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2020年02月07日

数Ⅱ「式と証明」2次方程式の解の範囲。少し難問を解いてみましょう。

数Ⅱ「式と証明」2次方程式の解の範囲。少し難問を解いてみましょう。

数Ⅱの2次方程式の解の範囲に関する問題をさらに解いてみます。
少し難しい問題に挑戦してみましょう。

問題 2次方程式 x2-2(a-4)x+2a=0 の2つの解がともに2より大きい場合の定数aの値の範囲を定めよ。

数Ⅱ的アプローチで解いてみましょう。
まずは、判別式D≧0 はこの2次方程式が実数解をもつための大前提です。
あれ、D>0 じゃないの? と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、この問題は「2つの解」と書いてあっても、その2つが異なる解であるとは書いていないのです。
つまり、重解の可能性は否定できないのです。
重解のときの判別式はD=0。
だから、今回の判別式の範囲はD≧0 となります。

判別式 D/4=(a-4)2-2a≧0
a2-8a+16-2a≧0
a2-10a+16≧0
(a-2)(a-8)≧0
a≦2, 8≦a ・・・①

さて、解と係数の関係をここから利用します。
上の2次方程式の2つの解をα、βとすると、問題の条件より、
α>2、β>2
すなわち、
α-2>0、β-2>0
よって、
(α-2)+(β-2)>0 かつ、(α-2)(β-2)>0 

ここで、α>2、β>2から
α+β>4 かつ、αβ>4
と単純にやってしまうと、誤差が生じてしまいます。
正負の判断は、積の場合、必ず右辺を0に直して行わないと、正確なものにならないのです。
上の、(α-2)(β-2)>0 を展開してみましょう。
αβ-2α-2β+4>0 です。
単純な、αβ>4 とは異なることがわかりますね。

(α-2)+(β-2)>0
α+β-4>0
解と係数の関係より、
α+β-4=2(a-4)-4>0
2a-8-4>0
2a>12
a>6 ・・・②

(α-2)(β-2)>0
αβ-2α-2β+4>0
αβ-2(α+β)+4>0
解と係数の関係より、
2a-2・2(a-4)+4>0
2a-4a+16+4>0
-2a+20>0
-2a>-20
a<10 ・・・③

①、②、③より
8≦a<10

これが解答です。


しかし、上の件がどうしても納得いかず、α>2、β>2なんだから、α+β>4、αβ>4でいいんじゃないかと思う人もいるかもしれません。
それで解くとどうなるでしょう。
やってみましょう。
判別式 D≧0 より、a≦2、8≦a ・・・① は同じです。
α+β>4 も同じですから、
2(a-4)>4
2a-8>4
2a>12
a>6 ・・・②
αβ>4 とすると、
2a>4
a>2 ・・・③
①、②、③より
8≦a
という別の答になってしまいます。


「本当はこっちのほうが正しいんだよ」という不毛な論争の前に、それでは数Ⅰ的アプローチで、解答を確認してみましょう。

判別式 D≧0 より、a≦2、8≦a ・・・① は同じです。
次に、軸の方程式が2より大きいことを利用します。
軸の方程式は、x=2(a-4)/2=a-4
よって、a-4>2
a>6 ・・・②
さらに、2つの解が2より大きいということは、f(x)=x2-2(a+4)+2a としたときのf(2)の値は正の数ということになります。
これは、放物線を実際に描いてみると実感できます。
f(2)=4-2(a-4)・2+2a>0 
4-4a+16+2a>0
-2a>-20
a<10 ・・・③
①、②、③より
8≦a<10

(α-2)(β-2)>0 の解き方と解が一致しましたね。

8≦a ではなく、8≦a<10。
どちらが本当の正解か?
a=10を代入して確認してみましょう。
「2次方程式 x2-2(a-4)x+2a=0 の2つの解がともに2より大きい」という条件を満たすでしょうか?
x2-2(10-4)x+2・10=0
x2-12x+20=0
(x-2)(x-10)=0
x=2,10
解の1つは2となり、「2より大きい」という条件を満たしません。
8≦a では正解とならないことがわかります。


問題 x2-2(a-4)+2a=0 の2つの解がともに2より小さい場合の定数aの値の範囲を定めよ。

これも、上の解き方と基本は同じなのですが、「2より小さい」と言われると混乱する人もいるようです。
まず、判別式D≧0 であることは、上の問題と同じです。
これは大丈夫でしょう。

判別式 D/4=(a-4)2-2a≧0
a2-8a+16-2a≧0
a2-10a+16≧0
(a-2)(a-8)≧0
a≦2, 8≦a ・・・①

次の解と係数の関係を利用します。
上の2次方程式の2つの解をα、βとすると、
α<2、β<2 より
α-2<0、β-2<0 です。
よって、
(α-2)+(β-2)<0 かつ、(α-2)(β-2)>0
解と係数の関係より、α+β=2(a-4)、αβ=2a だから、
(α-2)+(β-2)=2(a-4)-4<0
2a-8-4<0
2a<12
a<6 ・・・②
(α-2)(β-2)=αβ-2(α+β)+4>0
2a-2・2(a-4)+4>0
2a-4a+16+4>0
-2a>-20
a<10 ・・・③
①、②、③より
a≦2 が解答となります。


問題 2次方程式 x2-2(a-4)x+2a=0 の1つの解が4より大きく、他の解は4より小さいとき、定数aの値の範囲を定めよ。

何だか、これが一番難しそう・・・と思いますが、解き方としては、これが一番簡単です。

上の2次方程式の解をα、βとする。
α<β とすると、α<4、β>4
すなわちα-4<0、β-4>0
よって、(α-4)(β-4)<0
αβ-4α-4β+16<0
αβ-4(α+β)+16<0
解と係数の関係よりα+β=2(a+4)、αβ=2aだから、
2a-4・2(a-4)+16<0
2a-8a+32+16<0
-6a<-48
a>8

あっという間に答えが出ました。

この問題は、数Ⅰ的アプローチでも、簡単に解くことができます。
f(x)=x2-2(a-4)x+2a とおくと、
f(4)<0
16-2(a-4)・4+2a<0
16-8a+32+2a<0
-6a<-48
a>8

同じ答えとなりますね。

こういう解き方のときは、何で判別式Dの話は出てこないのかなあ・・・と思う人もいるかもしれません。
どちらの解き方でも、α<4<β あるいは、f(4)<0 と定めたときに、もう、放物線はx軸と交わることが確定しているからなんです。
下に凸の放物線が、自動的に、びょーんと下に引っ張られて、どうしたってx軸と2点で交わっているイメージをもてたら、大正解です。




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