たまりば

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2018年01月01日

三平方の定理と三角形の面積。無機質な公式をどう感じるか。



新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
今年は、太平洋側は晴れた穏やかな元旦を迎えました。
こんなことなら、山に行けば良かった。
そう思うのはいつものことですが、八ヶ岳だけ雲が取れないこともあるので、のんびりとしたお正月も良いでしょう。
今年は受験生が多いので、あまり山の計画をウキウキと立てる気分ではないのも大きいです。

さて、お正月から数学の話。
今回は、三角形の面積の話です。
これも、数Ⅰで学習する「三角比」の単元の内容です。
△ABCの面積を求める公式は、
S=1/2absinC=1/2bcsinA=1/2casinB
となります。
これに関しては、以前にここで書きましたので、ぜひ、以下のページに飛んでください。
http://seghi.tamaliver.jp/e434406.html

三角形は、2辺とその間の角がわかれば、面積を求めることができます。
それが、S=1/2absinCの公式です。
証明は、上のページで説明しました。
小学校からお馴染みの「底辺×高さ÷2」に三角比を当てはめているだけです。

ところで、昔、生徒の1人から
「どこが高さかわからなくなる」
と質問されたことがあります。
底辺をaと見たときの高さが、bsinCになることは、見やすいからわかる。
底辺がbのときの高さがcsinA、底辺がcのときの高さがasinBであることが、斜めになっていて見えにくい。
そう言うのです。

その子は、公式の証明と解き方そのものとを混同していたのでした。
1つ1つの問題を解くときに、1つの頂点から垂線を引いて高さをsinで求めてから、三角形の公式にあてはめて解くのだと思っていたのです。
だから、三角形の向きによっては底辺の位置と垂線の位置が見にくいなあと感じた様子です。

しかし、そんなふうにいちいち解くのなら、公式は要らないのです。
そういうことを省略し、さっと立式できるのが公式です。
公式は問題を簡単に解くために式を定型にしておくものです。

しかし、突然その定型を示されて、活用せよと言われても、納得のいくものではありません。
だから、まずはその公式がなぜ正しいかの証明を学びます。
納得したら、証明からは離れて、スイスイ公式を使うというのが数学学習の流れです。
公式を利用するときには、どこが底辺でどこが高さであるかを確認する必要はないのです。
そういうことを考えなくて済むようにしたのが公式です。
機械的に当てはめて使用するだけです。

ただ、そういうことに心理的に抵抗がある人は多いのかもしれません。
実感の伴わない公式に違和感があり、頭に入らない子。
小学生にもいますね。
小学校の5年生で学習する「割合」で、まず大きな挫折があるようです。

割合の3用法のうち、「もとにする量×割合=比べる量」の公式がよくわからない。
まして、「比べる量÷割合=もとにする量」となると、全くわからないし、使う気がしない。
どうしても意味がわからないし、頭に入らない。
かけ算の式を立てていいのか、わり算の式を立てていいのか。
やればやるほど混乱する。
そういう嘆きを聞くことがあります。

あれは、逆算で作った公式なので、意味なんてありません。
割合の公式で意味があるのはただ1つ。
「比べる量÷もとにする量=割合」
これだけです。

例題 
Aくんが、サッカーで7本シュートしたところ、5本ゴールできました。Aくんがゴールした割合はどれだけでしょうか。

これは、5/7ですよね。
これは、実感できることです。
これがわからないという小学生に出会ったことがありません。
では、5/7という分数を式に直すとどうなるか?
5÷7=5/7 です。
5は、比べる量。
7は、もとにする量。
「比べる量÷もとにする量=割合」
という公式は、こうした構造でできています。

割合の根本は分数なんです。
ここをカチッと押さえたら、あとは、その変形なのだと理解します。
「もとにする量×割合=比べる量」
「比べる量÷割合=もとにする量」
この2本の式は、一番上の式を逆算で変形しているだけです。
式自体に意味はありません。
この式は実感できるわけがないのです。
ただの機械的な操作で生まれている式です。

だから、式の意味がわからないのは当たり前。
意味がわからないという感覚は、間違っていません。
意味なんかないんです。
変形しておいたほうがすぐに使えて便利だから公式として固定させているだけです。

多くの大人はもう何十年もこの公式を使っていますので、意味がないことに気がついていません。
500円の7割は、500×0.7で、350円じゃないの。
何でこんな簡単なことが、うちの子は理解できないの。
こんなことの何がわからないって言うの。
つい、そう思ってしまいます。
子どもが弁の立つ子で、
「でも、何でかけるの?何で割合をかけるの?」
と、核心をつくことができたら、また話が変わってくるのですが、上手く言葉にできず反論できない子もたくさんいます。
わからなくて当然のことを、わからないからと責められる。
これでは算数が嫌いになります。

実感できない公式は、算数・数学にはたくさんあります。
公式の多くは実感とは関係ないことを理解すると気持ちが楽だと思います。
公式は、証明できるかどうかです。
証明できる正しい公式なのだと確認したら、自分の生活感覚からはかけ離れていても使う。
使うことにためらいを感じない。
だって、公式なんだから。
こういう感覚に切り替えられると楽になります。

使っているうちに、それが当たり前になります。
慣れてしまえば、割合の公式に疑問を抱かないのですから。
証明できることさえ確認したら、あとは覚えてガンガン使うのみ。
それは割合の3用法でも、三角比の公式でも、同じです。

ごくたまに、公式を全く覚えず、いちいち自力で公式をその場で作り出して解く人がいます。
後にノーベル賞などを取った人のエピソードで、そういう話を聞くことがあります。
しかし、これはいわゆる「偉人」のやることです。
思考スピード、計算スピードが常人とは違います。
自分でもできそうだなと思ったら真似たら良いですが、無理して真似ると失敗します。
まして、公式を覚えない言い訳にすると、完全にしくじります。
公式は、やはり便利です。
便利に解くために存在します。
覚えて使えば楽です。

今年もこんな話と山の話ばかりしていくと思いますが、ご一読願えますと幸いです。
ヽ(^。^)ノ






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