たまりば

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2019年11月11日

一ノ尾根から陣馬山、高尾山へと縦走しました。2019年11月。


2019年11月10日(日)、陣馬山から高尾山へと縦走しました。
高尾駅で乗り換えて、藤野駅着。8:55。
高尾・相模湖間の単線運行も終わり、電車のダイヤも通常通りです。
駅に降り立つと、うっすらと柚子の香りがしました。
見回しても、柚子畑は見えなかったのですが。
さすが柚子の町です。
支度をして出発。9:05。
駅のデッキからそのまま、高尾方面へと歩きだします。
しばらく行くと踏切が見えてきます。
踏切を渡り、すぐにトンネル。
トンネルは、真ん中あたりの電灯が切れて、ほんの数メートルですが真っ暗でした。
数日快晴が続いているのに、天井から水滴がぽつんと落ちてきました。
これは水害の影響なのでしょうか?

トンネルを抜け、舗装道路をてくてく歩いていくと、和田行きのバスが続けて2台、走り抜けていきました。
バスももう通常運転。
乗客は満員でした。

なおもてくてく歩き、陣馬山登山口のバス停を過ぎて、陣馬温泉の大きな看板のところで右折。
この道をまっすぐ行くと栃谷尾根。
一ノ尾根は、次の道しるべを左折します。
運動会の本部のような大きなテントが張られていました。
「陣馬山トレイルラン」と書かれたのぼりもはためいています。
ここはチェックポイントのようで、給水所も設けられていました。
うわあ、今日はトレイルランの大会の日なんですね。
知らなかった。

まだしばらくは舗装道路が続きます。
なかなかの急坂かつ急カーブの道を上っていきました。
一か所、ブルーシートが斜面にかけられていました。
通行には問題ありませんが、土砂崩れの跡なのかなあ。

登山口。9:45。
まずは緩やかで歩きやすい登山道。
やがて道は細くなり、岩がちな急登になり、登り切るとまた広く歩きやすい道。
一ノ尾根は、それが繰り返されます。
急登もそんなに長くはないので、陣馬山に登る道の中でも、少し長いけれど気持ちのよいコースです。
台風でどこか傷ついた様子もなく、いつも通りの穏やかな登山道でした。

東側の眺望が開け、気持ちよいジグザグの上りになったあたりで、トップのランナーが駆け降りてきました。
コースが掲示されていたのでちらっと見た限りでは、藤野のどこかのスタート地点から、明王峠まで登り、陣馬山を越えて、一ノ尾根を下るようです。
何時に出発したのか知らないけど、速いなあ。
1人、また1人。
トップを行く人たちは、まだまばらです。
やがて、集団が現れ始めました。
5人の集団。
10人の集団。
集団は徐々に人数が増え、団子状態になっていきました。
その都度立ち止まってランナーを通していると全く先に進めないので、すれ違い可能な道幅のあるところでは、用心しながらゆっくり歩いていきました。

前にも書きましたが、トレイルランという新しいスポーツが始まった当初、創始者たちは、登山者と摩擦が起こらないよう気を遣い、このスポーツの技術的な指導と同じくらいにマナーの啓蒙を重視していました。
登山者を怒らせ、「山から出ていけ」と言われないように。
トレイルランを禁止する山域が広がらないように。
今、トレイルランはすっかり市民権を得ましたが、マナーの徹底しているランナーは今も多いです。
登山者とすれ違うときは、特に危険な箇所ではなくても、スピードを緩め、安全にすれ違うこと。

ところが、前から来たランナーの1人が私に気づき、スピードを緩めたその瞬間、すぐ後ろを走っていたランナーが追い抜こうとして横に飛び出てきて、危うく私と接触しそうになったのです。
危ない!

衝突は回避しましたが、危ないなあ。
前の人がなぜスピードを緩めたか、その理由を考慮せず、あ、前の人が遅くなった、追い抜こう、と単純に考えたんでしょう。
前を走る人が急にスピードを緩めた原因を考えてほしい。
登山者がいる可能性をまず考えてほしいです。
とはいえ、どんなスポーツも、裾野が広がると、徹底できないことは増えるのだ。
怒らない、怒らない。

ランナーの集団はとうとう50人規模になり、大行列が過ぎていくようになりました。
木の根の段差の道とその横に作られた平坦の道との並ぶ緩やかな登りのあたりで、ランナーはまた少人数となりました。
そして、「救護」と書かれたゼッケンをつけた人を最後に、山は再び静寂に包まれました。
はあ、終わったようだ。

和田からの登山道との合流点。11:10。
ベンチで休憩していると、和田から登ってくる人が現れました。
「和田からの道、大丈夫でしたか?」
「ああ。登山口のあたりはまだちょっとごちゃごちゃしているけどね」

そこからしばらく行くと、ジグザグの急な登りが始まります。
さらにその先は、長い木段。
もう清水茶屋は見えているのに、なかなか歩が進みません。
この木段はいつも長いなあ。

ともあれ、陣馬山山頂。11:35。
足止めされている時間が長かったので、いつもより20分ほど遅い到着となりました。
清水茶屋と、白馬のモニュメントの前の茶店は営業していました。
山頂から少し下がったところの茶店は、本日は休業。
陣馬山に憩う登山客の数は、いつもと同じくらいでした。
台風直後は、登山道の多くが寸断されて、山頂がすっからかんになった日もあったようです。

よく晴れて気持ちの良い日なのですが、富士山だけは雲をまとって姿が見えませんでした。
生藤山の優美な尾根はくっきり。
遠く大岳山は、濃い紫色。

さて、ここからは高尾山へと縦走します。
晴れが続いたので、陣馬山付近でも泥んこのところは少なく、快適に歩いていけました。
奈良子峠よりも手前、陣馬高原下へと降りていく細い道にはロープが張られ、侵入禁止となっていました。
「登山道消失」とのこと。
一度も歩いたことがなかったなあ・・・。

陣馬山方向へと歩いてくる登山者は、いつもより少ない気がします。
その分、人の少ない遠い山を歩くときの登山者どうしのような親しみがわいてきたりします。
いつもの奥高尾縦走路は、そんな感じは全くなく、挨拶しない人も多い都会の観光地なのですが。
「今朝はどこから来たの?」
と、向こうから来た登山者に声をかけられました。
「藤野駅から歩いて一ノ尾根を来ました」
「そうか。歩いてかあ。陣馬高原下に降りて、そこからバスが出ているところまで歩こうかなあと思ったけど、どうかなあ」
「え。遠くないですか?バスは大久保までしか来てないらしいですよ。一ノ尾根を降りても、和田に降りても、バスが来てますよ。歩くこともできますし」
「歩くと藤野駅までどれくらい?」
「一ノ尾根の登山口から30分から40分くらいです」
「そう」

そんな情報交換をし、しばらく行くと、今度は小学生の女の子3人が。
「山頂まで、どれくらいですか?」
「山頂?陣馬山?」
「はい。私たち、陣馬山に行きたいんです」
「はあ・・・。陣馬山まで、ここからだと後30分くらいですね」
「そうですか。ありがとうございます」
礼儀正しい子たちだったけど、小学生だけで陣馬山まで縦走するのかなあ?
それからどうするんだろう?
呼び止めて、根掘り葉掘り聞いたら良かったなあ・・・。


奈良子峠で、トレイルランナーが登ってくるところに再び遭遇しました。
先程のランナーたちとはスピードも雰囲気も異なり、初心者ランナーたちの様子です。
2つのコースが設定されている大会なのかもしれません。
陣馬山方面とは反対側、明王峠へと走っていきました。

明王峠。12:35。
ランナーたちは、ここから相模湖与瀬神社へのコースを下っていきました。
このコースは、水平な崖道のあたりで登山道が崩落していると、ネットに上がっていた記録で読みました。
通行禁止にはなっていず、注意して慎重に通行を、ということのようです。
ランナーが大勢踏んでいけば、崩落個所もさらに歩きやすくなりそうです。

明王峠のベンチで昼食を取り、さて出発。12:50。
ここから高尾山への道は、幾度も通った良く知る道のはずなのですが、丈の高いススキや他の草に覆われた何だか見覚えのない道が。
ああ、ここは伐採地だ。
植林帯が伐採され、日影のない暑くて埃っぽい場所でしたが、草の丈が高くなり、雰囲気が変わっていました。
林が再生されていく様子を、これから行く度に感じることができるでしょうか。

底沢峠から陣馬高原下に降りていく道は、通れるようで、ロープは張られてありませんでした。
マス釣り場へと降りていく道です。
でも、バスが来てないですからね。

陣馬山から景信山まで、まき道は全て通行可能。
いつも通りでした。
景信山まで、ピークを1つパスできるまき道も通行可能。

景信山。14:05。
上の茶店が営業中。
下の茶店はお休みでした。
富士山が姿を見せていましたが、もう午後なので、うっすらと薄い富士山でした。
景信山は、正規の登山道の1つである、小仏バス停からの南東尾根は通行可能。
小仏までのバスももう通常運行となっています。

山頂直下の歩きにくい急な下りをとっとこ降りていくと、四辻の分岐。
ヤゴ沢へと降りていく道は、「侵入禁止」を示す木による山の目印で塞がれていました。
台風直後に歩いた人の記録がネットに上がっていて、木橋は崩落し、どこが道かわからなくなっているとのことです。
歩くなら自己責任、ということのようです。

小仏峠から登り返して、相模湖の見えるベンチ。
相模湖の水は、もう澄んでいました。
しばらく行くと、木段。
左の小仏まき道は、登山道崩落により、通行不可。
木段と木の根の段差の道を頑張って上っていき、小仏城山。15:10。
茶店は2軒とも営業していましたが、もう帰り支度を始めていました。
日影沢林道が土砂崩れで通行止めのため、帰宅に時間がかかるから、早めに茶店を閉めるのでしょう。
早く赤くなる種類のカエデが、真っ赤の見ごろ。
上の画像がそれです。
他のカエデも沢山ありますので、紅葉の最盛期ははまだまだこれからです。

まき道を歩いて、高尾山直下。15:55。
やばい。
あと1時間もせずに日が暮れます。
高尾山頂も巻いて、トイレのところまで出ると、観光客でごった返しているのに驚きました。
え?
何でこんな時間にこんなに観光客がいるの?
あと1時間で日が暮れるのに?
「おまえが言うな」という話ですかね。
今日はちょっと遅くなっちゃったなあ。

ケーブルカー山頂駅。16:40。
ケーブルカーは、7分間隔運行で、20分待ち。
でも、20分待ちならば、1号路を下るよりは早く下山できるので、待つことにしました。
整理券をもらい、切符を購入して、斜面の土止めのコンクリートに腰かけ、順番を待ちました。
まだまだ、後から後から観光客が来ていました。
たちまち日は暮れ、ようやく次の改札の順番が来て行列に並ぶと、十三夜の月が東の空に浮かんでいました。
ああ、月がきれいだ。
今日も、楽しい山歩きでした。

  


  • Posted by セギ at 13:43Comments(0)