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2019年07月26日

高校数Ⅱ「式と証明」。分数式の計算。

高校数Ⅱ「式と証明」。分数式の計算。


今回は「分数式の加法・減法」。
例えば、こんな問題です。

x-3         x-1
x2-6x+8  -  x2-2x-8

分数をこのブログに書き込んでいくのは難しいのですが、大体の感じはつかめていただけたかと思います。

計算の基本は、数の計算と同じです。
分数は、分母が等しくなければ引き算できません。
すなわち、通分が必要となります。
このまま、(x2-6x+8)(x2-2x-8)という分母にすることでも通分はできます。
しかし、それは、普通の分数の計算で、例えば分母が6と8だったときに、それを通分するのに48としてしまうようなものです。
後の計算が煩雑になる悪手です。
互いの共通因数を考えて通分しましょう。
それにはまず、分母をそれぞれ因数分解してみます。
x2-6x+8=(x-2)(x-4)
x2-2x-8=(x+2)(x-4)
(x-4)が共通因数であることがわかります。
よって、通分した後の分母は、(x-2)(x+2)(x-4)
このように通分するのですから、それぞれの分子は、それまでの分母にはなかった因数をそれぞれにかけて、
(分子)=(x-3)(x+2)-(x-1)(x-2)
この後、分子の計算を行います。
(分子)=x2-x-6-(x2-3x+2)
    =x2-x-6-x2+3x-2
    =2x-8

これで、分子は2x-8、分母は(x-2)(x+2)(x-4)
というところまで整理できました。
普通の分数の計算でもそうですが、計算後は、約分できるかどうかを確認します。
分子は2(x-4)と整理できます。
分母の(x-4)と約分できることがわかります。
よって、解答は、2/(x-2)(x+2)

単純な計算ばかりなので、前回の多項式の除法とこの分数式の計算は、数Ⅱの学習内容の中では理解しやすいところです。
ここが最後のオアシスだったと後になって降り返る人も少なくありません。
しかし、そのオアシスさえ、計算ミスを繰り返して得点には至らない人も多いのです。
理解できることと、実際に得点できることとは別のことです。
途中で一度でも書き間違いや符号ミス・計算ミスをしたら、正解には至りません。

ミスをなくすには、どうしたら良いか。

ミスは、学力的に安定した状態ではないために起きている場合があります。
試しに中学数学の計算問題を解き直してみてください。
心の中でやってみて判断するだけではダメです。
実際に中学時代の正負の数の計算、文字式の計算、方程式などをそれぞれ20題ほど解いてみてください。
簡単過ぎる問題ではなく、多少は複雑な計算過程が必要な問題が妥当です。
そういう問題は全くミスしないのに、高校の数学の問題を解くとケアレスミスが多いという場合は、高校数学の理解が不十分である可能性が高いです。
高校数学の基本問題を中心に反復し、基礎力を鍛えれば、基本問題での妙なケアレスミス・計算ミスは減っていくでしょう。

一方、中学時代の計算問題を解いてもやはりミスがあるという場合は、どういうミスをしているのか分析し、過剰書きにしてみてください。
符号ミス。
指数の書き洩らし。
数字の書き間違い。
問題の写し間違い。
ひき算ミス。
たし算ミス。
「正」の字を書いて、どのミスが多いのか確認すると良いと思います。
自分のミスを可視化することで、意識し、改善できるかもしれません。

ただ、おそらくは、どのミスも同じように分散し、多様なミスが多発している場合が一番多いのではないかと思います。
特にどこが苦手というのではなく、全般的にミスをしやすい。
それを直視するのはつらいことかもしれませんが、そうであるなら、ミスを含み込んで得点を読んでいきましょう。
テストの8割の問題を解けるようになっておけば、ミスを含み込んで、6割は得点できる。
そのようにミスを織り込み済みの得点の読み方をしたほうが、気持ちが安定します。
そうすることで、むしろ、ミスは減ると思います。

英語のスペルミスや時制ミスはほとんどないし、古文の助動詞や助詞の紛らわしいのも識別できるし、日本史や世界史の人名や国名も正確に覚えられるけれど、数学は基本問題でもケアレスミスをするので正解できないなあ・・・。
高校生になれば、そういうことがはっきりと見えてくる人もいます。
まあ、何というか、数学と相性が悪い。
数学の正確さとそりが合わない。
そういうこともあると思います。

「数学が世の中の役に立っていることを否定するつもりはない。でも、自分が数学を勉強しなければならない意味はわからない」
昔、極端な文系秀才の生徒からこのように言われて、さすがに言っていることの筋が通っていると感心したことがあります。
後は、教育システムの問題です。
数学に関しては、高校卒業に必要な単位のために最低限の勉強をする。
受験には使わない。
そういうやり方もあると思います。

では、どの段階で文系・理系の判断をするのか?
極端な文系秀才ならば判断しやすいでしょうが、普通の高校1年は自分が文系か理系かの判断はつかない場合がほとんどです。
高校1年までは、「数学と歴史が得意。国語と理科が苦手」といった判断に窮する傾向の子のほうがむしろ多いです。
しかし、高校2年で学習する科目は専門性が高まります。
「得意なつもりでいたけど、ここまでやるとなると、何かもう訳がわからない。無理だな」
という判断もあるでしょうし、
「皆は苦手だ嫌いだと言うけど、自分はこの科目好きだな。何か急に面白くなってきた。これを大学で勉強するためなら、受験に必要な他の科目も頑張れる気がする」
という判断もあると思います。
高校2年まで数学をやることでようやく判断がつく人が多いと思います。
この話をすると、さすがは秀才。それもすぐに理解してくれました。

理系秀才にとって、古文・漢文の授業もまた、
「古典を貶める気持ちはないが、自分が古文・漢文を学ぶ意味はわからない。自分が原文を読めるようになる必要はないし、読めるようにはならないと思う。内容だけなら知りたいが、それなら現代語訳で十分だ」
とも言えます。
高校2年生まで同じ教育課程であるのは、壮大な無駄のような気もする一方、しかし、全ての子どもに平等な機会を与えるという点では、文系・理系の判断は遅いほうが良いでしょう。
以前も書きましたが、効率だけを考えたあげく、例えば12歳で学力テストを行い、学力が基準に満たない者にはそれ以上の教育は与えず、基準を満たした者はその能力にあわせ、選抜して専門科目のみ教育する、などという仕組みが素晴らしい社会を生むとは到底思えません。
そんなのは、悪夢でしかありません。
自分には必要なさそうな数学や古文も勉強するのは、義務じゃなくて、権利です。
数Ⅱ・Bに対するあまりの違和感に、これはもうダメだと感じる人も、少し距離をおいて、これを学ぶのも自分の権利と考えて楽しんでくれれば、少し光が見えてくるのではないかと思います。

話は分数式の計算に戻って。


2x-5    2x2+9x-28
x-4  -  x2+2x-24

さて、これも、上の問題と同じように計算していくこともできるのですが、それぞれの分子と分母を見比べて、分子の係数や次数が分母より大きい場合、もっと整理してからのほうが計算が楽にできます。
普通の分数の計算で言えば、仮分数を帯分数に直して計算するような感覚です。
ここで、前回学習した(多項式)÷(多項式)の計算が活きてきます。

(2x-5)÷(x-4)=2あまり3
(2x2+9x-28)÷(x2+2x-24)=2あまり(5x+20)

よって上の分数式は、


      3          5x+20
2 + x-4  -2 - x2+2x-24 

と整理されます。

普通の分数の仮分数を帯分数に直すのと全く同じことをやっています。
そうすることで、整数は整数同士で、分数は分数同士で引けばよいので、かなりスッキリします。
その後の計算方法は上の問題と同じです。
分子の次数が抑えられて、計算しやすくなります。




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