たまりば

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2018年04月25日

円順列の考え方。円卓は平等なんです。


順列は順番が重要です。
小学校でも「並べ方と組み合わせ方」という単元で学習しますし、中学でも「場合の数と確率」で学習するのですが、何回学習しても、結局、順列とは何であるか曖昧になってしまう子がいます。
順列だけ考えてもよくわからないので、組み合わせとの違いを意識するとわかりやすくなります。

例 30人の生徒のうちから学級委員と副学級委員を選ぶ方法は何通りあるか。

樹形図をイメージしながら考えます。
まず、学級委員を選ぶ方法は、30人いますから、30通りあります。
その30通りについて、それぞれ、副学級委員を選ぶ方法は、学級委員に選ばれた1人を除いた29通りあります。
1人の学級委員から、29本の枝が広がる樹形図がイメージできます。
よって、式は、30×29=870
870通りが答えです。
これが順列です。
学級委員にA君が選ばれ、副学級委員にB君が選ばれた場合と、学級委員にB君が選ばれ、副学級委員にA君が選ばれた場合とは、異なるものとなります。
順番が重要。
それが順列です。

例 30人の生徒のうちから学級委員を2名選ぶ方法は何通りあるか。

今度は、学級委員が2名で、その2名に「正」「副」はありません。
ならば、学級委員にA君とB君を選んだ場合と、B君とA君を選んだ場合は、同じものとなります。
順番は関係ない。
これが組み合わせです。
式は、(30×29)÷(2×1)となりますが、この話はまたいずれ。


例 5人でリレーをするとき、走る順番は何通りあるか。

これは順番が重要ですから順列ですね。
樹形図をイメージしながら式を書いていくと、まず第1走者は5通り。
そのそれぞれに対して、第2走者の候補は、4通り。
そのそれぞれに対して、第3走者の候補は、3通り。
そのそれぞれに対して、第4走者の候補は、2通り。
そのそれぞれに対して、第5走者の候補は、1通り。
樹形図は規則的に広がっていきます。
式は、5×4×3×2×1。
これを「5!」と書き、「5の階乗」と読みます

ところで、上の説明では「それぞれ」と書きましたが、教科書や参考書によっては、「おのおの」と書いてあります。
最近、「おのおの」とか「めいめい」という日本語がわからないという高校生も多く、説明を読んでも理解できないことがある様子です。
「そんな言葉、知らなーい」
と高校生は気軽に言いますし、知らないことが若さの象徴であると思うのか、なぜか自慢げな様子さえ見られます。
自分の知らない言葉は古い言葉、「死語」だと思うようなのです。
しかし、それは自分が知らないだけかもしれません。
そういう客観性は持っていたほうが良いでしょう。
わからない言葉があったらそれをかみくだいて説明するのも私の仕事ですが、「おのおの」や「めいめい」は死語ではなく、書き言葉です。
意味を覚えたほうが国語の読解などに役立つので、頑張って覚えましょう。
「知らない言葉=死語」と思っていたら、語彙が増えないです。

ここでもう1つ困るのが、最後の ×1 を省略したがる子。
「こんなの無駄だ」
と思うのか、省略して書かない子がいます。
計算に影響しないけれど意味のあることだから書きなさいと促しても、書こうとしません。
目先の面倒くささに書くのを省略しているだけですと、あとで本人が困ることがあります。
自分の書いている式の意味がだんだんわからなくなり、組み合わせの学習に進んだときに、分母と分子の釣り合いが取れていない妙な式を書いても自分のミスに気がつかなくなることがあるのです。
学習が先に進み、難しくなってくると、理解できなくなってしまう。
それは、基礎の段階で本人が王道と外れたことをやってしまっているのが原因のことがあります。
何千年の歴史のある数学において、現代まで残っているやり方には何か意味があるでしょう。
「自分なりのプチ工夫」はやめたほうが良いでしょう。
独創性や創造性は、そういうことではないと思うのです。
むしろ、数学ができなくなる原因を自分が作っているだけかもしれません。

話は戻って。
樹形図をイメージすることで順列の公式の意味が理解できていれば、順列の基本問題は簡単です。
しかし、「円順列」と「じゅず順列」は、それだけではよくわからないことがあるようです。

冒頭の板書をご覧ください。

例 5人が円卓を囲む方法は何通りあるか?

円卓は、上座下座が存在しません。
アーサー王と円卓の騎士』も、上下関係がないという意味で円卓が登場しますね。
日本の内閣の閣議も円卓で行われます。
いや、本当に上下関係はないのかなあと、ちょっと心がざわつく面がないわけではないですが、まあそれはさておき。
一番上の画像をご覧ください。
円卓は、図の上とか右とか左といった位置に意味はありません。
重要なのは、互いの位置関係です。
誰の隣りに誰がいて、その隣りに誰がいるのか。
そういうことが並べ方として重要となります。
画像にあるように、全体を少し回転させただけで位置関係が同じになってしまいます。
それは、同じ並べ方ですす。
ですから、普通の順列のように、5!で計算すると、同じ並べ方を何回もダブって計算してしまうことになります。

では、その計算方法では同じ並べ方を何回カウントしてしまうのか?
Aの位置に着目して考えれば、5個の席の分だけ、つまり、5回同じ並べ方をカウントしていることになります。
だから、5!÷5 で本当の並べ方の数が計算できます。

一般化すると、n個の円順列なら、n!÷n です。
それはつまり、一番初めのnを最初からかけなければ良い話。
ですから、公式は、(n-1)!です。

「円順列」の解説にはもう1通りあって、Aを回転させると同じ並べ方が何回も出てくることになるので、Aは位置を固定させます。
そのAの周囲に、どのように人を配置するかで、円卓を囲む方法はダブらずに数えることができます。
それは、Aを覗いた4人の順列で良いでしょう。
だから、求め方は、4!
公式は、(n-1)!

この2つの解説のうち、理解しやすいほうで理解すればよいです。
いずれにせよ、公式としては同じです。

続いて、「じゅず順列」。
円卓を囲む方法は、裏返したものは別の並べ方となります。
人間が全員、足を上に向けて裏返ったテーブルを囲むということはありえないですから。
しかし、じゅずや首飾りとなりますと、簡単に裏返せます。
そして、裏返したからといって、その玉の並び方が急に別の並び方になるはずがありません。
すなわち、じゅずや首飾りは、裏返した並べ方も同一のものとみなします。
表と裏で、2通り。
だから、円順列で求めたものをさらに2で割ります。
これが、「じゅず順列」です。ヽ(^。^)ノ



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