たまりば

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2018年01月19日

字が雑な子どもが増えているように感じます。



字は、下手ではあっても、とにかく判読できることが大切です。
字は曲線と直線の組合せです。
正しい位置関係に直線と曲線がないと、その文字を構成できません。
しかし、生徒の中に、そこに意識の及んでいない字を書く子が増えてきたように感じます。
勿論、以前と同様に、しっかりした字を書く子もいます。
一方、きれい汚いを通り越して、他人には読めない字、自分で読み返そうとしても判読に時間のかかる字を書く子が増えているように感じます。

私が子どもの頃は、俗に言う「丸文字」の流行があり、特に女子は皆きれいな字、かわいい字を書いていました。
私のように字の下手な女子はむしろ異端でした。
しかし、近年、きれいな字を書く女子は減り、男子と女子と、字では識別できなくなってきています。
女子の字が雑になり、男子と同じレベルになってきたのです。

こんなことを書くと、女子生徒のお母様から「すみません、すみません。よく言って聞かせます」という反応がありそうで気が重いのですが、そういうことではないのです。
女子中学生や高校生の字が雑なのは、親の責任ではありません。
本人の問題ですよー。
私の世代の女子の字がきれいだったのが親の躾の賜物だったとは思えないですし。

なぜ、我々の世代の女子の字はきれいだったのか。
それは、手書きの文字を他人に見せる機会が多かったからでしょう。
大人に見られることよりも、男子に見られることよりも、女の子同士でお手紙を回すとき、きれいな字、かわいい字は必須のものでした。
女の子から見てかわいい文字を書くことが、女の子にとって必要なことでした。

今、文字はスマホで打ち込みます。
友達同士も、連絡はスマホが中心です。
互いの手書き文字を見る回数は激減しました。
きれいな字を書く練習をしたり工夫をしたりする必然がなくなったのだと思うのです。

もう1つ、最近、自分のこととして感じたのですが、普段自分の書く字が以前より汚くなっているのです。
あれ、これは何だ?と思いました。
保護者の方に送る学習指導レポートの下書きは、そもそも走り書きで、自分が読めればそれでいいのですが、それにしても汚い字だなあと自分で感じて、これはどういうことだろうと思ったのです。
そして、気づきました。
字を書いているスピードが、以前より速いのです。
速記じゃあるまいし、そんなスピードで字が書けるわけがないじゃない、というスピードで字を書いていたのでした。
これは何のスピードだ?
とさらに考えると、それはスマホやパソコンに文字を入力するときのスピードなのでした。
機械に打ち込むときと同じスピードで、手書きの文字も書いていたのです。
手で書くのがまだるっこしくて、無意識に、機械に打ち込むスピードで文字を書いていることに自分で気づきました。
・・・・それじゃ、雑な字になりますね。
手書きの文字はもっとゆっくり書くものだよと自分に言い聞かせて意識すると、すぐに昔の自分の文字に戻りました。

生徒の雑な字も、字を書くスピードが速くなりすぎているのが原因なのではないかと思います。
ゆっくり書けば、もっときれいに書けるのでしょう。
このところ、生徒の英作文を見る機会が多いのですが、私以上に慌てて書くせいなのか、字が異様に読みにくいのです。
mとw、aとuの区別がつかない文字を書く子は以前から多いのですが、aとnの識別ができないなど、以前からは考えられないようなことも起きています。
これは、やはりパソコン・スマホの普及が原因の1つと思います。
スマホで文字を1つ打ち込むのと同じスピードで手書きの文字を書こうとしてしまうのだと思うのです。
文字を手書きすることのスピードの遅さに自分で耐えられず、速く雑に文字を書いてしまう。
これは、自覚して治さないと、治らないです。

入試の答案、英検などの検定の答案は、採点する先生に自分の熱意を伝えるものです。
採点する先生が、あまりの読みにくさに心の中で舌打ちするような文字を書いて、良いことが起こるとは思えません。
丁寧に文字を書いても、時間内にはおさまります。
字はスマホのときよりもスピードを落として、丁寧に書いてください。



  


  • Posted by セギ at 12:14Comments(0)講師日記