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2020年05月02日

高校数Ⅱ「式と証明」。3次方程式の解と係数の関係。


高校数Ⅱ「式と証明」。3次方程式の解と係数の関係。

今回で、数Ⅱの第1章「式と証明」もついに最終回です。
こんな問題を解きましょう。

問題 3次方程式 x3-x2+2x-3=0 の3つの解をα、β、γとするとき、次の3つの数を解とする3次方程式を求めよ。
(1)2α, 2β, 2γ
(2)αβ, βγ, γα
(3)α+β, β+γ, γ+α
(4)α2, β2, γ2

これは3次方程式の解と係数の関係の問題です。
α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)はギリシャ文字で、これへの違和感から問題を過度に難しく感じる人もいます。
また、αとa、βとB、γと数字の6などを見間違えるミスもおこりがちです。
自分の描いた文字や、テキストに書いてある数値を、普段からなぜか見間違うことの多い人は、特に注意が必要です。

では、まず2次方程式の解と係数の関係の復習をしておきましょう。
2次方程式 ax2+bx+c=0 の2つの解をα、βとすると、
α+β=-b/a , αβ=c/a

そんなのありましたね。
それの3次方程式バージョンが今回の問題です。

3次方程式の解と係数の関係について確認しましょう。
3次方程式 ax3+bx2+cx+d=0 の3つの解をα、β、γとします。
すると、3次方程式は以下のように表すこともできます。
a(x-α)(x-β)(x-γ)=0

x3の係数がaですので、( )の外側にaを置くことで係数の辻褄を合わせています。
この左辺を展開しましょう。
=a(x-α)(x2-γx-βx+βγ)
=a(x3-γx2-βx2+βγx-αx2+γαx+αβx-αβγ)
=ax3-aγx2-aβx2+aβγx-aαx2+aγαx+aαβx-aαβγ

xについて降べきの順に整理しましょう。
=ax3-a(α+β+γ)x2+a(αβ+βγ+γα)x-aαβγ

これが、一番上の ax3+bx2+cx+d=0 と同じ方程式なのですから、それぞれの係数を比較すると、
-a(α+β+γ)=b すなわち、α+β+γ=-b/a
a(αβ+βγ+γα)=c すなわち、αβ+βγ+γα=c/a
-aαβγ=d すなわち、αβγ=-d/a

まとめますと、
α+β+γ=-b/a
αβ+βγ+γα=c/a
αβγ=-d/a
これが、3次方程式の解と係数の関係です。

さて、これを利用すると、与えられた3次方程式は、x3-x2+2x-3=0 ですから、
α+β+γ=1
αβ+βγ+γα=2
αβγ=3 
となります。
これらを用いて、以下の3つの数を解に持つ新しい3次方程式を作るのです。

(1)2α、2β、2γ の3つを解に持つ3次方程式は?

x3の係数はとりあえず1としておきましょう。
出来上がった方程式が分数を含むごちゃごちゃした式になった場合は、全体を何倍かして整えれば大丈夫ですから。
そうすると、この3次方程式は、
x3-(2α+2β+2γ)x2+(4αβ+4βγ+4γα)x-8αβγ=0 となります。
x2の係数を求めましょう。
2α+2β+2γ
=2(α+β+γ)
=2・1
=2
よって、x2の係数は-2です。

次に、xの係数を求めましょう。
4αβ+4βγ+4γα
=4(αβ+βγ+γα)
=4・2
=8

次に、定数項を求めましょう。
-8αβγ
=-8・3
=-24

よって、求める3次方程式は、x3-2x2+8x-24=0 です。


(2)αβ , βγ , γα の3つを解にもつ3次方程式の1つは、
x3-(αβ+βγ+γα)x2+(αβ・βγ+βγ・γα+γα・αβ)x-αβ・βγ・γα=0 です。

x2の係数を求めましょう。
αβ+βγ+γα=2
よって、x2の係数は-2です。

次にxの係数を求めましょう。
αβ・βγ+βγ・γα+γα・αβ
=αβγ(β+γ+α)
=αβγ(α+β+γ)
=3・1
=3

定数項を求めましょう。
-αβ・βγ・γα
=-α2β2γ2
=-(αβγ)2
=-32
=-9

よって、求める方程式は、x3-2x2+3x-9=0 です。


(3)α+β , β+γ , γ+α の3つを解にもつ3次方程式の1つは、
x3-(α+β+β+γ+γ+α)x2+{(α+β)(β+γ)+(β+γ)(γ+α)+(γ+α)(α+β)}x-(α+β)(β+γ)(γ+α)=0 です。

x2の係数を求めましょう。
α+β+β+γ+γ+α
=2α+2β+2γ
=2(α+β+γ)
=2・1
=2
よって、x2の係数は-2です。

次にxの係数を求めましょう。
(α+β)(β+γ)+(β+γ)(γ+α)+(γ+α)(α+β)
これをこのまま展開すると、かなり複雑なことになります。
ここでちょっと工夫します。
α+β+γ=1 ですから、
α+β=1-γ
β+γ=1-α
γ+α=1-β
これらを代入します。
(1-γ)(1-α)+(1-α)(1-β)+(1-β)(1-γ)
=1-α-γ+γα+1-β-α+αβ+1-γ-β+βγ
=-2α-2β-2γ+αβ+βγ+γα+3
=-2(α+β+γ)+(αβ+βγ+γα)+3
=-2・1+2+3
=3
この工夫の仕方は、覚えておきましょう。
なかなか自力では発想できませんから。

次に定数項を求めます。
-(α+β)(β+γ)(γ+α)
=-(1-γ)(1-α)(1-β)
=-(1-γ)(1-β-α+αβ)
=-(1-β-α+αβ-γ+βγ+γα-αβγ)
=-1+β+α-αβ+γ-βγ-γα+αβγ
=-1+(α+β+γ)-(αβ+βγ+γα)+αβγ
=-1+1-2+3
=1

よって、求める方程式は、x3-2x2+3x+1=0 です。


(4)α2 , β2 , γ2 の3つを解に持つ3次方程式の1つは、
x3-(α2+β2+γ2)x2+(α2β2+β2γ2+γ2α2)x-α2β2γ2=0 です。

x2の係数を求めましょう。
α2+β2+γ2
=(α+β+γ)2-2αβ-2βγ-2γα
=(α+β+γ)2-2(αβ+βγ+γα)
=12-2・2
=1-4
=-3
よってx2の係数は-3。

xの係数を求めましょう。
α2β2+β2γ2+γ2α2
=(αβ+βγ+γα)2-2αβ・βγ-2βγ・γα-2γα・αβ
=(αβ+βγ+γα)2-2αβγ(α+β+γ)
=22-2・3・1
=4-6
=-2

定数項を求めましょう。
-α2β2γ2
=-(αβγ)2
=-32
=-9

よって、求める方程式は、x3-3x2-2x-9=0 です。




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