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2020年06月21日

高校数Ⅱ「図形と方程式」。直線の方程式の求め方。

高校数Ⅱ「図形と方程式」。直線の方程式の求め方。


今回の学習内容は、数Ⅱ「図形と方程式」の中の、直線の方程式です。

直線の方程式の求め方は、中学2年の「1次関数」で学習しています。
例えば、こんな問題。

問題 点(6,-1)を通り、傾きが-1/2の直線を求めよ。

まずは、中学生の解き方で解いてみましょう。
直線の式は、1次関数です。
1次関数の一般式は、y=ax+b。
このaとbには具体的な数字が入り、個々の直線の式を表します。
aは傾き。bは切片。
今は傾きが-1/2とわかっていますので、a=-1/2です。
これを一般式に代入して。
y=-1/2x+b。
ところで、点(6,-1)はこの直線上の点なのですから、この点のx座標とy座標は、上の式の関係を満たします。
x=6、y=-1 を代入して、上の式が成り立つということです。
では代入しましょう。
-1=-1/2・6+b
-3+b=-1
b=2
よって、求める直線の式は、 y=-1/2x+2 です。

数学が苦手な子は、こういう問題の作業手順だけ覚える傾向があり、しかも、1つ1つ手順を踏まず、一気に全部代入して解く子も多いです。
最初は意味がわかったうえでそうするのでしょうが、意味はたちまち後退し、単なる作業手順になります。
「1次関数」が範囲の定期テストが終わってひと月も経てば、こんな基本問題も、どうやって解くのか曖昧になります。
復習しようと自分のノートを見直しても、何もかも一気に代入した、
-1=-3+b
という式が唐突に書いてあるだけなので、何をどうしたのか、自分でもわからなくなってしまいます。

また、応用問題を解くときに、上の問題と同じ考え方で、点の座標がわかれば直線の式を求められるという発想を持つことができず、座標平面と図形の問題は歯が立たない子も多くいます。
手順だけになってしまい、意味がわかっていないからなのでしょう。
「意味がわかるようにノートをとっておくといいよ」
「代入は一気にやらず、まずy=-1/2x+bの式を立てて、それから点の座標を代入すると、後で意味がわかるよ」
と繰り返し助言しますが、聞いてくれない子もいます。
説明を聞いた直後なので、そのときは意味がわかるから大丈夫と思うのでしょう。
今はわかっても、明日はわからないかもしれないのに。
記憶なんて、すぐに消えてしまいます。
単なる操作は、意味を伴っていなければ記憶に残ることは少ないのです。

意味がわかるように答案を作っていくこと。
数学の記述答案で必要とされているのは、とりあえず、それです。
どういう考え方で、何の定理や公式を用いて、どう解いているのかを示しながら解いていく。
中学の間はそれがなくてもある程度許されますが、高校数学になると記述答案としての体裁が整っているかが答案として重要となります。
数学の答案なのに日本語が多くなり、「何で式と答えだけじゃダメなんだろう?」と不満を感じる子もいると思います。
しかし、1週間も経てば、自分の立てた式の意味さえ自分でわからなくなるのが高校数学の答案です。
塾の宿題の答えあわせでも、
「どうやって解いたの?」
と質問すると、絶句する高校生が多いのです。
「・・・とにかく、答案を1行目から読んでみて」
と声をかけても、絶句しています。
書いた本人が全く意味がわからないので、読み上げることもできない。
そんな状態の様子です。

そんな状態なのに、答案を読む採点者に、「式の意味はおまえが判読しろ」、「そして採点しろ」、「部分点くらいよこせ」、と言っても、無理です。
ヒントをください。
どういう考え方でその式を立てたのか、式の前に1行でいいから説明をください。
そうすれば、たとえ誤答だとしても、全くの勘違いによる式なのか、代入ミスなのか、判断することができます。
採点者が求めているのは、そういうことです。
そして、それが記述答案の根本です。

記述答案を書かねばならないと納得しても、今度は、ルールがわからない、ここはどう書くの、ここはどうするの、と不安になり、1行も書けない子がいますが、絶対の形式があるわけではありません。
大切なのは、読む人の立場になって書くこと。
それは、結局、時間が経過した後の自分が読んでも意味がわかるということ。
ルールは、究極、それです。


さて、問題に戻りましょう。
問題 点(6,-1)を通り、傾き-1/2の直線の式を求めよ。

高校数Ⅱは、これを一気に解く公式を学びます。
点(x1,y1)を通り、傾きがmの直線の式は、
y-y1=m(x-x1)

この公式の証明は簡単です。
求める直線の式を、
y=mx+n ・・・➀
と表します。
この直線は、点(x1,y1)を通るのですから、
y1=mx1+n ・・・➁
が成り立ちます。
➀-➁をすると、
y-y1=(mx+n)-(mx1+n)
y-y1=mx-mx1
y-y1=m(x-x1)
これが公式です。

点(6,-1)を通り、傾き-1/2の直線だから、
y-(-1)=-1/2(x-6)
y+1=-1/2x+3
y=-1/2x+2

これで、公式のバージョンアップが行われたことになります。
しかし、これがなかなか厄介で、中学時代の解き方を手放せない子が現れます。
作業手順だけ丸暗記するタイプの子なら、この新しい公式も丸暗記して使えば良いようなものですが、なかなかそう簡単にはいきません。
何度も忘れては覚え直すことを繰り返してようやく作業手順を覚えた中学生の解き方を、そう簡単には手放せないのでしょう。
高校の公式を使えば秒殺の問題を、何だかあれこれ迷い、思い出しながら解いているので、何をしているのかなあとノートを覗くと、中学の解き方で解いている。
そういう光景に何度も遭遇しました。

本人にバージョンアップしたい気持ちがないわけではないのです。
でも、覚えられない。
中学の頃は、この直線の式の求め方だけで学校の授業は1~2時間使ったし、学校のワークもそれだけで2ページくらいぎっしり問題があって沢山練習できました。
高校の授業は、新しい公式がさっと出てきて、スッとすぐに次の公式に進んでしまいます。
高校から配られている問題集も、この公式の練習問題は小問が5~6問程度です。
定着しないうちにスルスルと先に進んでしまいます。

定期テスト前にまとめて丸暗記しよう、あるいは、中学の解き方でも答は出るからいいじゃん、と思って先に進んでいくと、しかし、えらい目にあいます。
その先、問題が複雑になったときに、学校の問題集の解説を読んでも、意味がわからないのです。
何でこんな式が唐突に立てられているのか、意味がわからない。
解説が3行くらいすっ飛んでいるような気がする。
記述答案は意味がわかるように書けって言ったくせに、模範答案であるはずの問題集の解答解説の意味がわからないってどういうこと?

・・・・公式を覚えていないからなのです。

応用問題の中で、基本公式の意味を逐一解説することはありません。
点(6,-1)を通るから。
丁寧な解説でも、それくらいの1行しか書いてありません。
それで記述答案としては十分です。
それで意味がわからないのは、公式を覚えていないからなのです。
解説を読んでも意味がわからない場合の大半は、本人が公式や定理を覚えていないことに原因があります。

高校数Ⅱはこれから、怒涛の公式ラッシュが始まります。
数学が苦手だけれど、大学受験のために数Ⅱのマスターがどうしても必要な場合、独りで勉強するのが苦しいのはこの点です。
公式の解説だけなら、塾に行かなくても、ネットに沢山解説が上がっていますし、動画もあります。
しかし、いざ自分で問題に取り組むと、その問題集の解答解説を読んでも意味がわからないことが多いのです。
模試の問題も、解説を読んでも意味がわからない。
使っている公式が何なのか、わからないからなのです。

どの公式を覚えていないから、その状態なのか。
どこからつまずいているのか。
それすら、自分では、わからないのです。
そうして、今度こそ、意味をしっかり理解しようとしても、意味がわからない。
今まで、意味を無視してきたのですから、高校数学になって急に意味を読みとろうとしても、理解するための基盤がないのです。

数Ⅱ「図形と方程式」がわからない高校生の多くは、中学の図形分野だけでなく関数でもつまずいている場合が多いです。
そうした場合は、点の座標と直線の式との関係など、根本が理解できていない可能性があります。
なぜ点の座標を直線の式に代入できるのか、その根本がわかっていない子は沢山います。


今回、公式はもう1本。
点(x1,y1),(x2,y2)を通る直線の式は。
y-y1=y1-y2/x1-x2 (x-x1)

これは、上の y-y1=m(x-x1) という公式の傾きの部分を、
y1-y2/x1-x2 としたものです。

中学で学習した直線の公式 y=ax+b のaは、直線の傾きでした。
直線の場合、傾きは、「変化の割合」と等しいのでした。
「変化の割合」は、 yの増加量 / xの増加量 で求めることができました。
だから、直線の傾きは、y1-y2/x1-x2 です。


この説明がすんなり理解できない場合、中2「1次関数」で忘れていることが多いと思います。
やり方や作業手順だけ覚えているが、意味を忘れている・・・。
そのような状態であるため、高校数学の公式の意味や説明が理解できないのです。

本当は、そうなる前、出来れば中学生のうちに、数学の学習姿勢を変えてほしかった。
でも、それが出来ないまま、高校2年になってしまったなら。
何もかもがわからない状態であると、気づいたのなら。
戻りましょう。
答の多くは、中学数学にあります。




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