たまりば

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2014年07月14日

奥多摩 鷹ノ巣山に行ってきました。2014年7月。


7月13日(日)、奥多摩の鷹ノ巣山に行ってきました。
ホリデー快速おくたま号で、終点奥多摩駅下車。
駅前から、東日原行きのバスに乗ります。
最初、1台だけのバスが満員の状態でしたが、急遽増発が出て、立っている人たちは2台目に移動。
わりとのんびりした車内の雰囲気でバスは出発しました。9:30。

川乗橋で、半分以上の人が下車。
川苔山に行く人たちでしょう。
この冬の大雪が起こした雪崩のため、川乗谷は、橋が1つ落ち、まだそのままです。
でも、落ちた橋は、桟道のような位置の橋なのでしょう。
落ちた橋の脇を無理に通る形で山歩きをしている人が多いようです。

終点、東日原。10:00。
バス停のトイレに寄って、さて、出発。
まずは、バスの進行方向に向かって車道を歩いていきました。
やがて、高くそびえる稲村岩が見えてきて、鷹ノ巣山登山口の看板の通りに左折。
コンクリートの階段を降りていくと、すぐ細い山道に入ります。
一昨日に台風8号が去ったばかりで、沢の音が激しい。
年によっては、上部は枯れていることもあるのに、今日の沢は轟々と音を立てて流れていました。
沢付近が苦手な私は、ひえーと足がすくみかけるのを何とか気持ちを落ち着かせて、一歩ずつ歩いていきました。

橋を渡ると、その先に、見知らぬ桟道。
去年はなかったものです。
崖崩れで登山道が崩落し、作られたもののようです。
さらにその先に、これは一昨年から見知っている沢にかかる橋がありました。
この橋が出来てから、徒渉の必要がなくなりました。
今日のような水量だと、徒渉はちょっと怖いので、助かります。

沢の右岸の岩がちの道をしばらく行き、また左岸に渡りました。
崖をジクザグに切ってある登山道を登っていくと、向こうから4人パーティが下りてきました。
昨日入山し、雲取山の小屋か、それとも稜線上のどこかの避難小屋で一泊した人たちなのでしょう。
その人たちを通すべく、山側のちょっとした隙間に私が避けたとき、進もうとしていたその人たちが叫びました。
「危ない危ない危ない!」
「道が!」
私の位置からは見えなかったのですが、私の歩いてきた登山道を、後ろから来た人が踏み抜いて、転落しかけたようなのです。
崖に切った登山道は、木枠で補強はしてあるのですが、崩れ落ちたようでした。
その男性の姿が見えてきて、立ち止まってズボンの泥を払っている様子に、ようやく安心。

道を譲りながら話しかけました。
「登山道が崩れたんですか?」
「いや、小さい穴が開いてるなあとは思ったんだけどね。そこを踏んだら、下に何もなかった。あー、やっちゃったね。不用心だった」

三つ目の橋は、横板が1枚外れていました。
そこだけ大股にならねばならず、よいしょと越えました。
そこからは、急登。
沢の音が少しずつ遠くなるなか、急斜面をジグザグに切ってある登山道をひたすら登ります。
苦しいですが、あたりの緑がとりわけ美しい道です。
稲村岩分岐。11:00。
岩の1つに座り、ほっとひと息。

毎年、ここまでは、大体同じペースなのですが、そこからは、その日の暑さによって、同じ山を歩いたと思えない差が生じます。
去年うまくいったのは、25分歩いたら5分休憩し、クールダウンする方法。
今年も同じやり方をしようと思いましたが、ここで問題が発生しました。
羽虫が多くて、休んでいると、たちまち蚊柱のように私のまわりに羽虫が集まってきます。それだけなら我慢できますが、アブがブンブン旋回し始めます。
これでは、休んでいられません。
虫よけスプレーを持ってくれば良かったー。
おかしいなあ。
この時期にここを歩いて、こんなにアブがいることなんて今までなかったのになあ。

少し開けたところがあれば、アブが来る前に急いで水分補給だけして、歩き続けました。
そうこうする間に、ガスが濃くなり、大粒の雨が降ってきました。
ひゃあ。
でも、森の中なので、実際に身体にあたる雨はほとんどありませんでした。

森は葉に雨を受けて水をためこんでくれる。
水は葉から幹をつたい、地面にしみこみ、そうやってゆっくりゆっくり沢に水を落とす。
有難いなあ。
雨が降った途端、アブが出てこなくなり、それも有難かったです。

稲村岩尾根も、今年の大雪の影響は大きかったようです。
倒木があちらこちらにありました。
しかも、大木が倒れているのが目につきます。
一昨年、疲れ果てて座り込んで見上げた、見覚えのある巨木が根本から倒れているのに遭遇し、息を呑みました。
どれだけの力がかかると、こんなことになるのだろう。
雪は恐ろしい。

登れども登れども、次の目標ポイントであるヒルメシクイノタワに着きません。
速かった年は稲村岩分岐から1時間15分で着いているけれど、遅かった一昨年は2時間30分もかかっているので、時間が読めません。
今年はきちんと休めないでいるから、自分が思うよりもペースが落ちているのかなあ。
気持ちもバテてきました。

急坂を木の根を利用して登っていく箇所の上部で、人が待っていました。
登り優先とは言うけれど、こういうときは、降りてきてくれたほうがむしろ有難い。
思わずため息をつくと、
「あと少しですよ」
と声をかけられました。
「はあ。ありがとうごさいます」
と答えて上を見上げると、空が開けています。
あれ?
見覚えがあるぞ、あの開け方は。

ガスで何も見えませんでしたが、近づくと、道しるべが立っていました。
そこは、鷹ノ巣山の山頂でした。13:25。

えっ、ヒルメシクイノタワは?
あんなに開けた場所で、ベンチもあって、たいてい誰かが休憩している場所を見落とすことなんてあるだろうか?
私がうっかりしていたのかもしれませんが、登山道が崩れて付け替えられている箇所も多かったし複線化もしていたので、その影響なのかもしれません。
これは、次回の確認事項にします。

雨は止んでいました。
でも、ガスで視界不良、五里霧中です。
風もあって、汗と少しの雨でぬれた身体がたちまち冷えていきます。
雨具を出して着るのは面倒なので、大急ぎでおにぎりを1つ食べ、寒いなあと感じながら出発。13:35。

ここからは、石尾根縦走路を奥多摩駅まで降りていきます。
山頂直下の急坂を下ると、少し周囲が見えてきました。
石尾根は、少し急なところが数か所ある以外は、よく整備された歩きやすい道です。
でも、ここも、倒木が何本もありました。
巨木が登山道に倒れています。
土をたくさんつけたまま、根こそぎひっくり返っていたり、根本でへし折れていたり。
その度、わあ・・・と声を出さずにいられない光景でした。
幹が太いので、またいで通ることはできず、いったん幹の上に乗り、そこから向こう側に降りなくてはなりません。
太ももがつりそうな、変な体勢になりながら通過。

急な下りを木につかまりながら通過すると、また歩きやすい道になります。
いったん大きく下って、そこから登り返すと、六ツ石山分岐。14:55。

尾根から一段下がっているけれど道幅は広く、歩きやすい道が続きます。
後ろで人の気配があり、振り返ると、マウンテンバイクを押す人たちが3人いました。
道を譲ると、礼を言ってMTBに乗り、走り去っていきました。
石尾根でMTBかあ。凄いなあ。

三ノ木戸との分岐。15:30。
三ノ木戸の林道へ降りていく道は、トラロープで入り口がふさがれ、登山道崩落の説明がされていました。
奥多摩の登山道は、この大雪のせいで荒れ、直さなければならない箇所が山積しているようです。

急坂をそろそろと下り、毎年おなじみのドロドロ道は、すぐ脇の、草1本生えていない乾いた林の中を歩かせてもらい、道が乾いて歩きやすくなってくると、車の音がかすかに聞こえてきました。
林道出合。16:40。

舗装された林道をとっとこ下って、ショートカットの羽黒三田神社へ。
看板に、「平成26年5月20日夕方にこの付近で熊が目撃されました」とあり、ごそごそとザックから熊鈴を取り出しました。
こんな麓で使うことになるとは。
しかし、熊は早朝と夕方に行動するというから、用心用心。
無事に神社を通りすぎ、また舗装された林道に戻って、とっとこ下ると、ショートカットを期待していた階段すら7月25日まで工事中という看板を見て、さすがにがっかり。

大回りして、駅前交番がこんな場所に移動したんだと確認しながら、もえぎの湯へ17:30。
入り口には、「ただ今30分待ちです」という表示がありましたが、5人、10人、また10人と、大人数がなぜかどんどん出てくるのとすれ違い、すんなり入館できました。
洗い場もすいていて、のんびり入ることができました。

ああ、さっぱりしたともえぎの湯を出たら、後ろから来た車が、
「奥多摩駅までですか?乗っていきませんか」
と声をかけてくれました。
若い女の子の二人連れの車でした。
「あ。コンビニ寄りたいんで、大丈夫です。ありがとう」
そう答え、気持ちもほっこりさっぱりして、駅へと向かいました。

  


  • Posted by セギ at 15:57Comments(0)