たまりば

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2020年05月20日

高校数学。開平法。平方根のおよその大きさが必要なときに。


高校数学。開平法。平方根のおよその大きさが必要なときに。

数学の問題を解いていて、平方根のおよその値が必要なときがあります。
そんなとき、どうしましょう?
今回は、そんな問題について考えてみましょう。


問題 √19 の整数部分をa、小数部分をbとするとき、a2+b2の値を求めよ。

これは、aの値がわからないと解けないです。
√19って、整数部分はいくつなんだろう?
√2=1.41421356・・・・
など、語呂合わせで覚えている数は、せいぜい√5までの人が大半だと思います。
√19って、どれくらいでしょう?

実は、これは中学3年生で学んでいるのです。
まず、整数に直せる平方根との大小を比べます。
√16<√19<√25
ですね。
これを、√18<√19<√20
と書いてしまう人がいますが、そういうことではなく、整数に直せる平方根でなければ意味がありません。
また、一番値の近いものを書くことも必要です。
√4<√19<√36
では、意味がありません。

√16<√19<√25
これを整数に直すと、
4<√19<5
よって、√19は、4と5の間にある数、つまり、4.・・・と表される数とわかります。
ゆえに、整数部分 a=4です。
さて、bは、無限に続いていく小数なのにどうするのでしょう?
心配いりません。
b=√19-4 と表せば良いのです。

この問題が解けない中学3年生は、この発想を持てないことが多いです。
「b=√19-4 なんて書き方で、いいの?」
と不安そうに言います。
あるいは、
「そんなの自分で思いつかない」
と落ち込んでしまう子もいます。

数学者ではないので、こんなことをゼロから自力で発想できなくてもいいです。
この解き方をテクニックとして自分のものとしておけば大丈夫です。
「自分には数学の才能がない」「勉強しても意味がない」と落ち込む必要はありません。
2つの値の和がわかっているとき、一方は他方の数を用いて差で表すことができる。
こうしたことをテクニックとして学び、以後、他の問題で活用できれば良いのです。

さて、問題に戻って、
a2+b2
の求め方は大丈夫でしょうか?

これくらい単純なら、このままの形で代入してもスピードも精度も変わりません。
a2+b2
=42+(√19-4)2
=16+19-8√19+16
=51-8√19

これでも良いですが、もっと複雑な問題になったときのために、対称式を利用した解き方も思いだしておきましょう。

a2+b2
=(a+b)2-2ab
ここで、a+bというのは、何のことはない、√19そのものです。
=√192-2・4(√19-4)
=19-8√19+32
=51-8√19

同じ答えになります。

「答えに√19が残っていいの?」
と質問した子がかつていました。
「え?どういうこと?」
「√19が残ったらダメなんじゃないの?」

答に平方根が残ったらダメだなんて問題には書いてないのですが、そうした謎の思い込みに苦しむ子もいます。
何は良くて、何はダメなのか、学年が上がるにつれ、そうしたことで悩む子が増えてきます。
本質を理解していないのに解き方だけ丸暗記して表面をとりつくろってきたツケが、いよいよ回ってきたのだと感じます。
本人の頭の中に数理の体系が存在しないので、自分で判断できないのです。
おそらく小学校の算数の頃から、いちいち理解するのが面倒くさいので、やり方の丸暗記で済ませてきた。
そのまま中学生・高校生になり、気がつくと、理解したくても理解できなくなっていた。
案外頭の回転が速く、楽できる方法をついつい探してしまう子にこのタイプが多いのです。


平方根のおよその大きさが必要な問題には、連立不等式もあります。
問題 以下の連立不等式の解の範囲を求めよ。
x2-x-8>0   ・・・①
8x2-19x-27<0 ・・・②

計算過程は今回は省略します。
①より
x<1-√33 /2 , 1+√33 /2<x 
②より
-1<x<27/8

ここまで順調に解いて、数直線上にそれぞれの範囲を記していく際に、あれ?と思います。
1-√33 /2 と-1って、どちらが大きいの?
1+√33 /2 と27/8って、どちらが大きいの?
それがわからないと、数直線上に記すことができません。

まずは、1-√33 /2 と-1を比べましょう。
両方を2倍して、
1-√33 と-2。
両方から1を引いて、
-√33 と-3
それぞれを2乗すると、
33と9。
負の数は、絶対値が大きいほうが小さい数ですから、
-√33<-3
よって、1-√33 /2<-1

しかし、このように丁寧に計算していくスペースが答案用紙や計算用紙に存在しない、ということが数学のテストの場合、起こります。
そもそも、数学の解答スペースの使い方が下手な子は、高校数学の問題を解いていて、途中でスペースがなくなってしまいます。
解答スペースの上から2㎝ほども下がったあたりから、1㎝四方ほどの大きな字で答案を書き出し、書くスペースがなくなり、その問題は解けなくなって終了、という子がかつていました。
それは極端な例ですが、こんなどうでもいい計算に解答スペースをあまり使いたくないものです。
この程度のことは、暗算できれば何よりです。
√33は、5<√33<6。
大体6として、1-6は-5。
それを2で割るから、1-√33 /2は、約-2.5。
だから、-1よりは小さい。

一方、1+√33 /2と27/8の大小は?
√33は6より少し小さい数。
だから、1+√33は7より少し小さい数。
1+√33 /2は、3.5より少し小さい数。
一方、27/8は、27÷8だから、3.3・・・。
あれ、あまり差がないなあ。
これで1+√33 /2のほうが大きいとするのは危険です。
やはり、こういうときは、しっかり計算するしかありません。
両方を2倍して、
1+√33と27/4
両方から1を引いて、
√33と23/4
両方を2乗して、
33と529/16
529/16=33+1/16
うわ、27/8のほうが大きかったのですね。

それぞれを数直線に記して、重なっている部分がこの連立不等式の解ですから、
1+√33 /2<x<27/8。

あー、大変だった。


それでも、大小の判断だけならこれで何とかなるのですが、一番厄介なのが、数Ⅰ「データの分析」です。
標準偏差は、平方根になります。
高校の定期テストや入試問題で、それを何のヒントもなく小数を用いた表記に直させるようなことはありませんが、問題集などで自分で問題を解いている際に、模範解答で平方根がスルッと小数に直っているのを見て、「何で?」と思ったことはありませんか?
小数第2位まで、平然と小数に直しているけれど、どういうこと?
どうやるの?

やり方は3つあります。
まず1つ目は、「平方根表」を使用する方法。
三角比の表と似たような見た目の「平方根表」というものがあります。
中3向けの問題集の巻末などに載っています。
例えば、「体系問題集・代数2」など。
その表で読み取ります。
大学入試共通テストは、今のところ、問題がそれを必要としている場合は「平方根表」を添付してくれるようです。

2つ目。
電卓を使用する。
√ のボタンのついている電卓なら、すぐに平方根の値が出てきます。
√ のボタンのない電卓でも、それなりの値段の電卓、あるいはスマホの電卓アプリならば、平方根を計算するやり方があります。
多少複雑なボタン操作になりますので、説明書をよく読んで使用しましょう。
ただし、テスト中は電卓・スマホは使用できない場合がほとんどですね。

3つ目。
「開平法」で筆算する。
平方根は、筆算で小数に直すことができます。
一番上の画像がその計算です。

上の画像は、√13 を計算したものです。
まず、13より少し小さい平方数(何かの2乗の数)を考えます。
3×3=9ですね。
その3を、√13の横に書き、平方数の9を13の下に書いて、引きます。
引いた答えは、4となります。
これに小数点以下の2桁分を加え、400とします。
3は、真下にも3を書き、足します。
3+3=6 となります。
この6が十の位となります。
次に、6☐×☐の答えが、400より少し小さくなる数を探します。
☐は6ですね。
66×6=396を400の下に書いて、引きます。
答えは4です。
66の下に、見つけた6を書いて、足します。
72となります。
これを繰り返し、見つけた数を順番に√13の上に書いていくと、それが√13を小数に直した数となります。

これを開平法、あるいは開平計算と言います。
なぜ、こんな方法で計算できるのか?
大体のイメージを説明しましょう。
√xという数を開平法で計算するとします。
まず、2乗してxより少し小さくなる数を見つけ、それをaとし、
√x=a+b
と表すとします。
上の√13の例で言えば、x=13、a=3 です。
√x=a+b を2乗しましょう。
x=(a+b)2
x=a2+2ab+b2
移項します。
x-a2=2ab+b2
    =b(2a+b)
次に、x-a2の値より少し小さくなるb(2a+b)を満たすbを探します。
上の図で、bは0.6です。
2a+b=6.6、そして、b(2a+b)=3.96です。
以下、これの繰り返しで割り進めていきます。

正確な証明ではありませんので、今の説明で、パッとひらめくものがあればそれで良し、わからなかったら、もうそれはそれでいいというくらいに気楽に受け取ってください。
開平法は、必ず身につけなければならないというものではありません。
こんな方法もありますよ、というお話でした。



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