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2019年11月27日

高校英語。比較表現。富士山は日本で一番高い山です。

高校英語。比較表現。富士山は日本で一番高い山です。

高校英語。今回は「比較表現」です。
この単元は重要表現や構文、慣用表現が多いため、マスターすることを諦めてしまう人が出やすいです。
しかし、入試はそこが出るので、1つでも多くの表現を身につけるべく前向きにやっていきましょう。

今回は、その中では基本。
中学でも少し学習している、原級・比較級・最上級の言い換え表現です。

「富士山は日本で一番高い山である」
これの伝え方には、何通りもの表現があります。

一番最初にピンとくるのは最上級でしょう。
最上級は、「最も~」「一番~」ということを意味するときに使うものです。

Mt.Fuji is the highest mountain in Japan.

最上級は、形容詞・副詞の原級に est を付けるのが基本の形です。
また、形容詞の最上級の前には必ず the をつけます。
副詞の最上級の場合は、the はつけてもつけなくても構いません。

上の文の high は、mountain という名詞を修飾しているので、形容詞です。
だから、必ず the がつきます。


さて、この最上級の文だけで事足りる気もしないではありませんが、何しろ英語というのは言い換え表現が多用される言語です。
何回も同じ表現を繰り返すのは、文章を書くのが下手な人。
教養がないと思われます。

読む側にとっては、同じことは何回でも同じ表現をしてもらわないと困る。
同じことは、同じ表現がなされるべきだ。
そのように思っている人は、言い換えを読み取れない場合が多いのです。
だから、読解の四択問題で、本文と同じ表現を使っている選択肢に簡単に引っかかります。
正解の選択肢は、本文と同じ内容を別の表現で説明していることが多いのです。
むしろ、全く同じ表現が使われている選択肢は、フェイクの匂いがプンプンします。
同じ表現を使わざるを得なかったからこの選択肢が正解だったのだということもありますが、同じ表現なのはひっかけの選択肢であることのほうが多いと理解しておくだけでも、正答率が上がります。

同じことを別の言葉で表現されたら、わかるわけがないんですけど・・・。
こうした課題を抱えている人は、まず単語力をつけること。
類義語を沢山知っておくこと。
そして、文法による言い換え表現を身につけることが効果的です。


そんなわけで、「富士山は日本で一番高い山です」を最上級以外の表現で表す方法を確認しましょう。
まずは、比較級で表現するには。

Mt.Fuji is higher than any other mountain in Japan.
富士山は、日本の他のどの山よりも高い。

同じ意味になりました。
「比較級+than+any other+単数名詞」という形で記憶しておきたい表現です。

他にもあります。
No other mountain in Japan is higher than Mt.Fuji.
日本の他のどの山も、富士山ほど高くはない。

主語に no がついていますので、実質的にこの文は否定文で、日本の他の山は高さにおいて否定されています。

比較級のどちらの表現も、mountain は単数形であることは特に強調して覚えておきたいところです。
基本、比較は1対1で比較するもの、というイメージで覚えておくと、覚えやすいでしょうか。


原級による表現もあります。
原級表現というのは、as ~ as を使うもののことです。

He is as old as my brother.
彼は私の弟と同じ年齢だ。

と、主語と比較対象が同じであることを示すのがas ~asです。
これの否定文は、主語を否定することになります。

He is not as old as my brother.
あえて直訳すると、「彼は私の弟ほど年をとっていない」です。
つまり、「彼は私の弟より年下だ」となります。
これを使えば、最上級の言い換え表現となります。

as ~as と so ~ as は、ほぼ同じ意味としてとらえて大丈夫です。
使い分けを質問されることがありますが、so のほうが強調の気持ちがこもっているという程度のことです。
中学の頃はas ~ as しかなかったのに、高校になると so ~ as が加わってきます。
しかも、そのことについて特に説明されないこともあります。
それで混乱し、どう使い分けるのだろうとおろおろする人もいますが、心配無用です。
一方、so ~ as が 使われている文を何回見ても、「え。こんなの初めて見た」と言い、説明は耳を素通りし、すぐに忘れる人も多いです。
だから、今回はあえて so ~ as のほうを使いますよー。

No other mountain in Japan is so high as Mt Fuji.
日本の他のどの山も富士山ほど高くはない。
最上級と同じ意味になりました。

以上の4通りを覚え、問題ごとに適切な形のものを選んで答えていけば、この文法事項はクリアです。

もう一度整理しましょう。
Mt.Fuji is the highest mountain in Japan.
=Mt.Fuji is higher than any other mountain in Japan.
=No other mountain in Japan is higher than Mt.Fuji.
=No other mountain in Japan is so high as Mt Fuji.
です。


では、具体的に問題を解いてみましょう。

問題 次の各文を指示に従って書き換えよ。
(1) John is the tallest boy in this class. (原級で)

これは簡単です。
上の富士山の文の形をそのまま使用できます。
正解は、
No other boy in this class is so tall as John.


(2) Nothing is so precious as health. (比較級で)

比較級による表現は2通りありますから、そのどちらでも正解です。
Nothing is more precious than health.
Health is more precious than anything else.

この問題が (1) よりもやや難度が高いのは、まず、precious という単語の意味がわからず、だからこの問題は解けないと諦めてしまう人がいること。
単語の意味はわからなくても、とにかくこれは形容詞だなと、文法事項として把握すれば正解に至るのですが、「意味がわからなければ解けない」という思い込みが強い人もいます。
数学の問題は意味を考えずに解いているようだがなあと嫌味の1つも言いたくなることもあります。
勉強が苦手な子は、何ごとも逆のこだわりを示しがちなのです。
勉強が苦手ということは、究極、そのように考え方の方向が違う、見当が違うことの積み重ねなのかもしれません。
ただ、precious の意味がわかるに越したことはありません。
この機に覚えてくれるのなら何よりです。

もう1つの問題は、形容詞 precious の比較級が more preciuos であることに気づかず、preciouser としてしまう人がいること。
基本的に、3音節以上の形容詞・副詞は、比較級は more+原級の形をとります。

また、もとの文が nothing から始まっているのですから、そのままnothing から始めれば楽に書き換えられるのですが、なぜか health から書き出し、
Health is more precious than 
まで書いて、続きがわからない・・・ということも起こりがちです。
富士山の例文の場合は、比較対象は日本の他の山々でしたが、この文は比較対象がわからない。
というより、全ての中で健康が一番貴重だと言っているのです。
その場合、anything else 「他の何よりも」という表現を覚えていないと、文の後半が作れないのです。


(3) He is not so young as he looks. (He looks から書き出して)

「彼は見た目ほど若くない」という意味です。
この文の表す意味内容は最上級表現ではないですね。
だから、今までの問題とは少し性質が異なります。
彼の実年齢と彼の見た目とを比較しているのです。
だから、比較級で書き換えるのだろうと見当がつきます。
He looks younger than he is.
「見た目」が he looks で、年齢的な現実がhe is であることは、問題文にも使用されていることなのですが、書き換えろと言われると、案外それが使えない・・・。
こういうことは練習により柔軟性が増してくることなので、やはり、練習あるのみだと思います。
しかも、効果的な練習を。


間違えた問題にはチェックを入れて必ず解き直すと、効果的・能率的な練習となります。
「解き直し」というと、正解だった問題も不正解だった問題もべったりと解き直す人がいます。
3か月くらいたって復習するのならそれも良いことですが、解いたばかりの問題を解き直すときには、正解だった問題は飛ばし、不正解だった問題だけを解き直しましょう。
何回解き直しても同じところを同じように間違えるが、全体としては60%くらいの正答率なので、大体こんなもんでいいか、基本は身についた、という勉強では、残り40%の「穴」は永遠に埋まりません。
解けなかった問題を解けるようにするのが勉強です。

間違えた問題にはチェックを入れて解き直す。
そんなことは、誰もが言う勉強の工夫で、目新しいものではありません。
しかし、中学生・高校生は、これを出来ない人が多いのです。
間違えた問題の番号にチェックを入れることすらできない子が大半です。
間違えたときに、自分のノートにバツをつけることすらできない子もいます。
書き直して丸をつけてしまうのです。
「自分のマイナスを見つめる」作業をすると劣等感を刺激されて気持ちがつらくなるので、そういうことを無意識に避けてしまうのか?
見栄っぱりなので、ノートはとりあえず全部正解の状態にしておきたいのか。
そうして、本当はできていないことをできたかのように、記憶を塗り替える。
あるいは、自分ができることを繰り返して、うん、自分はできる、という勉強だけをしてしまう。
勉強が下手な人に多い傾向です。

つまり、間違えた問題を解き直すという勉強法は、誰もが知っていても、実践できる人は少ない。
実践しているのは、秀才たちだけです。
最初のうちは多少心が傷ついたり、嫌な思いもするけれど、我慢してこの勉強法を取り入れることができれば、成績は上がります。
実践できない人たちが、いつまでも同じところを同じように間違えている中で、自分は、同じ間違いをしないようになれるのですから。

英語の勉強は、なかなか結果が出なかったり、苦労ばかり多くて報われない思いが強かったり。
そんな中でも、諦めなかった人たちだけが、英語が得意になっていきます。
ほんのちょっとの我慢の繰り返しで、苦手は苦手でなくなります。




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