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2019年01月14日

数A「整数の性質」 ユークリッドの互除法。

数A「整数の性質」 ユークリッドの互除法。


今回から「ユークリッドの互除法」の学習に入ります。
この後「不定方程式」を解くのに使う計算方法ですので、確実に身につけておきたいところです。
「ユークリッドの互除法」とは、最大公約数を求める方法です。
それなら「連除法」があるからそれでいいじゃないかという気もしますが、連除法は、最大のものではなくてもとにかく公約数を自力で見つけなくてはなりません。
2や3ならすぐに見つけられますが、公約数が19だったり23だったりしたら、見つけにくいです。
そうしたものでも確実に見つけられるのがユークリッドの互除法です。
まず、小学生レベルの簡単な問題で考えてみましょう。

問題 縦70cm横98cmの長方形の紙があります。これを余りがないようにできるだけ大きい正方形に切り分けます。正方形の1辺を何cmにすればよいですか。

これは、70と98の最大公約数を求めればよいのですね。
上の板書の左下は、いつもの連除法で解いたものです。
最大でなくても良いので、とにかく公約数を考えます。
思いつくのは、まず「7」。
70と98をそれぞれ7で割って、10と14。
今度は、10と14の公約数を考えます。
「2」ですね。
それぞれを2で割って、5と7。
もう1以外の公約数はなくなりました。
したがって、最大公約数は、7×2=14。
これが連除法です。

一方、今回学習する「ユークリッドの互除法」は、長方形を初めからざっくり正方形に切り分けていく方法です。
板書の中央下が互除法です。
まず、縦の70cmにあわせて、70×70の正方形を1つ切り出します。
最終的に切り分ける正方形の1辺は必ず70の約数なので、この正方形は後で余りなく切り分けていくことができるでしょう。
切り出した残りは、縦70cm横28cmの長方形です。
この長方形も最終的に同じ大きさの正方形に切り分けるのですから、求める正方形の1辺は、70と28の最大公約数でもあるでしょう。
ならば、1辺28cmの正方形をまず切り出して、後でその正方形をさらに細かく切り分けることにしても余りは出ないでしょう。
28×28の正方形は、上の図のように2つ切り出すことができます。
残りは、縦14cm横28cmの長方形。
同じように考えて、今度は、14×14の正方形を切り出していくと、これは2つ切り出すことができ、余りはありません。
では、この1辺14cmの正方形が求めたかった最大の正方形でしょう。
先程切り出した28×28の正方形は、この正方形に切り分けることができますね。
70×70の正方形も、この正方形に切り分けることができます。
やはり、答えは、14cmです
これを式で表すと、
98÷70=1あまり28
70÷28=2あまり14
28÷14=2
よって、答えは14。
これが互除法です。

合同式のときもそうでしたが、今回も、商はどうだっていいんです。
割る数とあまりが大切です。

ところで、高校数学はどうしても必要でない限り「÷」の記号や「余り」という日本語は使いません。
98÷70=1あまり28
という書き方ではなく、
98=70・1+28
という書き方をします。
これは、小学校でわり算の筆算を学習したときに、検算の式として学習している内容です。
「はじめの数=わる数×商+あまり」
という式です。
同じ数量の関係を異なる表し方をしたもので、意味は同じです。

わかりにくかったら、上のほうのわり算の書き方で理解できれば大丈夫です。
この先、不定方程式に互除法を利用する場合は、上の書き方でも下の書き方でもない、第3の書き方を利用します。
それはマスターしなければ不定方程式がうまく解けません。
28=98-70・1
という書き方です。
「余り=はじめの数-割る数×商」
という意味の式です。
この式も面食らってしまう可能性がありますが、頑張って理解しましょう。

互除法は、なぜそれで解けるのかを文字式を用いて証明したものを理解しようとして、かなり混乱する人がいます。
そうした証明に興味がある場合はとことん追求すると良いですが、そうでないなら、長方形を切り分けるやり方でざっくり理解できたら、それで良いことにして大丈夫です。
互除法は計算方法なので、この計算方法で計算して良いのだと納得できれば、あとは活用できることのほうが大切です。
証明に抵抗感が強かったため、それで「互除法がわからない」となり、互除法を活用できないと、不定方程式が解けなくなります。
そちらのほうが深刻な問題です。

なお、上の板書の右下は、互除法の筆算です。
わり算の筆算をどんどんつなげて書いていくもので、一番右の筆算から始まり、左に書き添えていきます。
最初の筆算の「割る数」を「余り」で割っていくので、左につなげて書いていくことが可能です。
割り切れたときの「割る数」が、求めたかった最大公約数です。
最大公約数だけを求めたい場合は、この筆算も便利です。






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