たまりば

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2019年09月11日

高校英語。分詞 その3。感情を表す分詞。



さて分詞の話も3回目。
今回は、感情を表す分詞の使い分けです。
それは、中学生の頃に受動態の学習の中で既に登場している事柄です。
感情表現は、受動態で語られます。
I am interested in the book.
私はその本に興味がある。
interested くらいに使用頻度が高いと、分詞というより形容詞として固定化されて認識されているものですが、もともとは分詞です。
interest という動詞は「興味をもたせる」という意味の動詞。
その過去分詞が、interested 。
現在分詞は、interesting 。
動詞原形の意味が「興味をもたせる」なので、人が主語のときは、「興味をもっている」=「興味をもたせられている」という意味となり、受動態が使用されます。
The book is interesting.
その本は面白い。
物が主語のときは、「面白い」=「その物が興味を持たせている」という意味となり、現在分詞が使用されます。

こういうことは、一度しっかり理解すれば何でもないことのような気がするのですが、何度説明を聞いても聞き流す、すぐ忘れる、混乱する、を繰り返す中学生・高校生も多いです。
数学の解き方は意味がわからなくても作業手順を丸暗記するのに、英語は暗記しない、暗記できないと言う・・・。
英語・数学の両方を教えていると、「やり方が逆だよ」と感じることは多いです。

数学は、どうしてそれで解けるのか理解していないのに丸暗記だけしても仕方ありません。
小学生からずっとそれをやっていると、高校数学はほとんどわからなくなります。
内容を理解せず解き方だけ丸暗記していては高校数学は解き方の丸暗記もできない状態に追い込まれます。
理解していないことの上に理解できないことが乗っかっていく。
わかるわけがありません。
解き方だけ暗記しようとしても、似たような公式、似たような見た目の典型題が多過ぎて、覚えきれません。
本質を理解していれば、数学で覚えるべきことは限定され、それに基づいて多様な問題を解いていくことができます。

一方、英語は、暗記するべきことは暗記しなかったらどうしようもありません。

ついでに言えば、英語を理解するとは、その英文の意味を理解することではありません。
自力で英文を読むことはできないのに、他人が英語を訳してくれると安心し納得して、英語がわかった気になる傾向がある人は、要注意です。
それは英語を勉強したことにはなりません。
塾でも、私に全文を訳してくれと頼んでくる子はいます。
あるいは、全文を訳してくれないからわからない、と愚痴を言う子もかつていました。
全文を訳してもらって、その英文の意味がわかると、英語がわかったような気がするのかもしれません。
しかし、それは、その英文の意味がわかっただけで、英語がわかるようになったわけではないのです。

一方で、同じ子が、負担の大きい単語暗記には消極的です。
受け身で楽な「勉強のようなこと」が本当に好きなのだなと哀しくなります。

また、
「どうしたら、リスニングが得意になりますか?」
と質問する子が、1週間で何時間英語を耳にしているかといったら、学校で英語に触れる時間以外は0分というのはよくある話です。
ラジオ講座など、無料で英語聴き放題の手段を教えても、利用しないのです。

その子たちの望んでいる英語学習と、本当の英語学習との乖離が大きい。
英語が得意にならない根本理由は、そこにあると思います。


というわけで、「かわいそうなゾウの話」のストーリーを覚えても、マララさんの演説の内容を覚えても、それは英語学習ではない。
一方、感情表現の分詞の使い分けを理解し、暗記することは、英語学習です。

また、ここはしっかり区別して使い分けを正確に覚えなければというところで、逐一、逆に逆に覚えてしまう子もいます。
そうした子は、宿題などで間違った練習を沢山してくる傾向があります。
間違った練習が間違った知識を定着させ、幾度修正しても直らない。
どちらがどうだったか、一生混乱することになります。
もう何度も書きましたが、そういうのは誰にでもあり、私も熊のアクセントが「く」にあるのか「ま」にあるのか、いまだに混乱します。
テレビで熊が出てくる度に、1つの番組内でも2種類のアクセントで発音されるので、混乱はさらに助長されます。
幾度修正しても、間違って使用していた時期が長いために、どちらが正しいのかすぐにわからなくなる。
私に限らず、そういう人が「熊」のアクセントでは多いのだろうと思います。

そのようになってしまったら、もう直らない。
だから、そうならないように、学習した最初にしっかり区別し、宿題をやる前にもう一度復習して、正しい練習をして定着を図ることが大切です。
授業を受けて1週間経って、次の授業の直前になって慌ててやっつけ仕事で宿題をし、曖昧な記憶で間違った練習をしてくる子は、英語がなかなか得意にはならないです。
マイナスの練習を沢山してくるのですから。
宿題をやる前に、一度軽く復習。
それだけで、文法事項は定着が違ってきます。


分詞に戻って、再度正確な知識を確認しましょう。
人が主語のときは、使われる分詞は過去分詞。
物が主語のとき、使われる分詞は現在分詞。
どれか1つの分詞で、それをしっかり理解していると安全です。
interested と interesting でもいいですし、excited と exciting でもいいですね。
I was excited.
The game is exciting.
どちらかの記憶が深く、ゆるぎなくなっていれば、それで正しく識別できます。
人が主語のときは過去分詞。
物が主語のときは現在分詞。

このように形容詞として固定化している分詞で使い分けを確認したら、分詞の限定用法でも同じルールで使い分けることを覚えておいてください。
There were a lot of excited supporters.
たくさんの興奮したサポーターがいた。
It was an exciting game.
それは、わくわくする試合だった。

人を修飾するときは、過去分詞。
物を修飾するとき、現在分詞。

感情表現の分詞は、このように使い分けます。
  


  • Posted by セギ at 13:04Comments(0)英語