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2019年11月22日

高校数Ⅱ「式と証明」。複素数。その2。

高校数Ⅱ「式と証明」。複素数。その2。


「複素数」の学習、今回は2回目です。
今回は、2次方程式の解に関する問題から。

問題 次の2次方程式を解け。
6x2-2x+1=0

因数分解できないので、解の公式を使って解きます。
xの係数が偶数なので、2本目の解の公式が有効ですね。
x=1±√1-6
 =1±√-5
 =1±√5 i

虚数単位を使うと、このように、全ての2次方程式に解が存在します。


問題 次の方程式の実数解を求めよ。
(2+i)x2+(3+i)x-2(1+i)=0

これは、係数が虚数です。
このまま強引に解の公式を利用する方法もあるのですが、ここはシンプルに、実部と虚部に分けて考えると楽に解けます。

(2+i)x2+(3+i)x-2(1+i)=0
2x2+ix2+3x+ix-2-2i=0
(2x2+3x-2)+(x2+x-2)i=0

虚数a+bi=0 のとき、a=0、かつb=0 ですから、
2x2+3x-2=0 かつ x2+x-2=0 
となります。
ですから、これを連立方程式としてその解を求めれば良いですね。
2x2+3x-2=0
(x+2)(2x-1)=0
x=-2、1/2・・・①
x2+x-2=0
(x+2)(x-1)=0
x=-2、1・・・②
①かつ②が解となるので、
x=-2

xを基準にまとめるのか、iを基準にまとめるのか、途中でよくわからなくなる人がいます。
今は実部と虚部に分けて整理しようしているので、iの有無で分けていくのです。

ここらへんになると、やっていること自体は特に難しくない計算問題でも、気持ちで負けてしまう高校生が現れます。
精神的に支えていくことも私の仕事になります。
数学が嫌いな子の多くは、中学の数学も完全に身についているわけではありません。
「中学の数学くらいわかりますよっ」
と主張するのですが、2次方程式の解の公式をスラスラ活用できるかというと、それは怪しかったりします。
「公式くらい、わかってますよっ。でも、僕は、引き算が苦手なんですよっ」
と言われて、言葉を失ったこともあります。
・・・・そうか。
じゃあ、ゆっくりやろう。
そう声をかけても良いのですが、そんな優しさはむしろ相手を傷つけてしまいそうでした。
何より本人が、自分の言った言葉に自分で傷ついて、涙目になっていたのです。


問題 次の2次方程式の解を判別せよ。
1/3x2-1/2x+1/5=0

解の判別に関する問題は、数Ⅰ「2次関数」の章で学習しました。
ただし、その頃は虚数解というものはなく、「実数解なし」という判別をしていました。
そこをバージョンアップしていきます。

解を判別するには、判別式を用います。
判別式とは何か?
2次方程式 ax2+bx+c=0 のとき、
解の公式は、x=(-b±√b2-4ac)/2a です。
この√ の部分がもし0ならば、解は x=-b/2a の1つだけとなります。
これがすなわち重解です。
√ の中身が正の数ならば、異なる2つ実数解が求められます。
このように、√ の中身で解の個数を判別できるので、√ の中身の部分を「判別式」と言うのでした。
すなわち、判別式D=b2-4ac
また、xの係数が偶数のときの解の公式の√ の中身を用いることも可能です。
判別式D/4=b'2-acとなります。

まとめますと、
D>0 のとき、異なる2つの実数解
D=0 のとき、重解
D<0 のとき、異なる2つの虚数解
今後は、このように判別していくことになります。

さて、上の問題は、
1/3x2-1/2x+1/5=0
という見た目です。
これでは計算しにくいので、係数が整数になるように整理しましょう。
方程式ですから、両辺を何倍かしても、関係は変わりません。
3と2と5の最小公倍数は30ですから、両辺を30倍すると、分母を払うことができます。
10x2-15x+6=0
よって、
判別式D=152-4・10・6=225-240=-15<0
解は 異なる2つの虚数解です。

しかし、単純に解を判別するだけの問題は、退屈ですね。
少し応用的なものも解きたくなります。
例えば、こんな問題です。

問題 2次方程式 x2+(k+1)x+k+2=0 が異なる2つの虚数解をもつようなkの値の範囲を定めよ。

判別式を使うんだなあということはピンとくると思います。
使ってみましょう。
D=(k+1)2-4・1(k+2)
 =k2+2k+1-4k-8
 =k2-2k-7
異なる2つの虚数解をもつのですから、D<0 です。
よって、
k2-2k-7<0
これは2次不等式です。
まず2次方程式に直して計算します。
k2-2k-7=0 とすると、
解の公式を用いて、
k=1±√1+7
 =1±2√2
よって、上の2次不等式の解は、
1-2√2<k<1+2√2
これが最終解答です。

途中まではわかっても、「2次不等式」のところで詰まってしまう高校生もいます。
数Ⅰの内容があまり身についていない高校生は、2次不等式の解き方を忘れてしまっているのです。
そもそも、その前の段階の「判別式」を数Ⅰで学習したことすら曖昧になっている子もいます。
学校では、数Ⅰでやった内容はざっと復習するだけです。
それだって随分親切な授業です。
しかし、完全に忘れてしまっている子にとっては、せっかくやってくれる「ざっと復習」も、その授業スピードでは、速すぎて理解できないようです。
数Ⅱで大きく崩れ、数学の授業についていけなくなる子が多い原因の1つは、このように、数Ⅰの内容が身についていないことにあります。

もっとも、高校2年の秋ともなりますと、数学が苦手な生徒への配慮のある高校も多いです。
授業スピードはゆるめないものの、定期テストは易しくなる高校が多いのです。
数学の単位が取れないと、卒業できないですから。
中高一貫の進学校なのに計算ドリルみたいなテストだったりします。
そうしたテストをつくづくと眺め、結局数学の最終学年でこんなテストになるのなら、中等部のときにあんなに異様な分量と難度のテストで生徒を苦しめて数学嫌いにさせなければよいのに、と嘆息することもあります。
公立中学から普通の都立高校に進学していたら、この子もセンター試験くらいは対応できる数学力がついたのではないかと思ってしまうことも多いです。
どの進路が子どもを伸ばすかは、1人1人違う、と感じます。

2次不等式の解き方を忘れてしまった方は、ここに、2次不等式の基本を説明してあるページがありますので、ご参照ください。
https://seghi.tamaliver.jp/e445206.html




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