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2019年09月01日

高校数Ⅱ「式と証明」。不等式の証明その1。

高校数Ⅱ「式と証明」。不等式の証明その1。

今回は、「不等式の証明」に入ります。
「左辺と右辺が文字ばっかりじゃ、大小なんてわからないんじゃないの?」
以前、そういう鋭い質問を受けたことがあります。
文字の値によって大小なんて違ってくるんじゃないの?
そんなものをどうしたら証明できるの?

勿論、個々の文字の値が何であるかによって大小が異なる場合がほとんどです。
証明できるものはごく一部です。
だから、練習する問題は、証明できるものだけなのです。
では、どんな場合に証明できるのか?

まず、左辺-右辺≧0 を証明できれば、左辺≧右辺 です。
では、どんなときに左辺-右辺は0以上になるのか?
左辺-右辺を何かの2乗の形にできるなら、それは0以上の数でしょう。
実数の場合、2乗すれば必ず0以上の数になります。
不等式は、これを用いて証明することが多いです。

問題 x4+y4≧x3y+xy3 を証明せよ。

左辺-右辺
=(x4+y4)-(x3y+xy3)
=x4+y4-x3y-xy3
項の順番を変えてみましょう。
=x4-x3y-xy3+y4
ここで、共通因数で括ります。
=x3(x-y)-y3(x-y)
( )の中身が共通因数となりましたので、さらに因数分解できます。
=(x-y)(x3-y3)
後半の(  )は、さらに因数分解できます。
3乗の公式を使います。
=(x-y)(x-y)(x2+xy+y2)
=(x-y)2(x2+xy+y2)

さて、ここまで因数分解して、前半の(x-y)2は、2乗ですから、必ず0以上になります。
後半の x2+xy+y2 は、どうでしょうか。
ここは、平方完成してみます。

平方完成を覚えているでしょうか?
数Ⅰの「2次関数」でやりました。
頂点の座標を求めるために式を変形する方法です。
因数分解と異なり、定数項が(  )の外にはみ出しても、別に構わないのでした。
今回はxについての文字式と考えて平方完成しますので、yはxの係数として扱います。
x2+yx+y2
=(x+1/2y)2-1/4y2+y2
=(x+1/2y)2+3/4y2≧0
この式は、前半も後半も2乗の形になっています。
だから、どちらも0以上の数だとわかります。
0以上の数同士を足しても、0以上です。
よって、この式は、0以上です。
元の式に戻りましょう。
(x-y)2(x2+xy+y2)
=(x-y)2{(x+1/2y)2+3/4y2}
これは、0以上の数と0以上の数の積であることがわかります。
よって、全体も0以上です。
左辺-右辺≧0
左辺≧右辺
これで証明できました。

さて、≧のように、等号が含まれている不等式の場合、どんなときに等号が成り立つかを書き添えるのが慣例です。
(x-y)2{(x+1/2y)2+3/4y2}=0
は、どんなときに成立するでしょうか。
前半の( )または後半の{ }の中身が0ならば、積は0です。
よって、x-y=0 または、x+1/2y=0かつy=0
となります。
これを整理すると、
前半は、x=y です。
「または」の後のほうは、y=0をx+1/2y=0に代入すると、
x=0となり、よってx=y=0です。
これは、前半のx=yの1例と考えることができます。
よって、等号は、x=y のときに成り立ちます。

以上が不等式の解き方の基本です。
因数分解や平方完成を忘れてしまっていると上手くできないかもしれません。
数学は、積み上げ科目。
1つの単元が終われば、そのときに使った解法や公式は全て忘れる。
そういう勉強をしていると段々苦しくなるのは、こういうことがあるからです。

ただ、1回学習したくらいでは身につかないのも事実です。
因数分解ばかりしていると、平方完成のやり方を忘れる。
平方完成ばかりしていると、因数分解のやり方を忘れる。
また戻って練習して、できるようになって、また忘れて、また練習しての繰り返し。
それでいいと思います。
もう無理だ、と諦めてしまう前に、まだできることがあります。









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