2021年10月11日
高校英語。無生物主語。
無生物主語。
突然出てくるこの言葉にまず違和感を抱く人がいて、それでわかりにくくなってしまう側面があります。
「無生物主語」というのは、生物ではないもの、すなわち「無生物」が主語となっている表現ということです。
高校になると古文で学習しますが、昔の日本語は、無生物が動作主となることは、基本的にありえなかったのです。
動作をするのは、生物だけ。
しかし、現代では、日本人の多くが英語を学びますから、無生物主語を見慣れています。
だから、無生物主語の文を、普通の文だなあと感じる人もいるかもしれません。
The bad weather made us cancel the trip.
直訳は、「悪天候が私たちに旅行をキャンセルさせた」。
意味をとるだけなら、この直訳のままの把握で十分なのです。
make は、「~させる」という意味の使役動詞。
文型はSVOCで、Cは原形不定詞(動詞の原形)を用います。
上の文では、cancel が、「キャンセルする」という意味の動詞で、それが原形不定詞として使用されています。
とはいえ、「悪天候が私たちに旅行をキャンセルさせた」と、日本語の日常会話で言うかといえば、そんな言い方は、今もしないです。
悪天候のせいで、私たちは旅行をキャンセルした。
日本語ではこのように表現します。
人や動物が動作主として存在しているときに、あえて無生物主語の文は使いません。
日本語と英語の大きな違いの1つです。
だから、無生物主語の問題でむしろ難しいのは、日本語を英語に直す英作文問題です。
無生物を主語にする発想がないために英作文できないという事態が起こりやすくなります。
問題 次の日本語を英語に直しなさい。
(1) 悪天候のせいで、私たちは旅行をキャンセルした。(make を用いて)
(2) この薬を飲めば、気分がよくなるでしょう。(make を用いて)
(3) 彼は自尊心が強いので、その申し出を受け入れなかった。(prevent を用いて)
(4) このバスに乗ると駅に着きます。(take を使って)
(5) その歌を聴くと、私は母を思い出す。(remind を使って)
良いことでも悪いことでも、原因となることを無生物主語として文を作っていけば、わりと素直に英文になるのですが、日本語にこだわり、日本語の構造のまま英文にしようとすると、苦労することになります。
(1) 悪天候のせいで、私たちは旅行をキャンセルした。(make を用いて)
これを、
We canceled the trip because of the bad weather.
と、英文にする能力はあるものの、make の使いどころがわからず、困惑してしまう人もいると思います。
make を用いてという指示があるので、使っていなければ誤答となります。
無生物主語を使うのだとピンとくれば、簡単に解決します。
(2) この薬を飲めば、気分がよくなるでしょう。(make を用いて)
If you take this medicine, you will feel better.
という文なら作れるのに、make を使えと言われて、しぶしぶ、
If you make this medicine, you will feel better.
とか、
If you take this medicine, you will make better.
といった残念な誤用をしてしまう人もいます。
ある程度の英語力はあるのに、もったいないです。
正解は、
This medicine will make you feel better. です。
(3) 彼は自尊心が強いので、その申し出を受け入れなかった。(prevent を用いて)
prevent は、無生物主語がテスト範囲なら出題される可能性の高い問題ですが、何となく苦手意識があって、むしろそこを曖昧にしてしまう人がいます。
正解は、
His pride prevented him from accepting the offer.
です。
prevent は「妨げる」という意味の動詞。
主語+prevent+目的語+from ~ing の語順をしっかり覚えておけば大丈夫です。
prevent の他、keep や stop も、同じ意味、同じ構造の文で使います。
後ろのfom~ing のところを覚えていなければ、正しい文を作れない。
こういうのは、テストに出るに決まっています。
何だか覚えにくいとき、「こういう細かいことは、どうせテストに出ない」と考え、結果、がっつりテストに出ていて後悔する・・・。
この繰り返しからの脱却を図りましょう。
(4) このバスに乗ると駅に着きます。(take を使って)
Take this bus and you will get to the station.
これは、正解。
別解として文句のつけようがありません。
出題者の意図した正解は、
This bus takes you to the station.
だと思いますが。
(5) その歌を聴くと、私は母を思い出す。(remind を使って)
正解は、
The song reminds me of my mother.
主語+remind+目的語+of+名詞(動名詞)
この構造を覚える必要があるので、これもよくテストに出ます。
前置詞が使われているとき、その前置詞に神経を払う習慣をつけましょう。
そういうところがテストに出ます。
とにかく、覚えて使うだけ。
理解して、覚えて、活用する。
それがわかっている人は、特に苦労しないところです。
しかし、学校の英文法のテキストの左側の解説ページで例文をよく確認したにも関わらず、右側の練習問題のページでそれを全く使わず、自分の感覚で問題を解く人が案外多いのです。
何を学んでも、それはそれとして、問題は自分の感覚で解く・・・。
理解して、覚えて、活用する。
それが学習のサイクルですが、そういうサイクル自体を知らない子がいます。
確かに、表だってそんなことを教わることはほとんどないのかもしれません。
小学校の頃から、そんなことは教わらなかった。
だから、そういうサイクルがあることをそもそも知らず、理解はするけれど、覚えないし、活用しない・・・。
理解したら、覚えて、活用しなければならない、ということを体得していない。
勉強が苦手な子には、そういう「そもそも」のところがわかっていない子がいます。
理解したら、もう活用できると思っている子。
理解しても、それはそれとして、活用しない子。
自分が何を学んでいるのか、何を要求されているのか、ピンときていないようなのです。
「無生物主語」の学習をしているのですから、とにかく無生物の主語をまず考えれば、そこから何か続けていけると思うのですが、その発想がない人がいます。
例えば、上の問題で、
(2) この薬を飲めば、気分がよくなるでしょう。(make を用いて)
この文は、今は中学生でも学習します。
そんなに難しい問題ではありません。
しかし、全くわからないと白紙にしてきてしまう子は高校生でも多いです。
「そうか・・・。じゃあ、主語から考えてみましょうか。この文の主語は何でしょうか」
「make?」
「うん?それは動詞ですよ。主語は?」
「・・・get?」
「いや、主語を訊いているんですよ」
「・・・」
「・・・」
主語という言葉の意味が、わかっていない。
高校生になっても、わかっていない。
というよりも、考えることと他人の話を聞くこととを同時にできなくて混乱してしまう人もいるのかもしれません。
会話をするとき、基本動揺していて、相手の言うことがよく理解できず、勘で答えてしまう。
では、一方的に解説を聞く授業なら落ち着いて聴き取れるのかというと、あまり理解できない。
何が大事であるか、話を聞くだけではよくわからない・・・。
ここを突破していくのが、個別指導です。
上の会話では終わらないのです。
「主語です。主語。わかりますか?言ってみて。リピート。『主語』と言ってみましょう」
「・・・主語?」
「そう。主語です。主語ですよ。主語という意味、わかる?」
「・・・」
「文の中の、誰々はとか、何々がという部分です。主語。わかりますか?」
「・・・(黙ってうなずく)」
「この文の主語は、何でしょうか?」
私が何を問いかけているか、とにかくそれを理解できるまで、会話を続けます。
ホワイトボードにも書きます。
勉強が苦手な子の中には、音声を聴き取るのが苦手な子がいます。
耳が悪いということではなく、音声の意味を把握するのが苦手のようです。
しかも、聴き取れていないのに、理解したふりをすることに慣れています。
理解できなくても仕方ないと半分諦めているのかもしれません。
理解しなくても大丈夫だと、自分の都合のよいように解釈している可能性もあります。
それで会話がトンチンカンなものになると、「バレた」と思うのか、突然動揺します。
逆に言えば、そうした子は、ここを突破すれば、理解できます。
「無生物主語を勉強しているのだから、無生物を主語にする」
ホワイトボードに大書して、生徒に声を出して読ませ、この文の意味がわかるか、問いかけたことがあります。
沈黙の続く生徒に、続いて私は語りました。
「今は、無生物主語を勉強しているのだから、無生物主語を使えば正解になるように問題が作られています」
「・・・あ!そういうことか!」
何でそれに気づかないのだろう・・・というようなことに、気づいていない生徒は案外多いのです。
深い霧の中で闇雲に勉強しています。
理解して、覚えて、活用する。
この学習サイクルを身につけましょう。
突然出てくるこの言葉にまず違和感を抱く人がいて、それでわかりにくくなってしまう側面があります。
「無生物主語」というのは、生物ではないもの、すなわち「無生物」が主語となっている表現ということです。
高校になると古文で学習しますが、昔の日本語は、無生物が動作主となることは、基本的にありえなかったのです。
動作をするのは、生物だけ。
しかし、現代では、日本人の多くが英語を学びますから、無生物主語を見慣れています。
だから、無生物主語の文を、普通の文だなあと感じる人もいるかもしれません。
The bad weather made us cancel the trip.
直訳は、「悪天候が私たちに旅行をキャンセルさせた」。
意味をとるだけなら、この直訳のままの把握で十分なのです。
make は、「~させる」という意味の使役動詞。
文型はSVOCで、Cは原形不定詞(動詞の原形)を用います。
上の文では、cancel が、「キャンセルする」という意味の動詞で、それが原形不定詞として使用されています。
とはいえ、「悪天候が私たちに旅行をキャンセルさせた」と、日本語の日常会話で言うかといえば、そんな言い方は、今もしないです。
悪天候のせいで、私たちは旅行をキャンセルした。
日本語ではこのように表現します。
人や動物が動作主として存在しているときに、あえて無生物主語の文は使いません。
日本語と英語の大きな違いの1つです。
だから、無生物主語の問題でむしろ難しいのは、日本語を英語に直す英作文問題です。
無生物を主語にする発想がないために英作文できないという事態が起こりやすくなります。
問題 次の日本語を英語に直しなさい。
(1) 悪天候のせいで、私たちは旅行をキャンセルした。(make を用いて)
(2) この薬を飲めば、気分がよくなるでしょう。(make を用いて)
(3) 彼は自尊心が強いので、その申し出を受け入れなかった。(prevent を用いて)
(4) このバスに乗ると駅に着きます。(take を使って)
(5) その歌を聴くと、私は母を思い出す。(remind を使って)
良いことでも悪いことでも、原因となることを無生物主語として文を作っていけば、わりと素直に英文になるのですが、日本語にこだわり、日本語の構造のまま英文にしようとすると、苦労することになります。
(1) 悪天候のせいで、私たちは旅行をキャンセルした。(make を用いて)
これを、
We canceled the trip because of the bad weather.
と、英文にする能力はあるものの、make の使いどころがわからず、困惑してしまう人もいると思います。
make を用いてという指示があるので、使っていなければ誤答となります。
無生物主語を使うのだとピンとくれば、簡単に解決します。
(2) この薬を飲めば、気分がよくなるでしょう。(make を用いて)
If you take this medicine, you will feel better.
という文なら作れるのに、make を使えと言われて、しぶしぶ、
If you make this medicine, you will feel better.
とか、
If you take this medicine, you will make better.
といった残念な誤用をしてしまう人もいます。
ある程度の英語力はあるのに、もったいないです。
正解は、
This medicine will make you feel better. です。
(3) 彼は自尊心が強いので、その申し出を受け入れなかった。(prevent を用いて)
prevent は、無生物主語がテスト範囲なら出題される可能性の高い問題ですが、何となく苦手意識があって、むしろそこを曖昧にしてしまう人がいます。
正解は、
His pride prevented him from accepting the offer.
です。
prevent は「妨げる」という意味の動詞。
主語+prevent+目的語+from ~ing の語順をしっかり覚えておけば大丈夫です。
prevent の他、keep や stop も、同じ意味、同じ構造の文で使います。
後ろのfom~ing のところを覚えていなければ、正しい文を作れない。
こういうのは、テストに出るに決まっています。
何だか覚えにくいとき、「こういう細かいことは、どうせテストに出ない」と考え、結果、がっつりテストに出ていて後悔する・・・。
この繰り返しからの脱却を図りましょう。
(4) このバスに乗ると駅に着きます。(take を使って)
Take this bus and you will get to the station.
これは、正解。
別解として文句のつけようがありません。
出題者の意図した正解は、
This bus takes you to the station.
だと思いますが。
(5) その歌を聴くと、私は母を思い出す。(remind を使って)
正解は、
The song reminds me of my mother.
主語+remind+目的語+of+名詞(動名詞)
この構造を覚える必要があるので、これもよくテストに出ます。
前置詞が使われているとき、その前置詞に神経を払う習慣をつけましょう。
そういうところがテストに出ます。
とにかく、覚えて使うだけ。
理解して、覚えて、活用する。
それがわかっている人は、特に苦労しないところです。
しかし、学校の英文法のテキストの左側の解説ページで例文をよく確認したにも関わらず、右側の練習問題のページでそれを全く使わず、自分の感覚で問題を解く人が案外多いのです。
何を学んでも、それはそれとして、問題は自分の感覚で解く・・・。
理解して、覚えて、活用する。
それが学習のサイクルですが、そういうサイクル自体を知らない子がいます。
確かに、表だってそんなことを教わることはほとんどないのかもしれません。
小学校の頃から、そんなことは教わらなかった。
だから、そういうサイクルがあることをそもそも知らず、理解はするけれど、覚えないし、活用しない・・・。
理解したら、覚えて、活用しなければならない、ということを体得していない。
勉強が苦手な子には、そういう「そもそも」のところがわかっていない子がいます。
理解したら、もう活用できると思っている子。
理解しても、それはそれとして、活用しない子。
自分が何を学んでいるのか、何を要求されているのか、ピンときていないようなのです。
「無生物主語」の学習をしているのですから、とにかく無生物の主語をまず考えれば、そこから何か続けていけると思うのですが、その発想がない人がいます。
例えば、上の問題で、
(2) この薬を飲めば、気分がよくなるでしょう。(make を用いて)
この文は、今は中学生でも学習します。
そんなに難しい問題ではありません。
しかし、全くわからないと白紙にしてきてしまう子は高校生でも多いです。
「そうか・・・。じゃあ、主語から考えてみましょうか。この文の主語は何でしょうか」
「make?」
「うん?それは動詞ですよ。主語は?」
「・・・get?」
「いや、主語を訊いているんですよ」
「・・・」
「・・・」
主語という言葉の意味が、わかっていない。
高校生になっても、わかっていない。
というよりも、考えることと他人の話を聞くこととを同時にできなくて混乱してしまう人もいるのかもしれません。
会話をするとき、基本動揺していて、相手の言うことがよく理解できず、勘で答えてしまう。
では、一方的に解説を聞く授業なら落ち着いて聴き取れるのかというと、あまり理解できない。
何が大事であるか、話を聞くだけではよくわからない・・・。
ここを突破していくのが、個別指導です。
上の会話では終わらないのです。
「主語です。主語。わかりますか?言ってみて。リピート。『主語』と言ってみましょう」
「・・・主語?」
「そう。主語です。主語ですよ。主語という意味、わかる?」
「・・・」
「文の中の、誰々はとか、何々がという部分です。主語。わかりますか?」
「・・・(黙ってうなずく)」
「この文の主語は、何でしょうか?」
私が何を問いかけているか、とにかくそれを理解できるまで、会話を続けます。
ホワイトボードにも書きます。
勉強が苦手な子の中には、音声を聴き取るのが苦手な子がいます。
耳が悪いということではなく、音声の意味を把握するのが苦手のようです。
しかも、聴き取れていないのに、理解したふりをすることに慣れています。
理解できなくても仕方ないと半分諦めているのかもしれません。
理解しなくても大丈夫だと、自分の都合のよいように解釈している可能性もあります。
それで会話がトンチンカンなものになると、「バレた」と思うのか、突然動揺します。
逆に言えば、そうした子は、ここを突破すれば、理解できます。
「無生物主語を勉強しているのだから、無生物を主語にする」
ホワイトボードに大書して、生徒に声を出して読ませ、この文の意味がわかるか、問いかけたことがあります。
沈黙の続く生徒に、続いて私は語りました。
「今は、無生物主語を勉強しているのだから、無生物主語を使えば正解になるように問題が作られています」
「・・・あ!そういうことか!」
何でそれに気づかないのだろう・・・というようなことに、気づいていない生徒は案外多いのです。
深い霧の中で闇雲に勉強しています。
理解して、覚えて、活用する。
この学習サイクルを身につけましょう。
Posted by セギ at 11:59│Comments(0)
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