引退。
別の冠番組が始まりました。
それが「遠山顕の英会話楽習」でした。


生徒に勧めるよいラジオ講座はないか?
そう思って杉田敏先生の「実践ビジネス英語」以外の番組を聴くようになったのは、この2~3年です。
英語関係の全番組を一度は聴いてみて、好みの番組をピックアップし、山を歩きながら、あるいは散歩をしながら聴くようになりました。
「遠山顕の英会話楽習」は、30年近く経って聴いたとき、声が年を取っていることに驚きました。
ずっと聴き続けていたら、多分そうは感じなかったのかもしれません。
民放ラジオの名物パーソナリティーみたいになっていて、その風格にびっくりしました。
新進気鋭の先生が、気がつけばもう70代。
時は流れました。
高校生が聴く英語講座ではなさそうだと感じ、聴き続けることはありませんでした。

昨年度で、杉田敏先生の「実践ビジネス英語」が終了しました。

そして、今回、「遠山顕の英会話楽習」も終わりました。


英語を勉強したい。
そう思った、若かった遠い日に、
遠山顕先生の「英会話入門」。
大杉正明先生の「ラジオ英会話」。
杉田敏先生の「やさしいビジネス英語」。
その3つがそろっていました。
その3番組を浴びるように毎日聴くことができたこと。
私は本当に幸運でした。
あの年の英語番組がつまらなかったら、私は、英語講師を続けることを諦めていたかもしれません。


それにしても、変な時期に番組が終わるものだ・・・。
そう思ったら、後番組は、大杉正明先生の「ラジオでカムカムエヴリバディ」。
NHK総合の朝ドラと連動した番組なんだそうです。
嘘。
大杉先生が復活するんですか?
はあ?
だったら、別の時間帯に復活してくださいよ。
遠山顕先生の番組も続けてくださいよ。
私にとって神3なんですから。
何ですか、それは。

・・・私は混乱しています。

多摩湖自転車歩行者道と並走する狭山境緑道をとことこ歩き、土手の途中、銀色の道しるべを左折。
畑の中の道を行き、横断歩道を渡ると、すぐ、都立小金井公園です。
思った通り、コスモス畑が広がっていました。
春にはヒナゲシ畑だったところです。
天気もよく、涼しくなったので、平日でも小金井公園を散歩している人がちらほら見られました。

風に揺れるコスモス。

戦後すぐの「カムカム英語」の通称で親しまれた英語講座を、私は知りません。
その講師の名前も知りません。
でも、きっと、ある世代の人にとって、その名前とそのテーマ曲と、オープニングの挨拶は、特別な意味のあるものなのだろうと思うのです。

戦争が終わって、好きな英語を好きなだけ学べる時代が来た。
それは、どれほど幸せなことだったろう。
同時に、戦争で傷つき、肉親を失い、財産を失い、運命をねじ曲げられた多くの人にとって、英語を学ぶということは、どういうことだったのだろう?
そうしたことを丁寧に描く番組であることを願います。

Keep listening.
Keep practicing.
And keep on smiling.
Bye!

30年変わらなかったのだろう挨拶を最後も繰り返して、遠山顕先生の番組は明るく終わりました。
ラジオ講座を変革させた人。
この方がいなかったら、今の大西先生の「ラジオ英会話」など、存在が許されるはずもないのです。
ふざけているのかっ・・・で終わっていたでしょう。
ラジオ英語講座は、さらなる進化を遂げていく。
いつか、大西先生も年をとり、また新しい才能が立ち上がる。
大西先生が大御所となり引退し、冠番組を持つようになっても、まだ、私はラジオ英語講座を聴き続けたい。
そう思います。




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