2011年06月22日
Dの音

今日は、「英語耳」の話。
都立でも私立でも、英語の高校入試には、多くの場合、リスニング問題が出題されます。
全体の2割程度の配点ですが、これは無視できません。
そして、このリスニング。苦手な子は、本当に苦手です。
昔と比べて、今の子は、音感もリズム感もよく、カラオケに行けばそこそこ歌え、ダンスをすればそこそこ踊れる子が圧倒的に多いのですが、英語が聞き取れるかというと、これはもう、「人による」としか言えません。
聞き取れる子は、聞き取れる。
聞き取れない子は、聞き取れない。
英語が聞き取れない子の原因は何かと言ったら、それはもう単純で、普段から、英語を聞く習慣がありません。
日本語と英語は、音韻体系が違いますから、日本語ばかり聞いている耳では、英語の音が聞き取れません。
日本語の中に存在する、似ている音に、耳が勝手に置き換えてしまう。
まさかと思う人もいるかもしれませんが、今の中学生でも、なお、b(ビー)とd(ディー)を聞き分けられない場合があります。
bとdの書き分けができない中学生も多いですけど、音も聞き分けられません。
なぜかというと、b(ビー)という音は、日本語にありますが、d(ディー)という音は、日本語にありません。
ない音なので、全部、b(ビー)に聞こえてしまう。
それが、「日本語耳」です。
数学も教える私は、「線分ADが、線分ABと垂直であるとき」なんて説明をすることがあるわけですが、これが聞き取れない子、多いんです。
え?
私の発音が悪いから?
そんなー。

発音が良くなればなるほど、聞き取れない子が増えるんです。
むしろ、ベタベタに、「線分えーでーが、線分えーびーと・・・」と発音したほうが、聞き取ってもらえます。
ベテラン数学教師で、こういうベタベタな発音をして、生徒たちに陰で笑われている人がいるかもしれませんが、今の現役教師の年齢で、dの発音が本当にできない人がいるとは考えられない。
生徒が聞き取れないからやっているんですね。
この首都東京に生きる、21世紀の中学生が、bとdを聞き分けられない。
ある意味、ホラーかもしれません。
テレビ放送もそうです。
CMで、「リポビタン、でー」と叫んでいる人が、dを正しく発音できないわけがない。
先週は、30代のアナウンサーが、やはり、若干照れながら、「A、B、C、でー」と発音しているのを見ました。
日本人に、確実に一度で伝えるためには、「でー」なんですね。
日本人が聞き取れないから、あえて、やっているんでしょう。
高齢者に聞き取ってもらうための配慮というだけではありません。
若年層も、かなりの割合で、聞き取れないんです。
さて、そんな日本で、この夏、セギ英数教室の中3夏期講習は、リスニングプログラムを用意して、秋からの模試対策をいたします。
教科書準拠のCDを買っても、封も切っていない。
NHKラジオ講座「基礎英語」がいいと聞いても、ラジオに触ったこともない。
英語教科書の音読と、ネイティブのALTが苦手。
心は、いまだに鎖国中。
そんな、「日本語耳」の皆さんを、お待ちしております。

写真は、那須三本槍岳へと登る途中から眺めた、アズマシャクナゲごしの朝日岳。
Posted by セギ at 23:52│Comments(4)
│英語
この記事へのコメント
勉強になります Dの音は神田とか道場とかあると思います 無いのはfやvのように思いますが
Posted by すこや at 2011年06月23日 09:14
すこや先生、コメントありがとうございます。
日本語耳は、子音+母音を1音として聞き取るので、「ダ」「デ」「ド」の音は耳に慣れていても、「ディ」の音は聞き取れないようです。
ヘボン式ローマ字表記では、ダ行は、
da ji zu de do
と書きます。
パソコンの入力方法と違い、発音を重視している表記がヘボン式です。
di という音は、日本語に存在しない音。
発音記号をパソコン入力できれば、もっとわかりやすかったですよね。
私の言葉も足りないんだな。
(*^_^*)
日本語耳は、子音+母音を1音として聞き取るので、「ダ」「デ」「ド」の音は耳に慣れていても、「ディ」の音は聞き取れないようです。
ヘボン式ローマ字表記では、ダ行は、
da ji zu de do
と書きます。
パソコンの入力方法と違い、発音を重視している表記がヘボン式です。
di という音は、日本語に存在しない音。
発音記号をパソコン入力できれば、もっとわかりやすかったですよね。
私の言葉も足りないんだな。
(*^_^*)
Posted by セギ at 2011年06月23日 09:43
これは、わかりにくいな、と気づき、話題にしているのは、子音単独のd音ではなく、日本語耳が聞き取る「子音+母音」の音だとわかるように、()して、カタカナ表記を加えてみました。
bかdかを聞き分けなくても済む場合には、dが聞き取れることがあります。これは、前後から判断して音を聞き取っている場合で、日本語耳の人が英語を聞きとるには、これを常にやっていく必要があります。
bかdかを聞き分けなくても済む場合には、dが聞き取れることがあります。これは、前後から判断して音を聞き取っている場合で、日本語耳の人が英語を聞きとるには、これを常にやっていく必要があります。
Posted by セギ at 2011年06月23日 10:06
了解です。なるほど「ディ」はありませんね。
Posted by すこや at 2011年06月23日 11:26
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