2024年08月03日
夏休みなので難問を。色を塗られている立方体を数える問題。
図が雑ですみません。
さて、問題
1辺1㎝の立方体を縦・横・高さそれぞれに10個ずつ並べて、上の図のように1辺10㎝の立方体を作りました。
この立方体の表面全てに色を塗ったのち、バラバラに崩しました。
1辺1㎝の立方体のうち、どこかの面に色が塗られているものは何個ありますか。
受験算数の典型題ですね。
先日、NHK「3か月でマスターする数学」でも、取り上げられていました。
自分で考えてみたいという方は、ここで一旦閉じて、お楽しみください。
さて、ここからは、解説。
まずは、一番地道な方法から解説しましょう。
色が塗られている立方体を地道に数えます。
1辺10㎝の立方体の1つの面にある、1辺1㎝の立方体の数は、
10×10=100(個)
面は6つあるので、
100×6=600(個)
しかし、これはダブって数えていますね。
どの位置の立方体をダブって数えているでしょうか。
まず、3つの面に同時に存在している立方体があります。
大きな立方体の頂点の位置にあるものです。
頂点の数は、8個。
この8個の小さな立方体を3回数えてしまっています。
だから、2回分、引きましょう。
すなわち、
8×2=16
また、2面に同時に存在している立方体もあります。
大きな立方体の辺のところに存在して、頂点の位置にはないもの。
1つの辺に小さな立方体は10個存在しますが、そのうち、上下の2個は頂点の位置のものですから、
10-2=8(個)
立方体に辺は12本ありますので、
8×12=96(個)
これは、2回数えてしまった分ですので、1回分を引けばいいでしょう。
すなわち、求める立方体の数は、
600-16-96=488(個)
答は、488個 です。
これはこれで、別に間違ってはいないですが、面倒くさかったですね。
頂点の位置の立方体を3回数えてしまっているところが、面倒でした。
それを2回分引かなければならない、というあたりで誤解をしたり計算ミスをしたりする人が出そうです。
もう少し簡単に求める方法はないでしょうか。
では、大きな立方体の側面にある色を塗られたものの数だけを優先して数えて、あとで上の底面と下の底面で数えていなかったものを足すのはどうでしょうか。
少しわかりやすいような気がします。
側面の1つの面にある小さな立方体の数は、
10×10=100(個)
側面は4つあるから、
100×4=400(個)
このうち、辺の位置に存在するものは、ダブって数えています。
辺の位置に存在する立方体は10個。
辺は4つありますから、
10×4=40(個)
これを引きますので、
400-40=360(個)
これで側面の分は計算しました。
あとは、上の底面の分。
既に側面で計算済みのものは最初から除外しましょう。
上の底面の外側1周分のものは、側面に存在する立方体でもありますから、最初から除外すると、
まだ数えていない上の底面にある立方体は、
8×8=64(個)
下の底面にも同じ数だけあるので、
64×2=128(個)
これを、先ほどの側面の個数とあわせて、
360+128=488(個)
先ほどと同じ答になりました。
少しスッキリしたけれど、まだ面倒くさかったですね。
もっと簡単に求める方法はないのでしょうか?
先ほど、上の底面の立方体を数える際に、外側1周を最初から除外しましたよね。
この考え方は、使えないでしょうか?
そうだ!
色が塗られている立方体の数を数えるのではなく、それは除外して、色が塗られていない立方体の数を数えて、最後に全体から引くのはどうでしょうか。
頭の中で、外側一面の小さな立方体をはぎとりましょう。
1個ずつ、すべての面から取り除くと?
残った、色が塗られていないかたまりも、これもまた立方体です。
この立方体は、小さな立方体が何個ずつ並んだものでしょうか。
上下左右に1個ずつとりのぞいたのですから、縦・横・高さに8個ずつ並べたものです。
つまり、その個数は、
8×8×8=512(個)
全体の立方体の個数は、
10×10×10=1000(個)
したがって、色が塗られている立方体の個数は、
1000-512=488(個)
簡単に答が出ました!
こうした「裏側を考える」「そうではないものを数える」考え方は、高校数A「確率」では余事象の確率の利用という形できわめて多く使用される考え方です。
ちょっと考え方を変えるだけで、とても簡単に問題を解けますね。
さて、問題
1辺1㎝の立方体を縦・横・高さそれぞれに10個ずつ並べて、上の図のように1辺10㎝の立方体を作りました。
この立方体の表面全てに色を塗ったのち、バラバラに崩しました。
1辺1㎝の立方体のうち、どこかの面に色が塗られているものは何個ありますか。
受験算数の典型題ですね。
先日、NHK「3か月でマスターする数学」でも、取り上げられていました。
自分で考えてみたいという方は、ここで一旦閉じて、お楽しみください。
さて、ここからは、解説。
まずは、一番地道な方法から解説しましょう。
色が塗られている立方体を地道に数えます。
1辺10㎝の立方体の1つの面にある、1辺1㎝の立方体の数は、
10×10=100(個)
面は6つあるので、
100×6=600(個)
しかし、これはダブって数えていますね。
どの位置の立方体をダブって数えているでしょうか。
まず、3つの面に同時に存在している立方体があります。
大きな立方体の頂点の位置にあるものです。
頂点の数は、8個。
この8個の小さな立方体を3回数えてしまっています。
だから、2回分、引きましょう。
すなわち、
8×2=16
また、2面に同時に存在している立方体もあります。
大きな立方体の辺のところに存在して、頂点の位置にはないもの。
1つの辺に小さな立方体は10個存在しますが、そのうち、上下の2個は頂点の位置のものですから、
10-2=8(個)
立方体に辺は12本ありますので、
8×12=96(個)
これは、2回数えてしまった分ですので、1回分を引けばいいでしょう。
すなわち、求める立方体の数は、
600-16-96=488(個)
答は、488個 です。
これはこれで、別に間違ってはいないですが、面倒くさかったですね。
頂点の位置の立方体を3回数えてしまっているところが、面倒でした。
それを2回分引かなければならない、というあたりで誤解をしたり計算ミスをしたりする人が出そうです。
もう少し簡単に求める方法はないでしょうか。
では、大きな立方体の側面にある色を塗られたものの数だけを優先して数えて、あとで上の底面と下の底面で数えていなかったものを足すのはどうでしょうか。
少しわかりやすいような気がします。
側面の1つの面にある小さな立方体の数は、
10×10=100(個)
側面は4つあるから、
100×4=400(個)
このうち、辺の位置に存在するものは、ダブって数えています。
辺の位置に存在する立方体は10個。
辺は4つありますから、
10×4=40(個)
これを引きますので、
400-40=360(個)
これで側面の分は計算しました。
あとは、上の底面の分。
既に側面で計算済みのものは最初から除外しましょう。
上の底面の外側1周分のものは、側面に存在する立方体でもありますから、最初から除外すると、
まだ数えていない上の底面にある立方体は、
8×8=64(個)
下の底面にも同じ数だけあるので、
64×2=128(個)
これを、先ほどの側面の個数とあわせて、
360+128=488(個)
先ほどと同じ答になりました。
少しスッキリしたけれど、まだ面倒くさかったですね。
もっと簡単に求める方法はないのでしょうか?
先ほど、上の底面の立方体を数える際に、外側1周を最初から除外しましたよね。
この考え方は、使えないでしょうか?
そうだ!
色が塗られている立方体の数を数えるのではなく、それは除外して、色が塗られていない立方体の数を数えて、最後に全体から引くのはどうでしょうか。
頭の中で、外側一面の小さな立方体をはぎとりましょう。
1個ずつ、すべての面から取り除くと?
残った、色が塗られていないかたまりも、これもまた立方体です。
この立方体は、小さな立方体が何個ずつ並んだものでしょうか。
上下左右に1個ずつとりのぞいたのですから、縦・横・高さに8個ずつ並べたものです。
つまり、その個数は、
8×8×8=512(個)
全体の立方体の個数は、
10×10×10=1000(個)
したがって、色が塗られている立方体の個数は、
1000-512=488(個)
簡単に答が出ました!
こうした「裏側を考える」「そうではないものを数える」考え方は、高校数A「確率」では余事象の確率の利用という形できわめて多く使用される考え方です。
ちょっと考え方を変えるだけで、とても簡単に問題を解けますね。
Posted by セギ at 11:08│Comments(0)
│算数・数学
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