たまりば

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2018年04月13日

約数の個数に関する問題。



数A「場合の数」の問題の1パターンとして、約数の個数に関する問題があります。
これは、数A「整数の性質」でも、再度出てくる問題なので、どちらかで1回学習するという学校も多いと思います。
例えば、こんな問題です。

例題
400の正の約数の個数を求めなさい。

約数というのは、その整数を割り切ることのできる整数のことです。
この問題は、「倍数・約数」の学習を終えれば小学生でも解けます。
400でしたら、全部書いていってもそんなに手間のかかることではありません。

約数の勉強を初めて行う小学生がよくやってしまうのが、小さい約数から順に書いていって、だんだんわからなくなって大きい約数を書きもらしてしまうこと。
大きいほうの約数は、とびとびに出てくるので、考えていくのがだんだん面倒になって、もれてしまうのです。

でも、これには解決策があります。
400÷2=200
のように「2」という約数
を見つけたら、商である200も、400の約数です。
だから、割る数と商とをセットで見つけていきます。
すなわち、
1と400
2と200
4と100
5と80
8と50
10と40
16と25
20と20  あ、ここでつながった。
だから、正の約数は、全部で15個です。
こうすれば、書きもらしがありません。

中学生や高校生に向けて言うのならば、400÷2=200 の2も200も400の因数です。
400=2×200 と書いたほうがわかりやすいでしょうか。
積の形で表される2も200も、400の約数です。
しかし、この説明を当たり前のことと受け止める子もいれば、わり算がかけ算に書き換えられたことに驚いて、何がどうなったのかわからず混乱する子もいます。
その子にとっては、わり算とかけ算は全く無関係のもので、頭の中でつながっていないようなのです。

わり算とかけ算とは表裏一体のもの。
こうしたことは、小学校の算数のどこかの単元でしっかり学習するというよりも、計算をしている間に本人が気づいているはずの概念なのですが、わり算とかけ算との関係について全く気付かず、中学生になり高校生になってしまう子も存在します。
計算をしている間に、そうしたことに頭をめぐらせるということが一切なかったのかもしれません。
計算しろと言われたら、ただ機械的にその作業をするのみで、その作業を通じて何かを考えることがないのでしょう。
思考力の欠如とは、そういうことなのかもしれません。
しかし、逆に、気づかない子にとっては「何でそんなことに気がつくと?」ということなのかもしれません。

こうした数学的な規範は、誰に教わったということもなく、漠然と理解していることが多いです。
十進法の仕組みなどもそうですね。
十進法は、説明しようとすると、言葉遣いも難しくなる複雑な概念です。
2進法や3進法が上手く理解できない子は、十進法を本質的には理解できていない可能性があります。
一方、小学生でも理解している子は理解していて、だから小学生でも2進法や3進法の問題を解くことはできます。
他にも、例えば、たし算とひき算との関係。
かけ算とわり算との関係。
たし算とかけ算との関係。

こうしたことに気づかないまま中学生・高校生になると、数学でやっていいことと悪いことの判断が自力ではできず、思考の幅が狭くなるのかもしれません。
方程式の計算を学ぶときも、なぜそれで計算できるのかを上手く理解できないまま、ただやり方だけ覚えて使うようになります。
本来、自然に気づくはずのこと。
自力で考えをめぐらせるはずのこと。
それに気づかない子に「考えろっ」と命じて考えるようになるとは思えません。
思考力を育てるというのは並大抵のことではないと思う日々です。


話を400の約数に戻して。
約数を全部書きだす問題ならば、小さいもの順になるように、両端からそれぞれのセットを書いていきます。
書いていく段階では、約数の個数が何個あるのかわかりません。
だから、解答欄の思い切り両端から書いていき、結局、真ん中に空白が出来たりします。
それは仕方ないですよね。
正解するためには、こうしたほうが、小さいものから順番に見つけていくよりも速く正確ですから。

でも、小学生の中には、そういうことが気になって不機嫌になる子もいます。
「あーあ、こんなに空いた!」
と腹を立てて、ぐしゃぐしゃと消して、また1から書き直したりします。
そして、結局、書きもらしてしまいます。
( ;∀;)

重要なことは何であるか。
優先事項は何か。
そういう判断が少しズレてしまう子はそうなってしまいます。

答案に隙間が出来るのがどうしても嫌なら、まずメモをとって、それを解答欄に書き写せば良いのですが、それはそれで面倒だから嫌だと拒絶します。
結果、約数を全て書きだしていく基本問題ですら正答できるかどうかわからない、薄氷を踏むようなことになる子がいます。

きれいな答案を書くことが最優先な子は、もう仕方ないので、小さい順に約数を書いていきましょう。
しかし、いつでも商を意識して、
400÷20=20
と、約数と商が一致、あるいはその間に他の約数はないと確認したら、その先は、これまで出た約数で割った商を順番に書いていくように指導します。
すなわち、
1,2,4,5,8,10,16,20まで来たら、
次は、16で割った商の25。
次は、10で割った商の40。
次は、8で割った商の50。
というふうに逆流するように考えて書いていけば、もれなく書いていけるでしょう。
同じ計算を2回することにはなりますが、折衷案として有効です。

とはいえ、どんなやり方でも、400の約数16は、書きもらしやすいものです。
25のほうが思いつきやすいので、16をとばしてしまった自分の答案を見直して、
あれ?25がないのは何でだ?
あ、400÷25=16かー。
16があったー。
と気がついて修正できれば上出来です。

このように、人間のやることにはどうしてもミスがつきまといます。
高校数学の「場合の数」は、「全て書きだしていく」のは万策尽きたときに行うことで、計算できるものなら計算で求めたいです。
では、約数の個数は、どうやったら計算で求められるのか。
それが高校数Aで学習する「約数の個数の求め方」です。

400=1・400
400=2・200
と、かけ算の形にしてみると、約数というのはその数の因数なのだと気づきます。
ならば、素因数分解をしてみれば、何かわかるのではないか?
というわけで、400を素因数分解してみると、
400=24・52
(全角の数字の後ろに書いた半角の数字は指数です)

これらの素因数を使ったり使わなかったりする組み合わせで、全ての約数は表されるのではないか?
2や5を1回も使わない場合、それは「1」とします。
実は、2の0乗や5の0乗が1なのですが、それは、数Ⅱ「指数関数」の学習をする際に、また詳しく勉強します。
2や5を1回も使わない場合が、20・50=1×1=1。
2を1回、5は0回使うのなら、2・50=2×1=2
2を2回、5は0回使うのなら、22・50=4×1=4
このようにして、縦に5を使用する回数、横に2を使用する回数を書いた表を作り、その縦横の積として、400の約数が全て表されます。
ということは、表のマス目の数だけ約数があるということです。
縦は、5の0乗、5の1乗、5の2乗の3列。
横は、2の0乗、2の1乗、2の2乗、2の3乗、2の4乗の5行。
したがって、3×5=15(個) の約数があることがわかります。
すなわち、素因数分解したときの各素因数の指数に+1をしたもの同士をかけたら良いのですね。
5は2乗なので、2+1の3。
2は4乗なので、4+1の5。
その3と5をかけます。
+1をするのは、0乗の分があるからです。
こうやって計算で求めたら、数えもらしの心配がありません。
これが約数の個数を計算で求める方法です。
400の正の約数の個数は、3×5=15で15個です。
ヽ(^。^)ノ



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