2020年12月17日
高校数Ⅰ三角比の相互関係の難問。
三角比の問題はパターン化されていて、定型の問題が大半です。
そうした中で、苦手な人が多く、また、パズル的要素が強いのが、三角比の相互関係の公式を利用する問題です。
例えば、上の画像の問題がそうです。
数Ⅰ「図形の計量」の範囲で学ぶ三角比の相互関係の公式は以下の3つです。
sin2乗θ+cos2乗θ=1
tanθ=sinθ / cosθ
1 / cos2乗θ=tan2乗θ+1
数Ⅱ「三角関数」になると、異様なほど公式が増えますが、数Ⅰならば、3つしかありません。
そのどれかを使えば解けるはずなのに。
あれ?
何をどうしていいか、わからない・・・。
上の問題は、一度はまってしまうと、あれ、どうするんだろう?となってしまうタイプの問題です。
こういう問題こそ、時間をかけたいです。
思いつくまで、とことんこだわりましょう。
自力で解法を思いついたら、凄く嬉しいですから。
数学が好きな人は、こうした難問を自力で解くのが好きなのです。
1+2sinθcosθ / cos2乗θ-sin2乗θ
全体をぼんやり眺めていても何も思いつかないかもしれません。
ここでも、「分割」ということが重要になってきます。
問題は全体をまるごと見ない。
分割して考えます。
いきなり、最終解答にたどりつくことなど想定しない。
まず、何ができるかを考えます。
数学の問題を解くことは、論理を積み上げていくことです。
問題をできるだけ分割し、今、何ならできるか、何をすることは可能かを考えます。
あわせて、問題を後ろから見ることも考えます。
何がわかれば、解答にたどりつくことができるか?
そのためには、何を求めればよいか?
そうした論理的思考をすることが必要です。
論理的思考を続け、前から考え、また後ろから考え、わからないところの距離が縮まった瞬間、放電する。
ひらめきは、そこでやってきます。
問題全体を眺めているだけでは、ひらめきは訪れないのです。
ものごとは、分けて考えましょう。
ステップを刻みましょう。
それで、問題はほぐれてきます。
1+2sinθcosθ / cos2乗θ-sin2乗θ
この問題を分割するとは、どういうことか?
分子と分母に分けて注目してみてはどうでしょうか?
どちらから先に見ても大丈夫です。
しかし、発想しやすいのは、おそらく、分母からでしょう。
cos2乗θ-sin2乗θ
2乗-2乗 ・・・。
あれ?
分母は因数分解できる?
やってみましょう。
cos2乗θ-sin2乗θ
=(cosθ+sinθ)(cosθ-sinθ)
うーん・・・。
それで、これをどう使うの?
そう思いながら分子に目を移すと、電流が走るのです。
あ!
1=sin2乗θ+cos2乗θ だ!
つまり、分子は、
1+2sinθcosθ
=sin2乗θ+cos2乗θ+2sinθcosθ
と書き換えられるのです。
この式は・・・。
これも、因数分解できます!
=(sinθ+cosθ)2
したがって、
(与式)=(sinθ+cosθ)2 / (cosθ+sinθ)(cosθ-sinθ)
となります。
分母分子を sinθ+cosθ で約分できます。
=sinθ+cosθ / cosθ-sinθ
しかし、このままでは、tanθ=a は使えません。
タンジェントというと、三角比の相互関係の公式の、
tanθ=sinθ / cosθ
を変形した、
sinθ=cosθtanθ
というのが、使い道があります。
となると、上の式は、
=cosθtanθ+cosθ / cosθ-cosθtanθ
となります。
分子分母の全ての項にcosθという因数がありますので、cosθ で約分することができます。
=tanθ+1 / 1-tanθ
=a+1 / 1-a
よって、最終解答は、1+a / 1-a となります。
これは、他にも解き方がありますが、この解き方が、一番発想しやすい地道な解き方だと思います。
sin2乗θ+cos2乗θ=1
という公式は、左辺から右辺への転換は練習することが多いです。
しかし、逆に、1をsin2乗θ+cos2乗θに置き換えるという発想は抱きにくい。
試しに分母を因数分解してみたからこそ、得られる発想です。
問題を分割する。
思考錯誤する。
それができれば、途中でひらめきは訪れます。
そうした中で、苦手な人が多く、また、パズル的要素が強いのが、三角比の相互関係の公式を利用する問題です。
例えば、上の画像の問題がそうです。
数Ⅰ「図形の計量」の範囲で学ぶ三角比の相互関係の公式は以下の3つです。
sin2乗θ+cos2乗θ=1
tanθ=sinθ / cosθ
1 / cos2乗θ=tan2乗θ+1
数Ⅱ「三角関数」になると、異様なほど公式が増えますが、数Ⅰならば、3つしかありません。
そのどれかを使えば解けるはずなのに。
あれ?
何をどうしていいか、わからない・・・。
上の問題は、一度はまってしまうと、あれ、どうするんだろう?となってしまうタイプの問題です。
こういう問題こそ、時間をかけたいです。
思いつくまで、とことんこだわりましょう。
自力で解法を思いついたら、凄く嬉しいですから。
数学が好きな人は、こうした難問を自力で解くのが好きなのです。
1+2sinθcosθ / cos2乗θ-sin2乗θ
全体をぼんやり眺めていても何も思いつかないかもしれません。
ここでも、「分割」ということが重要になってきます。
問題は全体をまるごと見ない。
分割して考えます。
いきなり、最終解答にたどりつくことなど想定しない。
まず、何ができるかを考えます。
数学の問題を解くことは、論理を積み上げていくことです。
問題をできるだけ分割し、今、何ならできるか、何をすることは可能かを考えます。
あわせて、問題を後ろから見ることも考えます。
何がわかれば、解答にたどりつくことができるか?
そのためには、何を求めればよいか?
そうした論理的思考をすることが必要です。
論理的思考を続け、前から考え、また後ろから考え、わからないところの距離が縮まった瞬間、放電する。
ひらめきは、そこでやってきます。
問題全体を眺めているだけでは、ひらめきは訪れないのです。
ものごとは、分けて考えましょう。
ステップを刻みましょう。
それで、問題はほぐれてきます。
1+2sinθcosθ / cos2乗θ-sin2乗θ
この問題を分割するとは、どういうことか?
分子と分母に分けて注目してみてはどうでしょうか?
どちらから先に見ても大丈夫です。
しかし、発想しやすいのは、おそらく、分母からでしょう。
cos2乗θ-sin2乗θ
2乗-2乗 ・・・。
あれ?
分母は因数分解できる?
やってみましょう。
cos2乗θ-sin2乗θ
=(cosθ+sinθ)(cosθ-sinθ)
うーん・・・。
それで、これをどう使うの?
そう思いながら分子に目を移すと、電流が走るのです。
あ!
1=sin2乗θ+cos2乗θ だ!
つまり、分子は、
1+2sinθcosθ
=sin2乗θ+cos2乗θ+2sinθcosθ
と書き換えられるのです。
この式は・・・。
これも、因数分解できます!
=(sinθ+cosθ)2
したがって、
(与式)=(sinθ+cosθ)2 / (cosθ+sinθ)(cosθ-sinθ)
となります。
分母分子を sinθ+cosθ で約分できます。
=sinθ+cosθ / cosθ-sinθ
しかし、このままでは、tanθ=a は使えません。
タンジェントというと、三角比の相互関係の公式の、
tanθ=sinθ / cosθ
を変形した、
sinθ=cosθtanθ
というのが、使い道があります。
となると、上の式は、
=cosθtanθ+cosθ / cosθ-cosθtanθ
となります。
分子分母の全ての項にcosθという因数がありますので、cosθ で約分することができます。
=tanθ+1 / 1-tanθ
=a+1 / 1-a
よって、最終解答は、1+a / 1-a となります。
これは、他にも解き方がありますが、この解き方が、一番発想しやすい地道な解き方だと思います。
sin2乗θ+cos2乗θ=1
という公式は、左辺から右辺への転換は練習することが多いです。
しかし、逆に、1をsin2乗θ+cos2乗θに置き換えるという発想は抱きにくい。
試しに分母を因数分解してみたからこそ、得られる発想です。
問題を分割する。
思考錯誤する。
それができれば、途中でひらめきは訪れます。
Posted by セギ at 10:52│Comments(2)
│算数・数学
この記事へのコメント
なるほど、気が付きませんでしたが分子がうまく変形できて、分母分子を約せたんですね。
ぱっと見て、分母分子とも倍角の公式で2θに書き直せて、三角関数の有理式の不定積分のところで大学数学でかならず習う変形でcos2θ、sin2θはtanθで書けるので、それを使えば行けるというのはすぐに分かりましたが、こちらで示された方法の方がスマートですね。
ぱっと見て、分母分子とも倍角の公式で2θに書き直せて、三角関数の有理式の不定積分のところで大学数学でかならず習う変形でcos2θ、sin2θはtanθで書けるので、それを使えば行けるというのはすぐに分かりましたが、こちらで示された方法の方がスマートですね。
Posted by saitou at 2020年12月17日 20:24
コメントありがとうございます。
生徒からこの問題を質問されたとき、「倍角?」と私も思ったのですが、その子はまだ数Ⅰを学習しているので、倍角の公式は使えませんでした。
小学生の図形問題で、平方根を使えないときと同じような、パズル的な面白さを感じました。
生徒からこの問題を質問されたとき、「倍角?」と私も思ったのですが、その子はまだ数Ⅰを学習しているので、倍角の公式は使えませんでした。
小学生の図形問題で、平方根を使えないときと同じような、パズル的な面白さを感じました。
Posted by セギ
at 2020年12月17日 22:35

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