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2022年01月25日

高校数学。数Ⅱ「三角関数」。半角の公式。

高校数学。数Ⅱ「三角関数」。半角の公式。

さて、三角関数。
公式が沢山出てきて、うんざりし始めている人もいるかと思いますが、まだまだ、この倍以上の公式が登場します。
数Ⅱ「三角関数」で挫折するのは、公式がとにかく覚えられないことが原因の1つです。

学校の先生は、
「暗記するんじゃなく、自分で復元できるようにすることが大切」
と言うけれど、復元なんかできないし、暗記もできない。
とにかく、何もできない。
もうテストは捨てるしかない・・・。
そう思う人が多くなるところです。

数学が得意な人は、数学が好きなので、公式は、理解したら覚えられるんです。
理解=記憶 なんです。
しかも、2度と忘れないんです。

どんなに記憶力の悪い人も、好きな人の名前は忘れません。
いちいち、
「あれ?あの人の名前なんだっけ?」
と思っているのに、その人のことが大好きだなんて、あり得ない。
そんなのは、その人に興味がないということ。

そう。
興味がない。
数学に興味がない人は、最初に学習したときは公式の意味を理解しても、すぐに忘れてしまうんです。
一度は理解しても、どうしてそういう公式になったのか、すぐに忘れます。
勿論、公式そのものも忘れます。
理解できないからではないんです。
興味がないから、覚えていられないんです。
学習の後半、いよいよ応用という頃には、その単元の基本を忘れてしまっている人もいます。

本人の記憶力の問題もあります。
記憶力も、鍛えればある程度伸びる力ですが、本人の資質が影響しないものとも言えません。
特に、脳に負荷がかかることをひどく恐れ、嫌うタイプの子は、記憶力が悪いです。

以前も書きましたが、運動が苦手な子は、息切れすることをひどく恐れ、忌み嫌います。
息が切れると、すぐに肺や心臓が破れて倒れてしまうと感じているのかもしれません。
息が苦しいのがとにかく嫌い、という感情的な理由も大きいでしょう。
そのため、全力で走ることができませんし、持久走のようなものも、苦しくなるとすぐに立ち止まってしまいます。
自分の運動能力の限界を試すことができません。
そのはるか手前、まだまだやれるところで止まってしまいます。
スポーツが好きな人には、「息が切れて苦しい」ことがスポーツを嫌う理由だとは理解できないと思います。
多少息が切れたって、その何倍も楽しいのですから。

勉強が苦手な子は、脳に負荷がかかることを同じようにひどく恐れ、忌み嫌います。
脳に負荷がかかると、脳細胞がつぶれて、脳がダメになってしまうと、実際に口にした子もいました。
脳に負荷がかかって頭が重く苦しいのが、とにかく嫌いなのです。
そのため、本気で考えることができませんし、本気でものを覚えることもできません。
自分の能力の限界を試すことができません。

運動嫌いな子にしたいわけではないのに、気がつくとなっているのが現実です。
同じことで、勉強嫌いな子にしたいわけではないのに、気がつくとなっているのです。
ものを考えると頭が重くてつらくなるので、嫌だ。
ものを考えると、脳細胞がつぶれて、自分の脳はダメになる。
そのようにセーブし、ものを考えることを無意識に避ける子にいつの間にかなっていて、その思い込みは、多少の説得では打ち壊せません。
暗記も、少しやると頭が重くなり、脳に負荷がかかって苦しい。
だから、暗記も、やりません。
できるだけ頭を使わないことを、本人が選択しています。

理解することと、記憶することは、別のことです。
理解しても、すぐに忘れてしまう・・・。
そんな悩みがあるのならば、とにかく暗記しましょう。
意識して、暗記してください。
脳を使っても、脳細胞はつぶれません。
むしろ強化され、よく働くようになります。
筋肉が強化されれば、よく働くように。


さて、そんなわけで、本題。
今日は半角の公式です。

半角の公式は、以下の3つです。

sin^2 α/2=1-cos α /2
cos^2 α/2=1+cos α /2
tan^2 α/2=1-cos α / 1+cos α

まず証明から。
まずサインの公式を証明してみましょう。
これは、コサインの2倍角の公式を元にしています。
コサインの2倍角の公式は?
「ニコスカードで1万引かれる」と覚えるんでした。
cos 2α=2cos^2 α-1
これの、サインを使用する形態は、右辺の符号が全部逆転するのでした。
すなわち、
cos 2α=-2sin^2 α+1

これを、sin^2 αについて解いてみましょう。
まず、移項して、
2sin^2 α=1-cos 2α
両辺を2で割ると、
sin^2 α=1-cos 2α /2

この式の角の大きさを半分にして書き換えたのが、半角の公式です。
すなわち、
sin^2 α/2=1-cos α /2
です。
別に、a/2 にしたくないなら、上の式のままでもいいんです。
右辺の角の大きさの半分のものを左辺で使う、というだけです。
これは、式全体を2で割ったということではないのですが、そのあたりで混乱する人もいるようです。
角の表し方を変えただけで、式を2で割ったわけではありません。

コサインの半角の公式も、同じやり方で導くことができます。
cos 2α=2cos^2 α-1
移項して、
2cos^2 α=1+cos 2α
両辺を2で割って、
cos^2 α=1+cos 2α /2
角の大きさをそれぞれ半分にして表記すると、
cos^2 α/2=1+cos α /2

タンジェントの半角の公式は、上のサインの半角の公式とコサインの半角の公式を利用します。
tan^2 α/2
=sin^2 α/2 / cos^2 α/2
=1-cos α /2 / 1+cos α /2
=1-cos α / 1+cos α 

さて、どのように導くのか理解できたところで、覚え方です。
有名な覚え方があります。
サインの半角の公式の覚え方は、
「シンジ、2階に引っ越す」です。

「シンジ」の部分が、左辺、すなわち、sin^2 α/2 の部分を表します。
「2階」の部分が、右辺は2階建て、つまり分数なのだ、しかも、分母は2なのだということを表します。
「引っ越す」の部分が、1-cos α を表します。

・・・うわ、覚えにくーい。
しかも、そもそも何の公式なのか、よくわからないし・・・。

とはいえ、これ以上に覚えやすい覚え方を私は知りません。
何とか覚えてください。

ちなみに、サインの半角の公式だけはこれで覚えて、
コサインの半角の公式は、1+cos α と、間の符号が逆だったと覚えます。

・・・うわ、覚えにくーい。

さらにタンジェントは、覚えるのではなく、タンジェント=サイン / コサイン ですから、それで復元します。
タンジェントの半角の公式はそんなに使わないので、それで何とかなるでしょう。

理解しにくいうえに、覚えにくい。
全く三角関数というやつは・・・。

しかし、苦難は、この先に待っています。
公式が沢山ありすぎて、どの公式を使っていいのか、わからない・・・。
そうした活用上の困難が待ちかまえています。
それに比べたら、ただ覚えるだけで済むのは、まだ楽な作業です。
とにかく、まずは覚えましょう。




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