たまりば

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2024年07月18日

復習に力を入れてください。

復習に力を入れてください。

あるとき、保護者の方に、
「夏期講習は、どうせ復習でしょう」
と言われて、これはまずい、と思ったことがありました。

いや、復習も予習も、両方やるのが、夏期講習です。
・・・というか、それ以前に、「どうせ復習」とはどういう意味だったのでしょう。

「どうせ復習」という言葉は、重要なヒントだと思います。
復習中心ではあまり意味がない、ととらえているお母様がいらっしゃるのだということ。
それは、「復習するために塾に通わせるのは、意味がない」ということでしょうか。
復習なら家でできる、と思ってしまうのでしょう。
あるいは、お母様としては講習会に参加させても良いのだが、子どもが行きたがらない。
「どうせ復習だから、講習会は参加しない」と子どもが言い出す・・・。

復習軽視。
予習のために塾に行く。

確かに、生徒には、そういう意識の子が多いです。
塾に一番に期待することは、予習。
とにかく、学校の授業がよくわかるように、予習をしたい。
だから、学校の授業がない夏休みや冬休みに、塾に通う意味はない・・・。
個別指導の場合は、予習が少したまると、学期中の普通の授業日も休んでしまう子すらいます。

塾では、勿論、予習をします。
しかし、予習だけが重要なわけではありません。
成績を上げるために重要なのは、むしろ復習です。

予習・予習と言っている子に、成績の良い子はそんなにいないのです。
学校の授業がよくわからなくて不安だから、予習・予習と思ってしまう気持ちはわかります。
その教科が苦手だから、学校の授業がわかるように予習をしてほしがるのだろうと思います。
その要望には勿論応えます。
しかし、それで成績が上がるわけではありません。
「わかる」だけではダメだからです。
問題を自力で正解できるようにならなければ、成績は上がりません。
決め手は、復習です。
復習のやり方がすべてと言っても過言ではありません。
そして、成績のふるわない子は、復習が下手です。
復習することの価値も意味も気づいていない場合もあります。

小学校の勉強は簡単なので、復習などしなくても、学校の授業と宿題だけで大体は身についてしまいます。
だから、復習が必要だということが実感できないまま中学生になっている子がいます。
復習という概念がない。
復習が自分に必要なことだと思っていないのです。

「わかった」と思った瞬間に、それでOKと思っている子も多いです。
それだけでは問題が解けないことに気づいていないのです。
「わかる」ことと、「自力で問題に正解する」こととの間には、大変な距離があります。

復習することの価値がわかっていなかったら、家でも、復習しません。
自分が一度理解したことは、もう永久に自分の頭の中にある、と誤解しているのです。
だから復習を軽視します。
脳はすべての記憶を簡単に消去していきます。
不要な記憶と判断したら、すぐに消します。
脳のその働きに抗うために、繰り返し繰り返し復習する必要があるということが、わかっていません。
だから、実際に問題を解こうとすると解けないことに、本人が一番驚くのです。

復習のやり方を教わり、復習のための良質の教材をもらい、復習の機会を得るために塾に通うのです。
塾の最大の機能です。

むしろ、予習は、1人でもできるのです。
教科書を一度読んでみる。
読んでみて、わかるようなら、大丈夫です。
わからないようなら、何がわからないのか、チェックしておく。
予習の段階で、そんなに何もかもわかる必要はありません。
授業で理解できればよいのですから。

英語なら、教科書本文の音声を、まずは本文を見ないで聴いてみる。
聴くだけで内容をどこまで理解できるか、確認する。
その後、本文を読む。
わからない単語があれば、下線を引くか、書きだしておく。
文意の取れない部分があれば、それも下線を引く。
その先、単語の意味を調べておくかどうかは、それは、学校の先生の指示に従えばよいでしょう。

数学なら、例題を解いてみる。
解けるようなら、大丈夫。
時間がなければ、例題や解説を読んでおくだけでも大丈夫。
もしわからないのならば、学校の授業で、そこを重点的に聞けばよいのです。

こうした予習は、1人でできます。
しかし、復習は、1人ではできない子が多いのです。
何をどう復習すれば成績が上がるのか、わかっていない。
予習予習と予習に追われて、復習の機会がないまま、気がつくとテスト2週間前という子も多いです。

予習のときは、目がキラキラしている。
新しいことを教わるのは好き。
でも、復習にはあまり興味がない。
復習は、同じことの繰り返しなので、つまらない。
そして、定期テストでぱっとしない点をとっても、何が原因なのか、よくわからない・・・。

・・・いや、復習しないからですよ。
成績の悪い子は、予習の習慣がないのではなく、復習の習慣がないのです。
効果的な復習法を身につけていないのです。

復習しましょう。
何度でも。





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    Posted by セギ at 11:59│Comments(0)講師日記
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