たまりば

地域と私・始めの一歩塾 地域と私・始めの一歩塾三鷹市 三鷹市

2020年03月25日

高校英語。比較表現。the +比較級と、the のない最上級。


最上級には the をつける。
比較級には the はつけない。

中学2年で、まずそのように基本を学習します。
しかし、この基本がつかみきれないまま高校生になってしまった人が、英語が苦手、文法が苦手な人には多いです。
最上級に関する空所補充問題で the をつけず、( )が1つ余ってしまい、仕方ないから余計な単語を入れて、誤答。
間違えた直後は、ああそうだったと思っても、1週間も経つと、また同じことを同じように間違えてしまいます。

・・・何で?

教えていて苦慮するのは、こういう基本がどうしても定着しない子がいることです。

英語のつまずきは、学習の初期の初期から常にあり、多くの子が同じところを同じように間違えます。
アルファベット小文字のbとdの混同。
you're と your の混同。
she's と her の混同。
Are you ~?と Do you ~?の混同。
三単現のs、名詞複数形のsを常に忘れる。
現在進行形で be 動詞を一切書かない。
・・・枚挙に暇がありません。
全てのハードルを引っ掛けて倒す選手のように、全箇所でつまずいていきます。
人が変わっても、同じところを同じように間違えます。
ああ、この子もまたここを間違えるのか・・・と感じることは多いです。

学力的に、それが限界なのか・・・。
いやいや冗談じゃない。
こんな初歩の段階で限界ということはないでしょう。
まだ余力があるでしょう?
勉強に対する心構えや感覚が雑になっていませんか?
シラス漁をしているのに、大きな魚を捕るための大きな目の網を使っていませんか?
大体理解すれば大丈夫と思ってしまう。
だから、全部頭をすり抜けてしまって、何にも残らない。
そういう感覚の勉強をしていませんか?

細かいところを丁寧に正確に見ましょう。
似ているところの細かい違いをよく注意して覚えましょう。
そこがテストに出るということを強く意識しましょう。
定期テストの英語は、減点との闘いです。
スペルを1つ間違えただけで、はい1点減点。
ピリオドを打ち忘れただけで、はい1点減点。
丸よりも△が多い人は、英語に関して自分の注意力のレベルを一段階上げれば、得点は格段に上がります。

・・・そんなの本当の英語力とは関係なくない?

うん。
気持ちはわかります。
そんな細かいミスよりも、英文を読んだり聞いたりして大体内容が理解できて、英語を書いたり話したりして大体通じることのほうが大切じゃないか?
確かにそうです。
でも、現実には、そのような本当の英語力のある人は、上のようなミスも少ないのです。
ミスは非常に多いが4領域の能力がバランス良く高い人に、私は会ったことがありません。
上のようなミスは多いが、初見の英文を読んで答える問題はよくできるし、テーマを与えられた英作文は語彙も豊富で内容も深い・・・という人がいたら何だか格好いい気もしますが、現実には、私は見たことがないのです。
文法ミスやスペルミスが多い人は、「本当の英語力」を問われる問題も、やっぱり苦手であることが多いのです。
単なるケアレスミスというよりも、英語に対する意識の低さがミスに表れているためではないかと感じます。
「大体わかればいいや」という気持ちの底には、英語がいつまでもいつまでも小学生の頃のように易しければいいのにという気持ちがあるのかもしれません。
だから、英語が難しくなってくると、「大体わかる」こともできなくなっていくのです。

小学生で日本に帰国した帰国子女で、日常会話の英語を「聞く」「話す」能力は高いけれど「読む」「書く」力があまり伸びない子がいます。
文法ミス・スペルミスも非常に多いです。
子どもの英語のまま、その先が伸びないのです。
それが、本当の英語力でしょうか?

正しい文法の正しい英語を使うことは、英語圏では常識ある大人であることの証明。
教養の証明です。
文法ミスやスペルミスの多さは、仕事人なら、職業的能力すら疑問視される可能性があります。
それは、日本でも、そうでしょう?
日本語が何だかおかしい日本人を仕事相手として信用できますか?
メールや手紙が誤字脱字だらけの仕事相手を尊重できますか?

私もこのブログを書いていて、誤字脱字を後になって見つける度にヒヤリとしています。
細かいところを丁寧に正確に。
完璧は目指せないとしても、そこに向かって努力することは必要なことだと思うのです。


最上級には the をつける。
比較級には the はつけない。

この基本が曖昧なまま高校英語に進んでしまうと、その先は例外的なことが出てきますので、さらに混乱し、訳がわからない状態になっていきます。
今回は、そんな内容です。
最上級だけど、the がつかない。
比較級なのに、the がつく。
そういう表現を扱います。


もともと、普通の最上級でも、副詞の場合は the をつけなくても良いのです。
つけても構いませんが。
この知識を問うために、主に私立高校では以下のような入試問題を作ることがあります。

問題 次の英文の空所を埋めよ。
She can swim (  )(  ) her class.
彼女はクラスで最も速く泳ぐことができる。

これを、
She can swim (the)(fastest) her class.
としてしまう人は、最上級には the をつけるということは理解しているのですが、副詞の場合は the はなくても良いという知識が身についていないのかもしれません。
正解は、
She can swim (fastest)(in) her class.
です。
the は省略できるけれど、 in は省力できません。
しかし、前置詞に対する意識が低いと、上のような誤答になりがちです。

実は、形容詞の最上級でも、叙述用法の最上級は the はつけなくても良いというルールもありますが、では、叙述用法の形容詞とは何なのかという話になっていきます。
面倒くさいので、そこらへんは、今回は省略しましょう。


ここから学習するのは、絶対に the をつけない最上級です。

まずは、1つのものごと、1人の人の中での最上級。

This lake is deepest at this point.
この湖はこの地点が最も深い。

1つの湖の中で、最も深いところの話をしています。
これは、下の文と比較するとわかりやすいでしょう。

This lake is the deepest in Japan.
この湖は日本で一番深い。

人間の場合の例も。

She feels happiest when she is playing the piano.
彼女はピアノを弾いているときに最も楽しいと感じる。

これも、
She is the happiest woman in the world.
彼女は世界で一番幸福な女性だ。

という文と比べると違いが理解しやすいと思います。


次に、the をつける比較級。
前にも書きました、the 比較級+主語・動詞~, the 比較級+主語・動詞・・・. の文。
「~すればするほど、ますます・・・・」という意味の文でした。

The higher we climb, the colder we feel.
高く登れば登るほど、ますます寒いと感じる。

他に、2つの中での比較。
My brother is the taller of the two boys.
私の弟は、2人の少年のうちの背の高いほうだ。

冠詞 the には、ものごとを限定する意味があり、2つの中での~のほうなのだと確定する意味あいとして使われます。

the を使わない最上級。
the を使う比較級。
セットで覚え、頭の中を整理してください。



  


  • Posted by セギ at 13:44Comments(0)英語