2024年12月28日
冬休みなので、難問を。円に外接する多角形の1辺の長さ。
冬休みなので、難問を解いてみましょう。
中3または高校数学の知識で解くことができる問題です。
問題1 半径1の円に外接する正六角形の1辺の長さを求めよ。
問題2 半径1の円に外接する正十二角形の1辺の長さを求めよ。
自分で解きたい方は、ここでブログを閉じてください。
以下は、解説です。
まずは問題1から。
こういう問題では、図を自分で描く必要がありますが、幾度それを助言されても、絶対に図を描かない生徒もいます。
描き方がわからない、と本人たちは言うのですが、その「わからない」の何がわからないのかは、不可解です。
円を描いて、その周りに、下手でもいいから正六角形を描くことの何がわからないのか?
上手く描ける気がしないし、描いたからといって、それで解ける気がしない。
そういう気持ちのほうが強いのではないかと思うのです。
結局、本人の中で、図を描くことが、自分の気持ちを少し犠牲にしてでも行うべきことだと思えないのではないか。
生徒は、どんなに数学が苦手な子でも、本人なりに何かを判断しています。
その判断が間違っているから、数学が得意にならないのだと思うのです。
一方、数学が好きな人は、
「この問題で図を描かないなんて、それじゃ解けないのに。何でそんな気持ち悪いことができるんだろう。図を描けば、解けるのに」
という確信が強いのです。
というわけで、図を描きましょう。
画像の左側が、半径1の円に外接する正六角形の図です。

円の中心をOとし、正六角形の頂点を図のように、点A、点Bとしてみました。
正六角形ですので、辺の長さはすべて等しいです。
中心Oと正六角形の角頂点を結んでできる三角形は、すべて合同です。
360÷6=60 で、
∠AOB=60° となります。
また、△OABは、OA=OBの二等辺三角形です。
頂角が60°の二等辺三角形。
つまり、△ABCは、正三角形だとわかります。
これでわかりました。
正三角形も一種の二等辺三角形ですから、頂角の二等分線は底辺を垂直に二等分します。
よって、OM⊥AB
また、AM=BM
∠BOM=30°
∠OBM=60°
です。
△OMBは、内角が30°、60°、90° の特別な比の三角形だとわかりました。
辺の比は、1:2:√3
ここで、OMは、円の半径ですから、OM=1
よって、BM=1÷√3=1/√3=√3/3
AB=2BM=2√3 / 3
したがって、外接する正六角形の1辺の長さは、2√3 / 3 です。
続いて、問題2を解きましょう。
問題2 半径1の円に外接する正十二角形の1辺の長さを求めよ。

今度は右側の図を見てください。
半径1の円に外接する正十二角形を、正六角形を用いて描き起こそうとしています。
正十二角形の各頂点と円の中心Oとを結べば、12個の合同な二等辺三角形を描くことができます。
その二等辺三角形の頂角は、
360÷12=30
で、30°
頂角30°の二等辺三角形を1つ描いてみましょう。
OBと円との交点をEとします。
∠MOBの二等分線とMBとの交点をCとします。
∠COE=15°
CEの延長上に、∠EOD=15° となる点Dをとります。
△OCDは、頂角30°の二等辺三角形となります。
二等辺三角形の性質から、OE⊥CDで、CE=DEとなります。
さあ、準備は整いました。
CEの長さがわかれば、それを2倍すれば、正十二角形の1辺の長さです。
CEを1辺に持つ直角三角形があれば・・・。
あります!
△BCEが、直角三角形です。
OEは、円の半径ですから、
OE=1
△OABは正三角形でしたから、問題1より、
OB=2√3 / 3
よって、BE=2√3/3 -1
∠B=60°
∠CEB=90° ですから、
△BCEも、特別な比の直角三角形です!
よって、
CE=√3・BE=√3(2√3/3-1)=2-√3
正十二角形の1辺はCDです。
CD=2CE=2(2-√3)=4-2√3
したがって、正十二角形の1辺の長さは、4-2√3 です。
図を描いたからこそ、この解き方にたどりつくことができました!
図は大切。
「描き方がわからないし」
「どうせ、描いてもわからないから、無駄だし」
という気持ちもわかるのですが、そんなふうにくさらず、諦めないで、描き続けましょう。
描いたからこそ解けた問題に、いつか必ず到達します。
中3または高校数学の知識で解くことができる問題です。
問題1 半径1の円に外接する正六角形の1辺の長さを求めよ。
問題2 半径1の円に外接する正十二角形の1辺の長さを求めよ。
自分で解きたい方は、ここでブログを閉じてください。
以下は、解説です。
まずは問題1から。
こういう問題では、図を自分で描く必要がありますが、幾度それを助言されても、絶対に図を描かない生徒もいます。
描き方がわからない、と本人たちは言うのですが、その「わからない」の何がわからないのかは、不可解です。
円を描いて、その周りに、下手でもいいから正六角形を描くことの何がわからないのか?
上手く描ける気がしないし、描いたからといって、それで解ける気がしない。
そういう気持ちのほうが強いのではないかと思うのです。
結局、本人の中で、図を描くことが、自分の気持ちを少し犠牲にしてでも行うべきことだと思えないのではないか。
生徒は、どんなに数学が苦手な子でも、本人なりに何かを判断しています。
その判断が間違っているから、数学が得意にならないのだと思うのです。
一方、数学が好きな人は、
「この問題で図を描かないなんて、それじゃ解けないのに。何でそんな気持ち悪いことができるんだろう。図を描けば、解けるのに」
という確信が強いのです。
というわけで、図を描きましょう。
画像の左側が、半径1の円に外接する正六角形の図です。

円の中心をOとし、正六角形の頂点を図のように、点A、点Bとしてみました。
正六角形ですので、辺の長さはすべて等しいです。
中心Oと正六角形の角頂点を結んでできる三角形は、すべて合同です。
360÷6=60 で、
∠AOB=60° となります。
また、△OABは、OA=OBの二等辺三角形です。
頂角が60°の二等辺三角形。
つまり、△ABCは、正三角形だとわかります。
これでわかりました。
正三角形も一種の二等辺三角形ですから、頂角の二等分線は底辺を垂直に二等分します。
よって、OM⊥AB
また、AM=BM
∠BOM=30°
∠OBM=60°
です。
△OMBは、内角が30°、60°、90° の特別な比の三角形だとわかりました。
辺の比は、1:2:√3
ここで、OMは、円の半径ですから、OM=1
よって、BM=1÷√3=1/√3=√3/3
AB=2BM=2√3 / 3
したがって、外接する正六角形の1辺の長さは、2√3 / 3 です。
続いて、問題2を解きましょう。
問題2 半径1の円に外接する正十二角形の1辺の長さを求めよ。

今度は右側の図を見てください。
半径1の円に外接する正十二角形を、正六角形を用いて描き起こそうとしています。
正十二角形の各頂点と円の中心Oとを結べば、12個の合同な二等辺三角形を描くことができます。
その二等辺三角形の頂角は、
360÷12=30
で、30°
頂角30°の二等辺三角形を1つ描いてみましょう。
OBと円との交点をEとします。
∠MOBの二等分線とMBとの交点をCとします。
∠COE=15°
CEの延長上に、∠EOD=15° となる点Dをとります。
△OCDは、頂角30°の二等辺三角形となります。
二等辺三角形の性質から、OE⊥CDで、CE=DEとなります。
さあ、準備は整いました。
CEの長さがわかれば、それを2倍すれば、正十二角形の1辺の長さです。
CEを1辺に持つ直角三角形があれば・・・。
あります!
△BCEが、直角三角形です。
OEは、円の半径ですから、
OE=1
△OABは正三角形でしたから、問題1より、
OB=2√3 / 3
よって、BE=2√3/3 -1
∠B=60°
∠CEB=90° ですから、
△BCEも、特別な比の直角三角形です!
よって、
CE=√3・BE=√3(2√3/3-1)=2-√3
正十二角形の1辺はCDです。
CD=2CE=2(2-√3)=4-2√3
したがって、正十二角形の1辺の長さは、4-2√3 です。
図を描いたからこそ、この解き方にたどりつくことができました!
図は大切。
「描き方がわからないし」
「どうせ、描いてもわからないから、無駄だし」
という気持ちもわかるのですが、そんなふうにくさらず、諦めないで、描き続けましょう。
描いたからこそ解けた問題に、いつか必ず到達します。
Posted by セギ at 11:27│Comments(0)
│算数・数学
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。