2022年07月23日
中学数学。1次方程式の文章題の難問。

方程式の文章題は、そもそも苦手とする人が多いと思いますが、私立高校の入試問題ともなると、さらなる企みが感じられることがあります。
例えば、こんな問題です。
問題 ある高校の入学試験を850人が受験し、その30%が合格した。合格者の平均点は不合格者の平均点より40点高く、受験生全体の平均点は55点だった。合格者の平均点は何点だったか。
平均に関する問題ですが、割合の考え方も含まれています。
こうした融合問題になると、文章題の解き方を何とか定型のパターンで解決している子も、何をどうしていいのかわからなくなる場合があります。
そうした中で、一応、式を立てることができるだけで基礎力はあると言えるのですが、この問題は、その程度のことでは容赦しない企みを感じます。
まずは、一応正しいけれど、もっさりした解き方から。
そして、立式できる子でも、こういうもっさりした式を立ててしまう子が多いのです。
合格者の平均点をx点とする。
255x+595(x-40)=46750
え?
これがもっさりした式なの?
シンプルで良い式じゃない?
そう思うかもしれませんが、この式、あまり良くないです。
255とか、595とか46750といった数は、問題文には書いてありません。
何か下準備の計算をした結果の数なんです。
方程式の立式の際、こういう式を立ててしまう子は多いです。
何でそんな下準備の計算をやってしまうのかといえば、問題を解く癖がまだ小学生のままだからなのだと思います。
小学生は、ちまちました式を立て、その都度答を出して、またその先の式を立てる癖がついています。
その癖が残っているのです。
中学生になっても。
あるいは、高校生になっても。
この式は、例えば解いた1週間後に、
「どういう意味の式?」
と質問すると、立てた本人が説明できないことがよくあります。
立てた本人に説明できない式は、採点する者にはもっと意味がわかりません。
計算の結果が合っているのならまだましですが、この段階で計算ミスをしてしまう子も多いです。
その場合、立式の得点すら入りません。
せっかく時間をかけて計算した数字を使って式を立てているのに、無駄になります。
しかも、この式では、この先の計算も筆算の連続です。
やってみましょう。
255x+595(x-40)=46750
255x+595x-23800=46750
850x=70550
x=83
3桁のたし算。
3桁×2桁のかけ算。
5桁のたし算。
5桁わる3桁のわり算、または約分。
筆算、筆算、また筆算。
そのうちの1回でも計算ミスをしたら終わりです。
かなり負荷のかかる計算となり、入試でこれを解いたら、計算ミスをする可能性が高いのです。
本当は、こんなに面倒な計算過程を踏まなければならない問題ではないのです。
繰り返しますが、方程式の立式は、なぜそのような式を立てたのか、答案を読む採点者に意味がわからなければなりません。
いきなり255といった数を使うのは、本来好ましくありません。
どういう意味の式であるのか明確に伝えるためには、文章題中の数をそのまま使うほうが良いのです。
つまらない下計算は不要です。
そのまま式に書いていくほうが、数学の答案として優れています。
255という数は、どうやって出てきたものなのでしょう?
これは、割合の考え方を用いたものでしょう。
「ある高校の入学試験を850人が受験し、その30%が合格した」と問題にあります。
では、合格者の人数は、850×30/100で求めることができます。
その計算の結果が、255です。
だったら、式には、850×30/100と、そのまま書けばよいのです。
それが、合格者の人数。
合格者の平均点はx点。
合格者の総合計得点は、850×30/100x となります。
不合格者は、850人の70%。
不合格者の人数は、850×70/100。
不合格者の平均点はx点より40点低いのですから、(x-40)点。
したがって、不合格者の総合計得点は、
850×70/100×(x-40)
受験生全体の平均点は55点だったのですから、受験生全体の総合計得点は、
850×30/100x+850×70/100×(x-40)=850×55
この式のほうが優れています。
「こんなぐちゃぐちゃした式、嫌だ」
「こういう式が嫌だから、丁寧に下計算をしているんだ」
とは言わないでください。
この式は、すぐにきれいになります。
各項に、850がある。
つまり、式全体を850で割ることができるのです。
850×30/100x+850×70/100×(x-40)=850×55
両辺を850で割って
3/10x+7/10(x-40)=55
両辺を10倍して、
3x+7(x-40)=550
3x+7x-280=550
10x=830
x=83
x≧40より、この解は問題に適する。
よって、合格者平均点は83点。
一見複雑そうな式が、みるみる整理され、一度も筆算の必要なく、するすると簡単に解けました。
こういう可能性があることも含め、まずは下準備の計算はせず、式を立ててみることをお勧めします。
式を立てるときは余計な計算はせず、式を立てることに集中する。
正しい式を立てたら、その後は、計算の工夫に集中する。
そのように分割することで、スマートに解いていくことができます。
上の解き方と下の解き方とでは、計算の負担も解くのにかかる時間もまるで違ってきます。
私立高校の入試過去問を解くと、50分間では試験問題の半分くらいまでしか解けないという人がいますが、それは一番上のような下準備をした式を立て、面倒臭いたし算やらかけ算やらをしてしまうために、無駄な労力と時間がかかっている場合が考えられます。
ほんの少しだけ、問題の解き方の習慣を変える。
式の立て方の癖を変える。
それだけで、劇的に変わることがあります。
小学生の算数から、卒業しましょう。
なお、さらにスマートな考え方になると、最初から850は書かない式もありえます。
3/10x+7/10(x-40)=55
という式です。
比と割合、そして平均に関して、深く理解しているならば立てることが可能な式です。
その式の横、答案の端に、面積図が描かれていたら。
その子は、中学受験生だったのでしょう。
中学受験で培ったものを、「ちまちました式を立ててすぐ計算する」といった方向ではなく、よりシャープに洗練させ、スマートな方程式に昇華させている。
採点者がふっと微笑み、力を込めて丸をつけたくなる式です。
例えば、こんな問題です。
問題 ある高校の入学試験を850人が受験し、その30%が合格した。合格者の平均点は不合格者の平均点より40点高く、受験生全体の平均点は55点だった。合格者の平均点は何点だったか。
平均に関する問題ですが、割合の考え方も含まれています。
こうした融合問題になると、文章題の解き方を何とか定型のパターンで解決している子も、何をどうしていいのかわからなくなる場合があります。
そうした中で、一応、式を立てることができるだけで基礎力はあると言えるのですが、この問題は、その程度のことでは容赦しない企みを感じます。
まずは、一応正しいけれど、もっさりした解き方から。
そして、立式できる子でも、こういうもっさりした式を立ててしまう子が多いのです。
合格者の平均点をx点とする。
255x+595(x-40)=46750
え?
これがもっさりした式なの?
シンプルで良い式じゃない?
そう思うかもしれませんが、この式、あまり良くないです。
255とか、595とか46750といった数は、問題文には書いてありません。
何か下準備の計算をした結果の数なんです。
方程式の立式の際、こういう式を立ててしまう子は多いです。
何でそんな下準備の計算をやってしまうのかといえば、問題を解く癖がまだ小学生のままだからなのだと思います。
小学生は、ちまちました式を立て、その都度答を出して、またその先の式を立てる癖がついています。
その癖が残っているのです。
中学生になっても。
あるいは、高校生になっても。
この式は、例えば解いた1週間後に、
「どういう意味の式?」
と質問すると、立てた本人が説明できないことがよくあります。
立てた本人に説明できない式は、採点する者にはもっと意味がわかりません。
計算の結果が合っているのならまだましですが、この段階で計算ミスをしてしまう子も多いです。
その場合、立式の得点すら入りません。
せっかく時間をかけて計算した数字を使って式を立てているのに、無駄になります。
しかも、この式では、この先の計算も筆算の連続です。
やってみましょう。
255x+595(x-40)=46750
255x+595x-23800=46750
850x=70550
x=83
3桁のたし算。
3桁×2桁のかけ算。
5桁のたし算。
5桁わる3桁のわり算、または約分。
筆算、筆算、また筆算。
そのうちの1回でも計算ミスをしたら終わりです。
かなり負荷のかかる計算となり、入試でこれを解いたら、計算ミスをする可能性が高いのです。
本当は、こんなに面倒な計算過程を踏まなければならない問題ではないのです。
繰り返しますが、方程式の立式は、なぜそのような式を立てたのか、答案を読む採点者に意味がわからなければなりません。
いきなり255といった数を使うのは、本来好ましくありません。
どういう意味の式であるのか明確に伝えるためには、文章題中の数をそのまま使うほうが良いのです。
つまらない下計算は不要です。
そのまま式に書いていくほうが、数学の答案として優れています。
255という数は、どうやって出てきたものなのでしょう?
これは、割合の考え方を用いたものでしょう。
「ある高校の入学試験を850人が受験し、その30%が合格した」と問題にあります。
では、合格者の人数は、850×30/100で求めることができます。
その計算の結果が、255です。
だったら、式には、850×30/100と、そのまま書けばよいのです。
それが、合格者の人数。
合格者の平均点はx点。
合格者の総合計得点は、850×30/100x となります。
不合格者は、850人の70%。
不合格者の人数は、850×70/100。
不合格者の平均点はx点より40点低いのですから、(x-40)点。
したがって、不合格者の総合計得点は、
850×70/100×(x-40)
受験生全体の平均点は55点だったのですから、受験生全体の総合計得点は、
850×30/100x+850×70/100×(x-40)=850×55
この式のほうが優れています。
「こんなぐちゃぐちゃした式、嫌だ」
「こういう式が嫌だから、丁寧に下計算をしているんだ」
とは言わないでください。
この式は、すぐにきれいになります。
各項に、850がある。
つまり、式全体を850で割ることができるのです。
850×30/100x+850×70/100×(x-40)=850×55
両辺を850で割って
3/10x+7/10(x-40)=55
両辺を10倍して、
3x+7(x-40)=550
3x+7x-280=550
10x=830
x=83
x≧40より、この解は問題に適する。
よって、合格者平均点は83点。
一見複雑そうな式が、みるみる整理され、一度も筆算の必要なく、するすると簡単に解けました。
こういう可能性があることも含め、まずは下準備の計算はせず、式を立ててみることをお勧めします。
式を立てるときは余計な計算はせず、式を立てることに集中する。
正しい式を立てたら、その後は、計算の工夫に集中する。
そのように分割することで、スマートに解いていくことができます。
上の解き方と下の解き方とでは、計算の負担も解くのにかかる時間もまるで違ってきます。
私立高校の入試過去問を解くと、50分間では試験問題の半分くらいまでしか解けないという人がいますが、それは一番上のような下準備をした式を立て、面倒臭いたし算やらかけ算やらをしてしまうために、無駄な労力と時間がかかっている場合が考えられます。
ほんの少しだけ、問題の解き方の習慣を変える。
式の立て方の癖を変える。
それだけで、劇的に変わることがあります。
小学生の算数から、卒業しましょう。
なお、さらにスマートな考え方になると、最初から850は書かない式もありえます。
3/10x+7/10(x-40)=55
という式です。
比と割合、そして平均に関して、深く理解しているならば立てることが可能な式です。
その式の横、答案の端に、面積図が描かれていたら。
その子は、中学受験生だったのでしょう。
中学受験で培ったものを、「ちまちました式を立ててすぐ計算する」といった方向ではなく、よりシャープに洗練させ、スマートな方程式に昇華させている。
採点者がふっと微笑み、力を込めて丸をつけたくなる式です。
Posted by セギ at 14:51│Comments(0)
│算数・数学
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